JP2005204516A - 小胞体ストレスの2元的検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 小胞体ストレスを与えずにIRE1/XBP1経路を活性化する分子や薬剤を探索する手法を提供すること。
【解決手段】 本発明は、(a)XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている、発現ベクター;および(b)ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている、発現ベクター;が共導入された、トランスジェニック細胞または非ヒトトランスジェニック動物を提供する。これらを用いると、IRE1/XBP1経路またはPERK/ATF4経路の活性化を引き起こし得る物質について、小胞体ストレスの有無を確認することが可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、小胞体ストレスの有無を検査するシステムに関する。より詳細には、小胞体ストレスと小胞体シャペロンの発現誘導とを同時に検査できるシステムに関する。
真核細胞には、小胞体と呼ばれる細胞内小器官が存在する。小胞体の主な機能には、分泌タンパク質や膜タンパク質の合成、修飾、および輸送がある。小胞体が正常に機能することにより、恒常性も正常に保たれる。しかし、細胞がある種の環境(ストレス)に曝されると、変性したタンパク質が小胞体内に蓄積し、細胞の機能が低下する。この状態を小胞体ストレスという。細胞には、このような小胞体ストレス状態を克服するためのいくつかの機能が備わっている。その1つは、折り畳み異常タンパク質応答(UPR)と呼ばれる応答反応であり、小胞体分子シャペロンの発現を上昇させる。分子シャペロンは、小胞体内の変性タンパク質の正常化、無毒化、および分解を促進し、小胞体ストレスを解除する。
図1に、小胞体ストレスおよびその解除のメカニズムの概念を模式的に示す。UPRは、現在、以下のような分子メカニズムにより生じると考えられている。変性タンパク質が蓄積することにより引き起こされる小胞体ストレスは、3つの小胞体膜タンパク質ATF6、IRE1、およびPERKにより感知される。小胞体ストレスの感知後、ATF6は大きく2つに切断され、活性型ATF6タンパク質に変換される(非特許文献1)。IRE1はXBP1のスプライシングを誘導し、活性型XBP1タンパク質の産生を促進する(非特許文献2)。PERKはeIF−2αをリン酸化して機能を低下させ、それによってATF4の合成を促進する(非特許文献3)。最終的に、活性型ATF6、活性型XBP1、およびATF4は、小胞体分子シャペロン遺伝子の転写誘導因子として働く。そのため、小胞体ストレスの検出は、従来、ある種の小胞体分子シャペロンの発現量を測定することによって行われてきた。例えば、小胞体分子シャペロンであるBiPやカルレティキュリンのmRNAの発現レベルをノーザンブロットで検出することなどによって、インビトロで行われている。
上述のように、小胞体ストレスを感知したIRE1は、XBP1のスプライシングを誘導する。この反応を利用して、小胞体ストレスをインビボで検査できるシステム(ERAIシステムという)が開発されている(非特許文献4)。図2に、ERAIシステムを模式的に表す。このERAIシステムでは、IRE1依存的にスプライシングされるイントロンを含むXBP1のcDNAの(部分)配列と、グリーン蛍光タンパク質(GFP)などのレポーター遺伝子とを、終止コドンを挟んで連結した人工遺伝子を作製し、遺伝子組換え技術を用いて培養細胞や動物に導入する。この人工的遺伝子を有する細胞や動物は、通常、この終止コドンまででその翻訳が終わり、レポータータンパク質は発現しない。しかし、小胞体ストレスに曝された場合、26塩基からなるイントロンがスプライシングされるため、結果としてフレームシフトが生じて終止コドンの読みがずれ、(部分)XBP1とレポーターとの融合タンパク質が産生されて、細胞や動物は、レポーター活性を示すようになる。これにより、小胞体ストレスを容易に検査することが可能になる。
一方、小胞体ストレスを感知したPERKは活性化され、上述のようにeIF−2αをリン酸化することによりその機能を低下させて、ATF4遺伝子の翻訳が促進される。すなわち、ATF4の発現が誘導される。この現象を解明するために利用されたシステム(UMAIシステムという)を図3に示す。このUMAIシステムは、ATF4の真翻訳開始点のコード領域にレポーター遺伝子を導入した人工遺伝子により構築され、ATF4遺伝子の転写メカニズムを利用する。すなわち、ATF4のmRNA中には複数の翻訳開始点が存在し、ストレスがない通常状態時、つまりeIF−2αが正常に機能しているときには、ATF4は偽の上流翻訳開始点から翻訳され、ATF4は翻訳されない。しかし、小胞体ストレスによりeIF−2αの機能が低下しているときには、真の翻訳開始点から翻訳される(非特許文献3)。したがって、上記ERAIシステムと同様にレポーター活性を測定することによって、小胞体ストレスを容易に検査することが可能である。
小胞体ストレスは、細胞・分子レベルで古くから非常によく研究されており、最近では、小胞体ストレスがある種の神経変性疾患や循環器系疾患に関与すると報告されている。そのため、小胞体ストレスの鎮静剤、特に小胞体ストレスを与えずに小胞体分子シャペロンの発現を誘導できる薬剤は、これらの疾患の治療薬として期待されている。これまでに、IRE1αの活性化により小胞体分子シャペロンの発現が誘導されることが知られている(非特許文献5)。
Yoshida H.ら、J. Biol. Chem.,1998年,273巻, pp.33741-33749 Yoshida H.ら、Cell,2001年,107巻, pp.881-891 Harding H. P.ら、Mol. Cell,2000年,6巻, pp.1099-1108 Iwawaki T.ら、Nature Medicine,2004年,10巻,pp.98-102 Iwawaki T.ら、Nat. Cell Biol.,2001年,3巻, pp.158-164
上述のように、近年、小胞体ストレスがある種の神経変性疾患や循環器系疾患に関与すると報告されていることから、小胞体ストレスを与えずに小胞体分子シャペロンの発現を誘導できる薬剤は、これら疾患の治療薬として期待されている。そこで、本発明は、小胞体ストレスを与えずにIRE1/XBP1経路を活性化する分子や薬剤を探索する手法を提供することを目的とする。
本発明者は、ERAI/UMAI両システムを併用できる系の開発を行った。この系において、両方のレポーターが同時に活性化されれば、小胞体ストレスがあることを示し、一方、いずれか一方のみが活性化されれば、小胞体ストレスを与えずに活性化されたことを示す。すなわち、ERAIシステム由来のレポーターだけが活性化されれば、小胞体ストレスを与えずにIRE1/XBP1経路が活性化されたことになる。また、UMAIシステム由来のレポーターだけが活性化されれば、小胞体ストレスを与えずにPERK/ATF4経路が活性化されたことになる。したがって、このような小胞体ストレスの2元的検査システムを用いれば、「小胞体ストレスそのもの」と「小胞体ストレスを与えないIRE1/XBP1経路やPERK/ATF4経路の活性化」とを区別することが可能になる。この点は、ERAIシステムまたはUMAIシステムを単独で使用する場合と大きく異なる。
そこで、本発明は、
(a)XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている、発現ベクター;および
(b)ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている、発現ベクター;
が共導入された、トランスジェニック細胞を提供する。
好適な実施態様では、上記トランスジェニック細胞において、上記第1のレポータータンパク質および上記第2のレポータータンパク質は、蛍光タンパク質である。
本発明はまた、
(a)XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている、発現ベクター;および
(b)ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている、発現ベクター;
が共導入された、非ヒトトランスジェニック動物を提供する。
好適な実施態様では、上記非ヒトトランスジェニック動物において、上記第1のレポータータンパク質および上記第2のレポータータンパク質が、蛍光タンパク質である。
本発明はさらに、小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質のスクリーニング方法を提供し、この方法は、
上記のトランスジェニック細胞と候補物質とを接触させる工程;
該トランスジェニック細胞において、第1のリポータータンパク質および第2のリポータータンパク質の活性を測定する工程;および
該トランスジェニック細胞において該第1のリポータータンパク質または該第2のリポータータンパク質のいずれか一方の活性のみが測定された候補物質を、小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質として選択する工程;
を含む。
本発明はさらに、小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質の他のスクリーニング方法を提供し、この方法は、
上記の非ヒトトランスジェニック動物に候補物質を投与する工程;
該非ヒトトランスジェニック動物において、第1のリポータータンパク質および第2のリポータータンパク質の活性を測定する工程;および
該非ヒトトランスジェニック動物において該第1のリポータータンパク質または該第2のリポータータンパク質のいずれか一方の活性のみが測定された候補物質を、小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質として選択する工程;
を含む。
本発明のERAI/UMAI両システムを導入した細胞とマルチウェルルミノメーターとを用いて、薬剤ライブラリーや遺伝子ライブラリーに対してハイスループットスクリーニングを行うことにより、目的の「小胞体ストレスを与えずにIRE1/XBP1経路を活性化する薬剤や分子」の探索を容易に高速で行うことが可能になる。これにより発見された薬剤や分子は、小胞体ストレス関連疾患の治療法の開発だけでなく、IRE1やXBP1などの小胞体ストレス応答分子の基礎的な分子生物学研究にも大いに役立ち得る。
(本発明の原理)
本発明の原理は、以下のとおりである。本発明のトランスジェニック細胞または非ヒトトランスジェニック動物は、2種類の発現ベクター(a)および(b)が共導入されている。発現ベクター(a)は、上記のERAIシステムが作動し得るように構築され、具体的には、XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含み、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている。一方、発現ベクター(b)は、上記のUMAIシステムが作動し得るように構築され、具体的には、ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含み、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている。小胞体ストレスの存在下では、ERAI/UMAI両システムが作動して、第1および第2の両方のレポータータンパク質が発現する。小胞体ストレスなしにIRE1/XBP1経路が活性化される場合は、第1のレポータータンパク質のみ発現する。一方、小胞体ストレスなしにPERK/ATF4経路が活性化される場合は、第2のレポータータンパク質のみが発現する。このように、IRE1/XBP1経路またはPERK/ATF4経路の活性化を引き起こし得る物質について、トランスジェニック細胞または非ヒトトランスジェニック動物における小胞体ストレスの有無を確認することが可能である。
(ERAIシステム用の遺伝子)
発現ベクター(a)は、図2に示すように、ERAIシステムが作動するように構築されている。発現ベクター(a)は、XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含み、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている。
XBP1遺伝子は、刺激応答遺伝子の一種であり、小胞体ストレス下でIRE1によって26ヌクレオチドのイントロンがスプライシングされる。例えば、ヒト、ウシ、マウス、アフリカツメガエル、およびゼブラダニオ(zebra fish)のXBP1のcDNA配列が知られており、ESTデータベース上に、それぞれBE170119、AV604667、BF143019、AF358133、およびAF399918として登録されている。本発明においては、XBP1のcDNAとして、NCBIの登録番号AB076383のヒトXBP1のcDNA(配列番号1)を例に挙げて説明する。非スプライシング時には、配列番号1の9位〜794位がコード領域となり、261アミノ酸残基からなるXBP1タンパク質(短縮型)に翻訳される(配列番号2)。一方、cDNAのイントロンは、配列番号1の502位〜527位の塩基配列である。IRE1によるXBP1遺伝子のスプライシングによってフレームシフトが起こり、配列番号1の9位〜501位および528位〜1165位がコード領域になり(配列番号3の9位〜1139位)、376アミノ酸残基からなる活性型XBP1タンパク質に翻訳される(配列番号4)。
第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子は、スプライシングによって発現する活性型XBP1タンパク質コード領域の下流側の適切な位置に、読み枠が一致するように融合される。すなわち、発現ベクター(a)は、IRE1によってスプライシングされた場合のみ、活性型XBP1タンパク質と第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように、構築される。
第1のレポータータンパク質としては、その発現を確認できるタンパク質であれば特に限定されない。インビボで容易に確認可能な点で、蛍光タンパク質であることが好ましい。蛍光タンパク質としては、ルシフェラーゼ、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、それらの改変体などが挙げられる。ルシフェラーゼとしては、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼなどが挙げられる。グリーン蛍光タンパク質およびその改変体としては、オワンクラゲグリーン蛍光タンパク質、EGFP(enhanced green fluoro protein)、YFP(yellow fluoro protein)、BFP(blue fluoro protein)、RFP(red fluoro protein)などが挙げられる。これらはいずれも市販されており、容易に入手可能である。
(UMAIシステム用の遺伝子)
発現ベクター(b)は、ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含み、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている。
小胞体ストレス下では、上述のように、PERKが活性化され、eIF−2αがリン酸化されてeIF−2αの機能が低下して、ATF4のmRNA中の複数の翻訳開始点のうち最も下流にある真の翻訳開始点からの翻訳が促進される。例えば、ヒト、マウス、アメフラシなどのATF4のcDNA配列が知られており、ESTデータベース上に、それぞれHSU03712、NM_009716、およびACU40851として登録されている。本発明においては、ATF4のcDNAとして、NCBIの登録番号BC011994のヒトATF4のcDNA(配列番号5)を例に挙げて説明する。ATF4のcDNAはmRNAに転写された後、通常状態時、つまりeIF−2αが正常に機能しているときには、ATF4は偽の複数の上流翻訳開始点から、翻訳される。すなわち、それぞれ配列番号5の4位〜9位、67位〜78位、および166位〜345位が翻訳される。一方、PERKが活性化されると、ATF4のmRNAの真の翻訳開始点である配列番号5の263位〜1318位が翻訳される。
第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子は、ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置される。例えば、NCBIの登録番号HSU03712のヒトATF4のcDNAを例に挙げると、配列番号5の263位よりも下流に、より具体的には、真の翻訳開始コドン(配列番号5の263〜265位)よりも下流に配置される。そのため、PERKが活性化されて真の翻訳開始点から翻訳される場合のみ、第2のレポータータンパク質が発現する。
第2のレポータータンパク質としては、上記の第1のレポータータンパク質と同様に、その発現を確認できるタンパク質であれば特に限定されない。インビボで容易に確認可能な点で、蛍光タンパク質であることが好ましい。また、第1のレポータータンパク質の発現と容易に区別可能なように、第1のレポータータンパク質とは異なるタンパク質とすべきである。第1のレポータータンパク質と第2のレポータータンパク質との組み合わせは、例えば、ホタルルシフェラーゼとウミシイタケルシフェラーゼ、EGFPとRFPなどの組み合わせが好ましい。
(発現ベクターおよび発現ベクターの導入)
本発明において、上記のシステムを含む発現ベクター、発現ベクターが導入される細胞および非ヒト動物、および発現ベクターの導入方法は、特に限定されず、当業者が通常用いる手段によって行われ得る。
発現ベクターが導入され得る細胞としては、例えば、細菌(大腸菌、乳酸菌など)、酵母(発芽酵母、分裂酵母など)のような単細胞、ならびにヒト由来細胞(HeLa、293T、SH−SY5Yなど)、マウス由来細胞(Neuro2a、NIH3T3など)のような培養細胞が挙げられる。これらはいずれも市販されているか、あるいは公共の研究機関より入手可能である。あるいは、受精卵、胚、器官、組織などに導入してもよい。
発現ベクターとしては、当業者が通常用いる市販の組換え発現用ベクター(例えば、プラスミドDNAなど)が用いられ、その種類は、ベクターを導入すべき細胞などにおいて、所望のタンパク質を発現し得る機能を有するものであれば、特に限定されない。通常、プロモーター、ターミネーター、リボソーム結合部位、翻訳開始コドン、翻訳終止コドン、複製開始点などを有し、さらに既知の制限酵素部位を有し、そして栄養要求性、薬剤耐性、温度感受性などのマーカーを有する。例えば、哺乳動物細胞発現ベクターは、SV40、ウシ・パピローマウイルスなどの腫瘍ウイルスのプロモーター部分が使用され得る。さらに、ヒト・サイトメガロウイルスなどに由来するエンハンサーを有してもよい。
このような組換え発現用ベクターに、上記の各システムの遺伝子(DNA断片)を組込む方法は、特に限定されない。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)に記載の方法などが挙げられる。簡便には、市販のライゲーションキット(例えば、宝酒造製など)を用いることができる。
所望のDNA断片を組込んだ発現ベクターを、所望の細胞に導入する方法は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版),Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)に記載の方法などが挙げられる。例えば、リン酸カルシウム法、塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、遺伝子銃法などの方法が挙げられる。発現ベクターが導入された細胞、組織などは、適切な選択条件下で培養されて、発現ベクターが正しく導入されたもののみ選択され得、さらに適切な条件下で培養・成長させ得る。
(PERK/ATF4経路を活性化する能力の有無のスクリーニング)
このようにして得られたトランスジェニック細胞または非ヒトトランスジェニック動物は、種々の薬剤について、IRE1/XBP1経路および/またはPERK/ATF4経路を活性化する能力の有無をスクリーニングするために用いられ得る。
例えば、トランスジェニック細胞は、当業者が通常用いる適切な培地中、適切な条件下で培養された後、スクリーニングすべき薬剤と接触させる。接触の手段としては、例えば、薬剤を培地に添加すること、薬剤を細胞に注入することなどが挙げられる。細胞と薬剤とを一定の期間接触させた後、第1のレポータータンパク質および第2のレポータータンパク質の発現について測定する。各レポータータンパク質の発現の測定は、通常、発現したタンパク質の活性を測定する。例えば、レポータータンパク質が蛍光タンパク質である場合は、細胞の蛍光強度を測定する。
第1のレポータータンパク質の活性のみが上昇している場合は、小胞体ストレスなしにIRE1/XBP1経路のみが活性化されることを示す。逆に、第2のレポータータンパク質の活性のみが上昇している場合は、小胞体ストレスなしにPERK/ATF4経路のみが活性化されることを示す。また、第1および第2の両方のレポータータンパク質の活性が上昇している場合は、小胞体ストレスが生じていることを示し、両方の活性がない場合は、小胞体ストレスを生じないが、これらの経路の活性化も生じないことを示す。なお、対照として小胞体ストレスを生じさせる薬剤を用いてもよく、このような薬剤としては、例えば、ツニカマイシン、タプシガルジン、ジチオスレイトールなどが挙げられる。
また、非ヒトトランスジェニック動物については、スクリーニングすべき薬剤を、投与して、第1のレポータータンパク質および第2のレポータータンパク質の発現を測定する。投与方法は、特に限定されず、当業者が通常用いる方法によって行われ得る。例えば、薬剤を適切な媒体とともに、適切な位置に注射または塗布、あるいは経口投与され得る。レポータータンパク質の発現の測定は、動物そのままについて行ってもよいが、動物から採取した細胞について行ってもよい。
ホタルのルシフェラーゼをERAIシステムの第1のレポータータンパク質としたERAI−luc発現ベクター、およびウミシイタケのルシフェラーゼをUMAIシステムの第2のレポータータンパク質としたUMAI−rluc発現ベクターを、以下のように作製し、両ベクターをHeLa細胞に安定的に共遺伝子導入した。
(ERAI−luc発現ベクターの作製)
ERAI−luc発現ベクター(pCAX−F−hXBP1ΔDBD−luc)は、図4に示すように、DNA結合ドメインが欠失しているFLAGタグ付きヒトXBP1の部分的cDNA断片(F−hXBP1ΔDBDで示す)と、ホタルルシフェラーゼcDNA断片(lucで示す)とを、pCAXベクターに挿入して作製した。pCAXは、サイトメガロウイルスエンハンサーおよびニワトリベータアクチンプロモーターを有し、哺乳動物細胞で下流の遺伝子を高発現させることができる(図5)。
実際のERAI−luc発現ベクターの作製において、まず、F−hXBP1ΔDBDのDNA断片を、HeLa細胞のcDNAを鋳型にして、2つのプライマー(配列番号6および7)を用いたPCR法により作出した。lucのDNA断片は、pGL3−Basic vector(Promega社;#E1751)を鋳型にして、2つのプライマー(配列番号8および9)を用いたPCR法により作出した。次に、luc DNA断片を、pCAXのKpnI/BamHI部位にクローニングし、続いてF−hXBP1ΔDBD DNA断片をKpnI/BglII部位にクローニングした。こうして得られたpCAXのKpnI/BamHI部位にクローニングしたDNA配列を、配列番号10に示す。なお、ヒトXBP1遺伝子およびpGL3−Basic vectorの配列情報は、それぞれNCBI(登録番号:AB076383)およびpromega社ウェブサイトより入手可能であり、それぞれ配列番号1および11に示す。
(UMAI−rluc発現ベクターの作製)
UMAI−rluc発現ベクター(pcDNA3.1zeo−hATF4(1−265)−hRL−HA)を、図6に示すように、ヒトATF4の部分的cDNA断片(hATF4(1−265)で示す:配列番号5の1位〜265位)およびHAタグ付きウミシイタケルシフェラーゼcDNA断片(hRL−HAで示す)を、pcDNA3.1zeo(+)ベクター(Invtrogen社;#V86020)に挿入して作製した。pcDNA3.1zeo(+)はサイトメガロウイルスエンハンサーおよびプロモーターを有し、哺乳動物細胞で下流の遺伝子を高発現させることができる。また、同ベクターはゼオシン薬剤耐性遺伝子も有する。
実際のUMAI−rluc発現ベクターの作製において、まず、hATF4(1−265)のDNA断片を、HeLa細胞のcDNAを鋳型にして、2つのプライマー(配列番号12および13)を用いたPCR法により作出した。hRL−HAのDNA断片は、phRL−TK vector(Promega社;#E6241)を鋳型にして、2つのプライマー(配列番号14および15)を用いたPCR法により作出した。次に、hRL−HA DNA断片を、pcDNA3.1zeo(+)のHindIII/BamHI部位にクローニングし、続いてhATF4(1−265)DNA断片を、HindIII/XhoI部位にクローニングした。こうして得られたpcDNA3.1zeo(+)のHindIII/BamHI部位にクローニングされたDNA配列を、配列番号16に示す。なお、ヒトATF4遺伝子、pcDNA3.1zeo(+)、およびphRL−TK vectorの配列情報は、それぞれNCBI(登録番号:HSU03712)、Invtrogen社ウェブサイト、およびPromega社ウェブサイトより入手可能であり、それぞれ配列番号5、17、および18に示す。
(細胞培養)
HeLa細胞、ERAIシステム導入細胞(後述)、およびERAI/UMAIシステム導入細胞(後述)は、特に明記しない限り、α−MEM(Sigma社;#M4526)に、最終濃度4mMのL−グルタミン、100units/mlのペニシリン、0.1mg/mlのストレプトマイシン、および10%のウシ胎児血清を加えた培地を用いて、37℃、5%CO環境下で培養した。
(ERAIシステム導入細胞の取得)
まず、ERAI−luc発現ベクターを安定的に導入したHeLa細胞を得るために、リン酸カルシウム法を用いて、HeLa細胞に、上記のようにして得たERAI−luc発現ベクター(pCAX−F−hXBP1ΔDBD−luc)およびpTK−Hyg(Clontech社;#631750)を質量比4:1で導入した。pTK−Hygは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼプロモーターの下流でハイグロマイシン耐性遺伝子を発現させるベクターであり、その配列情報はClontech社ウェブサイトより入手可能であり、配列番号19に示す。48時間後、最終濃度0.4mg/mlのハイグロマイシンを培地中に添加し、さらに1週間後、限外希釈法を用いて24クローンのハイグロマイシン耐性細胞株を取得した。
各クローンにERAIシステムが導入されているかどうかを確かめるために、正常条件下および小胞体ストレス条件下でのホタルルシフェラーゼ活性を、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega社;#E1910)およびミトラスLB940(Berthold社)を用いて測定した。ここで、正常条件は、前述したHeLa細胞の培養条件で培養し、一方、小胞体ストレス条件は、培地中に最終濃度1μg/mlのツニカマイシンを添加して6時間培養した。
正常条件下でのホタルルシフェラーゼ活性値に対する小胞体ストレス条件下でのホタルルシフェラーゼ活性値が最も大きいクローンを、ERAIシステム導入細胞(以下、ERAI細胞という場合がある)とした。図7は、正常条件下および小胞体ストレス条件下での、ERAI細胞のホタルルシフェラーゼ活性を示すヒストグラムである。データは、独立した3回の試行により得られた数値の平均値±標準誤差で表す。図7からわかるように、小胞体ストレス条件下では、ERAI細胞のホタルルシフェラーゼ活性は、約10倍上昇していた。
(ERAI/UMAIシステム導入細胞の取得)
次に、リン酸カルシウム法を用いて、上記ERAI細胞に、上記のようにして得たUMAI−rluc発現ベクター(pcDNA3.1zeo−hATF4(1−265)−hRL−HA)を導入した。48時間後、最終濃度0.1mg/mlのゼオシンを培地中に添加し、さらに1週間後、限外希釈法を用いて5クローンのゼオシン耐性細胞株を取得した。
各クローンでERAIシステムが保持されているかどうか、ならびに新たにUMAIシステムが導入されているかどうかを確かめるために、正常条件下および小胞体ストレス条件下で、ホタルルシフェラーゼ活性およびウミシイタケルシフェラーゼ活性を、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega社;#E1910)およびミトラスLB940(Berthold社)を用いて測定した。
正常条件下でのウミシイタケルシフェラーゼ活性値に対する小胞体ストレス条件下でのウミシイタケルシフェラーゼ活性値が最も大きいクローンを、ERAI/UMAIシステム導入細胞(以下、ERAI/UMAI細胞という場合がある)とした。ERAI/UMAI細胞は、ERAIシステムに関して、ERAI細胞と同等のレポーター活性を有していた。図8は、ERAI/UMAI細胞の正常条件下と小胞体ストレス条件下でのウミシイタケルシフェラーゼ活性を示すヒストグラムである。データは、独立した3回の試行により得られた数値の平均値±標準誤差で表す。図8からわかるように、小胞体ストレス条件下では、ERAI/UMAI細胞のウミシイタケルシフェラーゼ活性は、約20倍上昇していた。
(ERAI/UMAIシステムの独立の確認)
本発明においては、ERAI/UMAI細胞に導入された両システムがそれぞれ独立した分子経路で機能することが重要である。すなわち、この細胞中で、ERAIシステムはIRE1の活性に依存的かつPERKの活性に非依存的であり、一方、UMAIシステムはPERKの活性に依存的かつIRE1の活性に非依存的でなければならない。そこで、これを確認するために、ERAI/UMAI細胞に、ヒトIRE1α発現ベクター(pCAG−hIRE1α:図9に示す)および/またはヒトPERK発現ベクター(pCAX−hPERK:図10に示す)を一過的に導入して、IRE1αおよび/またはPERKを過剰発現させた。なお、ヒトIRE1αおよびヒトPERKのDNA配列は、それぞれNCBI(登録番号:NM_001433およびNM_004836)から入手可能であり、それぞれ配列番号20および21に示す。また対照実験には、空の発現ベクター、pCAG(図11)およびpCAX(図5)を用いた。具体的には、IRE1αのみを過剰発現させる場合には、ERAI/UMAI細胞に、リン酸カルシウム法を用いて質量比1:1でpCAG−hIRE1αおよびpCAXを導入した。一方、PERKのみを過剰発現させる場合には、質量比1:1でpCAGとpCAX−hPERKを導入した。また、IRE1αおよびPERKの両方を過剰発現させる場合は、pCAG−hIRE1αおよびpCAX−hPERKを導入した。結果を、図12に示す。データは独立した3回の試行により得られた数値の平均値±標準誤差で表す。
IRE1αを過剰発現させた場合、ホタルルシフェラーゼ活性、すなわちERAI活性のみが100〜150倍上昇した。PERKを過剰発現させた場合は、ウミシイタケルシフェラーゼ活性、すなわちUMAI活性のみが8〜10倍上昇した。IRE1αおよびPERKの両方を過剰発現させた場合は、ホタルルシフェラーゼ活性は100〜150倍上昇し、ウミシイタケルシフェラーゼ活性も8〜10倍上昇した。対照としてpCAGおよびpCAXを導入した場合は、ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼの活性は両方とも上昇しなかった。この結果から、ERAI/UMAI両システムの併用により、IRE1/XBP1経路の活性化とPERK/ATF4経路の活性化とを、小胞体ストレスとは無関係に、独立して検出できることがわかる。
本発明のERAI/UMAI両システムを導入した細胞または非ヒト動物を用いて、薬剤ライブラリーや遺伝子ライブラリーに対してハイスループットスクリーニングを行うことにより、小胞体ストレスとは無関係に、IRE1/XBP1経路の活性化またはPERK/ATF4経路の活性化のみを生じる薬剤や分子を検出できる。特に、ある種の神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)の治療に有効と考えられている目的の「小胞体ストレスを与えずにIRE1/XBP1経路を活性化する薬剤や分子の探索」を容易に高速で行うことが可能である。このスクリーニングにより発見された薬剤や分子は、小胞体ストレス関連疾患の治療法の開発だけでなく、IRE1やXBP1などの小胞体ストレス応答分子の基礎的な分子生物学研究にも有用であり得る。
小胞体ストレス下で生じる細胞内の反応の模式図である。 ERAIシステムにおける遺伝子構築ならびにERAIシステムの機構を示す模式図である。 UMAIシステムにおける遺伝子構築ならびにUMAIシステムの機構を示す模式図である。 ERAI−luc発現ベクター(pCAX−F−hXBP1ΔDBD−luc)の構造を示す模式図である。 pCAXの構造を示す模式図である。図中のMCSはマルチクローニングサイトを示す。 UMAI−rluc発現ベクター(pcDNA3.1zeo−hATF4(1−265)−hRL−HA)の構造を示す模式図である。 正常条件下および小胞体ストレス条件下での、ERAI細胞のホタルルシフェラーゼ活性を示すヒストグラムである。 正常条件下および小胞体ストレス条件下での、ERAI/UMAI細胞のウミシイタケルシフェラーゼ活性を示すヒストグラムである。 pCAG−hIRE1αの構造を示す模式図である。 pCAX−hPERKの構造を示す模式図である。 pCAXの構造を示す模式図である。 IRE1αおよび/またはPERKを一過的に過剰発現させたERAI/UMAI細胞のホタルルシフェラーゼ活性およびウミシイタケルシフェラーゼ活性を示すヒストグラムである。

Claims (6)

  1. (a)XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている、発現ベクター;および
    (b)ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている、発現ベクター;
    が共導入された、トランスジェニック細胞。
  2. 前記第1のレポータータンパク質および前記第2のレポータータンパク質が、蛍光タンパク質である、請求項1に記載のトランスジェニック細胞。
  3. (a)XBP1遺伝子と第1のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該XBP1遺伝子がスプライシングを受けた場合のみ、XBP1タンパク質と該第1のレポータータンパク質との融合タンパク質が発現するように配置されている、発現ベクター;および
    (b)ATF4遺伝子と第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子との融合遺伝子を含む発現ベクターであって、該第2のレポータータンパク質をコードする遺伝子が該ATF4遺伝子の真の翻訳開始点よりも下流に配置されている、発現ベクター;
    が共導入された、非ヒトトランスジェニック動物。
  4. 前記第1のレポータータンパク質および前記第2のレポータータンパク質が、蛍光タンパク質である、請求項3に記載の非ヒトトランスジェニック動物。
  5. 小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質のスクリーニング方法であって、
    請求項1または2に記載のトランスジェニック細胞と候補物質とを接触させる工程;
    該トランスジェニック細胞において、第1のリポータータンパク質および第2のリポータータンパク質の活性を測定する工程;および
    該トランスジェニック細胞において該第1のリポータータンパク質または該第2のリポータータンパク質のいずれか一方の活性のみが測定された候補物質を、小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質として選択する工程;
    を含む、方法。
  6. 小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質のスクリーニング方法であって、
    請求項3または4に記載の非ヒトトランスジェニック動物に候補物質を投与する工程;
    該非ヒトトランスジェニック動物において、第1のリポータータンパク質および第2のリポータータンパク質の活性を測定する工程;および
    該非ヒトトランスジェニック動物において該第1のリポータータンパク質または該第2のリポータータンパク質のいずれか一方の活性のみが測定された候補物質を、小胞体ストレス応答分子の活性を制御し得る物質として選択する工程;
    を含む、方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012099279A1 (ja) 2011-01-21 2012-07-26 独立行政法人理化学研究所 酸化ストレスインジケーター発現用核酸構築物とその使用
US9085791B2 (en) 2011-02-07 2015-07-21 The University Of Tokushima Method for screening substance relating to endoplasmic reticulum stress participating in onset of diabetes
KR20170048206A (ko) * 2015-10-23 2017-05-08 한국생명공학연구원 XBP-1(X-box binding protein 1) 유전자를 이용한 소포체 스트레스 분석용 조성물

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