JP2005218746A - ホースカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】 ホース類に対する密着性に優れてその固定を確実に行うことができ、治療器具の操作性阻害を防止することができるホースカバーを提供する。
【解決手段】 本発明に係るホースカバー1は、伸縮性を有する筒状の不織布3の両端に筒状のシュリンクフイルム6,7が固着されて構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係るホースカバー1は、伸縮性を有する筒状の不織布3の両端に筒状のシュリンクフイルム6,7が固着されて構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、歯科又は医科の治療器具におけるホース類の被覆に好適なホースカバーに関する。
歯科又は医科の治療現場において、治療器具の汚染防止は、医療従事者の感染を防ぎ、患者への二次感染を防ぐために広く行われる必要性が指摘されている。これに対し、特許文献1乃至特許文献10には、治療器具を被覆して汚染防止を図る技術が開示されている。
しかしながら、それらの特許文献はすべて口腔内又は体内に挿入される器具本体や把持部分の被覆を目的としており、その被覆範囲は狭小であると言わざるを得ない。例えば歯科インプラント等の高度な清潔性を要する歯科治療を行う場合、器具本体や把持部分のみならずそれに接続されたホースやケーブル、コード等のホース類も滅菌されたカバーにより被覆し、治療の際に飛び散る唾液や血液等の体液、あるいは、それらを含んだエアロゾルからそのホース類の汚染を防止することも重要である。
そして、このような観点から滅菌が可能なホース類は滅菌され、滅菌が困難なホース類は布等の被覆材により被覆されていたが、前者では度重なる滅菌によりホース類の早期劣化を招いたり、医療従事者が滅菌に時間を割かれ、しかも、滅菌中にホース類を使用することができないという問題があった。一方、後者ではホース類の径よりも被覆材の径が相当に大きく、被覆材が径の適合性に乏しいことが通常で、被覆材のホース類に対する密着性が悪く治療器具の操作性が悪化するという問題があった。また、被覆材の固定には紐や粘着テープが用いられているので、固定が不安定で被覆材が治療器具の使用中にずれてしまうという問題もあった。
特関2000−180731号公報
実開平5−78210号公報
実開昭57−97514号公報
特開2003−275163号公報
特開2001−224694号公報
特開2002−159511号公報
特開平10−234747号公報
特開平8−539号公報
実開平7−17207号公報
特開平7一32500号公報
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたもので、ホース類に対する密着性に優れてその固定を確実に行うことができ、治療器具の操作性阻害を防止することができるホースカバーを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、伸縮性を有する筒状の不織布の両端に筒状のシュリンクフイルムが固着されてなるホースカバーを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のホースカバーにおいて、前記不織布が防水加工されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のホースカバーにおいて、前記不織布の内面に防水フィルムが貼着されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のホースカバーにおいて、前記防水フィルムに、前記不織布の周方向に皺あるいは襞が寄るようにギャザーが施されていることを特徴とする。
請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明によれば、伸縮性を有する筒状の不織布の両端に筒状のシュリンクフイルムが固着されているので、ホースカバーがホース類に対する密着性に優れてその固定を確実に行うことができる。すなわち、このホースカバーの内径と同程度の外径を有するホース類をホースカバーに挿入すると、不織布がその伸縮性によりホース類を遊び少なく被覆し、さらにシュリンクフィルムを収縮させることによりシュリンクフィルムがホース類に密着する。そして、このシュリンクフィルムの強い密着作用によりホースカバーが確実に固定されるので、ホースカバーのホース類に対するずれが防止され、ホースカバー全体としては治療器具の操作性を阻害せず細密な治療行為を妨げなくなる。
本発明に係るホースカバーは、ホース類に対する密着性に優れてその固定を確実に行うことができ、治療器具の操作性阻害を防止することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施例に係るホースカバーを、図2はその製造方法を示す。このホースカバー1を製造するには、まず片面に防水フィルム2が圧延処理により貼着された長方形状の不織布3の長手方向両端の辺部4,5に、シュリンクフィルム6,7を接着又は溶着し、全体として長方形状の複合シート8を得る(図2(A))。続いて、防水フィルム2が内面側となるように複合シート8の長手方向に沿った辺部9,10を接合することにより、筒状のホースカバー1が形成される(図2(B))。ホースカバー1の不織布3の部位における内径は被覆対象とするホース類の外径とほぼ同程度であればよく、シュリンクフィルム6,7の部位における内径はそのホース類の外径より若干大きいことが望ましい。
不織布3は伸縮性を有し、その材質や色は特に限定されるものではないが、例えば材質についてはウレタン系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等を用いることができる。防水フィルム2も本実施例では伸縮性を有し、後述のように治療器具のホース類等をホースカバー1に挿入する際にその通過をスムーズにするほか、血液や唾液等の体液がホースカバー1を浸透してホース類等に到達する事態を有効に阻止する。さらに、不織布3が過度の柔軟性を有する場合に、防水フィルム2はその柔軟性を減殺してホースカバー1に適度な柔軟性(ホースカバー1の装着性や治療器具の操作性、あるいは、後述のように剥離器具で切り進めることを容易にする程度の適度な柔軟性)を付与する。防水フィルム2の材質や色も特に限定されるものではないが、不織布3の材質と同質系の材質(不織布3がウレタン系であればウレタン系、不織布3がポリオレフィン系であればポリオレフィン系、不織布3がポリアミド系であればポリアミド系)を選択することによって、不織布3と伸縮性を揃えることができる。
また、シュリンクフィルム6,7の不織布3に対する固着方法も特に限定されるものではないが、ここではシュリンクフィルム6の不織布3との重なり代が不織布3の外側に位置するように、かつ、シュリンクフィルム7の不織布3との重なり代が防水フィルム2の内側に位置するように、シュリンクフィルム6,7が不織布3及び防水フィルム2に取り付けられている。
図3に示すように、このホースカバー1により歯科ユニットの吸込用ホース11を被覆するには、まずホース11のホース口12をシュリンクフィルム7の側から滅菌済みのホースカバー1の内部に挿入する(図3(A))。続いて、ホース口12で不織布3及び防水フィルム2を押し広げながら(図3(B))、ホース口12をシュリンクフィルム6の部位まで進入させ(図3(C))、この状態でホース口12にサクション13を取り付けてシュリンクフィルム6,7を熱風や熱湯で収縮させる(図3(D))。シュリンクフィルム6,7の収縮が完了すると、サクション13はシュリンクフィルム6により数cm覆われる。
この実施例では、ホースカバー1の内径と同程度の外径を有するホース11をホースカバー1に挿入することによって、不織布3及び防水フィルム2がホース11を被覆する。ここで、不織布3は伸縮性を有するため、ホース11の径が多少異なっても又はホース11に多少の凹凸があってもホース11の外面に追従可能で、ホース11を遊び少なくカバーすることができる。さらに、シュリンクフィルム6,7を収縮させることによりシュリンクフィルム6,7がホース11、サクション13に密着し、ホースカバー1が確実に固定され、ホースカバー1のホース11に対するずれが防止される。よって、ホースカバー1全体としては被覆感が少なく(ホース11との一体感が高く)治療器具の操作性を維持することができるとともに、ホース11、さらにはサクション13の把持部分についてまでも容易に汚染防止を図ることができる。
また、本実施例では、シュリンクフィルム7、不織布3及び防水フィルム2、シュリンクフィルム6とホース11が挿入される順番に、後の素材が前の素材の径方向外側に固着されているので、ホース11の挿入時にホース口12が素材同士の接合部分にひっかかることがなく、挿入作業の容易化やホースカバー1の損傷防止が図られている。
なお、ホースカバー1をホース11から剥離する際には、図4に示すように、ホースカバー1をその一端側から剥離器具14により切り進めればよい。剥離器具14は、図5に示すように、下縁15が略直線状の幅(厚さ)3mm程度の板体16の前縁17の下部に、板厚方向に貫通する溝部18を形成して構成されている。溝部18の奥部には、刃部19が設けられている。板体16は樹脂製であって溝部18の下方の部分は前方に突出した尖鋭部20であり、溝部18の上方の部分は把持部21となっている。尖鋭部20の下面22は正面視で上方が幅広となるように形成されるとともに、側面視で前方が細くなるようにテーパーが施されている。溝部18の下面は板体16の下縁15と略平行に延設され、溝部18の上面の入口側の部分23は前上がりに傾斜するように形成され、溝部18の上面の奥側の部分24は後上がりに傾斜するように形成されている。刃部19は、刃面が板体16の板面と略平行となるように、かつ、刃先が後上がりに傾斜するように設けられている。刃部19は板体16に金属製の別体を固着して設けてもよいが、板体16と一体成形して樹脂製としてもかまわない。
本実施例では、上記ホースカバー1により、図6に示すマイクロエンジン25のホース26及び注水チューブ27を被覆する場合について説明する。すなわち、まずマイクロエンジン25をその先端部28から延在する注水チューブ27とともに、シュリンクフィルム7の側からホースカバー1の内部に挿入する(図6(A))。続いて、マイクロエンジン25で不織布3及び防水フィルム2を押し広げながら(図6(B))、先端部28がシュリンクフィルム6から出るまで進入させる(図6(C))。この状態でシュリンクフィルム6,7を熱風や熱湯で収縮させると、マイクロエンジン25は先端部28及びその近傍部位を残してホースカバー1に覆われる(図6(D))。
この実施例では、治療器具のホース類として、ホース26及び注水チューブ27の二つを被覆している。また、ホースカバー1の内径は、マイクロエンジン25の外周が大径であることに伴いホース26及び注水チューブ27を束ねた径よりも大きいが、不織布3の伸縮性によりマイクロエンジン25の外径よりは小さくて済み、不織布3とホース26、注水チューブ27との間の遊びは小さく抑制される。
本実施例では、伸縮性を有しない素材を防水フィルム2に用いた場合のホースカバー1について説明する。この場合には、防水フィルム2を不織布3にそのまま貼着したのでは不織布3の伸縮機能が阻害されるおそれがあるので、防水フィルム2には図7に示すように周方向に皺あるいは襞が寄るようにギャザー29を入れればよい。
なお、本発明は上述した形態に限られるものではなく、例えば上記各実施例では不織布の防水加工例として防水フィルムを貼着したが、他の態様によってもかまわない。
1 ホースカバー
2 防水フィルム
3 不織布
6,7 シュリンクフィルム
29 ギャザー
2 防水フィルム
3 不織布
6,7 シュリンクフィルム
29 ギャザー
Claims (4)
- 伸縮性を有する筒状の不織布の両端に筒状のシュリンクフイルムが固着されてなることを特徴とするホースカバー。
- 前記不織布が防水加工されていることを特徴とする請求項1に記載のホースカバー。
- 前記不織布の内面に防水フィルムが貼着されていることを特徴とする請求項2に記載のホースカバー。
- 前記防水フィルムに、前記不織布の周方向に皺あるいは襞が寄るようにギャザーが施されていることを特徴とする請求項3に記載のホースカバー。
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