JP2005193617A - シート - Google Patents

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JP2005193617A JP2004004583A JP2004004583A JP2005193617A JP 2005193617 A JP2005193617 A JP 2005193617A JP 2004004583 A JP2004004583 A JP 2004004583A JP 2004004583 A JP2004004583 A JP 2004004583A JP 2005193617 A JP2005193617 A JP 2005193617A
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Takeshi Miyamura
猛史 宮村
Keiji Abe
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Abstract

【課題】 吸水性、防水性に優れ、使用の簡便さを維持しつつ、液体を吸収した後の強度を向上させた破れにくいシートが得られる。
【解決手段】 不織布等から構成される吸水層と、合成樹脂等から構成される防水層と、引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである強度支持層とを有し、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmのシート。
【選択図】 なし

Description

本発明はシートに関し、特に防水性と吸水性を有し、強度にも優れた医療用途に好適なシートに関する。
吸水性と防水性を有する使い捨てシートは既に知られており、汚れた際にすぐに捨てられるという簡便さがある。例えば、特許文献1、2には、メディカル用材料として好適な、吸水性不織布層と、ポリオレフィン不織布層又はポリオレフィンフィルム層とから形成された不織布積層体が開示されている。また、特許文献3には、吸水性のシートに水透過防止のために合成樹脂フィルムを貼着したシートをトイレマットとして使用することが開示されている。また、特許文献4には、吸水性素材層を有するトイレマットに、尿の滲みを防止するために樹脂フィルムを積層できることが開示されている。また、特許文献5には、吸収性の高い紙を用いた特定形状のトイレマットが開示されており、当該紙の裏面に薄手のビニールを張り合わせることができることが開示されている。
特開2003−27360号公報 特開2003−39612号公報 特開平7−213458号公報 特開平8−164094号公報 特開平9−140634号公報
しかし、従来提案されている医療用やトイレマット用のシートは、簡便に使用できることを目的とするため、耐久性、つまり使い捨てシートの破けにくさなどの強度に関しては十分な考慮がされていない。特に手術等に用いられる医療用シートでは、患者の体位を変える場合にシートごと移動させることが多く、そのような負荷に対しても十分な強度を有することが必要であり、更には、水や血液などの液体を吸収した後の強度(湿潤時の強度)にも優れることが望まれる。その一方で十分な吸水性を有することも望まれる。
本発明の課題は、吸水性、防水性に優れ、使用の簡便さを維持しつつ、強度、特に液体を吸収した後の強度を向上させた破れにくいシートを提供することである。
本発明は、吸水層と、防水層と、引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである強度支持層とを有し、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmのシートに関する。
本発明によれば、吸水性、防水性に優れ、使用の簡便さを維持しつつ、強度、特に液体を吸収した後の強度を向上させた破れにくいシートが得られる。
本発明のシートにおいて、防水層は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂、更には合成樹脂のフィルムを構成部材とするものが好ましい。これら合成樹脂は、フィルム状に加工でき、かつ防水性を有するものであれば特に限定されないが、例えば足元で使用する際に滑り止めの作用も得られる、摩擦抵抗の高いEVAやEMMA、ポリウレタンなどを用いるのが好ましい。なお、本発明において、防水層とは、液体を通さない機能を有する層をいう。
また、本発明のシートにおいて、吸水層は、吸水性を有する材質からなるものであれば特に限定されないが、紙、不織布、織物、編物などを構成部材とするものが好ましく、生産性を考慮すると紙、不織布が好ましく、更には強度を考慮すると不織布が好ましい。吸水層はセルロース系繊維であるパルプを含むことが好ましく、更にはセルロース系繊維(A)、合成繊維(B)及びバインダー(C)とを含む不織布を構成部材とすることが好ましい。吸水層の吸水量は、300〜1200g/m2、更に400〜1000g/m2、特に500〜800g/m2が好ましい。
本発明に吸水層として用いられる不織布は、公知の不織布の製造に準じて、エアレイド法、スパンレース法、湿式抄紙法、エアースルー法などにより製造されたウェブ(繊維マット)を用いて製造できるが、吸水性、強度、風合い、嵩高性等の等の総合面から、エアレイド法により製造されたウェブからなることが好ましい。
エアレイド法(エアレイ法と称されることもある)は、ウェブの乾式製造法の一つであり、短繊維の塊を乾燥状態で機械的にほぐし、単繊維化して、ウェブを連続的に形成した後、バインダーを散布し、更にその後ドライヤー工程を経て、ウェブ中の繊維間同志を固着させるものである。エアレイド法は水を使用せず、空気によりシート化するので、シート内に大量の空気層を保持することが可能となる。このため、低坪量での高い嵩高性(ふわっと感)が得られ、また、高吸収性、ソフトな肌触り感などが得られる。本発明でも、エアレイド法による場合、繊維の本質的な結合(ボンディング)はバインダー(C)によりなされるが、合成繊維(B)の少なくとも一方に熱融着性あるいは熱可塑性の繊維を用い、加熱工程を経てサーマルボンディングさせることが好ましい。
本発明に吸水層として用いられる不織布は、単一層からなるものであっても、複数の層を積層した積層型であってもよい。積層型の場合、少なくとも1つの層がセルロース系繊維(A)と、2種以上の合成繊維からなる合成繊維(B)と、バインダー(C)とを含む層であることが好ましいが、全ての層がかかる層からなることが好ましい。積層型の場合、各層における(A)、(B)、(C)の比率は異なっていても良い。また、単層であっても、(A)、(B)、(C)の比率が層中で変化する、すなわち比率が勾配を持つような層からなるものであってもよく、更にはこのような層の積層型も可能である。特に、エアレイド法では、(A)、(B)、(C)を含む層の積層構造あるいは(A)、(B)、(C)比率が勾配を持つ構造(見かけ上単層であってもよい)を容易に形成できる。
本発明に吸水層として用いられる不織布は、坪量が28〜78g/m2、更に38〜50g/m2であることが、吸水量、引張強度、使い勝手(コシの強さ)が良好となることから、好ましい。この坪量は、JIS P 8124に従って測定される値である。
また、本発明に吸水層として用いられる不織布の厚みは、0.4〜1.5mm、更に0.5〜0.8mmが好ましい。この厚みは、ピーコックデジタルリニアゲージを用い、不織布を4枚重ねた状態で測定して得られる値を4で割ったもの(1枚あたりの厚みに換算したもの)である。
また、本発明に吸水層として用いられる不織布は、吸水倍率が12以上、更に14以上、特に15以上であることが好ましい。この吸水倍率は次の方法で測定されたものである。不織布を1辺が7cmの正方形に裁断し(厚み0.5〜0.7mm)、その重量W0(g)を測定する。該不織布を大過剰の水(23℃)中に20秒間浸漬した後、大気中23℃、湿度50%RHで30秒間垂直方向に保持した後の重量W1(g)を測定する。(W1−W0)/W0を吸水倍率とする。
また、本発明に吸水層として用いられる不織布は、クレム法〔JIS P 8141(昭和40年6月1日制定)に従う。ただし、試験片の大きさは長さ200mm、幅15mmとし、水面下に5mm沈ませて測定する。〕で測定される1分間の水吸収高さ(mm)が15以上、更に20以上、特に25以上であることが、吸水速度の点から、好ましい。また、同じく10分間の水吸収高さ(mm)が18以上、更に22以上、特に30以上であることが好ましい。
<セルロース系繊維(A)>
本発明に吸水層として用いられる不織布を構成する成分であるセルロース系繊維(A)としては、綿、パルプ、レーヨン、キュプラ、リヨセル等が挙げられ、特に吸水性能、価格の面からパルプが好ましい。パルプは、広葉樹、針葉樹等のパルプチップから得られるクラフトパルプ(KP)等が挙げられる。
<合成繊維(B)>
また、本発明に吸水層として用いられる不織布を構成する成分である合成繊維(B)としては、ポリエチレン(以下、PEと表記する)、ポリプロピレン(以下、PPと表記する)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと表記する)等のポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル等の高分子化合物からなるものが挙げられる。
本発明では、合成繊維(B)として、異なる材質からなる2種の合成繊維(B1)、(B2)を用いるのが好ましい。なお、「異なる材質」とは、物質として相違すると認識し得るものであれば良く、例えば繊維原料となる高分子化合物の構成モノマーが異なることはもちろんのこと、構成モノマーが同じであっても、構成モノマーのモル比が異なるもの、高分子化合物の分子量の異なるもの、高分子化合物の融点等の物性が異なるものは、「異なる材質」として取り扱うものとする。異なる材質からなる2種の合成繊維(B1)、(B2)は、融点が異なることが好ましい。合成繊維(B1)、(B2)は別々に用いてもよいが、(B1)と(B2)の複合繊維、特に芯鞘構造を形成するものが好ましい。中でも芯部の方が高融点であるものが好ましい。安全性、加工性、価格等の面から、オレフィン系繊維、ポリエステル系繊維が好ましく、PE、PP、PETが更に好ましく、PPとPE、PETとPE、第1のPETと第2のPET(好ましくは第1のPETと融点が異なるもの)の組み合わせがより好ましく、PPとPE、第1のPETと第2のPET(好ましくは第1のPETと融点が異なるもの)の組み合わせが特に好ましい。更には、芯/鞘がPP/PEである複合繊維、芯/鞘が第1のPET/第2のPET(第1のPETと融点等が異なる)である複合繊維が最も好ましい。なお、3種以上の合成繊維を使用することもできる。
合成繊維(B)は、短繊維であることが好ましく、繊維長は1〜10.5mmm、更に2.5〜6mmが好ましい。また、繊維径は1〜6.6dtexが好ましく、更に1.5〜2.2dtexが好ましい。
なお、セルロース系繊維(A)と合成繊維(B)の重量比は、(A)/(B)=10/0〜3/7、更に8/2〜5/5、特に7/3〜6/4であることが、吸水性と強度の点で好ましい。また、合成繊維(B1)、(B2)を用いる場合は、(B1)、(B2)の重量比は(B1)/(B2)で7/3〜3/7、更に6/4〜4/6が好ましく、(A)、(B1)、(B2)の重量比は、〔(B1)+(B2)〕/(A)で2/8〜5/5、更に3/7〜4/6が好ましい。
<バインダー(C)>
本発明に吸水層として用いられる不織布を構成する成分であるバインダー(C)は、不織布の成形に必要であると共に、引張強度の付与、及び毛羽立ちやパルプ粉の発生防止の効果も有する。特に、バインダーを不織布表面のみではなく内部まで均一に染み込ませることにより、前記した効果をより顕著に得ることができる。バインダー(C)の量は、引張強度の付与、及び毛羽立ちやパルプ粉の発生防止の点から、不織布重量基準で、10〜20重量%、更に12〜17重量%が好ましい。
バインダー(C)としては、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、エポキシ系、酢酸ビニル系、合成ゴム系などが挙げられる。特に、エアレイド法に適する、風合いを維持できる、不織布内部まで浸透しやすい、臭いが少ない、等の点でアクリル系バインダーが好ましい。
なお、本発明において、吸水層とは、液体の吸収機能を有する層であり、後述の吸水量を有することが好ましい。
また、本発明のシートにおいて、強度支持層を構成する材質は、紙、不織布、織物、編み物などのうち、吸水層への水分の浸透を妨げず、かつ引張強度がある材質であれば特に限定されないが、生産性を考慮すると、不織布、中でもPPスパンボンド不織布が好ましく、更には界面活性剤等により親水処理を施した不織布、特にPPスパンボンド不織布が好ましい。本発明のシートにおいて、強度支持層は吸水層に隣接して形成され、シートの少なくとも一方の表面が強度支持層により構成されること(つまり、表層を強度支持層とし、その下層を吸水層とすること)が好ましい。なお、前記した吸水層として使用される不織布の構成成分を強度支持層の構成成分として使用することもできる。
本発明のシートにおいて、強度支持層は、好適には吸水層の表面状態を更に改良(つまり、吸水層の毛羽立ちや紙粉を防止)でき、液体透過性を有するものが好ましいが、親水性や疎水性のものも用いることができる。また、強度支持層の構成材料自体は、親水性であっても疎水性であっても、何れでも良い。
なお、防水層、吸水層、強度支持層が対象とする液体は水のみではなく、例えば食事の調理に使用する油や調味料、トイレの場合には尿、医療向けの場合には血液や体液、消毒薬など、あらゆる液体を指す。
本発明では、強度支持層の引張強度(乾燥時)は5〜25N/25mmであり、更に6〜18N/25mm、特に8〜15N/25mmであることが好ましい。また、シートの引張強度(乾燥時)は12〜40N/25mmであり、更に14〜25N/25mm、特に15〜25N/25mmであることが好ましい。強度支持層やシートの引張強度がこの範囲であると、強度に優れ、生産性、コスト、使用感の点でも好ましいものとなる。特に、医療用シーツ、特に手術用シーツである場合、人体や動物をシーツごと移動させる際の破損を防止する観点から、本発明のシートの引張強度は12〜40N/25mmが好適である。
更に、強度支持層の引張強度(湿潤時)は、シートが液体を吸収した後の強度保持や使用感の観点から、5〜25N/25mm、更に6〜18N/25mm、特に8〜15N/25mmであることが好ましい。また、シートの引張強度(湿潤時)は、シートが液体を吸収した後の強度保持や使用感の観点から、10〜40N/25mm、更に11〜30N/25mm、特に12〜20N/25mmであることが好ましい。
本発明において、引張強度(乾燥時、湿潤時)は、以下の方法で測定されたものをいう。この方法で、シート、強度支持層、不織布等の引張強度が測定される。
<引張強度の測定方法>
(1)評価(I)(乾燥時の引張強度)
長さ80mm、幅25mmに試料(シート、強度支持層、不織布等)を裁断する。引張試験器〔テンシロン、RTC−1210A(オリエンテック社製)、チャック間50mm〕に裁断した試料シートをセットした後、長さ方向に300mm/minで引っ張った時の破断時の強度を測定し、これを引張強度とする。
(2)評価(II)(湿潤時の引張強度)
長さ80mm、幅25mmに試料(シート、強度支持層、不織布等)を裁断する。引張試験器〔テンシロン、RTC−1210A(オリエンテック社製)、チャック間50mm〕に裁断した試料をセットした後、試験片の中央部を、幅方向(25mm全幅)に線状に均一に0.2mlの水で湿らす。5秒間放置後、長さ方向に300mm/minで引っ張った時の破断時の強度を測定し、これを湿潤時の引張強度とする。
強度支持層の引張強度は、素材、製法、厚み、坪量等を適宜選択することにより調整することができる。また、シートの引張強度は、吸水層、強度支持層、防水層の素材、製法、厚み、坪量等を適宜選択することにより調整することができる。従来、提案されている吸水層と防水層を有する三層以上の積層シートには、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmのものは見出されていない。
また本発明のシートは、防水層の坪量が8〜40g/m2、更に15〜35g/m2、特に18〜30g/m2であることが、防水機能を確実に発揮する点で好ましい。また吸水層の坪量は20〜100g/m2、更に40〜75g/m2、特に45〜60g/m2であることが、吸水量の確保及び強度維持の点で好ましい。また、吸水層が不織布からなる場合は、前記の坪量も好ましい。また強度支持層の坪量は8〜50g/m2、更に10〜40g/m2、特に15〜30g/m2であることが、強度発現の点で好ましい。また、本発明のシートの坪量は40〜120g/m2、更に50〜90g/m2、特に65〜85g/m2であることが好ましい。シート坪量がこの範囲であれば、風圧等によるシートの移動や操作時の負荷による破損を十分に防止できる。これら坪量は、何れもJIS P 8124に従って測定したものである。
また本発明のシートは、吸水量が300〜1200g/m2、更に400〜1000g/m2、特に500〜800g/m2であることが好ましい。吸水量がこの範囲であれば十分な水分の吸収が可能となり、また効果とシートの生産性やコストとのバランスの点でも好ましい。
なお、本発明において、吸水量は、以下の方法で測定されたものをいう。この方法で、シート、吸水層、強度支持層、不織布等の吸水量が測定される。
<吸水量の測定方法>
試料(シート、吸水層、強度支持層、不織布等)を1辺が7cmの正方形に裁断し、その重量W0(g)を測定する。その後大過剰の水(23℃)中に20秒間浸漬した後、大気中23℃、湿度50%RHで30秒間垂直方向に保持した後の重量W1(g)を測定する。以下の計算式の結果を吸水量(g/m2)とする。
計算式:(W1−W0)×10000/49
また本発明のシートは、防水層の厚みが0.01〜0.05mm、更には0.02〜0.03mmであることが、防水機能を発揮する点で好ましい。また、吸水層の厚みは0.2〜2mm、更に0.4〜1.5mm、特に0.5〜1mmであることが、吸水機能及び強度を発揮する点で好ましい。吸水層が不織布から構成される場合は前記の範囲も好ましい。また、強度支持層の厚みは0.01〜1mm、更に0.05〜0.6mm、特に0.1〜0.4mmであることが、強度を発揮する点で好ましい。またシートの厚みは0.2〜3mm、更に0.2〜2mm、より更に0.4〜1.5mm、特に0.5〜1mmであることが好ましい。これらの範囲の厚みは、特に医療用シーツとして使用した場合に十分な強度を得るために好ましい。なお、これらの厚みは、ピーコックデジタルリニアゲージを用い、防水層又は吸水層又は強度支持層又はシートを4枚重ねた状態で測定して得られる値を4で割ったもの(1枚あたりの厚みに換算したもの)である。なお、本発明のシートは、防水層と吸水層と強度支持層の3層構造であることが好ましい。また、本発明のシートは、吸水層と、防水層と、強度支持層とを有し、前記吸水層に隣接して前記強度支持層が形成されていること、更に前記吸水層が前記防水層と前記強度支持層との間に形成されていること、が好ましい。
なお、本発明において、各層の物性(引張強度、坪量、吸水量、厚み等)は、シート製造前の構成部材について測定したものでもよいし、シートから分離した各層について測定したものであってもよい。また、各層に関する記述は、各層に対応する不織布や合成樹脂フィルム等の構成部材においても適用できる。
本発明のシートは、全ての層が同じ色であってもよいが、防水層と、吸水層又は強度支持層との色を変えることにより、使用する時に表裏を間違わないようにすることができる。
このシートの用途は吸水性、防水性、及び強度が必要な用途であれば特に限定されないが、例えばトイレ用マット、床用マット、人体や動物用のシーツ等に使用するのが好ましく、更にはシーツ、中でも医療用シーツ、特に手術用シーツに使用するのが好ましい。特に医療用シーツには、吸水性と強度、特に湿潤強度の両方に優れることが望まれるが、従来の不織布と合成樹脂フィルムの積層シートなどでは、これらの両者を満足するものは見出されていない。しかし、本発明では、特に、エアレイド法によるウェブからなる不織布と合成樹脂フィルムとを含み、強度支持層を有するシートを用いることにより、吸水性と強度、特に湿潤強度に優れた、医療用シーツ用として好適なシートを容易に得ることができる。
本発明のシートは、強度が高いため洗濯して繰り返し使用することも可能であるが、汚れた場合にすぐに捨てる使い捨てタイプのシートとして使用することがより好ましい。
本発明のシートの好ましい態様を示す。
(1a)不織布(I)を構成部材とする吸水層と、合成樹脂フィルムを構成部材とする防水層と、不織布(II)を構成材料とする液体透過性の引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである強度支持層とを有し、前記吸水層と隣接して前記強度支持層が形成されている、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmである本発明のシート。
(1b)不織布(II)を構成部材とし、液体透過性を有する引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである第1の層と、不織布(I)を構成部材とし、液体吸収性を有する第2の層と、合成樹脂フィルムを構成部材とし、液体非透過性の第3の層が、前記第1、前記第2、前記第3の層の順で形成されている、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmである本発明のシート。
(1c)不織布(II)を構成材料とする液体透過性の引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである強度支持層と、不織布(I)を構成部材とする吸水層と、合成樹脂フィルムを構成部材とする防水層とが、前記強度支持層、前記吸水層、前記防水層の順で形成されている、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmである本発明のシート。
(1d)シート状不織布(I)と、該不織布(I)の一方の面に配置された合成樹脂フィルムと、前記不織布の他方の面に配置された液体透過性の引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである不織布(II)とを含む、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmである本発明のシート。
(1e)シート状不織布(I)の一方の面に合成樹脂フィルムを、他方の面に液体透過性の引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである不織布(II)を貼着してなる、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmである本発明のシート。
〔以下、(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1e)を合わせて(1)とする〕
(2)不織布(I)及び(II)を含む前記2つの層と合成樹脂フィルムを含む前記の1つの層とからなる、又は前記2つの不織布(I)、(II)と前記1つの合成樹脂フィルムとからなる、3層型の上記(1)の本発明のシート。
(3)前記不織布(I)の吸水量が300〜1200g/m2であり、全体の吸水量が300〜1200g/m2である、上記(1)又は(2)の本発明のシート。
(4)前記不織布(I)の厚みが0.2〜2mmであり、前記不織布(II)の厚みが0.01〜1mmであり、前記合成樹脂フィルムの厚みが0.01〜0.05mmであり、かつ全体の厚みが0.2〜3mmである、上記(1)〜(3)の本発明のシート。
(5)前記不織布(I)の坪量が20〜80g/m2であり、前記不織布(II)の坪量が8〜50g/m2であり、前記合成樹脂フィルムの坪量が8〜40g/m2であり、かつ全体の坪量が40〜120g/m2である、上記(1)〜(4)の本発明のシート。
(6)前記不織布(I)が、エアレイド法により製造されたウェブからなる、上記(1)〜(5)の本発明のシート。
(7)前記不織布(I)が、セルロース系繊維(A)、合成繊維(B)及びバインダー(C)とを含む不織布である、上記(1)〜(6)の本発明のシート。
(8)前記不織布(I)が、セルロース系繊維(A)と、第1の合成繊維(B1)と、該第1の合成繊維とは異なる材質からなる第2の合成繊維(B2)と、バインダー(C)とを含む不織布である、上記(1)〜(7)の本発明のシート。
(9)前記(A)と、前記(B1)と前記(B2)の合計との重量比が、〔(B1)+(B2)〕/(A)で2/8〜5/5、更に3/7〜4/6である、上記(8)の本発明のシート。
(10)前記(A)が、パルプ繊維である、上記(7)〜(9)の本発明のシート。
(11)前記(B1)及び/又は前記(B2)が、オレフィン系繊維である、上記(8)〜(10)の本発明のシート。
(12)前記(B1)及び/又は前記(B2)が、ポリエステル系繊維である、上記(8)〜(10)の本発明のシート。
(13)前記(B1)と前記(B2)とが、芯鞘構造を形成する、上記(8)〜(12)の本発明のシート。
(14)前記不織布(II)が、PPスパンボンド不織布、更には界面活性剤等により親水処理を施したPPスパンボンド不織布である、上記(1)〜(13)の本発明のシート。
(15)前記不織布(II)又は該不織布(II)を含む層の引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである、上記(1)〜(14)の本発明のシート。
(16)吸水量が300〜1200g/m2の、好ましくは前記不織布(I)を構成材料とする第1の層と、液体非透過性の、前記合成フィルムを構成材料とする第2の層と、引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである、好ましくは前記不織布(II)を構成材料とする液体透過性の第3の層とを有する本発明のシート。このシートにおいては、上記(1)〜(15)の内容を適宜取り込むことができる。
(17)(1)〜(16)の本発明のシートを構成部材とする医療用シーツ、特に手術用シーツ。
本発明では、吸水量が300〜1200g/m2の層を吸水層、液体非透過性の層を防水層、引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmの層を強度支持層とすることができる。この場合、吸水層の引張強度(乾燥時)は5〜25N/25mmであってもよいが、強度支持層は吸水量が0g/m2以上300g/m2未満、更に0〜200g/m2、特に0〜100g/m2であることが好ましい。
実施例1
パルプエアレイド不織布からなる吸水層に、防水層として押し出しラミネート製法によりEMMAをラミネートし、さらに吸水層のラミネートしていない面にカーテンスプレー製法によりPPスパンボンド不織布をラミネートしてシートを製造した。該シート等の引張強度、坪量、厚み、吸水量を以下の方法で測定した結果を表1に示す。
<引張強度>
(1)評価(I)(乾燥時の引張強度)
長さ80mm、幅25mmに試料(シート又は強度支持層に用いた構成部材)を裁断する。引張試験器〔テンシロン、RTC−1210A(オリエンテック社製)、チャック間50mm〕に裁断した試料シートをセットした後、長さ方向に300mm/minで引っ張った時の破断時の強度を測定し、これを引張強度とする。
(2)評価(II)(湿潤時の引張強度)
長さ80mm、幅25mmに試料(シート又は強度支持層に用いた構成部材)を裁断する。引張試験器〔テンシロン、RTC−1210A(オリエンテック社製)、チャック間50mm〕に裁断した試料をセットした後、試験片の中央部を、幅方向(25mm全幅)に線状に均一に0.2mlの水で湿らす。5秒間放置後、長さ方向に300mm/minで引っ張った時の破断時の強度を測定し、これを湿潤時の引張強度とする。
<坪量>
JIS P 8124に従って測定した。
<吸水量>
試料(シート又は吸水層に用いた構成部材)を1辺が7cmの正方形に裁断し、その重量W0(g)を測定する。その後大過剰の水(23℃)中に20秒間浸漬した後、大気中23℃、湿度50%RHで30秒間垂直方向に保持した後の重量W1(g)を測定する。以下の計算式の結果を吸水量とする。
計算式:(W1−W0)×10000/49
<厚み>
ピーコックデジタルリニアゲージを用い、防水層もしくは吸水層もしくは強度支持層に用いた構成部材又はシートを4枚重ねた状態で測定して得られる値を4で割ったもの(1枚あたりの厚みに換算したもの)である。
実施例2
吸水層の厚みを表1のように変えた以外は実施例1と同様にしてシートを得た。該シート等の引張強度、坪量、厚み、吸水量を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例3
吸水層の坪量を表1のように変えた以外は実施例1と同様にしてシートを得た。該シート等の引張強度、坪量、厚み、吸水量を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例4
吸水層として、パルプ(A)とPP/PE芯鞘繊維(芯がPP、鞘がPE、PP/PE重量比=5/5)(B)とを、(A):(B)=6:4の重量比で混ぜた繊維群を使用し、シート重量に対しバインダーを15重量%噴霧したエアレイド不織布(坪量、厚みは表1の通り)を用いた以外は実施例1と同様にしてシートを得た。該シート等の引張強度、坪量、厚み、吸水量を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
比較例1
防水層をEVAフィルム(坪量、厚みは表1の通り)、吸水層を積繊パルプ(坪量、厚みは表1の通り)により構成した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。該シート等の引張強度、坪量、厚み、吸水量を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
比較例2
吸水層を紙パルプ(坪量、厚みは表1の通り)、強度支持層をパルプ(A)とPP繊維(B)とを、(A):(B)=8:2の重量比で混ぜた繊維群を使用したスパンレース不織布(坪量、厚みは表1の通り)から構成する以外は実施例1と同様にしてシートを得た。該シート等の引張強度、坪量、厚み、吸水量を、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005193617

Claims (10)

  1. 吸水層と、防水層と、引張強度(乾燥時)が5〜25N/25mmである強度支持層とを有し、引張強度(乾燥時)が12〜40N/25mmのシート。
  2. 前記吸水層に隣接して前記強度支持層が形成されている請求項1記載のシート。
  3. 吸水層がパルプを含有する請求項1又は2記載のシート。
  4. 吸水層が不織布を構成部材とする請求項1〜3の何れか1項記載のシート。
  5. 防水層が合成樹脂フィルムを構成部材とする請求項1〜4の何れか1項記載のシート。
  6. 強度支持層が液体透過性である請求項1〜5の何れか1項記載のシート。
  7. 防水層の坪量が8〜40g/m2、吸水層の坪量が20〜80g/m2、強度支持層の坪量が8〜50g/m2であり、かつ全体の坪量が40〜120g/m2である請求項1〜6の何れか1項記載のシート。
  8. 吸水量が300〜1200g/m2である請求項1〜7の何れか1項記載のシート。
  9. 防水層の厚みが0.01〜0.05mm、吸水層の厚みが0.2〜2mm、強度支持層の厚みが0.01〜1mmであり、かつ全体の厚みが0.2〜3mmである請求項1〜8の何れか1項記載のシート。
  10. 医療用シーツ用である請求項1〜9の何れか1項記載のシート。
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