JP2005176141A - 監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 監視員の労力の負担を軽減し、所望の画像領域のみに焦点を当てつつ、広大な撮影範囲から迅速かつ精確に状況の変化を検出する。
【解決手段】 撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する際に、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較し、これら比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報をディスプレイ6上に表示させる。このとき、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定する。
【選択図】図2
【解決手段】 撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する際に、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較し、これら比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報をディスプレイ6上に表示させる。このとき、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮影方向を順次変化させて撮像することにより得られたパノラマ画像を介して広範囲の状況を監視する監視装置及び方法、プログラム並びに記録媒体に関する。
従来より広く用いられている電子スチルカメラは、被写体を撮像することでレンズを通過した光を、CCD等の固体撮像素子により画像信号に変換し、これを記録媒体に記録し、また記録した画像信号を再生することができる。また電子スチルカメラの多くは、撮像した静止画像を表示することができるモニタを備え、これまでに記録した静止画像のうち特定のものを選択して表示することができる。この電子スチルカメラにおいて、モニタに供給される画像信号は、一画面毎の被写体に対応するものである。このため、同時に表示される画像は狭い範囲のものとなり、広範囲の状況を同時に監視することができなかった。
このため、カメラの撮影方向を順にシフトさせながら被写体を撮像することにより、複数の単位画像から構成されるパノラマ状の全体画像を得ることにより、広範囲の状況を監視することができる監視カメラが普及している。特に、近年において、複数の映像信号を縮小/合成し、1フレームの映像信号とする技術も提案され(例えば、特許文献1参照。)、また設置された複数の監視用ビデオカメラから監視映像を集めてビデオテープ等の記録媒体に記録することにより、監視の実現を可能とする集中監視記録システムも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
従来の監視カメラにより、例えば図16に示すような撮影範囲内を所定の撮影画角で撮像する場合には、撮影方向を水平方向又は垂直方向へ順にシフトさせて撮像する必要がある。仮に撮影範囲のサイズを、上記所定の撮影画角により撮像することにより得られるフレーム(以下、単位画像という。)のサイズのs×t倍で表せるときには、少なくともs×t通りの撮影方向を設定する必要がある。
実際には、監視カメラの撮影方向を、先ず左上に位置する座標(1,1)に合わせて撮像を実行する。次に、この監視カメラの撮影方向を座標(2,1)、(3,1)、(4,1)・・(s,1)と水平方向へ順次変更させて撮像を実行する。1列目の撮像を終了させた後、撮影方向を2列目の座標(1,2)に調整して撮像を実行し、その後、水平方向へ順次シフトさせながら撮像を実行する。かかる動作を繰り返して座標(s,t)まで撮像を実行した後、このs×t個の単位画像を貼り合わせることにより撮影範囲全体を表した全体画像を合成することができる。
しかしながら、上述の如くビデオテープ等の記録媒体に記録した監視映像を利用して、撮影範囲における何らかの変化を検出する場合に、監視員は、1スキャン毎に刻々と入力される監視画像の状況を隅々まで観察しなければならなかった。特に監視員は、細かい画像の変化や、微小な対象物の出現等につき常に識別しなければならず、過大な労力や時間を必要とし、さらには、かかる監視員の眼に依存するシステムであるが故に、かかる状況変化の見落としが生じる危険性もあった。
また、撮影範囲における変化が検出された場合において、過去に記録されている画像データまで遡ってこれを参照し、詳細な状況や原因を解析しなければならず、監視員の労力の負担が更に増大するという問題点もあった。
また、異なる時間間隔で撮像されたパノラマ状の全体画像間で輝度レベルの差異が検出された画像領域につきユーザに注意を喚起するシステムでは、特に図16に示すように教会の入り口から続く道等のように人通りの多い場所については、随時動き検出される結果、ユーザに対する注意喚起の頻度が高くなる。仮にユーザが、このような動きの多い場所以外の監視を望む場合に余計な注意喚起を幾度となく受けるのは煩わしさに絶えず、またかかる余計な注意喚起は、所望の場所につき何らかの変化が検出された結果なされた注意喚起と混同される場合もあり、ひいては高精度な監視を実現することができないという問題点がある。
更に、これら動きの多い領域を監視員が自ら判別して、これら動き検出を回避するためのマスクを設定する労力を軽減させる必要もあった。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、かかる監視員の労力の負担を軽減し、所望の画像領域のみに焦点を当てつつ、広大な撮影範囲から迅速かつ精確に状況の変化を検出することができる監視装置及び方法、プログラム並び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する際に、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較し、これら比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる。このとき、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を単位画像毎に設定する。
即ち、本発明を適用した監視装置は、撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する監視装置において、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較手段と、比較手段による比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示制御手段とを備え、比較手段は、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定する。
また、本発明を適用した監視方法は、撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する方法において、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較ステップと、比較ステップにおける比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示ステップとを有し、比較ステップでは、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を単位画像毎に設定する。
また、本発明を適用したプログラムは、撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較ステップと、比較ステップにおける比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示ステップとを有し、比較ステップでは、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定する。
また、本発明を適用した記録媒体は、撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体において、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較ステップと、比較ステップにおける比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示ステップとを有し、比較ステップでは、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定するプログラムが記録されている。
本発明は、撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する際に、生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較し、これら比較結果に基づき、生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる。このとき、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定する。
これにより、所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を指定する労力を軽減させることができ、また余計な注意喚起が幾度となく促されることはなくなることから、動き検出を望む領域に焦点を当てた効率的かつ高精度な監視を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明を適用した監視システム1は、例えば図1に示すように、被写体を撮像して画像信号を生成するカメラユニット2と、上記画像信号が伝送される監視装置5と、監視装置5に接続されるディスプレイ6と、複数のユーザがアプリケーションを実行するための端末装置9と、端末装置9に接続される端末ディスプレイ10と、カメラユニット2並びに監視装置5,端末装置9間で双方向通信を実現するためのネットワーク8とを備えている。
この監視システム1におけるカメラユニット2は、図2に示すように、パンチルタ部3と、カメラ部4とが一体的に構成されてなる。パンチルタ部3は、例えばパン、チルトの2軸につき撮影方向を自在に変更するための回転台として構成される。
カメラ部4は、パンチルタ部3を構成する回転台上に配設され、監視装置5による制御に応じて、撮影方向を水平方向或いは垂直方向に調整しつつ、被写体を撮像する。またこのカメラ部4は、監視装置5による制御に応じて、撮影画角を順次変更することにより、撮影倍率を拡大又は縮小して被写体を撮像する。このカメラ部4を一の監視装置5に対して複数設置することにより、同一の被写体につき、互いに異なる撮影角度で撮像することができ、多面的な画像情報を得ることも可能となる。
監視装置5は、図2に示すように、カメラユニット2より伝送された画像信号に所定の処理を施す画像入出力部13と、この画像入出力部13に接続され、上記画像信号に基づく動画像を生成する演算処理部15と、演算処理部15に接続され上記画像信号を記録するサーバ53と、ユーザが監視装置5を制御するための操作部16とを備えている。
この監視装置5は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器により構成され、カメラユニット2から伝送される画像信号を記録し、また記録した画像信号につきディスプレイ6を介してユーザに表示する。またこの監視装置5は、ユーザから所望の画像領域又は画像位置が指定された場合には、記録した画像信号の中から最適なものを選択してこれを表示するように制御する。この監視装置5は、このネットワーク8全体を制御するためのいわゆる中央制御装置としての役割も担い、他の端末装置9からの要求に応じて画像を送信する。なお監視装置5の構成の詳細については、後述する。
ネットワーク8は、例えば監視装置5と電話回線を介して接続されるインターネット網を始め、TA/モデムと接続されるISDN(Integrated Services Digital Network)/B(broadband)−ISDN等のように、情報の双方向送受信を可能とした公衆通信網である。ちなみにこの監視システム1を、一定の狭いエリア内で運用する場合には、このネットワーク8を、LAN(Local Area Network)で構成してもよい。さらにこのネットワーク8は、静止画像に加えてMPEG画像をも送信できるようにしてもよい。かかる場合には、インターネットプロトコル(IP)に基づき、MPEGデータがある一つのチャネルから継続的に送信され、静止画像データは別のチャネルから一定時間毎に送信されることになる。
端末装置9は、各家庭や企業等に待機するユーザがネットワーク8を介して監視装置5から画像を取得し、所望の処理を実行するためのPCである。複数の端末装置9をネットワーク8に接続することにより、複数のユーザに対してこの監視システム1のアプリケーションを同時に提供することが可能となる。この端末装置9は、監視装置5から取得した画像を、端末ディスプレイ10に対して表示する。またこの端末装置9は、ユーザによる指定操作に応じて要求信号を生成し、これを監視装置5に対して送信する。なお端末装置9のブロック構成については、後述する監視装置5の構成を引用し、説明を省略する。
次に、本発明を適用した監視システム1におけるカメラユニット2,監視装置5について詳細に説明する。
図3は、カメラユニット2,監視装置5の詳細な構成を示している。この図3では、共通のコントローラバス21に対して、カメラユニット2並びに監視装置5の各構成要素が接続されている。
カメラユニット2を構成するパンチルタ部3は、撮像方向を変更するための回転台を制御するTilt部3a、Pan部3bとを有する。また、カメラユニット2を構成するカメラ部4は、主としてレンズ部22の画角を変更するためのレンズ制御部23と、レンズ部22の光軸に直交する位置に配設される撮像部24と、撮像部24により生成された画像信号を画像入出力部13へ送信するためのIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394インターフェース25と、カメラユニット2の現在位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信部28と、GPS受信部28に装着されるメタデータ生成部29とを備えている。ちなみに、IEEE1394インターフェース25は、イーサネット(登録商標)に代替してもよい。
また画像入出力部13は、IEEE1394インターフェース25に接続されるバッファメモリ51と、バッファメモリ51に接続されるエンコーダ52とを備えている。
また演算処理部15は、サーバ53から読み出された画像を圧縮するための画像圧縮部54と、サーバ53及び画像圧縮部54に接続され、ディスプレイ6上に表示する画像を作り出すグラフィックコントローラ55と、コントローラバス21を介して各部を制御するためのCPU56と、I/Oポート58にそれぞれ接続されるメモリカード61並びに時計62とを備えている。
また操作部16は、ディスプレイ6上に表示されている画像からユーザが所望の画像領域、画像位置を指定するためのキーボード59並びにマウス60を備えている。
Tilt部3a並びにPan部3bは、CPU56からの駆動信号に基づき、回転台の駆動源として構成されているステッピングモータを回転させる。これにより回転台上に載置されてなるカメラ部4の撮影方向を水平方向、或いは垂直方向に変更することができる。
レンズ制御部23は、CPU56からの駆動信号に基づき、レンズ部22に対して自動絞り制御動作や自動焦点制御動作を実行する。またこのレンズ制御部23は、かかる駆動信号に基づき、被写体に対する撮影画角を変更する。これにより、カメラ部4は、撮影倍率を順次調整して被写体を撮像することも可能となる。
撮像部24は、例えばCCD(Charge Coupled Device )等の固体撮像素子により構成され、レンズ部22を介して入射される被写体像を撮像面上に結像させ、光電変換により画像信号を生成し、これをIEEE1394インターフェース25へ送信する。
GPS受信部28は、GPSシステムにより送出される信号に基づき、カメラユニット2の設置場所や撮影方向を検出する。このGPS受信部28を設けることにより、特に複数のカメラユニット2を設置する場合において、双方の撮影方向を連動して制御することが可能となる。GPS受信部28からの出力信号は、メタデータ生成部29に供給され、GPSによる測位結果に基づく、緯度、経度、方位、高度等の位置情報、並びに時刻や各種パラメータ等からなるメタデータが生成される。メタデータ生成部29は、この生成した位置情報やメタデータをエンコーダ52へ供給する。なお本発明では、このGPS受信部28、メタデータ生成部29の構成を省略してもよい。
バッファメモリ51は、CPU56からの制御信号に基づき、IEEE1394インターフェース25から供給される画像信号を一時的に格納する。このバッファメモリ51において一時的に格納された画像信号は、エンコーダ52に供給され、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の規格に基づいて圧縮符号化される。ちなみに、このエンコーダ52は、圧縮符号化する画像信号に対して、メタデータ生成部29から供給される位置情報やメタデータを付加してもよい。エンコーダ52は、圧縮符号化した画像信号をサーバ53或いは画像圧縮部54へ出力する。なお供給される画像信号につき、圧縮符号化を行わない場合には、このエンコーダ52における処理は省略される。
サーバ53は、エンコーダ52から出力される画像信号を位置情報やメタデータと関連付けて順次記録する。ちなみに、このサーバ53は、例えばハードディスクや、着脱自在なディスク状記録媒体に代替してもよい。サーバ53に記録された画像信号は、CPU56による制御に基づき、画像圧縮部54やグラフィックコントローラ55へ読み出される。なおサーバ53に記録される画像信号をメモリカード61へ記録するように制御することにより、ユーザは、かかる撮像した画像を他のPCへ移し換えることも可能となる。また、このサーバ53に記録されている画像信号を上述した図示しないネットワークサーバに記録するように制御することにより、サーバ53を図示しないネットワークサーバに代替することも可能となる。
画像圧縮部54は、サーバ53から読み出したJPEG形式の画像信号につき、それぞれ圧縮画像又はサムネイル画像を生成する。また、この画像圧縮部54は、CPU56による制御に従い、サーバ53に記録されている画像を読み出して、動画像を生成する。ちなみにこの動画像を生成する際の圧縮方法としては、例えばMPEG、Motion−JPEG、Motion−JPEG2000等に基づき実行してもよい。
グラフィックコントローラ55は、サーバ53から読み出した画像信号、又は画像圧縮部54から出力される画像信号に基づき、ディスプレイ6への絵画処理を実行する。また、このグラフィックコントローラ55は、CPU56による制御に基づき、ディスプレイ6におけるコントラスト、輝度の制御を実行する。
CPU56は、ユーザによりキーボード59やマウス60を介して画像領域、画像位置が指定された場合に、パンチルタ部3やレンズ制御部23を駆動するための駆動信号や、監視装置5内の各部を制御するための制御信号を、コントローラバス21を介して送信する。また、このCPU56は、端末装置9から所定の要求信号を受けて、サーバ53に記録されている最適な静止画像、動画像、或いは各種情報を選択し、これを当該端末装置9へ送信するように制御する。
次に本発明を適用した監視システム1における撮像動作について説明をする。
図4は、カメラユニット2により、黒枠で示される撮影範囲内を撮影画角uで撮像する場合について示している。撮影範囲を撮影画角uで全て撮像するためには、撮影方向を水平方向又は垂直方向へ順にシフトさせて撮像する必要がある。仮に撮影範囲のサイズが、任意の撮影画角uで撮像することにより得られるフレーム(以下、単位画像という。)のサイズのi×j倍で表せるときには、少なくともi×j通りの撮影方向を設定する必要がある。この撮影画角uで撮像したi×j個の単位画像を貼り合わせることにより撮影範囲全体を表した全体画像を合成することができる。
ここで、撮影範囲の各単位画像の座標(M,N)を、水平方向につき、左端から順に1、2、・・M・、iとし、垂直方向につき上端から順に1、2、・・N・、jとしたとき、CPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、先ず左上に位置する座標(1,1)に合わせて撮像を実行させる。この座標(1,1)について撮像することにより生成された単位画像に基づく画像信号は、バッファメモリ51に一時的に格納され、エンコーダ52において、JPEG規格に基づいて圧縮符号化される。そしてこの画像信号は、GPS28から送信される撮影方向等を示す位置情報やメタデータが同時に付加され、サーバ53に記録される。
同様にCPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、右側に1画枠分シフトさせて座標(2,1)に合わせて撮像を実行する。この座標(2,1)について撮像することにより生成された画像信号も同様にサーバ53へ記録される。CPU56による制御に基づき、カメラ部4は、撮影方向を座標(3,1)、(4,1)・・(i,1)と水平方向へ順次変更させて撮像を実行する。
カメラ部4は、1列目の撮像を終了させた後、CPU56による制御に基づき、撮影方向を2列目の座標(1,2)に調整して撮像を実行し、その後、水平方向へ順次シフトさせながら撮像を実行する。かかる動作を繰り返して座標(i,j)まで撮像を終了させた時、サーバ53は、座標毎に撮像したi×j個の単位画像に基づく画像信号が記録されている状態になる。
ちなみに、このサーバ53に記録されている各単位画像に基づく画像信号は、画像圧縮部54により順次読み出されて、ディスプレイ6の表示画面のサイズに適合するように縮小される。この縮小された各単位画像は、グラフィックコントローラ15を経てディスプレイ6に表示される。サーバ53に記録されたi×j個の単位画像を全てディスプレイ6に表示させることにより、1枚のパノラマ状の全体画像(パノラマ画像)が合成されることになる。上述の撮像動作を一定の間隔で実行することにより、撮影範囲の最新の状況を示す全体画像を取得することが可能となる。
図5は、撮像したi×j個の単位画像を貼り合わせることにより合成した全体画像を、ディスプレイ6の全体画像表示部70に表示する例を示している。なお、この監視装置5は、全体画像表示部70に対して、全体画像を構成する各単位画像間の境界を表示させてもよいし、シームレスな全体画像のみを表示させてもよい。また監視装置5は、パノラマ状の全体画像の代替として、撮影範囲全体を捉えることができる撮影画角で撮影した1枚の全体画像を、この全体画像表示部70に表示させてもよい。
ちなみに表示画面45には、単位画像を拡大した拡大画像を表示するための拡大画像表示部71がさらに設けられている。この拡大画像表示部71は、全体画像表示部70に表示される全体画像を構成する単位画像のうち、ユーザにより指定された一の単位画像を拡大して表示してもよいし、またかかる一の単位画像の撮影方向につき、動画を順次表示してもよい。これによりユーザは、指定した単位画像における撮影方向の状況につき、リアルタイムに確認することもできる。
ユーザは、全体画像表示部70や拡大画像表示部71に対して、キーボード59やマウス60を用いて、所望の画像領域、画像位置を指定することができる。なお、各表示部70,71には、マウス60等の動きに連動させて上述の指定操作を実行するための照準線やポインタをさらに表示させてもよい。
また表示画面45上においてマウス60を介した入力動作を実行することにより、拡大画像表示部71に表示されている単位画像につき撮影倍率を拡大又は縮小させ、カメラ部4の撮影方向を水平、垂直方向において調整するための撮影方向制御、各種モードの設定を行うことができる。
また、この表示画面45上に表示されている差異検出ボタン84がマウス60を介してクリックされると、後述の差異検出時において、生成された全体画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異が検出される。
この差異検出は、サーバ53又はCPU56内に記録されている単位画像から構成される全体画像につき、基準となる全体画像との間で輝度レベルを比較することにより実行する。ここで画像上の差異を検出する全体画像を比較全体画像といい、基準となる全体画像を基準全体画像という。
図6(a)に示すように、基準全体画像を全体画像a1とした場合において、比較全体画像としての全体画像a2につき画像上に生じた差異を検出する場合には、全体画像a2を構成する単位画像と、全体画像a1を構成する単位画像との間で輝度レベルを比較する。この輝度レベルの比較は、図6(a)に示すように、同一座標(1,1)、(2,1)、(3,1)、・・・、(M,N)にある単位画像間で、換言すれば同一撮影方向にある単位画像間で実行する。これにより、基準全体画像に対する比較全体画像の輝度レベルの変化を、各撮影方向に応じて検出することができる。
CPU56は、比較全体画像(全体画像a2)と基準全体画像(全体画像a1)との間で、例えば座標(M,N)にある単位画像の輝度レベルを比較する場合には、先ず、これら2つの単位画像をサーバ53から読み出す。次にCPU56は、例えば図6(b)に示すように、読み出した二つの単位画像間において同一位置にある各画素(m,n)につき輝度レベルを比較する。この輝度レベルの比較は、同一位置にある画素(m,n)につき、輝度レベルの差分を求めるようにしてもよい。CPU56は、読み出した単位画像間の輝度レベルの差異を、各画素につき求めた輝度レベルの差分値を介して検出することができる。ちなみに、この各画素間の輝度レベルの比較は、単位画像を構成する全ての画素につき実行してもよいし、単位画像を構成する一部の画素のみに対して実行するようにしてもよい。
また、次に全体画像a3が供給された場合には、当該全体画像a3を比較全体画像とし、全体画像a2を基準全体画像として、同様に輝度レベルを比較する。次に全体画像a4が供給された場合には、当該全体画像a4を比較全体画像とし、全体画像a3を基準全体画像として、同様に輝度レベルを比較する。このようにカメラ部2を介して順次生成される全体画像を比較全体画像として割り当て、また直前に撮像された全体画像を基準全体画像として割り当てて輝度レベルを比較することにより、得られた直近の画像における動きを即座に検出することが可能となる。
またCPU56は、これら単位画像間の輝度レベルを比較する際に、各画素単位で比較する場合のみならず、図7に示すように画像圧縮単位で比較するようにしてもよい。
かかる場合において、CPU56は、座標(M,N)にある単位画像から同一位置にある16×16の画素からなるマクロブロックをそれぞれ切り取り、切り取ったマクロブロック間において輝度レベルを比較する。ちなみに各マクロブロックにおける輝度レベルは、これを構成する16×16の画素の平均値で表される。
仮に8×8より小さいサイズのブロック単位で輝度レベルを比較した場合には、JPEG形式で圧縮符号化された画像信号を伸張する際のノイズが含まれる結果、正確な差異検出が実現できなくなる。このため、8×8以上のブロック単位で輝度レベルを比較することにより、これらノイズの影響を軽減させることができる。即ち、本発明を適用した監視装置5では、DCTブロックやマクロブロック等の画像圧縮単位に応じた画素の集合により、輝度レベルの差異を比較することにより、高精度な差異検出を実現することが可能となる。
このようにして輝度レベルを単位画像間で比較した結果、例えば、座標(1,2)、(3,2)、(4,3)において差異が検出された場合には、図8に示すように、かかる単位画像のみ色付きの枠を表示することによりユーザに対して注意を促す。このとき、表示画面45において、色付きの枠を表示すると同時に比較する2つの単位画像を表示することにより、かかる差異の発生を直接的に知らせるようにしてもよい。
また監視装置5では、かかる図8に示す例に限定されるものではなく、輝度レベルを単位画像を構成する画素単位或いは画像圧縮単位で比較した結果、差異が検出された場合には、図9に示すように、かかる画素やブロックのみにつき色を付けることにより、ユーザに対して注意を促すようにしてもよい。これにより、細かいピッチで検出した動きをユーザに知らせることができる。
ちなみに、差異が検出されたか否かを判断する際の基準として、予め設定された閾値を用いるようにしてもよい。CPU56は、読み出した単位画像間の輝度レベルの差異を、各画素或いはブロックにつき求めた輝度レベルの差分値を介して検出するが、かかる差分値が閾値を超えた場合のみ差異が検出されたものと判断するようにしてもよい。撮影対象や撮影環境に応じて最適な閾値を予め設定しておくことにより、所望の被写体の動きのみに焦点を当てた動き検出を実現することが可能となる。
これら閾値は、全ての単位画像につき一律に同一の値を設定するようにしてもよいし、各単位画像につき異なる値を設定するようにしてもよい。また図10に示すように、既に閾値が設定された各単位画像において、更にこれらを構成する所望の画像領域につき、異なる閾値を設定するようにしてもよい。
図10(a)は、単位画像全体に閾値α1が設定されている中で、更に斜線で示される所望の領域β1に閾値α2が設定されている状態を示している。ちなみに閾値α2は、閾値α1よりも大きい。これはつまり、閾値α2が設定されている領域β1については、各画素或いはブロックにつき求めた輝度レベルの差分値が、閾値α1を超える場合があっても閾値α2以下の場合には、差異検出されなかったものと判断されることを意味している。換言すれば、求めた輝度レベルの差分値が、閾値α1よりも大きい閾値α2を超えなければ差異検出されないことを意味している。
即ち、閾値α2が設定されている領域β1については、差異検出のレベルを大幅に上げることにより、ユーザに対する注意喚起の頻度を低くすることが可能となる。比較的動きの多い場所を含む画像領域については、ユーザに対する過度の注意喚起がなされることになるが、かかる画像領域を領域β1として設定することにより、これを軽減させることができる。例えば図9のパノラマ画像に示される教会の建物につき僅かな動きの検出を望む場合に、入り口から続く道等のような人通りの多い場所について随時動き検出される結果、ユーザに対する注意喚起の頻度が高くなるが、このような画像領域につき閾値α2を設定することにより、余計な注意喚起が幾度となく促されることはなくなる。このためユーザは、動き検出を望む領域に焦点を当てた効率的かつ高精度な監視を実現することができる。
なお、この閾値α2をいかなる値に設定するかについては、動きの多い場所を含む画像領域における輝度レベルに応じて経験的に求めてもよい。例えば人通りの多い場所については、かかる人間の輝度レベルを予め識別した上で、これらにつき差異検出されないような閾値α2を設定することにより、これを実現することができる。またこの閾値α2の代替として、異なる閾値を多岐にわたり設定するようにしてもよい。これにより、動きの頻度や被写体の輝度レベルに応じて閾値のレベルを段階的に変化させることができる。
ちなみに、上述の如く閾値α1よりも大きい閾値α2を設定する代わりに、領域β1の差異検出における感度を鈍くしてもよいし、或いは当該領域β1における画像のレベルを下げるようにしてもよい。
本発明では、閾値α1が設定された各単位画像において、更に差異検出を行わない領域を設定するようにしてもよい。
図10(b)は、単位画像全体に閾値α1が設定されている中で、更に斜線で示される所望の画像領域を領域β1として設定し、また差異検出しない領域β2を設定する場合を示している。
差異検出しない領域β2では、各画素或いはブロックにつき輝度レベルの差分値を求めることはない。即ち、かかる領域β2においては、いかなる動きが生じて画素の輝度レベルが変化した場合であっても、これにつきユーザに注意喚起されることはなくなる。なお、単位画像全体に閾値α1が設定されている中で、領域β1を設けることなく、領域β2のみを設けるようにしてもよい。
即ち、この監視装置5は、特に動きが活発な領域につき差異検出をしないように設定することができるため、かかる画像領域においても、余計な注意喚起が幾度となく促されることはなくなり、効率的かつ高精度な監視を実現することができる。
なお、上述した監視システム1における実施の形態では、輝度レベルの差異を検出するための閾値をあくまでユーザが自ら設定する場合を例にとり説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、動きの多い場所を含む画像領域を自動的に判別し、かかる判別した画像領域につき自動的に領域β1、又は領域β2として割り当てることもできる。
かかる場合において、監視装置5は、上述の如き輝度レベルの差異を検出する前に、同一の撮影範囲を複数回に亘って予備的に撮像する。かかる場合における撮影画角u、撮影方向についても上述と同様の条件の下、実行する。そして、同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を検出する。
次に監視装置5は、差異が検出された各画像領域につき、領域β1又は領域β2として割り当てる。ここで、差異が検出されたか否かの判断については、輝度レベルの差分値を閾値と比較することにより行うが、かかる閾値については、ユーザが任意の値に設定することができる。ちなみに監視装置5は、差異が検出された画像領域に領域β1を割り当てる場合には、検出された輝度レベルの差異の大きさに基づいて、いかなる閾値α2を設定するか決定するようにしてもよい。
即ち、本発明を適用した監視システム1では、所望の撮影範囲を監視する際において、比較的動きの多い場所を含む画像領域について自動的に閾値α2を設定し、或いは差異検出を行わないように制御することになる。これにより、かかる動きの多い場所を含む画像領域を表示画面を介してユーザ自らが判別してかかる領域β1、β2を指定する労力を軽減させることができる。更には表示画面を通じて視認することが困難な僅かな輝度レベルの差異についてもこれを精度よく自動識別して、最適な閾値α2を自動的に設定することができる。
ちなみに上述した予備的な撮像における撮像回数や撮像間隔については、被写体の輝度レベルや撮影環境に応じていかなる値に設定してもよい。例えば、上述した予備的な撮像を3回行い、その輝度レベルの差異につき論理和を求める。そしてかかる輝度レベルの論理和として表される画像領域につき、自動的に領域β1又は領域β2を割り当てるようにしてもよい。
また本発明を適用した撮像システム1では、設定した領域β1、領域β2を以下に説明する方法に基づいて保存するようにしてもよい。
例えば図11に示される表示画面45上に表示されている全体画像につき、マウス60を介して一の画像位置を指定すると、かかる画像位置を中心とした単位画像の集合(以下、これらを単位画像群という。)から構成されるマスク設定ウィンドウ80が表示される。このマスク設定ウィンドウ80に表示される単位画像群につき、ユーザ自らが所望の画像領域につき領域β1,β2を設定することができ、或いは複数回に亘って予備的に撮像された画像に基づいて領域β1、β2を自動的に設定することができる。また、これら単位画像群につき検出された輝度レベルの差異を、このマスク設定ウィンドウ80を介して視認することができる。ちなみに、これら設定された各領域β1、β2並びに閾値α1、α2については、かかる単位画像群と関連させつつ、CPU56内に設けられた図示しないメモリに格納されることになる。
かかる図示しないメモリに格納された各領域β1、β2並びに閾値α1、α2は、同一の単位画像群につき事後的に解析を望むユーザの命令に応じて読み出されることになる。即ち、この全体画像を構成する一部の単位画像群についてのみ差異検出を望むユーザに対して、図示しないメモリに格納された各領域β1、β2並びに閾値α1、α2を読み出せば足りるため、解析の都度これらの領域や閾値を設定する労力を軽減させることができる。
なお、全体画像において指定される画像位置は複数であってもよく、かかる指定された画像位置を中心とした単位画像群毎に各領域β1、β2並びに閾値α1、α2を設定しておき、これを当該単位画像群とペアにして格納しておくこともできる。これにより、ユーザの労力を軽減させつつ、全体画像を構成する互いに異なる単位画像群毎に好適な差異検出を行うことができる。
ちなみに、画像位置を中心とした単位画像群を如何なる数で構成するかについては、ユーザ側において自由に選択することができるようにしてもよい。
またこの撮像システム1では、選択された単位画像群を構成する単位画像のみを同じ撮影画角uで新たに撮像するようにしてもよい。かかる場合においてCPU56は、Tilt部3a並びにPan部3bに対して駆動信号を送信することにより、カメラ部4の撮影方向を、選択された単位画像群に合わせて撮像を行う。
これにより、全体画像を構成する一部の単位画像群についてのみ差異検出を望むユーザに対して、必要最低限の撮像のみ行えば足りることから、処理速度を大幅に向上させることができ、ひいては必要最低限の単位画像内の動きを細かいピッチで精度よく検出することも可能となる。
なお、この監視装置5では、各単位画像間において、R,G,Bの原色信号に基づき、輝度レベルを比較するようにしてもよい。
図12(a)は、原色成分のうちR(赤)の輝度レベルを比較する場合につき説明するための図である。縦軸は、比較する単位画像につき、対応する画素毎に演算した差分値(明るさ)を示している。また図12(b)は、この図12(a)に示される差分値のうち水平方向における最大値を表示したものであり、図12(c)は、図12(a)に示される差分値のうち垂直方向における最大値を表示したものである。
閾値L1並びに色レベルL2は、キーボード59やマウス60を用いて、ともにユーザにより自由に設定できるレベルである。演算された原色成分(R)の輝度レベルの差分値がこの閾値L1を超えたときに、差異が検出されたものと判定される。色レベルL2は、S/N比を向上させるべく、演算される差分値のゲインを設定するためのレベルである。例えば図12に示すように、一の差分値を色レベルL2まで増幅させることにより、他の差分値も同様に増幅されることになる。増幅された各差分値に対して所望の閾値L1を設定することにより、高精度な差異検出を実現することができる。すなわちユーザは、検出を望む差分値のレベルに対応させて自在に色レベルL2を設定することができ、またこの色レベルL2との関係において閾値L1を設定することにより、色レベルL2の割合に対してどの程度のレベル変化を起こしたら差異が検出されたものと判断するか自由に設定することができる。ちなみに、他の原色成分(G、B)に関しても同様にL1,L2を設定することができる。
なお、この閾値L1及び色レベルL2は、R、G、Bの原色成分毎に互いに異なるレベルに設定してもよく、また全体画像を構成する単位画像毎に、互いに異なるレベルに設定してもよい。
すなわち、監視システム1では、比較する単位画像について原色成分毎に演算した輝度レベルの差分値のうち、少なくとも一の原色成分において閾値L1を超える場合に、当該単位画像につき何らかの差異が検出されたものと判断することができる。このため、R、G、B毎に単独で差異を検出することができ、実際に表示画面45上において表示される全体画像において、視覚的に検出することが不可能な微小な状況変化までも高精度に検出することができる。
またこれら設定した閾値L1に対して、最適な閾値α2を設定することにより、余計に注意喚起されるのを防ぐことができる。
ちなみに、この閾値α2をR,G,B毎に互いに異ならせるように設定してもよい。これにより、視覚的に検出することが不可能であるが、R,G,B信号において生じる明らかな差異に基づく注意喚起の頻度を下げることができる。
同様にこの監視システム1では、比較する単位画像につき、例えば、輝度信号(Y信号)及び色差信号(U,V信号)に基づいて、輝度レベルを比較するようにしてもよい。これにより、上述した原色信号として検出することはできないものの、輝度信号或いは色差信号に基づいて検出することができる情報を抽出して、ユーザに注意を喚起することが可能となる。
また、本発明を適用した監視システム1では、差異を検出することができる対象物の大きさを選択することもできる。
図13(a)に示すようにユーザは、キーボード59やマウス60を用いて各単位画像に所望の参照画像領域を設定することができる。この設定される参照画像領域は、一の単位画像に対して1種のみ設定してもよいし、複数種設定してもよい。また原色成分毎に互いに異なるサイズからなる参照画像領域を設定してもよい。
ここで、ユーザにより図13(b)に示すように、水平方向の長さをwであり、また垂直方向の長さがtである参照画像領域が設定された場合において、CPU56は、かかる参照画像領域が設定された単位画像につき、求められた差分値が閾値L1を超える被検出領域を識別する。CPU56は、この識別した被検出領域につき、参照画像領域との間でサイズを比較する。
例えば、図14に示すように、差分値が閾値L1を超える被検出領域として、先ず水平方向の長さがw1であり、垂直方向の長さがt1である被検出領域R1を識別した場合に、水平方向につき、参照画像領域の長さwと、このw1とを比較し、また垂直方向につき、参照画像領域の長さtと、このt1とを比較する。その結果、被検出領域R1のサイズが水平、垂直方向において共に参照画像領域のサイズを超える場合には、差異が検出されたものと判定する。また、この被検出領域R1において、水平、垂直方向のうちいずれか一方のサイズが、参照画像領域のサイズを下回る場合には、差異が検出されなかったものと判定する。
同様に、CPU56は、差分値が閾値L1を超える被検出領域として、水平方向の長さがw2であり、垂直方向の長さがt2である被検出領域R2を識別した場合には、水平方向につき、参照画像領域の長さwと、このw2とを比較し、また垂直方向につき、参照画像領域の長さtと、このt2とを比較し、差異の有無を判定する。
すなわち、本発明を適用した監視システム1では、ユーザにより設定された参照画像領域に基づき、差異を検出するための被検出領域を選択することができる。特に、参照画像領域のサイズを細かく調整することにより、微小な被検出領域につき、差異が検出されることはなくなる。その結果、かかる被検出領域を含む単位画像につき、上述の如く色付きの枠を表示されることがなくなるため、ユーザに対する過度の注意喚起を防ぐことができる。
また撮影範囲内に存在する被写体の中から、ある特定の対象につき、差異の検出を望む場合においても、参照画像領域のサイズを当該検出対象のサイズに応じて設定することにより実現することができる。特に撮影方向を順次変化させて被写体を撮像することにより得られる全体画像は、様々な撮影対象物を含む場合が多いため、単位画像間で互いに異なるサイズからなる参照画像領域を設定することにより、各撮影対象物につき、単一システムによる差異検出を実現することができる。
また、カメラ部4から遠距離にある撮影対象物と近距離にある撮影対象物は、仮に同一物であっても単位画像に表示されるサイズが異なる。例えばカメラ部4から遠距離位置に敷設されている道路上の自動車と、カメラ部4から近距離位置に敷設されている道路上の自動車では、同一種類のものであっても、後者の方が大きく表示される。このため、カメラ部4から遠距離位置に敷設されている道路を含む単位画像と、カメラ部4から近距離位置に敷設されている道路を含む単位画像との間で、設定する参照画像領域のサイズを変えることにより、かかる同一種類の自動車についても、カメラ部4からの遠近によらず正確な差異検出を実現することができる。
なお、本発明を適用した監視システム1では、さらに図15に示す手順により、端末装置9を操作するユーザに対しても検出した差異に関する情報を提供することができる。
先ずステップS61において、端末装置9を操作する各ユーザは、ネットワーク8に接続されている監視装置5にアクセスする。
次にステップS62に移行し、監視装置5は、自身のサーバ53に記録されている全体画像のうち、ユーザに対して公開できるものについて、公開可能画像リストを作成し、これを端末装置9へ送信する。ちなみに、この公開可能画像リストには、各全体画像のファイル名やファイルサイズのみにならず、縮小された全体画像が貼り付けられる場合もある。この公開可能画像リストは、ネットワーク8、端末装置9を介して、端末ディスプレイ10上に表示される。
次にステップS63へ移行し、ユーザは、公開可能画像リストから所望の全体画像を選択する。端末装置9は、ユーザによる選択操作に応じて、全体画像送信要求C1を監視装置5へ送信する。
ステップS64において、監視装置5は、かかる全体画像送信要求C1を受けて、ユーザにより選択された全体画像をサーバから読み出し、これを端末装置9へ送信する。送信された全体画像は、ネットワーク8、端末装置9を介して、端末ディスプレイ10に表示される。
次にステップS65へ移行し、ユーザは、端末ディスプレイ10に表示される全体画像において注意喚起されている画像領域を容易に識別することができる。
なお、この監視システム1では、過去に撮像した画像信号に基づく全体画像をサーバ53に蓄積することにより、過去に生じた差異につき、事後的に分析することができる。かかる場合において、詳細な状況や原因を解析する際に、CPU56が単位画像間の輝度レベルを比較し、何らかの差異が発生した単位画像につき注意を促すことができるため、ユーザの労力の負担を解消することができる。
1 監視システム、2 カメラユニット、3 パンチルタ部、4 カメラ部、5 監視装置、6 ディスプレイ、8 ネットワーク、9 端末装置、10 端末ディスプレイ、22 レンズ部、23 レンズ制御部、24 撮像部、25 IEEE1394インターフェース、28 GPS受信部、29 メタデータ生成部、51 バッファメモリ、52 エンコーダ、53 サーバ、54 画像圧縮部、55 グラフィックコントローラ、56 CPU、58 I/Oポート、59 キーボード、60 マウス
Claims (9)
- 撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する監視装置において、
上記生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較手段と、
上記比較手段による比較結果に基づき、上記生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示制御手段とを備え、
上記比較手段は、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、上記所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定すること
を特徴とする監視装置。 - 撮影方向を順次変化させて上記撮影範囲を撮像する撮像手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。 - 上記比較手段は、上記輝度レベルの差異を画像圧縮単位で比較すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。 - 上記比較手段は、上記輝度レベルの差異を原色信号毎に、又は輝度信号及び色差信号毎に比較すること
を特徴とする請求項1記載の監視装置。 - 撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視する方法において、
上記生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較ステップと、
上記比較ステップにおける比較結果に基づき、上記生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示ステップとを有し、
上記比較ステップでは、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、上記所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定することを特徴とする監視方法。 - 上記比較ステップでは、上記輝度レベルの差異を画像圧縮単位で比較すること
を特徴とする請求項5記載の監視方法。 - 上記比較ステップでは、上記輝度レベルの差異を原色信号毎に、又は輝度信号及び色差信号毎に比較すること
を特徴とする請求項5記載の監視方法。 - 撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
上記生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較ステップと、
上記比較ステップにおける比較結果に基づき、上記生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示ステップとを有し、
上記比較ステップでは、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、上記所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定すること
をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 撮影方向を順次変化させて撮影範囲を撮像することにより生成されたパノラマ画像を監視することをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体において、
上記生成されたパノラマ画像を構成する一の単位画像と、当該単位画像よりも先に撮像された同一撮影方向上の単位画像との間で輝度レベルの差異を順次検出し、検出した輝度レベルの差異を所定の閾値と比較する比較ステップと、
上記比較ステップにおける比較結果に基づき、上記生成されたパノラマ画像と共に所定の情報を表示面上に表示させる表示ステップとを有し、
上記比較ステップでは、上記撮像が実行される前に、予め撮影範囲を複数回撮像することにより生成された同一撮影方向上の単位画像間で輝度レベルの差異を比較し、当該比較結果に基づいて、上記所定の閾値をより大きく設定する領域及び/又は上記比較を行わない領域を上記単位画像毎に設定すること
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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JP (1) | JP2005176141A (ja) |
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