JP2005204662A - 果樹類の盛土式根圏制御栽培方法 - Google Patents

果樹類の盛土式根圏制御栽培方法 Download PDF

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Keiichi Kanehara
啓一 金原
Yuko Kishi
祐子 岸
Kazuhiro Washio
一広 鷲尾
Koichi Kojima
耕一 小島
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Abstract

【課題】 一本の果樹から均一で高品質な果実を得られるとともに果樹園の単位面積あたりでも高品質な果実を多量に得られる盛土式根圏制御栽培方法を提供する。
【解決手段】 土地と吸水防止シート1で縁切りした防水層の上に、単位葉面積当たりの細根の表面積が地植え樹の約3倍以上となる盛土3を形成して果樹類Pを植える。
その盛土の表面は露光状態にして盛土内に細根が絡み合った密集根が形成できるようにする。
そして、予め実験で得られた樹種毎の樹の成長状態に合わせて要求される水量の変化に対応させて時期を分割した生育ステージを設定し、その各生育ステージでの最大量を示す晴れ日の1日における蒸散量のデータを基に基準給水量を算出し、その基準給水量に約20%を加えた量を各生育ステージにおける1日の給水量として算出する。
そして、その算出された給水量を、潅水チューブ8で1日の昼間に複数回に分割して潅水による自動給水を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹木の根域を制限して行う果樹類の栽培法に関する。
従来、果樹から均一高品質な果実を多量に得ようとして各種の栽培方法が研究され試みられてきた。
一般に、果樹は苗木を植えつけてから結実までに数年を要し、樹の樹冠面積の広がりとともに縮間伐を実施しつつ、1本の樹を永年にわたり大きく育てていく地植え栽培が行われている。
その地植え栽培では収穫が期待される成園化までに多くの年月を要し、樹の老木化に伴い収量や品質が低下していくことが知られている。
また、地植え栽培では、樹の生育により根が土壌に深く侵入していくが、その土壌内には各種の病原菌や原因物質が存在し、それを原因とする病気の発生が避けられない。
実際に、ぶどう栽培では紋羽病の発生により生産が困難となっている果樹園も多々報告されている。
さらに老木園を改植すると連作障害により新しく植えた苗木の生育が抑制されることも知られている。
また、地植え栽培では、培地に自由に果樹の根が成長し、樹冠も大きく広がって行く。
その結果、得られる果実は一本当たりでは多くの収穫とはなるが、果樹園の単位面積当たりの収穫では果樹の葉や新梢の成長に栄養が取られ、その結果、果実の方に使われる栄養が少なくなるので結実が不安定になり結実位置によっては品質にバラツキが起こる。
さらに、地植えの土壌については、例えば栃木県の土壌の大半は黒ボク土壌であり、この黒ボク土壌は土壌中に多くの可給態窒素を含む化学性を有している。
そのような土壌では、果樹の樹勢が旺盛で枝が徒長しやすく、果実に必要な栄養分が徒長枝に取られるため、なしの品種「幸水」では花芽着生の不安定や糖度低下が見られ、また、ぶどうの品種「巨峰」では花振るいの発生により結実が不安定となる。
そのような土壌に直に植える地植え栽培の難点を解決しようとして、これまで、早期多収穫や高品質な果実の生産を目標にした根域の制限をおこなって栽培する方法(根域制限栽培法と呼ぶ)が研究されてきた。
しかし、その研究されてきた果樹の根域制限栽培法は、いずれもコンテナやポットなどの容器を使用した栽培方法であり、(a)潅水方法が水を一度に多量に与える散水方式であったため果樹に大きなストレスを与え果実肥大が低下することや、(b)樹勢を維持させるのが困難であること(c)、またそれに使用する容器等の設備費用が大きいことなどから現在まで普及するには至っていない。
またそのような根域制限栽培法では根の成長区域が地植えより狭いため特に給水(潅水)が重要である。
その潅水の方法として、土壌水分センサーを利用して土壌内の湿り気をその水分センサーで感知して潅水開始点を定め、一度に多量の散水をする方法があるが、この方法では、通常潅水開始点のみを設定するものが多く、潅水が始まると指定した水量を一気に出し与えてしまった後は、しばらくは潅水が途絶えこととなり、この結果、潅水直後の過湿と潅水開始前の乾燥とが繰り返えされ、結果的に果樹に強い水分ストレスを与えてしまうこととなる。
また、一般にその培地内の土壌水分は根元や根先などで不均一である場合が多く、水分センサーの水分検知は設置した場所で大きく異なった値となり、不確かなデータしか得られない。したがって、そのようなデータを基にした潅水管理では最適な管理は行えない。
そのため、水分センサーなどの機器を用いて自動的な潅水管理を行っても、水不足の解消や果樹の成長に適合した理想的な潅水が行えず、果実の品質にばらつきが多くなり、均一で高品質な果実を多量に得ることができなかった。
実際に、その方法をぶどうで試験してみたところ、水分不足による葉焼けなどの生理障害が発生し、品質的及び収穫量的な面での生産性が非常に不安定であった。
さらに、潅水のタイミングについては、従来では、午後には大量な吸水はないとの通説にしたがって、1日分の給水を午前中に一度に多量与える方法を行っているので、午後に入ると水不足状態となる傾向があった。
なお、水を多数回に小分けして与える方法、即ちドリップ栽培方法が野菜の水耕栽培では行われている(特許文献1参照)が、果樹類でのドリップ潅水による栽培は、歴史が浅く、その研究はされているとしても実際の生産現場ではまだ見られない。
特開2002−300818号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、従来の果樹の根域を制限して行う根域制限栽培法を改良し、培土中に多量の密集した細根を発生させて樹勢を維持できるようにした上で、果樹類の品種に応じて生育時期で異なる適量の潅水を、水不足状態にならないように管理することで、果樹に大きな水分ストレスを与えることなく、植え付け当初から均一で高品質な果実を多量に得るとともに果樹園全体での単位面積あたりの収穫でも高品質な果実を多量に安定して得られるように根圏を制御して行う栽培方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の栽培方法は、土地と縁切りするとともに排水機能を備えた防水層を形成する。
その防水層上に単葉位面積当たりの細根の表面積が地植え樹の約3倍以上となる盛土を形成し、その盛土の表面を、表面に向う主根の伸長を抑制するに充分な露光状態とし、その盛土内に分岐根の発生を促して細根が絡み合った密集根を形成する。
そして、予め測定して得られた樹種毎の樹の成長状態に合わせて要求される水量の変化に対応させて時期を分割した生育ステージを設定し、その各生育ステージでの最大量を示す晴れ日の1日における蒸散量のデータを基に基準給水量を算出する。
さらに、その算出された基準給水量を、1日の昼間に複数回に分割して自動潅水を行うことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、土地と縁切りするとともに排水機能を備えた防水層を形成する。
その防水層上に単位葉面積当たりの細根の表面積が地植え樹の約3倍以上となる盛土を形成し、その盛土の表面を、表面に向う主根の伸長を抑制するに充分な露光状態とし、その盛土内に分岐根の発生を促して細根が絡み合った密集根を形成する。
そして、予め測定して得られた樹種毎の樹の成長状態に合わせて要求される水量の変化に対応させて時期を分割した生育ステージを設定し、その各生育ステージでの最大量を示す晴れ日の1日における蒸散量のデータを基に基準給水量を算出する。
さらに、その基準給水量に約30%を限度として加えた量を各生育ステージにおける1日の給水量として算出し、その算出された給水量を、1日の昼間に複数回に分割して自動潅水を行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記構成の方法において、前記盛土の表面を露光状態が保持できる透明乃至半透明の通気シートで被覆したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記構成の方法において、潅水をドリップ潅水によって行うものである。
請求項5に記載の発明は、上記構成の方法において、前記防水層の上に不透根シートを重ね敷きして構成するものである。
請求項6に記載の発明は、上記構成の方法において、前記防水層に、吸水防止シートを用いるものである。
請求項7に記載の発明は、上記構成の方法において、植える果樹類に、当年結実期まで育成した挿木又は接木した苗木を用いるものである。
本発明は上記のようであり、盛土の表面を露光状態にして盛土内部に多数の分岐根を発生させ細根が絡み合った密集根が形成される。この密集根の形成で果樹の樹勢を維持できる条件を作った上で、果樹の生育ステージに合わせた管理を行って果樹にとっての理想的環境を作り出し、均一高品質な果実を多量に得ることが可能となった。
即ち、果樹の葉面積に合わせた盛土量に根域を制限して、盛土内に水分や養分を吸収する細根の分化を促進させて密集根を形成し、その果樹の葉面積に必要な水分を、その果樹の生育ステージに合わせて潅水管理を行い、樹種や生長の度合いなど個々の樹体に合わせて必要な時期に必要な水量を、不足状態を来たすことなく与えることが可能となった。
そして樹体自体もコンパクト化させることにより、密集根を形成する多量の細根から効率良く吸収された水分と栄養分がそのコンパクトな樹体全体に行き渡るようになり、均一高品質の果実を得られるようになった。
さらに本発明では、果樹の根域を制限して、均一で高品質な果実を多量に得られるようにしたことが主目的であるが、土地と分離された盛土で独立管理され、過剰な水は側面から流失され、根詰まりによる樹勢の低下や培土の物理的悪化及び根腐れの心配がなくなる。
また、培土はその下の土地からの影響が殆どなくなるので、土壌病害の心配がなくなり果樹の病死や老木化が防止され、植え付け当初から均一で高品質な果実を多量に得られるようになるとともに、果樹園での単位面積当たりの収穫量も増加させることが可能となった。
さらに、本発明では、水分センサーを用いずに生育ステージに合わせた設定により、自動的な潅水管理を行えるため、少ない設備コストで容易に果樹を栽培できるようになった。
また、従来の根域制限栽培法で使用されるコンテナやポットなどの容器類に植えるのではなく、不透根シ−トと吸水防止シートなどの防水層上に盛土するものなので、用いる資材は大幅に安価に押さえることができる。
この方法でぶどうの栽培を行ったところ、植え付け2年目から10アール当たり2トンの収量が得られた。この量は従来の栽培方法より単位面積当たり約2倍程多い収量であった。また、10アール当たりの着房数は5000房あり且つ1果房重も400gと均一で高品質なぶどうを得られることが確認できた。
本発明の実施形態を以下詳しく説明する。
本発明は、図1及び図4に示すように、盛土3を載せる面を、過剰な水が周囲に排水されるように、中央部を盛上げ面にした上に、その土地と縁切りするための吸水防止シート1を張り、さらにその上に耐久性の高い不透根シート2を重ね合わせる。
その吸水防止シート1は厚さ0.075mmの合成樹脂製シートを用いると腐らず長持ちするので好ましい。また不透根シート2は不織布を用いると、水を通し且つ細根は通さないので根圏の制御に適している。
この不透根シート2は、吸水防止シート1を成長した根が突き破るのと保護し、また盛土内の底面に溜まった水を毛細管現象で速やかに外に排出させる機能を持つ。
このような土地と縁切りをする方法は、根をその下の地面と分離して果樹を独立させて管理できるようにするものである。
この管理方法では、地植えのように自由に根を広げさせるものではなく、根域を狭く制限することが主目的であるが、このことにより水分、栄養、病気に関してもその下の土地と分離された独立系として確実に管理が行えるようになる。即ち土壌の上だけではなく、コンクリート面の上でも収穫可能となる栽培法である。
そして、そのように土地と縁切りした上に、植える果樹Pの樹冠の大きさに合わせた量の円錐台形又は四角錐台形(図3に示す)の盛土3をする。
その盛土の作り方は、図2に四角錐台形の型枠11を示す台形の型枠に培土を充填する方法などがある。
そして、盛土3の内部に分岐根16か発生し細根が成長するように盛土面は露光状態にしておく。
盛土面を露光するのは、根は光を避ける性質があり、図7に示すように、盛土3表面の露で盛土表面に向う主根の伸長が抑制されて、盛土3の内部に分岐根16の発生が促される。
その結果、分岐根16からの細根が成長し絡み合った密集根13が形成される。
盛土の表面に通気シートで被覆とする場合は、全透明又は半透明のシートを使用して盛土の表面に光が射し込まれる状態とする。
前記通気性シートとしては、タイベック(ヂュポン社の商品の商標名)を使用でき、当該シートは、0.5〜10μmのポリエチレンの連続性極細繊維に高熱を加えて結合させたシートを用いることができる。このシートは、水滴は通さないが光と水蒸気を通過させ、通気性に優れているので適している。
なお、露地を100%として、シートの日射透過率の実験をした結果、次の表1の如きデータが得られた。
Figure 2005204662
タイベックの日射透過率は低いが14%あるので半透明シートとして使用できる。
これらシートで盛土を被覆した時の1日の日射量と盛土内の温度との関係を調べる実験をした。
その結果は、図9のグラフ図に示す通りである。
この実験で、温度の平均値を計算すると次の表2の如きである。
Figure 2005204662
上記実験では、培地温度は昼平均の場合、透明ビニールシートが21.2°Cで最も高く、タイベックは16.8°Cで最も低かった。
また、夏場の梨の木の1樹当たりの1日の吸水量を、盛土をビニールシートで覆った場合と覆わない場合とで比較したら、覆い有りの場合は17.0リットルで、覆いなしの場合は17.9リットルであった。
上記シートについての実験から、通気シートで被覆することは、果樹の生育時期にあわせて適度となる温度を制御できる利点がある。
例えば梨の場合では、気温が高い夏場では培地温度を低く抑えるためにタイベックを用い、春には成長活動の開始するので培地温度を高く保つために透明通気シートを用いると効果的である。
また、用いる半透明シートの日射透過率が14%と低くても、根は弱い光にも反応し、図8に示すように、盛土3表面の露光で盛土表面に向う主根の伸長が抑制され、盛土3の内部に分岐根16が発生して細根が密に絡み合った状態となる密集根13が形成される。
しかし、通気性のない黒ビニールシートで被覆すると、日射透過率が0%なので、盛土3表面に向う主根の伸長が止まらずに外に突き出し、先端が枯れたり、また、内部の細根の呼吸を妨げるので分岐根の発生が阻害される。
また、盛土3に使う培土は、栽培樹種により最適なものが異なるが、水が全域に浸透するための透水性と、根腐れを起こさないようにするための通気性が必要である。
例えば、その培土は、透水性が高く養分のコントロールしやすい、赤玉土とバーク堆肥を2対1の量で混合した土を使用すると良い。
なお、図4では一本の果樹の状態を示しているが、図3に示すように、果樹園では幅150cmのビニールシートのロールを広げ、その長い吸水防止シート1を並列に配置し、その上に不透根シート2を重ね、さらにその上に一定間隔で盛土をし、図1に示すように、果樹を定間隔に植える方法が採られる。
そして、そのような盛土3に果樹Pを植える(図4参照)。
従来の地植え栽培では、植え付けた年ではその樹の生長が優先され、植えてから数年の結実成長を待たなければ収穫ができなかった。
しかし、本発明では根域が制限されて潅水が最適に行われるので、当期結実可能にまで挿木や接木により育成した苗木を植えると、水分や養分を吸収する細根の分化が促進されて短期間に多量に細根が発生するともに樹体の生殖成長が促進され、植えた年に通常の収穫が可能になる。
このように果樹の根圏を制御する栽培法において、果樹園での単位面積あたり高品質な果実を多量に安定して得るためには、盛土3の量が重要である。
その盛土3の量を決める方法は、樹冠の大きさ、厳密には果樹の葉面積から導き出され、その葉面積から盛土に果樹を植る果樹Pに必要な根量から計算されて、高品質な果実を多量に安定して得るために最適なバランスとなる盛土3の量が算出される。
そこで、高品質な果実を多量に安定して得ようと最適な盛土の量を見出すためにぶどうで行った本発明の実験では、細根の分化が進み、地植え樹の約5倍の根量の増加が見られ、同じ葉面積とした場合、その樹を維持するために根が地植え樹の約4.5倍の表面積を必要とすることがわかった。
また、なし等では単位葉面積当たり細根の表面積は地植え樹の約3倍以上であり、その数値は樹種や盛土の量などにより異なるものであったが、高品質な果実を多量に安定して得るためには、地植え樹の概ね約3倍以上であることがわかり、これから必要とされる盛土3の量が決められる。
次に潅水に用いる装置を説明する。
本発明では、図1に示すように、制御装置4、液肥混入器5、流量計6、電磁弁7を組み合わせた水量及び施肥量のコントロールが可能な潅水装置を使用する。
盛土培地に均等に潅水を行うために、塩ビ管等の潅水チューブ8に1個当たりの吐出量4リットル/時の調圧弁付きのドリッパーを、1樹当たり2個取り付け、1ドリッパーにつき4本のマイクロチューブ9を取り付け、その先端にアロードリッパー10を取り付ける。
なお、ドリッパーは調圧弁が付いていないと、地面の高低差や潅水チューブ8のたわみの影響を受け、水の吐出量に違いが出てくるので注意する。
潅水の回数は、昼間(この語は本発明では早朝の夜明け前から夕方日没前までの意味で使用する)1日20回に分けて、潅水間隔を30〜40分で、1回当たりの量を少なくし小分けして潅水する。
次に、果樹が一年間の成長状態に合わせて要求する水量とそれに対する潅水方法について説明する。
果樹からの蒸散量は葉面積の量によって増減し、各生育ステージで必要となる潅水量は大きく異なる。
例えば、ぶどうで10アール(a)当たり500本(樹冠面積2平方メートル/本)植栽する方式における収穫期における一樹あたりの総葉面積は、概ね6.4平方メートルである。このため、樹冠面積を変えると葉面積に見合った潅水量が必要になる。
また、着色期での晴天日における日中の1時間当たりの蒸散量は最大で1リットルであるため、その量に20%を加算して、早朝から1日に1.2リットルづつ10回ほどに分けて潅水するのが効率的である。
できるだけ1回当たりの量を少なくし回数を多くして小分けに潅水する方法が理想的ではあるが、それでも1日に20回ほどに分ければ充分である。
なお「潅水」の語義は、広義には広く散らす散水、掛け潅ぐ潅水、土内根元に注ぐ給水などに用いられているが、本は発明では、盛土の上に掛け潅ぐ意味で「潅水」の語を使用する。
例えば、ぶどうの場合、晴天日の生育ステージ別での1樹当たり1日の潅水量は、以下のようである。
ステージ 催芽期 新梢伸長期 開花期 果粒肥大期 着色期
日数 約20日 約25日 約10日 約45日 約60日
灌水量(L/日) 1.5 3 4 10 12
上記のように晴天日の生育ステージ別に潅水量を変えることにより、高品質で2.0t/10aの収穫量が確保できる。試験ではこの潅水量で、1樹当たり16着房させることにより換算収穫量は2.8t/10aが得られた。
なお、高品質な果実を多量に安定して得るためには、水の管理だけでなく、栄養のバランスをとるための施肥も考慮しなければならない。
その施肥方法については、早朝第1回目に潅水と同時に施肥を行い、1日の施肥量は1樹当たりの年間施肥量を生育日数で割って決める。
例えば、催芽期から収穫期までを約150日間とすると、年間窒素施用量20gの場合では、1樹当たり1日に0.13g(20g÷150日)を施用する。
別の施肥方法については、肥効調節型肥料を施用する方法を用いることができる。
次に、上記潅水装置を使用して行う本発明の給水方法について説明する。
1日の潅水量は、各生育ステージ別に異なった量であり、流亡による周囲の環境負荷の軽減を考慮して、蒸散量に見合った水を果樹に大きな水分ストレスを与えることなく行う。そのためには毎日の給水量が水不足に陥らないように潅水しなければならない。
その給水量の決め方は、まず予め測定して得られた樹種毎の樹の成長状態に合わせて要求される水量の変化に対応させ時期を分割した生育ステージを設定する。
そして、その各生育ステージでの最大量を示す晴れ日の1日における蒸散量のデータを基に基準給水量を算出する。
1日の給水量は、その算出された基準給水量をそのまま実施しても良いが、盛土表面からの蒸散量をも考慮すると、その基準給水量に対して約30%を限度として加えた量を各生育ステージにおける1日の給水量として算出する。
例えば、ぶどうの場合では、その加える量は、基準給水量に対して限度内の約20%にして算出すると、各生育ステージにおける1日の給水量が適量となる。
そして、その算出された1日の給水量を任意の複数回に分割して1回の潅水量を決める。
その決められた1回の潅水量を、1日のうち日の出前から日没前までの昼間の約13時間をその複数回で割った時間毎にドリップ潅水などにより自動給水をする。
例えば、1日の(13時間での)給水量を26回に分割した場合では、決められた1回分の潅水量を30分毎に自動給水する計算になる。
上記基準給水量に加算する吸水量を、約30%を限度とすることについて、確認のための試験を行った。
盛土の量は、単位葉面積当たり細根の表面積が地植え樹の約4.5倍となる60Lで、盛土にビニールシートで覆いした場合と、覆いをしない場合とで試験し、晴天日での巨峰品種のぶどうの生育ステージ中の果粒肥大期での1回の蒸散量を測定した。
その蒸散量(単位L:リットル)は、基準給水量の算出の基礎となるデータである。
その試験の結果は、次の通りであった。
日 覆い有り(L)覆い無し(L) 差(L) 差の比率(%)
1 3.5 4.5 1.0 28.5
2 4.3 4.4 0.1 2.3
3 3.0 3.7 0.7 23.3
4 4.3 5.0 0.7 16.2
5 3.8 4.4 0.6 15.7
6 3.5 4.3 0.8 22.8
7 4.0 4.7 0.7 17.5
8 4.4 5.7 1.3 29.6
9 4.8 5.5 0.7 14.6
10 4.0 4.9 0.9 22.5
11 5.3 5.5 0.2 3.8
12 5.4 5.5 0.1 1.9
13 4.5 4.9 0.4 8.9
14 3.2 3.4 0.2 6.3
上記の試験では、最大比率29.6%、最小比率1.9%、平均比率15.3%であった。
標準偏差値はプラス・ナイナス9.5であることから、概ね5.8%から24.8%の範囲であるといえる。
本発明では、この試験の最大比率が29.6%であり、水不足にならないよう標準偏差値の最低範囲より多少多めに、基準給水量に加算する吸水量は30%を限度とすることが適切な範囲であると確認できた。
また、ぶどうの巨峰品種の挿し木で育成5〜6年目の3本の樹を用いた試験をした。
生育ステージ中の果粒肥大期で、基準給水量の潅水(イ)と、基準給水量に20%加算した潅水(ロ)と、20%加算潅水の1.5倍の潅水(ハ)との比較試験を行った。
盛土の量は60Lで、培土は、赤玉土:バーク堆肥が2:1の混合土を使用した。
潅水方法は、昼間の午前4時から午後17時まで40分間隔に20回に分けたドリップ潅水を行った。
試験に供した要因は下記の通りであった。
要因名
A:潅水量 (イ) (ロ) (ハ)
B:着房数 10房/樹 13房/樹 16房/樹
(目標収量) 2.0t/10a 2.6t/10a 3.2t/10a
C:結果枝長 60cm 90cm 130cm
D:芽かき 芽かき有り 芽かき無し 芽かき無し
誘引方法 斜め誘引 斜め誘引 斜め垂直誘引
その試験区毎の処理内容は次の通りである。
試験区 A:潅水量 B:着房数 C:結果枝長 D:芽かき誘引方法
1 (イ) 10 60 芽かき有り斜め誘引
2 (イ) 10 90 芽かき無し斜め誘引
3 (イ) 10 130 芽かき無し斜め垂直誘引
4 (イ) 13 60 芽かき有り斜め誘引
5 (イ) 13 90 芽かき無し斜め誘引
6 (イ) 13 130 芽かき無し斜め垂直誘引
7 (イ) 16 60 芽かき有り斜め誘引
8 (イ) 16 90 芽かき無し斜め誘引
9 (イ) 16 130 芽かき無し斜め垂直誘引
10 (ロ) 10 60 芽かき有り斜め誘引
11 (ロ) 10 90 芽かき無し斜め誘引
12 (ロ) 10 130 芽かき無し斜め垂直誘引
13 (ロ) 13 60 芽かき有り斜め誘引
14 (ロ) 13 90 芽かき無し斜め誘引
15 (ロ) 13 130 芽かき無し斜め垂直誘引
16 (ロ) 16 60 芽かき有り斜め誘引
17 (ロ) 16 90 芽かき無し斜め誘引
18 (ロ) 16 130 芽かき無し斜め垂直誘引
19 (ハ) 10 60 芽かき有り斜め誘引
20 (ハ) 10 90 芽かき無し斜め誘引
21 (ハ) 10 130 芽かき無し斜め垂直誘引
22 (ハ) 13 60 芽かき有り斜め誘引
23 (ハ) 13 90 芽かき無し斜め誘引
24 (ハ) 13 130 芽かき無し斜め垂直誘引
25 (ハ) 16 60 芽かき有り斜め誘引
26 (ハ) 16 90 芽かき無し斜め誘引
27 (ハ) 16 130 芽かき無し斜め垂直誘引
そして、上記要因別の各試験区における試験の結果は、次の通りであった。
結実 摘粒後
粒数 粒数 房重 葉面積 収量 換算収量
試験区(粒/房)(粒/房)(g) (m2/樹) (kg/樹)(t/10a)
1 56 40 342 2.86 3.42 1.71
2 60 40 244 5.98 2.44 1.22
3 60 39 217 7.80 2.17 1.08
4 49 38 419 3.83 5.44 2.70
5 41 36 366 3.89 4.76 2.37
6 45 37 441 5.58 5.57 2.77
7 55 37 250 4.77 4.00 2.03
8 45 37 343 3.84 5.48 2.70
9 60 39 292 7.25 4.67 2.30
10 41 35 419 5.29 4.05 2.02
11 41 36 427 6.41 4.27 2.14
12 52 38 465 5.23 4.66 2.33
13 50 38 415 6.43 5.40 2.70
14 37 35 415 3.63 5.39 2.67
15 40 34 442 8.93 5.61 2.81
16 44 36 348 4.02 5.45 2.72
17 49 38 434 6.32 6.95 3.47
18 51 39 459 7.04 7.35 3.68
19 29 28 321 3.90 3.21 1.60
20 19 19 249 4.44 2.41 1.21
21 23 22 264 10.44 2.51 1.25
22 23 22 259 3.63 3.36 1.68
23 29 28 330 6.48 4.29 2.14
24 22 22 263 5.52 3.42 1.71
25 27 21 243 5.07 3.89 1.95
26 26 24 316 6.43 5.05 2.52
27 36 32 353 6.25 5.65 2.83
上記試験の結果から次のことがわかった。
即ち、1樹当たりの収量(kg/樹)では、基準給水量に20%加算した潅水(ロ)の場合には5.45kgであるが、基準給水量の潅水(イ)と、20%加算潅水の1.5倍の潅水(ハ)の場合は4.21kg、3.75kgと少ない。また、換算収量(t/10a)は、2.73tであるが、基準給水量の潅水(イ)と、20%加算潅水の1.5倍の潅水(ハ)の場合は2.1t、1.87tと少なかった。
房重(g)でも基準給水量に20%加算した潅水(ロ)の場合には415gと他より1.5倍ほど大きく、均一に高品質のものが得られた。
このことから、基準給水量に20%加算した潅水(ロ)を基準に潅水量が少なくても多すぎても好ましくないことが確認できた。この数値は、基準給水量の加算限度30%以内である。
以上の試験により、基準給水量に加算する吸水量を、約30%を限度とすることについて有効であることが確認できた。
なお、本発明では、曇天日に過剰に供給された水は、排水機能を備えた防水層により、過剰水が盛土内部に閉じ込められることなく、盛土の底側面から余分な水が自然に流失するので、水過多による根腐れなどの障害は起こらないので、この方法によれば、各生育ステージでは定量の給水量を毎日続けることになり、樹木毎に設定される生育ステージの数(例えばぶどうでは催芽期、新梢伸長期、開花期、果粒肥大期、着色期の5回)の設定変更を行うだけである。
この年数回の変更の方法では、コンピュータ制御によって自動的に行う方法と、手動的に行う方法とが可能である。
また、各生育ステージに適合する毎日のドリップ給水は、コンピュータ制御によって通年管理で行うことができ、またタイマー制御によっても給水の管理をすることが可能である。
(実験例1)
本発明において必要な盛土の量を、決めるための試験を行った。
そのうちの一つとして、根域制限栽培における培土量が生育及び根系に及ぼす影響を、ぶどうを例にとり、培土量を30、60、90リットルの3段階で比較試験を行った。
以下はその試験結果のデータである
処理区 新梢長 1房重 1粒重 収量 着房数
(リットル)満開期 満開後30日(g/房)(g/個)(t/10a)(房/樹)
30 74.6 111.7 374 11.2 2.29 8
60 77.6 120.8 357 11.4 3.02 8.5
90 71.7 146.0 342 10.3 3.42 10.0
この実験では、地上部の生育(新梢長)は、培土量が多いほど旺盛であった。
果実の品質、収穫量は培土60リットルまでは差がなく、90リットルでは1房重と1粒重とも品質が劣った。即ち、培土は多ければ多いほど良いというものではなく、樹種や樹体により最適量が決まることがわかる。
(実験例2)
次に、地植えと根圏制御栽培における細根の状態の違いを調べた。
以下が培土150リットルの場合での実験の結果である。
乾物重(g)細根割合(%)根長(m) 表面積(m2
根域制限 細根 687 45 4163 10.59
太根 853 160 1.61
地植え 細根 285 20 887 2.78
太根 1041 82 1.44
この実験結果では、細根については、根圏制御栽培では地植え栽培に比べて根長(m)で約4.7倍(4163÷887)もの差があることが判った。
また、培土量が少ないほど地下部の割合が増加し、細根の割合が高かった。
用いた培土の範囲では、単位葉面積に対して1.4〜1.6倍の細根の表面積を必要とすることが判明した。
(実験例3)
また、根表面積と葉面積との関係を調べたのが以下のぶどうの実験データである。
乾物重(g) 葉面積(m2) 根表面積/葉面積
根域制限 葉 688 10.35 1.02
地植え 葉 876 12.44 0.22
通常根域制限栽培樹では、空間が制限されるので、その狭い空間で最大限水分を得ようとして極度に細根の分化が進んで密集根が形成される。
しかし本発明の根圏制御栽培では、盛土量によりその果樹の根の生育できる範囲(根域)が決まり、高品質な果実を多量に安定して得ために最適な盛土の量は、果樹の葉面積から必要とされる細根の表面積から計算できる。
ぶどうで行った上記実験結果では、細根の分化が進んだ結果、1枚の葉を維持するために地植え樹の約4.63倍(1.02÷0.22)もの細根の表面積となることがわかった。
また、なし等での行った同様な実験によると、単位面積当たり細根の葉一枚に対する表面積は地植え樹の約3倍以上であった。
この数値は樹種や盛土の量などにより異なるものであったが、上記各実験によって、高品質な果実を多量に安定して得ためには、1枚の葉を維持するために細根の表面積が地植え樹の概ね約3倍以上は必要であるとの結論が得られた。
(実験例4)
次に、根域制限栽培における土壌養水分の分布を調べた。
土壌養水分の分布は、1回当たりの潅水量が多く重力水となってたまるため培地下層部に多くなることがわかった。
また、根の活動状態の違いなどにより盛土中の水分の減少量が位置のより大きく異なり、どの位置に水分センサーを配置しても正確な水分状態が把握できないことがわかった。
(実験例5)
次に、1日のうち吸水量がどのように変化するかについて実験を行った。
まず根域制限栽培における毛管吸水法による樹体の吸水量を測定した。
測定方法は、樹の底面全体に吸水マットを敷いて底面吸水とし、水は1日回17時に補給し、補給された量を測定した。日変化については、午前4時から1時間おきに減水量を測定した。
その結果が図5である。
この図5で、吸水量が午前4時から増加し、14時ごろをピークにその後減少し21時まで測定された。
この実験から日射量に対して2時間遅れで吸水量が変化している様子がわかる。
これまでは、通常、これまで「午前中の水遣り」といって、潅水を午前中に一回行っている根拠として、樹木は午前中にその多くを吸水するからと考えられていたが、午前中よりもむしろ午後の吸水量のほうが多いことがわかり、潅水は午後にも必要であることがわかった。
(実験例6)
さらに、晴天時と曇雨天時など日によって吸水量がどのように異なるかを見る実験を行った。
その方法として、晴天時と曇雨天時でのぶどうの生育ステージにおける日別吸水量を測定した。
下記実験データは、ぶどうの新梢伸張期、開花期、果粒肥大期、着色の各生育ステージにおける晴天時と曇雨天時での1日の吸水量を比較した実験結果である。
生育ステージ 新梢伸張期 開花期 果粒肥大期 着色期
晴天日
最小 1.4 2.3 3.0 2.6
平均 1.9 2.9 4.3 5.6
最大 2.5 3.6 5.9 9.6
曇雨天日
最小 2.3 1.6 0.7 0.9
平均 2.4 2.4 1.7 1.8
最大 2.5 3.0 2.6 2.5
(単位:リットル)
この実験では、ぶどうでは新梢伸張期、開花期、果粒肥大期、着色期の各生育ステージに区分され、最大値である晴れ日の1日の吸水量は新梢伸張期に2.5リットルであったのが徐々に増加し、着色期では9.6リットルになり、各生育ステージで吸水量が大きく異なっていることがわかる。
また、曇雨天日では平均して吸水量は少ないことが判った。
(実験例7)
また、ぶどうで数日に渡り水分蒸散量を測定した。
測定方法は盛土を含む総重量による測定で、この測定結果は、図6のようであった。
晴天日と曇雨天日とで上記実験例6と同様に大きな差があり、この測定でも、図5に示す実験と同様に太陽の照射時刻に対して水分蒸散時刻はピークに2時間程度の遅れがあることが確認できた。
本発明は、ぶどう、なし、桜桃、桃、りんごなど各種果樹に適用され、それらの果樹園に実施できるが、土地と縁切り状態の盛土になっているので植え替え移動の際の掘り出し手間が省け、さらに養水分のコントロールにより早く成長させることもできるので各種緑化木の栽培にも利用できる可能性がある。
本発明に用いる潅水装置の模式図。 四角錐台形の型枠の分離状態を示す斜視図。 並列に配置された盛土の状態を示す斜視図。 盛土に苗木を植えた状態を示す斜視図。 果樹の晴天日の吸水量と日射量の関係を示すグラフ図。 晴天日と曇天日の果樹の蒸散量と日射量との関係を示すグラフ図。 盛土に苗木を植えた状態を示す斜視図。 果樹の晴天日の吸水量と日射量の関係を示すグラフ図。 晴天日と曇天日の果樹の蒸散量と日射量との関係を示すグラフ図。
符号の説明
1 吸水防止シート
2 不透根シート
3 盛土
4 制御装置
5 液肥混入器
6 流量計
7 電磁弁
8 潅水チューブ
9 マイクロチューブ
10 アロードリッパー
11 四角錐台形の型枠
12 透明通風シート
13 密集根
14 主根
15 分岐根
P 果樹














Claims (7)

  1. 土地と縁切りするとともに排水機能を備えた防水層を形成し、該防水層上に単位葉面積当たりの細根の表面積が地植え樹の約3倍以上となる盛土を形成し、該盛土の表面を、表面に向う主根の伸長を抑制するに充分な露光状態とし、該盛土内に分岐根の発生を促して細根が絡み合った密集根を形成し、
    予め測定して得られた樹種毎の樹の成長状態に合わせて要求される水量の変化に対応させて時期を分割した生育ステージを設定し、その各生育ステージでの最大量を示す晴れ日の1日における蒸散量のデータを基に基準給水量を算出し、
    その算出された基準給水量を1日の昼間に複数回に分割して自動潅水を行うことを特徴とする果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。
  2. 土地と縁切りするとともに排水機能を備えた防水層を形成し、該防水層上に単位葉面積当たりの細根の表面積が地植え樹の約3倍以上となる盛土を形成し、該盛土の表面を、表面に向う主根の伸長を抑制するに充分な露光状態とし、該盛土内に分岐根の発生を促して細根が絡み合った密集根を形成し、
    予め測定して得られた樹種毎の樹の成長状態に合わせて要求される水量の変化に対応させて時期を分割した生育ステージを設定し、その各生育ステージでの最大量を示す晴れ日の1日における蒸散量のデータを基に基準給水量を算出し、
    その基準給水量に約30%を限度として加えた量を各生育ステージにおける1日の給水量として算出し、
    その算出された給水量を、1日の昼間に複数回に分割して自動潅水を行うことを特徴とする果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。
  3. 盛土の表面を露光状態が保持できる透明乃至半透明の通気シートで被覆したことを特徴とする請求項1又は2に記載の果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。
  4. 潅水方法がドリップ潅水によるものである請求項項1乃至3のうちい少なくともずれか一項に記載の果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。
  5. 防水層の上に不透根シートを重ね敷きして成る請求項1乃至4のうち少なくともいずれか一項に記載の果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。
  6. 防水層が、吸水防止シートによるものである請求項1乃至5うち少なくともいずれか一項に記載の果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。
  7. 植える果樹類が、当年結実期まで育成した挿木又は接木した苗木である請求項1乃至6のうち少なくともいずれか一項に記載の果樹類の盛土式根圏制御栽培方法。







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