JP2005176442A - リニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】並列き電方式でLSM式車両に電力供給する場合に、電力変換変電所のコンバータ部や受電設備等が故障した場合でも、列車の運行を可能とするリニアモータ車両の給電制御装置の提供。
【解決手段】三重き電線1−1,1−2,1−3それぞれが電力変換変電所5の境界毎に境界区分開閉器7を介して接続され、一の電力変換変電所5(m+1)が故障したとき当該故障電力変換変電所5(m+1)と健全電力変換変電所5(m)との間における1系統のき電線1−3の境界区分開閉器7をオンし他の系統のき電線1−1,1−2,の境界区分開閉器7をオフして、故障電力変換変電所5(m+1)と健全電力変換変電所5(m)との間を並列に接続し、健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)へ電力を供給する。
【選択図】 図3
【解決手段】三重き電線1−1,1−2,1−3それぞれが電力変換変電所5の境界毎に境界区分開閉器7を介して接続され、一の電力変換変電所5(m+1)が故障したとき当該故障電力変換変電所5(m+1)と健全電力変換変電所5(m)との間における1系統のき電線1−3の境界区分開閉器7をオンし他の系統のき電線1−1,1−2,の境界区分開閉器7をオフして、故障電力変換変電所5(m+1)と健全電力変換変電所5(m)との間を並列に接続し、健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)へ電力を供給する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば地上一次リニアシンクロナスモータ(LSM)方式を採用したリニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラムに関する。
従来、この種のLSM方式を採用したリニアモータ車両(LSM式車両)は、沿線に設置された電力変換変電所から、き電線を介して地上側に設けた推進コイルに電力が供給され、車両側の超電導磁石等の電磁石と前記推進コイルとの間に電磁力を発生させ、駆動推進力を得ている。
ここに、前記電力変換変電所は、商用電力を受電する受電部、受電した交流を直流に変換するコンバータ部、変換した直流を可変電圧・可変周波数の交流電力に変換するインバータ部等からなり、中央制御装置等による監視制御の下でインバータ部の出力の電圧又は電流の周波数を調整することで、速度等の駆動制御を行っている。
また、推進コイルへ電力を供給するき電システムとしては、非特許文献1に示すような方式や、走行の信頼性を高めるため並列き電方式が知られている。
かかる並列き電方式として、電気的に3系統に区分し、これに通電するインバータ部及びき電線も3組を設けて3系統のドライブ回路構成を採る三重き電方式がある。
図8は、この種のLSM式車両における並列き電方式の一つとして三重き電システムの構成例を示している。
図8において、沿線に3系統のき電線1−1,1−2,1−3及び二組の電機子コイル(推進コイル)2−1,2−2が配置され、また列車3には界磁が搭載されてLSM式車両が構成される。二組の推進コイル2−1,2−2は適宜な長さに電気的に区分され、き電区分開閉器4(SWAn…)を介して、順次、3系統のき電線1−1,1−2,1−3に接続される。
一方、図示しない中央制御装置等の上位システムによる監視制御の下にある電力変換変電所5は、図示しない受電部、コンバータ部5A、3系統のインバータ部5B(INV−A,INV−B,INV−C)からなり、この3系統のインバータ部5B(INV−A,INV−B,INV−C)は3系統のき電線1−1,1−2,1−3にそれぞれ接続され、推力に対応した振幅と列車の速度・位置に対応した周波数・位相とを持つ可変振幅・可変周波数の交流電流を、二組の推進コイル2−1,2−2に通電する。
列車3の移動に伴って、常に、列車3に対向する推進コイル区分区間に通電するように、き電区分開閉器4と電力変換変電所5のインバータ部5Bを制御する。
図8に示すように、列車3の先頭部がP1点にある場合には、き電区分開閉器SWAn、SWBn、SWCnをオンして、3系のインバータ部5Bから推進コイル2−1,2−2の区分区間An、Bn、Cnに通電する。
各推進コイル2−1,2−2に誘起される速度起電力の大きさは、コイル区分区間長と列車長から決まり、図8に示すような台形波状になる。3系の和は、列車位置に依らず一定であるので、3系のインバータの電流振幅を等しくすれば、推力も一定となる。
列車3が推進コイル2−1の区分区間Anを抜けた時点P2で、インバータ部INV−Aを停止して、き電区分開閉器SWAnをオフし、区分区間An+1に進入する時点P3で、き電区分開閉器SWAn+1をオンしてインバータ部INV−Aを動作させれば、列車3の位置によらずインバータ電流に対応した駆動力で列車3を運転することができる。
「浮上式鉄道の新しいき電方式」第13回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム、重枝秀紀、加賀重夫、奥井明伸、北野淳一、横尾祐二
「浮上式鉄道の新しいき電方式」第13回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム、重枝秀紀、加賀重夫、奥井明伸、北野淳一、横尾祐二
このようなLSM式車両における三重き電システムは、電力変換変電所5におけるインバータ5Bや推進コイルコイル2−1,2−2等の沿線設備のうち1系が故障しても、残りの2系で列車3を運転できるという利点がある。
しかし、電力変換変電所5のコンバータ部5Aや受電設備の故障時又は受電停電時には駆動電力が得られないので、当該電力変換変電所5の設備を停止して、隣接する電力変換変電所から延長き電して列車運転を継続することになる。
この場合、LSM式車両においては、列車と電力変換変電所は一対一に対応する必要があることから、延長き電区間では、走行列車は1列車しか走行が許されないので、運転ダイヤに制約が生じてくる。
本発明の目的は、並列き電方式でLSM式車両に電力供給する場合に、電力変換変電所のコンバータ部や受電設備等が故障した場合でも、列車の運行を維持することを可能とするリニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、距離を存して設置された複数の電力変換変電所からき電線に電力を供給してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御装置において、
前記き電線を三重に構成してなる三重き電線それぞれを前記電力変換変電所の境界毎に区分するものであって、前記電力変換変電所が健全時にオフの境界区分開閉器と、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の前記境界区分開閉器にオン指令を出力すると共に前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力する制御手段と
を具備することを特徴とする。
前記き電線を三重に構成してなる三重き電線それぞれを前記電力変換変電所の境界毎に区分するものであって、前記電力変換変電所が健全時にオフの境界区分開閉器と、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の前記境界区分開閉器にオン指令を出力すると共に前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力する制御手段と
を具備することを特徴とする。
また上記目的を達成するために本発明は、距離を存して設置された複数の電力変換変電所からき電線に電力を供給してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御装置において、
前記き電線をn系統(nは3以上)に構成すると共に当該n系統き電線それぞれを前記電力変換変電所の境界毎に区分する境界毎区分開閉器を介して接続し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器をオンし他の系統の境界区分開閉器をオフして、前記故障電力変換変電所と前記健全電力変換変電所との間を、前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して並列に接続し、前記健全電力変換変電所から前記故障電力変換変電所へ電力を供給することを特徴とする。
前記き電線をn系統(nは3以上)に構成すると共に当該n系統き電線それぞれを前記電力変換変電所の境界毎に区分する境界毎区分開閉器を介して接続し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器をオンし他の系統の境界区分開閉器をオフして、前記故障電力変換変電所と前記健全電力変換変電所との間を、前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して並列に接続し、前記健全電力変換変電所から前記故障電力変換変電所へ電力を供給することを特徴とする。
上記において、前記電力変換変電所がコンバータ部及びインバータ部を含む場合にあって当該電力変換変電所の故障は、前記インバータ部を除く部分の故障であることを特徴とする。
上記において、前記健全電力変換変電所は、推力一定となるようにインバータ部の電流振幅を列車の位置に応じて調整することを特徴とする。
上記において、前記健全電力変換変電所は、最大電圧及び高力率のうち少なくも一方で運転され、該運転の下で前記故障電力変換変電所に電力の送受を行うことを特徴とする。
上記において、前記電力変換変電所は、少なくとも受電部、コンバータ部及びインバータ部を含むことを特徴とする。
上記において、前記電力変換変電所の故障は、前記受電部及び前記コンバータ部のうち少なくとも一方であることを特徴とする。
上記において、前記健全電力変換変電所は、最大電圧及び高力率のうち少なくも一方で運転され、該運転の下で前記故障電力変換変電所に電力の送受を行うことを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明は、n系統(nは3以上)のき電線に距離を存して複数の電力変換変電所が接続され、これら電力変換変電所間の前記n系統のき電線それぞれが境界区分開閉器を介して接続され、こ前記複数の電力変換変電所から前記n系統のき電線にき電してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御方法において、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器にオン指令を出力し、
前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力することを特徴とする。
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器にオン指令を出力し、
前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力することを特徴とする。
また上記目的を達成するために本発明は、n系統(nは3以上)のき電線に距離を存して複数の電力変換変電所が接続され、これら電力変換変電所間の前記n系統のき電線それぞれが境界区分開閉器を介して接続され、前記複数の電力変換変電所から前記n系統のき電線にき電してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器にオン指令を出力する手段と、
前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力する手段として機能させるためのリニアモータ車両の給電制御プログラム、である。
コンピュータを、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器にオン指令を出力する手段と、
前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力する手段として機能させるためのリニアモータ車両の給電制御プログラム、である。
本発明によれば、一の電力変換変電所が故障したときには、故障電力変換変電所に対して健全電力変換変電所から電力を供給することができるので、最大推力は低減するものの列車運転は可能であり、ダイヤ上の制約を低減することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第1実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
以下、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第1実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態は、距離を存して設置された複数の電力変換変電所5から並列き電線に電力を供給するリニアモータ車両に適用され、地上側にき電制御装置6を設け、このき電制御装置6により各電力変換変電所5の故障監視を行うと共に故障検出したときは故障対応運転を実施するための指令を境界区分開閉器7及び各電力変換変電所5及びに与えるものとなっている。ここに、境界区分開閉器7は、並列多重のき電線それぞれを電力変換変電所5の境界毎に区分するものであって、電力変換変電所5が健全時にオフの開閉器である。
き電制御装置6は、LSM式車両における中央制御装置等の上位システムの一部若しくは全部又はその機能の一部若しくは全部であり、ハードウェアとして構成される他、コンピュータで実行され前記ハードウェアと同等に機能するプログラムとして構成される。
き電制御装置6の動作又はプログラムは、図2に示すステップS1〜S7で記述される。
図2において、ステップS1で故障対応運転モードの設定の可否が行われ、電力変換変電所5が故障したときにでも継続して列車運転を行う故障対応運転モードを設定する場合は、次のステップS2〜S7に移行し、設定しない場合は、ここで終りとなる。
ステップS2で、き電制御装置6は、各電力変換変電所5を監視し、受電部及びコンバータ部のうち少なくとも一方が故障であるとき当該故障した電力変換変電所5を検出し、故障対応運転の準備を行う(ステップS3)。ここに言う、故障対応運転の準備とは、故障電力変換変電所5の運転停止、故障電力変換変電所5のインバータ部と受電部及びコンバータ部との切離し等の電気的措置や健全電力変換変電所5や上位システム等への通報等を含むものである。
次にステップS4として、き電制御装置6は、故障電力変換変電所5に隣合う一の健全電力変換変電所5に対応する並列き電線毎の境界区分開閉器7の一つをオンする〈他の系統の境界区分開閉器7はオフのままである。〉。
これにより、故障電力変換変電所5と健全電力変換変電所5とは、オンした境界区分開閉器7及びそのき電線を介して並列接続される。
次にステップS5で、健全電力変換変電所5に並列接続された故障電力変換変電所5に対し、健全電力変換変電所5から延長き電して、電力を供給する故障対応運転が実施される。
この場合、並列き電線のうち1系が停止するので推力は低減するものの低減した推力の範囲において列車運転が可能でとなる。そして、故障電力変換変電所5が復旧すると(ステップS6)、境界区分開閉器7及び電力変換変電所5はリセットされる(ステップS7)。
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第2実施形態を説明する。本実施形態は、3重き電システムが適用されたリニアモータ車両に適用される給電制御装置の動作を示している。
次に、図3を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第2実施形態を説明する。本実施形態は、3重き電システムが適用されたリニアモータ車両に適用される給電制御装置の動作を示している。
図3において、沿線に3系統のき電線1−1,1−2,1−3及び二組の電機子コイル(推進コイル)2−1,2−2が配置され、また列車3には界磁が搭載されてLSM式車両が構成される。二組の推進コイル2−1,2−2は適宜な長さに電気的に区分され、き電区分開閉器4(SWAn…)を介して、順次、3系統のき電線1−1,1−2,1−3に接続される。
本実施形態では、3系統のき電線1−1,1−2,1−3それぞれを電力変換変電所5の境界毎に区分し、電力変換変電所5が健全時にオフの境界区分開閉器7が設けられている。
沿線に沿って電力変換変電所5(m)、電力変換変電所5(m+1)等が配置され、これら電力変換変電所5(m)、電力変換変電所5(m+1)等は、図示しない中央制御装置等の上位システムによる監視制御の下にある。各電力変換変電所5は、図示しない受電部、コンバータ部5A、3系統のインバータ部5B(INV−A,INV−B,INV−C)からなり、この3系統のインバータ部5B(INV−A,INV−B,INV−C)は3系統のき電線1−1,1−2,1−3にそれぞれ接続され、推力に対応した振幅と列車の速度・位置に対応した周波数・位相とを持つ可変振幅・可変周波数の交流電流を、二組の推進コイル2−1,2−2に通電する。
通常時は、列車3の移動に伴って、常に、列車3に対向する推進コイル区分区間に通電するように、き電区分開閉器4と電力変換変電所5のインバータ部5Bを制御する。
ここで、電力変換変電所5(m+1)のコンバータ部5Aが故障したとする。このとき、上位システムは、電力変換変電所5(m+1)のコンバータ部5Aの故障を検知して、境界区分開閉器7の一つをオンし、他の系統の境界区分開閉器7はオフのままとする。
これにより、隣接する電力変換変電所5(m),5(m+1)間を区分する境界区分開閉器7(C系)によって、き電線(C系)1−3を介して隣接する電力変換変電所5(m),5(m+1)の同一の1系インバータ(INV−C)を並列接続して、隣接する健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)に駆動電力を供給する。
本実施形態においては、3系のき電線のうち1系が停止するので、推力は2/3に低減するが、この推力の範囲においては列車3の運転が可能となる。
上述した第1,第2実施形態では、電力変換変電所5(m+1)のコンバータ部5Aが故障したとき、境界区分開閉器7を動作させた後、故障電力変換変電所5(m+1)に隣接する健全電力変換変電所5(m),5(m+1)の同一の1系インバータ(INV−C)を並列接続して、隣接する健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)に駆動電力を供給する例を説明した。
次に説明する第3〜第5実施形態は、境界区分開閉器7の動作は第1,第2実施形態と同じであるが、電力変換変電所の構成によって、故障電力変換変電所が異なる制御形態をとる例を説明する。
(第3実施形態)
図4は、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第3実施形態を示しており、3重き電システムに電力を供給する電力変換変電所に係る第1の構成例を示している。
図4は、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第3実施形態を示しており、3重き電システムに電力を供給する電力変換変電所に係る第1の構成例を示している。
本例の電力変換変電所20は、第1,第2実施形態と同様の動作を行うものである。この電力変換変電所20は、電力会社に係る電力系統10に送電線10Aを介して接続されており、受電部21と、変換部22とからなる。
受電部21は、遮断部21Aと、主変圧器21Bと、フィルタ機能や無効電力補償機能を担う調整部21Cとを含む。
変換部22は、入力変圧器22Aと、コンバータ部22Bと、断路部22Cと、インバータ部(INV−A,INV−B,INV−C)22Dと、3系統のき電線1−1,1−2,1−3に介在される出力変圧器22Eとを含む。なお、コンバータ部22Bとインバータ部22Dとの間にチョッパ部を介在する構成例であってもよい。
かかる構成の電力変換変電所20において、本発明における故障とは、電力系統10、送電線10A、電力変換変電所20の受電部21、電力変換変電所20の変換部22における入力変圧器22A及びコンバータ部22Bのうち少なくも一つの故障を指し、図1におけるき電制御装置6等、センタ側にて検知できる不具合である。
センタ側として、例えば図1におけるき電制御装置6が、例えばコンバータ部22Bの故障を検知したとき、き電制御装置6は、遮断部21A及び断路部22Cを開くように指令を発する。そして、インバータ部(INV−A,INV−B,INV−C)22Dを電力変換変電所20の変換部22から離し、また境界区分開閉器7を動作させることにより、この故障電力変換変電所20に隣接する健全電力変換変電所の同一の1系インバータを並列接続して、隣接する健全電力変換変電所から故障電力変換変電所20に駆動電力を供給する。
(第4実施形態)
次に、図4と同一部分には同一符号を付した図5を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第4実施形態を説明する。本実施形態は、3重き電システムに電力を供給する電力変換変電所に係る第2の構成例を示している。
次に、図4と同一部分には同一符号を付した図5を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第4実施形態を説明する。本実施形態は、3重き電システムに電力を供給する電力変換変電所に係る第2の構成例を示している。
本例の電力変換変電所20′は、図4に示した電力変換変電所20と異なる変換部22′を有する。変換部22′は、入力変圧器22Aと、複数分割、図示では2分割されたコンバータ部22B′と、断路部22C′と、インバータ部(INV−A,INV−B,INV−C)22Dと、3系統のき電線1−1,1−2,1−3に介在される出力変圧器22Eとを含む。
図4の例では、図1におけるき電制御装置6が、コンバータ部22B′の故障を検知したとき、き電制御装置6は、遮断部21A及び断路部22C′を共に開くように指令を発していたが、図5の例では、コンバータ部22B′の故障が、例えば一側のCONV−Aだけであったときは、断路部22C′を開き、遮断部21Aを閉じたままとすることで、コンバータ部22B′における健全なCONV−Bにより、例えばき電以外の用途で使用する直流電力を得た上で、境界区分開閉器7を動作させ、故障電力変換変電所20′に隣接する健全電力変換変電所の同一の1系インバータを並列接続して、隣接する健全電力変換変電所から故障電力変換変電所20′に駆動電力を供給する。
(第5実施形態)
次に、図4,図5と同一部分には同一符号を付した図6を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第5実施形態を説明する。本実施形態は、3重き電システムに電力を供給する電力変換変電所に係る第3の構成例を示している。
次に、図4,図5と同一部分には同一符号を付した図6を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第5実施形態を説明する。本実施形態は、3重き電システムに電力を供給する電力変換変電所に係る第3の構成例を示している。
本例の電力変換変電所20′′は、図4,図5に示した電力変換変電所20,20′と異なる変換部22′′を有する。変換部22′′は、入力変圧器22Aと、インバータ部(INV−A,INV−B,INV−C)22Dに対応して3つのコンバータ(CONV−A,CONV−B,CONV−C)を有するコンバータ部22B′′と、インバータ部(INV−A,INV−B,INV−C)22Dに対応して3つの断路器を有する断路部22C′′と、インバータ部(INV−A,INV−B,INV−C)22Dと、3系統のき電線1−1,1−2,1−3に介在される出力変圧器22Eとを含む。
図6の例では、電力系統10が故障したとき、図4,図5と同様に、境界区分開閉器7を動作させ、故障した電力系統10の電力変換変電所20′′に隣接する健全な電力系統に接続される電力変換変電所の同一の1系インバータを並列接続して、隣接する健全な電力系統に接続される電力変換変電所から、故障した電力系統10の電力変換変電所20′′に駆動電力を供給する、制御形態もとることができる。
(第6実施形態)
次に、図1〜図3と同一部分には同一符号を付した図7を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第6実施形態を説明する。本実施形態は、図3と同様に3重き電システムが適用されたリニアモータ車両に適用される給電制御装置であり、電力変換変電所5(m+1)が故障したとき、健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)に駆動電力を供給するに際し、推力一定を実現する健全電力変換変電所5(m)の動作を示している。
次に、図1〜図3と同一部分には同一符号を付した図7を参照して、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第6実施形態を説明する。本実施形態は、図3と同様に3重き電システムが適用されたリニアモータ車両に適用される給電制御装置であり、電力変換変電所5(m+1)が故障したとき、健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)に駆動電力を供給するに際し、推力一定を実現する健全電力変換変電所5(m)の動作を示している。
すなわち、図7に示すように、健全電力変換変電所5(m)のインバータ部5B(INV−A及びINV−B)の電流振幅を列車3の位置に応じて調整することにより、推力は健全時の1/2以下にはなるが、推力を一定にすることができ、前後動をなくすことができる。
(第7実施形態)
次に、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第4実施形態を説明する。本実施形態は、図3,図7と同様に3重き電システムが適用されたリニアモータ車両に適用される給電制御装置であり、電力変換変電所5(m+1)が故障したとき、健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)に駆動電力を供給するに際し、健全電力変換変電所5(m)のインバータ部に最大周波数・最大電圧を発生させ、故障電力変換変電所(m+1)のインバータ部でこの交流電圧を高力率で直流電圧に変換して、両電力変換変電所間で電力の送受を行うようにするものであり、これにより電力損失を小さく、かつ送電電力を大きくすることができる。
次に、本発明に係るリニアモータ車両の給電制御装置の第4実施形態を説明する。本実施形態は、図3,図7と同様に3重き電システムが適用されたリニアモータ車両に適用される給電制御装置であり、電力変換変電所5(m+1)が故障したとき、健全電力変換変電所5(m)から故障電力変換変電所5(m+1)に駆動電力を供給するに際し、健全電力変換変電所5(m)のインバータ部に最大周波数・最大電圧を発生させ、故障電力変換変電所(m+1)のインバータ部でこの交流電圧を高力率で直流電圧に変換して、両電力変換変電所間で電力の送受を行うようにするものであり、これにより電力損失を小さく、かつ送電電力を大きくすることができる。
なお、上記各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
1−1,1−2,1−3…き電線、2−1,2−2…電機子コイル(推進コイル)、3…列車、4…き電区分開閉器、5…電力変換変電所、5A…受電設備、5B…コンバータ部、5C…インバータ部、6…き電制御装置、7…境界区分開閉器、10…電力系統、10A…送電線、20,20′,20′′…電力変換変電所、21…受電部、21A…遮断部、21B…主変圧器、21C…調整部、22,22′,22′′…変換部、22A…入力変圧器、22B,22B′,22B′′…コンバータ部、22C,22C′,22C′′…断路部、22D…インバータ部、22E…出力変圧器。
Claims (7)
- 距離を存して設置された複数の電力変換変電所からき電線に電力を供給してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御装置において、
前記き電線を三重に構成してなる三重き電線それぞれを前記電力変換変電所の境界毎に区分するものであって、前記電力変換変電所が健全時にオフの境界区分開閉器と、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の前記境界区分開閉器にオン指令を出力すると共に前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力する制御手段と
を具備することを特徴とするリニアモータ車両の給電制御装置。 - 距離を存して設置された複数の電力変換変電所からき電線に電力を供給してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御装置において、
前記き電線をn系統(nは3以上)に構成すると共に当該n系統き電線それぞれを前記電力変換変電所の境界毎に区分する境界毎区分開閉器を介して接続し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器をオンし他の系統の境界区分開閉器をオフして、前記故障電力変換変電所と前記健全電力変換変電所との間を、前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して並列に接続し、前記健全電力変換変電所から前記故障電力変換変電所へ電力を供給することを特徴とするリニアモータ車両の給電制御装置。 - 前記電力変換変電所がコンバータ部及びインバータ部を含む場合にあって当該電力変換変電所の故障は、前記インバータ部を除く部分の故障であることを特徴とする請求項1又は2記載のリニアモータ車両の給電制御装置。
- 前記健全電力変換変電所は、推力一定となるようにインバータ部の電流振幅を列車の位置に応じて調整することを特徴とする請求項3記載のリニアモータ車両の給電制御装置。
- 前記健全電力変換変電所は、最大電圧及び高力率のうち少なくも一方で運転され、該運転の下で前記故障電力変換変電所に電力の送受を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載のリニアモータ車両の給電制御装置。
- n系統(nは3以上)のき電線に距離を存して複数の電力変換変電所が接続され、これら電力変換変電所間の前記n系統のき電線それぞれが境界区分開閉器を介して接続され、前記複数の電力変換変電所から前記n系統のき電線にき電してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御方法において、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器にオン指令を出力し、
前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力することを特徴とするリニアモータ車両の給電制御方法。 - n系統(nは3以上)のき電線に距離を存して複数の電力変換変電所が接続され、これら電力変換変電所間の前記n系統のき電線それぞれが境界区分開閉器を介して接続され、前記複数の電力変換変電所から前記n系統のき電線にき電してリニアモータ車両を駆動するリニアモータ車両の給電制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記電力変換変電所を監視し、一の電力変換変電所が故障したとき当該故障電力変換変電所と健全電力変換変電所との間における少なくとも1系統の境界区分開閉器にオン指令を出力する手段と、
前記オンした境界区分開閉器及びそのき電線を介して前記健全電力変換変電所に並列に接続した前記故障電力変換変電所に対して前記健全電力変換変電所から電力を供給するように前記健全電力変換変電所及び前記故障電力変換変電所に指令を出力する手段として機能させるためのリニアモータ車両の給電制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003410230A JP2005176442A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | リニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003410230A JP2005176442A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | リニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005176442A true JP2005176442A (ja) | 2005-06-30 |
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ID=34731368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003410230A Pending JP2005176442A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | リニアモータ車両の給電制御装置、方法及びプログラム |
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JP (1) | JP2005176442A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100749854B1 (ko) | 2005-03-30 | 2007-08-21 | 가부시끼가이샤 도시바 | 전기차 제어 장치 |
KR101448301B1 (ko) | 2012-11-22 | 2014-10-13 | 한국철도기술연구원 | 초고속열차용 lsm 섹션전환 시험 장치 |
KR101486571B1 (ko) | 2013-08-22 | 2015-01-27 | 한국철도기술연구원 | 철도 시스템의 피크전력 제어 방법 |
-
2003
- 2003-12-09 JP JP2003410230A patent/JP2005176442A/ja active Pending
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