JP2005220116A - 1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用 - Google Patents

1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2005220116A
JP2005220116A JP2004032598A JP2004032598A JP2005220116A JP 2005220116 A JP2005220116 A JP 2005220116A JP 2004032598 A JP2004032598 A JP 2004032598A JP 2004032598 A JP2004032598 A JP 2004032598A JP 2005220116 A JP2005220116 A JP 2005220116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
saturated
substituent
compound
unsaturated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004032598A
Other languages
English (en)
Inventor
Munetaka Kunishima
崇隆 国嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2004032598A priority Critical patent/JP2005220116A/ja
Publication of JP2005220116A publication Critical patent/JP2005220116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

【課題】 容易に製造することができるとともに、官能基を導入しやすく、多様なゲスト分子に対し、選択的分離、センサ、触媒、安定化剤等としてより優れた機能を有するシクロファン型ホスト分子を提供する。
【解決手段】 一般式(1)又は(2)
【化1】
Figure 2005220116

【化2】
Figure 2005220116

(式(1)及び(2)中、Rは水素原子又は有機基を示し、R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)で表されるシクロファン型化合物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、1,3,5-トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用に関するものであり、特に包接化合物のホスト分子として有用な、1,3,5-トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用に関するものである。
包接化合物とは、2種の分子が適当な条件下で組み合わさってできる化合物で、一方の分子が、他方の分子を取り囲んだ構造の化合物である。2種の分子のうち他の分子を取り囲むホスト分子と、取り囲まれるゲスト分子との間には強い分子間力は作用せず、ホスト分子が提供する空洞の大きさと、中に入るゲスト分子の大きさが適合するかどうかが生成の重要な要件となる。
このようなホスト分子は、ゲスト分子を選択的に捕捉することができ、ホスト分子がゲスト分子を捕捉して形成された包接化合物では、両分子は比較的弱いイオン結合、ファンデルワールス結合、水素結合等により結合しているため、これらを再び容易に分離することができる。それゆえ、包接化合物のホスト分子は、近年、物質の選択的分離、センサ、触媒、安定化剤等の分野における応用が期待されている。
ホスト分子がゲスト分子を取り囲む構造としては、取り囲み型、筒型、層状、カゴ状、詰め込み型等がある。これらのうち、取り囲み型は、ホスト分子がゲスト分子を全体的に取り囲む構造である。この取り囲み型のホスト分子の代表的な例は、シクロデキストリン、クラウンエーテル、シクロファン、カリックスアレーン等の環状化合物である。これらは、環構造の内孔の大きさ、体積、形状によって特定の分子を認識し包接することができる。また、かかるホスト分子の極性構造・空洞を形成する環の厚みや剛直さを左右する官能基の種類は包接化合物の生成に大きな影響を与える。
これらの環状化合物のうちシクロデキストリンは、ブドウ糖ユニットからなる天然品であり、天然物の良さを有するが、化学修飾による新機能の付与は難しい。また、クラウンエーテルは、ゲスト分子が、金属やカチオン等に限定されやすい。シクロファンは、一般的に合成が困難であるが、官能基は導入しやすい。これと反対に、カリックスアレーンは、合成しやすいが、官能基の導入に制約がある。
以上のように、環状化合物である上記ホスト分子は、種々の用途、目的に使用しうるものであるところからも、各々が、目的に応じて使い分けられることになる。
上述したように、広義には芳香環を含む環状化合物であるシクロファンは、官能基を導入しやすいため、官能基の選択によって、目的とするゲスト分子に親和性を有するホスト分子を設計できるという長所を有している。シクロファンの合成は一般に困難であるが、トリアジン環を含むシクロファン型化合物を簡単に合成する方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
上記非特許文献1では、一般式
Figure 2005220116
(式中、R=Cl、R=H、X=CH又はNを示す。)
で表される、4位の置換基Rとして塩素を導入した1,3,5-トリアジン環を含むメタシクロファン型化合物が、塩化シアヌルとジアミンとを反応させることによって容易に得られることが報告されている。また、該メタシクロファン型化合物にアミン類を作用させると、上記4位の塩素がアミノ基に置換されたメタシクロファン型化合物が得られることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。さらに、1,3,5-トリアジンを2価の硫黄で繋いだカリックス[n]トリアジン(n=2又は3)類の合成についても報告されている(例えば、非特許文献3、4参照)。
Graubaum,H., Lutze,G., Tittelbach,F., Bartoszek,M., J. prakt. Chem. 337(1995)401-404 Borodkin,V.F., Gnedina,V.A., Grukova,I.A., Izvestiya Vysshikh Uchebnykh Zavedenii, Khimiya i Khimicheskaya Tekhnologiya, (1973),16(11),1722-5 Longhran,G.A., Ehlers,G.F., Burkett,J.L., J.Heterocyclic Chem., 3(1996)143-148 Mascal,M., Richardson,J.L., Blake,A.J., Wan-Sheung Li, Tetrahedron Letters, 38(1997)7639-7640
しかしながら、上記従来のトリアジン環を含むシクロファン型化合物では、包接することができるゲスト分子は限定される。したがって、さらに多様なゲスト分子に対し、選択的分離、センサ、触媒、安定化剤等としてより優れた機能を有するホスト分子の開発が望まれる。
具体的には、非特許文献1に報告されている、トリアジン環の4位に塩素が導入されたメタシクロファン型化合物は、塩素原子の電子吸引効果のため、金属への配位効果が十分ではないと考えられる。
これに対して、非特許文献2に報告されている、トリアジン環の4位にアミノ基が導入されたメタシクロファン型化合物は、上記塩素置換体の場合と比較して優れた金属への配位効果が期待される。しかし、4位の窒素原子と金属との相互作用が問題となり、イオン選択性が低下すると考えられる。さらに、トリアジン環と上記アミノ基とを繋ぐ単結合の回転障壁が比較的大きいために、配座は s-cis か s-trans のどちらかに固定されてしまい、例えば、ホスト分子を二分子膜に埋め込んでイオノフォアーとして利用する場合等に、二分子膜への固定が困難であると考えられる。
また、非特許文献3、4に報告されている、トリアジン環を2価の硫黄で繋いだカリックス[n]トリアジン類の反応性は不明である。さらに、2つの芳香環に挟まれた硫黄原子は特に酸化されやすいため、利用にあたり問題となると考えられる。また、硫黄原子は、例えば窒素原子と比較して配位能力が弱く、原子サイズも大きいので、包接することができるゲスト分子は限定される。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、さらに多様なゲスト分子に対し、選択的分離、センサ、触媒、安定化剤等としてより優れた機能を有する、トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用を提供することにある。
本発明者らは、上記目的に鑑み鋭意検討した結果、1,3,5-トリアジン環の4位にヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、又はチオアルコキシ基を導入することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかるシクロファン型化合物は、一般式(1)又は(2)
Figure 2005220116
Figure 2005220116
(式(1)及び(2)中、Rは水素原子又は有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)で表されることを特徴としている。上記の構成によれば、トリアジン環の4位に上記−OR基又は−SR基が導入されているため、従来の4位に塩素原子やアミノ基が導入されているものに比べて、特に金属原子に対する配位能力を増大させることができるという効果を奏する。また、トリアジン−O結合の回転障壁が小さいため、配座に柔軟性が生まれ、二分子膜への固定が容易になると考えられる。さらに、上記の構成によれば、Rとして種々の構造を選択することができるため、目的のゲスト分子に親和するホスト分子を設計することができるという効果を奏する。
本発明にかかるシクロファン化合物では、上記一般式(1)及び(2)中、Aは置換基群、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有するか有しないフェニレン基、又は同置換基を有するか有しない5〜6員環の複素環式芳香基であることが好ましい。上記Aが、かかる構成であることによれば、Aが例えば脂肪族である場合のように構造が柔軟になることがないため、シクロファン化合物は安定した環構造を有することができるという効果を有する。それゆえ、特定のゲスト分子に対する優れた配位能力を有する。また、Aが芳香性を有するため、π電子移動により包接性を増大させることができる。
また、本発明にかかる化合物は、一般式(3)、(4)、(5)又は(6)
Figure 2005220116
Figure 2005220116
Figure 2005220116
Figure 2005220116
(式(3)、(4)、(5)及び(6)中、Rは水素原子、又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示し、式(3)及び(4)中、Rはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、式(5)及び(6)中、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示す。)で表されることを特徴としている。
これらの中間体を経ることにより、本発明にかかるシクロファン型化合物を簡単に製造することができる。
また、本発明にかかるシクロファン型化合物の製造方法は、一般式(1)又は(2)
Figure 2005220116
Figure 2005220116
(式(1)及び(2)中、Rは水素原子又は有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)で表されるシクロファン型化合物を製造するために、一般式(7)又は(8)
Figure 2005220116
Figure 2005220116
(式(7)及び(8)中、Rは水素原子又は有機基を示し、Rはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示す。)で表される1,3,5-トリアジン誘導体と、一般式
NH−A−NHR ・・・(9)
(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させて、一般式(3)、(4)、(5)又は(6)
Figure 2005220116
Figure 2005220116
Figure 2005220116
Figure 2005220116
(式(3)、(4)、(5)及び(6)中、Rは水素原子、又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示し、式(3)及び(4)中、Rはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、式(5)及び(6)中、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示す。)で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴としている。
上記非特許文献2に記載されている、4位に塩素原子を有する1,3,5-トリアジン環を含むシクロファン型化合物の該4位へのアミノ基の導入反応はアルコール中で行われている。このことより、4位に塩素原子が導入されている1,3,5-トリアジン環を含むシクロファン型化合物を直接アルコキシ化することは不可能であると考えられる。また、実際に、該4位塩素置換体をメタノール中で塩基条件下加熱しても、4位メトキシ置換体は全く得られなかった。これに対し、トリアジン環に上記−OR基又は−SR基を導入後に、シクロファン化合物の環を形成する上記の構成によれば、4位に−OR基又は−SR基が導入されたシクロファン化合物の製造が可能となる。
上記製造方法は、さらに、上記一般式(3)又は(4)で表される化合物と、一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させる工程を含んでいてもよい。これにより、上記一般式(1)又は(2)における繰り返し単位nが2であるシクロファン型化合物を製造することができる。
また、上記製造方法は、さらに、上記一般式(3)又は(4)で表される化合物と、上記一般式(5)又は(6)で表される化合物とを縮合反応させる工程を含んでいてもよい。これにより、上記一般式(1)又は(2)における繰り返し単位nが3であるシクロファン型化合物を製造することができる。
また、本発明にかかる包接化合物は、上記シクロファン型化合物をホスト分子としていることを特徴としている。上記包接化合物は、4族〜15族の金属をゲスト分子とする、金属錯体であることが好ましい。
本発明に係るシクロファン型化合物は、以上のように、4位にヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、又はチオアルコキシ基が導入された1,3,5-トリアジン環を環構成要素として備えているので、従来の4位に塩素原子やアミノ基が導入されているものに比べて、特に金属原子に対する配位能力を増大させることができるという効果を奏する。また、上記の構成によれば、Rとして種々の構造を選択することができるため、目的のゲスト分子に親和するホスト分子を設計することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシクロファン型化合物の製造方法は、以上のように、トリアジン環に上記−OR基又は−SR基を導入後に、1,3,5-トリアジン誘導体とジアミン化合物とを縮合反応させて、シクロファン化合物の環を形成する構成を備えているので、4位に−OR基又は−SR基が導入されたシクロファン化合物を簡単に製造することが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。なお、シクロファンとは、狭義には、炭素鎖でベンゼン環を結んだ環状化合物をいい、広義には、縮合芳香環、複素芳香環を含み、これらを結ぶ環の構成要素として、オキシ基(−O−)やイミノ基(−NH−)等を有するものも含む。本明細書においては、シクロファンとは、ベンゼン環に限らず縮合芳香環、複素芳香環をも環構成要素として含み、これらを結ぶ、環の構成要素としてオキシ基(−O−)やイミノ基(−NH−)等を有するものも含む広義のシクロファンを意味する。本発明にかかるシクロファン型化合物は、複素環式芳香環であるトリアジンを環構成要素の一部として含み、これを結ぶ、環の構成要素として(N置換)イミノ基を環の構成要素として含んでいるシクロファンの一種である。
<本発明にかかるシクロファン型化合物>
上記一般式(1)又は(2)で表される本発明にかかるシクロファン型化合物は、1,3,5-トリアジン環を含み、トリアジン環の2位と6位の炭素原子でシクロファン型化合物の環を構成する他の要素である(N置換)イミノ基に結合している。そして、このトリアジン環の4位には、−OR基又は−SR基が導入されている。
これにより、従来の塩素原子が導入されているシクロファン型化合物に比べて、逆に置換基による電子供与効果が得られる。それゆえ、金属への配位効果が向上する。また、アミノ基が導入されている場合のように、回転障壁が大きいという問題もない。それゆえ、二分子膜に埋め込んでイオノフェアとして好適に用いることができる。
上記一般式(1)又は(2)で表される本発明にかかるシクロファン型化合物におけるRは、水素原子又は有機基を示す。該有機基としては、具体的には、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-オクタデシル等の炭素数1〜18の直鎖状アルキル基;イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル等の炭素数1〜18の枝分かれ鎖状アルキル基;シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル等の環状アルキル基;ピペリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル等のヘテロシクリル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;エチニル、プロパルギル等のアルキニル基;置換基を有するか有しないフェニル等のアリール基;置換基を有するか有しないベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル等のアラルキル基;置換基を有するか有しないピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリル、ピラゾリニル、トリアジニル等の5〜6員環複素環式芳香基;メトキシメチル、エトキシメチル、ヒドロキシエチル等のポリエチレングリコール型のエーテル、又は該ポリエチレングリコール型のエーテルにおいて酸素原子の代わりに窒素原子を有するポリアミン、若しくは酸素原子と窒素原子とが混在するもの等を挙げることができる。上記置換基としては、具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ニトロ基、ニトリル基、カルボニル基、カルボキシル基等を挙げることができる。また、上記直鎖状アルキル基、枝分かれ状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
また、上記R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は有機基を示す。すなわち、上記R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は有機基を示す。該有機基としては、具体的には、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-オクタデシル等の炭素数1〜18の直鎖状アルキル基;イソプロピル、イソブチル等の炭素数1〜18の枝分かれ鎖状アルキル基;フェニル等のアリール基等を挙げることができる。この中でも、上記R及びRは、水素原子、又はメチル、エチル、n-プロピル、n-オクタデシル等の炭素数1〜18の直鎖状アルキル基であることが好ましい。これにより、枝分かれ鎖状アルキル基の場合のように、立体障害によるアミノ基の導入の困難性や、フェニル基の場合のように、塩基性低下によるアミノ酸の導入の困難性はなく、容易にアミノ基を導入することができる。
また、上記Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基としては、具体的には、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等の炭素数1〜5個のアルキレン基;エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等の炭素数2〜5個のアルケニレン基等、を挙げることができる。また、上記飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基としては、具体的には、例えば、ピペリジニレン、ピロリジニレン、イミダゾリジニレン、ピラゾリジニレン、ピペラジニレン等の飽和5〜6員環複素環式基;ピリジニレン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、ピラジニレン、ピラゾリレン、イミダゾリレン、ピロリレン、ピラゾリニレン、トリアジニレン等の不飽和5〜6員環複素環式基等を挙げることができる。また、上記飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基としては、具体的には、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン等の飽和5〜6員環環状炭化水素基;フェニレン等を挙げることができる。
これらの中でも上記Aは、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基等であることがより好ましい。これにより、上記Aが例えば脂肪族である場合のように構造が柔軟になることがないため、シクロファン化合物は安定した環構造を有することができる。それゆえ、特定のゲスト分子に対する優れた配位能力を有する。
さらに、上記Aは、置換基を有するか有しないフェニレン基、又は置換基を有するか有しない5〜6員環の複素環式芳香基であることがさらに好ましい。これにより、上記Aは芳香性を有するため、π電子移動により包接性を増大させることができる。ここで、5〜6員環の複素環式芳香基とは、不飽和5〜6員環複素環式基等のうち、芳香性を有する5〜6員環の複素環式基であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ピリジニレン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、ピラジニレン、ピラゾリレン、イミダゾリレン、ピロリレン、ピラゾリニレン、トリアジニレン等を挙げることができる。
また、上記飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基は、置換基を有するものであってもよい。これにより、種々の置換基を選択することができるため、目的のゲスト分子に親和するホスト分子を設計することができる。
かかる置換基としては、電子供与性の置換基であることがより好ましい。これにより、金属原子に対する配位能力を増大させることが可能となる。それゆえ、合成反応や金属配位子としての利用に適したホスト分子を提供することができる。かかる電子供与性の置換基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のアルキル基;フェニル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基;フェノキシ基;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等の(ジアルキル置換)アミノ基;メチルチオ、エチルチオ等のアルキルチオ基等を挙げることができる。上記置換基は、1種の置換基が単独で導入されていてもよいし、1種の置換基が複数導入されていてもよい。また、2種以上の置換基が導入されていてもよい。
また、上記置換基としては、電子供与性の置換基であることが好ましいが、上記飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基は、電子吸引性の置換基を有していてもよい。これにより、シクロファン型化合物の配位能力を調整することが可能となる。かかる電子吸引性の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基等を挙げることができる。具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;ケトン、エステル、アミド等のカルボニル基等を挙げることができる。上記置換基は、1種の置換基が単独で導入されていてもよいし、1種の置換基が複数導入されていてもよい。また、2種以上の置換基が導入されていてもよい。また、上記電子供与性の置換基と、電子吸引性の置換基とが、導入されていてもよい。
上記一般式(1)又は(2)における繰り返し単位nは、2〜5であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。この範囲においては、閉環直前の末端同士の反応性が高いため、容易に環状化合物を製造することが可能となる。
また、上記一般式(1)または(2)で表される化合物においては、1分子の1,3,5-トリアジン誘導体と1分子のジアミン分子とが縮合した環構成要素の一部分を1つの単位としている。そしてこの同一の単位がn個繰り返す構成となっているが、本発明にかかるシクロファン型化合物には、各々の上記単位におけるR、R、R、Aのうちの少なくとも1つが互いに異なる単位を繋いだ構成を有するものも含まれる。かかる構成を有するものは、後述する製造方法において、後述する中間体、1,3,5-トリアジン誘導体、またはジアミン分子を適宜組み合わせて繋ぐときに、導入されている置換基の種類が異なるものを繋ぐことによって製造することができる。これにより、多様な誘導体の合成が可能となる。それゆえ多様なゲスト分子に親和性を有するホスト分子を設計することが可能となる。さらに、本発明にかかるシクロファン型化合物は、上記一般式(1)中の上記単位と、上記一般式(2)中の上記単位とが、混合して環を形成しているものであってもよい。
<本発明にかかるシクロファン型化合物の製造方法>
本発明にかかる上記一般式(1)又は(2)で表されるシクロファン型化合物を製造する方法は、上記一般式(7)又は(8)で表される1,3,5-トリアジン誘導体と、一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させて、上記一般式(3)、(4)、(5)又は(6)で表される化合物を製造する工程を含んでいる。
従来の4位に塩素原子が導入されている1,3,5-トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物を直接アルコキシ化することは不可能である。これに対し、トリアジン環に上記−OR基又は−SR基を導入後に、シクロファン化合物の環を形成する上記の構成によれば、4位に−OR基又は−SR基が導入されたシクロファン化合物の製造が可能となる。
上記一般式(7)及び(8)におけるR、並びに、上記一般式(9)におけるR、R、及びAは、上記一般式(1)または(2)で表されるシクロファン型化合物におけるR、R、R、及びAと同じであるので説明を省略する。また、上記一般式(7)及び(8)において、Rは塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子、又はトリフルオロメチルスルホニルオキシ(CFSO−)、メチルスルホニルオキシ(CHSO−)、フェニルスルホニルオキシ(CSO−)等のスルホニルオキシ基を示す。
上記一般式(3)、(4)、(5)又は(6)で表される化合物は、本発明にかかるシクロファン型化合物の製造過程において生成する新規な中間体である。上記一般式(3)又は(4)で表される化合物は、1,3,5-トリアジン誘導体2分子と、ジアミン化合物1分子との縮合により生成する3つのコンポーネントからなる化合物である。また、上記一般式(5)又は(6)で表される化合物は、1,3,5-トリアジン誘導体1分子と、ジアミン化合物2分子との縮合により生成する3つのコンポーネントからなる化合物である。これらの中間体にさらに、1,3,5-トリアジン誘導体、ジアミン化合物、又は得られた中間体を適宜選択して、順次反応させて繋ぐことにより、本発明にかかるシクロファン型化合物を製造することが可能となる。このように、順次反応させる1,3,5-トリアジン誘導体、ジアミン化合物、得られた中間体は、それぞれ同一種類のものであってもよいし、R、R、R、R、R、Aの少なくとも1つが異なった種類のものであってもよい。このように異なった種類のものを繋ぐ場合には、多様な誘導体の合成が可能となる。このようにして多様なゲスト分子に親和性を有するホスト分子を設計することも可能である。
上記一般式(3)、(4)、(5)又は(6)で表される化合物における、R、R、R、Aは上記一般式(1)または(2)で表わされるシクロファン型化合物におけるR、R、R、Aと同じであるので説明を省略する。上記一般式(3)及び(4)において、Rは塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子、又はトリフルオロメチルスルホニルオキシ(CFSO−)、メチルスルホニルオキシ(CHSO−)、フェニルスルホニルオキシ(CSO−)等のスルホニルオキシ基を示す。また、一般式(5)及び(6)において、R,R,R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は有機基を示す。この有機基は、上記R又はRにおける有機基と同様であるので、説明を省略する。
以下の反応式(11)に、例えば、一般式(7)で表される1,3,5-トリアジン誘導体と一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させて一般式(3)で表される中間体を製造する工程を示す。
Figure 2005220116
また、以下の反応式(12)に、例えば、一般式(7)で表される1,3,5-トリアジン誘導体と一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させて一般式(5)で表される中間体の一例を製造する工程を示す。
Figure 2005220116
上記工程において、上記一般式(7)又は(8)で表される1,3,5-トリアジン誘導体と、一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合させる反応は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記1,3,5-トリアジン誘導体と上記ジアミン化合物とをアルカリ存在下で反応させることにより、簡単に製造することができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ;N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機アルカリ等を挙げることができる。また、溶媒としては、水;メタノール,エタノール等のアルコール、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等の有機溶媒を用いることができる。
上記製造方法は、さらに、上記一般式(3)又は(4)で表される化合物と、一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させる工程を含んでいてもよい。条件を適宜変更することにより、閉環反応がおこり、上記一般式(1)又は(2)における繰り返し単位nが2であるシクロファン型化合物を製造することができる。
以下の反応式(13)に、例えば、一般式(3)で表される化合物と、一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させて一般式(1)で表されるシクロファン型化合物においてnが2であるものの一例を製造する工程を示す。
Figure 2005220116
また、上記製造方法は、さらに、上記一般式(3)又は(4)で表される化合物と、上記一般式(5)又は(6)で表される化合物とを縮合反応させる工程を含んでいてもよい。条件を適宜変更することにより、閉環反応がおこり、上記一般式(1)又は(2)における繰り返し単位nが3であるシクロファン型化合物を製造することができる。
以下の反応式(14)に、例えば、一般式(3)で表される化合物と、一般式(5)で表される化合物とを縮合反応させて一般式(1)で表されるシクロファン型化合物においてnが3であるものの一例を製造する工程を示す。
Figure 2005220116
また、上記製造方法は、さらに、2,4,6-置換-1,3,5-トリアジンの4位の置換基を−OR基又は−SR基(Rは水素原子又は有機基を示す。)で置換することにより、上記一般式(7)又は(8)で表される1,3,5-トリアジン誘導体を製造する工程を含んでいてもよい。かかる2,4,6-置換-1,3,5-トリアジンとしては、例えば、塩化シアヌルを挙げることができる。これにより、安価な塩化シアヌルを原料として、シクロファン型化合物を安価に製造することができる。
上記4位の置換基を−OR基又は−SR基で置換する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、アルコール、フェノール、チオール等と、2,4,6-置換-1,3,5-トリアジンとを、アルカリ存在下で反応させることにより、簡単に製造することができる。
<本発明にかかる包接化合物>
本発明にかかる包接化合物は、上記シクロファン型化合物がホスト分子として、ゲスト分子を取り囲んでいる化合物であれば特に限定されるものではない。特に、本発明にかかるシクロファン型化合物は、上述したように、金属に対して高い親和性を有している。さらに、金属に限らず、例えば、水素結合によりアンモニウム(NH )等の酸性水素に結合したり、架橋したイミノ基(−NH−)を介して水素結合により酸素や窒素等のドナー性元素に結合することができる。それゆえ、本発明にかかる包接化合物は、上記シクロファン型化合物がホスト分子として、金属又は有機分子をゲスト分子として取り囲んでいる化合物であることが好ましい。上記有機分子としては、具体的には、例えば、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム等のアルキルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム等のジアルキルアンモニウム;アセトアミド、ベンズアミド等のアミド;スクシンイミド、マレイミド、フタルイミド等のイミド等を挙げることができる。また、上記金属としては例えば、周期表4族〜15族の金属を挙げることができる。
また、上記包接化合物は、4族〜15族の金属をゲスト分子とする金属錯体であることが好ましい。上記4族〜15族の金属原子の中でも、上記金属は、Co、Ni、Pd、Pt、Cu、Rh、Ir、Mt、Ag、Au、Zn、Cd、Hg等の9〜12族の金属;Mn、Tc、Re、Bh等の7族の金属;Fe、Ru、Os、Hs等の8族の金属であることがこのましい。
<本発明にかかるシクロファン型化合物の利用>
本発明にかかるシクロファン型化合物は、以上のように、特定の分子、イオン、官能基を認識することができ、特に金属類に対して高い親和性を有している。かかる特性より、本発明にかかるシクロファン型化合物は、金属イオンのサイズ、荷電、又は酸化数に応じた選択的な捕捉剤やセンサとしての利用が可能である。また、アルコキシ基又はチオアルコキシ基に脂溶性の長鎖アルキル基を導入して膜などに埋め込むことによりイオノフォアーとしても利用することができる。また、本発明の包接化合物である金属錯体をメタルポルフィリン類似体として利用することにより、人工ヘムとして酸素の運搬を行う人工血液や、酸化還元触媒として用いることができる。
また、本発明にかかるシクロファン型化合物は、金属に限らず、例えば、水素結合によりアンモニウム等の酸性水素に結合したり、架橋したイミノ基(−NH−)を介して水素結合により酸素や窒素等のドナー性元素に結合することができる。それゆえ、本発明にかかるシクロファン化合物は、様々な有機分子とのかかる特異的な相互作用を利用して、有機分子の選択的な捕捉剤やセンサとして利用することができる。さらに、かかるシクロファン型化合物を不溶化することにより、例えば、HPLC等のクロマトグラフィーの分離カラムとして利用することが可能である。ここで、シクロファン型化合物の不溶化は、アルコキシ基又はチオアルコキシ基を通した重合、ポリマーへの担持等によって行うことができる。
本発明にかかるシクロファン型化合物は、以上のように、金属イオン、有機分子を選択的に捕捉することから、有害金属捕捉剤、重金属センサ、有機物センサ、不安定化合物捕捉安定化剤、酸化還元触媒、分離又は捕捉したものの輸送等種々の目的に用いることができる。
〔実施例1:5,17-ジメトキシ-2,4,6,8,14,16,18,20,26,28-デカアザペンタシクロ[19.3.1.13,7.19,13.115,19]オクタコサ-1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23-ドデカエン(上記一般式(1)(式中、R=メチル基、R・R=水素原子、A=フェニレン基、n=2)で表される化合物(以下化合物(1a)と略称する)の製造〕
<2-メトキシ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの合成>
メタノール(1.6L)に炭酸水素ナトリウム(273g)と水(156mL)とを加え0℃で攪拌した。ここに塩化シアヌル(300g)を加え、2.5時間0℃で攪拌した。反応溶液に氷水(1.5L)を加え、析出した沈殿を吸引濾過で集めた。得られた結晶を水で洗浄後、減圧乾燥した。収量は287g、収率は98%であった。
<上記一般式(3)(式中、R=メチル基、R・R=水素原子、A=フェニレン基、R=塩素原子)で表される化合物(以下化合物(3a)と称する)の製造>
得られた2-メトキシ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(10g)のTHF(70mL)溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(10.8g)を滴下した。滴下後、反応溶液を室温に戻し、1,3-フェニレンジアミン(3g)のTHF溶液(30mL)を滴下し、混合物を室温で50分攪拌した。THFを減圧留去し、残分を酢酸エチルに溶かし、0.1M塩酸、水の順に洗浄した。有機層を乾燥、濾過、濃縮し、化合物(3a)を得た。収量は10.8g、98%であった。
得られた化合物(3a)の物性を以下に示す。
融点:179−182℃
HNMR(CDOD):4.02(s,3H), 7.32(dd,J=8.0, 0.4Hz, 1H), 7.40(d,J=8.0Hz,2H), 8.07(s,1H)
IR(KBr):1564,1482,1366,1286cm−1
ESI MS:m/z 395 (M+1)+
元素分析:C1412Clの計算値はH:3.06, C:42.55, N:28.35; 実測値はH:3.29, C:42.64, N:28.13
<化合物(1a)の製造>
得られた上記化合物(3a)(1.98g)のTHF(70mL)溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらDIPEA(1.62g)を滴下した。滴下後、反応温度を室温に戻し、1,3-フェニレンジアミン(0.54g)のTHF溶液(15mL)を滴下した。得られた混合物を金属製の耐圧容器に移し、封かん後、100℃で3日間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却後、THFを減圧下に除去し、残分に1M塩酸を加えて濾過するとNMR測定に十分な純度の化合物(1a)が得られた。得られた化合物(1a)は、白色固体で、収率は68%であった。
得られた化合物(1a)の物性を以下に示す。
融点:280℃以上
HNMR(DMSO−d):3.88(s,6H), 6.75(dd,J=8.0, 2.0Hz, 4H), 7.16(t,J=8.0Hz, 2H), 7.76(t,J=2.0Hz, 2H), 9.41(s,4H)
13CNMR(DMSO−d):54.6, 118.5, 118.6, 129.4, 139.7, 166.6, 171.2
IR(KBr):1592, 1468, 1358 cm−1
ESI MS:m/z 431 (M+1)+
X線結晶構造解析の結果を図1に示す。図1に示すように、本構造はX線結晶構造解析によっても確認されている。
〔実施例2:5,17,29-トリメトキシ-2,4,6,8,14,16,18,20,26,28,30,32,38,40,42-ペンタデカアザヘプタシクロ[31.3.1.13,7.19,13.115,19.121,25.127,31]ヘキサトリアコンタ-1(37),3,5,7(42),9,11,13(41),15,17,19(40),21,23,25(39),27,29,31(38),33,35-テトラコサエン(上記一般式(1)(式中、R=メチル基、R・R=水素原子、A=フェニレン基、n=3)で表される化合物(以下化合物(1b)と略称する)の製造〕
<上記一般式(5)(式中、R=メチル基、R・R・R・R=水素原子、A=フェニレン基、R=塩素原子)で表される化合物(以下化合物(5a)と称する)の製造>
前記実施例1と同様の方法で得られた2-メトキシ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(1g、5.56mmol)のTHF(60mL)溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらDIPEA(2.15g、16.7mmol)を滴下した。反応温度を室温まで戻し、次いで、1,3-フェニレンジアミン(1.32g、12.2mmol)のTHF(10.0mL)溶液をゆっくりと加えた。1,3-フェニレンジアミンの入っていた容器をTHFで洗浄し、この洗浄液も反応溶液に加えた。この混合物を60℃で2日間攪拌後、反応液を酢酸エチル(150mL)に注ぎ入れ、100mLの水で3回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させ自然濾過した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残分をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製し、化合物(5a)(0.99g)を得た。得られた化合物(5a)は白色結晶で、収率は55%であった。
得られた化合物(5a)の物性を以下に示す。
融点:143−146℃
HNMR(CDOD):3.96(s,3H), 6.45(ddd, J=8.0, 2.2, 1.0Hz, 2H), 6.80-6.88(m, 2H), 7.03(t,J=8.0Hz, 2H), 7.27(br. s,2H)
IR(KBr):1582, 1453, 1382, 1356cm−1
ESI MS:m/z 324 (M+1)+
<化合物(1b)の製造>
前記実施例1で得られた化合物(3a)(197.6mg、0.50mmol)のTHF(6.0mL)溶液に、窒素雰囲気下、氷冷しながらDIPEA(161.6mg、1.25mmol)を滴下し、温度を室温に戻し攪拌した。この溶液に、上記化合物(5a)(161.7mg、0.50mmol)のTHF(2.0mL)溶液をゆっくりと加えた。化合物(5a)が入っていた容器をTHF(1mL)で洗浄し、この洗浄液も反応溶液に加え室温で攪拌した。この反応溶液を窒素雰囲気下で金属製の耐圧反応容器(ボンベンロール)にシリンジを用いて移した。反応溶液が入っていた容器をTHF(1mL)で洗浄し、この洗浄液も耐圧反応容器に移した。耐圧反応容器を封かん後、100℃に加熱し、3日間攪拌した。冷却後、反応溶液中の析出物を吸引濾過し16.9mgの化合物(1b)を得た。さらに濾液にヘキサンを加え、析出した沈殿を吸引濾過によって集め、化合物(1a)と(1b)との混合物114.1mgを得た。このうち化合物(1b)は、NMR測定結果より計算したところ、87.9mgであった。さらに、濾液を濃縮し、最小量のTHFに溶解させ、ヘキサンを加えて、析出した沈殿を調べたところ原料18.3mgであった。また、ヘキサンを加えて、化合物(1a)と(1b)との混合物が得られたときに容器の壁に付着した黄褐色のヘキサンに不溶の物質を1N塩酸に溶解し吸引濾過した。得られた物質は化合物(1b)で79.3mgであった。得られた化合物(1b)は合計184.1mg、収量57%であった。
得られた化合物(1b)の物性を以下に示す。
HNMR(DMSO−d6):3.96(s,9H), 6.88(d, J=8.0Hz, 3H), 7.21(t, J=8.0Hz, 3H), 8.26(d, J=8.0Hz, 3H), 9.20(br. s, 3H), 9.73(s,3H)
ESI MS:m/z 646 (M+1)+
上記NMRの結果より、化合物(1b)は、以下に示すように、DMSO中では互変異性体(化合物(1b)’)として存在していると推測される。
Figure 2005220116
〔実施例3:5,17-ジメトキシ-2,4,6,8,14,16,18,20,25,26,27,28-ドデカアザペンタシクロ[19.3.1.13,7.19,13.115,19]オクタコサ1(25),3,5,7(28),9,11,13(27),15,17,19(26),21,23-ドデカエン(上記一般式(1)(式中、R=メチル基、R・R=水素原子、A=2,6−ピリジニレン基、n=2)で表される化合物(以下化合物(1c)と略称する)の製造〕
<N,N'-ビス(4-クロロ-6-メトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-2,6-ジアミノピリジン(上記一般式(3)(式中、R=メチル基、R・R=水素原子、A=2,6−ピリジニレン基、R=塩素原子)で表される化合物、以下化合物3(c)と称する)の合成>
前記実施例1と同様の方法で得られた2-メトキシ-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(5g、27.78mmol)をTHF30mLに溶解させた。氷冷下でDIPEA(5.39g、41.67mmol)を滴下し、室温で攪拌した。次に2,6-ジアミノピリジン(1.52g、13.89mmol)をTHF(15mL)に溶かした溶液にゆっくりと加え、さらに2,6-ジアミノピリジンの入っていた容器をTHF5mLで洗いこみ、室温で2日間攪拌した。THFを減圧留去し、残分を酢酸エチル(300mL)に溶解させ、0.1N HCl(150mL)で1回、水(150mL)で3回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させ自然濾過した後、溶媒を減圧留去した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:メタノール=98:2)で分離精製し、無色結晶の化合物(3c)を得た。収量は3.58g、65%であった。
得られた化合物(3c)の物性を以下に示す。
融点:188−191℃
HNMR(CDCl):4.07(s,6H), 7.84(t, J=8.1Hz, 1H), 8.04(d, J=8.1Hz, 2H), 8.88(br. s,2H)
IR(KBr):1592,1462,1353,1284cm−1
ESI−MS(溶媒としてメタノール:HO=1:1、イオン源温度=80℃):m/z 396([M+H]),418([M+Na]
<化合物(1c)の製造>
得られた上記化合物(3c)500mg(1.26mmol)をTHF(8mL)に溶解させた。氷冷下でDIPEA(489mg、3.79mmol)を滴下し、室温で攪拌した。次に2,6-ジアミノピリジン(138mg、1.26mmol)をTHF(3mL)に溶かした溶液をゆっくりと加え、さらに、2,6-ジアミノピリジンの入っていた容器をTHF(1mL)で洗い込み、室温で攪拌した。反応液を窒素雰囲気下で金属製の耐圧反応容器(ボンベンロール)に移し、さらにTHF(2mL)で洗い込み、100℃で3日間加熱攪拌した。沈殿物(203.7mg)を濾過して除いた後、残分を分取用薄層クロマトグラフィーで分離精製した。以下の反応式に、化合物(3c)と2,6-ジアミノピリジンとを縮合反応させて化合物(1c)を製造する工程を示す。NMR及びESI−MSより、化合物(1c)と、以下の反応式中括弧で囲まれた直鎖状化合物との1:1混合物が得られたことを確認した。上記混合物として、収量42.9mg、収率5%であった。
Figure 2005220116
得られた化合物(1c)の物性を以下に示す。
HNMR(DMSO−d):3.97(s,6H), 7.68(d, J=8.0Hz, 2H), 7.82(t, J=8.0Hz, 1H), 8.09(d, J=8.0Hz, 2H), 9.32(br. s,2H), 9.58(br. s,2H)
ESI−MS:m/z 433([M+H]
上記NMRの結果より、化合物(1c)は、以下に示すように、DMSO中では互変異性体(1c’)と(1c’’)として存在していると推測される。
Figure 2005220116
〔実施例4:包接錯体の形成〕
包接化合物のホスト分子として、実施例1で製造したシクロファン型化合物(1a)を用いた。また、溶媒としては、CHCl/CHOH(4:1)、NMR測定時にはCDCl/CDOD(4:1)を用いた。なお、包接錯体の形成は室温で行った。
化合物(1a)は使用溶媒への溶解性があまりよくないため、溶け残りのある状態(乳濁状)で、クロマトディスク(細孔サイズ=450nm)を用いて濾過した。濾液1mLをサンプル瓶に量り取り濃縮した。残分の重量から化合物(1a)の濃縮後の濾液の濃度は、2mg/mL以下であった。
この濾液(1.0mL)に過剰の金属塩化物(10mg)を加えて、反応溶液の変化を観察した。また、沈殿物が溶媒に不溶であるものを除いて、重水素化した同一組成の溶媒中でNMR測定を行った。
以下の表1に、用いた金属塩化物、金属塩化物を単独で上記溶媒に溶解した場合の溶解性、化合物(1a)溶液と金属塩化物を混合し静置した後の変化、NMR測定の結果を示す。
Figure 2005220116
表1に示すように、化合物(1a)は、金属の価数に関係なく、9〜12族の(遷移)金属であるCo、Cu、Zn、Pd、Ag、Hgとは沈殿を形成したが、1〜3族(3族はランタノイド)であるLi、Na、Mg、K、Ceとは沈殿を形成しなかった。NMRの測定結果より、沈殿を形成した反応溶液では、化合物(1a)の化学シフトが変化したが、沈殿を形成しなかった反応溶液では、化合物(1a)の化学シフトの変化は観察されなかった。以下の表2に、塩化亜鉛(ZnCl)添加による化合物(1a)の化学シフトの変化を示す。また、表2中の水素原子p、s、q、rの位置を以下の化学式中に示す。
Figure 2005220116
Figure 2005220116
また、化学シフトの変化が観察された場合においても、金属イオンの種類によっては、ピークの形状にも変化が見られた。例えば、Znでは、主として化学シフトの変化のみが見られたが、Agではピークがブロード化し、カップリングが観察されなくなった。また、Pdではピークの分裂が見られた。これは、異性体間の平衡が遅くなったためであると考えられる。
後述する比較例1に示すように、化合物(1a)の製造における閉環前の直鎖状の化合物(3a)と塩化銅(II)(CuCl)とを混合した場合には、溶液の状態に変化はなく、化合物(1a)の化学シフトも変化しなかったことより、環状構造を有する化合物(1a)が特定の遷移金属イオンを認識し、包接錯体を形成したと結論できる。
〔比較例1〕
包接錯体のホスト化合物として用いたシクロファン型化合物(1a)の代わりに、化合物(1a)の製造における閉環前の直鎖状の化合物(3a)を用いた以外は上記実施例3と同様にして、の溶液にCuClを混合した。
混合・静置後の溶液の変化を観察し、NMR測定を行ったところ、溶液の状態に変化は見られず、NMR測定においても化学シフトの変化は観察されなかった。
このように、本発明のかかるシクロファン型化合物は、金属や有機物などの捕捉を行うため、有害金属捕捉剤、重金属センサ、有機物センサ、不安定化合物安定化剤、酸化還元触媒、分離捕捉したものの輸送等、種々の目的に応用されうる。それゆえ、本発明は、医薬品製造業、農薬品製造業、食品製造業、工業薬品製造業等の各種化学工業、さらには医療産業やリサイクル産業等に利用可能であり、しかも非常に有用であると考えられる。
実施例において得られた本発明にかかるシクロファン型化合物のX線結晶構造解析の結果を示す図である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)又は(2)
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    (式(1)及び(2)中、Rは水素原子又は有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)
    で表されるシクロファン型化合物。
  2. 上記一般式(1)及び(2)中、Aは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、(ジアルキル置換)アミノ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有するか有しないフェニレン基、又は同置換基を有するか有しない5〜6員環の複素環式芳香基であることを特徴とする請求項1に記載のシクロファン型化合物。
  3. 一般式(3)、(4)、(5)又は(6)
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    (式(3)、(4)、(5)及び(6)中、Rは水素原子、又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示し、式(3)及び(4)中、Rはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、式(5)及び(6)中、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示す。)
    で表される化合物。
  4. 一般式(1)又は(2)
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    (式(1)及び(2)中、Rは水素原子又は有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)
    で表されるシクロファン型化合物を製造するために、
    一般式(7)又は(8)
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    (式(7)及び(8)中、Rは水素原子又は有機基を示し、Rはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示す。)
    で表される1,3,5-トリアジン誘導体と、
    一般式
    NH−A−NHR ・・・(9)
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示す。)
    で表されるジアミン化合物とを縮合反応させて、
    一般式(3)、(4)、(5)又は(6)
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    Figure 2005220116
    (式(3)、(4)、(5)及び(6)中、Rは水素原子、又は有機基を示し、Aは、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基、置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環複素環式基、又は置換基を有するか有しない飽和又は不飽和の5〜6員環環状炭化水素基を示し、式(3)及び(4)中、Rはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を示し、式(5)及び(6)中、R,R,R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は有機基を示す。)
    で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴とするシクロファン型化合物の製造方法。
  5. さらに、上記一般式(3)又は(4)で表される化合物と、一般式(9)で表されるジアミン化合物とを縮合反応させる工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のシクロファン型化合物の製造方法。
  6. さらに、上記一般式(3)又は(4)で表される化合物と、上記一般式(5)又は(6)で表される化合物とを縮合反応させる工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のシクロファン型化合物の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載のシクロファン型化合物をホスト分子としていることを特徴とする包接化合物。
  8. 上記包接化合物は、4族〜15族の金属をゲストとする、金属錯体であることを特徴とする請求項7に記載の包接化合物。
JP2004032598A 2004-02-09 2004-02-09 1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用 Pending JP2005220116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004032598A JP2005220116A (ja) 2004-02-09 2004-02-09 1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004032598A JP2005220116A (ja) 2004-02-09 2004-02-09 1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005220116A true JP2005220116A (ja) 2005-08-18

Family

ID=34996027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004032598A Pending JP2005220116A (ja) 2004-02-09 2004-02-09 1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005220116A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014100691A1 (en) * 2012-12-21 2014-06-26 Northwestern University Tetracationic cyclophanes and their use in the sequestration of polyaromatic hydrocarbons by way of complexation
US8871753B2 (en) 2008-04-24 2014-10-28 Incyte Corporation Macrocyclic compounds and their use as kinase inhibitors
CN109970165A (zh) * 2017-12-28 2019-07-05 南京源泉环保科技股份有限公司 一种重金属捕集剂及其制备方法
WO2022085959A1 (ko) * 2020-10-21 2022-04-28 한양대학교 에리카산학협력단 공유결합 유기 골격체 기반 산소촉매 제조 및 금속-공기 2차 전지 개발

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8871753B2 (en) 2008-04-24 2014-10-28 Incyte Corporation Macrocyclic compounds and their use as kinase inhibitors
WO2014100691A1 (en) * 2012-12-21 2014-06-26 Northwestern University Tetracationic cyclophanes and their use in the sequestration of polyaromatic hydrocarbons by way of complexation
US9290495B2 (en) 2012-12-21 2016-03-22 Northwestern University Tetracationic cyclophanes and their use in the sequestration of polyaromatic hydrocarbons by way of complexation
CN109970165A (zh) * 2017-12-28 2019-07-05 南京源泉环保科技股份有限公司 一种重金属捕集剂及其制备方法
CN109970165B (zh) * 2017-12-28 2021-11-30 南京源泉环保科技股份有限公司 一种重金属捕集剂及其制备方法
WO2022085959A1 (ko) * 2020-10-21 2022-04-28 한양대학교 에리카산학협력단 공유결합 유기 골격체 기반 산소촉매 제조 및 금속-공기 2차 전지 개발

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6625768B2 (ja) 多方向性リガンドに基づく有機金属複合体
Mulder et al. Bis (phenylthienyl) ethene-tethered β-cyclodextrin dimers as photoswitchable hosts
WO2008029804A1 (fr) Agent de captage d'ion acide perchlorique
Alisir et al. Synthesis, characterization, photoluminescent properties and antimicrobial activities of two novel polymeric silver (I) complexes with diclofenac
CN112010817A (zh) 一种制备四嗪类化合物的方法及其应用
CN103539775A (zh) 联吡啶桥联双三嗪化合物及其制备方法
JP2005220116A (ja) 1,3,5−トリアジン環を環構成要素として含むシクロファン型化合物、その製造方法、中間体及びその利用
Chang et al. N, N’-methylene-bridged nitroiodoazoles: Biocidal compounds with enhanced thermal stability
Singleton et al. Synthesis of 1, 8-diazaanthracenes as building blocks for internally functionalized aromatic oligoamide foldamers
Podyachev et al. Synthesis, IR and NMR characterization and ion extraction properties of tetranonylcalix [4] resorcinol bearing acetylhydrazone groups
Glenny et al. Improved synthetic methods to mixed-donor thiacrown ethers
Teng et al. Straightforward synthesis of ferrocenyl-based thioether and application as chemosensor for Hg2+ ion
Mobian et al. A [2] catenane constructed around a rhodium (III) center used as a template
Kondo et al. Anion recognition by 1, 3-benzenedisulfonamide derivatives bearing phenolic hydroxy groups in MeCN-d 3
Babu et al. Glaser–Eglinton–Hay sp–sp coupling and macrocyclization: construction of a new class of polyether macrocycles having a 1, 3-diyne unit
Pawlica et al. Synthesis, crystal structures and the preliminary evaluation of the new dibenzotetraaza [14] annulene-based DNA/RNA binding agents
Ławecka et al. Sequential homo-coupling Diels–Alder/retro Diels–Alder reaction of 5, 5′-bi-1, 2, 4-triazine-containing thiamacrocycles as a new route to thiacrown ethers incorporating a 2, 2′-bipyridine subunit
Von Delius et al. Synthesis and solid state structure of a hydrazone-disulfide macrocycle and its dynamic covalent ring-opening under acidic and basic conditions
Ghosh et al. Synthesis, crystal structure and thermal analysis of supramolecular architectures of copper (II)(2, 2′-biimidazole) complexes using dicarboxylate as a coligand
Inokuma et al. Synthesis and complexing property of four-bridged crownopaddlanes
JP2009024094A (ja) 新規シクロデキストリン化合物
Aly et al. Coordination polymers of silver (I) with ditopic cross-conjugated dienone
Shahbazi-Raz et al. 4, 4′-Dimethyl-2, 2′-bithiazole: Potent co-former in coordination compounds
Hay et al. Use of Tetrabenzo [a, c, g, i] fluorene as an Anchor Group for the Solid/Solution Phase Synthesis of the Quinolone Antibacterial, Ciprofloxacin
JP4238349B2 (ja) クロメン化カリックスアレン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060127

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060127

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090609

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090610

A02 Decision of refusal

Effective date: 20091027

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02