JP2005208394A - 歌声生成装置、そのプログラム並びに歌声生成機能を有する携帯通信端末 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 歌声にするためのメロディを表す楽譜データを入力する入力手段(3b)と、少なくともある一つの発声文字に対する種々の音高・音長をもつ音声をテキストで記述し規定する発音データを、それぞれについて記憶する記憶手段(4b)と、楽譜データにおける各音符の音高・音長に相当する発音データを順次記憶手段(4b)から抽出し、抽出した発音データを並べでいくことで発音データ列を生成する制御手段(1b)と、発音データ列に従って音声を発音する発音手段とを備える。
【選択図】 図7
Description
一方、特許文献1に開示された技術では、従来の規則音声合成方式による音声合成では、テキストからなる単語や文章を単に朗読できるのみで、これにメロディを付け歌声とすることができなかったことから、歌詞と音符情報から歌声を合成することができる歌声合成方法が提案されている。具体的には、楽譜やMIDI(Musical Instrument Digital Interface)ファイル等を読み込み、これに含まれる音符の情報からその基本周波数と時間長を抽出し、さらに、各音符に歌詞をひらがなで付け、これを音韻系列に分解し、抽出された基本周波数・時間長を韻律情報として、また、音韻系列をテキスト入力として、規則音声合成方式による音声合成を行うことが記述されている。
一方、特許文献1には、歌声の再生をさせることができるものとして記述はされているが、例えば、各音符に歌詞をひらがなで付ける仕組み等、具体的な手法が記載されていない。また、音声合成の単位として音声波形を用いる場合には、データ量が大きくなり、記憶容量が少ない携帯電話機等の小型の機器にはむかない。
また、本発明によれば、歌詞を表すテキスト文字列の入力を受け、楽譜データ列を構成する各発音データに含まれる発声文字を、対応する歌詞のテキスト文字に置き換え、置換後の発音データ列に従って発音するので、歌詞に基づく歌声を簡単に生成させることができる。
また、本発明によれば、楽譜を書くがごとく、楽譜データの入力者が、望みの音高・音調を指定するデータを順次選択して入力できるようにしたので、発音データを1つづつ記述・設定するのに比べ、かかる労力は各段に少なくて済み、操作が簡単なものとなる。
図1及び図7にそれぞれ、本発明の一実施の形態である歌声生成装置を構成する歌声再生装置及び歌声データ作成装置の機能構成を示している。
ここでHV−Scriptは、韻律記号(アクセント、音高(音階、音程)、発音長(音長、発音時間)などの発音態様を指定するための記号)を含む音声合成の対象となるテキスト文字列からなるものであるが、本実施の形態では、特に歌声の生成をするため、1つのHV−Scriptは、1つの発声文字とその音程・音長等を規定する韻律記号からなるものとする(詳細は後述する)。
なお、HV歌声プレイヤー1a、HVドライバ2aは、メモリおよびCPU(中央処理装置)等により構成される制御手段と、HV歌声プレイヤー1a、HVドライバ2aの機能を実現するためのプログラム(図示せず)をメモリにロードして実行することによりその機能が実現されるものとする。
HV音源4aは、CSM(複合正弦波モデル)音声合成方式によるものであるが、この場合、1つの音素が8種のフォルマントから構成されるものとして、前述の合成辞書には、8組のフォルマント周波数、フォルマントレベルおよびピッチ情報などをパラメータとして保持させている。
図3に示すように、フォルマント生成部40a〜40hの各々は、波形発生器41と、ノイズ発生器42と、加算器43と、増幅器44とから構成されている。
上記各フォルマント生成部40a〜40hの構成は、音素を構成する1つのフォルマントに関するものである。1つの音素は、いくつものフォルマント(ここでは8種)が合成されて形成されている。したがって、1つの音素を生成するためには、音素を構成する各フォルマントを生成して、これを合成する必要がある。そのために図2の構成をとりフォルマントパラメータを用いた音声合成を行っている。
HV−Scriptに含まれる韻律記号は、発声文字にその発音をする際のアクセント等を指定するものであり、歌声生成以外にも一般的な音声合成にも利用できるものである。ここで、一般的な音声合成に利用されるHV−Scriptの一例を示す。
このHV−Script「か_3さが ほ^5し_4い’4ね$2ー」は、「かさがほしいねー」という言葉にイントネーションを付加して音声合成させるための韻律記号を用いた記述である。この例に記述された記号「’」、「^」、「_」、「$」等が韻律記号であり、文字(かな文字または長音「−」)に付加するイントネーションの種別を示すもので、この記号の後の文字(この記号の直後に数値がある場合は、この数値に続く文字)に対して、所定のアクセントを付加するものである。
前述のように一般的な音声合成に利用できるHV−Scriptと、ここで示す歌声用HV−Scriptの違いの1つとして、歌声用HV−Scriptでは、1つの歌声用HV−Scriptに含まれる発声文字が1文字のみである点が挙げられる。
ここで、制御記号“S**”(**は、所定の数値が設定される)は、一つの発声文字または長音の発音長を規定するものであり、例えばS54は、80msの長さを示すものである。従って、発声文字が「ら」と、長音「−」を合計6個用いて、全体で80ms×6=480msとなり、それを、テンポ120の4分音符の長さとしている(テンポ120の4分音符は、正確には500msであるが、ここでは480msとする)。
また、歌声用HV−Scriptでは、上記例にて用いている長音“−”に加え、発声文字の発音長を規定する制御記号“S**”を用いて、歌声の中で発音される発声文字の発音長が指定された音符の音長に一致するように記述される。
例えば図6に示す楽譜に対応する歌声データを、発声文字「ら」だけで作ると以下のようになる。
L1W2S54
C2$4ら^4>2−−>−−−>&
C2$4ら^4>2−>−>&
D2$4ら^4>2−>−>&
S53E2$4ら^4>2−−>−−>−−>−−−>&
上記に対し、実際の歌詞でHV歌声データを作ると以下のようになる。
L1W2S54
C2$4お^4>2−−>−−−>&
C2$4し^4>2−>−>&
D2$4え^4>2−>−>&
S53E2$4て^4>2−−>−−>−−>−−−>&
なお、HV歌声データは、歌声用HV−Scriptを並べて記述されるものであるが、各歌声用HV−Scriptに共通する制御記号は、上記例のようにまとめて記述することができる。もちろん、各歌声用HV−Script毎に制御記号の列を記述するようにしてもよい。上記例にて、制御記号の列L1W2S54は、続く3つの歌声用HV−Scriptに作用し、最後の歌声用HV−Scriptには、制御記号“S**”について、元々この歌声用HV−Scriptに含まれるS53が(他のものと異なるので)記述されている。
ところで、休符を表すHV−Scriptはスペースであり、発声文字も同様に、そのスペースの前に置かれている制御記号“S**”でその時間が規定される。スペースを置くことにより、その時間は無音となる。
例えば、発声文字「ら」の歌声用HV−Scriptしか用意されてなく、発声文字「う」の歌声用HV−Scriptは、これがテンポ120で、4分音符かつC2であれば、テンポ120で4分音符かつC2の発声文字「ら」の歌声用HV−Scriptの「C2$4ら^4>2−−>−−−>&」を用いて、「C2$4う^4>2−−>−−−>&」とする。後述する歌声生成装置の動作説明では、このような変更処理を行うものとしている。
なお、こうした歌声用HV−Scriptの記述は、その制作者がその発音を試聴して最も適したものが選ばれる。
図7は、歌声データ作成装置の機能構成を示すブロック図である。
選択入力部1b−1は、表示部2bに、テンポと、音符(休符を含む)及びその音高を選択させるための表示をさせ、ユーザによりその選択された音符(すなわちその音長)とその音高を示す情報からなる楽譜データの入力を受ける。具体的には、例えば、各音符の絵、音高を示すC2、E3…等を表示し、その中からユーザに所望の音符とその音高等を選択できるようにし、これらの入力を受け付ける。
HV歌声データ生成部1b−3は、ユーザが入力した楽譜データの並びに応じて、歌声用HV−Script抽出部1b−2がHV歌声DB4bから抽出した歌声用HV−Scriptを順に並べてHV歌声データとする。
発声文字置換部1b−5は、HV歌声データ生成部1b−3が生成したHV歌声データに含まれる各発声文字を、歌詞入力部1b−4に入力された歌詞をなす各文字に置換する。
なお、制御部1bはメモリおよびCPU(中央処理装置)等により構成され、上記各部の機能を実現するためのプログラム(図示せず)をメモリにロードして実行することによりその機能が実現されるものとする。
ここで、本実施の形態の歌声生成装置の動作について、図8,図9を参照し説明する。
ステップS103では、制御部1bのメモリのHV歌声データ用領域にヘッダー(HV#J)を置く。
そして、ステップS114にて、置き換えられたHV歌声データを制御部1bが有するメモリに保存して終了する。
以上のようにして生成されたHV歌声データは、歌声生成装置に含まれるHV歌声再生プレイヤー1によって下記のように再生される。なお、上記ステップS110における試聴時も同様にして再生される。
上記発声文字列を受けたHVドライバ2は、合成辞書用メモリ3に格納された合成辞書を参照し、フォルマントフレーム列に変換する。さらに、この発声文字列に含まれる韻律記号に応じて変更を加えたフォルマントフレーム列をHV音源4aに出力する(ステップS202)。
以後、ステップS204の判断で当該HV歌声データの最後が検出されるまで、HV歌声プレイヤー1は、ステップS201〜S204の処理を繰り返し、HV歌声データの最後が検出された時点で以上の処理を終了する。
以上に説明したように、本実施の形態の歌声生成装置では、楽譜と歌詞を見て、その音符と音高を選択入力し、さらに、その音符を発音したい文字(歌詞)との組み合わせで選んでいくだけで、歌声再生のためのデータを作ることができるので、テキスト記述によるHV−Scriptを1から構成するのに比べて、労力がかからず、また、簡単に歌声の再生を行うことができる。
図11は本実施形態による歌声再生装置を具備する携帯電話機の構成例を示すブロック図である。
同図において21は各部を制御するCPUである。22はデータ送受信用のアンテナである。23は通信部であり、送信用データを変調してアンテナ22へ出力すると共に、アンテナ22によって受信された受信用データを復調する。24は音声処理部であり、通話時に通信部23から出力される通話相手の音声データを音声信号に変換してイヤスピーカ(図示せず)へ出力し、マイク(図示せず)から出力される音声信号を音声データに変換して通信部23へ出力する。
また、図1におけるHV−Scriptプレイヤー1及びHVドライバ2、あるいは、図7における制御部1bの機能を実現するためのプログラムを、音声合成可能が可能なコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりHV−Scriptによる歌声の生成を行ってもよい。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (8)
- 歌声にするためのメロディを表す楽譜データを入力する入力手段と、
少なくともある一つの発声文字に対する種々の音高・音長をもつ音声をテキストで記述し規定する発音データを、それぞれについて記憶する記憶手段と、
前記楽譜データにおける各音符の音高・音長に相当する前記発音データを順次前記記憶手段から抽出し、抽出した発音データを並べでいくことで発音データ列を生成する制御手段と、
前記発音データ列に従って音声を発音する発音手段と、を具備する
ことを特徴とする歌声生成装置。 - 前記発音データは、発声文字と該発声文字を前記発音手段に発音させる際の音高・音長を規定する韻律記号とからなり、
前記制御手段は、前記抽出された発音データの発声文字を、前記入力手段により入力されたユーザの所望の文字に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の歌声生成装置。 - 前記入力手段は、歌詞を表すテキスト文字列の入力を受け、
前記制御手段は、前記楽譜データ列を生成する際には、前記楽譜データで示される各音符の音高・音長毎に、ある一つの発声文字に対する発音データを抽出し、その後生成される前記楽譜データ列を構成する各発音データに含まれる発声文字を、対応する歌詞のテキスト文字に置き換える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歌声生成装置。 - 前記発音データは、少なくとも一つのテンポに対応するものであり、
前記制御手段は、前記楽譜データのテンポが、前記記憶手段に記憶される発音データが対応するテンポと異なる場合、これらのテンポの比に従って、前記発音データ列を生成する際に、これに含まれる発音データの韻律記号に対し音長を調整する変更を加え、入力された楽譜データのテンポに合わせる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の歌声生成装置。 - 一つの発声文字に対応する前記発音データは、その発声文字を前記発音手段に発音させる際、最初は楽譜データで指定された音高より低い音高で発音させ、その後指定された音高に戻すように記述されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の歌声生成装置。 - 前記記憶手段は、一つの発声文字を前記発音手段に発音させる際に発音途中で音高を上下させるように記述されているビブラート用の発音データをさらに記憶している
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかにに記載の歌声生成装置。 - 発音データ列に従って音声を発音する発音手段を有するコンピュータシステムに、
少なくともある一つの発声文字に対する種々の音高・音長をもつ音声をテキストで記述し規定する発音データを、それぞれについて記憶させるステップと、
歌声にするためのメロディを表す楽譜データの入力を受けるステップと、
前記楽譜データにおける各音符の音高・音長に相当する前記発音データを順次前記記憶手段から抽出するステップと、
抽出した発音データを並べでいくことで発音データ列を生成するステップとを実行させるためのプログラム。 - 携帯電話機等の携帯通信端末において、
歌声にするためのメロディを表す楽譜データを入力する入力手段と、
少なくともある一つの発声文字に対する種々の音高・音長をもつ音声をテキストで記述し規定する発音データを、それぞれについて記憶する記憶手段と、
前記楽譜データにおける各音符の音高・音長に相当する前記発音データを順次前記記憶手段から抽出し、抽出した発音データを並べでいくことで発音データ列を生成する制御手段と、
前記発音データ列に従って音声を発音する発音手段と、を具備した
ことを特徴とする携帯通信端末。
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