JP2005213344A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂を用いた生分解性樹脂の耐熱性を改善することを目的とする。
【解決手段】
本発明の生分解性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂と、pHが3.5以上4.5以下のパイロフィライトを含有することを特徴とする。前記パイロフィライトは15ミクロン以下の粒子が96体積%以上である粒度分布を有することが望ましい。また、前記パイロフィライトの含有量が樹脂組成物全体の1.0重量%以上50重量%以下であることが望ましい。前記脂肪族ポリエステル樹脂はポリ乳酸樹脂であることが望ましい。本発明の生分解性樹脂組成物は、家電製品の筐体材料、構造材などの素材として有用である。
【選択図】 図1
【解決手段】
本発明の生分解性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂と、pHが3.5以上4.5以下のパイロフィライトを含有することを特徴とする。前記パイロフィライトは15ミクロン以下の粒子が96体積%以上である粒度分布を有することが望ましい。また、前記パイロフィライトの含有量が樹脂組成物全体の1.0重量%以上50重量%以下であることが望ましい。前記脂肪族ポリエステル樹脂はポリ乳酸樹脂であることが望ましい。本発明の生分解性樹脂組成物は、家電製品の筐体材料、構造材などの素材として有用である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹脂組成物に関する。
近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性樹脂及びその成形品が求められ、例えば脂肪族ポリエステル等の生分解性樹脂の研究が活発に行われている。この樹脂は通常の使用環境では分解しないが、高温多湿のコンポスト環境では、微生物により水と二酸化炭素に分解するため、廃棄物の環境負荷が低く、今後環境問題を解決する有望な材料として期待されている。特にポリ乳酸は融点が高く、透明性に優れているなどの点を有しているため、環境に配慮した成形品として大いに注目を浴びている。
一方、現時点において生分解性樹脂は、農林水産用資材(フィルム、植栽ポット、釣糸、魚網等)、土木工事資材(保水シート、植物ネット、土嚢等)、包装・容器分野(土、食品等が付着してリサイクルが難しいもの)等に利用されているに過ぎないが、今後、例えばノート型パソコンの筐体の一部に、また携帯型ヘッドホンカセットの筐体など電子機器の筐体や構造材へ適用することが期待されている。
しかしながら、生分解性樹脂材料を、電子機器の筺体や構造材として用いるには、電子機器自体が発熱するため、例えば室温よりも高温の温度60℃湿度80%雰囲気中で100時間保持するエージングテストによっても変形しない耐熱性、すなわち高温時における弾性率の低下の抑制が必要とされている。
現在、生分解性樹脂材料は、その分子骨格に、脂肪族ポリエステル樹脂を有するもの、ポリビニルアルコールを有するもの、及び多糖類を有するものの3種に大別することができるが、このような生分解性樹脂は、一般に融点が低く、実用的な成形品に適した機械的特性及び耐熱性が得られていないため、電子機器等の筺体へ利用が実現されていなかった。例えば、最も耐熱性の高い脂肪族ポリエステル樹脂のポリ乳酸においても、その成形物に前記した如くのエージングテストを行うと変形が起こり、電子機器の筺体若しくは構造材等への適用はいまだ困難な状況である。
なお、耐熱性を高めることを目的として、樹脂に結晶核剤を添加することにより結晶化速度を向上させる手法がすでに知られている。この結晶核剤としては、リン酸系、ソルビトール系が知られているが、これらはポリプロピレンに対しては充分な効果があるが、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂に対してはその効果が不十分である。
また、脂肪族ポリエステルの一種であるポリ乳酸に有機系の造核剤と天然マイカを添加することにより耐熱性を上昇させようとする検討もされている(特許文献1参照)。しかしながらこの方法であっても耐熱性の上昇率はそれほど大きくない。
このように、従来の脂肪族ポリエステル樹脂には耐熱性(弾性率)の向上が求められていた。
本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂を用いた生分解性樹脂の耐熱性を改善することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、脂肪族ポリエステル樹脂の生分解性樹脂に対して特定の条件を満たす無機系結晶核剤であるパイロフィライトを添加することにより、高温領域で弾性率が低下することを抑制することが出来ることに見出し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂と、pHが3.5以上4.5以下のパイロフィライトを含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物である。
前記パイロフィライトは15ミクロン以下の粒子が96体積%以上である粒度分布を有することが望ましい。
前記パイロフィライトは15ミクロン以下の粒子が96体積%以上である粒度分布を有することが望ましい。
また、前記パイロフィライトの含有量が樹脂組成物全体の1.0重量%以上50重量%以下であることが望ましい。
また、前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸樹脂であることが望ましい。
本発明では、脂肪族ポリエステル樹脂からなる生分解性樹脂に無機系結晶核剤であるパイロフィライトを含有することを特徴とする。このパイロフィライトの添加が弾性率低下の抑制には効果を奏する。
このパイロフィライトは、葉ロウ石とも言われ、2:1のジオクタヘドラル粘土鉱物である。組成式はAl2Si4O10(OH)2で表され、単斜晶系である。構造は雲母(マイカ)に似ているが層間にカチオンを持たない。そのため脂肪族ポリエステルと混合するときにこのパイロフィライトの層間に脂肪族ポリエステルが入り込むことにより結晶化度が上昇し、弾性率の低下を抑制することができると考えられる。
また、このパイロフィライトは他の無機系結晶核剤とは異なり、SiO2の量が多い。このためSiO2のもつ弾性率をそのまま反映しているため、高温における弾性率低下を抑制できると考えられる。このパイロフィライトは他の無機系結晶核剤と比較しても安価であり、入手も容易であるという特徴を有する。また、この樹脂組成物は配合される無機系結晶核剤自体も無害であり、廃棄物の生態系への影響は小さい。
特に本発明では、パイロフィライトのpHは3.5以上4.5以下であることを特徴とする。pHがこの範囲のものを用いると、高温における弾性率の低下がより効果的に抑制できる。これはpHがこの範囲にあるパイロフィライトが樹脂に対する分散性に優れているからと考えられる。pHが3.5未満であると強酸となり脂肪族ポリエステルの分散性が悪化する。またpHが4.5を超えても分散性が悪化し、さらに強アルカリになると加水分解を起こす可能性がある。
本発明の樹脂組成物は、樹脂にパイロフィライトを配合するのみで弾性率低下の抑制がなされるため、特定温度、加湿雰囲気下での保持など複雑な製造工程が不要であるという特徴もある。
本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂を用いた生分解性樹脂の高温時における弾性率が改善される。その結果高温貯蔵時の寸法・形状安定性が向上し、この樹脂組成物からなる筐体や構造材では高温時に反りや寸法が変化しにくくなる。これにより通常の電子機器の筐体や構造材などの材料などに好適である他、他の用途にも活用できる。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明では、脂肪族ポリエステル樹脂からなる生分解性樹脂に無機系結晶核剤であるパイロフィライトを含有することを特徴とする。前記パイロフィライトはpH3.5以上4.5以下であることを特徴とする。
本発明に係る樹脂組成物に配合するパイロフィライトの好ましい形態について説明する。
(水分量)
配合されるパイロフィライトに含有される水分量としては1.0重量%以下であることが好ましい。水分量がこれを超えると脂肪族ポリエステル樹脂と混練する際に水分が発生し、混練してできた樹脂組成物が発泡してしまう恐れがある。そのため混練の際に水抜き(真空引き)という工程が必要になってしまう。そのため、あらかじめ水分量の少ない、パイロフィライトを用いることが望ましい。
配合されるパイロフィライトに含有される水分量としては1.0重量%以下であることが好ましい。水分量がこれを超えると脂肪族ポリエステル樹脂と混練する際に水分が発生し、混練してできた樹脂組成物が発泡してしまう恐れがある。そのため混練の際に水抜き(真空引き)という工程が必要になってしまう。そのため、あらかじめ水分量の少ない、パイロフィライトを用いることが望ましい。
(粒度分布)
配合されるパイロフィライトの粒度分布としては15ミクロン以下が96体積%以上であることを特徴とする。これ以上大きなものでは脂肪族ポリエステルとの混練の際に、均一に混練されない。
配合されるパイロフィライトの粒度分布としては15ミクロン以下が96体積%以上であることを特徴とする。これ以上大きなものでは脂肪族ポリエステルとの混練の際に、均一に混練されない。
(仮比重)
配合されるパイロフィライトの仮比重としては0.3g/cc以上0.34g/cc以下が好ましい。この範囲を逸脱すると均一に脂肪族ポリエステルと混練されない。
配合されるパイロフィライトの仮比重としては0.3g/cc以上0.34g/cc以下が好ましい。この範囲を逸脱すると均一に脂肪族ポリエステルと混練されない。
(吸油量)
配合されるパイロフィライトの給油量としては40cc/100g以上50cc/100g以下が好ましい。この範囲を逸脱すると脂肪族ポリエステルとの相溶性が悪くなってしまう。したがって、給油量は40から50cc/100gが好ましい。
配合されるパイロフィライトの給油量としては40cc/100g以上50cc/100g以下が好ましい。この範囲を逸脱すると脂肪族ポリエステルとの相溶性が悪くなってしまう。したがって、給油量は40から50cc/100gが好ましい。
(含有量)
パイロフィライトは樹脂組成物全体に対して1重量%以上50重量%以下含有することが望ましい。パイロフィライトの量が1%未満であると弾性率の低下を抑制する効果は小さくなってしまう。これに対し、50重量%以上では混練が困難となってしまう。混練のしやすさなどから考えると、10重量%以上20重量%以下の範囲がより好ましい。
パイロフィライトは樹脂組成物全体に対して1重量%以上50重量%以下含有することが望ましい。パイロフィライトの量が1%未満であると弾性率の低下を抑制する効果は小さくなってしまう。これに対し、50重量%以上では混練が困難となってしまう。混練のしやすさなどから考えると、10重量%以上20重量%以下の範囲がより好ましい。
本発明に係る樹脂組成物の脂肪族ポリエステル樹脂の好ましい形態について説明する。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂、具体的には、乳酸、りんご酸、グルコース酸等のオキシ酸の重合体またはこれらの共重合体、特にポリ乳酸に代表されるヒドロキシカルボン酸系脂肪族系ポリエステル樹脂を挙げることができる。
前記ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂は通常、環状ジエステルであるラクチド及び対応するラクトン類の開環重合による方法、いわゆるラクチド法により、またラクチド法以外では、乳酸直接脱水縮合法により、それぞれ得ることができる。
また、前記ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を製造するための触媒としては、錫、アンチモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物を例示することができ、中でも錫系触媒、アルミニウム系触媒が好ましく、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセテートが特に好適である。
前記ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂の中でも、ラクチド開環重合により得られるポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂は、微生物によってポリL体−乳酸に加水分解されてL体−乳酸になる。また、このL体−乳酸は人体等に対して安全なものであることが確認されているため好ましい。しかし、本発明に係るポリ乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂はこれに限定されることはなく、したがって、その製造に使用するラクチドについても、L体に限定されない。
(加水分解調整剤)
脂肪族ポリエステル樹脂の加水分解性を調整するために、脂肪族ポリエステル樹脂の末端官能基であるカルボン酸および水酸基と反応性を有する化合物、例えばカルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物などの添加剤を用いることができる。加水分解調整剤は目的とする特性や用いる樹脂の種類によっても異なるが、樹脂組成物全体に対して、0.01重量%以上〜10重量%以下含有されることがのぞましい。
特にカルボジイミド化合物は、ポリエステル樹脂と溶融混練でき、少量添加で加水分解性を調整できるため好適である。ここで、カルボジイミド化合物は分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)であり、例えば、触媒として有機リン系化合物または有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒または不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応に付することにより合成することができる。
脂肪族ポリエステル樹脂の加水分解性を調整するために、脂肪族ポリエステル樹脂の末端官能基であるカルボン酸および水酸基と反応性を有する化合物、例えばカルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物などの添加剤を用いることができる。加水分解調整剤は目的とする特性や用いる樹脂の種類によっても異なるが、樹脂組成物全体に対して、0.01重量%以上〜10重量%以下含有されることがのぞましい。
特にカルボジイミド化合物は、ポリエステル樹脂と溶融混練でき、少量添加で加水分解性を調整できるため好適である。ここで、カルボジイミド化合物は分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)であり、例えば、触媒として有機リン系化合物または有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒または不活性溶媒中で、脱炭酸縮合反応に付することにより合成することができる。
前記カルボジイミド化合物に含まれるモノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−ナフチルカルボジイミド等を例示することができ、これらの中では、特に工業的に入手が容易であるという面から、ジシクロヘキシルカルボジイミドあるいはジイソプロピルカルボジイミドが好適である。
前記カルボジイミド化合物の生分解性樹脂への混合は、押出機による溶融混練による方法を使用することができる。なお、脂肪族ポリエステル樹脂の生分解速度は、配合するカルボジイミド化合物の種類および添加量により調節することができるので、目的とする製品に応じ、配合するカルボジイミド化合物の種類および添加量を決定すればよい。例えばカルボジイミド化合物の添加量は、ポリ乳酸に対して0.1〜2重量%である。
本発明に係る樹脂組成物には、必要に応じて、分散剤、加工性改良剤、補強材、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤、デンプンのような分解性を有する有機物等を目的に応じてその他の各種の改質剤を併用することができる。
本発明に係る樹脂組成物には、必要に応じて、分散剤、加工性改良剤、補強材、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤、デンプンのような分解性を有する有機物等を目的に応じてその他の各種の改質剤を併用することができる。
パイロフィライトと脂肪族ポリエステルの混練は通常の一軸、二軸の押出し機を用いる溶融混練により行うことができる。これ以外の混練法でも特に限定されるものではない。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
(弾性率測定方法)
以下に弾性率の測定方法を示す。まず、サンプル片として、長さ約40mm×幅約5mm×厚さ約0.5mmの試料を樹脂組成物成形体から切り出した。このサンプルを次の条件で、粘弾性を測定した。
以下に弾性率の測定方法を示す。まず、サンプル片として、長さ約40mm×幅約5mm×厚さ約0.5mmの試料を樹脂組成物成形体から切り出した。このサンプルを次の条件で、粘弾性を測定した。
(弾性率測定条件)
測定装置:粘弾性測定装置DMA210(セイコーインスツルメンツ社製)
周波数:1Hz
測定開始温度:30℃
測定終了温度:140℃
昇温速度:2℃/min.
制御モード:引っ張り
歪振幅:10μm
最小張力/圧縮力:5gf
張力/圧縮力ゲイン:1.2
測定装置:粘弾性測定装置DMA210(セイコーインスツルメンツ社製)
周波数:1Hz
測定開始温度:30℃
測定終了温度:140℃
昇温速度:2℃/min.
制御モード:引っ張り
歪振幅:10μm
最小張力/圧縮力:5gf
張力/圧縮力ゲイン:1.2
(パイロフィライト)
カオリンクレイ(カナヤ興産製 AX−1)
組成式:Al2O3・xSiO2・H2O
pH:3.5〜4.5の範囲にある
粒度:15μm以下が96体積)%以上(残渣350mesh 0.01%以下))
カオリンクレイ(カナヤ興産製 AX−1)
組成式:Al2O3・xSiO2・H2O
pH:3.5〜4.5の範囲にある
粒度:15μm以下が96体積)%以上(残渣350mesh 0.01%以下))
(混練装置)
混練装置:ベルストルフ社製 二軸押出機 ZE40A×40D(43φ,L/D=37.2)
混練装置:ベルストルフ社製 二軸押出機 ZE40A×40D(43φ,L/D=37.2)
(フィード方法)
樹脂:ホッパー投入(計量機;S−210/シングルスクリュー)
フィラー:サイドフィーダーより強制投入(計量機;T−20/ツインスクリュー)
樹脂:ホッパー投入(計量機;S−210/シングルスクリュー)
フィラー:サイドフィーダーより強制投入(計量機;T−20/ツインスクリュー)
(実施例1)
ポリ乳酸(ラクティ9000、島津製作所製、重量平均分子量:140000)に上記パイロフィライトを全体の10重量%となるように配合し、上記押出し機を用いて混練し、一旦ペレットを形成した。その後射出成形機を用いてこのペレットを平板に成形した。さらに弾性率測定のための形状に切削加工した。(以下これを試験片という)この試験片の弾性率の測定を上記条件で行った。その結果を図1に示す。
ポリ乳酸(ラクティ9000、島津製作所製、重量平均分子量:140000)に上記パイロフィライトを全体の10重量%となるように配合し、上記押出し機を用いて混練し、一旦ペレットを形成した。その後射出成形機を用いてこのペレットを平板に成形した。さらに弾性率測定のための形状に切削加工した。(以下これを試験片という)この試験片の弾性率の測定を上記条件で行った。その結果を図1に示す。
図1より明らかなように、室温ではこの試験片の、弾性率は109Paを示していた。また、80℃においても107Paを保っていることが判明した。
(実施例2)
パイロフィライトを全体の5重量%とした以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を図1に示す。
図1よりこれも明らかであるように室温ではこの試験片の、貯蔵弾性率は109Paを示していた。また、80℃においても107Paを保っていることが判明した。
パイロフィライトを全体の5重量%とした以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を図1に示す。
図1よりこれも明らかであるように室温ではこの試験片の、貯蔵弾性率は109Paを示していた。また、80℃においても107Paを保っていることが判明した。
(実施例3)
パイロフィライトを全体の1重量%とした以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を図1に示す。
パイロフィライトを全体の1重量%とした以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を図1に示す。
図1よりこれも明らかであるように室温ではこの試験片の弾性率は109Paを示していた。また、80℃においても106Paを保っていることが判明した。
(比較例1)
ポリ乳酸(ラクティ9000、島津製作所製、重量平均分子量:140000)にパイロフィライトの配合をしない以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を図1に示す。
ポリ乳酸(ラクティ9000、島津製作所製、重量平均分子量:140000)にパイロフィライトの配合をしない以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を図1に示す。
図1より明らかなように、この試験片の弾性率は、60℃付近で大きく減少し、最低値の106Paまで低下していた。また、80℃においては106Paであることが判明した。
(比較例2)
ポリ乳酸(レイシアH100J、三井化学製、重量平均分子量:140000)にパイロフィライトの配合をしない以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を、図2に示す。
ポリ乳酸(レイシアH100J、三井化学製、重量平均分子量:140000)にパイロフィライトの配合をしない以外は実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率の測定を行った。その結果を、図2に示す。
図2に示すように、この試験片の弾性率はガラス転移温度Tg(60℃)付近から急激に低下し、100℃付近で最小値を示し、その後上昇し120から140℃付近でほぼ一定の値を示した。
なお、比較例1と比較例2で使用したポリ乳酸は製造メーカーが異なるが、ほぼ同様のポリ乳酸であり、貯蔵弾性率の変化もほぼ同様な挙動を示す。
(比較例3)
比較例2と同様のポリ乳酸であるレイシアH100Jに粒径40〜50μmの天然マイカを造粒した造粒雲母粉41PU5(ウレタン樹脂バインダーを0.8重量%含む、山口雲母製)を10重量%と加水分解制御用添加剤としてカルボジライトHMV−10Bを1重量%と有機系造核剤としてエルカ酸アミド(脂肪族カルボン酸アミド)を1重量%とを添加した以外は、実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率を測定を行った。その結果を図2に示す。
比較例2と同様のポリ乳酸であるレイシアH100Jに粒径40〜50μmの天然マイカを造粒した造粒雲母粉41PU5(ウレタン樹脂バインダーを0.8重量%含む、山口雲母製)を10重量%と加水分解制御用添加剤としてカルボジライトHMV−10Bを1重量%と有機系造核剤としてエルカ酸アミド(脂肪族カルボン酸アミド)を1重量%とを添加した以外は、実施例1と同様に試験片を作成し、弾性率を測定を行った。その結果を図2に示す。
図2より明らかなように比較例3は比較例2よりは弾性率は向上したが、弾性率の最小値では2桁以上低下することが判明した。
(比較例4)
比較例3の試験片を120℃で60秒間エージングした後、弾性率の測定を行った。その結果を図2に示す。約70〜100℃での弾性率が比較例3よりは上昇したが、まだ最小値では2桁以上弾性率が低下していることがわかる。
比較例3の試験片を120℃で60秒間エージングした後、弾性率の測定を行った。その結果を図2に示す。約70〜100℃での弾性率が比較例3よりは上昇したが、まだ最小値では2桁以上弾性率が低下していることがわかる。
(実施例4)
ポリヒドロキシブチレートに全体の20重量%となるように実施例1と同様のパイロフィライトを添加し、押出し機を用いて混練を行った。その後平板を成形した。さらに弾性率測定のための形状に切削加工し、弾性率の測定を行ったところ、室温では貯蔵弾性率は109Paを示し、80℃でも108Paを保っている。
ポリヒドロキシブチレートに全体の20重量%となるように実施例1と同様のパイロフィライトを添加し、押出し機を用いて混練を行った。その後平板を成形した。さらに弾性率測定のための形状に切削加工し、弾性率の測定を行ったところ、室温では貯蔵弾性率は109Paを示し、80℃でも108Paを保っている。
(比較例5、6)
実施例1と同様に混練、成形を行ったが、実施例1で用いたパイロフィライトの代わりに比較例5はpHが6であるパイロフィライト(カオリナイトKH、カナヤ興産(有)製、Al2O3・2SiO2,2H2O、pH6)、比較例6はタルク(ハイフィラー#5000J、松村化成製、3MgO・4SiO2・H2O)を使用し、試験片を作成し、実施例1と同様に弾性率の測定を行った。80℃における弾性率を実施例1の弾性率と共に表1に示す。
実施例1と同様に混練、成形を行ったが、実施例1で用いたパイロフィライトの代わりに比較例5はpHが6であるパイロフィライト(カオリナイトKH、カナヤ興産(有)製、Al2O3・2SiO2,2H2O、pH6)、比較例6はタルク(ハイフィラー#5000J、松村化成製、3MgO・4SiO2・H2O)を使用し、試験片を作成し、実施例1と同様に弾性率の測定を行った。80℃における弾性率を実施例1の弾性率と共に表1に示す。
表1からpHが3.5〜4.5を外れたパイロフィライト、またタルクの添加では本発明の効果は得られないことは明らかである。 以上示したように本実施例では脂肪族ポリエステルに無機系結晶核剤であるパイロフィライトを含有することによって弾性率の低下を抑制し、貯蔵弾性率を一定に保つことができる。またエージングなどの処理も必要がない。
Claims (4)
- 脂肪族ポリエステル樹脂と、pHが3.5以上4.5以下のパイロフィライトを含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。
- 前記パイロフィライトは15ミクロン以下の粒子が96体積%以上である粒度分布を有することを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記パイロフィライトの含有量が樹脂組成物全体の1.0重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
- 前記脂肪族ポリエステル樹脂がポリ乳酸樹脂であることを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
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