JP2005190073A - 剛性解析方法およびそのプログラム - Google Patents

剛性解析方法およびそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2005190073A
JP2005190073A JP2003429225A JP2003429225A JP2005190073A JP 2005190073 A JP2005190073 A JP 2005190073A JP 2003429225 A JP2003429225 A JP 2003429225A JP 2003429225 A JP2003429225 A JP 2003429225A JP 2005190073 A JP2005190073 A JP 2005190073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cross
square pipe
processing
sectional
rigidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003429225A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4457663B2 (ja
Inventor
Kosuke Terada
耕輔 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2003429225A priority Critical patent/JP4457663B2/ja
Publication of JP2005190073A publication Critical patent/JP2005190073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4457663B2 publication Critical patent/JP4457663B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

【課題】 曲げ加工等による加工後の断面形状の変化による断面2次モーメントの低下を考慮しつつ、試作前の設計段階において加工品の剛性を解析できる剛性解析方法を提供する。
【解決手段】 角パイプ10を曲げ加工してできるトランクリッドヒンジの剛性解析方法であって、加工前の角パイプ10の断面寸法および加工条件に基づいて、曲げられてできる前記加工品の曲げ部の断面2次モーメントを求める工程(ステップS1〜4)と、求めた断面2次モーメントに基づいて、加工後の角パイプの剛性を解析する工程(ステップS5〜9)と、を含む剛性解析方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、加工物の剛性を解析するための剛性解析方法およびそのプログラムに関し、特に、角パイプを曲げ加工してできる加工物の剛性の解析に優れた剛性解析方法およびそのプログラムに関する。
丸パイプを用いた曲げ加工品について、予め曲げ加工により加工品に生じる板厚分布を考慮して部品設計する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、角パイプを用いた曲げ加工品の板厚分布を考慮した部品設計の技術は、知られていない。一方で、設計段階において、有限要素法(FEM)を用いた変形解析により、部品の剛性解析を行うことが知られている。剛性解析を行うことにより、部品の設計が適切かを判断している。
角パイプを用いた曲げ加工品、たとえば、車両に用いられるトランクリッドヒンジについて、有限要素法を用いて解析モデルを作成し、剛性を解析できる。この剛性解析により、車両搭載時に荷重が作用すると、どの程度トランクリッドヒンジが変形するかを解析し、仕様に合致した角パイプのサイズや曲げ半径等の曲げ加工条件を決定できる。
このような従来の角パイプ曲げ加工品の剛性解析では、設計CADデータから作成したFEM解析モデルに基づいて剛性を解析している。
特許第3139984号公報
しかし、実際に曲げ加工を受けた角パイプの断面形状は、曲げ加工前より板厚や寸法が変化し、断面2次モーメントが低下しているのに対し、上述のようなFEM解析モデルでは、板厚や寸法の変化までは考慮できない。つまり、曲げ加工前の断面形状の断面2次モーメントに基づいて、曲げ加工後の剛性を解析している。したがって、実際の曲げ加工後の角パイプの剛性を評価しているとはいえず、精度よく剛性解析を行えないという問題がある。
また、近年では、角パイプ曲げ加工品を光学測定器により3次元測定し、さらに、加工品の板厚分布を超音波厚み計で測定することによって、FEM解析モデルを作成し、これを用いた変形解析結果から剛性解析を行うものもある。
しかし、この解析では、実物を測定し、FEM解析モデルを作成しなければならないので、角パイプ曲げ加工品の実物が製造されるまでは、剛性解析のためのFEM解析を行うことができず、設計段階で仕様について検討できないという問題がある。
したがって、期待される部品がもつべき剛性能力に合致するように、曲げ加工条件を設定することが困難であり、剛性試験機を用いて、試作を繰り返して、設計仕様を決定せざるを得ない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、曲げ加工等による加工後の断面形状の断面2次モーメントの変化を考慮しつつ、試作前の設計段階において加工品の剛性を解析できる剛性解析方法を提供することを目的とする。
本発明の剛性解析方法は、角パイプを曲げ加工してできる加工品の剛性解析方法であって、加工前の角パイプの断面寸法および加工条件に基づいて、曲げられてできる前記加工品の曲げ部の断面2次モーメントを求める工程と、求めた前記断面2次モーメントに基づいて、加工後の角パイプの剛性を解析する工程と、を含む。
本発明の剛性解析プログラムは、角パイプを曲げ加工してできる加工品の剛性を解析するための剛性解析プログラムであって、加工前の角パイプの断面寸法および加工条件に基づいて、曲げられてできる前記加工品の曲げ部の断面2次モーメントを求める手順と、求めた前記断面2次モーメントに基づいて、加工後の角パイプの剛性を解析する手順と、をコンピュータに実行させる。
本発明の剛性解析方法によれば、加工品の断面2次モーメントに基づいて角パイプの剛性を解析できるので、加工による角パイプの断面寸法の変化を考慮して、剛性を解析できる。また、加工前の角パイプの断面寸法および加工条件の情報のみで曲げ部の断面2次モーメントを求められるので、実際に加工品を作成しなくても、設計段階で剛性を解析できる。
以下、本発明について、図面を参照して説明する。
本発明は、角パイプを曲げ加工してできる加工品の剛性を解析するための方法に関する。最初に、本発明による剛性解析の対象となる一般的な角パイプについて説明する。
図1は角パイプの断面形状を示す図であり、図1(A)は曲げ加工前の断面形状、図1(B)は曲げ加工後の断面形状を示す。図2は図1(B)に示す断面形状の寸法をまとめて示し、さらに、該断面形状に対応する重心を示す記号を定義する図である。図3は曲げ加工後の角パイプの平面図である。図4は曲げ加工後の角パイプの長さ方向の断面形状の変形を示すグラフであり、図4(A)は板厚の変化を示すグラフ、図4(B)は各辺の長さの変化を示すグラフである。
なお、以下の実施形態では、本発明を明確に説明するために、断面正方形の角パイプ10の加工に本願発明を適用する場合について説明する。しかし、本願発明は、断面正方形の角パイプ以外にも、長方形、台形、平行四辺形、六角形等のあらゆる多角形型断面形状に適用可能である。
図1(A)に示すように、角パイプ10は、加工前には、外側の辺(以下、単に外辺という)の長さH(i=1、2)が等しい。中空に形成された内側の辺(以下、単に内辺という)の長さh(i=1、2)も等しい。
このような角パイプ10を、図中下側に向かって所定の加工条件で、すなわち、ある曲率半径Rで曲げると、図1(B)に示すように、略台形形状となる。ここで、台形を、下辺a、左側辺b、右側辺cおよび上辺dの4つの部位に分けて考える。そして、各辺のX方向の長さ(幅)と、Y方向の長さ(高さ)を、図2に示すように、それぞれLx、Lyと定義する。たとえば、下辺aの幅をLxa、高さをLyaと定義する。さらに、図2に示すように、各辺の重心のX方向の位置およびY方向の位置をそれぞれGx、Gyと定義する。たとえば、下辺aのX方向の重心をGxa、Y方向の重心をGyaと定義する。
以上のように定義しておき、本発明では、予め、実際にさまざまな寸法(H、h(i=1、2))の角パイプ10を、さまざまな曲率半径Rで曲げ、曲げ加工後の角パイプ10の各辺a〜dの寸法を測定しておく。そして、角パイプ10の断面寸法(H、h(i=1、2))および曲率半径Rと、加工後の角パイプ10の断面寸法とを対応付けたテーブルを作成している。
ここで、テーブルに記憶する加工後の角パイプの断面寸法は、曲げ加工により曲げられた角パイプ10の曲げ部の中央部の断面寸法とする。なぜなら、断面形状の極値は、曲げ部の中央に現れるからである。
曲げ部の中央に極値が現れることを、実際の角パイプ10の加工結果に基づいて、詳細に説明する。角パイプ10上の位置C、E、G、Iで曲げ加工を行うと、図3に示すようになった。そして、角パイプ10の各部の断面形状の変化を測定すると、図4に示すような結果が得られた。ここで、図4(A)では、上記定義した断面形状の各辺a〜dの板厚として、Lya、Lxb、Lxc、Lydを測定し、図4(B)では、辺a〜dの長さとして、Lxa、Lyb、Lyc、Lxdを測定した。
図4(A)、(B)に示すように、角パイプ10の断面形状の各辺a〜dの板厚、辺長の変位のピークは、共に、位置C、E、G、Iで出現した。このことから、角パイプ10の曲げ部の中央で変形が最大となることが明らかである。変形が最大になるということは、曲げ部の中央における剛性がそれ以外の部分よりも小さくなることを示す。曲げ加工品の場合、特に、曲げ加工により低下した曲げ部中央の剛性が、加工品全体の剛性に影響を与える。したがって、曲げ部中央の剛性を基準として、角パイプ10全体の剛性を評価する必要がある。
以上を踏まえつつ、本発明の剛性解析方法では、上記テーブルを予め作成しておくことにより、実際に加工品を作成することなく、次の手順により加工品の剛性を解析することができる。
(剛性解析方法)
図5は本発明の剛性解析方法の手順を示すフローチャート、図6は剛性が解析される角パイプの概念図である。
なお、以下では、本発明の剛性解析方法が、コンピュータにより実行される場合について説明する。また、本実施形態では、角パイプを曲げ加工して図6に示すようなトランクリッドヒンジを作成するために、剛性解析を行う。したがって、トランクリッドヒンジを車両に適用したときにかかる荷重等の条件は、予めコンピュータに入力されており、これに基づいて、剛性解析がなされる。
まず、最初に、トランクリッドに加工する前の角パイプの断面寸法(H、h)と、曲率半径Rをコンピュータに入力する(ステップS1)。次に、上述の通り予め作成されたテーブルを参照して(ステップS2)、ステップS1の入力値に対応する加工後の角パイプの断面寸法を求める。すなわち、各辺a〜dの寸法Lxa〜Lxd、Lya〜Lydを求める(ステップS3)。
抽出した寸法に基づいて、加工後の断面形状の断面2次モーメントを計算する(ステップS4)。この計算には、一般的な断面2次モーメントの算出式を用いる。算出式は、次の通りである。
I=Ia+Ib+Ic+Id … (式1)
(I:断面2次モーメント、Ia:底辺aの断面2次モーメント、Ib:左側辺の断面2次モーメント、Ic:右側辺の断面2次モーメント、Id:上辺の断面2次モーメント)
Ia=Lxa×Lya÷12+A×dy … (式2)
(A:底辺aの断面積、dy=Gy−Y0、Y0:原点)
Ib〜Idも上記式2と同様に、算出できる。
上記のように、まず式2で、断面形状の各辺a〜dについて断面2次モーメントIa〜Idを算出し、これらを合計すると断面形状全体の断面2次モーメントIとなる。
次に、ステップS4で求めた断面2次モーメントIに基づいて、これと同等の断面2次モーメントを加工前に有する角パイプの板厚を算出し、板厚がどの程度薄くなっているかを示す指標として換算率αを算出する(ステップS5)。換算率αは、算出した板厚が、ステップS1の板厚に対して何倍になっているかを示す。次の式3、4を用いて、板厚換算率αを算出する。一般的に、正方形の角パイプの断面2次モーメントIは、式3のように規定される。
I=(H −h')÷12 … (式3)
(h':ステップS4で求めた断面2次モーメントIと同等の断面2次モーメントを有する加工前の角パイプの内辺の長さ)
α=(H−h')÷(H−h) … (式4)
ステップS4で求めたIと、ステップS1で入力された断面形状の外辺Hとを、式3に代入して、h'を求める。
そして、式4に、ステップS1で入力されたH、hと、式3で求めたh'を代入すると、板厚換算率αが求まる。
ステップS5で算出した板厚換算率αに従って、ステップS1で入力された角パイプの断面形状の厚さを修正し、角パイプのCADモデルを作成する(ステップS6)。ここで作成するCADモデルは、曲げ加工されていない直線の角パイプのモデルである。すなわち、ステップS6では、曲げ加工により曲げ部で低下した剛性を、加工前から全体に有する角パイプのCADモデルを作成する。
このように作成されたCADモデルを、ステップS1で入力された曲率半径Rに従って変形する(ステップS7)。CAD上では、曲げ加工による実際の角パイプの断面形状の変形までは実現しない。ステップS6で作成したCADモデルの断面形状のままで長さ方向の形状のみ変形する。
そして、変形されたCADモデルに、車両搭載時にかかる所定の荷重を付与して(ステップS8)、該荷重によるCADモデルの変位量が基準値以内かどうかを判断する(ステップS9)。ここで、所定の荷重の付与および変位量の測定を概念的に示すと、たとえば、図6の通りである。
トランクリッドヒンジの一端側にかかるトランクリッドの重量と、他端側にかかるトーションバースプリングの反力とを、トランクリッドヒンジのCADモデルに加える。そして、トランクリッド側の端部のY方向の変位量をシミュレーションにより計算する。この変位量が所定の基準範囲から外れて大きい場合には(ステップS9:NO)、トランクリッドヒンジとして機能する程度の剛性を有していないことがわかるので、CADモデルの角パイプの板厚、断面寸法や、加工条件等の変更を行い、(ステップS10)、ステップS2の処理に戻る。
シミュレーションにより計算された変位量が、基準範囲内であれば(ステップS9:YES)、ステップS1で入力した条件により角パイプを加工すれば、所定の剛性を持ったトランクリッドヒンジが得られることがわかるので、処理を終了する。なお所定の基準範囲は、加工品の種類によって異なる。適用される箇所において許容される変位量により定められる。
以上のように、本発明では、曲げ加工により断面2次モーメントが小さくなる曲げ部と同等の断面2次モーメントを有する角パイプのCADモデルを作成し、これに基づいて剛性の解析を行うので、曲げ加工により複雑に変形する断面形状をCADモデルとして再現しなくても、曲げ加工による断面寸法の変化を考慮して、剛性を解析できる。
また、加工前の角パイプの断面寸法および加工条件の情報のみで曲げ部の断面2次モーメントを求められるので、実際に加工品を作成しなくても、設計段階で剛性を解析できる。したがって、開発コストを大幅に低減できる。
さらに、本発明の剛性解析方法の処理をコンピュータにより実現しているので、予めテーブルを作成しておけば、角パイプの断面寸法および加工条件を入力するだけで、自動的に剛性解析を実施できる。
(実施例)
以上の剛性解析方法により、具体的な数値を用いて剛性を解析した実施例を説明する。本実施例では、トランクリッドヒンジの設計のために、コンピュータ上でシミュレーションにより剛性解析した。
図7は曲げ加工により変形する角パイプの寸法の具体値、図8は角パイプの寸法の具体値および重心の具体位置を示す図、図9は剛性解析結果の比較を示す図である。
上記ステップS1として、図7(A)に示す角パイプの断面寸法を外辺H=H=24mm、内辺h=h=19.4mmと入力し、また曲率半径R=60mmと入力した。そして、断面形状のテーブルを参照して、図7(B)に示す断面寸法が得られた。各部の寸法は、図8に示す通りである。該寸法から断面形状の辺毎の重心位置も算出して、図8に示す結果が得られた。
図8に示す値を、上記式1〜4に代入することにより、板厚換算率α=0.714が算出される。板厚換算した角パイプのCADモデルを作成し、該CADモデルを加工条件に従って変形して、トランクリッドヒンジにかかる荷重条件でシミュレーションを行った。80Kgfの荷重がかかる場合と、60Kgfの荷重がかかる場合の2通りの荷重条件について、剛性解析を行った。
トランクリッドヒンジのトランクリッド側の一端のY方向の変位量は、図9に示すように、荷重80Kgfの場合に2.34mmとなり、荷重60Kgfの場合に1.76mmとなる解析結果が得られた。
これに対し、比較例1として、実際にトランクリッドヒンジを作成し、同じ荷重をかけて、トランクリッドヒンジのトランクリッド側の一端のY方向の変位量を測定し、剛性を解析した。ここで作成したトランクリッドは、最初に入力した断面寸法(H=H=24mm、h=h=19.4mm)の角パイプを同じ加工条件で加工したものである。
トランクリッドヒンジのトランクリッド側の一端のY方向の変位量は、荷重80Kgfの場合に2.34mmとなり、荷重60Kgfの場合に1.76mmとなった。
さらに、比較例2および3として、断面寸法(H=H=24mm、h=h=19.4mm)の角パイプを、メッシュ粗さ20mmおよびメッシュ粗さ5mmの設計CADモデルとして作成した。この設計CADモデルを上記実施例と同様の加工条件で変形した。ここで、変形の際には、曲げ加工による曲げ部の断面2次モーメントの低下は考慮せず、形状のみ変形させた。そして、上記60Kgfおよび80Kgfの荷重をかけて、トランクリッドヒンジのトランクリッド側の一端のY方向の変位量を算出した。
比較例2では、図9に示すように、トランクリッドヒンジの一端の変位量は、荷重80Kgfの場合に1.43mm、荷重60Kgfの場合に1.07mmとなった。また、比較例3では、トランクリッドヒンジの一端の変位量は、荷重80Kgfの場合に1.54mm、荷重60Kgfの場合に1.15mmとなった。
以上の解析結果をまとめて比較すると、本発明による実施例の剛性解析の結果値は、実部品の剛性解析結果である比較例1の結果値と比べても、誤差5%以内である。精度良く評価できていることがわかる。この結果から、曲げ部の断面2次モーメントが、全体の剛性に大きく影響し、他の直線部分の断面2次モーメントは全体の剛性にあまり影響しないことがわかる。したがって、曲げ部の断面2次モーメントの低下を考慮して、曲げ部と同じ断面2次モーメントを全体に有するモデルに作り変える本発明では、精度良く剛性解析できる。
一方、比較例2および比較例3のように、設計CADモデルにより剛性解析を行った場合、比較例1と比較してわかるように、結果値が大幅に異なる。解析の精度が非常に悪いことがわかる。これは、剛性低下の要因となる曲げ部の断面2次モーメントの低下を考慮していないからである。
以上の実施例からも明らかなように、本願発明の剛性解析方法によれば、精度良く、事前に角パイプの加工品の剛性を解析および評価できる。
なお、上記実施形態では、テーブルに、角パイプ10の断面寸法(H=H、h=h)および曲率半径Rと、加工後の角パイプ10の断面寸法とを対応付けて記憶していたが、これに限定されない。予め、断面寸法から、断面2次モーメントまで算出しておき、角パイプ10の断面寸法(H=H、h=h)および曲率半径Rと、加工後の角パイプ10の断面2次モーメントIとを対応付けてテーブルに記憶しておいてもよい。
また、上記実施形態では、断面寸法(H=H、h=h)の正方形の角パイプ10を用いる場合について説明したが、これに限定されない。本発明は、断面寸法(H≠H、h≠h)の長方形や、台形、平行四辺形、六角形等のあらゆる多角形型断面形状に適用可能である。
また、上記実施形態では、予めテーブルを用意しておき、加工前の角パイプの断面寸法と曲率半径Rを入力するだけで、加工後の断面形状が参照できる場合について説明したが、これに限定されない。上記テーブルに代えて、実験により実験式を完成させておき、該実験式に加工前の角パイプの断面寸法と曲率半径Rを入力して、加工後の断面形状を算出するようにしてもよい。具体的には、実験式とは、たとえば、次のような式である。
Lxa=Cxa×H×(1−Cxa/R) … (式5)
Lya=Cya×H×(1−Cya/R) … (式6)
上記Cxa(i=1、2)、Cya(i=1、2)は、実験式5、6のために適当に設けられた定数である。実験により、さまざまな断面寸法の角パイプを、さまざまな曲率半径Rで曲げ加工し、加工後の断面形状を測定すれば、実験式5、6に定数Cxa、Cya以外は代入できる。したがって、Cxa、Cyaを求めることができる。これを複数回繰り返せば、Cxa、Cyaの近似値を求めることができる。
実験式5、6のCxa、Cyaさえ決まっていれば、後でコンピュータにより剛性解析する際に、加工前の角パイプの断面形状(H)と、曲率半径Rを、実験式5、6に入力すれば、加工後の断面形状の下辺aの寸法Lxa、Lyaを算出できる。
上記実験式5、6と同様に、実験に基づいて、断面形状の左側辺b、右側辺c、上辺dの寸法を求めるための実験式も作成しておくことができる。
角パイプの断面形状を示す図であり、図1(A)は曲げ加工前の断面形状、図1(B)は曲げ加工後の断面形状を示す。 図1(B)に示す断面形状の寸法をまとめて示し、さらに、該断面形状に対応する重心を示す記号を定義する図である。 曲げ加工後の角パイプの平面図である。 曲げ加工後の角パイプの長さ方向の断面形状の変形を示すグラフであり、図4(A)は板厚の変化を示すグラフ、図4(B)は各辺の長さの変化を示すグラフである。 本発明の剛性解析方法の手順を示すフローチャートである。 剛性が解析される角パイプの概念図である。 曲げ加工により変形する角パイプの寸法の具体値である。 角パイプの寸法の具体値および重心の具体位置を示す図である。 剛性解析結果の比較を示す図である。
符号の説明
10 各パイプ。

Claims (6)

  1. 角パイプを曲げ加工してできる加工品の剛性解析方法であって、
    加工前の角パイプの断面寸法および加工条件に基づいて、曲げられてできる前記加工品の曲げ部の断面2次モーメントを求める工程と、
    求めた前記断面2次モーメントに基づいて、加工後の角パイプの剛性を解析する工程と、
    を含む剛性解析方法。
  2. 前記剛性を解析する工程は、
    求めた前記断面2次モーメントに基づいて、同等の断面2次モーメントを加工前に有する角パイプの板厚に換算する工程と、
    換算した板厚に基づいて前記加工品のCADモデルを作成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の剛性解析方法。
  3. 前記CADモデルを作成する工程は、
    前記換算した板厚を全体に有する加工前の角パイプのCADモデルを作成する工程と、
    作成したCADモデルを、前記加工品のCADモデルとして、前記加工条件に従って変形する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の剛性解析方法。
  4. 前記断面2次モーメントを求める工程は、
    加工前の角パイプの断面寸法および加工条件が入力される工程と、
    加工前の角パイプの断面寸法および加工条件と、該断面寸法および加工条件で加工したときの加工後の角パイプの曲げ部の断面2次モーメントとを対応付けたテーブルを参照する工程と、
    入力された加工前の角パイプの断面寸法および加工条件から、対応する断面2次モーメントを選択する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の剛性解析方法。
  5. 前記断面2次モーメントを求める工程は、
    加工前の角パイプの断面寸法および加工条件が入力される工程と、
    加工前の角パイプの断面寸法および加工条件と、該断面寸法および加工条件で加工したときの加工後の角パイプの断面形状とを対応付けたテーブルを参照する工程と、
    入力された加工前の角パイプの断面寸法および加工条件から、対応する断面形状を選択する工程と、
    前記断面形状の寸法に基づいて、断面2次モーメントを算出する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の剛性解析方法。
  6. 角パイプを曲げ加工してできる加工品の剛性を解析するための剛性解析プログラムであって、
    加工前の角パイプの断面寸法および加工条件に基づいて、曲げられてできる前記加工品の曲げ部の断面2次モーメントを求める手順と、
    求めた前記断面2次モーメントに基づいて、加工後の角パイプの剛性を解析する手順と、
    をコンピュータに実行させる剛性解析プログラム。
JP2003429225A 2003-12-25 2003-12-25 剛性解析方法およびそのプログラム Expired - Fee Related JP4457663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003429225A JP4457663B2 (ja) 2003-12-25 2003-12-25 剛性解析方法およびそのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003429225A JP4457663B2 (ja) 2003-12-25 2003-12-25 剛性解析方法およびそのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005190073A true JP2005190073A (ja) 2005-07-14
JP4457663B2 JP4457663B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=34787952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003429225A Expired - Fee Related JP4457663B2 (ja) 2003-12-25 2003-12-25 剛性解析方法およびそのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4457663B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011108184A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Daihatsu Motor Co Ltd パネル部材の剛性評価方法
US8301402B2 (en) 2009-06-10 2012-10-30 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. In-plane compressive strength evaluation device and method therefor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8301402B2 (en) 2009-06-10 2012-10-30 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. In-plane compressive strength evaluation device and method therefor
JP2011108184A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Daihatsu Motor Co Ltd パネル部材の剛性評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4457663B2 (ja) 2010-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101893312B1 (ko) 모델 설정 방법, 성형 시뮬레이션 방법, 성형용 공구의 제조 방법, 프로그램, 프로그램을 기록한 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체 및 유한 요소 모델
Ling et al. Finite element analysis of springback in L-bending of sheet metal
JP4964988B2 (ja) 成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置、プログラム、記録媒体、及びシミュレーション結果に基づいた成形方法
US7194388B2 (en) Method for determining a die profile for forming a metal part having a desired shape and associated methods
US9925578B2 (en) Method for reducing springback and apparatus for analyzing springback of press formed parts
US10040112B2 (en) Method for forming press-formed parts with reduced springback
KR101368108B1 (ko) 스프링백 발생 원인 분석 방법, 스프링백 발생 원인 분석 장치, 스프링백 발생 원인 분석 프로그램을 기록한 컴퓨터 판독 가능 기록 매체
JP2009172677A (ja) スプリングバック発生原因分析方法、その装置、そのプログラム及び記録媒体
JP5941320B2 (ja) 金型形状シミュレーションシステム、プログラム及び方法
CN107704697A (zh) 一种型材三维拉弯成形性预测评价优化方法
JP5911466B2 (ja) プレス成形におけるドローモデル判定方法及びシステム
Wiebenga Robust design and optimization of forming processes
JP3978377B2 (ja) 成形シミュレーション解析方法
JP2005266892A (ja) 金型設計支援システム及び方法並びに金型設計支援用プログラム
JP2007313534A (ja) プレス金型修正形状データの作成方法
JP4457663B2 (ja) 剛性解析方法およびそのプログラム
JP2005266894A (ja) 金型設計支援システム及び方法並びに金型設計支援用プログラム
JP6044606B2 (ja) 見込み金型形状作成方法及び装置
JP2018069263A (ja) プレス加工条件決定方法
JP4313890B2 (ja) スプリングバック量予測方法
JP2005138120A (ja) プレス成形中の金型たわみ分布のシミュレーション方法
JP2005138119A (ja) 板成形のシミュレーション方法
JP2009157641A (ja) 金型モデルの作成方法
JP5462201B2 (ja) 成形解析方法、成形解析装置、プログラム、及び記憶媒体
JP2008221253A (ja) シミュレーション解析方法および金型の設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees