JP2005204407A - 多相型リニアモータならびにその駆動方法、およびそれを用いたステージ装置、露光装置、デバイス製造方法 - Google Patents

多相型リニアモータならびにその駆動方法、およびそれを用いたステージ装置、露光装置、デバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多相型リニアモータの初期化を安価に確実かつ短時間に行うことを目的とする。
【解決手段】 可動子と固定子を有する多相型リニアモータの初期化において、複数のコイル相の一部または全部を選択して第1の一定電流を供給することにより前記可動子を第1の電気機械的安定点へ駆動する第1のステップと、前記選択されたコイル相と同一もしくは異なるコイル相に第2の一定電流を供給することにより前記可動子を第2の電気機械的安定点へ移動する第2のステップと、前記第2の電気機械的安定点に応じた所定の電流を各コイル相に供給して前記可動子を所定の基準位置まで駆動する第3のステップとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は多相型のリニアモータおよびその駆動方法に関するものであり、特には電源投入時やリセット時において可動子と固定子の位置関係を特定することが出来ない多相型リニアモータの可動子の絶対位置を確定するための初期化方法に関するものである。
多相型リニアモータとは、2相以上のコイルからなるコイルユニットをリニアモータ可動子の移動方向に複数並べて配置した固定子と、移動方向にN極、S極を並べた可動子とを有する可動磁石型リニアモータと、同様に磁石を移動方向に並べた固定子と、先と同様のコイルユニット可動子を有する移動コイル型リニアモータのことである。どちらの場合でも、各相に流すべき電流はリニアモータへの指令値に対し、可動子と固定子との相対位置関係から定まる位相角に応じた三角関数で演算される整流値を乗じた正弦波電流となる。
多相型リニアモータを半導体露光装置の移動ステージのような高精度な位置決めを要求される装置に適用する場合、ステージの位置計測手段としてレーザ干渉計が一般的に用いられる。レーザ干渉計は相対位置センサであり、電源投入時やレーザ光が遮断された後の復帰時などではステージの絶対位置は計測不可能である。整流値の演算にはレーザ干渉計の計測値を用いており、電源投入時やリセットによる復帰時には位相角が特定できないために三角関数による整流値の演算が出来ず、リニアモータを駆動することが出来ない。この対策として、特許文献1では超音波センサを用いて絶対位置センサを併用している。また、特許文献2では可動コイル型多相リニアモータにおいて絶対位置センサを用いない初期化方法として、1相に一定電流を流し、ステージが停止した位置を一意の初期位相角特定点(以下、電気機械的安定点と記載する。)として位相角を特定して、所定の基準位置まで駆動することで絶対位置を確定することが開示されている。
特開平11−316607号公報 特開2003−199380号公報
特許文献1のように、絶対位置センサを併用すれば電源投入時やリセット時に固定子と可動子の位置関係を特定することが出来るが、絶対位置センサの周辺回路が必要となり構成が複雑となってしまう上、コストが高くなってしまう。また、特許文献2では、ステージの位置とリニアモータの力の関係は一定電流に対して正弦波状となり、正弦波が零になる位置は位相0度と180度であるので、理論上の停止位置は2点となり、初期位相角が確実に特定できていないことになる。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、安価な機構で多相型リニアモータの初期位相角を短時間で確実で特定することを目的とする。
上述の課題を解決するために本発明では、可動子と固定子を有する多相型リニアモータの駆動方法であって、複数のコイル相の少なくとも一部に第1の一定電流を供給することにより前記可動子を第1の電気機械的安定点へ駆動する第1のステップと、前記第1のステップと同一または異なるコイル相に第2の一定電流を供給することにより前記可動子を第2の電気機械的安定点へ移動する第2のステップと、前記第2の電気機械的安定点に応じた所定の電流を各コイル相に供給して前記可動子を所定の基準位置まで駆動する第3のステップとを備えることを特徴としている。
ここで、第1および第2の電気機械的安定点は実施例で後述するが、第1および第2の電気機械的安定点およびその近傍を含めるものである。
また、前記第1の電気機械的安定点が複数の電気機械的安定点を有し、前記第2の電気機械的安定点が前記第1の電気機械的安定点の間に位置することがより好ましい。
また、前記第2の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相が、前記第1の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相と異なることがより好ましい。
また、前記第1のステップにおいて前記複数のコイル相の全部のコイル相に正または負の一定電流を供給し、前記第2のステップにおいて前記全部のコイル相のうち少なくとも1つのコイル相に第1のステップで供給した一定電流と符号の異なる一定電流を供給することがより好ましい。
また、前記多相型リニアモータは、前記複数のコイル相を有するコイルユニットを複数有し、前記第1及び第2のステップのときにはすべてのコイルユニットに電流を流すことがより好ましい。
また、前記可動子と前記固定子のいずれか一方は、前記可動子の移動方向に沿って周期性をもつ磁束分布を有する磁石部を有することが好ましい。ここでいう周期性を有する磁束分布とは、たとえば移動方向に沿ってN極とS極を交互に配した磁石によって、作られる正弦波または台形波に近い磁束分布などのことをいう。
また、前記多相型リニアモータは、前記可動子の相対位置を検出するため相対位置検出手段と、前記可動子の基準位置を確定するための基準位置確定手段を有し、前記基準位置確定手段により確定された基準位置にもとづいて、前記相対位置検出手段を用いて前記可動子の絶対位置を検出する第4のステップを備えることがより好ましい。
このとき、前記相対位置検出手段としてたとえばレーザ干渉計であることが好ましく、基準位置確定手段はフォトセンサ等の原点センサであることが好ましい。なお、可動子の位置を検出することは、可動子に固定されたステージ等の位置を検出することも含めることは明らかであるものとしている。
本発明を別の観点から見ると、可動子と固定子を有する多相型リニアモータであって、前記可動子と前記固定子の相対位置から決定される位相角を特定するための指令を生成する位相角特定指令生成手段と、該位相角特定指令生成手段からの指令に基づいて、コイルの一部または全部を選択して第1の一定電流を供給した後に前記選択されたコイルと同一または異なるコイルに第2の一定電流を供給するドライバを有することを特徴としている。
この場合、前記第2の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相が、前記第1の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相と異なることが好ましい。
本発明をさらに別の観点から見ると、周期的な推力指標を有する多相型リニアモータの駆動方法であって、該多相型リニアモータは複数のコイル相を有する複数のコイルユニットを有し、該複数のコイルユニットのすべてに第1の一定電流を供給した後に、前記第1の一定電流と異なる第2の一定電流を供給することにより、前記可動子と固定子の位置によって決まる位相角を特定することを特徴としている。
この場合、前記第2の一定電流は、前記コイルユニットの各コイル相に供給する電流値の組合わせを変えることによって前記第1の一定電流と異ならせることが好ましい。
また、前記可動子に固定された可動ステージを位置決めするステージ装置が上述の多相型リニアモータおよび多相型リニアモータ駆動方法を初期化動作として行うことが好ましく、このステージ装置が露光装置において基板または原版の位置決めに用いられることが好ましい。さらには、デバイスの製造方法が、この露光装置によってデバイスを製造されるものであることが好ましい。
本発明を用いることにより安価な機構で多相型リニアモータの初期位相角を短時間で確実に特定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、全部のコイル相を用いるのでドライバの負荷を低減でき、また少なくとも1つの相で一定電流の正負を変えればいいだけなので、より単純な電流制御で上述の効果を達成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、可動子の初期位置の予測が全くつかないときにでも初期化を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、絶対位置検出手段を用いずに可動子の絶対位置を検出することができるため、多相型リニアモータの初期化機構を低コストにすることができる。
請求項10に記載の発明によれば、多相型リニアモータの初期位相角を短時間で確実に特定することができる。
請求項11および請求項14に記載の発明によれば、ステージ装置においてステージの位置決めにかかる時間を全体として短時間とすることができる。
請求項15に記載の発明によれば、低コストで高スループットの露光装置を提供することができる。
(実施例1)
図1は実施例1におけるステージ制御システムのブロック線図である。詳細な説明は後述する。図2は多相リニアモータをアクチュエータとして採用した半導体露光装置のステージの一例である。ステージ1には不図示のレチクルが搭載される。ステージ1は定盤2およびヨーガイド3との間に設けられた不図示の静圧案内により、定盤2上を一方向(Y方向)のみ移動自由に設置されている。定盤2の両脇には3相コイルを有するコイルユニットをY方向に複数並べて構成された固定子4a,4bがある。ステージに設けられた磁石からなる可動子5a,5bと固定子4a,4bとによって、ステージに駆動力を発生させる。磁石は図3に示すように可動子の移動方向(Y方向)に沿ってN極とS極を順に配している。ここで、Y方向にステージを駆動するときには、両脇のリニアモータ(4aと4b)には同じ指令が出力される。ステージ1には反射鏡6が設けられ、反射鏡6はステージ1外部から入射する測長レーザ光7を反射し、不図示のレーザ干渉計によりステージ1の移動方向における位置(相対位置)が計測される。
図1に戻り、指令選択器14を説明する。指令選択器14には後述する位相角特定指令、および速度制御指令、位置制御指令が入力され、ステージ制御動作に応じてこれら3つの入力を選択して出力する。速度制御指令は、ステージへの速度指令(速度目標値)とレーザ干渉計で計測された位置情報を速度演算器13において時間微分したステージ速度情報との差分である速度偏差を制御器11(PID制御系)に入力することにより生成される。位置制御指令は同様にして、ステージへの位置指令(位置目標値)とステージ位置情報との差分である位置偏差を制御器12(PID制御系)に入力することにより生成される。指令選択器14からは選択された指令がアナログ電圧で出力され、電流ドライバへ入力される。電流ドライバは出力端に繋がれた負荷に流れる電流が、指令アナログ電圧に比例した値になるようにドライバ出力端の電圧が制御される。よって電流ドライバに接続されたコイルには指令選択器14から出力された信号に比例した電流が流れる。電流ドライバはA相、B相、C相の3系統設けられている。
コイル選択器16の動作を説明する。ここではコイルユニットが図4のように4つあるとする。ユニット数はステージの移動範囲に応じて設計すればよい。コイル選択器16は可動子と固定子の位置関係に応じて図5のように一つのコイルを選択する。図5ではA2コイルを選択した例を示している。B,C相も同様にコイル選択器により選択される。電源投入時やレーザ干渉計エラーリセットをするときは、ステージ1の位置情報は不定となる。レーザ干渉計は相対位置センサであるため、ステージ1が特定の位置にあるときにレーザ干渉計の値を設定しなければならないためである。この初期化動作時には図6のようにコイル選択器16は全てのコイルを選択する。即ち電流ドライバに対して全てのユニットのコイルを並列に接続する。コイル間の抵抗値の差を抑えることにより、このように並列接続したときでも全てのコイルに同じ電流を流すことが出来る。
次に初期化動作時のステージ制御系全体の機能を説明する。指令選択器14はAの位相角特定指令を選択する。前述したようにコイル選択器は全てのコイルを選択する。図7は3相リニアモータの各相に一定電流を流したときのステージ位置に対するリニアモータ推力の指標を示したものである。図7でリニアモータ推力の指標は正弦波となっているが、周期性を有するものであれば高調波成分を含む台形波等でもよい。推力はコイル電流に比例したものとなり、ここでは最大を1として正規化して示してある。図7のように各相の推力指標は120度位相のずれた正弦波となる。各相にこの正弦波と同じ位相の整流値を指令電流に乗じたものを流せば、リニアモータはステージ位置に依らず一定の推力を出すことが出来る。
たとえばA,B,C相の各推力指標fa、fb、fcは、周期を40、ステージ位置をxとすると
fa=sin(2*pi/40*x)
fb=sin(2*pi/40*x+π/3)
fc=sin(2*pi/40*x+2*π/3)
である。リニアモータ指令iに対し、整流値として上式と同じ三角関数による整流値を乗じた次の正弦波電流
ia=i*sin(2*pi/40*x)
ib=i*sin(2*pi/40*x+pπ/3)
ic=i*sin(2*pi/40*x+2*π/3)
を各相に流すと、リニアモータの発生する力Fは、
F=i*sin^2(2*pi/40*x)+i*sin^2(2*pi/40*x+π/3)+i*sin^2(2*pi/40*x+2*π/3)=1.5*i
となり、ステージ位置xに依らず、リニアモータ指令iにゲイン1.5が乗じられた推力をだすことができる。推力指標fa、fb、fcが正弦波から外れている場合では、上記発生する力Fには若干の位置に対する推力ムラが生じるが、ステージ位置の計測値と指令値との差分を負帰還する前記PID制御系からリニアモータへの指令が出力されるので問題とはならない。
しかし初期化動作時にはステージ位置の特定が出来ないので位相角の推定ならび整流値の算出が出来ない。
図10に初期化動作のフローチャートを示す。初期化動作の第1ステップとして位相角特定指令に第1の一定電流としてA,B,C各相に全て同じ値の正の指令を出力する。このときのステージ位置に対するリニアモータ推力の指標は図8のようになる。図7の正規化した値に対し、この場合は最大値は2となる。初期位置としてステージが原点0mm付近にあったとする。図8の推力指標からリニアモータはプラスの力を出し、ステージは正方向に移動する。座標13.333mm付近の点イ(第1の電気機械的安定点)を越えるとリニアモータはマイナスの力を出し、ステージは負方向へ移動する。即ち点イ付近ではバネ性の挙動を示す。実際にはステージ移動方向の案内の摩擦や、ステージへの配管等による外乱力の力が釣り合って位置で点イ近傍に停止する。点ロの位置ではリニアモータの力は零である。同様に摩擦や外乱力などにより点ロ(第1の電気機械的安定点)付近にはステージが動かない不感帯が存在し、結果としてステージは点イまたは点ロ近傍のどちらかに停止する。この点イと点ロの位置関係は図8のように周期的に複数存在する。推力指標の曲線が右下がりに0を横切る点がイ、右上がりに0を横切る点がロである。
第2ステップとして位相角特定指令からは、第2の一定電流として第1ステップの指令のA相のみ極性を反転した指令を出力する。このときのリニアモータ推力の指標は図9の点線となる。図9の実線は第1ステップの推力指標である。ステージが点イ近傍に位置していたときは第2ステップでは負方向へリニアモータ推力が働き、点ロ近傍に位置していたときには正方向へ推力が働く。結果としてどちらの点に位置していても2点間に位置する図9の点ハ(第2の電気機械的安定点)近傍位置に停止する。第1ステップ、第2ステップの連続した動作により、ステージの初期位置が何処であっても停止位置は図9の点ハ近傍となる。点ハは図9の推力指標の曲線(点線)が右下がりに0を横切る点である。
第2ステップが終了した時点でレーザ干渉計の仮リセットを行う。図9の第2ステップの力位相はレーザ干渉計が原点0で正式にリセットされたときのC相の力位相と同じである。よって仮リセットを行う際に、ステージ位置計測値を点ハの代表位置としてたとえば6.666mmになるようにする。コイル選択器16は全てのコイルを選択した状態にしておき、各相への整流値を通常駆動状態と同じように算出すればドライバ電流指令にほぼ比例した推力をステージの位置に依らずに発生できるようになる。具体的には、点ハでの各コイル相の正弦波の電気位相角を初期位相とする正弦波電流を各コイル相に供給することでステージ位置によらずに推力を与えることができる。
次に指令選択器をBの速度制御指令に切り替える。速度指令は不図示の原点センサにステージが移動するように生成する。原点センサとしてはフォトスイッチなどが用いられる。前述したようにリニアモータ推力はドライバ電流指令にほぼ比例した推力を発生することが出来るので、ステージ位置情報から算出したステージ速度情報と速度指令との差分による速度偏差から制御器で生成された電流指令をドライバへ出力すれば、ステージ1は速度指令通りの速度を持って移動することが出来る。原点センサにステージ1が達した時点で速度指令を0にするとともに、レーザ干渉計の正式リセットを行う。これ以降、ステージ位置情報が正確に絶対値として求められる。指令選択器14をCの位置制御指令に切り替え、コイル選択器16は位置情報に基づきコイル選択を開始する。位置指令を制御器12に送ることにより、ステージの位置制御が機能する。この工程で初期化が完了する。
第1ステップ、第2ステップにおける電流指令の組み合わせは先に示した構成には限らない。2段階のステップで特定の位相角位置(第2の電気機械的安定点)にステージが静止するように決めればよい。また、ここではA,B,C相全てのコイルに指令を出す構成を示したが、第1ステップでA相のみに正指令、第2ステップでB相のみに正指令、のように一つの相で行っても良い。つまり、第1ステップと第2ステップで別のコイル相を選択した場合には第1の一定電流と第2の一定電流は同じ値であってもよく、図8の推力指標の位相が第1ステップと第2ステップで異なるようにすればよい。ただし、一つのコイルの熱的負荷、一つの相のドライバの負荷を考慮すると、全ての相を用いるの方が力が大きくなり好ましい。また、この実施例にあるように第1ステップの第1の一定電流は全ての相に同じ符号とし、第2ステップの第2の一定電流では一つ、または一つ以上の相の電流の符号を他と反転させたものとするのが単純となり好ましい。
第1ステップ、第2ステップにおいて作用させるリニアモータの推力は、ステージに加わる外乱力を考慮し、外乱力よりも大きな力になるようにしなければならない。例えばリニアモータの種類としてコイルを櫛歯状の鉄心ヨークに設けた鉄心型リニアモータがある。この場合、鉄心と磁石の間の吸引力により、ステージ位置に応じたコギング力が外乱として作用する。コギング力の大きさはステージ位置を関数として周期的に変化し、コギング力が小さな位置でステージが安定して止まるバネ性を示す。このバネ性に十分に打ち勝つように位相角特定指令の第1の一定電流及び第2の一定電流を与える必要がある。
ここでは可動磁石型のリニアモータ構成を用いたが、可動コイル型のリニアモータにおいても全く同様に本発明を実施できる。
また、本実施例ではレチクルを搭載した1方向に移動するステージの例を示したが、これに限るものではなく、ウエハを搭載したウエハステージにも適用できる。以下に本実施例のステージを露光装置に適用した例を示す。
図11は、上記と同様のステージ装置をウエハステージまたはレチクルステージとする半導体デバイス製造用の露光装置を示す。
この露光装置は、半導体集積回路等の半導体デバイスや、マイクロマシン、薄膜磁気ヘッド等の微細なパターンが形成されたデバイスの製造に利用され、原版であるレチクルを介して基板としての半導体ウエハW上に照明系ユニット501からの露光エネルギーとしての露光光(この用語は、可視光、紫外光、EUV光、X線、電子線、荷電粒子線等の総称である)を投影系としての投影レンズ503(この用語は、屈折レンズ、反射レンズ、反射屈折レンズシステム、荷電粒子レンズ等の総称である)を介して照射することによって、ウエハステージ504に搭載された基板上に所望のパターンを形成している。また、このような露光装置は、露光光が短波長光となるにしたがって、真空雰囲気での露光が必要となってきている。
ウエハステージ504に搭載したチャック上に基板であるウエハ(対象物)を保持し、照明系ユニット501によって、レチクルステージ502に搭載された原版であるレチクルのパターンをウエハ上の各領域にステップアンドリピートもしくはステップアンドスキャンで転写する。ここで実施例1のステージ装置はこれらのウエハステージ504もしくはレチクルステージ502として用いられる。
次に、この露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図12は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ5によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに転写する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
実施例1におけるステージ制御システムのブロック線図 多相型リニアモータを用いたステージの概略図 多相型リニアモータの可動子を表す図 多相型リニアモータのコイルユニットを表す図 コイル選択器がA2コイルを選択した状態を表す図 コイル選択器が全てのコイルを選択した状態を表す図 3相リニアモータにおいて各相に一定電流を流したときのステージ位置に対するリニアモータ推力の指標を示す図 第1ステップ時のステージ位置に対するリニアモータ推力の指標を示す図 第1ステップ時および第2動作時のステージ位置に対するリニアモータ推力の指標を示す図 実施例1の初期化のフローチャート 実施例1の露光装置を表す図 実施例1のデバイス製造方法を表す図
符号の説明
1 ステージ
2 定盤
3 ヨーガイド
4a,4b 固定子
5a,5b 可動子
6 反射鏡
7 レーザ光
11,12 制御器
13 速度演算器
14 指令選択器
15 電流ドライバ
16 コイル選択器
17 3相リニアモータ
18 ステージ
501 照明系ユニット
502 レチクルステージ
503 投影レンズ
504 ウエハステージ
505 露光装置本体

Claims (16)

  1. 可動子と固定子を有する多相型リニアモータの駆動方法であって、複数のコイル相の少なくとも一部に第1の一定電流を供給することにより前記可動子を第1の電気機械的安定点へ駆動する第1のステップと、前記第1のステップと同一または異なるコイル相に第2の一定電流を供給することにより前記可動子を第2の電気機械的安定点へ移動する第2のステップと、前記第2の電気機械的安定点に応じた所定の電流を各コイル相に供給して前記可動子を所定の基準位置まで駆動する第3のステップとを備えることを特徴とする多相型リニアモータの駆動方法。
  2. 前記第1の電気機械的安定点が複数の電気機械的安定点を有し、前記第2の電気機械的安定点が前記第1の電気機械的安定点の間に位置することを特徴とする請求項1に記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  3. 前記第2の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相が、前記第1の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相と異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  4. 前記第1のステップにおいて前記複数のコイル相の全部のコイル相に正または負の一定電流を供給し、前記第2のステップにおいて前記全部のコイル相のうち少なくとも1つのコイル相を第1のステップで供給した一定電流と符号の異なる一定電流を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  5. 前記多相型リニアモータは、前記複数のコイル相を有するコイルユニットを複数有し、前記第1及び第2のステップのときにはすべてのコイルユニットに電流を流すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  6. 前記可動子と前記固定子のいずれか一方は、前記可動子の移動方向に沿って周期性をもつ磁束分布を有する磁石部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  7. 前記多相型リニアモータは、前記可動子の相対位置を検出するため相対位置検出手段と、前記可動子の基準位置を確定するための基準位置確定手段を有し、前記基準位置確定手段により確定された基準位置にもとづいて、前記相対位置検出手段を用いて前記可動子の絶対位置を検出する第4のステップを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  8. 前記第3のステップにおいて、前記所定の電流は、前記第2の電気機械的安定点での各コイル相の電気位相角を初期位相とする周期性を有する電流であることを特徴とする請求項1〜7に記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  9. 可動子と固定子を有する多相型リニアモータであって、前記可動子と前記固定子の相対位置から決定される位相角を特定するための指令を生成する位相角特定指令生成手段と、該位相角特定指令生成手段からの指令に基づいて、コイルの一部または全部を選択して第1の一定電流を供給した後に前記選択されたコイルと同一または異なるコイルに第2の一定電流を供給するドライバを有することを特徴とする多相型リニアモータ。
  10. 前記第2の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相が、前記第1の一定電流を与えたときに各コイル相が発生する推力の和の位相と異なることを特徴とする請求項9に記載の多相型リニアモータ。
  11. 請求項9または請求項10に記載の多相型リニアモータを用いて、前記可動子に固定された可動ステージを位置決めすることを特徴とするステージ装置。
  12. 周期的な推力指標を有する多相型リニアモータの駆動方法であって、該多相型リニアモータは複数のコイル相を有する複数のコイルユニットを有し、該複数のコイルユニットのすべてに第1の一定電流を供給した後に、前記第1の一定電流と異なる第2の一定電流を供給することにより、前記可動子と固定子の位置によって決まる位相角を特定することを特徴とする多相型リニアモータの駆動方法。
  13. 前記第2の一定電流は、前記コイルユニットの各コイル相に供給する電流値の組合わせを変えることによって前記第1の一定電流と異ならせることを特徴とする請求項12に記載の多相型リニアモータの駆動方法。
  14. 請求項1〜8、12、13のいずれか1つに記載の多相型リニアモータ駆動方法を初期化動作として行い、前記可動子に固定された可動ステージを位置決めすることを特徴とするステージ装置。
  15. 請求項11または請求項14に記載のステージ装置を用いて、前記可動ステージに搭載された基板または原版を露光することを特徴とする露光装置。
  16. 請求項15に記載の露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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