JP2005217677A - セルラipネットワークにおける中継ノードおよびマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法 - Google Patents

セルラipネットワークにおける中継ノードおよびマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】たとえマルチキャストデータの送信元が移動するような場合でも、効率的にマルチキャストデータの配信が行えるネットワークを提供する。
【解決手段】GW11を頂点としてツリー構造で接続された複数の中継ノード12と、そのツリー構造の各末端の中継ノードに接続され、予め設定された管轄エリアに存在する通信端末群を収容する複数の無線基地局13とを含み構成されるCelluar IPと呼ばれる高速移動を実現するネットワーク上に、始点ツリーと結合点ツリーとを組み合わせたマルチキャスト配信ツリーを構築する。
【選択図】図8

Description

本発明は、セルラIPネットワークにおける中継ノード、特にマルチキャストデータ配信用のルーティング情報を作成する中継ノードに関する。
近年、インターネットを基盤とした広帯域な情報流通インフラの構築が急速に進展しつつある。現行のTV放送と同程度の高品質な映像配信や、ワールドワイドな移動通信を実現するためのIPをベースにしたネットワークの研究が盛んに行われている。マルチキャストは、複数地点のユーザへ同一データを配信するときに、ネットワークリソースの最適化利用の面で極めて有効な手段である。
また、このマルチキャストに端末の移動制御も追加する研究は少なくなく、端末が移動しても通信が維持できるように移動制御をサポートするマルチキャスト手法として、Mobile IPをベースとした方法がいくつか提案されている。
ここで、Mobile IPとは、移動する端末がその位置と無関係に一貫したIP通信を実行できるようにするための技術であり、ある端末を管理する特定のノード(HA: Home Agent)が端末の移動先アクセスノード(FA: Foreign Agent)に気付アドレスを用いてデータを転送することを基本原理としている。
HarrisonとWilliamsonらは、初期の提案としてトンネリング式をベースにした方法(MoM: Mobile Multicast)を示した(非特許文献1)。ここでは、FAが同一のマルチキャストグループを提供するHA(DMSP)を選択することにより、トンネリング方式の重複トンネリング問題を解決した。しかしながら、特定のHAを選択すると該当する移動端末がFAから離れるとそのFAは別のHAに切り替える必要があり、他の移動端末に影響を与える。
これに対して、WangとChenは、マルチキャストエージェント(MA)を配置して、HAではなくMAからFAにトンネリングすることでマルチキャストデータを配信する方法を提案した(非特許文献2)。しかし、トンネリングは、MAおよびHAとFAが離れているとトンネル長が増大して経路の冗長問題を生じてしまう。
また、LinとWangはMAが配信する範囲を制限する(トンネル長を制限する)方式(Range Based MoM)を提案した(非特許文献3)。ここでは、FAが近傍のMAからマルチキャストデータを享受することにより、冗長経路が大幅に削減できる。
Harrison, T.G., Williamson, C.L., et al.: Mobile Multicast (MoM) Protocol: Multicast Support for Mobile Hosts, Proc. ACM/IEEE MOBICOM’97, Budapest, Hungary, Sep. 1997 Wang, Y. and Chen, W.: Supporting IP Multicast for Mobile Hosts, ACM/Kluwer Mobile Networks and Applications, Special Issue on Wireless Internet and Intranet Access, Vol.6, No.1, Jan. 2001 Lin, C.R. and Wang, K.M.: Mobile Multicast Support in IP Networks, Proc. IEEE INFOCOM’00, Tel Aviv, Israel, Mar. 2000
従来の技術では、いずれもMobile IPをベースにしてるが、Mobile IPそのものが高速移動に対する通信の連続性を保証するような機構を有していない。そして、前記Mobile IPに基づくマルチキャスト手法では、マルチキャストデータの送信元が移動することは考慮されておらず、送信元が移動するような場合、必ずしも効率的にマルチキャストデータの配信が行えない。
本発明は、たとえマルチキャストデータの送信元が移動するような場合でも、効率的にマルチキャストデータの配信が行えるネットワークを提供することを目的とする。
本発明に係る中継ノードは、一つの主ノードと、その主ノードを頂点としてツリー構造で接続された複数の中継ノードと、そのツリー構造の各末端の中継ノードに接続され、予め設定された管轄エリアに存在する通信端末群を収容する複数の収容ノードと、を含み構成されるセルラIPネットワークにおける中継ノードであって、前記中継ノードは、通信インタフェース(I/F)として、上流側に隣接したノードに接続される一つの上流I/Fと、下流側に隣接したノードに接続される少なくとも一つの下流I/Fとを含み、さらに、前記中継ノードは、通信端末間で送受信されるマルチキャストデータを中継するために、マルチキャストデータに含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、そのマルチキャストデータの受信元の受信I/Fと、そのマルチキャストデータの送信先の送信I/Fとを登録したルーティング情報を記憶するルーティング情報記憶手段と、マルチキャストデータを受信した場合、受信マルチキャストデータの受信I/Fと受信マルチキャストデータに含まれるマルチキャストアドレスとに基づいて、受信マルチキャストデータに対応するルーティング情報を前記ルーティング情報記憶手段から取得するルーティング情報取得手段と、取得したルーティング情報に登録された送信I/Fから、受信マルチキャストデータを送信する送信手段と、を備え、また、前記中継ノードは、通信端末から送信されたマルチキャストデータの送信開始通知を受信した場合、その送信開始通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信開始通知の受信元の下流I/Fを受信I/Fとし、上流I/Fを送信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第1ルーティング情報作成手段を備え、加えて、前記中継ノードは、通信端末から送信されたマルチキャストデータの受信要求通知を受信した場合、その受信要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第1判定手段と、第1判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、そのルーティング情報に、その受信要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fとして追加登録する第1ルーティング情報更新手段と、第1判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合、その受信要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その受信要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fとし、上流I/Fを受信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第2ルーティング情報作成手段と、を備え、前記送信手段は、第1判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合のみ、その受信要求通知を上流I/Fから送信することを特徴とする。
本発明のように、マルチキャストデータ配信用のルーティング情報を作成することで、情報送信元に近い受信端末は始点ツリーを形成し、情報送信元から離れている受信端末は結合点ツリーを形成する。この構成では、送信元が移動した時のマルチキャスト配信ツリーの再構築処理が、情報送信元の周辺の始点ツリーだけに限定される。よって、たとえ情報送信元が高速に移動しても通信の連続性を保証し、マルチキャスト配信ツリー再構築のオーバヘッドを極小化するマルチキャストが可能となる。
本発明に係る中継ノードの一つの態様によれば、マルチキャストデータ受信先の通信端末の位置移動によりその受信先通信端末を収容する収容ノードが変更された後、変更前の収容先の収容ノードを介してその受信先通信端末が送信する離脱要求通知を受信した場合に、その離脱要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第2判定手段と、第2判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、その離脱要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fから閉鎖I/Fに更新する第2ルーティング情報更新手段と、前記第2ルーティング情報更新手段での更新の結果、そのルーティン情報に送信I/Fとして登録された他の下流I/Fが存在しなければ、そのルーティング情報を削除するルーティング情報削除手段と、を備え、前記送信手段は、前記第2ルーティング情報更新手段での更新のち、前記ルーティング情報削除手段でそのルーティング情報が削除された場合のみ、前記離脱要求通知を上流I/Fから送信することを特徴とする。
本発明によれば、マルチキャストデータの配信中に受信先通信端末がたとえ高速に位置移動しても、通信の連続性を保証することができる。
本発明に係る中継ノードの一つの態様によれば、マルチキャストデータ送信元の通信端末の位置移動によりその送信元通信端末を収容する収容ノードが変更された際に、変更先の収容ノードを介してその送信元通信端末が送信する送信元移動通知を受信した場合に、その送信元移動通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第3判定手段と、第3判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合、前記送信元移動通知に含めれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信元移動通知の受信元の下流I/Fを受信I/Fとして、上流I/Fを送信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第3ルーティング情報作成手段と、第3判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、前記送信元移動通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信元移動通知の受信元のI/Fを受信I/Fとして、その対応するルーティング情報に受信I/Fして登録されたI/Fを送信I/Fとして、さらに、その対応するルーティング情報に送信I/Fとして登録された下流I/Fを送信I/Fとして登録した暫定ルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する暫定ルーティング情報作成手段と、を備え、前記送信手段は、受信した送信元移動通知を、収容先変更前に送信元通信端末を収容していた収容ノードに向けて送信し、さらに、前記中継ノードは、送信元通信端末の位置移動による収容ノードの変更が完了した際に、その送信元通信端末が変更先の収容ノードを介して送信する送信元移動完了通知を受信した場合に、その送信元移動完了通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報と暫定ルーティング情報とが存在するか否かを判定する第4判定手段と、第4判定手段での判定の結果、ルーティング情報と暫定ルーティング情報とが存在する場合、そのルーティング情報を削除し、暫定ルーティング情報を新たなルーティング情報として更新する第3ルーティング情報更新手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、マルチキャストデータの配信中に送信元通信端末がたとえ高速に位置移動しても、通信の連続性を保証することができる。
本発明によれば、効率的にマルチキャストデータの配信が行えるネットワークを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態(以下、実施形態1とする)について、以下図面を用いて説明する。
実施形態1におけるネットワークでは、移動端末間においてマルチキャストデータの送受信を行う。このように、移動端末間においてマルチキャストデータの送受信を行うためには、マルチキャストツリーと呼ぶツリー状の配信経路を構築する必要がある。
このマルチキャストツリーの構築方法としては、いわゆる始点ツリーや結合点ツリーとよばれる方法がある。
始点ツリーでは、図1に示すように、情報送信元(SP10)を根としたマルチキャストツリーが構築される。情報送信元の端末が移動した場合、このツリーを再構築する必要があるが、図2に示すように、始点ツリーでは、情報送信元の端末の移動とともに、ツリー構築の根となるSP10がその都度変更するため、再構築する度にマルチキャストツリーの構成が大幅に変更してしまう。したがって、始点ツリーでは、情報送信元の移動に伴うツリーの再構築にかかる中継ノードでの処理負荷が大きい。
一方、結合点ツリーでは、図3に示すように、情報送信元でないネットワーク上のあるノード(RP20)を根としたマルチキャストツリーが構築される。したがって、結合点ツリーでは、図4に示すように、情報送信元の端末の移動とともに、ツリー構築の根となるRPがその都度変更しないため、情報送信元が移動してもマルチキャストツリーを再構築する部分は始点ツリーに比べて少なくて済む。しかしながら、結合点ツリーでは、図5に示すように、情報受信先の端末が情報送信元の端末と結合点(RP20)との中間に存在するような場合、折り返し経路と呼ばれる冗長経路が発生してしまう。
そこで、実施形態1では、上記始点ツリーや結合点ツリーの課題を鑑みて、たとえ移動端末が移動しても、マルチキャストツリーの再構築時における中継ノードでの処理が従来より低減でき、効率的にツリーの再構築が実現できるネットワークを提供することを目的とする。さらに、実施形態1では、高速移動に対する通信の連続性を保証するような機構を有していないMobile IPではなく、Cellular IP(Cellular IPについては、以下の文献を参照のこと。Valko, A.G.: Cellular IP - A New Approach to Internet Host Mobility, ACM Computer Communication Review, Jan. 1999)をベースにしてネットワークを構成する。
Cellular IPでは、ネットワークを物理的にツリー状に構成する。ネットワークを構成する各中継ノードが端末を読み出すためのページングキャッシュとデータ転送用のルーティングキャッシュを保持して、通信発生次第に転送パスを構築することによって、端末がこどに存在しても通信ができるようにする。通信中に端末が高速移動してもハンドオーバ手順を行うことで連続通信を保証する。
このように、Cellular IPでは高速移動に対応する通信の連続性を保証するものであるが、この通信はマルチキャスト通信に関しては考慮されていない。そこで、実施形態1では、Cellular IPのネットワーク構成、経路制御方法に以下に示すマルチキャスト転送用キャッシュを具備することにより、端末が高速移動してもマルチキャスト通信の連続性を保証する。
図6は、実施形態1におけるネットーワーク構成を示す図である。図6におけるネットワークは、GW11(ゲートウェイ)であるN1を根(頂点)として中継ノード12(N2−N7)がツリートポロジを形成し、このツリーの末端に位置する各中継ノードには、リーフとして無線基地局13(B1−B8)が接続される。ツリーは、Cellular IPと同様に地理に基づき複数のページングエリア(PA1, PA2)に分割される。B1−B4はPA1に属し、B5−B8はPA2に属する。N1は移動する送信元端末(S)と受信先端末(R)がどのページングエリアに存在するかを示すページングキャッシュを持っている。また、N2−N7はそれぞれ、1つの上流インタフェースと2つの下流インタフェースをもっており、インタフェースが上流であるか下流であるかを意識することができる。
各中継ノードは、ルーティング情報として、受信したマルチキャスデータをどの方向に転送するかを決定するためのMFCE(マルチキャスト転送キャッシュエントリ) Eg (n) = [X0, X1, …, Xi]を持つ。これはインタフェース入出力状態の集合であり、エントリはマルチキャストアドレス毎に作成される。gはマルチキャストアドレスを示し、nはノードを示す。図6においては、n= N1, …, N7である。Xiはインタフェース入出力状態を表し、Xi = 1は入力(受信I/F)を、Xi = -1は出力(送信I/F)を、Xi = 0は入出力がない(閉鎖I/F)ことを意味する。i = 0は上流インタフェース、i > 0は下流インタフェースとなり、図ではi = 1 が左側、i = 2が右側の下流インタフェースを意味する。
ここで、実施形態1におけるマルチキャストツリーの構築方法についてさらに詳しく説明する。
まずはじめに、マルチキャストグループの送信元Sを呼出し、マルチキャストデータの送信を要求する。ここではSがPA1に存在したとする(図7)。N1はPA1においてSの呼出しを行う。N1はページングキャッシュに従ってN2にだけPage(呼出)を発行する。N2, N4, N5は全ての下流インタフェースにPageを転送する。そしてB1−B4は無線インタフェースにてPageを送信する。呼出にはSを特定するためのマルチキャストアドレスGが含まれている。
今、B4のセルにSが存在したとする。SはPageの応答としてN1にLaunch(送信開始通知)を返す。これによりSから結合点ツリーのRPまでマルチキャストデータが流れる(図7)。Launch を受信したB4, N5, N2はN1に向けてLaunchを上流インタフェースに転送する。Launchにはマルチキャストデータパケットに付与するマルチキャストアドレスGが含まれている。N5, N2はLaunchを転送する際、MFCEを生成し、インタフェースの入出力状態を設定する。上流インタフェースi = 0は出力状態X0 = -1を、Launchを受信したインタフェースi = Rは入力状態XR = 1を設定する。すなわち、N5はEG (N5) = [-1, 0, 1]を、N2はEG (N2) = [-1, 0, 1]を生成する。Sはマルチキャストデータを出力し、マルチキャストデータはEG (N5)とEG (N2)に従ってB4からN1に中継される。Launchは定期的に発行され、結合点N1まで転送される。途中のノードは、MFCEの状態をリフレッシュする(所定期間Launchを受信しなければ、MFCEは消去される)。こうして結合点ツリーおよび始点ツリーを構築する準備として、SからRPまで定常的にマルチキャストデータを送信しつづける。
ネットワーク内においてSが提供するマルチキャストデータを享受する受信メンバ(R1, R2)が現れたとする。Sに近いR1はB4を始点(SP)とした始点ツリーを構築し、Sから遠いR2はN1をRPとした結合点ツリーを構築する(図8)。R1, R2はそれぞれ、マルチキャストアドレスGを含めてEnroll(参加(受信要求通知))をN1に向けて発行する。Enrollを受信した基地局および中継ノードはEnrollを上流インタフェースに転送する。N4, N6, N3ではアドレスGに対するMFCEが存在していない。この場合は、新しくMFCEを生成する。上流インタフェースi = 0は入力状態X0 = 1を、Enrollを受信したインタフェースi = Rは出力状態XR = -1を設定する(それぞれEG (N4) = [1, -1, 0], EG (N6) = [1, 0, -1], EG (N3) = [1, -1, 0]を生成する)。一方、Enrollを受信したN2はアドレスGに対するMFCE:EG (N2) = [-1, 0, 1]が既に存在している。この場合、Enrollを受信したインタフェースの状態を出力X1 = -1に設定する(EG (N2) = [-1, -1, 1]に更新する)。ここでN2は受信したEnrollを上流インタフェースに転送しない。
R1, R2は定期的にEnrollを発行する。こうすることで中継ノードのMFCEの入出力インタフェース状態をリフレッシュする(所定期間Enrollを受信しなかったインタフェースi = Rの状態はXR = 0に更新する)。こうして、R1はB4を始点(SP)とした始点ツリーを形成し、R2はN1をRPとした結合点ツリーを形成する(図8)。
さらに、実施形態1におけるネットワークにおいて、受信側の端末が移動した場合におけるマルチキャストツリーの再構築方法について説明する。
図9において、R2がB6からB7のセルに移動しようとしている。R2はB7からのビーコン信号を受信すると、受信中のマルチキャストアドレスGに対するEnrollをB7に対して発行する。B7, N7は上流のインタフェースにEnrollを転送し、N7では新しいMFCE:EG (N7) = [1, -1, 0]を生成する。Enrollを受信したN3においては、既に同一のアドレスGに対するMFCE:EG (N3) = [1, -1, 0]があることから、Enrollを受信したインタフェースi = 2の状態を出力X2 = -1に設定する(EG (N3) = [1, -1, -1])。こうして、N3からマルチキャストデータが分岐されてB7に配信される。この時、R2はB6とB7両方からマルチキャストデータを受信することになる。R2はB7からマルチキャストデータを受信した時点で、B6に対してLeave(離脱要求通知)を発行してもよい。B6はLeaveを上流インタフェースに転送し、これを受信したN6ではLeave受信インタフェースの状態をX2 = 0として、EG (N6) = [1, 0, 0]とする。N6は出力状態のインタフェースがないことになるのでMFCEを消去し、上流インタフェースにLeaveを転送する。N3ではLeave受信インタフェースの状態をX1 = 0として、EG (N3) = [1, 0, -1]とする。
続いて、実施形態1におけるネットワークにおいて、送信側の端末が移動した場合におけるマルチキャストツリーの再構築方法について説明する。
図10において、SがB4からB5のセルに移動しようとしている。SはB5からのビーコン信号を受信すると、Move(送信元移動通知)をB5に対して発行する。MoveはマルチキャストアドレスGを含み、始点B4に向かって転送される。Moveを転送する途中のノードは新しいMFCEを生成していく。
まず、Moveを受信したB5, N6は上流インタフェースにそれを転送する。N6では、アドレスGに対するMFCEがないので新しく生成する。上流インタフェースi = 0の状態を出力X0 = -1、受信したインタフェースi = 1の状態を入力X1 = 1に設定する(すなわちEG (N6) = [-1, 1, 0]を生成する)。Moveを受信したN3, N1,N2, N5は、アドレスGに対するMFCEが既に存在している。この場合、”暫定”フラグを設定した新しいMFCE: (E’g (n)と表す)を生成する。まず、既MFCEをコピーする。そのコピーに対して、入力状態XA = 1となっているインタフェースi = Aの状態を出力XA = -1に変更する。そしてMoveを受信したインタフェースi = Rの状態を入力XR = 1に変更する。すなわち、E’G (N3) = [-1, 1, -1], E’G (N1) = [0, -1, 1], E’G (N2) = [1, -1, -1], E’G (N5) = [1, 0, -1]を生成する。これらのノードは、既MFCEが入力状態となっているインタフェースにMoveを転送する。
こうして新しいマルチキャストデータがB5から発信される。N3, N1,N2, N5では異なる2つのインタフェースから同一アドレスGを持つデータパケットを受信することになるが、それぞれのインタフェースで受信したデータパケットは入力状態が合致するMFCEに従って中継される。
また、Moveを受信したN5(すなわち、Sが移動前に存在していたセルを管轄する無線基地局の上流側に隣接する中継ノード)は、Moveを受信して暫定MFCEを生成したのち、所定間隔を空けて、B5に向けてMoveACK(移動通知完了)を返信する。
Sは、MoveACKをB5から受信すると、B5セルへの移動が完了したと判断して、Complete(送信元移動完了通知)をB5に送信する。CompleteはアドレスGを含み、前の始点B4に向かって転送される。Completeを受信する途中のノードN3, N1,N2, N5においては、アドレスGに対して2つのMFCEを保持しているが、暫定フラグがセットされていないMFCEを消去し、もう一方のMFCEの暫定フラグをクリアする。
こうして送信元移動のハンドオーバ手順が完了する。この後、SはB5セルにいる限り定期的にLaunchをB5に送信し、LaunchはN1に向けて転送される。
以上の実施形態1におけるマルチキャストツリーの構築方法について説明したが、各中継ノードにおけるMFCEの生成と更新の規則は、受信したメッセージの種別毎に以下のように極めて簡単に表現することができる。
Figure 2005217677
実施形態1によれば、結果的に、情報送信元に近い受信端末は始点ツリーを形成し、情報送信元から離れている受信端末は結合点ツリーを形成する。この構成では、送信元が移動した時のマルチキャスト配信ツリーの再構築処理が、情報送信元の周辺の始点ツリーだけに限定される。よって、たとえ情報送信元が高速に移動しても通信の連続性を保証し、マルチキャスト配信ツリー再構築のオーバヘッドを極小化するマルチキャストが可能となる。
続いて、本発明の第2の実施の形態(以下、実施形態2とする)について、図面を用いて説明する。
実施形態2では、以下に示す実施形態1での新たな課題を解決する。すなわち、実施形態1で説明したマルチキャストツリーの構築方法は、プロトコルの複雑さや特殊性、トポロジの制約があり、局所的な範囲で運用することは容易であるが、広域に運用する場合、トポロジの制約は言うまでもなく、プロトコルの複雑さや特殊性が問題となる場合がある。広域に運用する場合、ネットワーク上に存在する多くの中継ノードが、上述したようなマルチキャストツリーの構築を実現できるように、ハードウェアやソフトウェアを実装する必要があり、コスト面なども考慮するとあまり現実的とは言えない。
そこで、実施形態2では、上記課題を解決するために、ネットワークを分割し、規模と要件にあった機能をそれぞれのネットワークに配置する構成とした。具体的には、ネットワークを一つのコアネットワークと複数のアクセスネットワークに分割し、コアネットワークを中心としてアクセスネットワーク周囲に配置する。そして、プロトコルの複雑さや特殊性、トポロジの制約といった特別な要件をアクセスネットワークの機能として局所化する。一方、コアネットワークではトポロジに制約を与えずに、基本的には従来のマルチキャスト経路制御手法を踏襲することで汎用性を与え、運用の広域性を与える。
アクセスネットワークは、ツリートポロジを構成し、基本的にはCellular IPで示される機能を踏襲し、実施形態1に示したマルチキャストツリーを構築してマルチキャストデータの転送を行う。
コアネットワークは、マルチキャストを始点ツリーで構築し、送信元移動時は、移動先から移動元へ、トンネル転送することで通信の連続性を維持する。
図11に実施形態2におけるネットワーク構成を示す。実施形態2において、ネットワークはコアネットワークと複数のアクセスネットワークでスター状に構成され、それらの境界にはゲートウェイ(GW)が配置される。
コアネットワークでは中継ノードが任意のトポロジを形成することができる。基本的にはPIM−SMに基づく始点ツリーのマルチキャストツリーを構築するが、GWは、コアネットワークにおける始点ツリーの始点(SP)となる。コアネットワークには、SPのアドレスをコアネットワーク内のノードにフラッディングするブートストラップノード(BSN)を決める。アクセスネットワークでは、GWを根として中継ノードがツリートポロジを形成する。ツリーのリーフとして複数の無線基地局(BS)が接続される。
さて、それぞれのネットワークでは、異なるSMMプロトコルを運用する。図12のプロトコルスタックは、SMMがSMM−C(SMM for Core network)、SMM−A(SMM for Access network)、SMM−O(SMM for co-Ordination)の3つのエンティティで定義されていることを示す(図中のSとRはそれぞれマルチキャストデータの送信元と受信メンバを表す)。SMM−Cは、コアネットワークにおいてPIM−SMによる始点ツリー構築とブートストラップ機構の上に、送信元ハンドオーバ時の始点間トンネル設定機能を提供する。SMM−Aは、アクセスネットワークにおいて、Cellular IPを下位基盤としたGWを結合点とした結合点ツリーとBSを始点とした始点ツリーを同時に構築する機能、およびダイバシティハンドオーバを提供する。SMM−Oは、SMM−CとSMM−Aの両プロトコルのインターワーキング機能としてふるまう。
基本的な手順を説明する。Sは自身の存在位置をCellular IPの Paging Update (位置登録)を使ってGW1に伝える。この時、ユニキャストアドレスとページングエリアに加えてマルチキャストアドレスをPaging Updateに含める。Paging Updateを受信したGW1は、そのマルチキャストアドレスに対してコアネットワーク内のSPになることをBSNに宣言する(C-SP Adv(SP候補広告)を送信する)。BSNはBSM(ブートストラップメッセージ)にGW1アドレスとマルチキャストアドレスを含めて、コアネットワーク上の全GWにフラッディングする。これらの手順は全てPIM−SMのブートストラップ機能として実行される。
図13に示すように、Rは所望マルチキャストアドレスをEnroll(参加) メッセージに含めてGW2に発行する。BSからGW2までのノードにマルチキャストデータ転送用のキャッシュエントリが生成される。Enroll を受信したGW2は、そのマルチキャストアドレスに対するSPをBSMから求めて、Join(参加)をGW1に向けて発行する。GW1からGW2までのノードにマルチキャストデータ転送用のキャッシュエントリが生成される。これらの手順はPIM−SMのSTP構築機能として実施される。Joinを受信したGW1は、マルチキャストデータをまだSから受信していなければ、そのアクセスネットワークにおいてSが存在するページングエリア内の全BSに向けてPage(呼出)を発行する。
図14において、Pageを受信したSは、GW1に向けてLaunch(送信開始通知)メッセージを返す。BSからGW1までのノードにマルチキャストデータ転送用のキャッシュエントリが生成される。Sは、マルチキャストデータをGW1に向けて送信する。マルチキャストデータはキャッシュエントリに従ってGW1からGW2、そしてRに転送される。
さらに、コアネットワークについて説明する。図15は、コアネットワークがM1−M9で構成されている。M1はBSNであり、M4−M9はアクセスネットワークを接続するGWである。GWはコアネットワークにおける始点ツリーの始点(SP)である。今、M5配下のネットワークにSが存在し、M7およびM9配下のネットワークにそのマルチキャストデータを享受するR1,R2が存在するものとする。
SはマルチキャストアドレスGを使っている。M5は、マルチキャストグループGの始点(SP)であることをBSNに宣言している。BSNは、これを全ノードに広告している。配下にR1,R2が存在するM7とM9はそれぞれM5に向けてJoin(参加)を発行し、M5を根とした始点ツリーTN5を構築する。M1,M2,M3,M5には始点マルチキャスト転送キャッシュエントリ[n, g]が生成される(すなわち[M5, G]が生成される)。これらはPIM−SMの機能によって実施される。
さて、SがM5からM6配下のネットワークに移動しようとしている。Sはビーコン信号から異なるアクセスネットワークであることを認識すると、移動前のアクセスネットワークの情報(すなわち前GWがM5であったこと)をLaunchに含めてM6に送信する。このようなLaunchを受信したM6は、これがアクセスネットワーク間のハンドオーバであることに気づく。そして、そのマルチキャストアドレスGのSPになることをBSNに宣言し、同時に、図16に示すように移動前SPすなわちM5にトンネルを設定、つまりマルチキャストデータをユニキャストパケットでカプセル化してM5に転送する。このM6−M5トンネルは新しい配信ツリーが形成されるまでの間維持される。
BSNはM6がアドレスGのSPであることを全てのノードに広告する。BSMを受信したM7, M9は、今度はM6に向けてJoinを発行するようになる。M1, M3, M6には、始点マルチキャスト転送キャッシュエントリ[M6, G]が生成される。こうして、図17に示すように、M6を根とした新しい始点ツリーTN6が形成される。新しいBSMを受信したM6は所定時間経過後M6−M5トンネル転送を終了する。M1,M2,M3,M5における古いエントリ[M5, G]は、M5からのマルチキャストデータを受信しないことにより、エージングにより削除される。このように、コアネットワークでは、PIM−SMによる始点ツリー構築を基盤として、SMM−CがSP間トンネル形成を行う。
実施形態2によれば、端末の移動によりハンドオーバ手順が発生する頻度が比較的高いアクセスネットワークについて実施形態1と同様なマルチキャスト配信ツリーの構成手法を用いて、ハンドオーバ手順が発生する頻度が比較的低いコアネットワークでは汎用性の高い従来のマルチキャスト配信ツリーの構成手法を用いる。このように、プロトコルの複雑さや特殊性、トポロジの制約をアクセスネットワークに局所化することで、広域ネットワークでも、本実施形態において説明したマルチキャスト配信ツリーの構成手法を用いて容易に運用することができる。
マルチキャストツリーの構築方法のひとつである始点ツリーを説明するための図である。 マルチキャストツリーの構築方法のひとつである始点ツリーを説明するための図である。 マルチキャストツリーの構築方法のひとつである結合点ツリーを説明するための図である。 マルチキャストツリーの構築方法のひとつである結合点ツリーを説明するための図である。 マルチキャストツリーの構築方法のひとつである結合点ツリーを説明するための図である。 実施形態1におけるネットーワーク構成を示す図である。 実施形態1におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態1におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態1におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態1におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態2におけるネットワーク構成を示す図である。 実施形態1,2におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を実現するためのプロトコルスタックを示す図である。 実施形態2におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態2におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態2におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態2におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。 実施形態2におけるマルチキャスト配信ツリーの構築手法を説明するための図である。
符号の説明
10 始点、20 結合点、11 GW(ゲートウェイ)、12 中継ノード、13 無線基地局。

Claims (6)

  1. 一つの主ノードと、その主ノードを頂点としてツリー構造で接続された複数の中継ノードと、そのツリー構造の各末端の中継ノードに接続され、予め設定された管轄エリアに存在する通信端末群を収容する複数の収容ノードと、を含み構成されるセルラIPネットワークにおける中継ノードであって、
    前記中継ノードは、通信インタフェース(I/F)として、上流側に隣接したノードに接続される一つの上流I/Fと、下流側に隣接したノードに接続される少なくとも一つの下流I/Fとを含み、
    さらに、前記中継ノードは、
    通信端末間で送受信されるマルチキャストデータを中継するために、マルチキャストデータに含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、そのマルチキャストデータの受信元の受信I/Fと、そのマルチキャストデータの送信先の送信I/Fとを登録したルーティング情報を記憶するルーティング情報記憶手段と、
    マルチキャストデータを受信した場合、受信マルチキャストデータの受信I/Fと受信マルチキャストデータに含まれるマルチキャストアドレスとに基づいて、受信マルチキャストデータに対応するルーティング情報を前記ルーティング情報記憶手段から取得するルーティング情報取得手段と、
    取得したルーティング情報に登録された送信I/Fから、受信マルチキャストデータを送信する送信手段と、
    を備え、
    また、前記中継ノードは、
    通信端末から送信されたマルチキャストデータの送信開始通知を受信した場合、その送信開始通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信開始通知の受信元の下流I/Fを受信I/Fとし、上流I/Fを送信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第1ルーティング情報作成手段を備え、
    加えて、前記中継ノードは、
    通信端末から送信されたマルチキャストデータの受信要求通知を受信した場合、その受信要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第1判定手段と、
    第1判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、そのルーティング情報に、その受信要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fとして追加登録する第1ルーティング情報更新手段と、
    第1判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合、その受信要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その受信要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fとし、上流I/Fを受信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第2ルーティング情報作成手段と、
    を備え、
    前記送信手段は、第1判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合のみ、その受信要求通知を上流I/Fから送信することを特徴とする中継ノード。
  2. 請求項1に記載の中継ノードにおいて、
    マルチキャストデータ受信先の通信端末の位置移動によりその受信先通信端末を収容する収容ノードが変更された後、変更前の収容先の収容ノードを介してその受信先通信端末が送信する離脱要求通知を受信した場合に、その離脱要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第2判定手段と、
    第2判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、その離脱要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fから閉鎖I/Fに更新する第2ルーティング情報更新手段と、
    前記第2ルーティング情報更新手段での更新の結果、そのルーティン情報に送信I/Fとして登録された他の下流I/Fが存在しなければ、そのルーティング情報を削除するルーティング情報削除手段と、
    を備え、
    前記送信手段は、前記第2ルーティング情報更新手段での更新の後、前記ルーティング情報削除手段でそのルーティング情報が削除された場合のみ、前記離脱要求通知を上流I/Fから送信することを特徴とする中継ノード。
  3. 請求項1または2に記載の中継ノードにおいて、
    マルチキャストデータ送信元の通信端末の位置移動によりその送信元通信端末を収容する収容ノードが変更された際に、変更先の収容ノードを介してその送信元通信端末が送信する送信元移動通知を受信した場合に、その送信元移動通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第3判定手段と、
    第3判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合、前記送信元移動通知に含めれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信元移動通知の受信元の下流I/Fを受信I/Fとして、上流I/Fを送信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第3ルーティング情報作成手段と、
    第3判定手段での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、前記送信元移動通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信元移動通知の受信元のI/Fを受信I/Fとして、その対応するルーティング情報に受信I/Fして登録されたI/Fを送信I/Fとして、さらに、その対応するルーティング情報に送信I/Fとして登録された下流I/Fを送信I/Fとして登録した暫定ルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する暫定ルーティング情報作成手段と、
    を備え、
    前記送信手段は、受信した送信元移動通知を、収容先変更前に送信元通信端末を収容していた収容ノードに向けて送信し、
    さらに、前記中継ノードは、
    送信元通信端末の位置移動による収容ノードの変更が完了した際に、その送信元通信端末が変更先の収容ノードを介して送信する送信元移動完了通知を受信した場合に、その送信元移動完了通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報と暫定ルーティング情報とが存在するか否かを判定する第4判定手段と、
    第4判定手段での判定の結果、ルーティング情報と暫定ルーティング情報とが存在する場合、そのルーティング情報を削除し、暫定ルーティング情報を新たなルーティング情報として更新する第3ルーティング情報更新手段と、
    を備えることを特徴とする中継ノード。
  4. 通信インタフェース(I/F)として、上流側に隣接したノードに接続される一つの上流I/Fと、下流側に隣接したノードに接続される少なくとも一つの下流I/Fとを備え、さらに、マルチキャストデータに含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、そのマルチキャストデータの受信元の受信I/Fと、そのマルチキャストデータの送信先の送信I/Fと、を登録したルーティング情報を記憶するルーティング情報記憶手段と、マルチキャストデータを受信した場合、受信マルチキャストデータの受信I/Fと受信マルチキャストデータに含まれるマルチキャストアドレスとに基づいて、受信マルチキャストデータに対応するルーティング情報を前記ルーティング情報記憶手段から取得するルーティング情報取得手段と、取得したルーティング情報に登録された送信I/Fから、受信マルチキャストデータを送信する送信手段と、を備える中継ノードを、一つの主ノードを頂点してツリー構造に接続し、そのツリー構造の各末端の中継ノードに、予め設定された管轄エリアに存在する通信端末群を収容する収容ノードを接続したセルラIPネットワークにおけるマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法であって、
    通信端末から送信されたマルチキャストデータの送信開始通知を中継ノードが受信した場合、その送信開始通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信開始通知の受信元の下流I/Fを受信I/Fとし、上流I/Fを送信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第1ルーティング情報作成工程と、
    通信端末から送信されたマルチキャストデータの受信要求通知を中継ノードが受信した場合、その受信要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第1判定工程と、
    第1判定工程での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、そのルーティング情報に、その受信要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fとして追加登録する第1ルーティング情報更新工程と、
    第1判定工程での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合、その受信要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その受信要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fとし、上流I/Fを受信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第2ルーティング情報作成工程と、
    第1判定工程での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合のみ、その受信要求通知を上流I/Fから送信する受信要求通知送信工程とを含むことを特徴とするマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法。
  5. 請求項4に記載のマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法において、
    マルチキャストデータ受信先の通信端末の位置移動によりその受信先通信端末を収容する収容ノードが変更された後、変更前の収容先の収容ノードを介してその受信先通信端末が送信する離脱要求通知を中継ノードが受信した場合に、その離脱要求通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第2判定工程と、
    第2判定工程での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、その離脱要求通知の受信元の下流I/Fを送信I/Fから閉鎖I/Fに更新する第2ルーティング情報更新工程と、
    前記第2ルーティング情報更新工程での更新の結果、そのルーティン情報に送信I/Fとして登録された他の下流I/Fが存在しなければ、そのルーティング情報を削除するルーティング情報削除工程と、
    前記第2ルーティング情報更新工程での更新の後、前記ルーティング情報削除工程でそのルーティング情報が削除された場合のみ、前記離脱要求通知を上流I/Fから送信する離脱要求通知送信工程とを含むことを特徴とするマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法。
  6. 請求項4または5に記載のマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法において、
    マルチキャストデータ送信元の通信端末の位置移動によりその送信元通信端末を収容する収容ノードが変更された際に、変更先の収容ノードを介してその送信元通信端末が送信する送信元移動通知を中継ノードが受信した場合に、その送信元移動通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報が存在するか否かを判定する第3判定工程と、
    第3判定工程での判定の結果、対応するルーティング情報が存在しない場合、前記送信元移動通知に含めれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信元移動通知の受信元の下流I/Fを受信I/Fとして、上流I/Fを送信I/Fとして登録したルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する第3ルーティング情報作成工程と、
    第3判定工程での判定の結果、対応するルーティング情報が存在する場合、前記送信元移動通知に含まれるマルチキャストアドレスに対応付けて、その送信元移動通知の受信元のI/Fを受信I/Fとして、その対応するルーティング情報に受信I/Fして登録されたI/Fを送信I/Fとして、さらに、その対応するルーティング情報に送信I/Fとして登録された下流I/Fを送信I/Fとして登録した暫定ルーティング情報を作成し、前記ルーティング情報記憶手段に登録する暫定ルーティング情報作成工程と、
    受信した送信元移動通知を、収容先変更前に送信元通信端末を収容していた収容ノードに向けて送信する送信元移動通知送信工程と、
    送信元通信端末の位置移動による収容ノードの変更が完了した際に、その送信元通信端末が変更先の収容ノードを介して送信する送信元移動完了通知を中継ノードが受信した場合に、その送信元移動完了通知に含まれるマルチキャストアドレスに基づいて、前記ルーティング情報記憶手段に、そのマルチキャストアドレスに対応するルーティング情報と暫定ルーティング情報とが存在するか否かを判定する第4判定工程と、
    第4判定工程での判定の結果、ルーティング情報と暫定ルーティング情報とが存在する場合、そのルーティング情報を削除し、暫定ルーティング情報を新たなルーティング情報として更新する第3ルーティング情報更新工程と、を含むことを特徴とするマルチキャストデータ配信用のルーティング情報作成方法。
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