JP2005175842A - 光検出装置及び光空間伝送装置 - Google Patents

光検出装置及び光空間伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光軸補正の精度が高い光空間伝送装置を提供する。
【解決手段】 第1および第2の受光素子(57、58)と、外部から入射した光束を集光して第1および第2の受光素子の受光面に光束のスポットを形成する集光光学系(52、53)と、第1および第2の受光素子からの出力を合成して、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段(33)とを有し、第1および第2の受光素子の受光面に形成されるスポット同士が点対称の関係を有することを特徴とする光検出装置。
【選択図】 図10

Description

本発明は、離れた二地点間に対向設置されて、自由空間中を伝搬する光ビームにより光信号を送り通信を行う光空間伝送装置で、特に装置の角度ずれによる光ビームの光軸補正機能を持つ装置に関するものである。
一般的に自由空間中に光ビームを伝搬させて通信を行う光空間伝送装置は、光のパワーを効率よく伝送するために、光ビームの拡がり角を極力小さくした狭い光ビームで伝送する必要がある。しかし、光ビームを狭くすると、建物あるいは支持部材の風圧や振動による揺れ、温度変動による歪み、経時変化による角度変動などのため、光ビームが相手装置から外れやすくなり、安定した通信が難しい。そこで、図13のように、装置の角度が変わっても角度変化を補正して常に光ビームが相手装置を向くような光軸ずれ補正機能を持つ装置が考案されている。
図13は不図示の相手装置と光通信を行う光空間伝送装置の構成図である。同図において、100は光ビームの送信及び受信のための光学系である。相手装置への送信光は半導体レーザ等の発光素子210から放出される。発光素子210から出射された送信光は偏光しており、偏光方向は紙面に水平になるように設定されている。この方向の偏光は偏光ビームスプリッタ220で送受光レンズ230の方向に反射され、送受光レンズ230で、僅かに拡がりを持つ略平行の光ビーム240となって相手装置の方向に送信される。
他方、相手装置から送られて受信光は、光空間伝送装置よりの送信光と同じ光軸上で逆の進路をたどり、送受光レンズ230から偏光ビームスプリッタ220に入射するが、偏光方向が送信光と直交するように(偏光方向は紙面に垂直)設定されているために、偏光ビームスプリッタ220をそのまま透過し、ビームスプリッタ250に入る。
受信光の大部分は、ビームスプリッタ250で反射し、光信号検出用の受光素子260に入射して、通信用の信号が検出されるが、一部の光はビームスプリッタ250を透過して、光位置検出素子270に入射する。
光位置検出素子270は、例えば図14(A)に示すような4分割されたフォトダイオードである。図14(A)は27aから27dまでの4つに分割されたフォトダイオードに光スポット42が当たっている状態を示す。
光位置検出素子270は、受光面に形成されたスポットの光の強度分布に応じた信号を出力し、4つのフォトダイオード27aから27dの出力を比較することにより、光スポット42の位置を知ることができる。
また、別のタイプの光位置検出素子として、例えば図14(B)のような一般にPSDと言われる特殊な光スポット位置検出用のフォトダイオードがある。PSDでは光スポット42の縦方向の位置は端子Y1とY2の電圧を比較することにより、また横方向の位置は端子X1とX2の電圧を比較することにより知ることができる。
光位置検出素子270から出力された信号は、角度補正情報として制御回路280で演算処理され、光学系100の駆動回路290に駆動信号が出力される。そして駆動回路290により、光学系100を垂直方向に駆動する駆動機構300および水平方向に駆動する駆動機構310を駆動して、光スポット42の位置が光位置検出素子270の中心部にシフトするように光軸が補正される。ここで、図14(A)の例では4つのフォトダイオード27aから27dの出力が全て等しくなるような方向に光学系100が駆動される。
光位置検出素子270、発光素子210及び光信号検出用の受光素子260は、全て光軸が一致するように位置調整がなされており、光位置検出素子270の中心に光スポット42が当たった状態では、光信号検出用の受光素子260の受光面の中心にも受信光が入射しており、かつ発光素子210よりの光の中心は相手装置の方向に放射される。このようにして常に送信光が受信光の方向、即ち相手装置に向かうように光軸ずれ補正が行われる。
このような光位置検出素子270を位置検出に使用する場合、図14(A)の例では、位置変化に対する出力の感度は受光面に形成されたスポット42の面積に依存する。4分割された各フォトダイオード27a〜27dの境界線を横切るときに急激に出力が変化することを防止し、適正な位置感度を得るために、受光スポット42には適当な面積を持たせることが望ましい。
また、図14(B)の例ではPSDの仕様上の制限で動作が保証されるスポットの大きさが規定されており、スポットの受光面上における面積をあまり小さくすることができない。このために、一般的には集光点よりもディフォーカスした位置に、光位置検出素子270の受光面位置を設定している。
しかしながら、上述の従来例の大気中で送受光を行う光空間伝送装置は、大気の揺動によって光ビームがゆらぐ現象に影響を受ける。この大気の揺動は、光ビーム全体のゆらぎの原因となるマクロなゆらぎと、伝送ビーム内の強度分布の差を生じさせるミクロなゆらぎの2種類に大別することができる。こられの大気の揺動のうち、大気のマクロなゆらぎについては、伝送地点での伝送ビーム径をある程度広くすること、自動追尾機構を備えることなどにより影響を少なくすることができる。
図15は大気のミクロなゆらぎをモデル化した図であり、光空間伝送装置と相手装置との伝送路においては、圧力や温度の異なる大気の混合等が発生するため、屈折率が時間的に変動する不均一な分布となる。
これにより、伝送ビームの広がりWの中に強度の強い部分W1と強度の弱い部分W2が発生し、さらに空間のある一点における光ビームの強度が時間的に変化することにより、強度の弱い部分W2が伝送ビームの広がりWの中であたかもランダムに揺れているように観察され、これが大気のミクロなゆらぎとよばれる。
従来の光軸ずれ補正機能を有する光空間光伝送装置は、光位置検出素子270の受光面が集光点よりもディフォーカスした位置に配置されるように構成しており、大気のミクロなゆらぎがある状態では、受光面上に形成されたスポット42の光の強度分布が不均一となる。
このため、図16に示すように入射瞳に相当する装置のビーム取込口(図15のM)における光強度分布がそのまま投射されることになり、強度の弱い部分と強度の強い部分が発生し、光束中心とは異なる光強度中心が光軸と判断される。
その結果、図16に示すようにスポット42の中心点が受光面の中心に位置して、実際に光軸ずれが発生していなくても、強度分布の不均一により、スポット42が図中左下方向にシフトするように光軸が補正されてしまう。この位置ずれ量に相当する角度の分だけ光軸方向のずれが発生するため、光軸ずれ補正の誤差が大きくなり、最悪の場合、送信光が相手装置に届かずに通信不能となるおそれがある。
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、受光ビームに不均一な強度分布があっても、これによって生ずる光軸ずれ補正誤差を減少させ、更に大気のミクロなゆらぎが発生しても安定した通信を行うことができる光軸ずれ補正機能(または光軸ずれ検出機能のみでもよい)を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願発明の光検出装置の第1の構成は、第1および第2の受光素子と、外部から入射した光束を集光して第1および第2の受光素子の受光面に光束のスポットを形成する集光光学系と、第1および第2の受光素子からの出力を合成して、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、第1および第2の受光素子の受光面に形成されるスポット同士が点対称の関係を有することを特徴とする。
ここで、第1の受光素子の受光面を、集光光学系の集光点よりも集光光学系に近い位置に配置するとともに、第2の受光素子の受光面を、集光点よりも集光光学系から遠い側に配置するとよい。
また、本願発明の空間を伝搬する光束により相手装置と通信を行う光空間伝送装置の第1の構成は、第1および第2の受光素子と、相手装置から入射した光束を集光して第1および第2の受光素子の受光面に光束のスポットを形成する集光光学系と、第1および第2の受光素子からの出力を合成して、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、第1および第2の受光素子の受光面に形成されるスポット同士が点対称の関係を有することを特徴とする。
ここで、第1の受光素子の受光面を、集光光学系の集光点よりも集光光学系に近い位置に配置するとともに、第2の受光素子の受光面を、集光点よりも集光光学系から遠い側に配置するのが好ましい。
相手装置と光束による通信を行うための通信光学系と、情報に基づいて通信光学系又は光空間伝送装置の向きを制御する制御手段とを有するようにするのが好ましい。
集光光学系に、通信光学系に入射した光束の一部を用いてスポットを形成させるようにするのが好ましい。
本願発明の光検出装置の第2の構成は、受光素子と、外部から入射した光束を略同一光軸上の第1および第2の集光点のそれぞれに集光させるとともに、受光素子の受光面に光束のスポットを形成させる集光光学系と、受光素子からの出力に基づいて、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、受光素子の受光面が、第1および第2の集光点の間に配置されていることを特徴とする。
第1の集光点を通過した光束により受光面に形成されるスポットと、第2の集光点に向かう光束により受光面に形成されるスポットとを略同一の大きさにするのが好ましい。
本願発明の空間を伝搬する光束により相手装置と通信を行う光空間伝送装置の第2の構成は、受光素子と、相手装置から入射した光束を略同一光軸上の第1および第2の集光点のそれぞれに集光させるとともに、受光素子の受光面に光束のスポットを形成させる集光光学系と、受光素子からの出力に基づいて、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、受光素子の受光面が、第1および第2の集光点の間に配置されていることを特徴とする。
ここで、第1の集光点を通過した光束により受光面に形成されるスポットと、第2の集光点に向かう光束により受光面に形成されるスポットとを略同一の大きさにするのが好ましい。
また、相手装置と光束による通信を行うための通信光学系と、情報に基づいて通信光学系又は光空間伝送装置の向きを制御する制御手段とを設けるとよい。
集光光学系に、通信光学系に入射した光束の一部を用いてスポットを形成させるのが好ましい。
上述の光検出装置の第1の構成によれば、第1および第2の受光素子の受光面に形成されたスポットは点対称の関係を有しており、情報生成手段により第1および第2の受光素子からの出力を合成して、スポットの位置に関する情報を生成しているので、光の強度分布が均一化され、光軸の位置を正確に検出することができる。
また、第1の受光素子の受光面を、集光光学系の集光点よりも集光光学系に近い位置に配置するとともに、第2の受光素子の受光面を、集光点よりも集光光学系から遠い側に配置することにより、第1の受光素子の受光面と第2の受光面に形成されるスポット同士を確実に点対称とすることができる。
また、本願発明の光空間伝送装置の第1の構成によれば、第1および第2の受光素子の受光面に形成されたスポットは点対称の関係を有しており、情報生成手段により第1および第2の受光素子からの出力を合成して、スポットの位置に関する情報を生成しているので、光の強度分布が均一化され、光軸を正確に把握することができるため、光軸のずれ補正が容易となる。
ここで、第1の受光素子の受光面を、集光光学系の集光点よりも集光光学系に近い位置に配置するとともに、第2の受光素子の受光面を、集光点よりも集光光学系から遠い側に配置することにより、第1の受光素子の受光面と第2の受光面に形成されるスポット同士を確実に点対称とすることができる。
相手装置と光束による通信を行うための通信光学系と、情報に基づいて通信光学系又は光空間伝送装置の向きを制御する制御手段とにより、送信光と受信光の光軸を通信光学系又は光空間伝送装置の向きを変えることにより確実に一致させ、通信の安定性が高い光空間伝送装置を提供することができる。
集光光学系に、通信光学系に入射した光束の一部を用いてスポットを形成することにより、受信光の光軸を確実に把握することができる。
本願発明の光検出装置の第2の構成によれば、受光素子と、外部から入射した光束を略同一光軸上の第1および第2の集光点のそれぞれに集光させるとともに、受光素子の受光面に光束のスポットを形成させる集光光学系と、受光素子からの出力に基づいて、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、受光素子の受光面が、第1および第2の集光点の間に配置されているため、光の強度分布が均一化され、光軸の位置を正確に検出することができる。
第1の集光点を通過した光束により受光面に形成されるスポットと、第2の集光点に向かう光束により受光面に形成されるスポットとを略同一の大きさにすることにより、これらのスポットを重畳させ、光の強度分布を確実に均一化することができる。
本願発明の光空間伝送装置の第2の構成によれば、受光素子と、相手装置から入射した光束を略同一光軸上の第1および第2の集光点のそれぞれに集光させるとともに、受光素子の受光面に光束のスポットを形成させる集光光学系と、受光素子からの出力に基づいて、スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、受光素子の受光面を、第1および第2の集光点の間に配置しているため、光の強度分布が均一化され、光軸の位置を正確に検出することができる。
第1の集光点を通過した光束により受光面に形成されるスポットと、第2の集光点に向かう光束により受光面に形成されるスポットとを略同一の大きさにすることにより、これらのスポットを重畳させ、光の強度分布を確実に均一化することができる。
また、相手装置と光束による通信を行うための通信光学系と、情報に基づいて通信光学系又は光空間伝送装置の向きを制御する制御手段とを設けることにより、送信光と受信光の光軸を通信光学系又は光空間伝送装置の向きを変えることにより確実に一致させ、通信の安定性が高い光空間伝送装置を提供することができる。
集光光学系に、通信光学系に入射した光束の一部を用いてスポットを形成させることにより、受信光の光軸を確実に把握することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1に本願発明の実施例である光軸ずれ補正機能を備えた光空間伝送装置を示す。23は光ビームの送信及び受信のための光学系である。不図示の相手装置への送信光は半導体レーザ等の発光素子21から出射される。発光素子21から出射された送信光は偏光しており、偏光方向は紙面に水平になるように設定されている。この方向の偏光は偏光ビームスプリッタ22で送受光レンズ23の方向に反射され、送受光レンズ23で、僅かに拡がりを持つ略平行の光ビーム24となって相手装置の方向に送信される。
他方、相手装置から送られて受信光は、光空間伝送装置よりの送信光と同じ光軸上で逆の進路をたどり、送受光レンズ23から偏光ビームスプリッタ22に入るが、偏光方向が送信光と直交するように(偏光方向は紙面に垂直)設定されているために、偏光ビームスプリッタ22をそのまま透過し、ビームスプリッタ25に入る。
受信光の大部分は、ビームスプリッタ25で反射し、光信号検出用の受光素子26に入射して、通信用の信号が検出されるが、一部の光はビームスプリッタ25を透過し、更に2焦点光学系32を透過して、光位置検出素子27の受光面に光のスポットが形成される。
次に、図2を用いて2焦点光学系32と光位置検出素子27との関係を詳細に説明する。図2は、2焦点光学系32を透過した受信光が光位置検出素子27及び2焦点光学系32の間に位置する集光点F1と、この集光点F1と光位置検出素子27を挟んで対向する集光点F2とに集光している状態を示した図である。なお、これらの集光点F1とF2は光軸上に位置している。
同図に示すように、ビームスプリッタ25を透過した略平行な受信光は、2焦点光学系32により、集光点F1及びF2に集光される。これらの集光点F1及びF2は受信光の焦点と略一致しており、これらの焦点の間には、上述の光位置検出素子27の受光面が配置されている。
背景技術でも説明したが、光位置検出素子27は、図14(A)に示すような4分割されたフォトダイオードであり、受光面に形成されたスポット42の光の強度分布に応じた信号が出力され、各フォトダイオード27a〜27dからの出力を比較することにより、光スポット42の位置を知ることができる。
2焦点光学系32は、図3のような同心円上の溝が複数形成されたフレネルレンズであり、例えば外周から順に1番目の溝を通る光は焦点F2を通り、2番目の溝を通る光は焦点F1を通り、3番目の溝を通る光は焦点F2を通り・・・というように、交互に焦点F1及び焦点F2に集光するような角度に成形されている。
また、別の例として図4のような、位置によって曲率の異なる複数の球面を持つレンズや、図5、図6のように複数のレンズを光軸方向に並べて配置してもよい。図4、図5、図6に示す変形例は、図3のフレネルレンズ32よりも各焦点に集光させる精度は低いが、大気の揺らぎの影響を1/2以下に改善することができる。また、構造が単純で製作も容易であるため、コストを削減することができる。
ここで、光位置検出素子27の受光面が図7(a)のように集光光学系の焦点より前におかれた場合(集光レンズ61と焦点の間に光位置検出素子27の受光面が配置された場合)、受光面に形成されるスポットの形状は、図7(b)に示す42aのようになり、光位置検出素子27の受光面が図8(a)のように集光光学系の焦点より後ろにおかれた場合(集光レンズ61と光位置検出素子27の間に焦点が位置する場合)には、図8(b)に示す42bのようになる。
これらのスポット42a及びスポット42bは、図からわかるように、大気の揺らぎによって影響を受ける光の強度分布が、互いに点対称の関係となり、スポット形状も略同一である。なお、光軸ずれが発生したときのスポットの移動方向はいずれも同じ方向になる。
したがって、これらのスポット42a及び42bを重ね合わせることにより、スポットの光強度分布は中心を通る任意の直線に対しても点対称な分布となり、光束中心と光強度中心は一致させることができる。
これらにより、大気の揺らぎによって受光面に形成されるスポットの光強度分布が不均一となっても、光位置検出に影響を与えない。そして、実際に光軸ずれが発生したときは、スポットの移動方向はいずれも同じ方向であるから、スポットのずれを正確に検出することができる。
このようにスポット同士を重ね合わせるという考え方を本実施例でも採用した。すなわち、図2に示すように2個の焦点(集光点F1及びF2と略同じ位置)の中間の所定の位置に光位置検出素子27の受光面を配置し、集光点F1に集光する光束L1と集光点F2に集光する(向かう)光束L2が、重なった状態で光位置検出素子27の受光面に入射する。
これにより、2つの光束L1及びL2の強度分布の不均一がキャンセルし合って、光位置検出素子27の受光面に形成されるスポットの光の強度分布が均一化され、受信光の光軸を正確に検出することができる。
こうして、受光面に均一な光の強度分布を有するスポットが形成された光位置検出素子27からは、光の強度分布に応じた信号が出力され、制御回路28はこの出力信号に基づき光学系10の駆動方向及び駆動量を演算し、これを駆動回路29に送信する。
駆動回路29は、これらの駆動情報に基づき駆動機構30および駆動機構31を駆動して、光学系10の角度などを変更する。これにより、スポットの中心が光位置検出素子27の受光面の中心にシフトするように光空間伝送装置の光軸ずれ補正が行なわれる。
なお、本実施例では、光空間伝送装置全体の向きを変えることにより光軸を補正しているが、例えば複数の相手装置にミラーの角度を変えながら順次送信光を伝送する光空間伝送装置の場合、ミラーの角度を調整することにより光軸を補正するようにしてもよい。
本実施例の光空間伝送装置を図9に示す。同図に示すように、実施例1で使用した2焦点光学系32に変えて、集光光学系52及びハーフミラー53を配置するとともに、光位置検出素子を2つ配置している。その他の光学系の構成は実施例1と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、ビームスプリッタ25を透過した受信光は、集光光学系52で集光され、ハーフミラー53に入射する。ハーフミラー53に入射した受信光のうち、一部の光L3は透過し、残りの光L4は光検出素子58へ反射され、受信光の光軸が2つに分かれる。
ハーフミラー53を透過した光L3は、その集光点F3とハーフミラー53の間に配置された光位置検出素子57に入射し、光位置検出素子57の受光面にスポットが形成される。一方、ハーフミラー53で反射された光L4は、その集光点F4の後方に配置された光位置検出素子58に入射し、光位置検出素子58の受光面にスポットが形成される。
ここで、各光検出素子57、58の受光面に形成されたスポットの状態を図7(b)、図8(b)に示す。実施例1と同様に各スポット42a、42bは点対称の関係にあるため、各光位置検出素子57、58から出力される信号を重ね合わせることにより、受信光の強度分布を均一にすることができる。
次に、図11のフローチャートを用いて各光位置検出素子57、58から出力される信号を合成して光軸補正機構を制御する制御手段について説明する。なお、以下のフローチャートに示す手順は制御回路33により実行される。
まず、光位置検出素子57から出力される信号と光位置検出素子58から出力される信号を制御回路33に取り込む(ステップ1、ステップ2)。そして、これらの出力信号を合成し(ステップ3)、合成出力からスポットの位置を検出する(ステップ4)。
ここで、各光位置検出素子57、58の受光面に形成されたスポットは、上述のように点対称の関係にあるため、出力信号を合成することにより光の強度分布は平均化される。したがって、従来例のように、スポット42の中心点が受光面の中心に位置しているにもかかわらず、光軸ずれが発生していると判定されるおそれはない。
スポットの位置が検出されると、スポット42の中心点が受光面の中心にあるかどうかが判定され(ステップ5)、スポットが中心にない場合には、スポットの位置ずれ量を算出しこれに応じた光学系10の駆動方向及び駆動量が演算される(ステップ6)。これらの駆動情報は駆動回路34に送信され、この駆動回路34によって駆動される駆動部30、31により光軸補正が行なわれる(ステップ7)。
なお、ステップ5にてスポットが中央に位置していないと判定された場合及びステップ7が終了した場合には、ステップ1に戻り上述のルーチンを繰り返す。
なお、ハーフミラー53と光検出素子57との間に光L3の集光点F3が位置するように光検出素子57を配置するとともに光L4の集光点F4とハーフミラー53の間に光検出素子58を配置してもよい。
本実施例の光空間伝送装置を図12に示す。ここで、図12は本実施例の光空間伝送装置の概略図である。
実施例1では、光位置検出素子27から出力されたスポットの位置信号から生成された駆動方向及び駆動量に基づき、駆動機構30および駆動機構31を駆動し、スポットの中心が光位置検出素子27の受光面の中心に来るように自動的に光軸ずれ補正を行っている。
これに対して、本実施例では、位置検出素子27の受光面に形成されたスポットを表示器44に表示させ、手動で光軸補正を行なうようにしている。なお、光学系10の構成は、実施例1と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
光位置検出素子27の受光面に形成されたスポットは、受光面の中心からの位置ずれ量を視認できるような状態で表示器44に表示され、これを見ながら操作者が手動でスポットの中心が中央にシフトするように光学系10の操作機構を操作する。
ここで、光学系10の操作機構について説明する。30は光学系10を垂直方向に駆動する駆動機構であり、31は光学系10を水平方向に駆動する駆動機構である。これらの駆動機構30、31はそれぞれ、駆動回路45を介して操作部46、47につながっており、操作部46を操作することにより駆動部30が駆動され、操作部47を駆動することにより駆動部31が駆動される。
したがって、操作者は、表示器44を見ながら操作部46及び47を操作することにより、スポットが受光面の中心にくるように光軸補正を行なうことができる。
この場合、実施例1と同様に、2焦点光学系32を用いることにより、大気の揺らぎで指示値が変動することがないため、作業も容易になり、正確な光軸調整が出来るようになる。これらの光軸調整は装置設置時や保守時に行なうとよい。
本実施例の光空間伝送装置は、相手装置までの伝送距離が短く、コスト削減の要請が強い場合に有効である。
なお、本実施例を実施例2に適用し、表示器44に表示された合成スポットを視認しながら、手動によりスポットの位置調整をできるようにしてもよい。
実施例1の光空間伝送装置の概略図。 2焦点光学系の具体例を示した図。 2焦点光学系の具体例を示した図。 2焦点光学系の具体例を示した図。 2焦点光学系の具体例を示した図。 2焦点光学系の具体例を示した図。 光位置検出素子の例。 光位置検出素子の例。 実施例2の光空間伝送装置の概略図。 実施例2の特徴部分の詳細図。 実施例2の補正機構の駆動制御を示すフローチャート。 実施例3の光空間伝送装置の概略図。 従来例の光空間伝送装置の概略図。 光位置検出素子の受光面にスポットが形成された状態を示した図。 光のミクロ的な揺らぎをモデル化した図。 光の強度分布が不均一のスポットの状態を示した図。
符号の説明
21・・・発光素子
26・・・受光素子
27・・・光位置検出素子
28・・・制御回路

Claims (12)

  1. 第1および第2の受光素子と、
    外部から入射した光束を集光して前記第1および第2の受光素子の受光面に前記光束のスポットを形成する集光光学系と、
    前記第1および第2の受光素子からの出力を合成して、前記スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、
    前記第1および第2の受光素子の受光面に形成される前記スポット同士が点対称の関係を有することを特徴とする光検出装置。
  2. 前記第1の受光素子の受光面は、前記集光光学系の集光点よりも該集光光学系に近い位置に配置され、前記第2の受光素子の受光面は、前記集光点よりも前記集光光学系から遠い側に配置されていることを特徴とする光検出装置。
  3. 空間を伝搬する光束により相手装置と通信を行う光空間伝送装置であって、
    第1および第2の受光素子と、
    前記相手装置から入射した光束を集光して前記第1および第2の受光素子の受光面に前記光束のスポットを形成する集光光学系と、
    前記第1および第2の受光素子からの出力を合成して、前記スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、
    前記第1および第2の受光素子の受光面に形成される前記スポット同士が点対称の関係を有することを特徴とする光空間伝送装置。
  4. 前記第1の受光素子の受光面は、前記集光光学系の集光点よりも該集光光学系に近い位置に配置され、前記第2の受光素子の受光面は、前記集光点よりも前記集光光学系から遠い側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光空間伝送装置。
  5. 前記相手装置と前記光束による通信を行うための通信光学系と、
    前記情報に基づいて前記通信光学系又は該光空間伝送装置の向きを制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項3又は4に記載の光空間伝送装置。
  6. 前記集光光学系は、前記通信光学系に入射した前記光束の一部を用いて前記スポットを形成することを特徴とする請求項5に記載の光空間伝送装置。
  7. 受光素子と、
    外部から入射した光束を略同一光軸上の第1および第2の集光点のそれぞれに集光させるとともに、前記受光素子の受光面に前記光束のスポットを形成させる集光光学系と、
    前記受光素子からの出力に基づいて、前記スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、
    前記受光素子の受光面が、前記第1および第2の集光点の間に配置されていることを特徴とする光検出装置。
  8. 前記第1の集光点を通過した前記光束により前記受光面に形成されるスポットと、前記第2の集光点に向かう前記光束により前記受光面に形成されるスポットとが略同一の大きさを有することを特徴とする請求項7に記載の光検出装置。
  9. 空間を伝搬する光束により相手装置と通信を行う光空間伝送装置であって、
    受光素子と、
    前記相手装置から入射した光束を略同一光軸上の第1および第2の集光点のそれぞれに集光させるとともに、前記受光素子の受光面に前記光束のスポットを形成させる集光光学系と、
    前記受光素子からの出力に基づいて、前記スポットの位置に関する情報を生成する情報生成手段とを有し、
    前記受光素子の受光面が、前記第1および第2の集光点の間に配置されていることを特徴とする光空間伝送装置。
  10. 前記第1の集光点を通過した前記光束により前記受光面に形成されるスポットと、前記第2の集光点に向かう前記光束により前記受光面に形成されるスポットとが略同一の大きさを有することを特徴とする請求項9に記載の光空間伝送装置。
  11. 前記相手装置と前記光束による通信を行うための通信光学系と、
    前記情報に基づいて前記通信光学系又は該光空間伝送装置の向きを制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項9又は10に記載の光空間伝送装置。
  12. 前記集光光学系は、前記通信光学系に入射した前記光束の一部を用いて前記スポットを形成することを特徴とする請求項11に記載の光空間伝送装置。
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