JP2005220070A - 神経再生および保護のための生体吸収性高分子ハイドロゲル製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヒトの臨床応用に適用することが可能な、より低侵襲性の、安全かつ有効な内耳、眼、脳または脊髄投与用徐放製剤を提供すること。
【解決手段】 本発明は、神経栄養因子またはこれをコードするDNAおよび生体吸収性高分子ハイドロゲルを含む神経再生および保護のための徐放製剤を提供する。特に、本発明の徐放製剤は、内耳、眼、脳または脊髄に投与するのに適したものである。好ましくは、生体吸収性高分子ハイドロゲルはゼラチンハイドロゲルである。本発明の徐放製剤は、耳領域では、蝸牛感覚細胞やラセン神経節細胞を、眼領域では視神経、脳脊髄神経などを保護または再生するために有用である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、神経栄養因子またはこれをコードするDNAおよび生体吸収性高分子ハイドロゲルを含む神経再生および保護のための徐放製剤を提供する。特に、本発明の徐放製剤は、内耳、眼、脳または脊髄に投与するのに適したものである。好ましくは、生体吸収性高分子ハイドロゲルはゼラチンハイドロゲルである。本発明の徐放製剤は、耳領域では、蝸牛感覚細胞やラセン神経節細胞を、眼領域では視神経、脳脊髄神経などを保護または再生するために有用である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、神経再生および保護のための徐放性生体吸収性高分子ハイドロゲル製剤に関する。本発明は特に、内耳に薬物を局所投与するために用いられる徐放性生体吸収性高分子ハイドロゲル製剤に関する。
神経栄養因子(Nerve Growth Factor: NGF)は、1950年代にLevi-Montalcini, Hamburgerらのグループにより最初に発見、精製された。彼らは、NGFが知覚神経や交感神経節細胞の神経突起の伸展を促進することをつきとめ、ある種の神経細胞の生存、分化に不可欠であることを明らかとした。脳由来神経栄養因子(Brain Derived Neruro Trophic Factor: BDNF)は、Brade, Thoenenらにより単離された最初のNGFファミリーであり、現在までにNT-3, NT-4/5を加えた4種が発見され、ニューロトロフィンファミリーと呼ばれている。ニューロトロフィンのレセプターには、低親和性レセプターと高親和性レセプターがあり、BDNFは、高親和性レセプターのTrkBと強い親和性をもつ。BDNFは、NGFとは異なり、標的からの供給だけでなく、オートクライン、パラクラインといった形でも供給される。BDNFは、大脳皮質神経細胞が産生する蛋白質であり、脳線条体神経細胞の生存に必須で、シナプスの発達に重要な役割を果たしている。例えば、BDNFは、脳脊髄神経変性疾患であるパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症等において変性を受けるニューロンの生存に不可欠なタンパクであることが知られている。また、BDNFは、知覚神経の発生、成熟、維持、再生にも重要な役割を果たしており、視神経の変性抑制、保護作用も報告されている。このようなBDNFの特徴から、中枢および末梢神経に対する薬剤として期待され、臨床応用の試みがなされている。
聴覚系におけるBDNFの役割についても多くの研究がなされている。BDNFの発現は、発達段階の内耳感覚細胞およびラセン神経節で認められ、聴覚機構の発達に不可欠であり、生後の内耳感覚細胞およびラセン神経節細胞の生存を促進することが明らかにされている。ラセン神経節細胞の神経突起の延長を促進する作用を持つことも判明している。したがって、障害内耳における感覚細胞の保護やラセン神経節細胞の保護、再生にBDNFが有用であることが期待されている。特に、内耳に電極を挿入し、ラセン神経節を刺激することにより聾患者の聴力を再獲得せしめる人工内耳への応用が期待されている。人工内耳の臨床効果は、生存するラセン神経節細胞数に左右されるため、人工内耳適応症例のより良好な聴覚獲得のためには、ラセン神経節細胞を生存させ、機能を高めることが重要となる。したがって、BDNF投与でラセン神経節細胞の生存を促進することにより、より人工内耳の有用性を高めることができる。すでに、実験的にBDNFが種々の耳毒性処置から成熟したラセン神経節細胞を保護する効果があることが明らかにされている。
難聴、耳鳴り、めまいを主な訴えとする内耳疾患の多くは、不可逆であり、その要因として、内耳感覚細胞、ラセン神経節細胞の変性、喪失がある。現在のところ、これらの細胞の再生は極めて困難であり、障害からの保護、生存促進への道が模索されている。最も高頻度に認められる原因は、老化である。老化モデル動物やヒト側頭骨の組織学的な研究から、老化による聴力低下の主因が蝸牛感覚細胞とラセン神経節細胞の喪失にあることが明らかにされている。このような内耳の障害は、聴力の低下のみならず、耳鳴りという最も頻度が高く、全く対処する方法のない症候も生み出す。65歳以上になると、半数以上の人が難聴もしくは耳鳴りに関する症候をもつという。めまいを反復し、徐々に聴力が低下していく疾患であるメニエール病は、難知性疾患のひとつであり、厚生労働省班研究課題となっている。本疾患においては、発症初期の難聴は可逆的であることが多いが、進行例では不可逆であり、聾にいたる場合もある。めまいの制御も重要な課題であるが、難治例での治療手段は末梢前庭に破壊的な処置を加え、機能廃絶を誘導し、中枢による代償を促そうとするものである。突発性難聴は、原因不明の難聴をきたす疾患であるが、その治療にはステロイドが用いられている。しかし、ステロイド全身投与無効例あるいは合併症などによりステロイドが投与できない症例に対する治療法はほとんどないのが現状である。
脳由来神経栄養因子等を内耳疾患の治療において利用しようとする場合の大きな問題点は、現在のところ内耳への有効な投与法が存在しないことである。内耳には、血液―内耳関門があり、全身投与した薬物のほとんどは内耳に到達しない。このため、動物実験においては埋め込み型小型ポンプが用いられているが、このポンプをヒトに適用することは困難である。したがって、ヒトの臨床応用に適用することが可能な、より低侵襲性の、安全かつ有効な投与法の開発が求められている。
本発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。
WO94/27630
本発明は、耳、眼、脳脊髄神経の変性抑制、再生促進を可能とする薬物投与のための製剤を提供することを目的とする。
本発明は、神経栄養因子またはこれをコードするDNAおよび生体吸収性高分子ハイドロゲルを含む神経再生および保護のための徐放製剤を提供する。特に、本発明の徐放製剤は、内耳、眼、脳または脊髄に投与するのに適したものである。好ましい態様においては、本発明は、BDNFおよび生体吸収性高分子ハイドロゲルを含む内耳投与用徐放製剤を提供する。特に好ましくは、生体吸収性高分子ハイドロゲルはゼラチンハイドロゲルである。本発明の徐放製剤は、耳領域では、蝸牛感覚細胞やラセン神経節細胞を、眼領域では、網膜色素上皮細胞および視神経細胞、網膜神経節細胞などの神経網膜を構成する細胞、脳脊髄神経およびその周辺のグリア細胞などを保護または再生するために有用である。
本発明にしたがって、薬物を含む生体吸収性高分子ハイドロゲルからなる徐放製剤を内耳、眼、脳または脊髄に局所投与することにより、現在具体的治療法のない種々の内耳、視神経、脳脊髄神経変性疾患に対して、新たな療法を提供することが可能となる。特に、BDNFの内耳局所投与は、ラセン神経節細胞の生存促進に高い効果をもつことから、耳鳴り等の広範囲の内耳疾患に対して有効であることが期待され、さらに、人工内耳と併用することにより、人工内耳の効果を高める可能性がある。また、網膜色素上皮細胞、および視神経細胞、網膜神経節細胞などの神経網膜を構成する細胞、あるいは脳脊髄神経、グリア細胞の保護、生存維持、促進にも効果があることから、眼、脳脊髄領域の各種変性疾患の治療にも有効である。
本発明において生体吸収性高分子ハイドロゲルを作製するために使用される生体吸収性高分子とは、徐放する薬物と物理化学的な相互作用によって複合体を形成することが可能な高分子であって、生体内で加水分解および酸素分解により分解されるか、あるいは、生体のもつ生理活性物質、例えば酵素等の働きによって加水分解されるものである。具体的にはキチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルギン酸、デンプン、ペクチン等の多糖類、ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、アルブミン等のタンパク質、ポリ−γ−グルタミン酸、ポリ−L−リジン、ポリアルギニンなどのポリアミノ酸、ならびにそれらの誘導体など、生体吸収性の合成高分子、あるいは上記化合物の混合物や化学結合物などが挙げられ、好ましくはゼラチンあるいはその誘導体である。ここで誘導体とは、薬物と生体吸収性高分子ハイドロゲル構成高分子との間の物理化学的な分子間力を介して複合体を形成するのに適した形に修飾したものを意味し、具体的には、グアニジル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、硫酸基、リン酸基などの化学官能性基、またはアルキル基、アシル基、フェニル基、ベンジル基などの疎水性の残基、およびこれらの残基をもつ化合物などを化学的に導入したもの、あるいは、乳酸、グリコール酸などからなる生体吸収性のオリゴマー、高分子、共重合体など、またはポリエチレングリコール、そのプロピレングリコールとの共重合体などの水溶性のオリゴマー、高分子などを化学的に導入したものなどが挙げられる。天然の生体吸収性高分子の由来は特に限定されず、ヒトをはじめ、ブタ、ウシ、サメ等の魚類など、種々の動物由来のものが用いられる。これらは天然に得られるものであっても、微生物を用いた発酵法、あるいは遺伝子組換え操作により得られるものであってもよい。あるいは、化学合成により製造されるものであってもよい。
生体吸収性高分子としては、好ましくはゼラチンが用いられる。ゼラチンは、牛、豚、魚類などを始めとする各種の動物種の皮膚、骨、腱などの身体のあらゆる部位から採取できるコラーゲン、あるいはコラーゲンとして用いられている物質から、アルカリ加水分解、酸加水分解、および酵素分解等の種々の処理によって変性させて得ることができる。遺伝子組換え型コラーゲンの変性体ゼラチンを用いてもよい。それらの材料を適当に混合して用いることもできる。
本発明において薬物のより優れた徐放性制御効果を得るためには、生体吸収性高分子ハイドロゲルを水不溶性とすることが好ましい。薬物はハイドロゲル構成分子と物理化学的相互作用によって結合、固定化されている。この状態では、薬物はハイドロゲルから放出されない。ハイドロゲルが分解され、その構成高分子が水可溶化されると、高分子に結合し固定化された薬物はハイドロゲルから放出される。そこで、ハイドロゲルの分解性を変化させることで、固定化薬物の放出を変えることができる。すなわち、本システムでは、生体吸収性高分子ハイドロゲルの生体での分解性に応じて薬物の放出を自由に制御することが可能となる。すなわち薬物の徐放速度を生体における生体吸収性高分子ハイドロゲルの分解によって制御することが可能となる。
生体吸収性高分子ハイドロゲルは、種々の化学的架橋剤を用いて生体吸収性高分子の分子間に化学架橋を形成させることにより不溶化することができる。化学的架橋剤としては、例えばグルタルアルデヒド、例えばEDC等の水溶性カルボジイミド、例えばプロピレンオキサイド、ジエポキシ化合物、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、イミダゾール基などの間に化学結合を作る縮合剤を用いることができる。好ましいものは、グルタルアルデヒドである。また、生体吸収性高分子は、熱脱水処理、紫外線、ガンマ線、電子線照射によっても化学架橋することもできる。また、これらの架橋処理を組み合わせて用いることもできる。さらに、塩架橋、静電的相互作用、水素結合、疎水性相互作用などを利用した物理架橋によりハイドロゲルを作製することも可能である。
生体吸収性高分子の架橋度は、所望の含水率、すなわちハイドロゲルの生体吸収性のレベルに応じて適宜選択することができる。生体吸収性高分子としてゼラチンを用いる場合、ハイドロゲルを調製する際のゼラチンと架橋剤の濃度の好ましい範囲は、ゼラチン濃度1〜20w/w%、架橋剤濃度0.01〜1w/w%である。架橋反応条件は特に制限はないが、例えば、0〜40℃、好ましくは25−30℃で、1〜48時間、好ましくは12−24時間で行うことができる。一般に、ゼラチンおよび架橋剤の濃度、架橋時間が増大するとともにハイドロゲルの架橋度は増加し、生体吸収性は低くなる。
ゼラチンの架橋は熱処理によっても行なうことができる。熱処理による架橋の例は以下のとおりである。ゼラチン水溶液(10重量%程度が好ましい)をプラスチックシャーレに流延し、風乾することによってゼラチンフィルムを得る。そのフイルムを減圧下、好ましくは10mmHg程度で通常110〜160℃、好ましくは120〜150℃、通常1〜48時間、好ましくは6〜24時間放置することによって行なう。また、紫外線によりゼラチンフィルムを架橋する場合は、得られたゼラチンフィルムを殺菌ランプの下において通常室温、好ましくは0〜40℃で放置する。また、ゼラチン水溶液を凍結乾燥することによってスポンジ状成形体を得る。これを同様に、熱処理および紫外線、ガンマ線、電子線によって架橋することができる。あるいは、上述の架橋法を組み合わせて用いることもできる。
生体吸収性高分子ハイドロゲルの形状は、特に制限はないが、例えば、円柱状、角柱状、シート状、ディスク状、球状、ペースト状などがある。円柱状、角柱状、シート状、ディスク状のものは、埋込片として用いるのに特に適している。
円柱状、角柱状、シート状、ディスク状のゼラチンハイドロゲルは、ゼラチン水溶液に架橋剤水溶液を添加するか、あるいは、架橋剤水溶液にゼラチンを添加し、所望の形状の鋳型に流し込んで、架橋反応させることにより調製することができる。また、成形したゼラチンゲルにそのまま、あるいは乾燥後に架橋剤水溶液を添加してもよい。架橋反応を停止させるには、エタノールアミン、グリシン等のアミノ基を有する低分子物質に接触させるか、あるいは、pH2.5以下の水溶液を添加する。反応に用いられた架橋剤および低分子物質を完全に除去する目的で、得られたゼラチンハイドロゲルは、蒸留水、エタノール、2−プロパノール、アセトン等により洗浄し、製剤調製に供される。
球状、粒子状のゼラチンハイドロゲルは、例えば、三口丸底フラスコに固定した攪拌用モーター(例えば、新東科学社製、スリーワンモーター、EYELA miniD. C. スターラー等)とテフロン(登録商標)用プロペラを取り付け、フラスコと一緒に固定した装置にゼラチン溶液を入れ、ここにオリーブ油等の油を加えて200〜600rpm程度の速度で攪拌し、W/O型エマルジョンとし、これに架橋剤水溶液を添加するか、ゼラチン水溶液を予めオリーブ油中にて前乳化(例えば、ボルテックスミキサーAdvantec TME-21、ホモジナイザー、polytron PT10-35等を用いて)しておいたものをオリーブ油中に滴下し、微粒子化したW/O型エマルジョンを調製し、これに架橋剤水溶液を添加して架橋反応させ、遠心分離によりゼラチンハイドロゲルを回収した後、アセトン、酢酸エチル等で洗浄し、さらに2−プロパノール、エタノール等に浸漬して架橋反応を停止させることにより、調製することができる。得られたゼラチンハイドロゲル粒子は、2−プロパノール、Tween80を含む蒸留水、蒸留水等で順次洗浄し、製剤調製に供される。ゼラチンハイドロゲル粒子が凝集する場合には、例えば、界面活性剤などの添加あるいは超音波処理(冷却下、1分以内程度が好ましい)等を行ってもよい。
得られるゼラチンハイドロゲル粒子の平均粒径は、上述の粒子作製時におけるゼラチン濃度、ゼラチン水溶液とオリーブ油との体積比、および撹拌スピードなどにより変化する。一般には粒径は1〜1000μmであり、目的に応じて適宜必要なサイズの粒子をふるい分けて使用すればよい。さらに、前乳化することによって、粒子サイズが20μ以下の微粒子状のゼラチンハイドロゲルを得ることができる。
球状、粒子状のゼラチンハイドロゲルを調製する別法として以下の方法も挙げられる。上記の方法と同様の装置にオリーブ油を入れ、200〜600rpm程度の速度で攪拌し、ここにゼラチン水溶液を滴下してW/O型エマルジョンを調製し、これを冷却後、アセトン、酢酸エチル等を加えて攪拌し、遠心分離により未架橋ゼラチン粒子を回収する。回収したゼラチン粒子を、さらにアセトン、酢酸エチル等、次いで2−プロパノール、エタノール等で洗浄後、乾燥させる。この乾燥ゼラチン粒子を0.1%Tween80を含む架橋剤水溶液に懸濁させ、緩やかに攪拌しながら架橋反応させ、使用した架橋剤に応じて0.1%Tween80を含む100mMグリシン水溶液又は0.1%Tween80を含む0.004N HC1等にて洗浄し、架橋反応を停止することによりゼラチンハイドロゲル粒子を調製することができる。本法で得られるゼラチンハイドロゲル粒子の平均粒径は上記の方法の場合と同様である。
本発明の生体吸収性高分子ハイドロゲルは適宜、適当な大きさ及び形に切断後凍結乾燥し滅菌して使用することができる。凍結乾燥は、例えば、生体吸収性高分子ハイドロゲルを蒸留水に入れ、液体窒素中で30分以上、又は−80℃で1時間以上凍結させた後に、凍結乾燥機で1〜3日間乾燥させることにより行うことができる。
本発明の徐放性製剤において使用される薬物としては、神経保護作用、変性抑制作用を持つものであれば、特に限定されないが、神経栄養因子、例えば、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、インスリン様成長因子I(IGFI)およびステロイドなどが挙げられる。これらの薬物は天然から得られる物質でも合成により製造される物質でもよい。ニューロトロフィンファミリーはもちろんのこと、それらの活性部位ペプチド、および生体内あるいは細胞に作用して、ニューロトロフィンを分泌させる作用を持つ物質、肝細胞増殖因子(HGF)などのようなアポトーシスを抑制する効果のある蛋白質あるいはペプチド、低分子薬物、それらの産生分泌を促進する化合物なども利用できる。また、上記の化合物を分泌、誘導できる核酸薬物、遺伝子、ならびに直接的な変性抑制、保護作用を持つ遺伝子そのものも薬物として用いることができる。
本発明の放性製剤において用いるのに特に適した薬物の1つは脳由来神経栄養因子(BDNF)である。脳由来神経栄養因子は、ニューロトロフィンファミリーのひとつであり、内耳感覚細胞およびラセン神経節細胞に対する生存促進効果があることが知られている。特に、ラセン神経節細胞に対する効果は、多くの実験系で確認されており、ラセン神経節に対して最も効果の期待できる神経栄養因子ということができる。
本発明の徐放性製剤は、例えば、上記の凍結乾燥した生体吸収性高分子ハイドロゲルに薬物溶液を滴下するか、あるいは生体吸収性高分子を薬物溶液中に含浸させて、ハイドロゲル内に薬物を含浸させることにより得ることができる。この含浸操作は、通常、4−37℃で15分間−1時間、好ましくは4−25℃で15−30分間で終了し、その間にハイドロゲルは薬物溶液で膨潤し、薬物が生体吸収性高分子と物理化学的相互作用によって複合体を形成し、薬物が生体吸収性高分子ハイドロゲル内に固定される。薬物と生体吸収性高分子ハイドロゲルとの結合には、クーロン力、水酸結合力、疎水性相互作用などの物理学的相互作用の他、薬物の官能基と金属とハイドロゲル構成高分子の官能基との間の配位結合などが単独あるいは複合的に関与していると考えられる。
生体吸収性高分子に対する薬物のモル比は約5倍量以下であることが好ましい。さらに好ましくは、生体吸収性高分子に対して薬物は約5〜約1/104倍量のモル比である。
本発明において徐放性製剤を製造するために使用される薬物は、当該技術分野において一般的に知られる方法により化学的に合成することができる。また、医薬として使用できる程度に精製されたものであれば、種々の方法で調製されたものを用いてもよい。例えば、薬物として蛋白質を用いる場合には、遺伝子工学的手法により当該蛋白質をコードする遺伝子を適切なベクターに組み込み、これを適当な宿主細胞に導入して形質転換し、この形質転換体の培養上清から目的とする組換え蛋白質を得ることができる。上記の宿主細胞は特に限定されず、従来から遺伝子工学的手法で用いられている各種の宿主細胞、例えば大腸菌、酵母、昆虫、かいこ、または動物細胞などを用いることができる。蛋白質は、所望の活性を有する限り、そのアミノ酸配列中の1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されていてもよく、また同様に糖鎖が置換、欠失及び/又は付加されていてもよい。
また、蛋白質の代わりに、この蛋白質をコードするDNAを用いて、本発明の徐放性製剤を製造してもよい。所望の蛋白質コードするDNAは、既知の配列に基づいてゲノムまたはcDNAライブラリからクローニングにより入手してもよく、化学合成により製造してもよい。所望の蛋白質をコードするDNAは、導入された細胞内でその蛋白質の機能が発現されることができるようにプラスミドベクター中に導入して用いる。プラスミドベクターは、細胞内でDNAが転写され、それにコードされる蛋白質が適切に発現されるような様式で配列された、プロモーター領域、開始コドン、終止コドンおよびターミネーター領域等を含む。このようなプラスミドベクターは、当分野において入手可能な発現ベクターに所望のDNAを適当な制限酵素部位を利用して挿入することによって容易に調製することができる。また、導入すべきDNAの塩基配列に基づいて、合成、半合成の手段により調製することも可能である。プラスミドベクター中のプロモーターの種類、開始コドン、終止コドン、ターミネータ領域は特に限定されるものではない。
本発明の薬物と生体吸収性高分子ハイドロゲルとの複合体においては、複合体中に取り込まれている薬物は、生体吸収性高分子ハイドロゲルが生体内で分解されるに従って複合体外部へと徐々に放出される。この放出速度は、使用する生体吸収性高分子ハイドロゲルの生体における分解および吸収の程度、ならびに複合体内での薬物と生体吸収性高分子ハイドロゲルとの結合の強さの程度および安定性により決定される。生体吸収性高分子ハイドロゲルの生体における分解および吸収の程度は、ハイドロゲル作製時における架橋の程度を調節することにより調節することができる。生体吸収性高分子としてゼラチンを用いる場合、ハイドロゲルの架橋度は含水率を指標として評価することができる。含水率とは膨潤ハイドロゲルの重量に対するハイドロゲル中の水の重量パーセントである。含水率が大きければハイドロゲルの架橋度は低くなり、分解されやすくなる。好ましい徐放性効果を示す含水率としては約80〜99w/w%であり、さらに好ましいものとしては、約95〜98w/w%のものが挙げられる。
本発明において、薬物として負に荷電した物質を用いる場合には、薬物と生体吸収性高分子ハイドロゲルとの安定な複合体が形成されるよう、生体吸収性高分子が正に荷電していることが好ましい。薬物の有する負の電荷と、生体吸収性高分子の有する正の電荷とが強力に結合(イオン結合)することによって安定な生体吸収性高分子ハイドロゲル複合体が形成される。生体吸収性高分子を正に荷電させるためには、生体吸収性高分子に予めアミノ基等を導入することによってカチオン化することができる。このことにより、生体吸収性高分子ハイドロゲルと薬物との結合力が増し、より安定した生体吸収性高分子ハイドロゲル複合体を形成することができる。
カチオン化の工程は、生理条件下でカチオン化する官能基を導入し得る方法であれば特に限定されないが、生体吸収性高分子の有する水酸基あるいはカルボキシル基等に1、2または3級のアミノ基またはアンモニウム基を温和な条件下で導入する方法が好ましい。例えばエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン等のアルキルジアミンや、トリメチルアンモニウムアセトヒドラジド、スペルミン、スペルミジンまたはジエチルアミド塩化物等を、種々の縮合剤、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、塩化シアヌル、N,N'−カルボジイミダゾール、臭化シアン、ジエポキシ化合物、トシルクロライド、ジエチルトリアミン−N,N,N',N'',N''−ペンタン酸ジ無水物等のジ無水物化合物、トリシルクロリド等を用いて反応させる方法がある。中でもエチレンジアミンを反応させる方法が簡便且つ汎用性があり好適である。
本発明の徐放性製剤には、得られるハイドロゲルの安定性や薬物放出の持続性等の目的に応じて、所望により他の成分を加えることもできる。他の成分としては例えばアミノ糖あるいはその高分子量体やキトサンオリゴマー、塩基性アミノ酸あるいはそのオリゴマーや高分子量体、ポリアリルアミン、ポリジエチルアミノエチルアクリルアミド、ポリエチレンイミン等の塩基性高分子等が挙げられる。
薬物含有生体吸収性高分子ハイドロゲルは、更に必要に応じて製剤上許容し得る担体(安定化剤、保存剤、可溶化剤、pH調整剤、増粘剤等)と混合することにより、本発明の徐放性製剤を調製することができる。そのような担体としては公知のものが使用できる。さらに徐放効果を調節する各種添加剤を含めることもできる。本発明を製剤化するにあたり、除菌濾過等の無菌化工程を経ることが更に望ましい。
本発明の徐放性製剤は、目的に応じて種々の形状の製剤化が可能である。例えば、粒状、円・角柱状、シート状、ディスク状、スティック状、ロッド状等の固形、半固形製剤が挙げられる。好ましくは、内耳への局所投与に好適であり徐放効果に優れる固形製剤である。
本発明の徐放性製剤は、種々の方法により内耳、眼、脳または脊髄に投与することができる。例えば、内耳に投与するためには、シート状ゲルの正円窓膜留置、微粒子状ゲル懸濁液の鼓室注入、あるいは経正円窓膜内耳内注入を行うことができる。
本発明の徐放性製剤の投与量は、治療的応答をもたらすに十分であるように適宜選択することができる。通常成人患者当たり約0.01〜約10,00μgの範囲、好ましくは、約0.1〜約1000μgの範囲から投与量が選択され、これを病巣またはその周辺部位に留置または注入することができる。また1回の投与で効果が不十分であった場合は、投与を複数回行うことも可能である。
本発明の徐放性製剤は、薬物の徐放性効果と安定化効果を持つため、内耳、眼、脳または脊髄の所望の部位において薬物を長時間にわたって放出することができ、薬物の作用を持続させることができる。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1.ゼラチンハイドロゲルシートの作製
ゼラチンとしては、アルカリ処理された牛骨由来の等電点5.0、分子量100,000のゼラチン(新田ゼラチン(株)大阪)を使用した。5%ゼラチン水溶液を作製し、室温で所定量の25%グルタルアルデヒド水溶液を滴下した。この水溶液1mlを2x2cm2のポリテトラフルオロエチレン容器にキャスティングし、4℃にて一晩安置し、架橋ゼラチンハイドロゲルを作製した。未反応のグルタルアルデヒドを除去すべく、100mMグリシン水溶液による洗浄を1時間、さらに50mlの2回蒸留水(DDW)で1時間の洗浄を37℃で3回行った。−80℃で3時間凍結させた後、凍結乾燥器にて48時間乾燥して、架橋ゼラチンシートを得た。
ゼラチンとしては、アルカリ処理された牛骨由来の等電点5.0、分子量100,000のゼラチン(新田ゼラチン(株)大阪)を使用した。5%ゼラチン水溶液を作製し、室温で所定量の25%グルタルアルデヒド水溶液を滴下した。この水溶液1mlを2x2cm2のポリテトラフルオロエチレン容器にキャスティングし、4℃にて一晩安置し、架橋ゼラチンハイドロゲルを作製した。未反応のグルタルアルデヒドを除去すべく、100mMグリシン水溶液による洗浄を1時間、さらに50mlの2回蒸留水(DDW)で1時間の洗浄を37℃で3回行った。−80℃で3時間凍結させた後、凍結乾燥器にて48時間乾燥して、架橋ゼラチンシートを得た。
カチオン化ゼラチンは以下のようにして作製した。ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製 豚皮由来 分子量100,000 等電点9)10gを4%(w/w)となるように0.1Mリン酸緩衝液に溶解した。これに27.9gのエチレンジアミンを混合した後、塩酸にてpHを5.0に調整した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド5.3gを加えた後、リン酸緩衝液にて500mLとした。37℃で18時間反応させた後、セルロースチューブ(分画分子量12000−14000)を用いて、超純水に対して透析した。超純水は透析開始後1、2、4、8、12、24、36および48時間後に交換し、未反応のエチレンジアミンおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドを除去した。得られたサンプルを凍結乾燥し、カチオン化ゼラチンを得た。TNBS法によりカチオン化ゼラチンのアミノ基を定量することにより、ゼラチンのカチオン化度を求めたところ、反応に用いたゼラチンの47%のカルボキシル基がアミノ基に変換されたことがわかった。
実施例2.BDNF含有ゼラチンハイドロゲルシートの作製
10wt%濃度の酸性ゼラチンをグルタルアルデヒドにより化学架橋した後、架橋剤を不活性化した。次に蒸留水にて数回洗浄し、架橋含水率90.3%ゼラチンハイドロゲルを得た。続いて100μgのBDNFを含む0.05M濃度のリン酸緩衝液(pH 7.4, PBS 500μl)を滴下し、BDNF水溶液をゼラチンハイドロゲルへ浸み込ませることによってBDNF含浸ゼラチンハイドロゲルを得た。
10wt%濃度の酸性ゼラチンをグルタルアルデヒドにより化学架橋した後、架橋剤を不活性化した。次に蒸留水にて数回洗浄し、架橋含水率90.3%ゼラチンハイドロゲルを得た。続いて100μgのBDNFを含む0.05M濃度のリン酸緩衝液(pH 7.4, PBS 500μl)を滴下し、BDNF水溶液をゼラチンハイドロゲルへ浸み込ませることによってBDNF含浸ゼラチンハイドロゲルを得た。
実施例3.内耳へのBDNF移行性に関する解析
実験動物として、有色モルモット(体重250g)を用いた。全身麻酔下に中耳を一部開放し、正円窓を明視下におき、BDNF(84μg/生食2μl)を含浸したゲルを正円窓膜上に留置した。ゲルを固定する目的で、正円窓窩を骨蝋で覆った。対照として、無処置動物および正円窓より同容量のBDNFを注入し、注入部を生体接着剤で閉鎖した動物を用い、各群5匹の動物を用いた。投与3日後に蝸牛外リンパ液1mlを採取し、ELISA法にてBDNF濃度を計測した。
実験動物として、有色モルモット(体重250g)を用いた。全身麻酔下に中耳を一部開放し、正円窓を明視下におき、BDNF(84μg/生食2μl)を含浸したゲルを正円窓膜上に留置した。ゲルを固定する目的で、正円窓窩を骨蝋で覆った。対照として、無処置動物および正円窓より同容量のBDNFを注入し、注入部を生体接着剤で閉鎖した動物を用い、各群5匹の動物を用いた。投与3日後に蝸牛外リンパ液1mlを採取し、ELISA法にてBDNF濃度を計測した。
ゲルを用いた動物の外リンパ液中BDNF濃度は、714pg/ml、注入を行った動物では16.4pg/ml、無処置動物では3.9pg/mlであった。投与3日後には、直接注入を受けた動物では、無処置時の約4倍の濃度しか認めなかったのに対して、ゲルを用いた場合には、注入の40倍以上の濃度が認められた。以上の結果から、ゲルを用いた投与方法により、有効に内耳に薬物が徐放されていることがわかる。
実施例4.徐放ゲルによるBDNF投与の内耳保護効果の検討
実験動物として、有色モルモット(体重250g)を用い、カナマイシン(400mg/kg,im)、エタクリン酸(25mg/kg,iv)による耳毒性処置を行った。この18日後に聴性脳幹反応(ABR)を用いて、聴力評価を行い、すべての動物が聾であることを確認した。1)と同様の方法でBDNF投与を行った。対照としては、生食を含浸したゲルを留置した動物を用いた。投与4日後、7日後に電気誘発聴性脳幹反応(EABR)にてラセン神経節機能を評価した後に、側頭骨を採取し、組織学的解析を行った。
実験動物として、有色モルモット(体重250g)を用い、カナマイシン(400mg/kg,im)、エタクリン酸(25mg/kg,iv)による耳毒性処置を行った。この18日後に聴性脳幹反応(ABR)を用いて、聴力評価を行い、すべての動物が聾であることを確認した。1)と同様の方法でBDNF投与を行った。対照としては、生食を含浸したゲルを留置した動物を用いた。投与4日後、7日後に電気誘発聴性脳幹反応(EABR)にてラセン神経節機能を評価した後に、側頭骨を採取し、組織学的解析を行った。
(1)EABRによるラセン神経節機能評価
BDNF投与4日後、7日後ともに生食を投与した群に比較してBDNF投与群では、有意に閾値が低かった(図1)。この結果から、ゲルによるBDNF投与によりラセン神経節機能が保護されたことがわかる。
BDNF投与4日後、7日後ともに生食を投与した群に比較してBDNF投与群では、有意に閾値が低かった(図1)。この結果から、ゲルによるBDNF投与によりラセン神経節機能が保護されたことがわかる。
(2)組織学的な保護効果
BDNF投与7日後に採取した組織のラセン神経節のヘマトキシリン・エオジン染色所見を図2に示す。蝸牛基底回転、第2回転、頂回転すべての回転のラセン神経節で生食投与群では、高度のラセン神経節変性が認められた。一方、BDNF投与群では、すべての回転でラセン神経節神経節細胞の喪失は軽度にとどまっていた。ラセン神経節の細胞密度を回転別に調べるとすべての回転で有意にBDNF投与群で細胞密度が高いことが判明した(図3)。この結果から、ゲルによるBDNF投与によりラセン神経節が組織学的にも保護されたことが示された。
BDNF投与7日後に採取した組織のラセン神経節のヘマトキシリン・エオジン染色所見を図2に示す。蝸牛基底回転、第2回転、頂回転すべての回転のラセン神経節で生食投与群では、高度のラセン神経節変性が認められた。一方、BDNF投与群では、すべての回転でラセン神経節神経節細胞の喪失は軽度にとどまっていた。ラセン神経節の細胞密度を回転別に調べるとすべての回転で有意にBDNF投与群で細胞密度が高いことが判明した(図3)。この結果から、ゲルによるBDNF投与によりラセン神経節が組織学的にも保護されたことが示された。
以上の結果から、徐放ゲルを用いた内耳への薬物投与方法が内耳へ確実かつ低侵襲に薬物を投与できる方法であることが示された。この薬物投与方法は、BDNFの内耳への投与にとどまらず、種々の薬物を内耳、眼、脳または脊髄に投与する方法として応用できる可能性がある。
Claims (4)
- 神経栄養因子またはこれをコードするDNAおよび生体吸収性高分子ハイドロゲルを含む神経再生および保護のための徐放製剤。
- 内耳、眼、脳または脊髄に投与するための、請求項1記載の徐放製剤。
- BDNFおよび生体吸収性高分子ハイドロゲルを含む内耳投与用徐放製剤。
- 生体吸収性高分子ハイドロゲルがゼラチンハイドロゲルである、請求項1−3のいずれかに記載の徐放製剤。
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