JP2005218930A - 除塵フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉性容器に取り付けられる除塵フィルタにおいて、省スペースでも対応可能で、長時間の内壁面の貼付に対応できる粉塵除去性能が高い除塵フィルタを提供する。
【解決手段】密閉性容器の内壁面に両面テープで取り付けられる除塵フィルタにおいて、除塵フィルタが波形シートと平面シートからなり、波形シートに少なくとも一層のエレクトレット化不織布を有することで、エレクトレット化不織布の使用量を増加させることができる。更に、両面テープと接合する平面シートの片面の平滑性を高めることで両面テープとの接合性が向上し、長時間の内壁面の貼付に対応できる粉塵の除去性能が高い除塵フィルタが得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、密閉性された精密機器の容器内部に設置されたフィルタであり、高い除塵性能と設置の容易性を兼ね備えた、省スペースでも設置可能な高性能除塵フィルタに関するものである。
可動構造を持ち、繰り返し動作を行う精密機器が、精密加工技術を活かし作成され実用化され初めている。例えば、携帯電話に搭載される超小型カメラにおいては、複数のレンズで構成されたズームレンズの搭載が検討されており、近年小型化の動きが激しい人工衛星等にも可動部分を有する機器が多数搭載されている。これら精密機器は通常密閉性容器(完全密閉性容器、又は精密微細膜を介し外気と直接の接触を遮断された密閉性容器)を有し、機器内部に微細な粉塵が付着することは誤作動を起こす原因となり、その粉塵の除去は重要度を増してきている。コンピュータのハードディスク駆動装置(以下、HDDと称する)のような磁気記憶ディスクも密閉性容器を持つ精密機器の1種である。
これらに機器は、クレーンルーム内で製造され、組み立てられる前に、各部材の表面に付着した塵埃を取り除くことが必要である。しかし、完全に除去し尽くすことは実質上不可能であり、可動部分を有する事から、組立後に粉塵が発生する事も避け難い状況にある。そこで、内部にフルターを取り付け、取り除くことができなかった塵埃や、後から発生した塵埃を除去することが検討されてきており、後述のようにHDDにおいては10年以上前より、その内部粉塵の除去の試みが各種検討されてきた。
特許文献1では、HDDの内壁面に静電フィルタを設けたHDDが提案されている。しかし、単板形状であるため、高性能化を行うには、静電フィルタの使用量が多くなるという問題を有していた。更に、繊維状の静電フィルタは両面テープ等で粘着されているため、静電フィルタと両面テープは線接着となり、接着強度が弱い問題を有していた。
特許文献2、3では、HDDのディスクの円周状にエアフィルタを設けたHDDが提案されている。しかし、円周状ではスペースが小さく、軸流気流の一部しか気流の流れないため、フィルタが有効に使用されていない状況であった。
特開平5−166357号公報 特開平6−36497号公報 特開平8−129871号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、密閉性容器に取り付けられる除塵フィルタにおいて、省スペースでも設置可能,容器内面より長期間剥がれ落ちることが無く,且つ粉塵除去性能が高い除塵フィルタを提供することにある。
本発明は、密閉性容器の内部に設置されたフィルタであり、エレクトレット化不織布を含む波形シートと不織布を含む平面シートが接合されており、且つ平面シートが平滑面を有することを特徴とする除塵フィルタ。
平面シートに、エレクトレット化不織布が含まれる事を特徴とする除塵フィルタ。
平面シートの平滑面に、両面接着性を持つシートが積層されている事を特徴とする除塵フィルタ。
また本発明は、除塵フィルタの厚みが0.5〜5mmであることを特徴とする除塵フィルタである。
本発明は以上述べたように、密閉性容器に取り付けられる除塵フィルタにおいて、省スペースでも対応可能で、長時間の内壁面の貼付に対応できる粉塵除去性能が高い除塵フィルタを提供するものである。
エレクトレット化不織布の繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ弗化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリサルホン、ポリフェニレンオキサイド等の絶縁性有機繊維や、生分解性を有するポリ乳酸等の生分解性有機繊維を挙げることができる。特に、ポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ弗化ビニリデン、ポリカーボネート等は蓄積電荷量を大きくできて好ましい。とりわけ、ポリプロピレンは工業的にエレクトレット化し易く、かつコスト的にも安価であって好ましい。
エレクトレット化不織布の製造方法や形態は特に限定されないが、繊維は短繊維と長繊維のいずれでもよく、その集合形態として織物、編み物、不織布など種々のものを使用できるが、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布またはフィルムスプリット不織布であることが好ましく、繊維の毛羽立ちが少ないメルトブロー不織布や剛性が高いスパンボンド不織布がより好ましい。
更に、繊維の断面も円形、三角形、矩形、異形など種々の形状のものを使用できる。繊維径は、100μm以下のものが使用でき、好ましくは0.1〜100μm、特に0.5〜20μmのものが好ましい。より好ましくは1〜10μmである。0.1μm未満は不織布が困難である。一方、100μmを越える場合は、繊維剛性が高くなり、繊維の毛羽立つ恐れがある。
また、不織布の目付量としては、5〜100g/m2のものが使用でき、10〜60g/m2のものが好ましく、15〜50g/m2のものがより好ましい。5g/m2未満のものは、繊維斑が大きく、塵埃捕集効果が小さくなる。一方、100g/m2を越える場合は、波形構造が付きにくい恐れがある。
また、不織布の厚みとしては、0.05〜2.0mm のものが使用でき、0.10〜1.0mm のものが好ましく、0.15〜0.8mm のものがより好ましい。0.05mm未満のものは、繊維斑が大きく、塵埃捕集効果が小さくなる。一方、2.0mmを越える場合は、波形構造が付きにくい恐れがある。
上記不織布をエレクトレット化することにより、粉塵除去性能が高いフィルタが得られる。不織布にエレクトレット化する方法としては、例えば、コロナ荷電、電界荷電、熱間電界荷電、電子線照射などを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、高帯電量で電荷が安定的に保持されるのであれば他の荷電方法を用いてもよい。コロナ荷電、電界荷電で行う場合は、10kV/cm以上で電界強度が好ましく、15kV/cm以上の電界強度が一層好ましい。電子線照射の場合は、0.1〜1Mrad程度で照射することが好ましい。
上記エレクトレット化不織布の表面電荷密度としては、1×10-10クーロン/cm2以上であることが好ましく、2×10-10クーロン/cm2以上がより好ましい。表面電荷密度の大きいエレクトレット化不織布の方が、塵埃の捕集効率が高くなるためである。1×10-10クーロン/cm2未満の場合、塵埃捕集効果が低くなるため好ましくない。
表面電荷密度は図1に示す装置によって測定される。エレクトレット化不織布3をアース電極2に置き、測定電極1に接触しているコンデンサー4に電荷を誘起させ、この電位を電位計5で測定して下式から算出される。
[数1]
表面電荷密度(クーロン/cm2)=C×V/S
C:コンデンサー容量(クーロン)
V:測定電位(ボルト)
S:測定電極面積(cm2
上記エレクトレット化不織布の嵩密度としては、0.06〜0.30cc/ccであることが好ましく、0.09〜0.20cc/ccがより好ましい。0.09cc/cc未満の場合は、波形加工時に厚みの変化が大きくなり、除塵フィルタの厚みバラツキが大きくなる恐れがある。一方、0.30cc/ccを越える場合は、各波形高さが不揃いになる恐れがある。
嵩密度の測定方法は、エレクトレット化不織布の目付と7g/cm2の荷重をかけた時の厚み、繊維比重を測定して下式から算出される。
[数2]
嵩密度(cc/cc)=W×10-4/(T×ρ)
W:目付(g/m2
T:厚み(mm)
ρ:繊維比重(g/cc)
エレクトレット化不織布にはヒンダードフェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、硫黄系安定剤、リン系安定剤、脂肪酸金属塩、結晶核剤のうち少なくとも一種類の添加剤が含有されることが好ましい。これらの添加剤を含有することにより、エレクトレット化不織布のエレクトレット性が飛躍的に向上することができる。
上記ヒンダードフェノール系安定剤として、特に限定するわけではないが、具体的には、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox1010、チバガイギー社製)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox1076、チバガイギー社製)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(Irganox3114、チバガイギー社製)、3,9−ビス−{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−[5,5]ウンデカン(スミライザーGA−80、住友化学社製)等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン系安定剤として、特に限定するわけではないが、具体的には、ポリ〔((6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))(チバガイギー製、キマソープ944LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(チバガイギー製、チヌピン622LD)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(チバガイギー製、チヌピン144)等が挙げられる。
上記トリアジン系安定剤として、特に限定するわけではないが、具体的には、前述のポリ〔((6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))(チバガイギー製、キマソープ944LD)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(チバガイギー製、チヌピン1577FF)等が挙げられる。
上記硫黄系安定剤として、特に限定するわけではないが、具体的には、ジ−ラウリル−3,3−チオジプロピオン酸エステル(DLTDP)、ジ−ステアリル−3,3−チオジプロピオン酸エステル(DSTDP)等が挙げられる。
上記リン系安定剤として、特に限定するわけではないが、具体的には、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(Irgafos168、チバガイギー社製)、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリストール−ジフォスファイト(PEP−36、旭電化社製)、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA、三光社製)等が挙げられる。
上記脂肪酸金属塩として、特に限定するわけではないが、直鎖状脂肪酸基を有するものが好ましい。また脂肪酸基は炭素数10〜20のものが好ましい。具体的には、ラウリル酸アルミニウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリル酸マグムシウム、ミリスチン酸マグムシウム、パルミチン酸マグムシウム、ステアリン酸マグムシウム等が挙げられる。
上記結晶核剤として、特に限定するわけではないが、具体的にはリン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム(NA−10、旭電化社製)、リン酸2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(NA−11、旭電化社製)、ロジン系結晶核剤パインクリスタルKM−1500(荒川化学社製)等が挙げられる。
上記添加剤の含有量は、エレクトレット化不織布100重量部に対して、0.01〜5重量部であり、好ましくは0.025〜4重量部、最も好ましくは0.1〜3重量部である。含有量が少ないとエレクトレット化効果が十分ではなく、逆に含有量が多くても効果は飽和し、ブリードアウトするため好ましくない。
上記のエレクトレット化不織布の剛性向上および波形構造を付けやすくするために、不織布を積層しても良い。具体的にはメルトブロー不織布とスパンボンド不織布、フィルムスプリット不織布とスパンボンド不織布、スパンレース不織布とスパンボンド不織布等のスパンボンド不織布を積層することで剛性が上げやすく出来る。この場合、積層後にエレクトレット化することで、剛性の高いエレクトレット化不織布が作製できる。一方、エレクトレット化不織布以外にも剛性を上げることが可能であり、剛性向上材としては、ケミカルボンド不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、フィルム、ネット、および脱臭剤含有シート等が挙げられる。
積層法としては、単に重ねただけでは波形形状に加工した時に層間剥離を起こす可能性があり、好ましくない。この層間剥離を防止するため、二種類以上の不織布をニードルパンチ法などにより、境界面で交絡して接着する積層方法、あるいは、接着性を有する樹脂により接着する積層方法が挙げられる。繊維の毛羽立ちが起こらない接着剤による積層方法が好ましい。接着性を有する樹脂としては、接着性を有する樹脂を繊維状にして適用するか、または層間に接着性を有する樹脂を部分的に使用してピンポイント接着することが望ましい。接着性を有する樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等のホットメルト性を有する樹脂の網状接着シート又はタック性を有するゴム系接着樹脂などが使用される。
エレクトレット化不織布に積層する脱臭剤含有シート中に含まれる脱臭剤としては、活性炭、ゼオライト、シリガゲル等の吸着剤、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、鉄、ニッケル、チタン、銀等の単一酸化物、複合酸化物等の分解剤、活性炭等の吸着剤に分解剤を担持した吸着分解剤が好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。脱臭剤の形状としては繊維状、粒状、粉末状のいずれの形態も使用可能である。粒状、粉末状の場合、その粒度は0.1〜300μm程度のものが使用可能であるが、臭気除去効率、および脱臭シートを形成するための加工性を上げるには0.1〜200μm程度であるのが好ましい。また、脱臭剤のBET法から求められる比表面積は100m2/g以上であるのが好ましい。比表面積が100m2/g未満のものでは、目付を上げても吸着及び分解性能を向上させることは難しい。
これらの脱臭剤を脱臭シートとしてシート状に加工する方法としては、繊維状の脱臭剤はそのまま補強材として使用可能である。また、繊維状、粒状、粉末状の脱臭剤は湿式または乾式法によりシートに加工して使用することができる。シートを形成する方法としては、湿式抄紙法により脱臭剤を抄紙する方法、有機系繊維不織布、無機系繊維不織布、フィルム又はアルミ箔の様な基材シートに脱臭剤をコーティングする方法、熱溶融性を有する繊維と共に不織布状に加工する方法等があるが特にこれらに限定されるものではなく、脱臭剤を含有してエレクトレット化不織布に積層加工できるシート状のものであればこの限りではない。
これらの脱臭剤をシート状に加工する場合に使用するバインダーとしては、熱膨潤性繊維、熱溶融性樹脂、アルミナ系の無機系バインダー、二酸化珪素系の無機系バインダー、エマルジョン系接着剤、ホットメルト系接着剤等が適宜使用可能であるが特にこれに限定されるものではない。また、湿式法で抄紙する場合はフィブリル化した繊維パルプも使用可能である。
波形シートの波形構造としては、三角形、四角形、台形、正弦波形、ロール形のもの等、中空多角柱、中空円柱等の中空柱体が連続して形成された形態のものを意味する。例えば、正弦波形形状を作製するには、賦形ロールに通して波形に賦形して波形シートを作製する。その後、波形シートの頂点部に平面シートを接合する。波形シートと平面シートを有する除塵フィルタを、以下「一段」品と呼ぶ。図2に一段品の除塵フィルタに両面テープを貼り合わせた概略図を示す。
上記のような正弦波形の一段品の除塵フィルタを形成する場合には、波形シートと平面シートと接合する必要がある。接合する方法は、接着剤により接合する方法、ホットメルト樹脂を塗布後に乾燥する方法、平面シートに波形シートより低融点成分を含有させ、熱融着により接合する方法等が挙げられる。
除塵フィルタの高さは、0.5〜5mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.7〜3mmである。0.5mm未満では、エレクトレット化不織布を波形構造しても、単板構造の不織布と大差ない使用量であり、高性能化が実現できない恐れがある。一方、5mmを越える場合では、省スペース化が進むHDDに内壁に取り付けられない恐れがある。
一段品の除塵フィルタを積段し、多段化することにより、フィルタ高さを調整することも可能である。積段する場合は、一段品の接合と同様な方法で多段化することができる。
上記のエレクトレット化不織布は、ネット状物,高剛性な多孔性シート等の補強材を接合し使用することも可能である。接合した層品を波形シートにする場合、補強材が平面シート側になるように接合して、エレクトレット化不織布を最外層に形成させることで、補強材を積層しても塵埃捕集効果を維持することができる。
上記の除塵フィルタを内壁面に取り付ける場合、一般的に両面テープを介して貼り付ける方法が最も容易で経済性が高い。この場合、除塵フィルタの平面シートに両面テープを貼り付け、その後、内壁面に貼り付けられる。平面シートがエレクトレット化繊維等で構成された凹凸のある不織布の場合、両面テープとの接着は線接着となり、長時間貼付するには、接着性が弱く、剥がれ不良が発生する問題がある。密閉容器内に設置するため、剥がれ不良の確認は困難で、重大な問題を生じる危険性がある。この問題を解消するためには、両面テープ側の平面シートの平滑性を向上し、両面テープとの接着性を向上させることが必要である。
平面シートの片面を平滑化するには、以下の各種の方法が適用可能である。
まず、エレクトレット化不織布と他材料を積層し、平面シートの片面を平滑化する以下の方法が有効に利用可能である。エレクトレット化不織布とフィルムをエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等のホットメルト性を有する樹脂の網状接着シート又はタック性を有するゴム系接着樹脂等の接着性を有する接着剤で積層する方法が挙げられる。この積層用フィルムは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン等のフィルムが適用することができ、フィルムの厚みは10μm以上が好ましい。10μm未満の場合、フィルム強度の低下が大きく、取り扱い性が悪く、平滑性向上の効果が十分に得られないからである。つまりフィルムを利用し、平滑性を向上させた上で、前述の両面テープ等の接着シートを接着させる。
他の手法として、エレクトレット化不織布より低融点の不織布を上記カレンダー加工の条件で低融点側の不織布を平滑化する方法が挙げられる。二本のロールの一本を低融点不織布の融点付近まで高温化し、他ロールは常温もしくは、エレクトレット化不織布融点の40℃以下の温度に設定する。このロール間に2枚の不織布を通過させ、低融点不織布を溶解し、平滑化することができる。このカレンダー加工時にエレクトレット化用不織布と低融点不織布を接着することができる。その後、上記のエレクトレット化する方法で、片面に平滑性を有するエレクトレット化不織布を作製することできる。
また他の手法として、エレクトレット不織布より低融点の樹脂を不織布表面に平滑に塗布する方法が挙げられる。樹脂の塗布厚みは20μm以上が好ましい。20μm未満の場合、樹脂の塗布斑が発生しやすい問題が生じる。
上記いずれの手法においても、平面シートの片面を平滑度は、凹凸部分が平均で50μm以下、望ましくは35μm以下、さらに望ましくは20μm以下である。
波形シートにエレクトエット不織布が有効であることは先に示したが、平面シートにおいてもエレクトレット化不織布を適用することにより、粉塵除去速度がより速い除塵フィルタを得ることができる。
上記の除塵フィルタおよび両面テープ、枠材等の内壁面固定材は、シリコンフリー、タルクフリー、更には加熱時にアウトガスが発生しにくい材料で構成されることが好ましい。
上記のエレクトレット化不織布を生分解性のポリ乳酸繊維を使用した場合は、積層補強材、平面シート、積層および波形構造用の接合剤は生分解性材料を使用することで、環境に配慮した除塵フィルタの作製が可能となる。
以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何等限定されるものではない。
まず、本実施例で用いたフィルタの試験方法を以下に示す。
(粒子の捕集性能)
3.5インチHDDの内壁面に、除塵フィルタを設置し、HDD内部から空気をサンプリングしてパーティクルカウンターKC−01(RION製)で粒子個数濃度を測定した。ディスク回転前の0.3μmの粒子個数濃度(C0)とディスク回転して40秒後の0.3μmの粒子個数濃度(C1)を計測し、下式により残存率を算出した。
[数3]
残存率(%)=C1/C0×100
(剥離強度)
平面シートと両面テープの剥離強度は、JISL1089のはく離強さに準拠して測定した。
(実施例1)
繊維径4μm、目付40g/m2、厚み0.35mm、融点165℃のポリプロピレン製メルトブロー不織布をエレクトレット化し、波形シート用エレクトレット化不織布を得た。次に、繊維径4μm、目付40g/m2、厚み0.35mm、融点165℃のポリプロピレン製メルトブロー不織布をカレンダー加工して片面平滑化が行った。カレンダー加工条件は、上部ロールは加熱を行わないで常温に設定し、下部ロールを155℃に設定し、ロール間距離を0.3mmに設定し、カレンダー加工を行った。その後、エレクトレット化し、平面シート用エレクトレット化不織布を得た。波形シートを正弦波形の賦形ロールで波形構造とし、酢ビ系接着剤を用いて、平面シートと接合した。波形間隔5mm、厚み3mmの1段品除塵フィルタを作製した。この除塵フィルタをサイズ20×20mmに打ち抜き、平面シートの平滑面に日東電工(株)製両面テープ(商品名:DSP−5025)を貼り付け、HDDのディスク上部の内壁に貼り付けた。
(実施例2)
繊維径4μm、目付40g/m2、厚み0.35mm、融点165℃のポリプロピレン製メルトブロー不織布と、融点120℃、目付量20g/m2のポリエステル製網状接着シートと、繊維径15μm、目付量25g/m2、厚み0.2mm、融点170℃のポリプロピレン製スパンボンド不織布を重ね合わせ、カレンダー加工を実施し、積層後にエレクトレット化し、波形シート用エレクトレット化不織布を得た。次に、繊維径15μm、目付量40g/m2、厚み0.3mm、融点170℃のポリプロピレン製スパンボンド不織布と、融点120℃、目付量20g/m2のポリエステル製網状接着シートと、厚み50μm、融点190℃のポリエステルフィルムを重ね合わせ、カレンダー加工を実施し、積層後にエレクトレット化し、平面シート用エレクトレット化不織布を得た。波形シートを正弦波形の賦形ロールで波形構造とし、酢ビ系接着剤を用いて、平面シートと接合した。波形間隔5mm、厚み3mmの1段品除塵フィルタを作製した。この除塵フィルタをサイズ20×20mmに打ち抜き、平面シートの平滑面に日東電工(株)製両面テープ(商品名:DSP−5025)を貼り付け、HDDのディスク上部の内壁に貼り付けた。
(実施例3)
溶融ポリエチレン樹脂を35μmに製膜化し、繊維径15μm、目付量40g/m2、厚み0.3mm、融点170℃のポリプロピレン製スパンボンド不織布に塗布し、ポリエチレン樹脂膜により、スパンボンド不織布の片面を平滑化した。その後、エレクトレット化し、平面シート用エレクトレット化不織布を得た。その他は実施例1と同内容の処理を行い、除塵フィルタをHDDのディスク上部の内壁に貼り付けた。
(比較例1)
実施例1の波形シート用エレクトレット化不織布を、フィルタサイズ20×20mmに打ち抜いた厚み0.35mmの除塵フィルタを作製した。この除塵フィルタの片面に日東電工(株)製両面テープ(商品名:DSP−5025)を貼り付け、HDDのディスク上部の内壁に貼り付けた。
(比較例2)
繊維径4μm、目付100g/m2、厚み1mm、融点165℃のポリプロピレン製メルトブロー不織布をエレクトレット化し、エレクトレット化不織布を得た。該エレクトレット化不織布を酢ビ系接着剤で3段に積層し、厚み3mmに積層した除塵フィルタを作製した。フィルタサイズ20×20mmに打ち抜き、片面に日東電工(株)製両面テープ(商品名:DSP−5025)を貼り付け、ディスク上部の内壁に貼り付けた。
上述した除塵フィルタについて、先に説明した方法により0.3μmの粒子の捕集性能の測定を実施した。両面テープと平面シートの剥離強度は先に説明した方法により測定を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2005218930
実施例1、2、3は短時間で粉塵除去が可能である。しかし、比較例1、2は実施例に対して、塵埃除去速度が遅いことが分かる。実施例1、2、3と同厚みの単板状エレクトレット化不織布を適用しても、塵埃除去速度が遅いことから、エレクトレット化不織布の波形構造に起因することが明らかである。
更に、実施例は比較例に対して、10倍以上の剥離強度を有していることから、長時間の内壁面の貼付に対応できる強度を有していることが分かる。
本発明の密閉性容器に取り付けられる除塵フィルタは、省スペースでも対応可能で、長時間の内壁面の貼付に対応できる粉塵除去性能が高い除塵フィルタを提供し、密閉容器内の精密機器の信頼性向上の寄与できる。
表面電荷密度の測定概略図である。 両面テープを貼り付けた波形構造を有する一段品の除塵フィルタ例である。
符号の説明
1:測定電極
2:アース電極
3:エレクトレット化不織布
4:コンデンサー
5:電位計
6:アース
7:除塵フィルタの厚み
8:波形間隔
9:波形シート
10:平面シート
11:接着層(両面テープ)

Claims (4)

  1. 密閉性容器の内部に設置されたフィルタであり、エレクトレット化不織布を含む波形シートと不織布を含む平面シートが接合されており、且つ平面シートが平滑面を有することを特徴とする除塵フィルタ。
  2. 平面シートに、エレクトレット化不織布が含まれる事を特徴とする請求項1に記載の除塵フィルタ。
  3. 平面シートの平滑面に、両面接着性を持つシートが積層されている事を特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の除塵フィルタ。
  4. 除塵フィルタの厚みが0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の除塵フィルタ。
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