JP2005201913A - エンコーダ用コード板、エンコーダ、エンコーダ用コード板のための金型製造方法、エンコーダ用コード板のための金型、及びエンコーダ用コード板の製造方法 - Google Patents

エンコーダ用コード板、エンコーダ、エンコーダ用コード板のための金型製造方法、エンコーダ用コード板のための金型、及びエンコーダ用コード板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 絶対位置を検出できる高分解能なエンコーダ用コード板、その金型の製造方法等を提供する。
【解決手段】 エンコーダ用コード板は、透明基板と、前記透明基板の面上に設けられた、断面形状がV字型であって光を反射するV字部と光を透過する平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが変化する第1のパターンを有する第1トラックと、前記透明基板の面上に設けられた、断面形状がV字型であって光を反射するV字部と光を透過する平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが一定の第2のパターンを有する第2トラックとを備え、前記第1トラックと前記第2トラックとの間のトラック間領域は、前記各トラックの設けられた面よりも厚さ方向に突出している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーボシステムにおいて位置検出を行う、高分解能の光学式エンコーダに関する。
従来より、NC工作機械等のサーボシステムでは変位センサーとしてエンコーダが使用されている。エンコーダは、モータ等の回転、直線運動、回転運動等を行う物体の位置や角度、そして速度等の変位情報を検出する。エンコーダは、大別して、磁気方法と光学方式のいずれかの方式で変位情報を検出する。
光学式エンコーダは、光源、および、光源からの光を受光する受光部を収納した筐体と、移動物体としての光学スケール(コード板)とで構成されている。例えば、回転体の回転情報を検出する光学式ロータリエンコーダは、回転体に連結した回転円板(コード板)上にスリット状の光透過部と光遮光部を周期的に配置している。図12は、コード板120と、光源122と、受光部123とを備えた光学式エンコーダの検出部の断面図である。コード板120は、光源122と受光部123との間に設けられている。コード板120は、ガラス板にCrを蒸着したパターン121を有しており、パターン121を利用して、位置を検出するために光束124を選択的に受光する。このようなコード板120は、割れ易い、重い、コストが高い等の問題点があった。
これに対し、従来から、プラスチック等で形成されたコード板が利用されている(特許文献1参照)。図13の(a)は、プラスチックで形成されたコード板130の断面図を示す。コード板130の基板132には、凹部が設けられ、その凹部には入射光を所定方向に光変調させる所定のパターンが形成されている。図13の(b)は、基板132の拡大断面図を示す。基板132の凹部134の底面には、パターン136が形成されている。コード板130は、回転軸Pで回転し、凹部134のパターン136を介して検出された光源からの光に基づいて、回転情報を検出する。
特開平11−23321号公報
図13に示すコード板130は、凹部134の平面的な底面全体に単一のパターン136が設けられているため、すなわち、いわゆる単一のトラックしか存在していないため、相対移動量しか検出することができない。これでは、サーボ系の電源が切られた場合、またはリセットされた場合等には、絶対位置が割り出せない。
本発明の目的は、絶対位置を検出できる高分解能なエンコーダ用コード板を提供することである。
本発明によるエンコーダ用コード板は、透明基板を用いて形成されたエンコーダ用コード板であって、透明基板に設けられ、各々の面が異なるパターンを有する複数のトラックと、複数のトラックの間に設けられ、複数のトラックの前記各々の面と高さの異なるトラック間領域とを備えており、これにより上記目的が達成される。
複数のトラックの前記各々の面は、光を透過させる透過部と、光を反射する反射部とを備え、透過部および反射部の配置により、異なるパターンが形成されていてもよい。
透過部は平坦な面であり、反射部は透過部に対してV字型に形成された溝であってもよい。
透過部は平坦な面であり、反射部は透過部に対してV字型に形成された突起であってもよい。
複数のトラックの前記各々の面は、高さが異なっていてもよい。
透明基板に設けられ、複数のトラックの位置とは異なる位置に平坦面をさらに備え、平坦面は、複数のトラックの前記各々の面より高い位置に設けられていてもよい。
本発明によるエンコーダは、光を照射する光源、および、光源からの光を受光する受光部を収納した筐体と、前記複数のトラックが光源と受光部との間に設けられたエンコーダ用コード板であって、光源から照射された光を透過し、または反射することにより、前記物体の位置情報を検出する、上述のエンコーダ用コード板とを備えており、これにより上記目的が達成される。
本発明によるエンコーダ用コード板のための金型製造方法は、第1の材料に、各々が平坦な面を有する複数のトラックを加工するステップと、複数のトラックの間に、前記平坦な面と高さの異なるトラック間領域を加工するステップと、前記平坦な面の各々に、異なるパターンを形成するステップと、前記第1の材料のパターンにメッキを行うステップと、前記第1の材料からメッキを剥離して金型を得るステップとからなり、これにより上記目的が達成される。
異なるパターンを形成するステップは、前記平坦な面の各々に、配置の異なるV字型の溝を形成するステップであってもよい。
複数のトラックを加工するステップは、各々が異なる高さを有する複数のトラックを加工するステップであってもよい。
前記メッキは、Niメッキであってもよい。
本発明によるエンコーダ用コード板のための金型製造方法は、母材にメッキを行うステップと、メッキ部に、各々が平坦な面を有する複数のトラックを加工するステップと、複数のトラックの間に、前記平坦な面と高さの異なるトラック間領域を加工するステップと、前記平坦な面の各々に、異なるパターンを形成して金型を得るステップとからなり、これにより上記目的が達成される。
異なるパターンを形成するステップは、前記平坦な面の各々に、配置の異なるV字型の溝を形成するステップであってもよい。
複数のトラックを加工するステップは、各々が異なる高さを有する複数のトラックを加工するステップであってもよい。
前記メッキは、NiPメッキであってもよい。
前記メッキは、Cuメッキであり、前記複数のトラックおよび前記トラック間領域に、さらにNiPメッキを行うステップを含んでいてもよい。
本発明によるエンコーダ用コード板の製造方法は、上述の方法により得られた金型に、透明の樹脂材料を射出するステップと、金型から前記樹脂材料を剥離して、エンコーダ用コード板を得るステップとからなり、これにより上記目的が達成される。
本発明のエンコーダ用コード板およびその金型は、各々の面が異なるパターンを有する複数のトラックを有する。これにより、トラック間隔をせばめて小型化できる。このようなエンコーダ用コード板は、高分解能で運動物体の絶対位置を検出できる。
透過部および反射部の配置により、異なるパターンを形成するので、各トラックの光学特性は異なる。その結果、高分解能で運動物体の絶対位置を検出できる。
反射部は透過部に対してV字型の溝、または突起であるため、V溝加工時にバリを出さず高精度なコード板となり、安定した位置情報を得ることができる。
複数のトラックの各々の面は、高さが異なるので、トラック間隔をせばめて小型にできる。
複数のトラックの前記各々の面より高い位置に平坦面を設けた。これにより、組立て時などにトラックを保護することができる。すなわち、トラックのパターンを傷つけることなく、安定した位置情報を得ることができる。
上述のエンコーダ用コード板を用いてエンコーダを形成することにより、高分解能で運動物体の絶対位置を検出できる。
メッキはNiメッキ、Cuメッキ、NiPメッキであるので、技術的に容易である。トラックおよびトラック間領域にNiPメッキを行うことにより、酸化防止と成形時の長寿命化を実現できる。
樹脂射出成形によりエンコーダ用コード板を製造するので、低コスト化を実現できる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、主として光学式エンコーダに用いられるコード板を説明する。ここでいう光学式エンコーダとは、モータ等の回転、直線運動、回転運動等を行う物体の位置や角度、そして速度等の変位情報を、光学的な手法により検出するセンサである。光学式エンコーダには、回転運動を行う対象に用いられるロータリエンコーダ、直線運動を行う対象に用いられるリニアエンコーダ等が知られている。光学式エンコーダは、光源、および、光源からの光を受光する受光部を収納した筐体と、移動物体としての回転体に連結されたコード板とで構成されている。例えば、図12には、光学式エンコーダのコード板120と、光源122と、受光部123とを示す。コード板120は、光源122と、受光部123との間に設けられる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1による光学式エンコーダのコード板を説明する。まず、検出対象の絶対位置を高分解能で検出するためには、異なるパターンを有する複数のトラックが必要となる。「トラック」とは、光源122からの光束を通過させる、区分された領域をいう。そこで、本実施の形態では、コード板に2つのトラックを設けた。図1の(a)〜(d)は、本実施の形態による2つのトラックを有するロータリエンコーダ用コード板(以下、「コード板」と称する)10の構成を示す図である。光学式ロータリエンコーダは、回転体に連結した回転円板(コード板)上にスリット状の光透過部と光遮光部を周期的に配置しており、回転体の回転情報を検出する。コード板10は、回転角度の絶対位置を検出する際に利用され、ポリカーボネート等の透明の樹脂材料で形成されている。(a)は上面図、(b)は断面図、(c)および(d)は、部分断面図である。
図1の(a)を参照して、コード板10は、2種類のトラック1、2と、平坦部4とを備えた円形の板状体である。トラック1、2、および、平坦部4の各々は同心円状に形成され、同じく同心円状の凹部3により区分されている。トラック1、2には、それぞれV字型に形成された溝(以下、「V溝」)による異なるパターンが形成されている。(d)および(c)は、トラック1のA−A’断面と、トラック2のB−B’断面の形状を示す。各断面のV溝は、後述の原理により光を反射する反射部である。V溝間の平坦な面は、光を透過させる透過部である。各トラックのV溝パターンは放射状に(径方向に)形成されている。
図1の(b)は、(a)に示す線分C−C’における断面図である。(b)から理解されるように、トラック1、2、および、平坦部4は、コード板10に突起して設けられているとも言える。トラック2の上面は、トラック1の上面よりも高い位置にある。また、パターンを形成していない平坦部4は、さらに高い位置(円板の最も厚い部分)に位置する。なお、トラック1、2が設けられた側に受光部が設けられ、反対側に光源が設けられる。コード板10は、回転軸Pを中心にして回転し、光源からの光束を通過させ、または反射する。
以下、光束を通過させ、または反射する原理をより詳しく説明する。図2は、トラックのV溝部分の断面図である。V溝部分に到達する光源(図示せず)からの光は、内部全反射し、コード板10の受光部側には透過しない。一方、V溝間の平面部分に到達する光源からの光は、透過して、受光部(図示せず)に入射する。このようにV溝のパターンを形成することで、受光部(図示せず)において透過光を選択的に受光できる。
図3の(a)は、トラック2のV溝形状に応じて変化する、コード板の位置変位と、信号強度との関係を示すグラフである。図示されるように、トラック2ではV溝のピッチが変化し、これに対応して透過光量の変化を検知できる。コード板全周にV溝ピッチが変化するパターンを形成することで、絶対位置を検出できる。一方、図3の(b)は、トラック1のV溝形状に応じて変化する、コード板の位置変位と、信号強度との関係を示すグラフである。トラック1には、コード板全周に一定ピッチのV溝が形成されている。トラック1からの透過光の受光部に同じピッチの遮光用スリットを入れておくことで、図3の(b)に示すように、このピッチに対応した透過光量の変化を検知できる。すなわち、2種類の検知信号を組み合わせて処理することで、絶対位置を高分解能で検出することができる。
以下、位置を検出する原理を説明する。トラック2に刻まれたパターンにより、コード板が1回転する各位置に応じて、レベルが変化する信号が生成される。この信号を検出することにより、概略的な絶対位置が検出できる。そして、トラック1に刻まれたパターンにより、1回転で所定回数(例えば、16回)、レベルが繰り返される信号が生成される。受光部にトラック1のパターンピッチと同じピッチの受光素子を配置することで、コード板の動きに応じて、例えば、図3の(b)に示す信号が得られる。トラック2のパターンに基づく信号により、おおよその絶対位置を検出し、さらに、トラック1のパターンに基づく信号により、さらに精度高く位置を検出できる。例えば、繰り返しが16回であれば、約16倍の精度で位置が検出できる。
コード板10の最上部、すなわち最も厚い部分に平坦部4(図1)を設けることにより、組み立て時などにトラック1、トラック2のパターン部を保護することができ、パターン部を傷付けることなく、安定した位置情報を得ることができる。
次に、コード板10(図1)の製造方法を説明する。コード板10(図1)は、樹脂を射出成形して作製される。射出成形に際しては、金型材が必要となる。図4の(a)〜(c)は、金型材45の製造工程を示す図である。金型材45の製造工程は、(a)母材にコード板10の形状を加工する工程、(b)加工した母材にメッキを行う工程、および、(c)メッキを母材から剥離する工程に大別される。剥離されたメッキが金型材となる。
図4の(a)は、コード板10の形状を加工した母材40を示す。母材には、しんちゅう等が使用される。加工工程を説明すると、まず、トラック1、トラック2にそれぞれ対応するリング部41、42を平坦に加工する。リングには高低差を設ける。すなわち、リング部42の上面は、リング部41の上面よりも高い位置にする。各上面は、面粗さの小さい鏡面である。各リング41、42に隣接して、同心円状の凹み部43を加工する。次に、リング部41、42の上面にV溝を加工する。トラック1とトラック2のパターンは異なるので、リング部41、42上面のV溝のパターンも異なる。ここで、リング部41、42に高低差を設けた理由は、一方のリング部の上面にV溝のパターンを加工する際に、工具が他方のリング部に干渉しないようにするためである。図5は、加工時の工具50の位置を示す図である。図から理解されるように、工具50は、リング部41、42に高低差があることにより、リング部42に干渉することなくリング部41を加工できる。また、リング部間に凹み部43を設けることにより、V溝加工の際の切りくずを逃がし、バリの発生を抑制できる。
次に、図4の(b)は、加工後の母材40と、その上に設けられたメッキ部45とを示す。メッキ部45は、電鋳メッキと称されるNiメッキを行う。メッキは、リング部の高低差、同心円状の凹み量、および、各リング部のV溝の深さに対して十分な厚さが得られるまで行う。
図4の(c)は、母材から剥離されたメッキ部45を示す。このメッキ部は、金型材45として、コード板10の製造に際して利用される。いうまでもなく、金型材45は、母材40に反転品である。金型材45に対して透明な樹脂材料を射出することにより、コード板10(図1)が得られる。
以上のように、トラック間の凹み部があること、複数トラックの高さが同一でないこと、および上述の製造方法により、小型で高精度なコード板を得ることができる。また、金型作製後は樹脂射出成形によりコード板10を製造できるので、製造コストを低減できる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1と同様、回転角度の絶対位置検出を行うロータリエンコーダ用コード板(以下、「コード板」と称する)を説明する。コード板は、異なるパターンを有する複数のトラックを有し、ポリカーボネート等の透明の樹脂材料で作られる。図6の(a)〜(d)は、本実施の形態による2つのトラックを有するコード板60の構成を示す図である。コード板60は、回転角度の絶対位置を検出する際に利用され、ポリカーボネート等の透明の樹脂材料で形成されている。(a)は上面図、(b)は断面図、(c)および(d)は、部分断面図である。
図6に示すコード板60が、コード板10(図1)と異なるのは、コード板10(図1)の凹部と凸部とが反転していることである。以下、具体的に説明する。
図6の(a)を参照して、コード板60は、2種類のトラック61、62と、平坦部64とを備えた円形の板状体である。トラック61、62、および、平坦部64の各々は同心円状に形成され、同じく同心円状の凸部63により区分されている。すなわち凸部63は、トラック61および62に対して突出している。トラック61、62には、それぞれV字型に形成された突起(以下、「V突起」)による異なるパターンが形成されている。(d)および(c)は、トラック61のA−A’断面と、トラック62のB−B’断面の形状を示す。各断面のV突起は、後述の原理により光を反射する反射部である。V突起間の平坦な面は、光を透過させる透過部である。各トラックのV突起パターンは放射状に(径方向に)形成されている。
図6の(b)は、(a)に示す線分C−C’における断面図である。(b)から理解されるように、トラック61、62は、コード板60の凹部として設けられているとも言える。トラック62の上面は、トラック61の上面よりも高い位置にある。パターンを形成していない平坦部4は、最も高い位置(円板の最も厚い部分)に位置する。なお、トラック61、62が設けられた側に受光部が設けられ、反対側に光源が設けられる。コード板60は、回転軸Pを中心にして回転し、光源からの光束を通過させ、または反射する。
以下、光束を通過させ、または反射する原理をより詳しく説明する。図7は、トラックのV突起部分の断面図である。V突起部分に到達する光源(図示せず)からの光は、内部全反射し、コード板60の受光部側には透過しない。一方、V突起間の平面部分に到達する光源からの光は、透過して、受光部(図示せず)に入射する。このようにV突起のパターンを形成することで、受光部(図示せず)において透過光を選択的に受光できる。
図8の(a)は、トラック62のV突起のピッチに応じて変化する、コード板の位置変位と、信号強度との関係を示すグラフである。一方、図8の(b)は、トラック61のV突起形状に応じて変化する、コード板の位置変位と、信号強度との関係を示すグラフである。図8の(a)および(b)と、図3の(a)および(b)との相違は、概してV突起かV溝かの違いのみである。よって、図3の(a)および(b)の説明を読み替えればよいので、その説明は省略する。また、コード板60の最上部(最も厚い部分)に平坦部64を設けたことにより、トラックを保護でき、安定した位置情報を得ることができることについても、実施の形態1と同様である。
次に、コード板60(図6)の製造方法を説明する。コード板60(図6)は、樹脂を射出成形して作製される。図9は、射出成形に際して必要となる、金型母材95と金型90とを示す図である。まず、金型母材95にCuメッキを行う。金型母材として、鋼材が多く用いられる。その後、Cuメッキ部90の金型母材95と反対側の面に、トラック61、トラック62(図6)にそれぞれ対応するリング部91、92を平坦に加工する。リングには高低差を設ける。すなわち、金型母材95からの距離は、リング部92の面のほうが、リング部91の面よりも近い位置にする。各面は、面粗さの小さい鏡面としておく。各リング91、92に隣接して、同心円状の凹み部93を加工する。凹み部93は、成形品では突起部63(図6)となるべき個所である。次に、Cuメッキ面にV溝を加工する。加工されたV溝は、成形品ではV突起となる。トラック61とトラック62のパターンは異なるので、リング部91、92面のV溝のパターンも異なる。
ここで、リング部91、92(図9)に高低差を設けた理由は、一方のリング部の面にV溝のパターンを加工する際に、工具が他方のリング部に干渉しないようにするためである。図10は、加工時の工具100の位置を示す図である。図から理解されるように、工具100は、リング部91、92に高低差があることにより、リング部92に干渉することなくリング部91を加工できる。また、リング部間に凹み部93を設けることにより、V溝加工の際の切りくずを逃がし、バリの発生を抑制できる。
V溝加工の後は、酸化防止と成形時の長寿命化のために、全面にNiPを0.5μm程度の厚さでメッキする。
なお金型90を、CuではなくNiPメッキで構成することもできる。この場合には、後者のメッキ、すなわち全面NiPメッキは不要になる。
以上のように、トラック間の突起部があること、複数トラックの高さが同一でないこと、また上述の製造方法により、小型で高精度なコード板を得ることができる。また、金型作製後は樹脂射出成形によりコード板60を製造できるので、製造コストを低減できる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2では、異なるパターンを有する複数のトラックを備えた光学式ロータリエンコーダを説明した。実施の形態3では、異なるパターンを有する複数のトラックを備えた光学式リニアエンコーダを説明する。光学式リニアエンコーダは、直線運動を行う物体の位置、速度等の変位情報を、光学的な手法により検出するセンサである。
図11の(a)〜(d)は、本実施の形態による2つのトラックを有するリニアエンコーダ用コード板(以下、「コード板」と称する)110の構成を示す図である。コード板10は、直線運動する対象の絶対位置を検出する際に利用され、ポリカーボネート等の透明の樹脂材料で形成されている。(a)は上面図、(b)は断面図、(c)および(d)は、部分断面図である。
図11の(a)を参照して、コード板110は、直線状の2種類のトラック111、112と、平坦部114とを備えた長方形の板状体である。トラック111、112は、および平坦部114の各々は、凹部113により区分されている。トラック111、112には、それぞれV字型に形成された溝(以下、「V溝」)による異なるパターンが形成されている。(d)および(c)は、トラック1のA−A’断面と、トラック2のB−B’断面の形状を示す。実施の形態1と同様に、各断面のV溝は、後述の原理により光を反射する反射部である。V溝間の平坦な面は、光を透過させる透過部である。各トラックのV溝パターンは、C−C’方向と平行に設けられている。
図11の(b)は、(a)に示す線分C−C’における断面図である。(b)から理解されるように、トラック111、112、および、平坦部114は、コード板110に突起して設けられているとも言える。トラック112の上面は、トラック111の上面よりも高い位置にある。また、パターンを形成していない平坦部114は、さらに高い位置(円板の最も厚い部分)に位置する。なお、トラック111、112が設けられた側に受光部が設けられ、反対側に光源が設けられる。
光がコード板110を透過/反射する原理、および、コード板の位置変位と信号強度との関係は、図2および図3で説明した内容と実質的に同じであるので、その説明は省略する。このような構成のコード板110は、実施の形態1と同様の方法で金型を製作することにより、容易に製造できる。ただし、金型を製作工程についても、図4および5を参照して説明した工程と実質的に同じであるので、その説明は省略する。この結果、実施の形態1と同等の効果が得られる。
さらに、トラック111、112に設けられたV溝のパターンをV突起とし、また、トラック111、112、および、平坦部114と、凹部113とを反転させることにより、コード板110を変形したコード板(図示せず)を得ることができる。光がそのコード板を透過/反射する原理、および、コード板の位置変位と信号強度との関係は、図7および図8で説明した内容と実質的に同じであるので、その説明は省略する。このようなコード板は、実施の形態2と同様の方法で金型を製作することにより、容易に製造できる。ただし、金型を製作工程は、図9および図10を参照して説明した工程と実質的に同じであるので、その説明は省略する。この結果、実施の形態2と同等の効果が得られる。
実施の形態1による、2つのトラックを有するロータリエンコーダ用コード板の構成を示す図である。(a)は上面図である。(b)は断面図である。(c)および(d)は、部分断面図である。 トラックのV溝部分の断面図である。 (a)および(b)は、2つのトラックの各々のV溝形状に応じて変化する、コード板の位置変位と、信号強度との関係を示すグラフである。 (a)は、コード板の形状を加工した母材を示す図である。(b)は、加工後の母材と、その上に設けられたメッキ部とを示す図である。(c)は、母材から剥離されたメッキ部を示す図である。 加工時の工具の位置を示す図である。 実施の形態2による、2つのトラックを有するコード板の構成を示す図である。(a)は上面図である。(b)は断面図である。(c)および(d)は、部分断面図である。 トラックのV突起部分の断面図である。 (a)および(b)は、2つのトラックの各々のV突起形状に応じて変化する、コード板の位置変位と、信号強度との関係を示すグラフである。 射出成形に際して必要となる、金型母材と金型とを示す図である。 加工時の工具の位置を示す図である。 実施の形態3による2つのトラックを有するリニアエンコーダ用コード板の構成を示す図である。(a)は上面図である。(b)は断面図である。(c)および(d)は、部分断面図である。 コード板と、光源と、受光部とを備えた光学式エンコーダの検出部の断面図である。 (a)は、プラスチックで形成されたコード板の断面図である。(b)は、基板の拡大断面図である。
符号の説明
1、2 トラック、 3 凹部、 4 平坦部、 10 エンコーダ用コード板。

Claims (9)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の面上に設けられた、断面形状がV字型であって光を反射するV字部と光を透過する平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが変化する第1のパターンを有する第1トラックと、
    前記透明基板の面上に設けられた、断面形状がV字型であって光を反射するV字部と光を透過する平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが一定の第2のパターンを有する第2トラックと
    を備え、
    前記第1トラックと前記第2トラックとの間のトラック間領域は、前記各トラックの設けられた面よりも厚さ方向に突出していることを特徴とするエンコーダ用コード板。
  2. 前記第1トラックと前記第2トラックとは、前記透明基板の面から互いに異なる高さの面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ用コード板。
  3. 請求項1又は2に記載の前記エンコーダ用コード板と、
    前記エンコーダ用コード板に光を照射する光源と、
    前記光源から照射された光のうち、前記エンコーダ用コード板を透過した光を受光する受光部と、
    前記エンコーダ用コード板と前記光源と前記受光部とを収納する筐体と
    を備えたことを特徴とするエンコーダ。
  4. 第1の材料の上にメッキを行うステップと、
    前記メッキの表面に、断面形状がV字型のV字部と平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが変化している第1のパターンを有する第1トラックを加工するステップと、
    前記メッキの表面に、断面形状がV字型のV字部と平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが一定の第2のパターンを有する第2トラックを加工するステップと
    を含むことを特徴とするエンコーダ用コード板のための金型製造方法。
  5. 前記メッキの表面に、前記第1トラックに隣接するトラック間領域を、前記V字部の加工時に発生する切りくずを逃がすことができる高低差となるように、前記各トラックの設けられた面よりも低くするステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のエンコーダ用コード板のための金型製造方法。
  6. 金属材料の表面に設けられた、断面形状がV字型であって光を反射するV字部と光を透過する平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが変化する第1のパターンを有する第1トラックと、
    前記金属材料の表面に設けられた、断面形状がV字型であって光を反射するV字部と光を透過する平坦部とからなり、前記V字部に垂直な方向に沿って前記V字部の間のピッチが一定の第2のパターンを有する第2トラックと
    を備えたことを特徴とするエンコーダ用コード板のための金型。
  7. 前記第1トラックと前記第2トラックとは、互いに異なる高さの面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項6に記載のエンコーダ用コード板のための金型。
  8. 前記金属材料の表面に前記第1及び第2トラックを含む複数のトラックが設けられており、前記第1トラックと他のトラックとの間のトラック間領域は、前記V字部の加工時に発生する切りくずを逃がすことができる高低差となるように、前記各トラックの設けられた面よりも低いことを特徴とする請求項7に記載のエンコーダ用コード板のための金型。
  9. 請求項6から8のいずれか一項に記載の前記金型に、透明な樹脂材料を射出するステップと、
    前記金型から前記樹脂材料を剥離して、前記金型の表面の前記第1のパターンと前記第2のパターンを表面に逆転写させた前記樹脂材料からなるエンコーダ用コード板を得るステップと
    を含むことを特徴とするエンコーダ用コード板の製造方法。
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