JP2005188865A - 地熱利用鋼管杭 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 先端部又はその近傍に翼6が取付けられた下杭3と、この下杭3より大径で接合部材5を介して下杭3と一体に接合された上杭4とからなり、回転力を与えることにより地中に埋設される拡頭式のねじ込み式鋼管杭2を有し、上杭4内に熱交換用パイプ10を設置した。
【選択図】図1
Description
そして、この縦型チューブが杭としての機能と管内に流れる空気が熱交換をする働きとを有するので、埋め込み工事のコストを抑えることができるとしている(例えば、特許文献1参照)。
この方法によれば、対地熱交換器を地中に設置するための専用縦坑の掘削が不要になり、従来に比べて対地熱交換設備の設置コストを低減できるとしている(例えば、特許文献2参照)。
この水槽は、回転圧入鋼管杭を回転圧入することにより地中に埋設できるため、掘削の必要がなく、施工コストが安価となり、基礎杭としても高い支持力が得られるとしている(例えば、特許文献3参照)。
また、上記の接合部材を、翼とほぼ同じ形状で翼より大径の接合翼で形成した。
また、上記の接合部材を、テーパー管で形成した。
また、あらかじめ工場等において鋼管杭内に熱交換用パイプを設置できるので、施工現場における手間を省くことができ、コストを低減できる。
図1は本発明の実施の形態1に係る地熱利用鋼管杭の模式的断面図及び平面図である。
図において、2はねじ込み式鋼管杭(以下、鋼管杭という)で、下部鋼管3(以下、下杭という)、この下杭3より大径で後述の翼6より小径の上部鋼管4(以下、上杭といい、拡頭部と云うこともある)、及び外径が上杭4の外径とほぼ等しく、下杭3と上杭4を接合する接合部材5からなり、下杭3の先端部には翼6が取付けられている。
10は例えば鋼材からなり、上杭4内に配設されて内部に熱媒体(例えば、水などの熱効率のよい流体)が充填されて流動する熱交換用パイプで、これらにより地熱利用鋼管杭1が構成されている。
一般に、地中温度は地表より約6m以上深ければほぼ一定であるとされており、地表から深さ約6mまでの区間は熱交換効率はあまり良くないと考えられる。そこで、熱交換用パイプ10の相当部分を地表より約6m以上深い区間に設置することが望ましい。
この場合、地熱利用鋼管杭1が長尺の場合あるいは地盤の状態などによっては、先ず、施工機械により下杭3をある深さ(例えば、杭頭部が地上に位置する状態)まで貫入する。そして、その杭頭部に接合部材5を溶接により接合し、その上面に上杭4の下端部を溶接により接合して両者を一体に接続し、上杭4の杭頭部に施工機械を連結して貫入し、所定の深さに埋設したのち、上杭4内に熱交換用パイプ10を設置するようにしてもよい。
また、熱交換用パイプ10は、あらかじめ工場等でねじ込み式鋼管杭2内に設置できるので、施工時の手間を省くことができ、コストを低減することができる。
図2は本発明の実施の形態2に係る地熱利用鋼管杭の模式的断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分はこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、下杭3と上杭4を接合する接合部材5を、下杭3の先端部又はその近傍に設けた翼6及び上杭4より大径の翼(以下、接合翼7という)によって構成したものである。
また、上杭4をより大径にすることができるので、内部へ熱交換用パイプ10を設置する場合の作業がさらに容易になる。
図3は本発明の実施の形態3に係る地熱利用鋼管杭の上杭の模式的断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1,2では、ねじ込み式鋼管杭2の上杭4内に1本の熱交換用パイプ10を折り返して設置した場合を示したが、本実施の形態は複数本の熱交換用パイプ10を上杭4内に設置したものである。
図3(a)は熱交換用パイプ10a,10b,10cを上杭4の内周面から離れた位置に設置した状態を示すもので、この場合は、上杭4内に熱伝導の良い液体や充填物の熱媒体を充填することが望ましい。また、図3(b)は熱交換用パイプ10a,10b,10cを上杭4の内周面に沿って(当接して)設置したもので、この場合は上杭4内は中空のままでもよい。
本実施の形態は、熱交換用パイプ10の全長を長くできるので、熱交換効率をより高めることができる。
図4は本発明の実施の形態4に係る地熱利用鋼管杭の模式的断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1の上杭4内に、その内周面に沿って熱交換用パイプ10を複数段の螺旋状(コイル状)に巻回し当接させて設置し、その両端部を杭頭部から取出すようにしたものである。
なお、下杭3と上杭4との接合部材5を円形鋼板で形成した場合を示したが、接合部材5には実施の形態2で説明した接合翼7を用いてもよい。また、熱交換用パイプ10を、その外径が上杭4の内径より小さい螺旋状(コイル状)に巻回し、これを上杭4内に設置してもよい。この場合は、熱交換用パイプ10が上杭4の内周面に当接しないので、上杭4内に熱媒体を充填することが望ましい。
図5は本発明の実施の形態5に係る地熱利用鋼管杭の模式的断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1〜4では、熱交換用パイプ10をいずれも拡頭した鋼管杭2の上杭4内に設置した場合を示したが、本実施の形態は、熱交換用パイプ10を下杭3と上杭4の両者の内部に設置したものである。
そして、曲げ加工した熱交換用パイプ10を、下部10dから上杭4内に挿入して接合部材5の開口部5aを通し、所定の位置まで挿入する。これにより、下部10dは下杭3内に、上部10eは上杭4内に位置し、設置される。なお、上部10eの熱交換用パイプ10は、上杭4の内周面に当接するようにしてもよい。
この場合、熱交換用パイプ10の下部10dの上端部が挿通される貫通孔を有し、接合部材5の開口部5aに嵌合する大きさの鋼板を設け、この貫通孔に下部10dの上端部を挿通して固定しておき、接合部材5を下杭3に接合する際にこの鋼板を開口部5aに嵌入し、必要に応じて溶接等により接合部材5に固定するようにしてもよい。
本例においても、熱交換用パイプ10を下杭3若しくは上杭4又は下杭3と上杭4の内周面に当接するようにしてもよい。
本例は、下杭3とこれにより大径の上杭4とを接合部材であるテーパー管8で接合して鋼管杭2を構成し、上杭4、テーパー管8及び下杭3内に下端部で折返えした熱交換用パイプ10を設置したものである。
また、下杭3、テーパー管8及び上杭4内への熱交換用パイプ10の設置も容易で、必要に応じて熱交換用パイプ10を鋼管杭2の内周面に当接させることができる。なお、本実施の形態においても実施の形態3のように複数本の熱交換用パイプ10を直列に接続して下杭3と上杭4内に設置してもよく、あるいは実施の形態4のように熱交換用パイプ10を螺旋状に巻回して下杭3と上杭4内に設置してもよい。
ねじ込み式鋼管杭2を構成する下部鋼管3は、外径500mm、板厚9mm、長さ15mで、先端部にほぼレ字状の2つの取付部を設けて、この取付部に、外径1000mm、板厚40mmの円形鋼板を2分割した翼板を傾斜して取付けて、翼6を設けたものである。
また、上部鋼管4は、外径800mm、板厚12mm、長さ15mで、外径800mm、板厚50mmの円形鋼板からなる接合部材5を介して下部鋼管3と上部鋼管4を溶接接合し、一体に構成した。
Claims (6)
- 先端部又はその近傍に翼が取付けられた下杭と、該下杭より大径で接合部材を介して前記下杭と一体に接合された上杭とからなり、回転力を与えることにより地中に埋設される拡頭式のねじ込み式鋼管杭を有し、前記上杭内に熱交換用パイプを設置したことを特徴とする地熱利用鋼管杭。
- 前記接合部材を、前記上杭とほぼ同径の円形鋼板で形成したことを特徴とする請求項1記載の地熱利用鋼管杭。
- 前記接合部材を、前記翼とほぼ同じ形状で該翼より大径の接合翼で形成したことを特徴とする請求項1記載の地熱利用鋼管杭。
- 先端部又はその近傍に翼が取付けられた下杭と、該下杭より大径で接合部材を介して前記下杭と一体に接合された上杭とからなり、回転力を与えることにより地中に埋設される拡頭式のねじ込み式鋼管杭を有し、前記上杭及び下杭内に熱交換用パイプを設置したことを特徴とする地熱利用鋼管杭。
- 前記接合部材を、前記上杭とほぼ同径で中心部近傍に開口部を有する円形鋼板で形成したことを特徴とする請求項4記載の地熱利用鋼管杭。
- 前記接合部材を、テーパー管で形成したことを特徴とする請求項4記載の地熱利用鋼管杭。
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