JP2005187316A - 選択付着性基板およびその製造方法 - Google Patents

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浩一郎 中村
Kazutomo Ikeuchi
一智 池内
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靖智 有馬
Kenichi Nakama
健一 仲間
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Abstract


【課題】 微量の特定物質を微少領域に付着、保持するため基板を提供する。とくに微量の液体を基板上の複数箇所に高密度に保持することができ、その量のばらつきが小さく、また繰り返し再現性が良好な選択付着性基板を提供する。
【解決手段】 平板状基板10の表面に所定の規則で配列された凹部20を形成する。この凹部表面と凹部と凹部の間の平坦部30の表面における濡れ性に差異をつける。とくに水性の液体を対象とする場合には、平坦部30に撥水性被膜40を形成することにより、液体を凹部20に安定に保持でき、隣接凹部への漏れ出しも防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、生体関連分野あるいはマイクロエレクトロニクス分野で使用される微少領域に選択的に特定物質を付着または保持する機能を有する選択付着性基板に関し、とくに濡れ性が制御された表面を有する選択付着性基板に関する。
有機材料あるいは生体関連材料の電子工学分野への応用においては、分子エレクトロニクス、分子メモリー、ナノバイオテクノロジー等の技術を応用した製品の実用化への期待が高まっている。このため基板(チップ)上への機能素子の高密度集積化が要求されるだけでなく、基板表面の所定箇所に特定物質を選択的に付着させたり保持させたりする機能の高度化が求められている。
さらに、生命科学の分野では、マイクロ化学反応器、ゲノム解析用チップ、プロテイン解析用チップなどを用いた超微少量、超高感度分析のため、機能素子の高集積化、高密度アレイ化が進み、これらに用いられる基板についても、選択付着性が要求されている。これらの基板では、微少量の生体関連物質溶液等の液体試料を選択的に所定箇所に保持し、分析や反応に供することができる。
このような機能は基板表面に特定の物質の分子と結合する機能を有する箇所(機能性結合サイト)を高密度に形成することによって実現できる。これらの技術については、例えば特許文献1〜5などに開示されている。
特表平9−500568号公報 特開2002−131327号公報 特開2002−307801号公報 特開2002−283530号公報 特開2003−121442号公報
しかしながら、上記特許文献に開示されている方法は、いずれも基板の平坦な表面上へのパターンを形成する方法であり、機能性結合サイトが平坦部にあるため、微量の液体試料を、基板表面の複数箇所に保持する際に、保持量のばらつきが大きく、また繰り返し再現性が悪いという問題があった。また結合部位を高密度化すると、近接する結合部位同士の距離が近くなり、隣接する液体試料が混入するという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、微量の特定物質を微少領域に高密度に再現性よく付着、保持できる選択付着性基板を提供することを目的とする。
本発明の選択付着性基板はその表面に所定の規則で配列された凹部を有する。この凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面における濡れ性を異なるようにする。この手段により、特定物質を、基板の凹凸と濡れ性の差異の効果により、基板の所定の部位に安定に付着させ、または保持させることができる。
上記凹部は、均質な基板を加工して形成した窪みとすることが望ましい。ガラス基板等の表面に窪みを直接加工することにより、所定の配列規則に基づいた凹部を容易に形成することができる。
上記凹部表面の所定部分を除く部分が撥水性であることが望ましい。これにより水性の液体は基板の凹部に保持されやすくなる。
また上記凹部と、この凹部間に平坦部を有する選択付着性基板の場合には、凹部表面全部と平坦部表面における濡れ性が異なるようにする。とくにこの平坦部の表面を撥水性とすることが望ましい。これにより水性の液体は基板の凹部に保持されやすくなる。
上記凹部が稠密に配列された選択付着性基板の場合には、凹部表面の所定部分とその部分を除く部分における濡れ性が異なるようにする。とくに凹部の所定底部表面を除く部分の表面が撥水性であることが望ましい。これにより凹部間が接近した場合にも液体は凹部に保持されやすく、高密度に液体試料等を保持することが可能となる。
上記凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面における水に対する接触角の差を、20度より大きくすることが望ましい。基板表面の凹凸の効果により、より小さい接触角の差によっても水性の液体を基板の所定の部位に安定に保持することができる。
この接触角の差を、50度より大きくすればより好ましく、80度より大きくすればさらに好ましい。
上記の撥水性の表面を、アルキル基を含有するシラン化合物またはフルオロアルキル基を含有するシラン化合物から選ばれた少なくとも1種類の化合物によって被覆することが望ましい。
また上記の凹部は、下地基板表面を覆うように設けた所定厚みの被覆層の所定箇所を除去して開口部を形成するとともにこの下地基板の表面を露出させて形成することも好ましい。この場合、被覆層の開口部側壁面と露出した下地基板表面とによって凹部表面が構成される。下地基板上の被覆層の一部を除去加工することによっても、所定の配列規則に基づいた凹部を容易に形成することができる。
上記被覆層の表面が撥水性であることが望ましい。これにより水性の液体は基板の凹部に保持されやすくなる。
被覆層の厚みは10μm以上100μm以下であることが望ましい。10μm未満であると凹部として液体を保持する機能が十分発揮されない。また100μmを越えると精度良く加工することが難しくなる。
上記の下地基板表面と被覆層表面の水に対する接触角の差を、20度より大きくすることが望ましい。基板表面の凹凸の効果により、より小さい接触角の差によっても水性の液体を基板の所定の部位に安定に保持することができる。
この接触角の差を、50度より大きくすればより好ましく、80度より大きくすればさらに好ましい。
また上記の下地基板の光透過率を、被覆層の光透過率より2倍以上大きくすることが好ましい。凹部以外の部分の光透過率を低くすることにより、凹部に保持される物質を光学的手法で分析、観察する場合に、迷光を防ぎ、コントラストを高めることにより、検出感度を高めることができる。
被覆層は黒色塗料からなる層を含むことが望ましい。この材料により撥水性と低光透過率をともに実現することができる・
また、表面に所定の規則で配列された凹部を有し、この凹部間の基板表面に平坦部を有する選択付着性基板においては、凹部の表面と平坦部の表面における表面張力が異なるようにする。とくに凹部の表面張力を、平坦部の表面張力より大きくする。これによって液体は安定に凹部に保持される。
表面に所定の規則で配列された凹部を有し、この凹部間の前記基板表面に平坦部を有し、前記平坦部表面が撥水性である選択付着性基板は、撥水性もしくは親水性を付与する化合物を含有する溶液をスタンパに塗布し、このスタンパから、平坦部に溶液を転写して製造することが望ましい。
また、他の製造方法として、基板表面に撥水性を付与する化合物を含有する撥水性被膜を成膜するステップと、この撥水性被膜上に被覆層を成膜するステップと、被覆層を部分的に除去して開口を設け撥水性被膜表面を露出させるステップと、被覆層をマスクとし開口を通して撥水性被膜をエッチング除去するステップと、被覆層を除去するステップとを含む方法を用いることもできる。
さらに、上記と異なる他の製造方法として、基板表面に撥水性を有する化合物を含有する被覆層を成膜し、この被覆層を部分的に除去して開口を設け、基板表面を露出させる方法もある。
これらの方法により、平坦部のみに選択的に溶液を付着させることが容易に行え、部分的に撥水性膜または親水性膜を形成することができる。
本発明の選択付着性基板は、表面に凹部を所定の規則にしたがって配列し、凹部とそれ以外の部分の濡れ性または表面張力を異なるものとすることにより、凹部に微量の特定物質を安定に付着または保持させることができ、隣接した凹部へ混入することを防止できる。また付着物質の量のばらつきが低減され、繰り返し再現性も向上させることができ、優れた付着、保持機能を有する選択付着性基板を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の基板に用いる材料としては、ガラス、セラミックス、半導体、金属、樹脂等をあげることができる。利用できるガラスの種類としては、石英ガラス(線膨張係数α=0.5ppm/K)、無アルカリガラス、ソーダライムガラスなどを例示できる。さらに、ゼロデュア(登録商標、例えばショット社の製品で、α=−2ppm/K)、ネオセラム(登録商標、例えば日本電気硝子社の製品で、α=0.15ppm/K)などのような低膨張結晶化ガラス、パイレックス(登録商標)(例えばコーニング社の製品で、α=3.25ppm/K)、BK7(ショット社の製品、α=7.1ppm/K)などが挙げられる。
またウェハ形態で提供されているシリコン、InP、GaAsなどの半導体材料も使用可能である。樹脂材料については、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、耐熱性、透明性、化学的安定性に優れたガラスを用いることがもっとも好ましい。
本発明の選択付着性基板の一例を図1に示す。平板状基板10の表面に、生体関連物質溶液等の液体材料を保持するための複数の凹部20が形成されている。この例では隣接する凹部と凹部の間はもとの平板状基板表面である平坦部30が存在する。そしてこの凹部表面と、それ以外の基板の平坦部表面とに、液体に対する濡れ性の差異を与える処理を施すことにより、凹部20における液体試料の保持性能を向上させることができる。
図2は凹部20を有する平板状基板10の断面図である。凹部間の平坦部表面に被膜40が形成されているが、この被膜40の材質の保持する液体に対する濡れ性を基板表面(この場合、凹部表面)のそれと異なるものを選択することにより、濡れ性に差異をつけることができる。
基板表面の凹凸とそれに対応した部分的に異なる濡れ性を表面に付与することにより、マイクロエレクトロニクス分野や生体関連技術分野に用いられる機能素子を搭載する基板として優れた特性を提供できる。本発明の基板の凹部表面と平坦部表面の濡れ性の大きさの関係については、必要な機能によって、凹部表面の濡れ性が平坦部表面の濡れ性よりも大きいことが望ましい場合もあるし、逆に凹部表面の濡れ性が平坦部表面の濡れ性よりも小さいことが望ましい場合もある。特に基板と機能的相互作用を行う物質の組合せによって、これらの濡れ性の関係は決定される。
本発明の選択付着性基板は、その表面状態を制御することにより、選択付着する対象物質も広範に選択できる。生体関連物質溶液その他の化学物質溶液のほか、これらに細胞など生体組織が混在している試料などにも適用できる。また電子工学分野等における金属のメッキやエッチングなど液相工程で用いる溶液、ハンダ等の溶融金属など、あるいは真空成膜物質等にも適用できる。
本発明の基板の濡れ性を制御する方法として、基板の凹部または平坦部の表面に、保持する特定に対して濡れ性の高い、もしくは低い化合物を、単独でもしくは複合して被覆する方法が望ましい。
まず、本発明の基板と機能的相互作用を行う物質が、水系、水溶性物質、水溶液系である場合について説明する。
平坦部表面の濡れ性が凹部表面の濡れ性よりも小さい選択付着性基板を提供する場合については、平坦部表面に撥水性を付与する化合物を被覆するか、または凹部に親水性を付与する化合物を被覆する。もしくは平坦部表面に撥水性を付与する化合物を被覆し、同時に凹部に親水性を付与する化合物を被覆してもよい。
逆に平坦部表面の濡れ性が、凹部表面の濡れ性よりも大きい選択付着性基板を提供する場合については、平坦部表面に親水性を付与する化合物を被覆するか、または凹部に撥水性を付与する化合物を被覆する。もしくは平坦部表面に親水性を付与する化合物を被覆し、同時に凹部に撥水性を付与する化合物を被覆してもよい。
本発明の基板の凹部または平坦部の表面の濡れ性を変えるための、撥水性を与える材料としては、撥水性基を有するテトラフルオロエチレン、環状パーフルオロポリマー、フルオロアルキルシラン、アルキルシラン、シリコーン、ポリシランなどを例示することができる。これらの材料によって基板の平坦部または凹部の表面を被覆することにより、凹部と平坦部で水に対する濡れ性が異なる選択付着性基板を提供することができる。
撥水性基を有する化合物としては撥水性基を有するシラン化合物が好ましく使用される。その例として、1個または2個以上の撥水性基、例えばアルキル基、フルオロアルキル基などを分子内に有するシラン化合物を挙げることができる。
アルキル基を有するシラン化合物としては、
CH3(CH230SiCl3、CH3(CH220SiCl3
CH3(CH218SiCl3、CH3(CH216SiCl3
CH3(CH214SiCl3、CH3(CH212SiCl3
CH3(CH210SiCl3、CH3(CH29SiCl3
CH3(CH28SiCl3、CH3(CH27SiCl3
CH3(CH26SiCl3、CH3(CH25SiCl3
CH3(CH24SiCl3、CH3(CH23SiCl3
CH3(CH22SiCl3、CH3CH2SiCl3
(CH3CH22SiCl2、(CH3CH23SiCl、
CH3SiCl3、(CH32SiCl2、(CH33SiCl、
のようなアルキル基含有クロロシラン、
CH3(CH230Si(OCH33、CH3(CH220Si(OCH33
CH3(CH218Si(OCH33、CH3(CH216Si(OCH33
CH3(CH214Si(OCH33、CH3(CH212Si(OCH33
CH3(CH210Si(OCH33、CH3(CH29Si(OCH33
CH3(CH28Si(OCH33、CH3(CH27Si(OCH33
CH3(CH26Si(OCH33、CH3(CH25Si(OCH33
CH3(CH24Si(OCH33、CH3(CH23Si(OCH33
CH3(CH22Si(OCH33、CH3CH2Si(OCH33
(CH3CH22Si(OCH32、(CH3CH23SiOCH3
CH3Si(OCH33、(CH32Si(OCH32、(CH33SiOCH3
CH3(CH230Si(OC253、CH3(CH220Si(OC253
CH3(CH218Si(OC253、CH3(CH216Si(OC253
CH3(CH214Si(OC253、CH3(CH212Si(OC253
CH3(CH210Si(OC253、CH3(CH29Si(OC253
CH3(CH28Si(OC253、CH3(CH27Si(OC253
CH3(CH26Si(OC253、CH3(CH25Si(OC253
CH3(CH24Si(OC253、CH3(CH23Si(OC253
CH3(CH22Si(OC253、CH3CH2Si(OC253
(CH3CH22Si(OC252、(CH3CH23SiOC25
CH3Si(OC253、(CH32Si(OC252、(CH33SiOC25
のようなアルキル基含有アルコキシシラン、
CH3(CH230Si(OCOCH33、CH3(CH220Si(OCOCH33
CH3(CH218Si(OCOCH33、CH3(CH216Si(OCOCH33
CH3(CH214Si(OCOCH33、CH3(CH212Si(OCOCH33
CH3(CH210Si(OCOCH33、CH3(CH29Si(OCOCH33
CH3(CH28Si(OCOCH33、CH3(CH27Si(OCOCH33
CH3(CH26Si(OCOCH33、CH3(CH25Si(OCOCH33
CH3(CH24Si(OCOCH33、CH3(CH23Si(OCOCH33
CH3(CH22Si(OCOCH33、CH3CH2Si(OCOCH33
(CH3CH22Si(OCOCH32、(CH3CH23SiOCOCH3
CH3Si(OCOCH33、(CH32Si(OCOCH32
(CH33SiOCOCH3
のようなアルキル基含有アシロキシシラン、
CH3(CH230Si(NCO)3、CH3(CH220Si(NCO)3
CH3(CH218Si(NCO)3、CH3(CH216Si(NCO)3
CH3(CH214Si(NCO)3、CH3(CH212Si(NCO)3
CH3(CH210Si(NCO)3、CH3(CH29Si(NCO)3
CH3(CH28Si(NCO)3、CH3(CH27Si(NCO)3
CH3(CH26Si(NCO)3、CH3(CH25Si(NCO)3
CH3(CH24Si(NCO)3、CH3(CH23Si(NCO)3
CH3(CH22Si(NCO)3、CH3CH2Si(NCO)3
(CH3CH22Si(NCO)2、(CH3CH23SiNCO、
CH3Si(NCO)3、(CH32Si(NCO)2
(CH33SiNCO、
のようなアルキル基含有イソシアネートシランを例示することができる。
フロオロアルキル基を有するシラン化合物としては、
CF3(CF211(CH22SiCl3
CF3(CF210(CH22Si(Cl)3
CF3(CF29(CH22SiCl3
CF3(CF28(CH22SiCl3
CF3(CF27(CH22SiCl3
CF3(CF26(CH22SiCl3
CF3(CF25(CH22SiCl3
CF3(CF24(CH22SiCl3
CF3(CF23(CH22SiCl3
CF3(CF22(CH22SiCl3
CF3CF2(CH22SiCl3
CF3(CH22SiCl3、
のようなフロオロアルキル基含有トリクロロシラン、
CF3(CF211(CH22Si(OCH33
CF3(CF210(CH22Si(OCH33
CF3(CF29(CH22Si(OCH33
CF3(CF28(CH22Si(OCH33
CF3(CF27(CH22Si(OCH33
CF3(CF26(CH22Si(OCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF24(CH22Si(OCH33
CF3(CF23(CH22Si(OCH33
CF3(CF22(CH22Si(OCH33
CF3CF2(CH22Si(OCH33
CF3(CH22Si(OCH33
CF3(CF211(CH22Si(OC253
CF3(CF210(CH22Si(OC253
CF3(CF29(CH22Si(OC253
CF3(CF28(CH22Si(OC253
CF3(CF27(CH22Si(OC253
CF3(CF26(CH22Si(OC253
CF3(CF25(CH22Si(OC253
CF3(CF24(CH22Si(OC253
CF3(CF23(CH22Si(OC253
CF3(CF22(CH22Si(OC253
CF3CF2(CH22Si(OC253
CF3(CH22Si(OC253
のようなフロオロアルキル基含有トリアルコキシシラン、
CF3(CF211(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF210(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF29(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF28(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF27(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF26(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF24(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF23(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF22(CH22Si(OCOCH33
CF3CF2(CH22Si(OCOCH33
CF3(CH22Si(OCOCH33 、
のようなフロオロアルキル基含有トリアシロキシシラン、
CF3(CF211(CH22Si(NCO)3
CF3(CF210(CH22Si(NCO)3
CF3(CF29(CH22Si(NCO)3
CF3(CF28(CH22Si(NCO)3
CF3(CF27(CH22Si(NCO)3
CF3(CF26(CH22Si(NCO)3
CF3(CF25(CH22Si(NCO)3
CF3(CF24(CH22Si(NCO)3
CF3(CF23(CH22Si(NCO)3
CF3(CF22(CH22Si(NCO)3
CF3CF2(CH22Si(NCO)3
CF3(CH22Si(NCO)3、
ようなフロオロアルキル基含有トリイソシアネートシランを例示することができる。
これらの中でフロオロアルキル基含有トリアルコキシシラン、特にフッ素原子の数が13〜22のフロオロアルキルトリメトキシシラン、フロオロアルキルトリエトキシシランが好ましく用いられる。
ここに例示した化合物を用いて、本発明の選択付着性基板の凹部、または平坦部の表面を単独もしくは異なる物質を凹部表面および平坦部の表面と同時に被覆することで、前記パターン化された濡れ性の異なる部分の水に対する接触角の差を付与することができる。
本発明の選択付着性基板は、上記特許文献1〜5などが開示されている基板とは異なり、あらかじめ基板表面に凹部を有しており、この凹部自身がとくに液体を保持する機能をもつ。この液体の保持機能は固体基板表面における液体の接触角で評価できる。接触角θは図3に示すように固体基板12表面に滴下した液滴100が基板表面と接触する角度で定義される。
本発明においては、凹部と平坦部の接触角の差を、20度より大きくすることで、定量性、再現性に優れ、高密度な結合部位を有する選択付着性基板を提供することができる。凹部のない平坦な基板表面においては、より大きな接触角の差が必要であり、本発明により撥水性材料の選択範囲が広くなる。接触角の差は、さらに好ましくは、50度より大きく、より好ましくは、80度より大きくする。これによりさらに選択的に優れた、選択付着性基板を提供することができる。
なお、接触角の最大値は180度である。この場合、液体は基板をまったく濡らさず、球状の液滴となる。本発明の選択付着性基板においても撥水性を付与した部分では理想的な接触角は180度である。
また本発明の選択付着性基板は凹部表面と平坦部表面の表面張力が異なることを特徴とする。このように、表面張力の差異を付与する方法としては、つぎのような方法がある。
例えば、ガラスの臨界表面張力は、約100mN/mであるので、撥水基を有する化合物で、平坦部を被覆することで達成できる。撥水性基の具体例としては、エチレン基(臨界表面張力:31mN/m)、メチル基(20mN/m)、トリフルオロメチル基(6mN/m)などが例示できる。このような化合物で被覆することにより、基板表面の表面張力を、好ましくは20mN/mより大きく、より好ましくは40mN/mより大きく、最も好ましくは60mN/mより大きくすることにより、液体材料を選択的に保持する基板を提供できる。ガラスに対して、表面張力を小さくする化合物としては、前記、撥水性基を有する化合物を例示することができる。
以上では本発明の基板と機能的相互作用を行う物質が、水系、水溶性物質、水溶液系である場合について説明したが、これに限られない。本発明は基板と機能的相互作用を行う物質が油系、非水溶性物質、非水溶液系である場合についても適用できる。平坦部表面の濡れ性が凹部表面の濡れ性よりも小さい基板を提供する場合については、平坦部表面に撥油性を付与する化合物を被覆してもよいし、凹部に親油性を付与する化合物を被覆しても良い。平坦部表面に撥油性を付与する化合物を被覆して、同時に凹部に親油性を付与する化合物を被覆してもよい。
油系、非水溶液系について平坦部表面の濡れ性が、凹部表面の濡れ性よりも大きい基板を提供する場合については、平坦部表面に親油性を付与する化合物を被覆してもよいし、凹部に撥油性を付与する化合物を被覆しても良い。また、平坦部表面に親油性を付与する化合物を被覆して、同時に凹部に撥油性を付与する化合物を被覆してもよい。
本発明の基板は規則的に配列された凹部を有することが特徴である。凹部の形状、高さ、幅、密度は、本発明の基板が用いられる機能デバイスに応じて必要な形態をとればよい。凹部の形状としては、球面窪み状、円錐状、三角錐状、四角錐状、溝状、円柱状、線状、Y分岐線状などが挙げられる。配列された凹部が球面窪み状、円錐状、三角錐状、四角錐状、溝状、円柱状などである場合については、1cm2当り4個以上、好ましくは、100個以上、さらに好ましくは、10,000個以上とする。また、線状凹部の場合は線幅を3,000マイクロメートル以下、好ましくは、10マイクロメートル以下とする。これにより、高密度の微細パターン構造を有する基板を得ることができる。
また、本発明の選択付着性基板の構造は図1に示す例には限られない。図4に示すように基板10表面に凸部50を形成した構造の基板であってもよい。例えば、基板表面に適当な厚みの層を堆積し、この層を部分的に除去することにより、このような構造を形成することができる。このような構造の場合についても同様に、凸部表面52と底部または斜面部54の濡れ性を異なるものとすることにより、本発明の基板として用いることができる。
また、本発明の基板の凹部の一部が撥水性であってもよい。例えば図5は基板表面部分の拡大断面図であるが、図5(a)に図示するように平坦部30だけでなく凹部20内の上部まで撥水性膜42を設けてもよい。
以上の例では基板表面に平坦部が存在したが、図5(b)のように凹部20を稠密に設けた場合、平坦部はないが、尖った頂部32の部分に撥水性膜46を設けることもできる。このように基板表面の凹部が接近して高密度化され、撥水性を有する部分の面積が相対的に小さくなった場合にも、定量性、再現性に優れた結合部位を有する選択付着性基板を提供することができる。
次に本発明の選択付着性基板の製造方法について説明する。第1の方法としては、基板表面の凹部を予め加工し、その後に凹部あるいは平坦部に濡れ性を変える物質を被覆する。第2の方法としては、平板状基板表面を予め濡れ性を変える物質で被覆し、その後、凹部を加工する。いずれの方法によっても濡れ性の異なる部分をもった基板を得ることができる。規則的に配列された凹部を有する基板の製造方法としては、フォトリソグラフィ、電子線リソグラフィー、陽子線リソグラフィー、X線リソグラフィーなどによるマスクパターンの形成とレーザアブレージョン法、ウェットエッチング法などによる凹部形成を組み合わせた方法を例示できる。
濡れ性を変える物質を基板に被覆する方法としては、湿式法と乾式法(真空法)を例示できる。湿式法については、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ナノインプリンティング法、ソフトリソグラフィー法、マイクロコンタクトプリンティング法などを例示できる。とくにソフトリソグラフィー法は凹部を有する基板表面の平坦部にのみ選択的に溶液を付着させる方法として、簡便で低コストな方法である。
乾式法(真空法)については、蒸着法、スパッタ法、イオンビーム法、CVD法、MOCVD法などがあげられる。これらの方法を組み合わせることにより、濡れ性の異なる部分がパターニングされた凹部、もしくは凸部を有する基板を得ることができる。
以下に具体的な実施例について説明する。
(撥水層コーティング液の調製)
撥水膜被覆用コーティング液は、エタノール(97.68重量部)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(0.02重量部)、テトラエトキシシラン(0.3重量部)、濃塩酸(2.0重量部)を混合し、30分間室温で攪拌することにより作成した(以下この液を液Aという)。
(基板の作製)
石英ガラス基板(厚み2mm、寸法50mm×50mm)上に、スピンコート法で、液Aを塗布した。室温で24時間乾燥して、Cr膜とAu膜をスパッタリング法により成膜し、さらにフォトレジストをスピンコート法により塗布した。つぎにこのフォトレジスト膜を、縦方向に50個、横方向に50個、合計2500個の開口部が碁盤の目状に配列したパターンをマスクとして露光し、露光部分のフォトレジストを現像、除去した。このフォトレジスト膜をマスクとしてAu膜とCr膜をエッチングし、開口を形成した。
このマスク付きガラス基板を、超純水(比抵抗値:18MΩ・cm)で洗浄した後、49%フッ化水素酸を用いてエッチングを行った。この後、超純水で後洗浄した後、NaOH水溶液によりフォトレジスト膜を剥離した。さらに、ヨウ素/ヨウ化アンモニウム水溶液を用いて、Auマスクを剥離除去した後、硝酸2アンモニウムセリウム水溶液を用いて、Crマスクを剥離除去した。
得られた選択付着性基板は概略図1に示すような形状であり、断面形状は模式的に図2で示される。球状凹部の直径は50μmであり、密度は100個/cm2であった(以下これを基板Aという)。
比較のため、液Aを用いた撥水膜のコーティングを行わないほかは、上記と同様に基板作製を行い、基板Bを得た。
(基板の濡れ性の評価)
基板Aについて、水の接触角(図3参照)を測定すると、平坦部の表面では70度であり、凹部の表面は10度であり、凹部と平坦部の水に対する接触角の差が60度であった。基板Aの球状凹部に、マイクロシリンジで超純水を滴下すると、水は球面凹部内に保持された。球面凹部の容積よりも大きい量の水を滴下しても、球状窪み状凹部表面よりも、平坦部表面の表面張力が大きいため、水は凸状に膨らみ、平坦部にこぼれることなく保持された。一方、基板Bの平坦部の接触角は5度であった。球状凹部に、マイクロシリンジで超純水を滴下すると、水は平坦部へ漏れ出てしまい、球面凹部内には保持されなかった。
石英ガラス基板(厚み2mm、寸法50mm×50mm)上に、Cr膜とAu膜をスパッタリング法により成膜し、さらにフォトレジストをスピンコート法により塗布した。つぎにこのフォトレジスト膜を、縦方向に50個、横方向に50個、合計2500個の開口部が碁盤の目状に配列したパターンをマスクとして露光し、露光部分のフォトレジストを現像、除去した。このフォトレジスト膜をマスクとしてAu膜とCr膜をエッチングし、開口を形成した。
このマスク付きガラス基板を、超純水(比抵抗値:18MΩ・cm)で洗浄した後、49%フッ化水素酸を用いてエッチングを行った。この後、超純水で後洗浄した後、NaOH水溶液によりフォトレジスト膜を剥離した。さらに、ヨウ素/ヨウ化アンモニウム水溶液を用いて、Auマスクを剥離除去した後、硝酸2アンモニウムセリウム水溶液を用いて、Crマスクを剥離除去した。
得られた球状凹部は直径が50μmであり、密度は100個/cm2であった(基板C)。この平坦部に、つぎに示すようなソフトリソグラフィー法により、基板Cの平坦部に撥水層を形成した。
表面が平坦で厚さ約1mmの板状ポリジメチルシロキサン(PDMS)をスタンパとして用いる。液Aを平皿状の容器に入れ、スタンパの一方の表面をこの液に接触させる。次に、スタンパを基板Cの表面に接触させてスタンパ表面の液Aを、基板Cの表面に転写した。引き続き室温で、24時間乾燥して平坦部が撥水性の基板Dを得た。得られた選択付着性基板は実施例1と同様の構造(図1、図2)を有する。
この基板D表面の水の接触角を測定すると、平坦部の表面では105度であり、凹部の表面は5度であり、凹部と平坦部の水に対する接触角の差が、100度であった。基板Dの球状凹部に、マイクロシリンジで超純水を滴下すると、水は球面凹部内に保持された。球面凹部の容積よりも大きい量の水を滴下しても、球状凹部表面よりも、平坦部表面の表面張力が大きいため、水は凸状に膨らみ、平坦部にこぼれることなく保持された。
本実施例においては、図6に示すようにシリコン基板16に断面がV字状の溝70(以下、V溝という)形成した場合について説明する。シリコン基板(厚み2mm、寸法25mm×25mm)表面にスリット状開口部をもつフォトレジストマスクを形成し、等方性ウェットエッチング法によってV溝を約1,000個を基板表面に形成した。V溝側面の傾斜面74はシリコン結晶の(111)面に一致し、溝の深さが20.15μm、幅が14.3μmであり、隣接する溝の間隔は約24.7μm、V溝間の「峰」の頂上平坦部分72(エッチングされずに残った幅)は約5.0μmであった(基板A2)。
この平坦部に、親水性付与剤として、ポリアルキレンオキシド変性シリコーンのアルコール溶液を、実施例1と同様にPDMSをスタンパとしたソフトリソグラフィー法により成膜した(基板B2)。成膜後、室温で、24時間乾燥して本発明の基板を得た。親水性膜48が形成された選択付着性基板の断面模式図を図7に示す。
この基板の水の接触角を測定すると、親水性付与部である平坦部の表面では5度であり、凹部の表面は60度で、凹部と平坦部の水に対する接触角の差が、55度であった(基板B2)。基板B2に、マイクロシリンジで超純水を滴下すると、水は溝間平坦部の表面に広がって保持され、凹部には付着しなかった。
本実施例においては、凹部以外の部分を遮光する例を説明する。
本実施例では撥水性を有する黒色塗料を用いる。使用した黒色塗料はカーボンブラック、熱可塑性樹脂、顔料、溶媒等からなる。表1に4種類(C1〜C4)の組成例を示す。
(表1)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
組成(重量%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
黒色塗料 熱可塑性 パラフィン 顔料 カーボン シリカ 高沸点
樹脂 ブラック 溶媒
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
C1 40 5 0 1−10 5 30
C2 40 5 10 5 5 30
C3 20 50 5 20
C4 30 5 40 5 20
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
洗浄済みの無アルカリガラス基板(NA32、NHテクノグラス社製、厚み0.7mm、寸法25mm×75mm)上に、上記黒色塗料をスクリーン印刷法で塗布した。また、スクリーン上には、直径2.5mm、ピッチ4mmの円形パターンを5行×10列=50個形成した。図8に示すように得られた黒色塗料82が塗布された基板18には、直径2.5mm、ピッチ4mmの円形の非塗布部80が、50個形成されていた。この基板を、100℃に加熱した熱風循環炉で30分間乾燥した。基板は、エタノール中で超音波処理5分、0.1モルのKOH水溶液中で5分超音波処理を行い、さらに超純水中で超音波処理を5分間行った。
円形の非塗布部80とその周囲の塗布部の段差を触針式膜厚計で測定すると、黒色塗料82の膜厚は20μmであった。表2に示すように各基板D1〜D4の黒色塗料塗布部の水に対する接触角は、110度以上、非塗布部のガラス面の接触角は、10度未満であり、80度以上の接触角差が確認された。また黒色塗料を塗布した部分の光透過率は測定できず、非塗布部は約90%であった。
以上のように、撥水性の材料で親水性の下地基板表面を覆い、その一部を除去して開口を設けるとともに親水性の下地基板を露出させることによっても選択付着性基板を作製することができる。この場合、被覆層の開口部側壁面と露出した下地基板表面とによって凹部表面が構成される。したがってこの場合、凹部間の平坦部と凹部の側壁面が撥水性となり、凹部の底面のみ親水性となる。
またさらに黒色塗料を用いることにより、撥水部の光透過率を実質的にゼロとすることができるので、親水部に付着する物質を蛍光光度法、発光分光法、吸光度法などの光学的手法で分析、観察する場合に、迷光を防ぐとともにコントラストを高めることができ、検出感度を高めることができる。
(表2)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
接触角(°) 透過率(%)
基板 黒色塗料 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
塗布部 非塗布部 塗布部 非塗布部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
D1 C1 110 <10 0 90
D2 C2 112 <10 0 90
D3 C3 114 <10 0 90
D4 C4 112 <10 0 90
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例4で得られた構造の凹部の底面はとくに加工を施さない下地基板の表面であったが、本実施例では凹部底面部分をさらに加工して窪み状とする。
実施例4で得られた黒色塗料による遮光層を設けた選択付着性基板(基板D1〜D4)を、超純水(比抵抗値:18MΩ・cm)で洗浄した後、フッ化水素酸20重量%、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)2重量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%の混合液(液F)により黒色塗料層をマスクとして5分間エッチングを行った。この後、超純水で後洗浄し基板E1〜E4を得た。ガラス基板平坦部とエッチング部の段差を触針式膜厚計で測定すると50μmであった。
(表3)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
接触角(°) 透過率(%)
基板 黒色塗料 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
塗布基板 塗布部 非塗布部 塗布部 非塗布部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
E1 D1 110 <10 0 90
E2 D2 112 <10 0 90
E3 D3 114 <10 0 90
E4 D4 112 <10 0 90
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本実施例は実施例1または2と同様の選択付着性基板に関するものであるが、異なる製造方法を用いる。
撥水性被膜用コーティング液は、エタノール(97.68重量部)、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン(0.02重量部)を混合し、30分間室温で攪拌することにより作製した(液G)。無アルカリガラス基板(厚み0.7mm、寸法25mm×75mm)上に、ディップコート法で液Fを塗布し、この基板を150℃に加熱した熱風循環炉で30分間乾燥した。基板はエタノール中で超音波処理5分、0.1モルのKOH水溶液中で5分超音波処理を行い、さらに超純水中で超音波処理5分を行い洗浄した(基板H)。接触角は、120度であった。
この基板H上に、黒色塗料(C2、表1参照)をスクリーン印刷法で塗布した。また、スクリーン上には、直径2.5mm、ピッチ4mmの円形パターンを5行×10列=50個形成した。得られた黒色塗料が塗布された基板には、直径2.5mm、ピッチ4mmの円形の非塗布部が、50個形成されていた。この基板を、100℃に加熱した熱風循環炉で30分間乾燥した。
この基板を、超純水(比抵抗値:18MΩ・cm)で洗浄した後、液F(実施例5参照)をエッチング液として5分間エッチングを行った。この後、超純水で後洗浄した(基板I)。
基板I表面の平坦部とエッチング部の段差を触針式膜厚計で測定すると50μmであった。
基板Iを黒色塗料剥離液で洗浄して黒色塗料を除去し、平坦部が透明撥水コートされ、50μmの凹部が親水性のガラス基板を得た。撥水コート部の水に対する接触角は、110度以上、凹部のガラス面の接触角は、10度未満であり、80度以上の接触角差が確認された。透過率は、撥水部、凹部ともに90%以上であった。
本実施例で用いた黒色塗料は一例であってこれに限られない。この被覆層は最終的に除去されるので、液Fに侵されず、パターン形成およびエッチング終了後の除去が容易であればよい。
上記の実施例では液体を対象に特定物質を微少領域に高密度に付着、保持する基板について主として説明した。これらは微量の生体関連物質の反応や計測に利用できる。しかし本発明のこのような応用に限られない。生体関連物質や有機物質をエレクトロニクス分野に応用して特殊な機能を備えた機能素子を提供するのに利用することもできる。また、金属等の無機物質の選択的な付着、例えばメッキ技術等にも利用が可能である。
本発明の選択付着性基板の一例を示す斜視図である。 選択付着性基板の一例の断面模式図である。 液滴の接触角を説明する図である。 選択付着性基板の他の例を示す斜視図である。 凹部の撥水性膜による被覆状態を示す図である。 選択付着性基板の他の例を示す斜視図である。 選択付着性基板の他の例の断面模式図である。 選択付着性基板の他の例の平面および断面模式図である。
符号の説明
10、12、14、16、18 基板
20 凹部
30 平坦部
40 被膜
42、46 撥水性膜
48 親水性膜
50 凸部
70 V溝
80 非塗布部
82 黒色塗料
100 液滴

Claims (25)

  1. 表面に所定の規則で配列された凹部を有する選択付着性基板において、前記凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面とにおける濡れ性が異なることを特徴とする選択付着性基板。
  2. 前記凹部は、均質な基板を加工して形成した窪みであることを特徴とする請求項1に記載の選択付着性基板。
  3. 前記凹部表面の所定部分を除く部分が撥水性であることを特徴とする請求項2に記載の選択付着性基板。
  4. 隣り合う前記凹部間に平坦部を有し、前記凹部表面全部と前記平坦部表面における濡れ性が異なることを特徴とする請求項3に記載の選択付着性基板。
  5. 前記平坦部の表面が撥水性であることを特徴とする請求項4に記載の選択付着性基板。
  6. 前記凹部が稠密に配列され、前記凹部表面の所定部分とその部分を除く部分における濡れ性が異なることを特徴とする請求項2に記載の選択付着性基板。
  7. 前記凹部の所定部分表面を除く部分の表面が撥水性であることを特徴とする請求項6に記載の選択付着性基板。
  8. 前記凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面の水に対する接触角の差が、20度より大きいことを特徴とする請求項3、5、7のいずれか一項に記載の選択付着性基板。
  9. 前記接触角の差が、50度より大きいことを特徴とする請求項8に記載の選択付着性基板。
  10. 前記接触角の差が、80度より大きいことを特徴とする請求項9に記載の選択付着性基板。
  11. 前記撥水性の表面が、アルキル基を含有するシラン化合物またはフルオロアルキル基を含有するシラン化合物から選ばれた少なくとも1種類の化合物によって被覆されていることを特徴とする請求項3、5または7に記載の選択付着性基板。
  12. 前記凹部は、下地基板表面を覆うように設けた所定厚みの被覆層の所定箇所を除去して開口部を形成するとともに前記下地基板の表面を露出させて形成され、前記被覆層の開口部側壁面と露出した前記下地基板表面とによって前記凹部表面が構成されることを特徴とする請求項1に記載の選択付着性基板。
  13. 前記被覆層表面が撥水性であることを特徴とする請求項12に記載の選択付着性基板。
  14. 前記被覆層の厚みが10μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項12または13に記載の選択付着性基板。
  15. 前記下地基板表面と前記被覆層表面の水に対する接触角の差が、20度より大きいことを特徴とする請求項12に記載の選択付着性基板。
  16. 前記接触角の差が、50度より大きいことを特徴とする請求項15に記載の選択付着性基板。
  17. 前記接触角の差が、80度より大きいことを特徴とする請求項16に記載の選択付着性基板。
  18. 前記下地基板の光透過率が、前記被覆層の光透過率より2倍以上大きいことを特徴とする請求項12〜17のいずれか一項に記載の選択付着性基板。
  19. 前記被覆層は黒色塗料からなる層を含むことを特徴とする請求項18に記載の選択付着性基板。
  20. 表面に所定の規則で配列された凹部を有する選択付着性基板において、隣り合う該凹部間に平坦部を有し、前記凹部の表面と前記平坦部の表面における表面張力が異なることを特徴とする選択付着性基板。
  21. 前記凹部の表面張力が、平坦部の表面張力より大きいことを特徴とする請求項20に記載の選択付着性基板。
  22. 表面に所定の規則で配列された凹部を有し、該凹部間の前記基板表面に平坦部を有し、前記平坦部表面が撥水性である選択付着性基板の製造方法であって、前記撥水性を付与する化合物を含有する溶液をスタンパに塗布し、前記スタンパから、前記平坦部に転写することを特徴とする選択付着性基板の製造方法。
  23. 表面に所定の規則で配列された凹部を有し、該凹部間の前記基板表面に平坦部を有し、前記平坦部表面が撥水性である選択付着性基板の製造方法であって、前記基板表面に撥水性を付与する化合物を含有する撥水性被膜を成膜するステップと、前記撥水性被膜上に被覆層を成膜するステップと、前記被覆層を部分的に除去して開口を設け前記撥水性被膜表面を露出させるステップと、前記被覆層をマスクとし前記開口を通して前記撥水性被膜をエッチング除去するステップと、前記被覆層を除去するステップとを含むことを特徴とする選択付着性基板の製造方法。
  24. 表面に所定の規則で配列された凹部を有し、該凹部間の前記基板表面に平坦部を有し、前記平坦部表面が撥水性である選択付着性基板の製造方法であって、前記基板表面に撥水性を有する化合物を含有する被覆層を成膜し、該被覆層を部分的に除去して開口を設け、前記基板表面を露出させることを特徴とする選択付着性基板の製造方法。
  25. 露出した前記基板表面をエッチングして窪みを形成したことを特徴とする請求項24に記載の選択付着性基板の製造方法。
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