JP2005175943A - 画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 事前処理を必要とせずに、矩形の動画像符号化システムとの単純な置き換えが可能である汎用性の高い高能率符号化を行なうことができるようにする。
【解決手段】 複数のフレームから構成される動画像を入力する動画像入力手段と、前記入力した動画像の中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択手段と、前記入力した複数の動画像における背景画像からオブジェクト切り出しを行なうフレームを選択するフレーム選択手段と、前記選択したフレームを送出する選択フレーム送出手段とを設け、前記連続して入力するフレームの中から背景画像と任意形状画像とを選択するようにして、シーンに限定されない汎用的な高能率符号化を実現できるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に関し、特に、動画像データを高能率に符号化・復号化するための画像処理装置及び画像処理方法に関する。
近年、デジタル技術を利用して画像を対象物(オブジェクト)毎に分離したり、合成したりする処理が注目されている。特に、動画像の符号化においては、国際標準としてMPEG-4符号化方式が規格化されている。
前記MPEG-4符号化方式では、任意形状の画像データが扱え、オブジェクト毎の符号化/復号化を行なうことにより、符号化効率の向上、伝送路に応じたデータ配分、画像の再加工等、従来は困難であったさまざまな応用が期待されている。
ところで、動画像処理においては、背景差分方式という手法が知られている。これは、予め撮影した背景画像と実際の入力画像とを比較することにより、変化点を検出する方法である。
上述した背景差分方式においては、あらかじめ背景画像を用意しておかなければならないという欠点があった。また、入力画像と背景画像の間に相対的な位置のずれが生じると、正しくオブジェクトが抽出できない、という問題もあった。カメラの動く範囲が予めわかっている場合は、特許文献1に開示されているように、スプライトと呼ばれる広範囲の画像を用意しておくことで、ある程度の対策は可能である。
特開2002−118843号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示されているように、スプライトと呼ばれる広範囲の画像を用意しておいても、前準備が必要であることには変わりがなかった。さらには、背景画像を定期的に送る場合にあっても、時間的に前の背景画像を用いて任意形状を抽出しようとすると、シーンチェンジ等が発生した場合、背景が大きく異なるため、オブジェクトを正しく抽出できないという問題が同様に発生する。
つまり、従来技術の場合には、適応範囲が限定されてしまうため、矩形の動画像符号化システムから任意形状の動画像符号化システムへ単純に置き換えることができないという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、事前処理を必要とせずに、矩形の動画像符号化システムとの単純な置き換えが可能である汎用性の高い高能率符号化を行なうことができるようにすることを目的とする。
本発明の画像処理装置は、複数のフレームから構成される動画像データを入力する動画像入力手段と、前記動画像入力手段により入力した動画像データの中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択手段と、前記画像選択手段により選択された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択する背景選択手段と、前記背景選択手段により選択された背景画像と、入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成する形状データ生成手段と、 前記動画像入力手段により入力した入力画像を形状データと共に任意形状画像として符号化する画像符号化手段と、前記背景選択手段の選択状況を示すデータを符号化する背景選択符号化手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像処理装置は、入力された動画像データの中から背景画像とするフレームと任意形状画像とするフレームとを区別し、前記区別された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択し、前記選択された背景画像と入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成し、前記入力された動画像データを形状データと共に任意形状画像として符号化して得られた符号化された動画像データと前記選択された背景画像の選択状況を示すデータを符号化して得られた情報データとを入力する入力手段と、前記情報データに基づいて前記符号化された動画像データを復号化する復号化手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像処理方法は、複数のフレームから構成される動画像データを入力する動画像入力工程と、前記動画像入力工程で入力した動画像データの中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択工程と、前記画像選択工程で選択された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択する背景選択工程と、前記背景選択工程で選択された背景画像と、入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成する形状データ生成工程と、前記動画像入力工程で入力した入力画像を形状データと共に任意形状画像として符号化する画像符号化工程と、前記背景選択工程の選択状況を示すデータを符号化する背景選択符号化工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像処理方法は、入力された動画像データの中から背景画像とするフレームと任意形状画像とするフレームとを区別し、前記区別された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択し、前記選択された背景画像と入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成し、前記入力された動画像データを形状データと共に任意形状画像として符号化して得られた符号化された動画像データと前記選択された背景画像の選択状況を示すデータを符号化して得られた情報データとを入力する入力工程と、前記情報データに基づいて前記符号化された動画像データを復号化する復号化工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のコンピュータプログラムは、複数のフレームから構成される動画像データを入力する動画像入力工程と、前記動画像入力工程で入力した動画像データの中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択工程と、前記画像選択工程で選択された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択する背景選択工程と、前記背景選択工程で選択された背景画像と、入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成する形状データ生成工程と、前記動画像入力工程で入力した入力画像を形状データと共に任意形状画像として符号化する画像符号化工程と、前記背景選択工程の選択状況を示すデータを符号化する背景選択符号化工程とを有する画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のコンピュータプログラムは、入力された動画像データの中から背景画像とするフレームと任意形状画像とするフレームとを区別し、前記区別された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択し、前記選択された背景画像と入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成し、前記入力された動画像データを形状データと共に任意形状画像として符号化して得られた符号化された動画像データと前記選択された背景画像の選択状況を示すデータを符号化して得られた情報データとを入力する入力工程と、前記情報データに基づいて前記符号化された動画像データを復号化する復号化工程とを有する画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の記録媒体は、前記に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴としている。
本発明によれば、連続して入力するフレームの中から背景画像と任意形状画像を選択し、分離・合成するようにしたので、あらかじめ背景画像を用意するように構成しなくても済むようにすることができ、シーンに限定されない汎用的な高能率符号化・復号化システムを実現することができる。
本発明の実施の形態を説明する前に、本発明で実現する動画像処理における対象物の抽出方法の技術を説明する。
一般に、動画像処理においては、背景差分方式という手法が知られている。これは、予め撮影した背景画像と実際の入力画像とを比較することにより、変化点を検出する方法である。以下、簡単にその原理について説明する。
まず、画像平面上の座標(x,y)における点の入力画像の画素値をPc(x,y)、背景画像の画素値をPb(x,y)とする。この時、Pc(x,y)とPb(x,y)との差分をとり、その絶対値をある閾値Thと比較する。
判定式の例を示すと次の通りである。
if(|Pc(x,y)−Pb(x,y)| ≦ Th) S(x,y)=0;
else S(x,y)=1; ・・・(1)
差分絶対値が閾値Th以下の場合、この点(x,y)は変化なしということで、Pc(x,y)は背景と判定され、S(x,y)=0となる。
一方、差分絶対値が閾値Thを超えている場合は、値が変化したということで抽出対象とみなされS(x、y)=1となる。画面上のすべての点において前記の判定を行なうことで、1フレーム分の抽出が完了する。
図14は、背景差分方式とMPEG-4符号化方式を組み合わせた従来のシステムの構成を示すブロック図である。
図14において、画像入力部2101は、例えばカメラの撮像部であり、動画像を入力する部分である。画像分離部2102は、背景画像として処理するフレームと任意形状画像として処理するフレームとを切り替えるスイッチ回路である。背景画像に設定したフレームは、矩形画像符号化部2104で、1フレーム分符号化される。形状データ生成部2103では、先の背景画像と現在入力された画像との比較により、形状データを生成する。
一般に、形状データは、オブジェクトであるか否かの2値データである。任意形状画像符号化部2105では、画像データと形状データを入力とし、符号化した結果をビットストリームとして出力する。
多重化部2106では、図示した矩形画像と任意形状画像の2種類のビットストリームの他に、オーディオのビットストリームなどを1本のデータにまとめるべく、多重化処理を行なう。
図15は、図14のブロック図をより具体的に説明するための図である。図15において、2301から2318は、画像入力部2101から入力されたフレームのデータ列であり、先頭の2301のフレームが背景のみが映っている画像、2311以降が抽出対象も映っている画像である。画像分離部2102では、2301を背景画像に、2311以降を任意形状画像に切り替えている。この切替えの最も簡単な方法は、入力画像を見ながら、手動で操作するのが確実である。
次に、実際のデータ処理の流れを、図16を用いて説明する。
図16において、2500が、背景画像2301、2501が任意形状画像2311に対応しているものとする。この時、差分処理部2351では、2500と2501の画像が入力され、先に説明した背景差分法により、対応する画素間の差が閾値以下か否かで2値化したデータを出力する。
2511は、2値化された形状データであり、黒い部分が背景、白い部分がオブジェクトを示している。同様に、2502、2503がそれぞれ2312、2313に対応しているとすると、生成される形状データは、背景画像2500との差分閾値処理をした結果、2512、2513となる。
図15では、任意形状画像符号化にMPEG-4のCore Profileのエンコーダ2353を用いている。以下、この符号化方式について説明する。
オブジェクト(対象物)を符号化する場合には、オブジェクトの形と位置の情報を符号化する必要がある。
そのために、まず、オブジェクトを内包する矩形領域を設定し、この矩形の左上位置の座標と矩形領域の大きさを符号化する。この矩形領域はバウンディングボックスと呼ばれる。また、画像データ、形状データにより表現されるオブジェクト内部の領域をVOP(Video Object Plane)と呼ぶ。
図17は、図15のエンコーダ2353の細部構成を示すブロック図である。尚、入力されるデータは画像の輝度・色差データと形状データであり、それらはマクロブロック単位で処理される。
まず、イントラモードでは、各ブロックをDCT部2701において離散コサイン変換(DCT)し、量子化部2702で量子化する。量子化されたDCT係数と量子化幅は、可変長符号化部2712で可変長符号化される。また、インターモードで利用する参照画像を生成するため、一旦量子化されたデータは、逆量子化部2703、逆DCT部2704を経て、画像データに戻される。これはローカルデコードの画像とも呼ばれる。この画像はメモリ部2705に保存される。
一方、インターモードでは、動き検出部2707においてメモリ部2705に保存されている時間的に隣接する別のVOPの中からブロックマッチングをはじめとする動き検出方法により動きを検出し、動きベクトル予測部2708で対象マクロブロックに対して誤差のもっとも小さい予測マクロブロックを検出する。誤差の最も小さい予測マクロブロックへの動きを示すデータが動きベクトルである。尚、予測マクロブロックを生成するために参照する画像を参照VOPと呼ぶ。
検出された動きベクトルに基づいて、参照VOPを動き補償部2706において動き補償し、最適な予測マクロブロックを取得する。次に対象となるマクロブロックと対応する予測マクロブロックとの差分を求め、この差分画像に対してDCT部2701でDCTを施し、DCT変換係数を量子化部2702で量子化する。この時も量子化されたデータは、逆量子化部2703、逆DCT部2704を経て、画像データに戻される。この時の逆DCT部2704の出力は差分画像となるので、前の画像に加算した後、メモリ部2705に保存される。
一方、形状データは、形状符号化CAE部2709で符号化される。但し、ここで実際にCAE符号化が行われるのは境界ブロックのみであり、VOP内のブロック(ブロック内全てのデータがオブジェクト内)やVOP外のブロック(ブロック内全てのデータがオブジェクト外)はヘッダ情報のみが可変長符号化部2712に送られる。
また、CAE符号化が施される境界ブロックは、画像データと同様に、インターモードにおいては、動き検出部2707による動き検出を行い、動きベクトル予測部2708で動きベクトルの予測を行なう。そして、動き補償した形状データと前フレームの形状データとの差分値に対しCAE符号化を行なう。
また、図15では、矩形画像符号化にMPEG-4のSimple Profileのエンコーダ2352を用いている。以下、この符号化方式について説明する。Simple Profileのエンコーダは、Core Profileのエンコーダと下位互換がある。
図17において、任意形状に関する処理、すなわち形状符号化CAE部2709、メモリ部2710、動き補償部2711を除いたものがSimple Profileのエンコーダとなる。画像データの処理手順は、Core Profileの画像データの処理と同じである。背景画像は1フレーム分符号化すればよいので、必ずしも動画像の符号化方式を用いなくてもよく、静止画符号化方式でもよい。
次に復号側の処理について説明する。
図18が、全体の概略構成ブロック図である。符号化側で1本にまとめられたビットストリームは、分離部2201で各デコーダが入力できるビットストリームに分離処理される。このうち、符号化された背景画像は、矩形画像復号化部2202により1フレームの画像データに復号される。任意形状画像復号化部2203では、形状データと形状データに対応した画像データを復号する。画像合成部2204では、形状データの値から、背景画像と任意形状画像を画素単位で切り替え、合成画像を生成する。画像出力部2205は、一般的にはモニタ等の画像表示装置である。
次に、図18のブロック図をより具体的に説明する。図18における分離部2201、矩形画像復号化部2202、任意形状復号化部2203、画像合成部2204がそれぞれ、図19におけるDEMUX処理2451、MPEG-4 Simple Profileのデコーダ2452、MPEG-4 Core Profileのデコーダ2453、合成処理2454に対応している。2411から2418は、画像出力部2205において表示されるフレームのデータ列であり、図15における入力画像2311から2318に対応している。
ここで、MPEG-4 Core Profileデコーダ2453の詳細を、図20を用いて説明する。基本的には図17の逆の動作であり、マクロブロック単位で、画像の輝度・色差データと形状データが復号される。
まず、イントラモードでは、可変長復号化部2801が、量子化されたDCT係数の復号化を行い、それを逆量子化部2802に入力する。逆量子化部2802の出力は、復号したDCT係数となり、逆DCT部2803の入力となる。逆DCT部2803では、逆DCT処理を行なうことにより、復号画像を出力する。この時の画像は、インターモードで利用する参照画像とするため、メモリ部2804に保存される。
一方、インターモードでは、逆量子化部2802、逆DCT部2803を経て復号される画像は、フレーム間の差分画像である。また、動きベクトル復号部2806においては、動きベクトルを復号する。動き補償部2805では、復号した動きベクトルを用いてメモリ部2804に保存されている前フレームの画像から動き補償した画像を生成する。この画像と先の差分画像を合成することにより、イントラモードにおける画像の復号が行われる。
また、形状データは、可変長復号化部2801から形状復号化CAE部2807を経て復号される。イントラモードの場合は、そのままメモリ2808に保存される。インターモードの場合は、メモリ部2808に保存しておいた前フレームの形状データを動きベクトル復号化部2806によって復号した動きベクトルを用いて、動き補償部2809で動き補償した後、形状復号化CAE部2807にて復号され、メモリ2808に保存される。
図19では、矩形画像復号化にMPEG-4のSimple Profileのデコーダ2452を用いている。以下、この符号化方式について説明する。Simple Profileのデコーダは、Core Profileのデコーダと下位互換がある。
図20において、任意形状に関する処理、すなわち形状復号化CAE部2807、メモリ部2808、動き補償部2809を除いたものがSimple Profileのデコーダとなる。画像データの処理手順は、Core Profileの画像データの処理と同じである。背景画像は1フレーム分復号化すればよいので、必ずしも動画像の復号化方式を用いなくてもよく、静止画復号化方式でもよい。
以下、図面を参照して、本発明の画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
先ず、本発明の画像処理装置の第1の実施の形態について説明する。
図1は、符号化側の全体構成を示すブロック図である。前記の一般技術で説明した図14との大きな違いは、背景画像と任意形状画像の選択方法が異なる(画像選択部101)ことと、順序変換部102を設けていること、矩形形状符号化部2104が不要であること、などである。
さらに、背景選択部104と背景選択符号化部105を設けている。図15における2301に相当する背景画像というものをあらかじめ用意しておかないで済むことが、本実施の形態の大きな特徴である。本実施の形態の画像処理装置では、フレーム列の中から背景画像を選択して符号化する。
画像入力部2101から入力されたフレーム列は、画像選択部101によって、背景とするフレームとそれ以外のフレームに選択される。順序変換部102では、複数の背景画像が選択できるようにフレームの処理順序を変更する。背景選択部104では、画像選択部101で背景画像とされた背景画像を蓄積し、入力画像に適した背景画像を選択して出力する。
図2は、背景選択部104の詳細な構成例を示すブロック図である。
図2に示したように、入力された背景画像は最初、第1の背景メモリ2901に格納される。この時、既に第1の背景メモリ2901に格納されていた背景画像は第2の背景メモリ2902に転送される。
第1の差分器2903は、入力画像と第1の背景メモリ2901との内容を画素単位で差分を求める。同様に、第2の差分器2904は入力画像と第2の背景メモリ2902との内容を画素単位で差分を求める。
絶対値加算器2905は第1の差分器2903で算出された差分の絶対値和を、絶対値加算器2906は第2の差分器2904で算出された差分の絶対値和をそれぞれ1フレーム分求める。比較器2907は第1の絶対値加算器2905、第2の絶対値加算器2906の出力を比較し、その小さいほうを背景画像として選択する。セレクタ2908は比較器2907で小さいと判定された背景画像を第1の背景メモリ2901または2902から選択して形状データ生成部103に出力する。
形状データ生成部103では、順序変換されたフレームを入力し、背景選択部104で選択された背景とのフレーム差分により生成したデータを二値化して任意形状符号化用の形状データを生成する。
任意形状画像符号化部2105では、先に生成した形状データと順序変換部からの出力である画像データを同じフレームのタイミングで入力し、符号化を行なう。画像データの符号化及び形状データの符号化の詳細は、背景技術で説明したとおりである。
背景選択符号化部105は、選択された背景の相対位置を符号化(背景選択符号)する。例えば、入力画像よりも選択された背景画像のフレームが時間的に前であれば"01"、後ろであれば"10"の2ビットを出力する。この時、自分が背景であれば、"00"を付与しても構わない。ここでは"11"は使用しない。
多重化部2106は、背景選択符号を各フレームの符号化データに付与して、複数のエンコードしたビットストリームの多重化を行なう。ビデオの他にオーディオのビットストリームなども多重化する部分であるが、ここでは特に本実施の形態の固有の処理がないため、説明を省略する。
ここで、画像選択部101での背景画像の選択方法は後に詳しく説明するが、ここではまず、その後の処理である、順序変換と形状データの生成について説明する。
図3は形状データ生成までの手順を説明するフローチャートである。
先ず、ステップS1001で、初期設定として、フレーム数を数えるカウンタ値iを1にセットする。
次に、ステップS1002で、画像を入力し、ステップS1003にて、このフレームが背景フレームかどうかの判定を行なう。背景フレームでなければ、ステップS1004にてこのフレームを一時保存し、次のフレームの処理に移る。
次に、ステップS1005にて、カウンタ値を1つ増やし、再度画像入力(ステップS1002)を行なう。ステップS1003にて背景フレームと判定されるフレームが現れるまでこの処理は繰り返し、各フレームを一時保存しておく。背景フレームを検出した時点で、ステップS1006にて、背景データの出力を行なう。この時のデータは、画像データと全画素をオブジェクトとする形状データである。また、この背景データは蓄積される。蓄積される背景画像が新しいほうから最大2フレームである。
次に、ステップS1007で設定するNは、背景フレームが現れるまでのフレーム数で、ステップS1008以降、ステップS1009の判定で「i≧N」となるまで、つまり、
i=1からNまでの繰り返し処理を行なう。
この繰り返し処理は、背景フレームを検出した時点で、それまで一時保存しておいたフレームとの差分処理を行なうものである。まずステップS1010にて、ステップS1006で蓄積された背景フレームと入力画像の画素単位での差分絶対値和を求め、小さいほうを背景画像とし、選択した情報を符号化する。
次に、ステップS1011にて、選択された背景フレームと1番目のフレームとの差分を検出し、ステップS1012にて、このフレームの形状データを生成する。さらにステップS1013にて、このフレームの画像データと形状データを出力する。これらの出力は、任意形状画像符号化の入力となる。
このフレームの処理はこれで終わり、次に、ステップS1014にて、カウンタを1つ増やし、その後、ステップS1009に戻り、2番目のフレームの処理を1番目と同様に行なう。この処理をN−1番目まで行った段階で、繰り返し処理を抜け、終了判定ステップS1015に移る。この時最終フレームの処理まで終わっていない場合は、ステップS1001に戻り、前述の処理を繰り返し行なう。
図4は、図3のフローチャートに従って処理した場合の画面の説明である。
図4に示したように、入力したフレーム列が501、502、503、504の順であり、フレーム列501と504が背景フレームであるとする。フレーム列502及び503の画像は、フレーム列504の背景フレームが入力されるまで、一時保存される。そして、フレーム列504が入力されると、フレーム列501、フレーム列504、フレーム列502、フレーム列503の順に順序変換される。
背景フレームの形状データは全画素がオブジェクトであるとするので、フレーム列511及び512のようになる。フレーム列502の形状データは、フレーム列501と504とを比較した結果、フレーム列501との類似度が高いので、フレーム列501との差分より求める結果、フレーム列513のようになる。
同様に、フレーム列503の形状データは、フレーム列504との類似度が高いのでフレーム列504との差分により、フレーム列514のようになる。複数の背景画像から類似度の高い背景画像を選択することにより、フレーム列503についてはフレーム列501から抽出するより、明らかに精度の高いオブジェクトを抽出できる。
先に説明したように、MPEG-4任意形状画像符号化方式では、フレーム内の処理を行なうイントラモードと、フレーム間の処理を行なうインターモードがある。符号化の処理モードをどのように選ぶかという問題は、背景に設定するフレームをどう決めるかという問と直接の関連はなく、自由に設定可能である。
ただし、背景に設定したフレームをイントラモードにすると、効率のよい符号化が可能となる。フレーム列511、フレーム列512のフレームをイントラモードとして、フレーム列513、フレーム列514のフレームをインターモードとすると、フレーム列513のオブジェクト画像は、フレーム列511の画像の中からサーチして、差分を符号化することになる。
また、フレーム列514のオブジェクト画像は、フレーム列512のオブジェクト画像の中からサーチして、差分を符号化する。このように背景画像をより類似したものとすることで抽出の精度が高まり、符号化効率は向上することになる。
ここで、背景フレームの設定方法について、図5を用いて説明する。
図5は、シーンの内容とは無関係に周期的に背景を選択する方法である。周期的に背景を更新することにより、画像の内容が変化しても発生符号量を抑えることができる。まずステップS1201にて現フレームが周期Tの倍数かどうかの判定を行なう。周期Tの倍数ならば、ステップS1202にて背景フレームに設定する。周期Tの倍数でなければ、ステップS1203にて最終フレームかどうかの判定を行なう。最終フレームでなければ、ステップS1201からの処理を繰り返す。最終フレームの場合は、ステップS1204にて、このフレームを背景フレームに設定する。
図6は、周期T=5の場合の例である。シーケンスの先頭のフレームはイントラモード(I)で最初に符号化する。2番目のフレームから4番目のフレームは一時保存し、5番目のフレームが入力された時点で、このフレームをイントラモード(I)で符号化する。次に、1番目のフレームまたは5番目のフレームとの背景差分データで小さい方をインターモード(P)で符号化する。ここでは1番目の背景画像との背景差分データを符号化する。
さらに、3番目のフレームと1番目のフレームまたは5番目のフレームとの背景差分データで小さい方をインターモード(P)で符号化する。ここでは1番目の背景画像との背景差分データを符号化する。
さらに以下、4番目のフレームと1番目のフレームまたは5番目のフレームとの背景差分データで小さい方をインターモード(P)で符号化する。ここでは5番目の背景画像との背景差分データを符号化する。この処理の繰り返しとなる。
上述したように、第1の実施の形態に係る画像処理装置によれば、あらかじめ背景画像を用意するような構成にしなくても、連続して入力するフレームの中から背景画像と任意形状画像を選択することにより、シーンに限定されない汎用的な高能率符号化システムを実現することができる。また、シーンチェンジが背景画像のフレーム間隔の間で発生しても、適宜、背景画像を選択できることから、特にシーンチェンジ等の機構を設けずとも効率の良い任意形状の生成と符号化が行なえる。
なお、背景画像の選択を画像全体の差分値の絶対値和を用いて判定したが、これに限定されず、抽出したオブジェクトの大きさや、符号化後の符号長を判定に用いてももちろん構わない。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した符号化側の処理に対応する復号化側の処理である。
図7は、復号化側の全体構成を示すブロック図である。背景技術で説明した図18との大きな違いは、所望のタイミングでシーケンスの中に背景画像が挿入されることにある。
分離部2201では、複数のビットストリームをデコーダ毎のビットストリームに分離する。
前記ビットストリームの種類としては、ビデオの他にオーディオなどもあるが、ここでは本実施の形態固有の処理であるビデオのビットストリームについてのみ図示している。任意形状画像復号化部2203では、分離されたビデオのビットストリームを入力し、画像データと形状データを復号画像として出力する。
これは、背景技術で説明したMPEG-4 Core Profileのデコーダを用いるのがよい。背景選択復号化部203では、背景画像選択符号を復号し、背景選択信号を生成する。背景選択部204では、任意形状復号化部2203で復号された画像から背景画像を選択し、蓄積すると共に、背景選択復号化部203で復号された背景選択信号によって背景を選択して出力する。画像合成部201では、選択された背景画像と現フレームの画像データ及び形状データから合成画像を生成し、順序逆変換部202へ出力する。順序逆変換部202では、符号化時に順序変換したフレームを元の順序に戻す処理を行なう。画像出力部2205は、ディスプレイのような画像表示装置が代表的なものであり、入力したフレームを所望のタイミングで順次表示する。
次に、背景選択部204、画像合成部201、順序逆変換部202の処理手順を、図8のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1101にて、デコードデータの入力を行なう。そしてステップS1102にて、このフレームが背景かどうかの判定を行なう。背景フレームの判定は背景選択符号が"00"であったり、形状が矩形であったりすることから判定できる。先頭フレームの場合は、背景に設定されているので、YESとなるのでステップS1107に進む。
ステップS1107では、最初の背景フレームかどうかの判定を行なう。最初の背景フレームなら、ステップS1109に進み、ステップS1109にて終了判定を行ない、終了でなければ、ステップS1110にて現背景フレームを一時保存する。
一方、ステップS1102の判定の結果、入力したデコードデータが背景フレームでなかった場合は、ステップS1103に進んで、背景選択信号に基づき、現背景フレームか、前背景フレームのいずれかを選択する。
次に、ステップS1104では、選択された背景フレームと、現フレームの画像データ及び形状データから合成画像を生成する。
次に、ステップS1105にて、合成画像フレームを出力する。ステップS1106の終了判定にて、最終フレームか否かの判定を行い、NOならば、ステップS1101からの処理を繰り返す。ステップS1102の判定にて、次の背景フレームが見つかると、ステップS1108にて、それまでの合成処理に用いていた前背景フレームを出力し、ステップS1110にて現フレームを背景として新たに保存する。この時、前々背景フレームは破棄される。またステップS1106またはS1109の終了判定にて、終了の場合は、ステップS1111にて、この背景フレームを出力し、一連の処理を終える。
次に、図9を用いて、図8の処理の流れをさらに詳しく説明する。ここでは「周期T=4」であるとする。
図8におけるステップS1101では、最初のデコードデータ601及び611を入力する。形状データが全画素オブジェクトであるので、このフレームは背景と判定される。
次に、ステップS1102はYESとなり、ステップS1107に進む。これは最初のフレームなので、ステップS1107はYESとなり、ステップS1109に進む。このフレームは最終フレームではないので、ステップS1110にて611を一時保存する。
次に、ステップS1101でデコードデータ602及び612を入力する。このフレームも背景画像と判定されるので、次のステップS1107に進んで最初の背景フレームか否かを判定する。この判定の結果、この場合は最初の背景フレームではないので、NOとなり、ステップS1108に進んで前背景フレーム611を出力する。
次に、ステップS1109の終了判定を行なうが、この場合はNOであり、ステップS1110にて新たな背景フレーム612を追加して一時保存し、次のデコードデータの入力に移る。この時、前々背景フレームがあればこれを廃棄する。この場合は存在しない。
続いてステップS1101でデコードデータ603及び613を入力する。このフレームは背景ではないので、次のステップS1102の判定結果はNOとなり、ステップS1103に進む。ステップS1103では、復号された背景選択信号に基づき、背景を選択する。613の場合は選択された背景は611である。
次に、ステップS1104で、背景画像611と任意形状画像613を形状データ603に基づいて合成する。その後、ステップS1105にて生成した合成画像フレーム623を出力する。
次に、ステップS1106で終了判定を行なうが、このフレームは最終フレームではないので、ステップS1101に戻り、次のデコードデータ604及び614を入力する。このフレームは背景ではないので、ステップS1102はNOとなり、ステップS1103に進む。ステップS1103では、復号された背景選択信号に基づき、背景を選択する。デコードデータ614の場合は選択された背景はデコードデータ612である。
次に、ステップS1104で背景画像611と任意形状画像614を形状データ604に基づいて合成する。その後、ステップS1105にて生成した合成画像フレーム624を出力する。その後、ステップS1106で終了判定を行なうが、このフレームは最終フレームではないので、ステップS1101に戻り、次のデコードデータを入力する。
背景の周期T=4であると、次のフレームは背景であるのでステップS1102の判断の結果はYESとなり、ステップS1107に進んで最初の背景か否かを判定する。このフレームは最初の背景ではないなので、ステップS1107の判定はNOとなり、ステップS1108に進んで前背景フレーム612を出力する。
次に、ステップS1109で終了判定を行なうが、この終了判定はNOであり、この場合はステップS1110にて新たな背景フレームを一時保存し、次のデコードデータの入力に移る。このように、順序逆変換後の出力は、デコードデータ621、デコードデータ623、デコードデータ624、デコードデータ622の順になり、正しい出力順序に戻ることになる。
この関係を、図10でさらに説明する。
図10の処理は、図6の逆の処理となる。図6で説明したように、背景に設定したフレームをイントラモードとし、背景の周期T=5とする。1番目にイントラモード(I)でデコードし、これを背景画像として一時保存する。
2番目もイントラモード(I)でデコードし、これを背景画像として一時保存する。この時、1番目を出力する。3番目にインターモード(P)でデコードし、背景選択信号も復号する。デコードした任意形状画像と先の背景画像から背景選択信号に基づき、このフレームの合成画像を生成・出力する。4番目と5番目も同様に、インターモード(P)でデコードし、デコードした任意形状画像と先の背景画像から背景選択信号に基づき、このフレームの合成画像を生成・出力する。
6番目がイントラモードであるために、この時に直前の背景フレームを出力する。その後、前々の背景画像(この場合は1番目の背景画像)を廃棄し、現背景画像を前背景画像とし、復号した背景画像を現背景画像とする。以下この繰り返しとなる。この順序逆変換により、正しい出力順序が得られることになる。
したがって、復号後の画像621、622、623、624が図4のフレーム列(501、502、503、504)に対応し、図7の復号側と図1の符号化側の処理とが完全に対応することとなる。
上述したように、第2の実施の形態に係る画像処理装置によれば、あらかじめ背景画像を用意するような構成を採らなくても、一連のシーケンスの中から背景画像と任意形状画像を復号・合成することにより、シーンに限定されない汎用的な高能率復号化システムを実現することができる。また、シーンチェンジが生じても背景画像を選択できるので符号化効率の損失は発生しない。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について、説明する。
図11は、第1の実施の形態の図2に記した背景画像選択部104の詳細を表した別なブロック図である。図11において、図2の機能と同じ機能を果たすものについては同番号を付して、詳細な説明を省略する。
図11において、入力された背景画像が第1の実施の形態同様に第1の背景メモリ2901、第2の背景メモリ2902に格納される。平均器3001は第1の背景メモリ2901と第2の背景メモリ2902から画素データを読み出し、平均画像を生成する。第1の背景メモリ2901の(x、y)位置の画素データをA(x,y)、第2の背景メモリ2902の(x、y)位置の画素データをB(x,y)としたとき、下記の(1)式に従って平均画像の(x、y)位置の画素データをC(x,y)を算出する。
C(x,y)=(A(x,y)+B(x,y))/2 … (1)
第1の実施の形態と同様に、第1の差分器2903、第2の差分器2902は入力画像と第1の背景メモリ2901、2902との内容を画素単位で差分を求める。絶対値加算器2905、2906はそれぞれ算出された差分の絶対値和を1フレーム分求める。差分器3002は平均器3001で生成された平均画像と入力画像とで画素単位で差分を求める。絶対値加算器3003は算出された差分の絶対値和を1フレーム分求める。
比較器3004は絶対値加算器2905、2906、3003の出力を比較し、最小のものを背景画像として選択する。セレクタ3005は比較器3004で最小と判定された背景画像を第1の背景メモリ2901、2902または平均器3001から選択して形状データ生成部103に出力する。また、背景選択符号化部105は第1の実施の形態の背景選択符号で未使用の"11"を用い、この符号が平均画像を背景画像とすることを表すものとする。
図12は、形状データ生成までの処理手順を説明するフローチャートである。第1の実施の形態における図3と同じ機能を果たすものは同番号を付し、説明を省略する。
図3との違いは、ステップS1009とステップS1010の間にステップS3210が入り、ステップS3201で、前後の背景画像から平均の背景画像を算出することが異なる。ステップS1010でも前後の背景画像との差分に加え、背景の平均画像もその選択の対象となる。
図13に、その様子を表す。図13において3101と3103を背景画像とすると、背景が徐々に変化しているとする。この時、3102の背景はその中間の値である。入力したフレーム列が3101、3102、3103の順であり、3101と3103が背景フレームであるとする。3102の画像は3103の背景フレームが入力されるまで、一時保存される。
フレーム列3103が入力されると、フレーム列(3101、3103、3102)の順に順序変換される。背景フレームの形状データは全画素がオブジェクトであるとするので、フレーム列3111及び3114のようになる。フレーム列3102の形状データは、フレーム列3101、フレーム列3103、及びフレーム列3101とフレーム列3103の画素毎の平均で構成される平均画像とを比較した結果、平均画像との類似度が高い。
このため、平均画像との差分より求めるので、フレーム列3112のようになる。それ以外だと全面がオブジェクトとされてしまい、背景画像と同じ符号化を行なうことになる。複数の背景画像及び背景の平均画像から類似度の高い背景画像を選択することにより、精度の高いオブジェクトを抽出できる。
復号においても、第2の実施の形態と同様であるが、背景選択復号化部203は"11"を復号したとき、平均画像を生成することを背景選択部204に伝え、背景選択部204は前後の背景から平均画像を生成して画像合成部201に入力する。これによって、合成される背景も変化し、好適な合成画像を再生することができる。
上述したように、第3の実施の形態に係る画像処理装置によれば、あらかじめ背景画像を用意するような構成を採らなくても、一連のシーケンスの中から背景画像と任意形状画像を復号・合成することにより、シーンに限定されない汎用的な高能率復号化システムを実現することができる。また、符号化効率の損失を生じることなく背景画像の時間的な変化にも対応できる。
なお、本実施の形態で平均画像の生成を(1)式のように平均で求めたが、これに限定されず、入力画像と各背景画像との時間的な差分を重みとして平均を行なっても構わない。すなわち、前の背景画像の時刻をt1、後の背景画像の時刻をt3とし、入力画像の時刻をt2とした時、(2)式のように平均画像を求めることができる。
C(x,y)=(A(x,y)/(t2−t1))+(B(x,y)/(t3−t2)) …(2)
これにより、背景画像の変化をより的確に算出することが可能になる。
<他の実施の形態>
尚、本発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、カメラ、ディスプレイ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、カムコーダ、ビデオテープレコーダ、等)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明を前記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
本発明の第1の実施の形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。 背景選択部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る形状データの生成手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における形状データと画像データの処理について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る背景フレームの設定手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における順序変換処理について説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像データの合成手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における形状データと画像データの処理について説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態における順序逆変換処理について説明するための図である。 第3の実施の形態を示し、背景画像選択部の詳細を表したブロック図である。 第3の実施の形態を示し、形状データ生成までの処理手順を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態において、前後の背景画像から平均の背景画像を算出する様子を示す図である。 従来例に係る符号化側の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 従来例に係る符号化側の画像処理装置の構成を示すブロック図であり、特に画像分離部の処理について説明するための図である。 従来例に係る符号化側の形状データと画像データの処理について説明するための図である。 任意形状符号化部の構成を示すブロック図である。 従来例に係る復号化側の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 従来例に係る復号化側の画像処理装置の構成を示すブロック図であり、特に画像表示部の処理について説明するための図である。 任意形状復号化部の構成を示すブロック図である。
符号の説明
101 画像選択部
102 順序変換部
103 形状データ生成部
104、204 背景選択部
105 背景選択符号化部
201 画像合成部
202 順序逆変換部
203 背景選択復号化部
2101 画像入力部
2105 任意形状符号化部
2106 多重化部
2201 分離部
2205 画像出力部

Claims (15)

  1. 複数のフレームから構成される動画像データを入力する動画像入力手段と、
    前記動画像入力手段により入力した動画像データの中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択手段と、
    前記画像選択手段により選択された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択する背景選択手段と、
    前記背景選択手段により選択された背景画像と、入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成する形状データ生成手段と、
    前記動画像入力手段により入力した入力画像を形状データと共に任意形状画像として符号化する画像符号化手段と、
    前記背景選択手段の選択状況を示すデータを符号化する背景選択符号化手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像符号化手段は、前記画像選択手段によるフレームの選択状態に基づきフレームの順序を入れ換えて符号化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記形状データ生成手段は、前記背景画像を入力し、前記背景画像に対して形状データを全画素オブジェクトとして出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像選択手段は、一定の周期で背景画像とするフレームを設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記背景選択手段は、任意形状画像のフレームにおける前後の背景画像のフレームから選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記背景選択手段は、前後の背景画像におけるフレームの平均画像を新たな背景画像フレームとして生成する平均背景画像生成手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記平均背景画像生成手段は、任意形状画像からの距離に応じて加重平均を用いて背景画像フレームを生成することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 入力された動画像データの中から背景画像とするフレームと任意形状画像とするフレームとを区別し、前記区別された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択し、前記選択された背景画像と入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成し、前記入力された動画像データを形状データと共に任意形状画像として符号化して得られた符号化された動画像データと前記選択された背景画像の選択状況を示すデータを符号化して得られた情報データとを入力する入力手段と、
    前記情報データに基づいて前記符号化された動画像データを復号化する復号化手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  9. 前記入力画像と比較された背景画像は、前記区別された複数の背景画像のフレームの平均画像であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記平均画像は、前記区別された複数の背景画像を比較対象の入力画像からの距離に応じて加重平均を用いて生成されたこと特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 複数のフレームから構成される動画像データを入力する動画像入力工程と、
    前記動画像入力工程で入力した動画像データの中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択工程と、
    前記画像選択工程で選択された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択する背景選択工程と、
    前記背景選択工程で選択された背景画像と、入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成する形状データ生成工程と、
    前記動画像入力工程で入力した入力画像を形状データと共に任意形状画像として符号化する画像符号化工程と、
    前記背景選択工程の選択状況を示すデータを符号化する背景選択符号化工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  12. 入力された動画像データの中から背景画像とするフレームと任意形状画像とするフレームとを区別し、前記区別された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択し、前記選択された背景画像と入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成し、前記入力された動画像データを形状データと共に任意形状画像として符号化して得られた符号化された動画像データと前記選択された背景画像の選択状況を示すデータを符号化して得られた情報データとを入力する入力工程と、
    前記情報データに基づいて前記符号化された動画像データを復号化する復号化工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  13. 複数のフレームから構成される動画像データを入力する動画像入力工程と、
    前記動画像入力工程で入力した動画像データの中から背景画像とするフレームと、任意形状画像とするフレームとを選択する画像選択工程と、
    前記画像選択工程で選択された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択する背景選択工程と、
    前記背景選択工程で選択された背景画像と、入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成する形状データ生成工程と、
    前記動画像入力工程で入力した入力画像を形状データと共に任意形状画像として符号化する画像符号化工程と、
    前記背景選択工程の選択状況を示すデータを符号化する背景選択符号化工程とを有する画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  14. 入力された動画像データの中から背景画像とするフレームと任意形状画像とするフレームとを区別し、前記区別された背景画像のフレームから入力画像のフレームと比較する背景画像のフレームを選択し、前記選択された背景画像と入力画像とを比較し、これらの画像の差分値から形状データを生成し、前記入力された動画像データを形状データと共に任意形状画像として符号化して得られた符号化された動画像データと前記選択された背景画像の選択状況を示すデータを符号化して得られた情報データとを入力する入力工程と、
    前記情報データに基づいて前記符号化された動画像データを復号化する復号化工程とを有する画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  15. 前記請求項13または14に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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