以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[弾球遊技機の構成]
本実施形態における弾球遊技機の概観を示す正面図を図1に示す。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る弾球遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、が配置されている。また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。
更には、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
更にまた、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者によって発射ハンドル26が握持されたと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。このように、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域を遊技領域と称する。
遊技盤14の前面の略中央には、可変表示手段としての液晶表示装置32が設けられている。この液晶表示装置32は、表示領域32aを有するものであり、表示領域32aには、識別情報が可変表示される。また、このような識別情報は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄92として構成されるものである。特別図柄ゲームの詳細については後述する。この識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”までの数字を用いる。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、この液晶表示装置32には、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する識別情報が可変表示される。これら複数の図柄列において識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行することとなる。また、導出表示された複数の識別情報の組合せが、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”、“3”、“5”、“7”、“9”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特定大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行し、その特定遊技状態が終了した場合に、高確率遊技状態に移行することとなる。なお、高確率遊技状態でない状態を通常遊技状態とする。液晶表示装置32には、これらの識別情報の他にも、背景画像、演出用の演出画像、普通図柄画像等が表示される。尚、本実施形態においては、識別情報を複数の図柄列で構成したが、これに限らず、例えば、識別情報を一列の図柄列で構成してもよい。なお、特定の表示態様は、特定の組合せに相当し、特別の表示態様は、特定の組合せに相当する。また、高確率遊技状態は特別遊技状態に相当し、高確率遊技状態でない遊技状態は通常遊技状態に相当する。
また、遊技盤14の下左側には、操作手段に相当する操作ボタン80が設けられており、後述するように、この操作ボタン80を遊技者は押圧操作することによって、識別情報の変動表示を擬似的に停止表示することが可能となる。遊技者が操作ボタン80により識別情報の変動表示を擬似的に停止表示することが可能となる時期は毎回の可変表示ではなく、所定条件を満たしたリーチ(後述する操作ボタンリーチ)の場合だけである。「擬似的に」と表現した理由は、遊技者が操作ボタン80を押圧したタイミング丁度に、識別情報が必ず停止するわけではなく、どの識別情報が停止表示するかは、抽選によって決定されるからである。
なお、本実施形態においては、操作ボタン80が操作手段の一例として説明しているが、本発明はこれに限らず、例えば、操作手段に相当するものとして、タッチパネルなど遊技者の操作を感知するものであればどのようなものであってもよい。
液晶表示装置32の左の側部には、球通過検出器54が設けられている。この球通過検出器54は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、表示領域32a上において普通図柄94の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。また、液晶表示装置32の側方には、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示するための普通図柄保留ランプ50が設けられている。また、この普通図柄ゲームにおける保留個数には、上限(例えば、4個)が設定されている。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10における遊技盤14の前面略中央に設けられている場合を示したが、遊技者により視認可能な位置であれば何処の位置に液晶表示装置32を設けることとしてもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32に識別情報及び普通図柄を可変表示させたが、これに限らず、液晶表示装置32とは別体に普通図柄用の可変表示装置を備えるように構成してもよい。また、可変表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、可変表示手段としてドラム、ベルト、リーフ等を可変表示手段として採用してもよい。
更にまた、液晶表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材59a及び59bも設けられている。また、遊技盤14の下左側と下右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
上述した液晶表示装置32の上方には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の一般入賞口56a〜56dが設けられている。
この一般入賞口56a〜56dの近傍には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。つまり、大入賞口39は、遊技領域に設けられている。上述した導出表示された識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、遊技状態が特定遊技状態である大当り遊技状態に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口39には、V・カウントセンサ102(図2参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図2参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口39が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口39内に設けられた特定領域を通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にする。
また、大入賞口39が開放状態において、その大入賞口39へ入賞した遊技球の個数が特定数(例えば、10個)に至った後には、詳しくは後述するが、大入賞口39に入賞した遊技球が後述する上皿20又は下皿22に排出されることとなる。
また、液晶表示装置32の下方には、始動入賞球センサ116(図2参照)を有する始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の識別情報の可変表示開始条件とは、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したことを主な条件とする。また、その他にも、識別情報が導出表示されていることを条件ともする。つまり、所定の識別情報の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の識別情報の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける識別情報の変動表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は一回分である。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
保留されている識別情報の可変表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)は、保留ランプ34a〜34dの点灯/消灯によって表示される。例えば、識別情報の可変表示の実行が1回分保留されている場合には、保留ランプ34aが点灯し、保留ランプ34b〜34dが消灯する。識別情報の可変表示の実行が2回分保留されている場合には、保留ランプ34a及び34bが点灯し、保留ランプ34c及び34dが消灯する。識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている場合には、保留ランプ34a〜34cが点灯し、保留ランプ34dが消灯する。識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている場合には、保留ランプ34a〜34dが点灯する。
保留される識別情報の可変表示の実行回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として識別情報の可変表示が保留される。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、4回目の実行が保留されるが、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、5回目の実行が保留されず、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態を維持することとなる。
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の変動表示中において球通過検出器54の近傍を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が導出表示されるまで、当該球通過検出器54への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。普通図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、普通図柄が導出表示された場合には、所定時間経過後、保留されている普通図柄の可変表示が開始される。また、普通図柄が導出表示された場合に実行される普通図柄の可変表示の実行は一回分である。この保留された普通図柄の可変表示の実行回数(所謂、「普通図柄に関する保留個数」、「普通図柄ゲームにおける保留個数」)は、普通図柄保留ランプ50の点灯/消灯によって表される。また、普通図柄の可変表示の実行が保留される回数にも上限が設定されており、例えば、4回を上限として普通図柄の可変表示が保留される。
尚、本実施形態においては、4回を上限として識別情報の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、識別情報の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、識別情報の可変表示を保留しないように構成してもよい。また、本実施形態においては、4回を上限として普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、普通図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、普通図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
また、上述した始動口44、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図2に示す。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図2に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲーム、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。高確率フラグは、特定遊技状態である大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当りではない場合に導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、特定遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、V・カウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数を示すものである。
また、メインRAM70には、特別図柄記憶領域、普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
特別図柄記憶領域は、特別図柄ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当り判定用乱数値、クリアデータ等のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)がある。特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。また、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータが記憶されている。つまり、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないこととなる。また、現在の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄記憶領域の更新が行われる。一方、普通図柄記憶領域に関しても、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域(0)から普通図柄記憶領域(4)がある。また、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域の更新制御が行われる。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図2に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、球通過検出器54に設けられている。この通過球センサ114は、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の払出制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射(投入)する発射手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46a及び46b)から発生させる音声に関する制御、保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50、装飾ランプ36a及び36bを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
演出制御手段としての副制御回路200は、可変表示制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、保留ランプ34a〜34d、装飾ランプ36a及び36bを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
また、プログラムROM208には、演出パターンが複数種類記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の可変表示に応じて実行されるものである。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、可変表示制御手段としての画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
画像データROM216には、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データをD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
音源IC232は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源IC232は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。
また、副制御回路200には、操作ボタン80が接続されている。前述したように、遊技者は、所定条件を満たしたリーチが発生した場合に、操作ボタン80を操作することによって、識別情報の変動表示を擬似的に停止表示させることが可能である。操作ボタン80の操作が行われると、操作ボタン80より操作ボタン80が操作された旨の信号が発生され、その信号がサブCPU206へ供給される。サブCPU206は、遊技者による操作ボタン80の操作を契機にVDP212に画像表示命令を供給する。VDP212、D/Aコンバータ218で実行される処理を経て、液晶表示装置32は、後述する大当り図柄の決定処理(図10のステップS107参照)又ははずれ図柄の決定処理(図10のステップS108参照)によって決定された識別情報の可変表示の結果に基づいて、左列、中列、右列のうちの一列(例えば、中列)に対応する識別情報を停止表示させる。
[変動パターン決定テーブルの説明]
次に、メインROM68に記憶されている変動パターン決定テーブルについて図3を用いて説明する。尚、以下説明する変動パターン決定テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
メインROM68には、図3に示すように、変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルが記録されている。
図3に示す変動パターン決定テーブルには、遊技状態、導出表示される識別情報の当落、リーチの有無、リーチの有無及び変動パターンを示す情報が記録されている。これらの変動パターンを示す情報には、乱数値(図4には乱数値を図示せず)が対応付けられている。従って、変動パターンは、遊技状態、導出表示された識別情報の当落、リーチの有無、及び抽出した乱数値と、変動パターン決定テーブルが参照されることによって決定される。
具体的には、遊技状態が「通常遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無として「リーチなし」の場合は、抽出した乱数値にかかわらず変動パターンは“1”に決定される。また、遊技状態が「通常遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは“2”から“4”のいずれかに決定される。また、遊技状態が「通常遊技状態」、導出表示された識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無として「リーチあり」の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは“5”から“7”のいずれかに決定される。また、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無が「リーチなし」の場合は、抽出した乱数値にかかわらず変動パターンは“8”に決定される。また、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは“9”から“11”のいずれかに決定される。また、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合は、の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは12”から“14”のいずれかに決定される。
変動パターン決定テーブルで決定された変動パターンは、主制御回路60から変動パターン指定コマンドによって、副制御回路200に供給され、後述するように演出パターンを選択するためのファクターとなる。
[演出パターン選択テーブル]
次に、プログラムROM208に記憶されている演出パターン選択テーブルについて図4を用いて説明する。尚、以下説明する演出パターン選択テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208には、図4に示すように、演出パターンを選択するための演出パターン選択テーブルが記憶されている。
図4に示す演出パターン選択テーブルには、変動パターン、図柄及び演出パターンを示す情報が記録されている。ここで、導出表示された識別情報とは、識別情報の可変表示の結果、つまり左列、中列、右列に導出表示される識別情報を示す。このように、演出パターンは、主制御回路60から供給される変動パターン指定コマンドと導出図柄指定コマンドに基づいて選択される。ここで、変動パターン指定コマンドには変動コマンドのデータが含まれている。また、導出図柄指定コマンドには導出表示される識別情報のデータが含まれている。従って、変動パターン、導出表示される識別情報に応じて、(低確率用)通常変動ハズレ、(高確率用)通常変動ハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ及び操作ボタンリーチのいずれかが演出パターンとして選択される。
具体的には、変動パターンが“1”の場合は、導出表示された識別情報がいかなるものであっても演出パターンは(低確率用)通常変動ハズレに決定される。以下、変動パターンが“1”から“13”までの場合、演出パターンの選択は導出表示される識別情報に左右されることなく、常に変動パターンに基づいて選択される。例えば、変動パターンが“2”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“3”の場合、演出パターンとしてスーパーリーチが選択される。また、変動パターンが“4”の場合、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。また、変動パターンが“5”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“6”の場合、演出パターンとしてス−パーリーチが選択される。また、変動パターンが“7”の場合、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。また、変動パターンが“8”の場合、演出パターンとして(高確率用)通常変動ハズレが選択される。また、変動パターンが“9”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“10”の場合、演出パターンとしてスーパーリーチが選択される。また、変動パターンが“11”の場合、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。また、変動パターンが“12”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“13”の場合、演出パターンとしてス−パーリーチが選択される。
一方、変動パターンが“14”の場合のみ、導出表示される識別情報が非特定識別情報であるか特定識別情報であるかによって、選択される演出パターンが異なることになる。具体的には、導出表示される識別情報が非特定識別情報である場合は、演出パターンとして操作ボタン80を使用しないスーパーリーチが選択され、導出表示される識別情報が特定識別情報である場合は、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択されることになる。ここで、特定識別情報とは、特定の表示態様となる導出表示をされた複数列の識別情報を意味し、非特定識別情報とは、特定の表示態様とはならない導出表示をされた複数列の識別情報を意味する。
また、通常変動ハズレとは、左列における識別情報と右列における識別情報とが一致しない、つまり、リーチにならない演出パターンである。一方、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、及び操作ボタンリーチは、例えば、第1停止列としての左列における識別情報と、第2停止列としての右列における識別情報とが一致し、リーチになる演出パターンである。また、操作ボタンリーチの場合は、後述するように遊技者の操作ボタン80(図1参照)の操作により、第3停止列としての中列の識別情報が擬似的に停止可能となる。なお、操作ボタンリーチは、操作リーチ演出パターンに相当する。
ここで、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択されるのは、変動パターンが“4”、“7”、“11”及び“14”の場合である。
ここで、変動パターンが“14”の場合に、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択されるのは、導出表示される識別情報が「非特定識別情報」の場合である。従って、変動パターンが“14”が決定された遊技者は、操作ボタン80を操作することによって(操作しなくても)、大当りとすることができる。しかし、遊技状態が高確率遊技状態である場合、遊技者によっては高確率遊技状態から通常遊技状態に移行することを回避するため、非特定識別情報による大当りとなることを避ける場合がある。このため、非特定識別情報になる可能性があるリーチとなった場合に、非特定識別情報の大当りとなることを防止するため、操作ボタン80をわざと大当りとならないように操作する遊技者もいる。しかし、識別情報の可変表示の結果は、抽選で決定されるため、遊技者の意図に反して、非特定識別情報で大当りとなってしまう場合がある。
しかし、本実施形態のパチンコ遊技機10においては、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合に、導出表示された識別情報が「非特定識別情報」の場合はスーパーリーチが、導出表示された識別情報が「非特定識別情報」の場合は操作ボタンリーチが演出パターンとして選択されるため、非特定識別情報になる可能性があるリーチとなった場合に、非特定識別情報による大当りを避ける遊技者の意に反して、非特別図柄による大当りとなってしまうことはない。つまり、操作ボタンリーチに対する疑念を遊技者に抱かせることを回避でき、遊技者の遊技機に対する興趣の向上を図ることができる。
[操作ボタンリーチの説明]
次に、上述した操作ボタンリーチに関する表示画面について図5を用いて説明する。
液晶表示装置32における表示領域32a上には、複数列における識別情報(特別図柄ゲームにおける特別図柄92)の導出表示がされている場合において、識別情報の可変表示開始条件が成立したときには、可変表示が実行される。また、識別情報の可変表示は、識別情報の変動表示が開始され、変動表示された複数列の識別情報が所定の順序で導出表示される。そして、第一停止列(例えば、左列)、第二停止列(例えば、右列)が停止表示され、それらの列に停止表示される識別情報が所定の組合せとなった場合には、リーチとなる。通常の場合は、次に第三停止列(例えば、中列)が停止表示され、その導出表示された複数列の識別情報が特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となったことを条件に、遊技状態が特定遊技状態に移行されることとなる。
演出パターンとして操作ボタンリーチが選択されると、第一停止列(例えば、左列)、第二停止列(例えば、右列)が停止表示された後、図5に示すような画像が表示され、操作ボタン80の操作が可能となる。遊技者は、第一停止列(例えば、左列)及び第二停止列(例えば、右列)と同じ識別情報を第三停止列(例えば、中列)で停止表示させるタイミングで、操作ボタン80を操作することになる。
しかし、遊技者が操作ボタン80を操作することによって第三停止列(例えば、中列)を停止表示させたように見えても、第三停止列(例えば、中列)が停止表示され、導出表示された複数列の識別情報が特定の表示態様であるか否かは、抽選によって既に決定されている。従って、遊技者が操作ボタン80を操作したタイミングで第三停止列(例えば、中列)が停止表示される場合があるが、反対に遊技者が操作したタイミングとは異なる第三停止列(例えば、中列)が停止表示される場合もある。また、操作ボタン80がボタン操作されない場合は、所定時間経過後抽選によって決定された識別情報の可変表示結果が表示されるように、第三停止列(例えば、中列)が停止表示される。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図6から図7、図8に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図6)の状態遷移について図9を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図6に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図7を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32に表示される識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図7を用いて説明する。
最初に、図7に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、始動口44、球通過検出器54、一般入賞口56a〜56d等の遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、左列、中列、右列に導出表示される識別情報の種類を示す導出図柄指定コマンド、識別情報の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。また、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図6のステップS15において実行されるサブルーチンについて図8を用いて説明する。尚、図8において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図8に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図9を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“15”以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。詳しくは図9を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、大当り図柄が特定の図柄である場合には、高確率遊技状態に移行させる制御を行い、この場合、高確率フラグをオンにセットする。反対に、メインCPU66は、大当り図柄が特定の図柄でない場合には、高確率フラグをオフにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図9に示すように、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図8に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図8に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、特定遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図8に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、特定遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図8に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、又は、大当りラウンド最大継続数(本実施形態においては15ラウンド)が終了したことを条件として特定遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図8のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図10を用いて説明する。
最初に、図10に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、高確率時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、特定遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が高確率遊技状態である場合には、特定遊技状態に移行する確率(識別情報の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な特定遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。特に、メインCPU66は、左列、中列、右列に対応する識別情報を特別の表示態様(大当り図柄が特定識別情報である表示態様)として決定する場合には、後述するステップS184、185の処理において高確率遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な有利遊技状態としての高確率遊技状態に移行するか否かを決定することとなる。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図8のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄決定用乱数カウンタからはずれ図柄決定用乱数値を抽出し、そのはずれ図柄決定用乱数値に基づいて左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図8のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、つまり、識別情報の可変表示の結果を決定することとなる。
尚、メインCPU66は、左列と右列とが同じ識別情報となり、更には、左列と中列とが同じ識別情報となる場合には、中列の識別情報を、所定のコマ数(例えば3コマ)だけ補正するように決定し、大当りにならないように制御している。つまり、本ステップにより、識別情報の可変表示の結果が、その識別情報の可変表示の結果が導出表示される以前に決定されるのである。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。詳しくは図11において後述する。この処理において、CPU66は、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図7のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じて演出パターンを決定し、その演出パターンに基づいて演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルと、に基づいて、変動演出時間を算出し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[変動パターン決定処理]
図10のステップS109において実行されるサブルーチンについて、図11を用いて説明する。
最初に、図11に示すように、遊技状態確認処理を行う(ステップS501)。この処理において、メインCPU66は、図8のステップS80において高確率フラグがオンにセットされているか否かの判断を行い、高確率フラグがオンにセットされていると判別した場合は、遊技状態を通常遊技状態と判別し、高確率フラグがオンにセットされているとは判別しなかった場合は、遊技状態を高確率遊技状態と判別する。この結果を参照して、メインCPU66はステップS504における変動パターン決定処理を行う。
ステップS502においては、大当り判定確認処理を行う。この処理において、メインCPU66は、図10のステップS106の処理において決定された識別情報の可変表示の結果が大当りであるか否かの判断を行う。この結果を参照して、メインCPU66はステップS504における変動パターン決定処理を行う。
ステップS503においては、リーチ判定確認処理を行う。この処理において、CPU66は、図10のステップS107及びステップS108の処理において、第1停止列(例えば、左列)における識別情報と、第2停止列(例えば、右列)における識別情報とが一致するリーチ状態であるか否かの判断を行う。この結果を参照して、メインCPU66はステップS504における変動パターン決定処理を行う。
ステップS504においては、変動パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、所定の乱数抽出を行い、ステップS501、S502及びS503の処理の結果と、抽出した乱数値と所定の値との比較結果に基づき変動パターンを決定する。具体的には、図3の変動パターン決定テーブルを参照して、変動パターンを決定する。
具体的には、遊技状態が「通常遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無として「リーチなし」の場合は、抽出した乱数値にかかわらず変動パターンは“1”に決定される。また、遊技状態が「通常遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは“2”から“4”のいずれかに決定される。また、遊技状態が「通常遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無として「リーチあり」の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは“5”から“7”のいずれかに決定される。また、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無が「リーチなし」の場合は、抽出した乱数値にかかわらず変動パターンは“8”に決定される。また、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「はずれ」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは“9”から“11”のいずれかに決定される。また、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合は、の場合は、抽出した乱数値に応じて、変動パターンは12”から“14”のいずれかに決定される。
[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンドを受信し、図12に示すようなコマンド受信処理を実行することとなる。
[コマンド受信処理]
最初に、図12に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS301)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく変動パターンを決定し、決定された変動パターンを示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS302)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、ステップS303に処理を移す。なお、図12中では、変動パターン指定コマンドを変動パターンコマンドと略している。
ステップS301の処理により変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、導出図柄指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS303)。この処理において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく停止図柄を決定し、決定された停止図柄を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS304)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS303の処理により導出図柄指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、図柄確定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS305)。この処理において、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合には、停止図柄の確定処理を実行する(ステップS306)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS307に処理を移す。
ステップS305の処理により図柄確定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、遊技状態指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS307)。この処理において、サブCPU206は、遊技状態指定コマンドを受信したと判別した場合には、遊技状態指定コマンドに対応するデータをセットする(ステップS308)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、遊技状態指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、その他の受信したコマンドに対応する処理を実行し(ステップS309)、本サブルーチンを終了する。このその他の受信したコマンドには、例えば、導出普通図柄指定コマンド、普通図柄変動パターン指定コマンド等、各種のコマンドが相当する。その他の受信したコマンドに対応する処理には、例えば、導出普通図柄指定コマンドを受信した場合には、サブCPU206が導出普通図柄指定コマンドに基づいて導出表示させる図柄を示すデータをワークRAM210にセットする処理、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合には、その普通図柄変動パターン指定コマンドに基づいて、変動表示させる普通図柄の変動パターンを示すデータをワークRAM210にセットする処理等、各種の処理が含まれる。
このように副制御回路200で、コマンド受信処理が実行された場合には、サブCPU206は、導出図柄指定コマンド、変動パターン指定コマンド等に基づいて、液晶表示装置32の表示領域32aにおける左列、中列、右列のそれぞれに対応する識別情報画像(特別図柄ゲームに用いる識別情報画像)を導出表示するためのデータ、演出パターンを表示するためのデータをVDP212に供給する。
そして、VDP212は、サブCPU206からのデータに基づいて、識別情報を示す特別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄画像データ等、各種の画像データを画像データROM216から読み出す。特に、VDP212は、サブCPU206から供給された各種の遊技状態報知データに基づいて、遊技状態報知画像データを画像データROM216から読み出す。そして、VDP212は、それらの画像データを重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示を行う。
このように、サブCPU206は、VDP212に対して、各種のデータを供給することにより、特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示を行わせるとともに、その識別情報の可変表示に伴って選択された演出パターンに対応する演出表示を実行させることとなる。
[演出パターン選択処理]
また、副制御回路200では、コマンド受信処理の他にも、所定のタイミングで図13に示すような演出パターン選択処理を実行することとなる。
最初に、図13に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS321)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、本サブルーチンを終了する。なお、図13では、変動パターン指定コマンドを変動パターンコマンドに略している。
ステップS321の処理により変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、導出図柄指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS322)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS322の処理により導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、演出パターン選択処理を実行する(ステップS323)。この処理において、サブCPU206は、ステップS321及びS322の処理の結果に基づいて演出パターンを選択する。具体的には、図4の操作パターン選択テーブルを参照して、演出パターンを選択する。
具体的には、変動パターンとして“1”の場合は、導出表示される識別情報がどれであっても演出パターンとして(低確率用)通常変動ハズレが選択される。以下、変動パターンが“1”から“13”までの場合、導出表示される識別情報に左右されることなく、変動パターンに基づいて演出パターンを選択する。例えば、変動パターンが“2”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“3”の場合、演出パターンとしてスーパーリーチが選択される。また、変動パターンが“4”の場合、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。また、変動パターンが“5”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“6”の場合、演出パターンとしてス−パーリーチが選択される。また、変動パターンが“7”の場合、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。また、変動パターンが“8”の場合、演出パターンとして(高確率用)通常変動ハズレが選択される。また、変動パターンが“9”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“10”の場合、演出パターンとしてスーパーリーチが選択される。また、変動パターンが“11”の場合、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。また、変動パターンが“12”の場合、演出パターンとしてノーマルリーチが選択される。また、変動パターンが“13”の場合、演出パターンとしてス−パーリーチが選択される。
一方、変動パターンが“14”の場合のみ、導出表示される識別情報が非特定識別情報であるか特定識別情報かによって、演出パターンが異なって選択される。具体的には、導出表示される識別情報が非特定識別情報である場合は、演出パターンとしてスーパーリーチが選択され、導出表示される識別情報が特定識別情報である場合は、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択される。
ステップS323の操作パターン選択処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[操作ボタン処理]
また、副制御回路200では、コマンド受信処理、演出パターン処理の他にも、所定のタイミングで図14に示すような操作ボタン処理を実行することとなる。
最初に、図14に示すように、操作ボタンリーチが選択されたか否かを判断する(ステップS331)。この処理において、サブCPU206は、ステップS323の処理によって、選択された演出パターンが操作ボタンリーチであるか否かを判断する。サブCPU206は、選択された演出パターンが操作ボタンリーチであるとは判別しなかった場合は、本サブルーチンを終了し、選択された演出パターンが操作ボタンリーチであると判別した場合は、ステップS332に処理を移す。
ステップS332においては、操作ボタンの操作条件が成立したか否かの判断を行う。この処理において、サブCPU206は、例えば、リーチ状態になってから一定の時間が経過し、かつ、図5の画像が液晶表示装置32に表示されたか否かを判断する。サブCPU206は、例えば、リーチ状態になってから一定の時間が経過し、かつ、図5の画像が液晶表示装置32に表示されたとは判別しなかった場合には、この処理を繰り返し、リーチ状態になってから一定の時間が経過し、かつ、図5の画像が液晶表示装置32に表示されと判別した場合には、ステップS333に処理を移す。
ステップS333においては、操作ボタンが操作されたか否かの判断を行う。この処理において、サブCPU206は、操作ボタン80が遊技者により操作されたことにより発生した信号を検知したか否かを判断する。サブCPU206は、操作ボタン80が遊技者により操作されたことにより発生した信号を検知したとは判別しなった場合には、ステップS335に処理を移し、操作ボタン80が遊技者により操作されたことにより発生した信号を検知したと判別した場合には、ステップS334に処理を移す。
ステップS334においては、演出内容変更処理を行う。この処理において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたことによって発生した信号を受信したことを条件に、第3停止列(例えば、中列)が一度停止表示されるような識別情報の可変表示が行われるように、画像表示命令をVDP212に供給する。この処理によって、第3停止列(例えば、中列)が一度停止表示されるように、識別情報の可変表示が行われる。しかし、最終的には、図10のステップS107又はステップS108で決定された識別情報の可変表示の結果に基づいて第3停止列における識別情報が導出表示されることになる。この処理が終了した場合は、ステップS335に処理を移す。
ステップS335においては、操作ボタンの操作終了条件が成立したか否かの判断を行う。この処理において、サブCPU206は、例えば、所定の時間が経過したか否か、又は操作ボタン80が操作された旨の信号を受信したか否かの判断を行う。サブ206は、操作ボタン80の操作終了条件が成立したとは判別しなかった場合には、ステップS333に処理を戻し、操作ボタン80の操作終了条件が成立したと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、図4の操作パターン選択テーブルにおいて、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無が「リーチあり」の場合であって、変動パターン“14”の場合には、操作ボタンリーチかスーパーリーチかの決定を特定識別情報か非特定識別情報によって決定するようにされていたが、第2の実施形態では、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択された後に、導出表示された識別情報として特定識別情報決定されるパチンコ遊技機10について説明を行う。なお、第1の実施形態と同じ内容については説明を省略し、第1の実施形態と第2実施形態で内容が異なる部分について説明を行う。
[識別情報決定テーブル]
プログラムROM208に記憶されている識別情報決定テーブルについて図15を用いて説明する。尚、以下に説明する識別情報決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208には、図15に示すように、導出表示された識別情報を決定するための識別情報決定テーブルが記録されている。
図15に示す識別情報決定テーブルには、変動パターン、演出パターン及び図柄を示す情報が記録されている。導出表示された識別情報には、変動パターンが“14”の場合以外は、特定識別情報、非特定識別情報毎に乱数値(図15には乱数値を図示せず)が対応付けられている。このように、変動パターンが“14”の場合以外は、図3の変動パターン決定テーブルによって決定された変動パターン、これにともなって決定された演出パターン及び抽出した乱数値と、識別情報決定テーブルが参照されることによって、導出表示された識別情報が決定されることになる。
具体的には、変動パターンが“1”の場合は、演出パターンとして(低確率用)通常変動ハズレが選択され、更に抽出した乱数値に応じて、導出表示された識別情報は特定識別情報か非特定識別情報かどちらかに決定される。以下変動パターン“1”から“13”までは、導出表示された識別情報は抽出した乱数値に応じて特定識別情報か非特定識別情報かどちらかに決定される。
一方、図15に示すように、変動パターンが“14”の場合は、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択され、導出表示された識別情報は必ず特定識別情報に決定されることになる。
ここで、例えば、高確率遊技状態において、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択された場合は、遊技者は、高確率遊技状態を維持するために、識別図柄の可変表示の結果が非特定識別情報とならないようなタイミングで操作ボタン80の操作を行うことになる。しかし、識別図柄の可変表示の結果は、抽選によって既に決められているため、識別図柄の可変表示結果が、遊技者の意に反して、非特定識別情報となってしまう場合があり、操作リーチ遊技者の遊技機に対する興趣の減退を招く恐れがあった。
しかし、変動パターンが“14”の場合、つまり遊技状態が「高確率遊技状態」であって、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、リーチの有無が「リーチあり」の場合は、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択され、導出表示された識別情報が必ず識別情報決定処理に決定されることになるので、上記のような操作ボタンリーチに対する疑念を遊技者に抱かせることを回避することができる。従って、遊技者の遊技機に対する興趣の維持を図ることができる。
[識別情報決定処理]
副制御回路200では、第1の実施形態で述べたコマンド受信処理の他にも、所定のタイミングで図16に示すような識別情報決定処理を実行することとなる。
最初に、図16に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS701)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、本サブルーチンを終了する。なお、図16では、変動パターン指定コマンドを変動パターンコマンドに略している。
ステップS701の処理により変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、演出パターン選択処理を行う(ステップS702)。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208に記録されている図15の識別情報決定テーブルを参照して、ステップS701の処理により受信した変動パターン指定コマンドに基づき、演出パターンを選択する。この処理が終了した場合は、ステップS703に処理を移す。
ステップS703においては、識別情報決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208に記録されている図15の識別情報決定テーブルを参照して、ステップS702の処理により選択された演出パターンと、乱数抽出された乱数値と所定の値の比較に基づいて、導出表示された識別情報を決定する処理を行う。
具体的には、演出パターンが、(低確率用)通常変動ハズレ、(高確率用)通常変動ハズレ、ノーマルリーチ及びスーパーリーチの場合は、乱数抽出された乱数値と所定の値の比較に基づいて、特定識別情報であるか非特定識別情報であるかが決定される。同様に、変動パターンが“4”、“7”及び“11”の場合の操作ボタンリーチの場合も、乱数抽出された乱数値と所定の値の比較に基づいて、特定識別情報であるか非特定識別情報であるか否かが決定される。
一方、変動パターンが“14”である場合の操作ボタンリーチの場合は、必ず特定識別情報に決定されるようになっている。
ここで、例えば、高確率遊技状態において、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択された場合は、遊技者は、高確率遊技状態を維持するために、識別情報の可変表示の結果が非特定識別情報とならないようなタイミングで操作ボタン80の操作を行うことになる。しかし、識別情報の可変表示の結果は、抽選によって既に決められているため、識別情報の可変表示結果が、遊技者の意に反して、非特定識別情報となってしまう場合があり、操作リーチ遊技者の遊技機に対する興趣の減退を招く恐れがあった。
しかし、変動パターンが“14”である場合、つまり遊技状態が「高確率遊技状態」であって、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、リーチの有無が「リーチあり」の場合は、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択され、導出表示された識別情報は必ず特定識別情報に決定されることになるので、上記のような操作ボタンリーチに対する疑念を遊技者に抱かせることを回避することができる。従って、遊技者の遊技機に対する興趣の維持を図ることができる。
尚、第2の実施形態においては、導出表示される識別情報は、メインCPU66が決定する識別情報ではなく、サブCPU206が決定する識別情報、いわゆる装飾図柄を示すものである。
尚、図10に示すステップS107及びステップS108の処理を実行するメインCPU66は、可変表示結果決定手段の一例に相当する。メインROM68は、演出パターン記録手段に相当する。図8に示すステップS79の処理を実行するメインCPU66は、特別遊技状態制御手段の一例に相当する。図8に示すステップS75からステップS78の処理を実行するメインCPU66は、特定遊技状態制御手段の一例に相当する。図13のステップS323の処理を実行するサブCPU206は、演出パターン選択手段の一例に相当する。
[その他の実施形態]
尚、第1の実施形態においては、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無として「リーチあり」の場合であって、導出表示された識別情報が「非特定識別情報」である場合は、演出パターンとして必ずスーパーリーチが選択され、導出表示された識別情報が「特定識別情報」の場合は、演出パターンとして操作ボタンリーチが選択されるようになっているが、本発明においてはこれに限らず、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無として「リーチあり」の場合、導出表示された識別情報が「非特定識別情報」の場合であっても、演出パターンとして稀に操作ボタンリーチが選択されてもよく、また、導出表示された識別情報が「特定識別情報」の場合であっても、演出パターンとして稀にスーパーリーチが選択されるようにしてもよい。
また、第2の実施形態においては、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無として「リーチあり」の場合であって、操作ボタンリーチが選択された場合は、導出表示された識別情報は必ず特定識別情報に決定されるようになっているが、本発明においてはこれに限らず、遊技状態が「高確率遊技状態」、導出表示される識別情報の当落が「大当り」、及びリーチの有無として「リーチあり」の場合、導出表示された識別情報は稀に非特定識別情報に決定されるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、特定識別情報とは所謂高確率変動図柄を意味するが、本発明においてはこれに限らず、所謂時短図柄であってもよい。
また、本実施形態においては、操作ボタン80の操作によって識別情報を停止させるようにしているが、操作ボタン80によって識別情報をコマ送りさせたり、スクロールさせたりするものであってもよい。
また、本実施形態においては、遊技制御手段としての主制御回路60と演出制御手段としての副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図17に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。つまり、遊技制御手段と演出制御手段とを一体に構成してもよい。もちろん、払出・発射制御回路126を、主制御回路60、副制御回路200と一体に構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキと称される第2種パチンコ遊技機、権利ものと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
また、上述した本実施形態においては、液晶表示装置32等の表示装置を可変表示手段として備えたが、これに限らず、円筒状のドラムを可変表示手段として構成してもよい。また、このように、円筒状のドラムを可変表示手段として構成した場合には、その前面(外周)又は背面(内周)に表示装置を備えるように構成し、又は、ドラムを二重に重ねるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、パチンコ遊技機等の遊技機自体に本発明を適用したが、各種の処理をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムにも適用可能である。このシミュレーションプログラムは、上述した実施形態における各種の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
[シミュレーションプログラムの実施形態]
パチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて図18を用いて説明する。尚、図18は、このシミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す概略図である。
図18に示すように、コンピュータ300Aは、コンピュータ本体302、表示領域304aに画像を表示する表示装置304、操作部としてのキーボード306を備えている。コンピュータ本体302には、表示装置304と、キーボード306と、が電気的に接続されている。尚、本実施形態においては、キーボード306を操作部として構成したが、本発明はこれに限らず、操作可能であれば他の態様であってもよく、例えば、マウス、コントローラ等でもよい。
コンピュータ本体302には、制御回路(図示せず)が内蔵されている。この制御回路は、CPU等からなる制御部(図示せず)と、各種のデータ、プログラム等を記憶する記憶部(図示せず)と、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体からデータを読み出すドライブ装置(図示せず)と、を備えている。また、制御回路は、表示装置304及びキーボード306等の外部装置を制御するためのインターフェイス回路(図示せず)を備えている。
尚、本実施形態においては、コンピュータとしてパーソナルコンピュータを用いた構成としたが、本発明はこれに限らず、別の態様であってもよく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置であってもよい。
本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体にシミュレーションプログラムが記憶されており、制御部がそのシミュレーションプログラムに従い、各種の処理を実行する。
また、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体には、操作リーチ演出パターンを含む複数種類の演出パターンが記憶されている。このような記憶媒体は、識別情報の可変表示に伴って実行される演出パターンが複数種類記録された演出パターン記憶手段に相当する。
また、本実施形態においては、上述した実施形態におけるパチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて説明する。このシミュレーションプログラムは、具体的には以下のような処理(ステップ)をコンピュータに実行させるためのものである。
(A1) 識別情報の可変表示の結果を決定する可変表示結果決定処理。
(A2) 前記可変表示結果決定処理において決定された前記識別情報の可変表示の結果に基づいて、前記識別情報の可変表示に伴って実行される複数種類の演出パターンのうち一の演出パターンを選択する演出パターン選択処理。
(A3) 前記可変表示結果決定処理において決定された前記識別情報の可変表示の結果に基づいて、前記識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御処理。
(A4) 前記識別情報の可変表示結果が特定の組合せとなったことを条件に特定遊技状態に制御を行う特定遊技状態制御処理。
(A5) 前記可変表示結果決定処理において決定された前記識別情報の可変表示の結果が特定の組合せのうち特別の組合せとなったことを条件に、前記特定遊技状態の終了後に、遊技者に有利な遊技状態であって前記特定遊技状態とは異なる特別遊技状態に制御を行う特別遊技状態制御処理。
(A6) 遊技者によって操作されたことを示す所定の信号を検知する操作検知処理。
このように、(A1)から(A6)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、操作リーチ演出パターンに対する疑念を遊技者に抱かせることを回避でき、遊技者の興趣の維持を図ることができる。
尚、本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、制御部を各種の手段として機能させるように構成したが、本発明はこれに限らず、例えば、上述した記憶媒体よりコンピュータ300Aに内蔵された記憶部にプログラムをインストールし、コンピュータ300Aに内蔵された記憶部に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、上述した実施形態における各種の手段として制御部を機能させるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、一つのコンピュータ300Aにおいて各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、他のコンピュータ(例えばゲームサーバ)と、それらの処理を別々に分けて実行させるように構成してもよい。
[シミュレーションプログラムの実施形態]
他のコンピュータを用いて実行されるシミュレーションプログラムについて図19を用いて説明する。尚、図19は、シミュレーションプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。
図19に示すように、ネットワーク500には、コンピュータ300A、300B、…と、その他のコンピュータであるゲームサーバ400と、が接続されている。つまり、これらのコンピュータ300A、300B、…は、ゲームサーバ400に対して通信可能に接続されている。また、ゲームサーバ400は、制御部(図示せず)と、プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、を備え、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
この場合には、上述した実施形態において具体的に記載された処理を、コンピュータ300A、300B、…と、ゲームサーバ400とに、別々に分けて実行させるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ遊技を模するシミュレーションプログラムの一例を挙げると、上述した(A1)、(A4)及び(A5)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをゲームサーバ400の記憶部に記憶し、上述した(A2)、(A3)及び(A6)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをコンピュータ300A、300B、…の記憶部に記憶する。これにより、ゲームサーバ400の制御部は、(A1)、(A4)及び(A5)の処理を実行し、コンピュータ300A、300B、…の制御部は、(A2)、(A3)及び(A6)の処理を実行することとなる。
尚、本実施形態においては、コンピュータ300A、300B、…の各々とゲームサーバ400とに、シミュレーションプログラムに含まれる各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、各種の処理を実行させるためのシミュレーションプログラムをゲームサーバ400に記憶し、コンピュータ300A、300B、…からゲームサーバ400に供給されるダウンロード要求に応じて、ゲームサーバ400からコンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムをダウンロードすることにより、コンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムを実行させるように構成してもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、識別情報の可変表示を行う可変表示手段と、前記識別情報の可変表示の結果を決定する可変表示結果決定手段と、前記識別情報の可変表示に伴って実行される演出パターンが複数種類記録された演出パターン記憶手段と、前記可変表示結果決定手段によって決定された前記識別情報の可変表示の結果に基づいて、前記演出パターン記憶手段に記録された複数種類の演出パターンのうち一の演出パターンを選択する演出パターン選択手段と、前記可変表示結果決定手段によって決定された前記識別情報の可変表示の結果に基づいて、前記可変表示手段における識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段と、前記識別情報の可変表示結果が特定の組合せとなったことを条件に特定遊技状態に制御を行う特定遊技状態制御手段と、前記可変表示結果決定手段によって決定された前記識別情報の可変表示の結果が特定の組合せのうち特別の組合せとなったことを条件に、前記特定遊技状態の終了後に、遊技者に有利な遊技状態であって前記特定遊技状態とは異なる特別遊技状態に制御を行う特別遊技状態制御手段と、遊技者によって操作可能な操作手段と、前記操作手段からの信号を検知する操作検知手段と、を備えた弾球遊技機であって、前記演出パターン記憶手段には、前記識別情報の可変表示がリーチ態様である場合には、前記操作検知手段によって信号が検知されたことを条件に、前記識別情報の可変表示が変化する操作リーチ演出パターンを含む複数種類の演出パターンが記録されており、前記演出パターン選択手段は、前記特別遊技状態において、前記識別情報の可変表示の結果が特別の組合せでない特定の組合せとなることを前記可変表示結果決定手段が決定した場合には、前記操作リーチ演出パターンを選択しない機能を有することを特徴とするものであるが、可変表示手段、可変表示結果決定手段、演出パターン記憶手段、演出パターン選択手段、可変表示制御手段、特定遊技状態制御手段、特別遊技状態制御手段、操作手段及び操作検知手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。