JP2005171097A - 着色樹脂微粒子 - Google Patents

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JP2005171097A JP2003413652A JP2003413652A JP2005171097A JP 2005171097 A JP2005171097 A JP 2005171097A JP 2003413652 A JP2003413652 A JP 2003413652A JP 2003413652 A JP2003413652 A JP 2003413652A JP 2005171097 A JP2005171097 A JP 2005171097A
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Michiya Nakagawa
道也 中川
Takeshi Wakiya
武司 脇屋
Toshio Tada
俊生 多田
Yohei Nishimura
洋平 西村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】 粒子径が充分に小さく、着色度も充分に高いことに加え、界界面活性剤等を含
まないことから、特にペプチド、タンパク質、核酸、核酸塩基等を分析する際に用いるマ
ーカーとして好適に用いることができる着色樹脂微粒子及び該着色樹脂微粒子を用いてな
る診断用微粒子を提供する。
【解決手段】 樹脂微粒子と着色剤とを加圧することによって得られた着色樹脂微粒子で
あって、平均粒子径が30nm〜10μm、かつ、粒子径のCV値が15%以下である着
色樹脂微粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特にペプチド、タンパク質、核酸、核酸塩基等を分析する際に用いるマーカー
として好適に用いることができる着色樹脂微粒子及び該着色樹脂微粒子を用いてなる診断
用微粒子に関する。
従来から、着色樹脂微粒子は、インクや染料の顔料等に広く用いられている。また、近年
では、蛍光染料等により着色した着色樹脂微粒子をマーカーとして、その表面に抗原・抗
体等の分子認識体を固定し、ペプチド、タンパク質、核酸、核酸塩基等の分析に供すると
いう、分析試薬や診断薬の分野での利用が進んできている。例えば、特許文献1には、ス
チレンとエチレン性不飽和スルホン酸とを共重合させてなるラテックスを塩基性染料で着
色した診断試薬用着色ラテックスが開示されており、また、特許文献2には、有機蛍光物
質を含有する樹脂からなる平均粒子径が90nm以上である蛍光性樹脂微粒子をミニエマ
ルジョン法で製造する方法が開示されている。
分析試薬や診断薬の分野に用いる着色樹脂微粒子には、ナノメートルオーダーの粒子径と
、充分な分析精度を確保できる高い着色度とに加え、特に、粒子の表面に抗原・抗体等の
分子認識体を固定できることや、分子の結合を阻害しないこと等が求められている。しか
しながら、これらのすべての要件を高いレベルで兼ね備えた着色樹脂微粒子はなかった。
着色樹脂微粒子を製造する方法としては、大きく分けて樹脂微粒子の製造時に着色剤を加
えることにより着色剤を樹脂微粒子中に内包させる方法と、予め製造した樹脂微粒子の表
面に着色剤を結合させる方法とに分けられる。前者としては、例えば、塊状樹脂粉砕法、
懸濁重合法、乳化重合法、ミニエマルジョン法等が挙げられ、後者としては、例えば、物
理的染色法、化学的染色法等が挙げられる。また、これらの方法の他にも、例えば、化学
的膨潤法等が知られている。
塊状粉砕法は、予め着色剤を含有するようにして重合して得た塊状の樹脂を、粉砕機等を
用いて物理的に粉砕する方法である。この方法によれば、高い着色度を有する着色樹脂微
粒子を容易に製造することができる。しかしながら、この方法により得られる着色樹脂微
粒子の大きさはマイクロメートルオーダーが限界であり、またその形状も非球状であり、
大きさ形とも不揃いなものであった。
懸濁重合法は、着色剤を溶解させた重合性モノマーを分散剤の存在下、水系媒体中に液滴
状に懸濁させ、この状態で液滴を重合させる方法である。この方法により得られる着色樹
脂微粒子は、着色度は高いものの、マイクロメートルオーダーの大きさが限界であり、ま
たその粒子径を一定以下のCV値になるようにするのは困難であった。
乳化重合法は、着色剤の存在下で、重合性モノマー水系媒体中に乳化させた状態で重合さ
せる方法である。この方法により得られる着色樹脂微粒子は、ナノメートルオーダーの粒
子径でありCV値も小さいものの、モノマー滴からモノマーが移動するミセル中で重合が
なされることから取り込まれる着色剤量は少なく、着色度が低いものであった。また、界
面活性剤が粒子表面に存在するため、その表面に分子認識体を固定する際に、界面活性剤
を除去する工程が必要となったり、その工程中に粒子が凝集したり、分子認識体の固定量
が少なくなるという問題があった。
ミニエマルジョン法は、重合性モノマーに着色剤を溶解又は分散させ、界面活性剤と共界
面活性剤との存在下に、水系媒体中で強力な攪拌力をかけてナノメートルオーダーの微粒
子を形成する方法である。この方法により得られた着色樹脂微粒子は、粒子径も充分に小
さく、着色度も高い。しかしながら、乳化重合法と同様に界面活性剤が粒子表面に存在す
るため、分析試薬や診断薬の分野に用いることには適していないものであった。
物理的染色法は、樹脂微粒子を着色剤を溶解した媒体中に混合することにより、樹脂微粒
子の表面に着色剤を付着させる方法である。また、化学的染色方法は、樹脂微粒子の表面
の官能基を介して着色剤を共有結合させる方法である。しかしながら、着色剤が付着でき
るのは表面に限られることから、この方法により得られた着色樹脂微粒子は、着色度が低
いものとなる。また、一定以上の着色度にすると、分散安定性が得られなくなったり、粒
子の表面に抗原・抗体等の分子認識体を固定することができなくなったりして、分析試薬
や診断薬の分野には用いることができなくなるという問題があった。
化学的膨潤法は、樹脂微粒子を有機溶媒により膨潤させた状態で着色剤と混合することに
より、着色剤を樹脂微粒子の内部にまで浸入させる方法である。しかしながら、大量の着
色剤を浸入させるには樹脂微粒子の膨潤度を上げる必要があるところ、樹脂微粒子を高膨
潤させると樹脂微粒子同士が融着してしまうことがある。従って、この方法により得られ
た着色樹脂微粒子は、着色度に限界があった。
特開2001−66312号公報 特開2001−226595号公報
本発明は、上記現状に鑑み、特にペプチド、タンパク質、核酸、核酸塩基等を分析する際
に用いるマーカーとして好適に用いることができる着色樹脂微粒子及び該着色樹脂微粒子
を用いてなる診断用微粒子を提供することを目的とする。
本発明は、樹脂微粒子と着色剤とを加圧することによって得られた着色樹脂微粒子であっ
て、平均粒子径が30nm〜10μm、かつ、粒子径のCV値が15%以下である着色樹
脂微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の着色樹脂微粒子は、樹脂微粒子と着色剤とを加圧することによって得られたもの
である。
本発明者らは、鋭意検討の結果、樹脂微粒子と着色剤とを加圧するだけで、樹脂微粒子と
着色剤とが複合化して、充分に高い着色度を有する着色樹脂微粒子が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
これは、加圧により樹脂微粒子が膨潤する一方、極めて運動エネルギーの高い状態にある
樹脂微粒子と着色剤とが活発に動き回り互いに衝突を繰り返す結果、膨潤した樹脂微粒子
に衝突した着色剤の一部がそのまま樹脂微粒子の内部にまで浸入して複合化するためと考
えられる。
このような方法により製造される本発明の着色樹脂微粒子においては、着色剤は樹脂微粒
子の内部にまで浸入して複合化されることから、表面のみを着色する場合に比べて極めて
高い着色度が得られる。また、着色により分散安定性が損なわれたり、表面に抗原・抗体
等の分子認識体を固定することができなくなったりすることもない。また、樹脂微粒子の
種類や粒子径に係わらず製造できることから、原料樹脂微粒子として後述するソープフリ
ー重合法により得られたものを用いれば、粒子径が充分に小さく揃っており、かつ、界面
活性剤がほとんど含まれることもない。
本発明の着色樹脂微粒子を製造する場合、上記着色剤は、一次粒子径が樹脂微粒子の粒子
径の1/10以下、又は、加圧処理時に樹脂微粒子の媒体に溶解していることが好ましい
。着色剤の一次粒子径が樹脂微粒子の粒子径の1/10を超えると、加圧により膨潤した
樹脂微粒子に着色剤が衝突しても、樹脂微粒子中に着色剤が浸入できず、複合化できない
ことがある。上記着色剤が加圧処理時に樹脂微粒子の媒体に溶解している場合には、着色
剤は極めて容易に樹脂微粒子中に浸入することができる。
上記樹脂微粒子は、媒体に分散した分散体としておくことが好ましい。分散体とすること
により、これに上記着色剤を添加すれば、上記樹脂微粒子と着色剤とが均一に混ざり合い
、高い効率で着色剤を樹脂微粒子に導入することができる。
上記媒体としては、常温常圧で樹脂微粒子に対して貧溶媒である液状媒体及び/又は常温
常圧で気体である加圧流体が好適である。液状媒体を用いれば上記樹脂微粒子の分散が極
めて容易であり、また、常温常圧で樹脂微粒子に対して貧溶媒であれば、樹脂微粒子を変
形させたり変質させたりすることもない。また、常温常圧で気体である加圧流体を用いれ
ば、複合化後に得られた機能性樹脂微粒子を媒体から単離したり乾燥させたりする必要が
ない。
上記常温常圧で樹脂微粒子に対して貧溶媒である液状媒体としては特に限定されず、樹脂
微粒子を構成する樹脂に応じて適宜選択すればよいが、例えば、水やアルコール等の有機
溶剤が挙げられる。
上記常温常圧で気体である加圧流体としては特に限定されないが、例えば、二酸化炭素、
窒素、酸素、空気、水素、アルゴン、ヘリウム、ネオンからなる群より選択される少なく
とも1種が好適である。
これらの媒体のなかでも、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素が特に好適である。
超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素は、樹脂微粒子に対して高い親和性を示す。樹脂
微粒子の良溶媒も超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素と同様に高い親和性を示すが、
良溶媒は密度が高いことから、着色剤の導入に必要な樹脂微粒子の表面の膨潤を引き起こ
すだけではなく、樹脂微粒子を完全に溶解してしまうか、又は、樹脂微粒子が架橋してお
り完全には溶解しない場合であっても樹脂微粒子の凝集や合一を促進してしまう。これに
対して、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素は、樹脂微粒子に対する親和性は高いも
のの、樹脂微粒子を溶解できるほどには密度が高くないことから、樹脂微粒子を溶解する
ことなく適度に膨潤させることができる。
上記樹脂微粒子を媒体に分散した分散体として用いる場合においては、上記着色剤は、上
記媒体中に溶解又は分散していてもよいし、適当な溶剤に溶解させたうえで、該溶液を上
記媒体中に分散させてもよい。このように着色剤が媒体に溶解又は分散している場合には
、着色剤の樹脂微粒子中への輸送能が向上し、着色剤と樹脂微粒子との複合化が促進され
る。
着色剤が媒体に溶解又は分散させるには、着色剤として比較的低分子量のもの又は媒体と
親和性の高い官能基を有するものを用いる方法、少量のモディファィヤーを添加して媒体
中に溶解する方法、分散安定剤を併用する方法等が挙げられる。
例えば、上記樹脂微粒子の媒体として超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素を用いる場
合、上記着色剤としては、比較的低分子量の化合物又は超臨界状態又は亜臨界状態の二酸
化炭素と親和性の高い官能基を有する化合物を選択することが好ましい。このような化合
物を着色剤として用いた場合には、着色剤の超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中で
の分散性が向上し、着色剤の樹脂微粒子中への輸送能が向上する。
また、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中での分散性が劣る着色剤を用いる場合に
は、分散安定剤を併用することが好ましい。例えば、顔料等の無機微粒子を着色剤として
用いる場合、アセトン等のカルボニル化合物を分散安定剤として併用すれば、樹脂微粒子
との複合化が促進される。
上記分散安定剤としては、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素と親和性の高い官能基
を有する化合物が挙げられる。このような官能基としては特に限定されず、例えば、エス
テル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基等のカルボニル官能基;シラノール基
等のケイ素含有官能基;ハロゲン化された原子団を有する官能基;炭素数が9以下の直鎖
アルキル基等が挙げられる。上記ハロゲン化された原子団を有する官能基のなかでは、パ
ーフルオロアルキル基等のフッ素含有官能基が好ましい。
これらの分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加圧における圧力の好ましい下限は0.5MPa、好ましい上限は100MPaであ
る。0.5MPa未満であると、樹脂微粒子が充分に膨潤しなかったり、運動エネルギー
が不足したりして複合化ができないことがあり、100MPaを超えると、樹脂微粒子が
溶解したり凝集してしまったりする恐れがある。より好ましい上限は50MPaである。
なお、上記樹脂微粒子の媒体として二酸化炭素を用いる場合、この圧力範囲では常に超臨
界状態又は亜臨界状態となる。
上記樹脂微粒子を構成する樹脂が架橋されていない場合に、上記加圧時の温度は、樹脂微
粒子を構成する樹脂のガラス転移温度よりも5℃以上低い温度であることが好ましい。こ
れ以上の温度であると、樹脂微粒子の表面が溶解して凝集してしまうことがある。より好
ましくは樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上低い温度である。
なお、上記樹脂微粒子を構成する樹脂が架橋されている場合にはこの限りではない。
また、樹脂微粒子を構成する樹脂が結晶性樹脂である場合には、上記加圧時の温度は、樹
脂微粒子を構成する結晶性樹脂の融点よりも5℃以上低い温度であることが好ましい。よ
り好ましくは樹脂微粒子を構成する樹脂の融点よりも10℃以上低い温度である。
上記製造方法により本発明の着色樹脂微粒子を製造する際には、樹脂微粒子、着色剤及び
媒体を混合してから加圧してもよいし、樹脂微粒子と着色剤との混合物に予め加圧した媒
体を加えてもよい。
このように樹脂微粒子と着色剤とを加圧して複合化した後、常温常圧に戻して取り出せば
、本発明の着色樹脂微粒子が得られる。
本発明の着色樹脂微粒子の原料となる上記樹脂微粒子としては特に限定されないが、ソー
プフリー重合法により製造されたものが好適である。
ソープフリー重合法とは、界面活性剤を用いずに水溶性開始剤の極性基や、親水性モノマ
ーの親水基によって粒子の安定性を保ち、樹脂微粒子を製造する方法である。ソープフリ
ー重合法によれば、マイクロメートルオーダーで粒子径が揃っており、しかも、乳化剤や
界面活性剤に汚染されていない表面を有する樹脂微粒子が得られることから、これを原料
に製造される本発明の着色樹脂微粒子は、表面に導入する官能基を有効に活用でき、分析
用試薬や診断薬の分野に好適に用いることができる。
上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合に用いることができ
る重合性単量体としては、単官能モノマーであり水に著しく溶解しないものであれば特に
限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロ
スチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。
また、上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合に用いる重合
性単量体としては、上記のもの以外にも、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単
量体、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチ
レンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有ビニル系単量体、ヒドロキシエチルメ
タクリレートなどの水酸基含有ビニル系単量体、メトキシポリエチレングリコールメタク
リレートなどの非イオン性官能基含有ビニル系単量体、ビニルベンジルアミン、3−アク
リルアミド−3−メチルブチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチルメタクリレート四酸化
物塩等の陽イオン性ビニル単量体等も必要に応じて用いることができる。これらの単量体
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これら単量体が塩になったも
のも用いることができる。更に、これらの単量体は、重合時における粒子の表面電荷の極
性を考慮して使用されることが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレート
を意味する。
また、上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合に用いる重合
性単量体としては、分子内にエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体も用いることが
できる。上記分子内にエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体としては、例えば、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルトルエン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキシドジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンオキシドジ(メタ)アクリレート
、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリ
レート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら
の単量体は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合に用いる重合開始剤
としては、通常のソープフリー重合法に用いられるものを用いることができ、カチオン性
ラジカル重合開始剤、アニオン性ラジカル重合開始剤、両性ラジカル重合開始剤等を用い
ることができる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい
上記アニオン性ラジカル重合開始剤としては特に限定されないが、スルホン酸基、カルボ
キシル基等を含有しているものが好ましく、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペ
ンタン酸)等のカルボキシル含有アゾ化合物及びこれらの塩;過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化水素水等が挙げられる。なかでも、
カルボキシル基を含有アゾ化合物が特に好適である。
上記カチオン性ラジカル重合開始剤としては特に限定されないが、アミノ基、ピリジン基
、イミダゾール基、アミジノ基、ピリミジン基等を含有しているものが好ましく、例えば
、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシ−ブチル)]−プロピ
オンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)及びこれらの塩等が挙げられる。
上記両性ラジカル重合開始剤とは、分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とを有
するものであり、開始剤が解離した後にアニオン性官能基とカチオン性官能基とを有する
ものである。上記両性ラジカル重合開始剤としては、例えば、特開平11−310565
号公報に記載されているカルボキシル基を末端に有するアゾアミジン化合物が挙げられ、
具体的には2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノプロパン
等が挙げられる。
上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合において、上記重合
性単量体に対する上記重合開始剤の添加量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上
限は10重量%である。0.05重量%未満であると、重合性単量体が充分に消費されず
、大量の残留単量体が残存することがあり、10重量%を超えると、重合初期の粒子数が
増加し、得られる樹脂微粒子の粒子径が小さくなることがある。より好ましい下限は0.
1重量%、より好ましい上限は5重量%である。
上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合において用いる分散
媒体としては特に限定されず、通常のソープフリー重合法に用いられる分散媒体を用いる
ことができ、例えば、水、アルコールを主とした単独又は混合媒体を用いることができる

上記分散媒体は、緩衝作用を有することが好ましい。緩衝作用を有する分散媒体を用いれ
ば、重合性単量体を後に、添加する際の新粒子の発生を抑制する効果が得られる。
上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合において、分散媒体
中に分散させる上記重合性単量体の添加量は特に限定されないが、収量や粒子径分布を考
慮すると、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は50重量%である。1重量%未満で
あると、仕込みに対する収量が著しく少なく生産性の面から好ましくないことがあり、5
0重量%を超えると、充分に制御された粒子径分布のものが得られにくいことがある。
上記ソープフリー重合法により原料となる樹脂微粒子を製造する場合において、ソープフ
リー重合は、通常の方法に従い行うことができる。即ち、攪拌機、窒素導入管及び還流冷
却器を備えたセパラブルフラスコ等の反応容器中に、所定量の分散媒体、重合性単量体及
び重合開始剤を入れ、一定時間窒素ガス等の不活性ガスを吹き込んで雰囲気を置換した後
、昇温することにより重合を開始し、重合反応系を一定温度・時間維持して重合を完了さ
せる。この際、重合開始剤は、水に溶解した状態で添加することが好ましい。また、重合
温度は、使用する重合性単量体や重合開始剤の種類及び濃度等を考慮し適宜選択すること
ができるが、通常60〜90℃の範囲である。また、重合時間も、重合条件等により異な
るが、通常12〜36時間程度で重合反応は完結する
上記着色剤としては特に限定されず、例えば、従来公知の顔料、染料等を用いることがで
きる。上記着色剤として蛍光染料又は蛍光顔料を用いる場合には、励起光を照射すること
により蛍光を発することから、本発明の着色樹脂微粒子を分析試薬や診断薬におけるマー
カーとして用いることができる。なかでも、希土類錯体は、蛍光寿命が長く、大きいスト
ークスシフトを有することから好適である。
本発明の着色樹脂微粒子における、上記樹脂微粒子と着色剤との比としては特に限定され
ないが、着色樹脂微粒子全体に占める着色剤量の下限は10重量%である。10重量%未
満であると、分析試薬や診断薬として用いたときに充分な感度が得られないことがある。
本発明の着色樹脂微粒子の平均粒子径の下限は30nm、上限は10μmである。30n
m未満であると、遠心分離によって沈殿しにくくなり、本発明の着色樹脂微粒子を分析試
薬や診断薬におけるマーカーとして用いた場合に操作が困難となる。10μmを超えると
、分散安定性が低下し、凝集しやすくなる。好ましい上限は1μmである。
本発明の着色樹脂微粒子は、粒子径のCV値が15%以下である。15%を超えると、本
発明の着色樹脂微粒子を分析試薬や診断薬におけるマーカーとして用いた場合に均一に分
散できなかったり、得られるデータの精度が低下したりする。なお、粒子径のCV値は、
下記式により算出することができる。
粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
本発明の着色樹脂微粒子は、上記方法により製造されることから、粒子径が充分に小さく
、着色度も充分に高いことに加え、原料樹脂微粒子としてソープフリー重合法によりなる
ものを用いた場合には、その表面に界界面活性剤をほとんど含まないことから、特に分析
試薬や診断薬の分野に好適に用いることができる。
即ち、本発明の着色樹脂微粒子をマーカーとして、その表面に分子認識物質を結合させた
診断用微粒子は、ナノメートルオーダーでかつ粒子径が揃っており、しかも高い着色度を
有することから、分析試薬や診断薬に用いれば高い精度で分析等を行うことができる。
本発明の着色樹脂微粒子を用いてなることを特徴とする診断用微粒子もまた、本発明の1
つである。
上記分子認識物質としては、標的分子に特異的に反応するものであれば特に限定されない
が、抗原、抗体等のタンパク質、DNA、RNA等の核酸、シクロデキストリン、クラウ
ンエーテル等の環状化合物が挙げられる。また、本発明の診断用微粒子における着色樹脂
微粒子と分子認識物質との結合の態様としては特に限定されず、疎水性相互作用、化学結
合等が挙げられる。
本発明によれば、特にペプチド、タンパク質、核酸、核酸塩基等を分析する際に用いるマ
ーカーとして好適に用いることができる着色樹脂微粒子及び該着色樹脂微粒子を用いてな
る診断用微粒子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂微粒子の製造
精製水410g、スチレン80g、過硫酸カリウム0.2g及びスチレンスルホン酸ナト
リウム0.5gを反応容器に仕込み、該反応容器に窒素を導入しながら撹拌した。70℃
に昇温して24時間反応させた後、窒素導入を停止し、更に70℃に保ったままで24時
間撹拌した。反応終了後、内容物を取り出して全量を濾過し、固形分濃度が5重量%とな
るように調整した樹脂微粒子懸濁液を得た。
得られた樹脂微粒子懸濁液中の樹脂微粒子について動的光散乱粒度分布計(大塚電子社製
、DLS8000)を用いて粒子径分布を調べたところ、平均粒子径は120nm、CV
値は7%であった。
(2)着色樹脂微粒子の製造
ユーロピウム系希土類蛍光錯体(ルミシスE−300)25mgをアセトン80mgに溶
解して、希土類蛍光錯体のアセトン溶液を調製した。
得られた樹脂微粒子分散液2mL、イオン交換水38mL、及び、希土類蛍光錯体のアセ
トン溶液105mgを混合した後、内容積100mLの圧力容器に入れ、500rpmで
撹拌しながら40℃、8MPaに加熱・加圧した超臨界状態の二酸化炭素を導入して、1
時間処理を行った。
得られた処理溶液3mLを18000rpm、30分遠心分離し、上澄み液を除去した後
、得られた沈殿物を3mLの純水に超音波分散する操作を3回繰り返して、着色樹脂微粒
子の懸濁液を得た。
(比較例1)
ユーロピウム系希土類錯体(ルミシスE−300)2.5mgをアセトン80mgに溶解
して、希土類蛍光錯体のアセトン溶液を調整した。
実施例1で調製した樹脂微粒子分散液2mL、エタノール20mL、イオン交換水18m
L、及び、希土類蛍光錯体のアセトン溶液82.5mgを混合し、40℃で1時間撹拌し
て、着色樹脂微粒子を得た。
得られた処理溶液3mLを18000rpm、30分遠心分離し、上澄み液を除去した後
、得られた沈殿物を3mLの純水に超音波分散する操作を3回繰り返して、着色樹脂微粒
子の懸濁液を得た。
(比較例2)
ユーロピウム系希土類錯体(ルミシスE−300)25mgをアセトン80mgに溶解し
て、希土類蛍光錯体のアセトン溶液を調整した。
実施例1で調製した樹脂微粒子分散液2mL、エタノール20mL、イオン交換水18m
L、及び、希土類蛍光錯体のアセトン溶液105mgを混合し、40℃で1時間撹拌して
、着色樹脂微粒子を得た。
得られた処理溶液3mLを18000rpm、30分遠心分離し、上澄み液を除去した後
、得られた沈殿物を3mLの純水に超音波分散する操作を3回繰り返して、着色樹脂微粒
子の懸濁液を得た。
(評価)
実施例1及び比較例1〜2で作製した着色樹脂微粒子について以下の方法により評価を行
った。結果を表1に示した。
(1)平均粒子径及びCV値の測定
動的光散乱粒度分布計(大塚電子社製、DLS8000)を用いて着色樹脂微粒子の平均
粒子径及び粒子径のCV値を求めた。
(2)蛍光強度の測定
着色樹脂微粒子の懸濁液をイオン交換水を用いて1000倍に希釈した。得られた希釈着
色樹脂微粒子の蛍光強度につき、蛍光測定装置(パーキンエルマー社製、「ワラック14
20」)を用いて評価した。即ち、96穴のマイクロタイタープレートに試料200μL
を採取し、励起波長340nm、蛍光波長615nm、パルス照射後1000μs後から
1000μsの間の蛍光強度を測定した。
(3)保存安定性の評価
着色樹脂微粒子の懸濁液を、作製直後及び室温で3ヶ月保存後に、蒸留水で10倍に希釈
し、分光光度計を用いて波長500nmにおける濁度を測定し、下記の基準により保存安
定性を評価した。
〇:作製直後に対する、3カ月保存後の濁度の上昇が10%未満である
×:作製直後に対する、3カ月保存後の濁度の上昇が10%以上である
Figure 2005171097
本発明によれば、特にペプチド、タンパク質、核酸、核酸塩基等を分析する際に用いるマ
ーカーとして好適に用いることができる着色樹脂微粒子及び該着色樹脂微粒子を用いてな
る診断用微粒子を提供できる。

Claims (5)

  1. 樹脂微粒子と着色剤とを加圧することによって得られた着色樹脂微粒子であって、平均粒
    子径が30nm〜10μm、かつ、粒子径のCV値が15%以下であることを特徴とする
    着色樹脂微粒子。
  2. 着色剤を10重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の着色樹脂微粒子。
  3. 樹脂微粒子は、ソープフリー重合法により得られたものであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の着色樹脂微粒子。
  4. 着色剤は、希土類錯体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の着色樹脂微粒子
  5. 請求項1、2、3又は4記載の着色樹脂微粒子を用いてなることを特徴とする診断用微粒
    子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015180678A (ja) * 2010-01-19 2015-10-15 イーエルシー マネージメント エルエルシー 複合微粒子、組成物および方法
JP2016176073A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 Jsr株式会社 着色粒子及び着色粒子の製造方法
WO2023095865A1 (ja) * 2021-11-26 2023-06-01 キヤノン株式会社 検体検査用粒子

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