JP2005210937A - 微生物数測定方法およびそれに用いる微生物数測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正確に微生物数を測定できる微生物数測定方法およびそれに用いる微生物数測定装置を提供する。
【解決手段】 本発明の微生物数測定装置は、第1の表面と第2の表面とを有するフィルタと、フィルタの第1の表面に、試料液を案内する第1の案内管と、フィルタの第2の表面から流れ出た試料液をフィルタ処理部外に案内する第2の案内管とを含むフィルタ処理部と、第2の案内管に接続され、フィルタ処理された試料液中の微生物数を微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定部とを含み、フィルタが、微生物が通過でき、且つ、微生物より大きい物質が通過できないろ過孔を有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、試料液中の微生物数を測定する方法およびそれに用いる装置に関するものであり、特に、微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して試料液中に含まれる微生物数を測定する方法およびそれに用いる装置に関する。
試料液中の微生物数を測定する方法として、微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼ酵素の触媒加水分解特性を利用する方法(以下、「酵素蛍光法」と称する。)がある(特許文献1参照。)。例えば、微生物が大腸菌群(グラム陰性、無胞子の短かん菌で乳糖を分解してガスと酸を生成する好気性または通性嫌気性菌)である場合、大腸菌群を含有する試料液に4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシドを加え、これを適当な温度条件下で大腸菌群が有するβ−D−ガラクトシダーゼ酵素に加水分解させると、蛍光物質である4−メチルウンベリフェロンが生成される。生成された4−メチルウンベリフェロンの蛍光強度を、蛍光光度計を用いて複数回、時間をおいて測定することにより、生成された4−メチルウンベリフェロンの濃度変化(生成速度)がわかり、その結果、生成速度の起因であるβ−D−ガラクトシダーゼの活性を知ることができる。1個の大腸菌群が有するβ−D−ガラクトシダーゼの活性が一定と仮定すれば、大腸菌群数は4−メチルウンベリフェロンの生成速度に比例するとみなすことができ、その生成速度により大腸菌群数を算出することができる。また、微生物が大腸菌である場合は、大腸菌を含有する試料液に4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニドを加え、上記の大腸菌群と同様な操作を行い、β−D−グルクロニダーゼ活性値を得て大腸菌数を得ることができる。
特開2001−299382公報
しかしながら、上記酵素蛍光法において、4−メチルウンベリフェロンの生成速度(以下、この生成速度はβ−D−ガラクトシダーゼの活性を示すものであるため、「β−D−ガラクトシダーゼ活性値」と称する。)と微生物数が比例しない場合がある。例えば、図8は被測定試料液である下水処理場の二次処理水中の実際の大腸菌群数とβ−D−ガラクトシダーゼ活性値との関係を示すものである。図によれば、通常、大腸菌群数に対して一定の比例関係であるはずのβ−D−ガラクトシダーゼ活性値が、異なり増加していることがあることがわかる。これは、試料液中に含まれる大腸菌群以外の物質が有する(物質に付着している)β−D−ガラクトシダーゼが4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシドを加水分解することにより、蛍光物質である4−メチルウンベリフェロンが発生し、その結果、β−D−ガラクトシダーゼ活性値が増加したためと推測される。したがって、このようなβ−D−ガラクトシダーゼ活性値を用いると、大腸菌群数が誤って算出される。
そこで、本発明は、実際の微生物数と異なる誤った微生物数が算出されないように、測定対象微生物以外の試料液中物質が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを試料液中から除去することにより、正確に微生物数を測定できる微生物数測定方法およびそれに用いる微生物数測定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明に係る微生物数測定方法は、試料液中に含まれる微生物の個数を上記微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定方法であって、
上記微生物以外のβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを有する物質を上記試料液から除去する除去工程と、
上記除去工程によって得た上記試料液中の上記β−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを検出して上記微生物数を求める微生物数測定工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る微生物数測定装置は、
試料液中に含まれる微生物の個数を上記微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定装置であって、
第1の表面と第2の表面とを有するフィルタと、
上記フィルタの上記第1の表面に、上記試料液を案内する第1の案内管と、
上記フィルタの上記第2の表面から流れ出た上記試料液を上記フィルタ処理部外に案内する第2の案内管とを含むフィルタ処理部と、
上記第2の案内管に接続され、上記フィルタ処理された試料液中の上記微生物数を上記微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定部とを含み、
上記フィルタ処理部の上記フィルタが、上記微生物が通過でき、且つ、上記微生物より大きい物質が通過できないろ過孔を有することを特徴とする。
本発明によれば、実際の微生物数と異なる誤った微生物数が算出されないように、測定対象微生物以外の試料液中物質が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼによって生じるβ−D−ガラクトシダーゼ活性値またはβ−D−グルクロニダーゼの増加を低減できるため、正確に微生物数を測定できる。
以下、本発明の微生物数測定方法およびそれに用いる測定装置を説明する。ここで説明される微生物数測定方法およびそれに用いる測定装置は、大腸菌群を測定対象としたものであり、また酵素蛍光法を用いるものである。具体的には、下水処理場で処理された二次処理水(以下、「試料液」と称する。)の大腸菌群数を測定するために使用されるものである。当然ながら、本発明の微生物測定方法およびそれに用いる測定装置の測定対象は、大腸菌群に限定されない。
酵素蛍光法を用いるため、測定対象微生物(本形態においては、大腸菌群)以外のβ−D−ガラクトシダーゼを有する物質(酵素蛍光法の正確な微生物数測定を妨害する物質であるため、以下、「測定妨害物質」と称する。)全てを試料液中から除去するのが好ましいが、現実的でないため、現実的(経済的または技術的若しくは時間的)に有利なフィルタを用いて試料液に含まれる一部の測定妨害物資を取り除くことにした。したがって、本形態では、フィルタ(第1の表面)上に大腸菌群以外の大腸菌群より大きい物質(測定妨害物質も含む)を残留させ、これが除去された大腸菌群が存在する試料液をフィルタ(第2の表面)から流れ出させる。また、本発明のフィルタには、従来のフィルタのように、ろ過孔径にばらつきがあるものよりも、略均一な径のろ過孔を有するフィルタの方が好ましい。
最初に、酵素蛍光法を用いる大腸菌群数測定に好適なフィルタを決定するために、具体的には、フィルタのろ過孔径を決定するために、以下の実験を行った。
実験
実験では、それぞれ異なる径のろ過孔を有する複数のポリカーボネート製フィルタに、同一の試料液をろ過させ、各フィルタにろ過された試料液中の大腸菌群数を求めるとともに、酵素蛍光法によってβ−D−ガラクトシダーゼ活性値も求めた。フィルタのろ過孔径はそれぞれ、大腸菌群の大きさ1〜5μm近辺の、2、5、10μmである。大腸菌群数は、従来からある、寒天培地上に大腸菌群のコロニーを形成させ、そのコロニー数に基づいて大腸菌群数を測定するコロニー計数法によって求めた。フィルタ処理される前の試料液には、大腸菌群が1mLあたり700個存在し、そのときのβ−D−ガラクトシダーゼ活性値は、0.6μg/L・minであった。
実験の結果を図1に示す。図は、各フィルタによってフィルタ処理された試料液中の単位量あたりの大腸菌群数(ハッチングで示している)と、フィルタ処理後の試料液のβ−D−ガラクトシダーゼ活性値(ハッチングなしで示している)を示す図であり、参考としてフィルタ処理前の試料液についても示している。図の縦軸は、各試料液の大腸菌群数(図中左側)とβ−D−ガラクトシダーゼ活性値(図中右側)を示している。図から明らかなように、各フィルタに処理された試料液の大腸菌群数とβ−D−ガラクトシダーゼ活性値には一定の比例関係が見られるが、フィルタ処理前の試料液の大腸菌群数とβ−D−ガラクトシダーゼ活性値との関係はこの比例関係と異なり、β−D−ガラクトシダーゼ活性値が、比例関係から予測される値より大きくなっている。これは、フィルタを通過できなかった物質(フィルタ処理前の試料液のみに含まれる物質)、すなわち、10μm以上の大きさの測定妨害物質が有するβ−D−ガラクトシダーゼに起因すると推測できる。
また、実験の結果より、ある一定量の試料液中に存在する大腸菌群数(いわゆる、大腸菌群数濃度)を正確に知るためには、フィルタ処理前後において試料液中の大腸菌群数がほとんど減少しないろ過孔径10μmのフィルタを用いるのが適切であることがわかる。さらに、この図から、大腸菌群は、10μmの大きさ近傍をピークとする典型的な粒度分布(ピークを中心として略対称に広がる粒度分布)で試料液中に存在していると推測でき、全ての大腸菌群が通過できるフィルタのろ過孔径は、少なくとも20μm以上、確実には25μm以上あれば良いと推測できる。しかしながら、測定妨害物質もフィルタを通過する可能性があるため、ろ過孔径は、図から予測される大腸菌群の粒度分布のピークは10μm強であることから、そのピークを含む範囲10〜15μmが適当であると推測される。
さらに、実験の結果を異なる観点から見れば、径10μm以下のろ過孔を通過できる測定妨害物質は、10μm以上の大きさの測定妨害物質に比べて、β−D−ガラクトシダーゼ活性値を用いる酵素蛍光法の大腸菌群数測定精度にほとんど影響しないこともわかる。
これらにより、β−D−ガラクトシダーゼ活性値から一定量の試料液中の大腸菌群数を求めるには、測定前に、径10〜15μmのろ過孔を有するフィルタを用いて試料液をろ過させるのが好適であることがわかり、また、試料液中から全ての測定妨害物質を除去しなくても十分な測定精度で大腸菌群数が測定できることもわかる。
径10μmのろ過孔を有するフィルタ(以下、「10μmフィルタ」と称する。)によってフィルタ処理された試料液のβ−D−ガラクトシダーゼ活性値の結果を実線によって、従来の結果、すなわち10μmフィルタによってフィルタ処理していない結果を点線によって図2に示す。縦軸は、大腸菌群数を示しており、横軸は、測定日を示している。β−D−ガラクトシダーゼ活性値は、大腸菌群数1000個あたりの値であり、そのために必要な大腸菌群数の個数は、上記従来のコロニー計数法によって求めている。図中、従来の結果においてβ−D−ガラクトシダーゼ活性値が上昇している時期においても、10μmフィルタ処理した試料液のβ−D−ガラクトシダーゼ活性値は、測定期間中、略一定である。したがって、測定前に、10μmフィルタを用いて試料液をフィルタ処理すれば、酵素蛍光法によって安定して正確に大腸菌群数を測定できることがわかる。
ここからは、実験によって仕様が決定された10μmフィルタを用いて試料液中の大腸菌群数を測定する方法および装置を説明する。特に、フィルタは使用するに従ってフィルタ目つまりが生じるため、フィルタを常に最適な状態で維持でき、それにより正確に大腸菌群数を測定できる方法および測定装置を説明する。
実施の形態1.
図3は、本発明の実施の形態1に係る大腸菌群数測定装置10の部分的に断面で示されている概略図である。大腸菌群数測定装置10は、概略的に大腸菌数群数測定部(微生物数測定部)12とフィルタ処理部14から構成される。大腸菌群数測定部12は酵素蛍光法を用いてフィルタ処理部14から送られた試料液を測定する部分であり、その測定方法およびそれに必要な構成は上記の特許文献で説明されているため、ここでは詳細に説明しない。
フィルタ処理部14は、円筒形状でその両端が閉じられたフィルタハウジング16と、実験によってろ過孔径が10μmと決定された、その内部に配置された円筒形状のセラミックフィルタ18とを有する。フィルタハウジング16の円筒横方向(円筒伸張方向に垂直な方向)断面図である図4に示すように、フィルタハウジング16内の空間は、セラミックフィルタ18により、2つの空間20、22に完全に分離されている。以下、これらの空間20、22を、セラミックフィルタ18を基準として、内側空間20、外側空間22と称する。
フィルタハウジング16は、試料液24やセラミックフィルタ18を洗浄する洗浄水26のための4つの開口28、30、32、34を有する。図3や図4において、試料液24の流れは、実線矢印で、洗浄水26の流れは点線矢印で示している。開口28は、フィルタハウジング16の2つの端面の一方に設けられており、下水処理場の二次処理水槽(図示せず)から送られた試料液24を案内する送水管(第1の案内管)36と内側空間20とを連絡している。もう一方のフィルタハウジング16の端面には開口30が設けられており、開口30は、フィルタハウジング16内の試料液24や洗浄水26を排水する排水管38と内側空間20とを連絡している。
また、フィルタハウジング16の側面に設けられた開口32は、洗浄水(洗浄液)26を案内する送水管40(洗浄液案内管)と外側空間22とを連絡している。同様に、フィルタハウジング16の側面に設けられている開口34は、フィルタ処理部14から大腸菌群数測定部12に試料液24を案内する送水管(第2の案内管)40と外側空間22とを連絡している。
送水管36、40、42には、開閉バルブ44、46、48が設けられている。また、送水管42には、フィルタ処理部14から大腸菌群数測定部12に試料液24を引き込むポンプ50が設けられている。
以下、大腸菌群数測定装置10の稼動について説明する。本形態の大腸菌群数測定装置10の稼動は、2つの稼動、試料液フィルタ処理とフィルタ洗浄とに分けられる。
試料液フィルタ処理開始前、開閉バルブ44、48は開いており、開閉バルブ46は閉じている。開始されると、ポンプなどによって付勢された、下水処理場の二次処理水槽から送られた試料液24が、送水管36を介して、フィルタハウジング16内のセラミックフィルタ18の内側空間20に流れ入る。試料液24は、内側空間20に充満されるとともに、開口30を通って排水管38に流れ出る。試料液24が内部空間20に充満された状態で、ポンプ50が稼動されると、内部空間20内の試料液24は、セラミックフィルタ18の内側面(第1の表面)からセラミックフィルタ18内部に入り、セラミックフィルタ18の外側面(第2の表面)から外側空間22に流れ出る。このとき、10μm以上の大きさの測定妨害物質がセラミックフィルタ18の内側面に残留する。セラミックフィルタ18によって10μm以上の測定妨害物質が除去された試料液24は、ポンプ50によって送水管42を介して外側空間22から大腸菌群数測定部12に送られる。大腸菌群数測定部12に送られた試料液24は、酵素蛍光法によって、含有する大腸菌群数が測定される。
所定の回数(一回でも良い)試料液24をフィルタ処理した後、セラミックフィルタ18の内側面に残留した測定妨害物質を除去するために、フィルタ洗浄を実行する。フィルタ洗浄開始前、開閉バルブ44、48は閉じており、開閉バルブ46は開いている。開始されると、洗浄水26が送水管40を介して開口32からフィルタハウジング16内の外側空間22に流れ入る。外側空間22に洗浄水26が充満されるとともに、その水圧により、洗浄水26がセラミックフィルタ18を通過して内部空間20に流れ入る。このとき、内部空間20に流れ入った洗浄水26は、セラミックフィルタ18の内側面に残留していた10μm以上の大きさの測定妨害物質をその内側面から取り去り、これを保持した状態で開口30を通って排水管38に流れ出る。これにより、セラミックフィルタ18は洗浄される。
フィルタ洗浄において、使用される洗浄水26の量は、少なくとも洗浄水26の量に対してフィルタ処理された試料液24の量の比(量比)が0.2以下、好ましくは0.1以下になるような量が好ましい。この洗浄水26に対する試料液24の比は、実験の結果から求めたものであり、その実験結果は図5に示されている。図は、フィルタ処理によって得られた試料液24の量が200mLである時点に、フィルタ洗浄を行った、排出管38から流れ出た洗浄水26内の粒子数を測定した結果を示している。図の縦軸は、洗浄水26の単位量あたり(10mLあたり)に含まれる粒子数を示しており、横軸は、洗浄水の量を示している。また、点線は10〜25μmの大きさの粒子の個数を、実線は、5〜10μmの大きさの粒子の個数を示している。
図で示したフィルタ処理された試料液24の量は、例えば、送水管42に流量計(図示せず)を設けることによって求めることができる。また、洗浄水26の量は、送水管40に流量計(図示せず)を設けることによって求めることができ、洗浄水26の流速が一定であれば、開閉バルブ46の開状態時間からも求めることができる。
図より、セラミックフィルタ18の内側面に残留していた10〜25μmの大きさの測定妨害物質は、0.5Lの洗浄水26をフィルタ処理部14内に流すだけでほとんど除去でき、続いて1L、より好ましく2Lまで流せば、セラミックフィルタ18やフィルタハウジングの内側に残っている5〜10μmの大きさの粒子(大腸菌群も含む)も十分に洗い流せることが分かる。したがって、洗浄水26の量に対するフィルタ処理によって得られた試料液24の量との比が0.2以下、好ましくは0.1以下になるような量の洗浄水26を用いれば、セラミックフィルタ18上に残留した10μm以上の大きさの測定妨害物質のみならず、フィルタハウジング16内に残った10μm以下の大きさの粒子も除去でき、その結果、フィルタ処理部14は初期状態を維持することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1のフィルタ処理部14のフィルタ洗浄能力を高めたものである。図6には、実施の形態2のフィルタ処理部150の円筒縦方向(円筒伸張方向断面図が示され、2つの電極、内側電極152、外側電極154と、それらに接続される直流電源156、アース158と、開閉バルブ160以外は第1の実施形態のものと同じであり、そのため、同一構成要素に関しては同一の符号を用いて説明する。
内側電極152と外側電極154は、メッシュまたはパンチングメタル状の円筒形チタンベースに白金をめっきしたものであり、内側電極152を内側空間20内に配置し、また、外側電極154を外側空間22内に配置することにより、その2つの電極の間に円筒状のセラミックフィルタ18を挟んでいる(図7参照。)。内側電極152には直流電源156が接続されており、また、外側電極154にはアース158が接続されている。さらに、排水管38には、開閉バルブ160が設けられている。
実施の形態2では、フィルタ洗浄において、まず、フィルタ処理部150内に試料液または洗浄水を充満させた状態で開閉バルブ44、46、48、160が閉じられる。この状態で、直流電源156によって内側電極152に、例えば、内側電極152が陰極、外側電極154が陽極となるように通電すると、外側電極154近傍に塩素ガスまたは次亜塩素酸イオンの少なくとも一方が発生する。当然ながら、内側電極152を陽極、外側電極154を陰極にすることも可能であり、またそのように構成されている。この塩素ガスまたは次亜塩素酸イオンは、洗浄水または試料液に含まれる塩素イオンに由来するものである。一定時間、内側電極152に通電して十分量の塩素および次亜塩素酸イオンを発生させた後、通電を停止し、続いて、開閉バルブ46、160を開けて洗浄水をフィルタ処理部150内に流入させ、セラミックフィルタ18やフィルタ処理部150内を洗浄する。塩素および次亜塩素酸イオンの洗浄能力が加わるため、実施の形態1のものに比べてより洗浄でき、したがって、セラミックフィルタ18の寿命が長くなる。
また、実施の形態2において、セラミックフィルタ18やフィルタ処理部150内の洗浄を十分に行った後、洗浄水をフィルタ処理部150に充満させ全ての開閉バルブを閉じる。この状態で、直流電源156によって内側電極152が陰極、外側電極154が陽極となるように通電し、外側電極154近傍に塩素および次亜塩素酸イオンが発生させる。一定時間、内側電極152に通電して十分量の塩素および次亜塩素酸イオンを発生させた後、通電を停止し、開閉バルブ48を開け、ポンプ50(送出手段)によって洗浄水、塩素および次亜塩素酸イオンを大腸菌群数測定部12内に引き込む。これにより、大腸菌群数測定部12内が洗浄される。
実施の形態2において、発生する塩素および次亜塩素酸イオンの発生量が少ない場合、洗浄前に塩化ナトリウム溶液をフィルタ処理部150内に流入しても良い。この場合、陰極側の電極表面にカルシウムが付着するため、定期的に、内側電極152に逆電流を通電して逆電解する必要がある。
実施の形態1および形態2において、フィルタ洗浄は、開閉バルブを電磁バルブにすることで自動的に行うことができる。大腸菌群数測定装置の使用回数、または、実施の形態1において述べた流量計が測定した累計流量に応じて、複数の電磁バルブの開閉状態を試料液フィルタ処理時の状態からフィルタ洗浄時の状態に切り替えるようにプログラムを作成すれば、そのプログラムに基づいて自動的に、フィルタやフィルタ処理部内、実施の形態2においては大腸菌群数測定部内を洗浄できる。また、使用回数や累計流量などの使用履歴(処理履歴)に関係なく、一定時間後に自動でフィルタ洗浄を行うようにしてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3は、大腸菌群ではなく、大腸菌を測定対象としている。測定方法やそれに用いる装置は、大腸菌群に使用されるものと略同じであるが、測定に利用する酵素が異なり、β−D−ガラクトシダーゼの代わりにβ−D−グルクロニダーゼの活性を利用し、試料液中の大腸菌数を測定する。
本発明に係る微生物数測定装置のフィルタ洗浄は、特に電気分解は、例えば、水ろ過処理のフィルタにも使用することができる。また、経済的または技術的にも有利なフィルタ処理以外の方法でも、試料液中から測定妨害物質を除去することができ、例えば、遠心分離法や凝集沈殿法を用いても可能である。また、遠心分離法や凝集沈殿法を用いて得た試料液に、本発明に係るフィルタ処理を実施すれば、高精度な微生物数測定に必要な試料液を得ることができる。
複数の異なるフィルタ処理実験の結果を示す図である。 本発明に係る大腸菌群数測定結果を示す図である。 実施の形態1の大腸菌群数測定装置の部分的に断面で示されている概略図である。 実施の形態1のフィルタ処理部の円筒横方向断面図である。 洗浄水内に含まれる粒子数を示す実験結果の図である。 実施の形態2のフィルタ処理部の円筒縦方向断面図である。 実施の形態2の実施形態のフィルタ処理部の円筒横方向断面図である。 従来の大腸菌群数測定結果を示す図である。
符号の説明
10 大腸菌群数測定装置、 12 大腸菌群数測定部、 14 フィルタ処理部、 16 フィルタハウジング、 18 セラミックフィルタ、 20 内側空間、 22 外側空間、 24 試料液、 26 洗浄水、 28 開口、 30 開口、 32 開口、 34 開口、 36 送水管、 38 排水管、 40 送水管、 42 送水管、 44 開閉バルブ、 46 開閉バルブ 、 48 開閉バルブ、 50 ポンプ
150 フィルタ処理部、 152 内側電極、 154 外側電極、 156 直流電源、 158 アース、 160 開閉バルブ

Claims (22)

  1. 試料液中に含まれる微生物の個数を上記微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定方法であって、
    上記微生物以外のβ−D−ガラクトシダーゼ活性またはβ−D−グルクロニダーゼ活性を有する物質を上記試料液から除去する除去工程と、
    上記除去工程によって得た上記試料液中の上記β−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを検出して上記微生物数を求める微生物数測定工程とを含むことを特徴とする微生物数測定方法。
  2. 上記除去工程が、上記試料液中から上記微生物より大きい測定妨害物質を、上記微生物が通過でき、且つ、上記微生物より大きい物質が通過できないフィルタによって除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の微生物数測定方法。
  3. 上記測定妨害物質が、略5μm以上の大きさである請求項2に記載の微生物数測定方法。
  4. 上記測定妨害物質が、略10μm以上の大きさである請求項2に記載の微生物数測定方法。
  5. 上記測定妨害物質が、略15μm以上の大きさである請求項2に記載の微生物数測定方法。
  6. 上記測定妨害物質が、略25μm以上の大きさである請求項2に記載の微生物数測定方法。
  7. 更に、液体の電気分解によって発生する物質を用いて上記フィルタを洗浄するフィルタ洗浄工程を含む請求項2〜6のいずれか一に記載の微生物数測定方法。
  8. 上記液体が、上記試料液であることを特徴とする請求項7に記載の微生物数測定方法。
  9. 上記フィルタ洗浄工程が、所定の回数、上記微生物数測定工程が実施された後に行われることを特徴とする請求項7または8のいずれか一に記載の微生物数測定方法。
  10. 上記微生物が、1〜5μmの範囲の大きさであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一に記載の微生物数測定方法。
  11. 上記微生物が、大腸菌群または大腸菌であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一に記載の微生物数測定方法。
  12. 試料液中に含まれる微生物の個数を上記微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−D−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定装置であって、
    第1の表面と第2の表面とを有するフィルタと、
    上記フィルタの上記第1の表面に、上記試料液を案内する第1の案内管と、
    上記フィルタの上記第2の表面から流れ出た上記試料液を上記フィルタ処理部外に案内する第2の案内管とを含むフィルタ処理部と、
    上記第2の案内管に接続され、上記フィルタ処理された試料液中の上記微生物数を上記微生物が有するβ−D−ガラクトシダーゼまたはβ−グルクロニダーゼを利用して測定する微生物数測定部とを含み、
    上記フィルタ処理部の上記フィルタが、上記微生物が通過でき、且つ、上記微生物より大きい物質が通過できないろ過孔を有することを特徴とする微生物数測定装置。
  13. 上記フィルタの上記ろ過孔径が、5〜25μmの範囲である請求項12に記載の微生物数測定装置。
  14. 上記フィルタの上記ろ過孔径が、10〜15μmの範囲である請求項12に記載の微生物数測定装置。
  15. 上記フィルタ処理部が、上記フィルタの第2の表面に洗浄液を案内する洗浄液案内管と、上記フィルタの第2の表面から流れ出る上記洗浄液を上記フィルタ処理部外に排出する排出管とを有することを特徴とする請求項12〜14のいずれか一に記載の微生物数測定装置。
  16. 上記洗浄液に対する上記フィルタの第2の表面から流れ出た上記試料液の量比が、0.2以下であることを特徴とする請求項15に記載の微生物数測定装置。
  17. 上記量比が少なくとも0.1以下であることを特徴とする請求項16に記載の微生物数測定装置。
  18. 上記フィルタ処理部が、
    上記フィルタの上記第1の表面近傍に配置された第1の電極と、
    上記フィルタの上記第2の表面近傍に配置された第2の電極と、
    上記第1の電極と上記第2の電極との間に電圧を印加する電源とを含み、
    上記フィルタの周りに液体を充満させ、上記電極間に電圧を印加して上記液体を電気分解することによって発生した物質を用いてフィルタを洗浄することを特徴とする請求項12〜17のいずれか一に記載の微生物数測定装置。
  19. 上記液体が、上記試料液または上記洗浄液の少なくとも一方であることを特徴とする請求項18に記載の微生物数測定装置。
  20. 上記発生物質を上記フィルタ処理部から上記微生物数測定部に送り出す送出手段を有することを特徴とする請求項18または19のいずれかに記載の微生物数測定装置。
  21. 上記微生物が、1〜5μmの範囲の大きさであることを特徴とする請求項12〜20のいずれか一に記載の微生物数測定装置。
  22. 上記微生物が、大腸菌群または大腸菌であることを特徴とする請求項12〜21のいずれか一に記載の微生物数測定装置。
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