JP2005214785A - 抽出分離装置及び抽出分離部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶媒抽出により微量の固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを迅速に分離すると共に、両成分を高い回収率で回収することができる抽出分離装置及び抽出分離部材を提供する。
【解決手段】溶媒注入ライン52から導入管50に所定量の溶媒を注入する。導入管50に注入された溶媒は、送液管10の送液路12を流下し、送液管10とフィルタホルダー24との間に形成された内空に供給される。この内空内で、固体状試料と溶媒とが接触することで、固体状試料中の溶媒に可溶な成分が溶媒中に溶出する(固-液抽出)。溶出した成分は溶媒と共にフィルタ22を通過して、抽出液として液流出口から流出される。この抽出液は、濃縮部30で捕集容器32に集められ加熱濃縮されて、濃縮残渣が回収される。一方、固体状試料中の溶媒に不溶な成分は、フィルタ22上に抽出残渣として残留する。装置からフィルタ22が取り外され、抽出残渣が回収される。この一連の操作により、固体状試料中の溶媒に可溶な成分と、溶媒に不溶な成分とが迅速に分離され、各々高い回収率で回収される。
【選択図】図1

Description

本発明は、抽出分離装置及び抽出分離部材に係り、特に、溶媒抽出により微量の固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを分離する抽出分離装置と抽出分離部材とに関する。
従来、分析試料の前処理等のために、試料中に含有される特定成分を溶媒中に溶出させ分離回収する「抽出」操作が広く行われている。例えば、固体状試料から特定成分を抽出する場合、実験室においては、試料を入れた容器に溶媒を加え、攪拌等により試料を溶媒中に溶解又は分散させ、試料溶液をろ過して溶媒に不溶な成分をろ取し、得られたろ液を別の容器に集めエバポレータ等を用いて濃縮する。これにより、溶媒に可溶な特定成分が濃縮残渣として分離回収されると共に、溶媒に不溶な成分もろ取されて回収される(非特許文献1)。
また、液体クロマトグラフィ装置等の分析機器に注入する液体試料中に含有される粒子状物質を簡易な操作で除去するために、シリンジに取り付けて使用するシリンジフィルタが利用されている。シリンジフィルタは、例えば固定相としてのフィルタとフィルタホルダーとが一体化されたもので、フィルタホルダーには、シリンジの先端に嵌め込むためのコネクタとフィルタを通過した液体を外部に取り出す流出口とが設けられている。使用時には、シリンジ内に収容された液体試料は、ピストンにより加圧されてシリンジフィルタに送出され、フィルタにより粒子状物質が除去される(非特許文献1、2)。
中村洋監修、「分析試料前処理ハンドブック」、丸善株式会社、2003年1月発行、p95−98、p140−147 フナコシ株式会社、機器オンラインカタログ「GD/Xシリンジフィルター」、[online]、[2003年12月10日検索]、インターネット<URL:http://www.funakoshi.co.jp/catalog/instrument/plastic/2g/4/ws692502.php>
しかしながら、1mg以下の微量試料を取扱う場合、上記の実験室的手法を用いたのでは、溶解、ろ過、濃縮という操作の各工程で、試料が容器や器具に付着して失われ、特定成分の回収率が低下する、という問題がある。また、回収率が低下した結果、特定成分の定量性も損なわれる。更に、微量試料であっても、溶解、ろ過、濃縮という3種類の作業を別々に行わなくてはならず、操作が煩雑で且つ操作に時間がかかる。
一方、シリンジフィルタは、微量試料の取扱いには適しているが、フィルタとフィルタホルダーとが一体化されているため、フィルタ上に堆積された成分を回収することができない、固体状試料をフィルタにセットして抽出を行うことができない、という問題がある。また、シリンジフィルタは使い捨てにされるため、フィルタホルダーには一般にポリプロピレン等の安価なプラスチック材料が使用されている。このため、例えば、ポリプロピレンはヘキサンに一部溶解するというように、抽出溶媒の種類によってはプラスチックが溶出して試料を汚染するおそれがある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、本発明の目的は、溶媒抽出により微量の固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを迅速に分離すると共に、両成分を高い回収率で回収することができる抽出分離装置及び抽出分離部材を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の抽出分離装置は、固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを溶媒抽出により分離する抽出分離装置であって、送液路に沿って溶媒を供給する送液管と、着脱可能に保持されたフィルタを備え、該フィルタに配置された固体状試料に前記送液管から供給された溶媒を作用させて該溶媒に可溶な成分を抽出し、該成分を含む抽出液を前記フィルタを通過させて流出させる抽出部と、該抽出部から流出した抽出液を捕集し且つ濃縮する濃縮部と、前記送液管、前記抽出部、及び前記濃縮部を一体に保持する保持部材と、を備えたことを特徴としている。
本発明の抽出分離装置では、送液管から送液路に沿って溶媒が供給されると、抽出部のフィルタに配置された固体状試料に、送液管から供給された溶媒を作用させて、該溶媒に可溶な成分を抽出する。溶媒に不溶な成分はフィルタ上に残留するが、フィルタは抽出部に着脱可能に保持されているので、フィルタを取り外して、フィルタ上の抽出残渣を容易に回収することができる。そして、溶媒に可溶な成分を含む抽出液は、フィルタを通過して抽出部から流出する。濃縮部では、抽出部から流出した抽出液が捕集されて濃縮される。これにより、溶媒に可溶な成分が、濃縮残渣として回収される。
また、これらの動作を行う送液管、抽出部、及び濃縮部は、保持部材により一体に保持されているので、抽出から濃縮までの一連の操作を抽出分離装置内で逐次(オンラインで)行うことができ、微量試料の抽出分離を簡便且つ迅速に行うことができる。即ち、操作時間の短縮を図ることができる。また、抽出液や抽出残渣と接触する部材が少なくなり、付着による試料ロスが低減されると共に試料の汚染(コンタミ)が防止される。この結果、分離した試料の各々を、高回収率で回収することができる。
なお、本発明において「固体状試料」とは、外見上、固態(solid state)の状態にある試料を意味し、試料が液体や気体を含有していてもよい。
上記の抽出分離装置においては、フィルタは、例えば、フィルタを収容するフィルタ収容部と送液管とを着脱可能に接続することにより、フィルタ収容部と送液管との間に着脱可能に保持することができる。フィルタ収容部と送液管とを着脱可能に接続する方法としては、例えば、ねじ構造によるものが挙げられる。
上記の送液管の送液路は、フィルタ収容部と前記送液管との間に、固体状試料を配置するための内空(内部空間)が形成されるように、液流出側の端部に向ってその直径が拡大することが好ましい。このような形状の内空内で固-液抽出を行うことにより、固体状試料と溶媒との接触効率が向上し、抽出効率が向上する。また、試料成分が内空以外に殆ど拡散することがなく、抽出工程での試料ロスが低減される。
上記の送液管には、この送液管に溶媒とガスとを切り替えて導入する導入管を更に接続されていてもよい。送液管へのガス供給を可能とすることで、ガス圧による加圧送液を行える外、抽出操作の終了後にガスを流通させて、抽出残渣の乾燥や抽出液の濃縮を行うことができる。
上記の濃縮部は、抽出部から流出された抽出液を捕集する捕集容器とこの捕集容器を加熱する加熱装置とで構成することができる。捕集容器に捕集された抽出液を、加熱装置ににより抽出溶媒の沸点以上に加熱することで、溶媒が蒸発し、抽出液が濃縮される。
上記の保持部材は、該保持部材の内部に前記送液管、前記抽出部、及び前記濃縮部を組み込むことが可能な構造を備え、且つ該保持部材の内部と外部とを連通する排気口を備えることが好ましい。この排気口を介して減圧吸引等することにより、減圧送液を行える外、例えば濃縮時等に保持部材の内部に存在する溶媒蒸気を外部に排気することができる。
また、上記目的を達成するために本発明の抽出分離部材は、固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを溶媒抽出により分離する抽出分離部材であって、送液路に沿って溶媒を供給する送液管と、フィルタと該フィルタを収容するフィルタ収容部とを備え、該フィルタに配置された固体状試料に前記送液管から供給された溶媒を作用させて該溶媒に可溶な成分を抽出し、該成分を含む抽出液を前記フィルタを通過させて流出させる抽出部と、を備え、前記フィルタ収容部と前記送液管とを着脱可能に接続することにより、前記フィルタを前記フィルタ収容部と前記送液管との間に着脱可能に保持したことを特徴としている。
本発明の抽出分離部材では、送液管から送液路に沿って溶媒が供給されると、抽出部のフィルタに配置された固体状試料に、送液管から供給された溶媒を作用させて、該溶媒に可溶な成分を抽出する。溶媒に不溶な成分はフィルタ上に残留するが、フィルタはフィルタ収容部と送液管との間に着脱可能に保持されているので、フィルタを取り外して、フィルタ上の抽出残渣を容易に回収することができる。そして、溶媒に可溶な成分を含む抽出液は、フィルタを通過して抽出部から流出する。抽出部から流出した抽出液は捕集され、溶媒に可溶な成分が回収される。
また、これらの動作を行う送液管と抽出部とは互いに接続されているので、送液から抽出までの一連の操作を抽出分離部材内でオンラインで行うことができ、微量試料の抽出分離を簡便且つ迅速に行うことができる。即ち、操作時間の短縮を図ることができる。また、抽出液や抽出残渣と接触する部材が少なくなり、付着による試料ロスが低減されると共に試料の汚染(コンタミ)が防止される。この結果、分離した試料の各々を、高回収率で回収することができる。
上記の抽出分離部材においては、抽出分離装置の場合と同様の理由から、前記送液管の送液路は、前記フィルタ収容部と前記送液管との間に固体状試料を配置するための内空が形成されるように、液流出側の端部に向ってその直径が拡大することが好ましい。
本発明の抽出分離装置及び抽出分離部材によれば、溶媒抽出により微量の固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを迅速に分離することができ、両成分を高い回収率で回収することができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[抽出分離装置]
本実施の形態に係る抽出分離装置は、図1及び図2に示すように、溶媒を送出する送液管10と、該送液管10から供給された溶媒で固液抽出を行う抽出部20と、該抽出部20から供給された抽出液を濃縮する濃縮部30と、これら送液管10、抽出部20及び濃縮部30を一体に保持する円筒状の保持部材40と、を備えている。なお、本実施の形態に係る抽出分離装置は、微量試料の抽出分離に使用するものであり、直径約3cm、高さ約20cm程度の保持部材40を用いた小型装置(抽出分離キット)である。装置全体を小型化することで、使用する溶媒量の低減を図ることができる。
送液管10の一方の端部には、抽出部20が取付けられると共に、他方の端部には、溶媒等を導入する導入管50を接続するためのコネクタ14が取付けられている。また、送液管10の液流入側(コネクタ14側)の端部には、外周に沿って半径方向に突出した突起16が設けられている。なお、本実施の形態では20μl(マイクロリットル)〜1ml(ミリリットル)程度の抽出溶媒を用いて抽出操作を行うので、送液管10の送液路12は20μl〜1ml程度の容積を備えていればよい。
濃縮部30は、例えば試験管等の捕集容器32と、捕集容器32を保持する窪み34を備え、該窪み34に保持された捕集容器32を外側から加熱する加熱器36から構成されている。加熱器36は、捕集容器32内の抽出液を40℃以上に加熱できるものが好ましく、このような加熱器としては、正特性(PCT;Positive Temperature Coefficient)サーミスタの自己温度制御作用を利用したPTCヒータ、セラミックス中に発熱線が埋め込まれたセラミックスヒータ、シリコンゴムシートの間にニッケル合金抵抗体を配置したシリコンラバーヒータ等を使用することができる。窪み34は、抽出部20から供給される抽出液が捕集容器32により捕集されるように、抽出部20の直下に配置されている。また、加熱器36は、円柱状に形成され、保持部材40の下端部に着脱可能に嵌め込まれている。なお、本実施の形態では20μl〜1ml程度の抽出溶媒を用いて抽出操作を行うので、捕集容器32は20μl〜1ml程度の容積を備えていればよい。
保持部材40の上端部には、送液管10を挿入するための取付け孔42が形成されたリング状の上板44が取付けられており、送液管10の突起16が上板44に接触する位置まで送液管10が挿入され、円筒状の保持部材40に略同軸状に保持されて、二重管構造が形成されている。また、保持部材40の周壁には、保持部材40の内部と外部とを連通する排気管46が設けられている。この排気管46を介して減圧吸引等することにより、減圧送液を行える外、保持部材40の内部に存在する溶媒蒸気を外部に排気することができる。
導入管50には、溶媒タンク等から抽出溶媒を供給する溶媒注入ライン52と、ボンベ等からガスを供給するガス供給ライン54とが、バルブ56を介して切替可能に接続されている。送液管10へのガス供給を可能としたことで、ガス圧による加圧送液を行える外、抽出操作の終了後にガスを流通させて、抽出残渣の乾燥や抽出液の濃縮を行うことができる。
抽出部20は、図3(A)及び(B)に示すように、直径が2mm〜10mmの円盤状のフィルタ22と、該フィルタ22を内部に収容するフィルタホルダー24とから構成されている。フィルタ22は、例えば、フィルタ本体22Aを2枚のリング状の保持部材22Bで挟持した構造とすることができる。また、フィルタホルダー24は、フィルタ径に応じた大径の開口を有するホルダー本体26と、小径の液流出口28とを備えた漏斗状の構造とすることができる。ホルダー本体26の開口を大径とすることで、フィルタ22の着脱が容易となる。
フィルタホルダー24は、図4(A)及び(B)に示すように、ホルダー本体26の底面26Aにフィルタ22を載置した状態で、送液管10の端部に着脱可能に取付けられる。リング状の保持部材22Bは、パッキング材としての役割を果たし、送液管10とフィルタホルダー24との間で液密状態が維持できる。なお、ホルダー本体26の底面26Aには、フィルタ22を固定するための凹凸が形成されていてもよい。
例えば、送液管10の外周に雄ねじ部を形成すると共に、ホルダー本体26の内周に雌ねじ部を形成し、両者を螺合させて固定することで、フィルタホルダー24を送液管10の端部に着脱可能に取付けることができる。フィルタホルダー24の取付方式は、ねじ式には限定されない。
送液管10の送液路12は、液流出側の端部に向ってその直径が拡大しており、フィルタホルダー24が送液管10に取付けられた状態では、送液管10とフィルタホルダー24との間に所定容積の内空が形成される。抽出操作時には、この内空内に固体状試料60がセットされる。送液路12が液流出側に拡大することで、内空内に少しずつ清浄な溶媒を供給すると共に、固体状試料60に接触する抽出溶媒の量を多くすることができ、抽出効率が向上する。また、試料成分が内空以外に殆ど拡散することがなく、抽出工程での試料ロスが低減される。例えば、20μl〜1ml程度の抽出溶媒を用いて抽出操作を行う場合には、送液路12の直径は、最も狭い部分で1mm前後、開口部で3mm〜5mmとするのが好ましい。
なお、図4では内空の形状は円錐型であるが、図5(A)に示す半球型、図5(B)に示す立方型とすることもできる。いずれの場合も送液路12が液流出側に拡大するので、円錐型の内空と同様に、抽出効率が向上すると共に、試料ロスが低減される。
抽出溶媒への部材溶出による試料の汚染を防止するため、送液管10、フィルタホルダー24、及び捕集容器32等、抽出溶媒に接触する部材には、ガラス、ステンレス等の金属、テフロン(R)等のフッ素樹脂など、耐溶媒性の高い材料を使用することが好ましい。
[抽出分離操作]
次に、図1〜図5を参照して、上記の抽出分離装置を用いた抽出分離操作について説明する。
(抽出分離の準備)
まず、抽出液を捕集するための捕集容器32を準備する。捕集容器32は、予め風袋重量が秤量され、開口が上方を向くように加熱器36の窪み34にセットされる。加熱器36は、捕集容器32がセットされた状態で、保持部材40の下端部に嵌め込まれる。
次に、フィルタ22の風袋重量を予め秤量しておき、このフィルタ22上に約1mgの固体状試料60を載置して、フィルタ22と固体状試料60とを合せた正確な重量を秤量する。固体状試料60を載置したフィルタ22は、フィルタホルダー24にセットされ、フィルタホルダー24と共に送液管10の端部に取付けられる。これにより、送液管10とフィルタホルダー24との間に内空が形成され、この内空内に固体状試料60がセットされた状態となる。
送液管10は、保持部材4の上板44の取付け孔42に、フィルタ取付側を先頭にして挿入される。送液管10は、突起16が上板44に接触する位置まで挿入される。これにより、送液管10と抽出部20とが保持部材40の上板44から吊り下げられ、フィルタホルダー24の液流出口28が捕集容器32の開口の直上に位置する状態となる。
次に、送液管10に導入管50を接続する。導入管50は、コネクタ14により送液管10の端部に接続されると共に、バルブ56を介して溶媒注入ライン52と接続される。以上の工程により、抽出分離の準備が完了する。
(固-液抽出工程)
次に、固体状試料60に溶媒を作用させて固-液抽出を行う。溶媒注入ライン52から導入管50に所定量の溶媒を注入する。導入管50に注入された溶媒は、送液管10の送液路12を流下し、送液管10とフィルタホルダー24との間に形成された内空に供給される。この内空内で、固体状試料60と溶媒とが接触することで、固体状試料中の溶媒に可溶な成分が溶媒中に溶出する(固-液抽出)。溶出した成分は溶媒と共にフィルタ22を通過して、抽出液として液流出口28から流出される。流出した抽出液は、液流出口28の直下に配置された捕集容器32により捕集される。一方、固体状試料中の溶媒に不溶な成分は、フィルタ22上に抽出残渣として残留する。これにより、固体状試料中の溶媒に可溶な成分と、溶媒に不溶な成分とが分離される。
(溶媒除去工程)
上記の抽出工程が完了した直後の抽出残渣や液流路には、多量の溶媒が残留しているので、次に、残留溶媒の除去を行う。バルブ56を切り替えて、導入管50をガス導入ライン54と接続する。導入管50に供給されたガスは、送液管10の送液路12を流下し、フィルタ22を通過して液流出口28から流出され、保持部材40の内部から排気管46を通って外部に排出される。抽出残渣や液流路に残留する溶媒は、流通するガスと共に液流出口28から流出し、捕集容器32により捕集される。いわばガス圧による加圧ろ過が実施され、抽出操作が完結する。更に、残留溶媒の流出後もガスを流通させることによって、抽出残渣から溶媒が完全に除去(乾燥)され、抽出残渣を試料として回収する場合に、残留溶媒による試料の汚染が防止される。また、捕集容器32の抽出液から蒸発した溶媒も、流通するガスと共に外部に排出されるので、後述する濃縮工程の促進にも寄与する。
なお、この溶媒除去工程の完了後、抽出残渣に更に異なる溶媒を作用させて繰り返し抽出を行うこともできる。この場合は、異なる溶媒を用いて上記と同様に固-液抽出を行った後、上記と同様に溶媒除去工程を実施する。
(抽出液濃縮工程)
次に、捕集容器32に捕集された抽出液を濃縮する。窪み34に保持された捕集容器32は、加熱器36により外側から加熱される。抽出溶媒の沸点以上に加熱することで、溶媒が蒸発し、抽出液が濃縮される。また、保持部材40に設けられた排気管46は図示しない減圧ラインに接続されており、減圧吸引により、蒸発した溶媒(溶媒蒸気)は排気管46から外部に排出される。なお、バルブ56を切り替えて、導入管50をガス導入ライン54と接続し、ガスを流通させることにより、溶媒蒸気を外部に排出してもよい。
(試料回収工程)
最後に、分離した成分(試料)を回収する。
固体状試料中の溶媒に可溶な成分は、濃縮残渣として捕集容器32中に残存するので、捕集容器32からこれを回収することができる。抽出液が接触する部分は、送液管10の先端とフィルタホルダー24の一部であるため試料ロスが少なく、溶媒可溶成分を高い回収率で回収することができる。また、濃縮残渣と捕集容器32とを合せた重量を秤量し、ここから風袋重量を差し引くことで、濃縮残渣(溶媒可溶成分)を精度よく定量することができる。
一方、溶媒に不溶な成分は、抽出残渣としてフィルタ22上に残存するので、上記装置からフィルタ22を取り外して、これを回収することができる。抽出残渣を他の容器に移し替える等による試料ロスが発生せず、溶媒不溶成分を高い回収率で回収することができる。また、抽出残渣とフィルタ22とを合せた重量を秤量し、ここから風袋重量を差し引くことで、抽出残渣(溶媒不溶成分)を精度よく定量することができる。
以上説明した通り、本実施の形態に係る抽出分離装置では、抽出から濃縮までの一連の操作を小型の抽出分離装置内で逐次(オンラインで)行うことができ、微量試料の抽出分離を簡便且つ迅速に行うことができる。例えば、20μl〜1ml程度の抽出溶媒を用いて1mg以下の固体状試料から抽出操作を行う場合には、抽出から濃縮までの工程を約10分以内で行うことができる。
また、本実施の形態に係る抽出分離装置は、送液管とフィルタホルダーとを着脱可能とし、フィルタを取り外せる構造としたので、従来、微量試料の場合には回収が困難であった抽出残渣を、容易に回収することができる。
また、本実施の形態に係る抽出分離装置では、抽出液や抽出残渣と接触する部材を少なくしたので、付着による試料ロスが低減されると共に試料の汚染(コンタミ)が防止される。この結果、分離した試料の各々を、高回収率で回収することができ、高精度で定量することができる。例えば、20μl〜1ml程度の抽出溶媒を用いて1mg以下の固体状試料から抽出操作を行う場合には、回収率は95重量%以上と高く、秤量誤差は2μg程度と高精度である。
特に、抽出部において、送液管とフィルタとの間に径が下流側に拡大した円錐型の内空を形成し、この内空内だけで固-液抽出を行うので、抽出効率が向上し、抽出に使用する溶媒量の低減と操作時間の短縮とを図ることができる。また、径が下流側に拡大した内空を形成することで、試料成分が内空以外に殆ど拡散することがなくなり、抽出工程での試料ロスが低減される。
なお、上記では、フィルタ本体を2枚のリング状の保持部材で挟持した構造のフィルタについて説明したが、例えば、図6(A)及び(B)に示すように、フィルタ22は、フィルタ本体22Aをフィルタ支持台22Cに嵌め込んで一体化した構造とすることができる。この場合、フィルタホルダー24は、ホルダー本体26の底面26Aにフィルタ22を載置した状態で、送液管10の端部に着脱可能に取付けられる。なお、フィルタ本体22Aと送液管10の端部との間には、リング状のパッキング部材22Dを挿入することが好ましい。
また、上記では、フィルタ上に固体状試料を載置する構成について説明したが、図7(A)〜(C)に示すように、フィルタ22は一対のフィルタ板22E、22Fで構成されていてもよい。この構成では、一対のフィルタ板22E、22Fは、固体状試料60を挟み込んだ状態でフィルタホルダー24に保持される。
また、上記では、「ねじ式」のフィルタホルダーの取付方式について説明したが、図8(A)に示すように、送液管10の外周に凸部10Aを形成すると共に、ホルダー本体26の内周に凹部26Bを形成し、送液管10を回転させながらホルダー本体26に挿入することで、凸部10Aと凹部26Bとを嵌合させて固定し、フィルタホルダー24を送液管10の端部に取り付けてもよい(ルアーロック式)。また、図8(B)に示すように、送液管10の端部径を、ホルダー本体26の内径と同じ径から中央部に向って徐々に大きくし、即ち、いわゆるテーパ状に形成し、送液管10がホルダー本体26に挿入されるに従い送液管10とホルダー本体26とが圧接されるようにして、フィルタホルダー24を送液管10の端部に取り付けてもよい(テーパ式)。
或いは、図8(C)に示すように、送液管10の端部に内径がホルダー本体26の最小外径よりやや大きい押さえ部10Bを設けると共に、ホルダー本体26の外径を端部に向って徐々に小さくした、いわゆるソケット構造により、フィルタホルダー24を送液管10の端部に取り付けてもよい(ソケット式)。この構造では、送液管10がホルダー本体26に挿入されるに従い、ホルダー本体26が押さえ部10Bにより押圧され、送液管10とホルダー本体26とが圧接される。なお、図示した取付方式の外に、クリップ等の部材で外部から係止することも可能である。
また、上記では、送液管、抽出部、及び濃縮部を備えた抽出分離装置について説明したが、濃縮部を省略し、送液管と抽出部とで構成された抽出分離部材として使用することもできる。濃縮による試料ロスは少ないため、濃縮部を省略した場合でも、溶媒抽出により微量の固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを迅速に分離すると共に、両成分を高い回収率で回収することができる。
本発明の抽出分離装置の一例を示す斜視図である。 図1に示す抽出分離装置の断面図である。 (A)は送液管と抽出部との接続構造を示す斜視図であり、(B)は(A)の分解斜視図である。 (A)はフィルタの保持状態の一例を示す断面であり、(B)は(A)の分解断面図である。 (A)〜(C)は送液管とフィルタホルダーとの間に形成される内空の形状を示す断面図である。 (A)はフィルタの保持状態の他の例を示す断面であり、(B)は(A)分解断面図である。 (A)〜(C)はフィルタの他の構成を示す断面図である。 (A)〜(C)はフィルタホルダーの取付方式の例を示す断面図である。
符号の説明
10 送液管
12 送液路
14 コネクタ
16 突起
20 抽出部
22 フィルタ
22A フィルタ本体22A
22B 保持部材
24 フィルタホルダー
26 ホルダー本体
26A 底面
30 濃縮部
32 捕集容器
34 窪み
36 加熱器
40 保持部材
42 取付け孔
44 上板
46 排気管
50 導入管
52 溶媒注入ライン
54 ガス供給ライン
56 バルブ
60 固体状試料

Claims (8)

  1. 固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを溶媒抽出により分離する抽出分離装置であって、
    送液路に沿って溶媒を供給する送液管と、
    着脱可能に保持されたフィルタを備え、該フィルタに配置された固体状試料に前記送液管から供給された溶媒を作用させて該溶媒に可溶な成分を抽出し、該成分を含む抽出液を前記フィルタを通過させて流出させる抽出部と、
    該抽出部から流出した抽出液を捕集し且つ濃縮する濃縮部と、
    前記送液管、前記抽出部、及び前記濃縮部を一体に保持する保持部材と、
    を備えた抽出分離装置。
  2. 前記フィルタは、該フィルタを収容するフィルタ収容部と前記送液管とを着脱可能に接続することにより、前記フィルタ収容部と前記送液管との間に着脱可能に保持される請求項1に記載の抽出分離装置。
  3. 前記送液管の送液路は、前記フィルタ収容部と前記送液管との間に固体状試料を配置するための内空が形成されるように、液流出側の端部に向ってその直径が拡大する請求項1又は2に記載の抽出分離装置。
  4. 前記送液管に溶媒とガスとを切り替えて導入する導入管を、前記送液管に更に接続した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の抽出分離装置。
  5. 前記濃縮部は、前記抽出部から流出された抽出液を捕集する捕集容器と該捕集容器を加熱する加熱装置とで構成された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の抽出分離装置。
  6. 前記保持部材は、該保持部材の内部に前記送液管、前記抽出部、及び前記濃縮部を組み込むことが可能な構造を備え、且つ該保持部材の内部と外部とを連通する排気口を備えた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の抽出分離装置。
  7. 固体状試料に含有される溶媒に可溶な成分と溶媒に不溶な成分とを溶媒抽出により分離する抽出分離部材であって、
    送液路に沿って溶媒を供給する送液管と、
    フィルタと該フィルタを収容するフィルタ収容部とを備え、該フィルタに配置された固体状試料に前記送液管から供給された溶媒を作用させて該溶媒に可溶な成分を抽出し、該成分を含む抽出液を前記フィルタを通過させて流出させる抽出部と、
    を備え、
    前記フィルタ収容部と前記送液管とを着脱可能に接続することにより、前記フィルタを前記フィルタ収容部と前記送液管との間に着脱可能に保持した抽出分離部材。
  8. 前記送液管の送液路は、前記フィルタ収容部と前記送液管との間に固体状試料を配置するための内空が形成されるように、液流出側の端部に向ってその直径が拡大する請求項7に記載の抽出分離部材。
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