JP2005179708A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005179708A
JP2005179708A JP2003419216A JP2003419216A JP2005179708A JP 2005179708 A JP2005179708 A JP 2005179708A JP 2003419216 A JP2003419216 A JP 2003419216A JP 2003419216 A JP2003419216 A JP 2003419216A JP 2005179708 A JP2005179708 A JP 2005179708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
baffle
exhaust port
film forming
exhaust
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003419216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4393856B2 (ja
Inventor
Kenji Yamakawa
健司 山川
Yasukuni Iwasaki
安邦 岩崎
Nobuo Yoneyama
信夫 米山
Shiro Takigawa
志朗 瀧川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Meiva Industry Ltd filed Critical Shin Meiva Industry Ltd
Priority to JP2003419216A priority Critical patent/JP4393856B2/ja
Publication of JP2005179708A publication Critical patent/JP2005179708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4393856B2 publication Critical patent/JP4393856B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】 成膜プロセス中に粒子の排気室侵入をバッフルによって抑制し、排気プロセス中にバッフルによる排気抵抗の増加を防止すると共に、成膜室の可動点における摩擦磨耗粉の発生を改善させる成膜装置を提供する。
【解決手段】 真空成膜装置1は、壁部14に排気口10を有する成膜室2と、前記排気口10を介して前記成膜室2の内部を排気する排気手段4と、所定の開口率を有して前記排気口10を覆うことが可能なように前記成膜室2の内部に配置されたバッフル12と、前記バッフルを駆動する駆動手段21とを備えており、前記バッフル12は枠体18と前記枠体18に隙間24を有して配置された複数の遮蔽板15とを有し、前記駆動手段21は、前記バッフル12を、前記排気口10を覆うように進出させかつ前記排気口10を覆わないように退避させるものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は成膜装置に関し、特に成膜室に配置されたバッフルを駆動装置によって真空ポンプの排気口の領域内外を移動させる成膜装置に関する。
スパッタリング装置や真空蒸着装置の成膜室の壁部には、真空ポンプに連通する排気口が形成され、この排気口を介して所定の排気速度で成膜室の内部空間が真空ポンプによって減圧される。
ここで、排気口に侵入し付着した成膜粒子は空気や水分を抱き込み、排気系の排気時間を遅延させて望ましくないため、こうした排気口の前面には通常、複数の遮蔽板からなる防着用のバッフルと称される部材(以下、単にバッフルという。)が配置され、成膜装置で生成された成膜粒子をバッフルの遮蔽板に付着させて排気室に侵入する(回り込む)ことを防止している。
ところで、このようなバッフルには、遮蔽板を固定させた形態のもの(以下、第1の従来例、特許文献1の図1参照)の他、アクチュエータによってこの遮蔽板の角度を適宜可変させる形態のもの(以下、第2の従来例、特許文献1の図2参照)がある。例えば、第2の従来例によれば、バッフルの遮蔽板を、排気速度を充分確保したい場合には排気通路を広げる角度に設定する一方、成膜プロセス中であって成膜粒子の排気室回り込みを抑制したい場合には排気流路を絞る角度に設定するという構成を採用している。
特開2001−239143号公報
しかし上記の第1、第2の従来例に記載のバッフルには、以下のような不具合があると本願発明者等は考えている。
固定式バッフルの場合、遮蔽板の枚数を減らして隙間を広げれば、排気プロセス中には排気抵抗を少なくして排気コンダクタンスを大きくできるものの、成膜プロセス中には成膜粒子の回り込み(排気室への侵入)抑制効果が損なわれる。反面、遮蔽板の枚数を増やして隙間を狭めれば、成膜プロセス中には成膜粒子の回り込み抑制効果を十分に発揮させ得るものの、排気プロセス中には排気抵抗を増加させかねない。即ち、固定式バッフルでは、排気抵抗を減少する遮蔽板の構成と成膜粒子の回り込みを充分抑制する遮蔽板の構成とを両立させ得る設計が難しい。
遮蔽板可動式バッフルの場合、バッフルの遮蔽板の角度を適宜可変させて、固定式バッフルに比べて真空排気系の排気抵抗を改善させることは可能であるが、排気口の前面に配置したバッフルによって排気の流れが乱されることには変わりなく、これによってもたらされる排気抵抗の増加を完全には排除できない。更には、バッフルの遮蔽板自体を可動式にしているため、遮蔽板の枚数と同数の可動点が成膜室の内部に存在して、こうした可動点における部材間の摩擦によって摩擦磨耗粉が発生する可能性がある。とりわけ成膜室の真空減圧中では可動点における摩擦抵抗が増すため、このような可動点を可能な限り減らして、例えば遮蔽板の動作不備のような磨耗粉に起因する各種問題を事前に排除しておくことが望ましいと言える。
本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、成膜プロセス中には成膜粒子の排気室侵入をバッフルによって防ぐことができ、排気プロセス中にはバッフルに起因する排気抵抗の増加を防止できると共に、成膜室の可動点における摩擦磨耗粉の発生を改善させる成膜装置を提供することにある。
本発明に係る成膜装置は、壁部に排気口を有する成膜室と、前記排気口を介して前記成膜室の内部を排気する排気手段と、所定の開口率を有して前記排気口を覆うことが可能なように前記成膜室の内部に配置されたバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動手段とを備えており、前記バッフルは枠体と前記枠体に隙間を有して配置された複数の遮蔽板とを有し、前記駆動手段は、前記バッフルを、前記排気口を覆うように進出させかつ前記排気口を覆わないように退避させるものである。
また、本発明に係る成膜装置は、壁部に排気口を有する成膜室と、前記排気口を介して前記成膜室の内部を排気する排気手段と、所定の開口率を有して前記排気口を覆うことが可能なように前記成膜室の内部に配置されたバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動手段とを備えており、前記バッフルは、前記開口率相当分の間隔を保つように前記壁部から離して配置される遮蔽板とを有し、前記駆動手段は、前記バッフルを、前記排気口を覆うように進出させかつ前記排気口を覆わないように退避させるものである。
これによって、成膜プロセス中にはバッフルを排気口の領域内に移動させて、成膜粒子の排気室侵入をバッフルによって防ぐことができると共に、排気プロセス中にはバッフルを排気口の領域外に移動させて、バッフルに起因する排気抵抗の増加を防止できる。
また、本発明に係る成膜装置は、壁部に排気口を有する成膜室と、前記排気口を介して前記成膜室の内部を排気する排気手段と、前記内部空間に配置され、複数の遮蔽板および前記遮蔽板を支持する支持部材からなって所定の開口率を有するバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動装置とを備えており、前記遮蔽板を前記支持部材に固定させた状態で前記バッフルを前記駆動装置によって前記排気口の領域内外を移動させるものである
これによって遮蔽板を支持部材に固定させた状態でバッフルを駆動装置によって排気口の領域内外を移動させることができ、成膜室の可動点における摩擦磨耗粉の発生を改善させ得る。
ここで前記バッフルは隙間を隔てて配置された複数の遮蔽板を備えており、前記隙間および前記遮蔽板からなるバッフルによって、前記排気口のほぼ全域を覆うことができる。こうして、前記バッフルを前記排気口の領域内に移動させて、前記バッフルによって前記排気口のほぼ全域を覆って、成膜粒子の排気室侵入を効果的に排除できる。
なお、前記成膜室の内部には基板とこの基板に被膜材料を供給する成膜粒子源が配置されている。
この成膜粒子源は、例えば、スパッタリング用のターゲットまたは蒸発用の蒸発源であり、このような成膜粒子源が配置される成膜室において、バッフルの防着効果は有効に機能する。
なおここで、前記遮蔽板は短冊状板であり、前記短冊状板は前記隙間を隔ててその長手方向端を前記支持部材に固定して並べられ、前記排気口を前記バッフルによって覆った状態で、前記ターゲットまたは前記蒸発源から前記バッフルを投影した場合、前記短冊状板によって前記隙間が隠されて、前記ターゲットまたは蒸発源から前記排気口に向けて放出された成膜粒子が前記短冊状板に衝突するものである。これによって、排気口に向けて放出された成膜粒子を確実に遮蔽板に付着させることができる。
本発明によれば、バッフルを駆動装置によって排気口を覆うように進出させかつ排気口を覆わないように退避させることによって成膜プロセス中には粒子の排気室侵入をバッフルによって防ぐことができ、排気プロセス中にはバッフルに起因する排気抵抗の増加を防止できると共に、遮蔽板を支持部材に固定した状態でバッフルを駆動装置によって移動させることによって成膜室の可動点における摩擦磨耗粉の発生を改善させる成膜装置を得ることができる。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1を説明する。
図1は実施の形態1におけるスパッタ成膜室およびその真空排気系の概要を示したものである。図2は、スパッタ成膜室の内部構成を説明する図面であり、スパッタ成膜室の内部を上方から見た上方模式図であり、図3はスパッタ成膜室の内部を側方から見た側方模式図である。
図1によれば、真空成膜装置1は、真空チャンバ2および真空排気系4(排気手段)から構成され、真空排気系4においては、真空チャンバ2の内部空間3を大気圧から所定圧力(例えば5Pa程度の圧力)に減圧する粗排気用のロータリポンプ5(低真空用ポンプ)がラフバルブ6を介して真空チャンバ2の第一の排気口7(以下、単に排気口7という。)に接続されている。また、内部空間3を成膜プロセス開始可能な圧力(例えば6×10−3Pa程度の圧力)にまで減圧できる本排気用の油拡散ポンプ8(高真空ポンプ)がメインバルブ9を介して真空チャンバ2の第二の排気口10(以下、単に排気口10という。)に接続されている。更に、油拡散ポンプ8の起動を可能せしめる圧力(例えば30Pa程度の圧力)にまでその内部を減圧するため、油拡散ポンプ8はフォアラインバルブ11を介してロータリポンプ5に接続されている。また真空チャンバ2の内部空間3の排気口10の近傍には、後ほど説明する成膜プロセス中の成膜粒子を付着させる遮蔽板15(図3参照)を備えたバッフル12が駆動装置21(駆動手段)に接続されて配置されている。なお、真空チャンバ2の内部空間3の真空度をモニタする真空計13も真空チャンバ2に設置されている。
また図2によれば、真空チャンバ2は第一のサブ真空チャンバ部2aおよび第二のサブ真空チャンバ部2bから構成されている。ここで、両サブ真空チャンバ部2a、2bは、互いに接合された状態において形成される筒状(略円筒状)の内部空間3の中心軸に沿って分割されたような形態で構成されている。即ち、両サブ真空チャンバ部2a、2bを接合させた状態で、排気口7、10を除いて壁部14によって囲まれ、密閉された内部空間3が形成されて、この内部空間3がプラズマ反応用の成膜室として機能することになる。
最初に第一のサブ真空チャンバ部2aの構成を図2および図3を参照して述べる。
図2および図3に示すように、第一のサブ真空チャンバ部2aにおいて、第一の半割り筒状内部空間3aの略中央部付近の壁部側面16に略矩形形状の排気口10が形成されている。そして、メインバルブ9と称される油拡散ポンプ8の開閉弁配置空間が、排気口10を介して第一の半割り筒状の内部空間3aに接続されている。
また、所定間隔の隙間24を隔てて複数の遮蔽板15(短冊状板)を、この短冊状の遮蔽板15の長手方向を揃えて額縁状枠体(支持部材)18に並列に接合させることで、所定の開口率を有する矩形状のバッフル12は形成され、このバッフル12は排気口10に近接して内部空間3に配置されている。即ち、遮蔽板15の長手方向の両端が環状に囲われた額縁状枠体18に固定されて、後ほど述べる理由により遮蔽板15は所定方向に向くように配置されている。
また、隙間24および遮蔽板15からなるバッフル12の主面の面積が、排気口10の開口面積よりも大きくなっており、これによってバッフル12によって排気口10の全域を覆うことが可能である。更に、バッフル12を略円筒状の壁部側面16に可能な限り近接させるため、その額縁状枠体18を壁部側面16に沿って弓形状に曲げている。
また、図3に示すように、バッフル12の額縁状枠体18はブラケット19を介して2本の支持棒20に接続されており、支持棒20は、駆動装置21に接続されて回転する回転フランジ22に固定される。こうして駆動装置21から駆動軸27を介して伝達される駆動動力によって壁部下面25に配置された回転フランジ22を回転させて、遮蔽板15を額縁状枠体18に支持して固定された状態で、バッフル12を壁部側面16に沿って所定範囲を回転させることができる。これによって排気口10の領域外のバッフル12の退避位置(図2中に点線で図示したバッフル12の位置)からバッフル12を排気口10の方向に近づけて、排気口10に対向させてバッフル12によって排気口10のほぼ全域を覆うような排気口10の領域内のバッフル12の進出位置(図2中に実線で図示したバッフル12の位置)までバッフル12を移動させることができる。なお、図3に図示されたバッフル12は、退避位置から進出位置まで移動途中の状態を示している。
図2および図3によれば、互いに隣接する短冊状の第一、第二のAlスパッタターゲット23a、23bは基板に被膜材料を供給する成膜粒子源であり、排気口10に対してバッフル12の退避位置と反対側の壁部側面16に、ターゲット23a、23bの長手方向が壁部側面16の上下方向に延びるようにして配置されている。
次に、図2を参照して第二のサブ真空チャンバ部2bの構成を説明する。
第二のサブ真空チャンバ部2bの内部には円盤状の基板ホルダ31が設置されている。そしてこの基板ホルダ31の外周部に複数の基板30が配置される。
この状態で第一のサブ真空チャンバ部2aと第二のサブ真空チャンバ部2bを互いに接合させることで、第一の半割筒状内部空間3aと第二の半割筒状内部空間3bからなる密閉された筒状の内部空間3が形成され、成膜プロセス中、基板30にスパッタ成膜粒子を堆積させてこの表面を所望膜厚に被膜させることができる。なお、基板ホルダ31を回転させながら成膜することによって、ホルダ31の周囲に配置された複数の基板30の膜均一化が図られている。
ここで、図4のフローチャートを参照してスパッタ成膜装置の起動から成膜プロセス終了までの一連の処理動作例を説明する。図4のステップS401〜S407は、真空チャンバ2の内部空間3を排気する場合の処理動作例を示した工程であり、ステップS408〜S412は、真空チャンバ2の内部空間3においてスパッタ成膜プロセスを行う場合の処理動作例を示した工程である。
真空チャンバ2の内部空間3を密閉させた状態において、ロータリポンプ5を起動させる(ステップS401)。続いて、フォアラインバルブ11を開けて油拡散ポンプ8の内部をロータリポンプ5によって排気させ、その内部の真空度が所定圧(例えば30Pa程度)に到達した時点で油拡散ポンプ8を起動させる(ステップS402)。その後一旦、フォアラインバルブ11を閉めて、ラフバルブ6を開けてロータリポンプ5によって内部空間3を粗排気させる(ステップS403)。
ここで、真空計13によって内部空間3の真空度をモニタしており、油拡散ポンプの使用可能な真空度(例えば5Pa以下)まで内部空間3を減圧しているか否かを判定する(ステップS404)。排気不十分によって減圧不足であれば(ステップS404においてNo)、ロータリポンプ5によって内部空間3の排気を継続させ、十分に減圧できれば(ステップS404においてYes)、次のステップに進み、ラフバルブ6を閉めてロータリポンプ5によって内部空間3を排気することを止める(ステップS405)。
そして、フォアラインバルブ11を開いて油拡散ポンプ8の内部のロータリポンプ5による排気を再開させると共に、バッフル12を図2の退避位置まで移動させて排気口10の領域外にバッフル12を配置させる(ステップS406)。こうしてバッフル12に起因する油拡散ポンプ8の排気抵抗の増加を未然に防止できる。バッフル12を退避位置に移動させるとともに、メインバルブ9を開いて油拡散ポンプ8によって内部空間3を、成膜プロセスを実行し得る所定の真空度(例えば、6×10−3Pa)まで排気して(ステップS407)、一連の排気プロセスを終了する。
真空チャンバ2の内部空間3の真空度を成膜プロセスの実行可能な真空度に維持させた状態において、バッフル12を図2の進出位置まで移動させてバッフル12を排気口10の領域内に対向して配置させる(ステップS408)。これによって成膜プロセスによって生成する成膜粒子をバッフル12の遮蔽板15に衝突させて成膜粒子が排気口10からメインバルブ9に侵入することを防止できる。即ち、成膜プロセス中(スパッタ堆積中)、排気口10のほぼ全域をバッフル12で覆った状態でターゲット23a、23bからバッフル12を投影した場合、遮蔽板15によってバッフル12の隙間24が完全に隠れるように、遮蔽板15をターゲット23a、23bに対向して各々の遮蔽板15の配置角度を設定されている。こうすることでターゲット23a、23bから排気口10に向けて放出されたスパッタ成膜粒子を遮蔽板15に衝突させることができ、スパッタ成膜粒子の更なる進行を阻止して、スパッタ成膜粒子がメインバルブ9の内部に侵入しこの内部に付着することを防止できる。
その後、成膜プロセスが開始される(ステップS409)。具体的には、ターゲット23a、23bにMF電源32が接続され、このMF電源32から周波数40kHzのDCパルスがターゲット23a、23bに印加される。また、ターゲット23a、23bの後方に配置された一対のN極およびS極の磁石(図示せず)によってターゲット基板23a、23bに平行な磁界成分が生成される。更に、放電ガスとしてのArガスが、壁部14の上面(図示せず)であって第一、第二のAlスパッタターゲット23a、23bの中間に設けられたガス導入ポート26(図2参照)からターゲット23a、23bの近傍に導かれている。こうして、ターゲット23a、23bから放出される二次電子は、ターゲット23a、23bの表面近傍にトラップされたうえで、電界および磁界に対して垂直方向に力を受けてサイクロトロン運動をすることでArガスと衝突を繰り返してArガスの電離を促進する。この結果、ターゲット23a、23bの近傍にマグネトロン放電(グロー放電)に基づく高密度プラズマが生成される。電子電離作用によって生成されたArイオンは、電圧印加のターゲット23a、23bに向けて加速して衝突して、この衝突エネルギーによってスパッタ成膜粒子(Al粒子)をターゲット23a、23bから基板30に向けて弾き飛ばして、スパッタ成膜粒子を基板30に堆積させて所望膜厚の被膜を得ることができる。なおこの際、スパッタ成膜粒子の一部は、排気口10に向けて放出されることになるため、上記のようなバッフル12でこのスパッタ成膜粒子のメインバルブ9への付着を防止している。
続いて、この成膜プロセスが真空チャンバ2の内部で継続中か否かを確認して(ステップS410)、成膜プロセスの継続中であれば(ステップS410においてYes)、バッフル12を移動させずに排気口10に対向させた状態を維持しておく。一方、成膜プロセスの継続が終了した時点で(ステップS410においてNo)、次のステップに進む。
スパッタ成膜プロセスが終了すれば、次回の反応に備えて(例えば反応ガスを入れ替え等の処置に備えて)、内部空間3を速やかに排気させるため、バッフル12を退避位置に移動させて(ステップS411)、油拡散ポンプ8の排気速度を高める。そして、最終的にすべての反応が終了した時点で、メインバルブ9を閉めて(ステップS412)、一連の成膜プロセスを終了させる。
以上のようなバッフル12の構成によれば、次のような効果を奏する。
排気プロセス中において排気速度を高めたい場合、バッフル12を排気口10の退去位置に移動させることでバッフル12に起因する排気抵抗の増加を防ぐことができる一方、成膜プロセスによって生成された成膜粒子のメインバルブ9への侵入を防ぎたい場合、バッフル12を排気口10の進出位置に移動させることで、成膜プロセスによって生成される成膜粒子を、バッフル12に衝突させることができて成膜粒子のメインバルブ9への付着を防止できる。
また、額縁状枠体18に遮蔽板15を固定した状態でバッフル12を移動させることができ、特開2001−239143号公報に記載のように個々の遮蔽板を揺動させる場合と比較して、真空チャンバ2の可動点を、例えば回転フランジ22の軸に限定できるため、可動点における部材間の摩擦によって発生する摩擦磨耗粉の発生量を抑えることができる。
(実施の形態2)
以下、図面を参照して実施の形態2を説明する。
実施の形態1において、スパッタ成膜室を例にバッフルの防着内容を説明したが、ここでは、蒸発の一種であるイオンプレーティング成膜室を例にバッフルの防着内容を説明する。
なお、実施の形態1に対応する構成要素には便宜上同一の符号番号を付しておく。また、実施の形態1と同様の構成および動作については、その説明を省略する。
図5は、イオンプレーティング成膜室の内部構成を示すものであり、イオンプレーティング成膜室を側方から見た内部模式図である。
真空チャンバ2の内部空間3の上方には、基板30と基板30を装着する基板ホルダ31が配置されている。基板ホルダ31の材質は導電性であって、基板ホルダ31の略中心部に導電性の回転軸40の一端が固定されて、真空チャンバ2の上面に取り付けられた軸受け41によって、基板ホルダ31は回転軸40を介して回転可能に取り付けられる。なお、回転軸40および基板ホルダ31は共に、接地された真空チャンバと絶縁されている。また、基板ホルダ31は回転軸40を介して高周波電源43(コンデンサCoを介して)から高周波電力を供給されている。また、基板ホルダ31は直流電源45(コイルLoを介して)によって真空チャンバ2に対して負電位にバイアスされている。
一方、真空チャンバ2の内部空間3の下方には、基板30と対向するように、基板30に被膜材料を供給する成膜粒子源としての蒸発源42が配置され、この蒸発源42に蒸発電源44が接続されている。
また、真空チャンバ2の壁部側面16に排気口10が設けられており、この排気口10はメインバルブ9を介して真空ポンプPに接続されている。なお、真空排気系の構成例としては、実施の形態1のような油拡散ポンプとロータリポンプとを組み合わせてものを使っても良い。そして、内部空間3の排気口10の近傍には実施の形態1と同様のバッフル12が駆動装置21に接続されて配置されており、このバッフル12は後ほど述べるように動作させられる。
このような真空チャンバ2において、メインバルブ9を開けて排気口10を介して真空ポンプPによって真空チャンバ2の内部空間3を所定の雰囲気に保つ。次いで、高周波電源43を動作させて真空チャンバ2の内部空間3にプラズマ領域Sを形成する。その後、直流電源45を動作させて真空チャンバ2の内部に直流電界を形成する。
そして蒸発電源44によって蒸発源42から蒸発した蒸発材料をプラズマ領域Sで励起して、基板ホルダ31の近傍の急峻な電界および直流電界によって励起された粒子を加速させて基板30の表面に衝突させて基板30に所望膜厚の皮膜を形成させる。
ここで、以上のようなイオンプレーティング成膜プロセス中には、蒸発源42から放出された成膜粒子が排気口10の方向に向けて放出される可能性がある。よって実施の形態1と同様、排気口10に対向してこの排気口10をバッフル12によって覆うような位置(進出位置)に、駆動軸27を介して駆動装置21によってバッフル12を移動させて、成膜粒子がメインバルブ9の内部に侵入することを阻止する。また、真空チャンバ2の内部空間3を排気する排気プロセス中には、排気速度を高めるため、排気口10の領域外(退避位置)にバッフル12を移動させて、バッフル12に起因する排気抵抗の増加を防止する。
なお、額縁状枠体および遮蔽板並びにこれらを移動させる機構等のバッフル12の具体的な構成は、実施の形態1のものと同様であり、これに関する説明は省略する。
こうして、排気プロセス中において排気速度を高めたい場合、バッフル12を排気口10の領域外の退避位置に移動させることでバッフル12に起因する排気抵抗の増加を防ぐことができる一方、成膜プロセスによって生成された成膜粒子のメインバルブ9への侵入を防ぎたい場合、バッフル12を排気口10の領域内の進出位置に移動させることで、成膜プロセスによって生成される成膜粒子を、バッフル12に衝突させて成膜粒子のメインバルブ9への付着を防止することができる。
また、額縁状枠体18に遮蔽板15を固定した状態でバッフル12を移動させることができ、例えば特開2001−239143号公報に記載のように個々の遮蔽板を揺動させる場合と比較して、真空チャンバ2の可動点を、例えば回転フランジの軸に限定できるため、可動点における部材間の摩擦によって発生する摩擦磨耗粉の発生量を抑えることができる。
なおここまで、バッフル12を壁部側面に沿って回転させて排気口を覆う動作を説明したが、バッフル12を移動させる例としては、これに限らず例えば、適宜のガイド部材でバッフル12を支持して排気口に沿って平行にスライド移動させても良く、バッフル12を排気口10に対して扉状に開閉させても良い。
また、排気口を壁部側面に配置する例を説明したが、この排気口は成膜室の内部の上面もしくは下面に配置しても構わない。
またここまで、隙間24を有して額縁状枠体(遮蔽板支持部材)18に支持される複数の遮蔽板15からなるバッフル12を例に説明したが、額縁状枠体18の全面を覆うように、開口を有しない遮蔽板(平板又は湾曲板)を貼り付けることによって、簡易的にバッフルを形成することができる。この場合、バッフルを、排気口10を覆うように進出させたとしても、遮蔽板と真空チャンバ2の壁部14との間に所定の間隔を確保させるよう、壁部14から遮蔽板を離して配置すれば、成膜プロセス中において、この間隔部分を介して真空チャンバ2の排気が可能である。
本発明によれば、成膜粒子による排気室(バルブ)の防着および真空排気系の排気抵抗の改善の両立が図れて、自動車ヘッドランプ等の各種製品の成膜処理に使用される真空成膜装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係るスパッタ成膜室およびその真空排気系の概要を示した図である。 本発明の実施の形態1に係るスパッタ成膜室の内部空間の構成を説明する図面であり、スパッタ成膜室の内部を上方から見た上方模式図である。 本発明の実施の形態1に係るスパッタ成膜室の内部空間の構成を説明する図面であり、スパッタ成膜室の内部を側方から見た側方模式図である。 成膜装置の起動から成膜プロセス終了までの一連の処理動作例を説明するフローチャート図である。 本発明の実施の形態2に係るイオンプレーティング成膜室の内部空間の構成を説明する図面であり、イオンプレーティング成膜室の内部を側方から見た側方模式図である。
符号の説明
1 真空成膜装置
2 真空チャンバ
3 内部空間
4 真空排気系
5 ロータリポンプ
6 ラフバルブ
7 第一の排気口
8 油拡散ポンプ
9 メインバルブ
10 第二の排気口
11 フォアラインバルブ
12 バッフル
13 真空計
14 壁部
15 遮蔽板
16 壁部側面
18 額縁状枠体(遮蔽板支持部材)
19 ブラケット
20 支持棒
21 駆動装置
22 回転フランジ
23a 第一のAlスパッタターゲット
23b 第二のAlスパッタターゲット
24 遮蔽板間の隙間
25 壁部下面
26 ガス導入ポート
27 駆動軸
30 基板
31 基板ホルダ
32 MF電源
40 回転軸
41 軸受け
42 蒸発源
43 高周波電源
44 蒸発電源
45 直流電源

Claims (7)

  1. 壁部に排気口を有する成膜室と、前記排気口を介して前記成膜室の内部を排気する排気手段と、所定の開口率を有して前記排気口を覆うことが可能なように前記成膜室の内部に配置されたバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動手段とを備え、
    前記バッフルは枠体と前記枠体に隙間を有して配置された複数の遮蔽板とを有し、前記駆動手段は、前記バッフルを、前記排気口を覆うように進出させかつ前記排気口を覆わないように退避させる成膜装置。
  2. 壁部に排気口を有する成膜室と、前記排気口を介して前記成膜室の内部を排気する排気手段と、所定の開口率を有して前記排気口を覆うことが可能なように前記成膜室の内部に配置されたバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動手段とを備え、
    前記バッフルは、前記開口率相当分の間隔を保つように前記壁部から離して配置される遮蔽板を有し、前記駆動手段は、前記バッフルを、前記排気口を覆うように進出させかつ前記排気口を覆わないように退避させる成膜装置。
  3. 壁部に排気口を有する成膜室と、前記排気口を介して前記成膜室の内部を排気する排気手段と、前記内部空間に配置され、複数の遮蔽板および前記遮蔽板を支持する支持部材からなって所定の開口率を有するバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動装置とを備えた成膜装置であって、前記遮蔽板を前記支持部材に固定させた状態で前記バッフルを前記駆動装置によって前記排気口の領域内外を移動させる成膜装置。
  4. 前記バッフルは隙間を隔てて配置された複数の遮蔽板を備えており、前記隙間および前記遮蔽板からなるバッフルによって、前記排気口のほぼ全域を覆うことができる請求項1乃至3の何れかに記載の成膜装置。
  5. 前記成膜室の内部には基板と前記基板に被膜材料を供給する成膜粒子源とを配置されている請求項1乃至4の何れかに記載の成膜装置。
  6. 前記成膜粒子源がスパッタリング用のターゲットまたは蒸発用の蒸発源である請求項5記載の成膜装置。
  7. 前記遮蔽板は短冊状板であり、前記短冊状板は前記隙間を隔ててその長手方向端を前記支持部材に固定して並べられ、前記排気口を前記バッフルによって覆った状態で、前記ターゲットまたは前記蒸発源から前記バッフルを投影した場合、前記短冊状板によって前記隙間が隠されて、前記ターゲットまたは蒸発源から前記排気口に向けて放出された成膜粒子が前記短冊状板に衝突する請求項6記載の成膜装置。
JP2003419216A 2003-12-17 2003-12-17 成膜装置 Expired - Lifetime JP4393856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003419216A JP4393856B2 (ja) 2003-12-17 2003-12-17 成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003419216A JP4393856B2 (ja) 2003-12-17 2003-12-17 成膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005179708A true JP2005179708A (ja) 2005-07-07
JP4393856B2 JP4393856B2 (ja) 2010-01-06

Family

ID=34781173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003419216A Expired - Lifetime JP4393856B2 (ja) 2003-12-17 2003-12-17 成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4393856B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4393856B2 (ja) 2010-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5922761B2 (ja) スパッタ装置
US20040196127A1 (en) Variable field magnet apparatus
JP5513529B2 (ja) 成膜方法、成膜装置、および該成膜装置の制御装置
US5772858A (en) Method and apparatus for cleaning a target in a sputtering source
EP1746181A2 (en) Improved magnetron sputtering system for large-area substrates
JP2006083408A (ja) 真空成膜装置
EP2548992B1 (en) Vacuum deposition apparatus
KR20040043046A (ko) 마그네트론 스퍼터링 장치 및 스퍼터링 방법
KR20180058865A (ko) 성막 장치
US6132565A (en) Magnetron assembly equipped with traversing magnets and method of using
JPS6330986B2 (ja)
KR20210089740A (ko) Pvd 스퍼터링 증착 챔버의 경사형 마그네트론
US5753089A (en) Sputter coating station
WO1990013137A1 (en) Sputtering apparatus
JP4393856B2 (ja) 成膜装置
US5750012A (en) Multiple species sputtering for improved bottom coverage and improved sputter rate
JP4902051B2 (ja) バイアススパッタリング装置
JP2003342724A (ja) 反応性成膜装置及び反応性成膜方法
KR101421642B1 (ko) 기판 처리 장치
JP2008038192A (ja) スパッタ源、スパッタ成膜装置およびスパッタ成膜方法
EP2811508B1 (en) Gas configuration for magnetron deposition systems
JP2003105538A (ja) プラズマ成膜装置
JPH02290966A (ja) スパッタリング装置およびその制御方法
KR102552536B1 (ko) 각도조절형 스퍼터건을 구비한 스퍼터장치
JP2005146369A (ja) スパッタリング装置および方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4393856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250