JP2005170920A - 新規重合開始剤を含む歯科用組成物 - Google Patents

新規重合開始剤を含む歯科用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】生物学的安全性の問題がなく、保存安定性が高い材料でありながら、表面硬化性が高く、重合度が高く、硬化深度が高く、光照射時間が短時間である歯科用組成物の提供。
【解決手段】重合開始剤及び重合性有機材料を含む歯科用組成物であって、重合開始剤が下記構造式(1)
Figure 2005170920

[式中、R,Rはアルキル基を、R及びRは電子吸引基、アルキル基等を表わす]で表わされ、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、式中の下記構造部分(2)
Figure 2005170920

を該化合物中に質量基準で17〜54%の割合で含有する化合物を主たる成分とすること。
【選択図】なし

Description

本発明は歯科分野における歯科用組成物に関する。特にボンディング剤、プライマー、コンポジットレジン、フィッシャーシーラント、歯列矯正用接着剤、ティースコーティング剤、デュアルキュアー型レジンセメント、クラウン&ブリッジ用コンポジットレジン、オペーク、前装冠用の歯科用組成物、床用レジン、マウスピースに使用できる。
従来、歯科分野で応用されている歯科用組成物は、CQ(カンファーキノン)、クマリン化合物、アシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、チオキサントン類の触媒を用いて重合性材料を硬化させていた。
しかし、どの触媒を用いても、着色や硬化不良、高出力光でないと硬化しない、加温をしないと硬化しないなどの問題点があった。
更に、表面硬化性に至っては、十分な改善がみられるものではなく、当業界においては表面硬化性の優れた歯科用組成物が熱望されていた。
特許3442776号、 特開2000−212015号 特開平2003−277424号 特開2000−16910号 公開特許2003−100650
発明が解決しようとする課題
従来の歯科用に用いられる歯科用組成物は、着色や硬化不良、高出力光でないと硬化しない、加温をしないと硬化しないなどの問題を抱えていた。
また、従来の歯科用組成物は硬化波長エリアが狭いことから、重合装置の種類により硬化しないという問題を抱えていた。
生物学的安全性の問題がなく、保存安定性が高い材料でありながら、表面硬化性が高く、重合度が高く、硬化深度が高く、光照射時間が短時間である歯科用組成物は存在しなかった。
課題を解決するための手段
本発明は、重合開始剤及び重合性有機材料を含む歯科用組成物であって、重合開始剤が
下記構造式(1)
Figure 2005170920
(ここで、R3及びR4は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1及びR2はそれぞれ、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、
上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
Figure 2005170920
を該化合物中に質量基準で17%〜54%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする光重合開始剤であることを特徴とする歯科用組成物である。
本発明は下記構造式(3)
Figure 2005170920
(ここで、R3は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R5は、1価乃至5価の脂肪族炭化水素基又はアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基を示し、nは1〜5の自然数を表し、かつ、R1及びR2はそれぞれ、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
Figure 2005170920
を該化合物中に質量基準で17%〜47%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする光重合開始剤を配合した歯科用組成物である。
本発明は前記構造式(1)においてR1及びB2が同一である光重合開始剤を配合した歯科用組成物である。
本発明は前記構造式(3)においてR1及びR2が同一である光重合開始剤を配合した歯科用組成物である。
本発明は前記化合物が、下記構造式(4)
Figure 2005170920
で表される構造を有するものである光重合開始剤を配合した歯科用組成物である。
本発明は前記化合物が、
Figure 2005170920
で表される構造を有するものである光重合開始剤を配合した歯科用組成物である。
本発明は、下記構造式(6)
Figure 2005170920
(R6は、炭素原子数1〜8のアルキル基、C1−4アルキルカルボニル基、シアノ基、C1−4アルキルカルボニルメチル基、C1−4アルキルカルボニルエチル基、C1−4アルコキシカルボニルエチル基、カルボキシル基又はシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表す。但し、R9及びR10は、の少なくとも一方は水素原子である。また、R11は炭素原子数2〜12の2価〜4価の脂肪族炭化水素基を、R12はメチル基、又は炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。nは2〜4の自然数を、mは0〜15の整数を表す。)で表される構造を有することを特徴とする光重合開始剤を配合した歯科用組成物である。
発明の効果
本発明の歯科用組成物は、着色が少なく、硬化不良が発生しづらく、高出力光でなくとも硬化し、加温などの副エネルギーを与えなくても硬化するものである。
また、本発明の歯科用組成物は硬化波長エリアが狭い歯科用重合装置であっても、硬化するものである。
本発明は歯科用組成物として重要な、生物学的安全性の問題がなく、保存安定性が高い材料でありながら、表面硬化性が高く、重合度が高く、硬化深度が高く、光照射時間が短時間である歯科用組成物である。
本発明の歯科用組成物をコンポジット材料に応用した場合は、表面硬化性が高く、重合度が高く、硬化深度が高く、光照射時間が短時間であるコンポジット材料を得ることができる。
本発明の歯科用組成物を接着剤やプライマー材料に応用した場合は、歯質界面や歯科用金属界面への濡れ性が高く、接着性が高く、重合度が高く、硬化深度が高く、光照射時間が短時間である接着剤やプライマー材料を得ることができる。
本発明の歯科用組成物をCQ(カンファーキノン)、クマリン化合物、アシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、チオキサントン類の触媒の内1種以上を加えた場合は、更に表面硬化性が高く、重合度が高く、硬化深度が高く、光照射時間が短時間であり、光重合の重合波長を選ばない歯科用組成物を得ることができる。
本発明の重合開始剤は、特定のβ−ジケトン構造を有することにより光感度が飛躍的に向上する。
本発明の重合開始剤は、下記構造式(1)
Figure 2005170920
(ここで、R3及びR4は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1及びR2はそれぞれ、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、
上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
Figure 2005170920
を該化合物中に質量基準で17%〜54%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする。
また、本発明の重合開始剤は、、下記構造式(3)
Figure 2005170920
(ここで、R3は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R5は、1価乃至5価の脂肪族炭化水素基又はアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基を示し、nは1〜5の自然数を表し、かつ、R1及びR2はそれぞれ、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
Figure 2005170920
を該化合物中に質量基準で17%〜47%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする。
更に、本発明の重合開始剤は、下記構造式(6)
Figure 2005170920
(R6は、炭素原子数1〜8のアルキル基、C1−4アルキルカルボニル基、シアノ基、C1−4アルキルカルボニルメチル基、C1−4アルキルカルボニルエチル基、C1−4アルコキシカルボニルエチル基、カルボキシル基又はシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表す。但し、R9及びR10は、の少なくとも一方は水素原子である。また、R11は炭素原子数2〜12の2価〜4価の脂肪族炭化水素基を、R12はメチル基、又は炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。nは2〜4の自然数を、mは0〜15の整数を表す。)で表されることを特徴とする新規化合物に関する。
更には、前記光重合開始剤、及びラジカル重合性エチレン系不飽和基含有化合物を必須成分とすることを特徴とする。
前記構造式(1)及び前記構造式(3)におけるR3、又は前記構造式(1)におけるR4は、前記したとおり炭素原子数1〜8のアルキル基である。ここで炭素原子数1〜8のアルキル基は、線状構造であっても分岐構造であってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基が挙げられる。これらの中でも特にメチル基が光感度に優れる点から好ましい。
前記構造式(3)におけるR5は、1価乃至5価の脂肪族炭化水素基又はアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基であり、該1価乃至5価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル、n−オクチルおよび多官能脂肪族系炭化水素基(例えばエチレン、プロピレン、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトール残基)等の線状構造又は分岐構造のアルキル基が挙げられる。
また、R5における1価乃至5価のアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、エチレン・グリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドとの反応によって得られる、単管能性又は多官能性のアルキルオキシエチル基、アルキルオキシプロピル基、アルキル−ポリオキシエチレン基、アルキル−ポリオキシプロピレン基が挙げられる。
次に、構造式(1)又は構造式(2)におけるR1及びR2は、前記した通り、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。
ここで、電子吸引基1)としては、アセチル基、エステルにおけるケトン基、エーテル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホン酸基、スルホニル基またはフォスフェート基が挙げられる。
次に、前記炭素原子数1〜8のアルキル基2)は、上記したR3又はR4の場合と同じ構造のものが挙げられる。前記2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基は、以下の構造のものが挙げられる。[β位置換アルキル基]
Figure 2005170920
[γ位位置換アルキル基]
Figure 2005170920
[β位およびγ位に電子吸引基を有するアルキル基]
Figure 2005170920
[δ位置換アルキル基]
Figure 2005170920
尚、ここで、γ位置換アルキル基No.12は、アルキレン基、ポリオキシアルキレン基、多官能アルコール残基等を軽油してもう一つのβ−ジカルボニル構造に結合していてもよい。
構造式(1)又は構造式(3)において前記R1またはR2は任意に選択することができるが、R1またはR2の何れもが、炭素原子数1〜8のアルキル基2)である場合には、光照射によるラジカル生成を可能とするためメチル基またはエチル基から選択される。このらの官能基のなかでも、特に構造式(1)又は構造式(2)で表される化合物の製造が容易であり、また、光感度に優れる点からNo.4、No.5、又はNo.12が好ましい。
本発明においては、前記構造式(1)又は構造式(3)で表される化合物は、1000以下の分子量を有することを特徴としている。かかる分子量範囲において添加系の光重合開始剤として有用であり、特にラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性オリゴマー或いはラジカル重合性ポリマーとの相溶性にも優れたものとなる。また、このような低分子量とすることにより硬化塗膜の表面硬度や耐溶剤性も飛躍的に優れたものとなる。これらの諸性能が顕著なものとなる点からなかでも分子量700以下であることが好ましい。
また、上記構造式(1)又は構造式(3)で表される化合物は、該構造式中に具体的に示されている下記構造部分(2)
Figure 2005170920
を該化合物中に構造式(1)の場合、質量基準で17%〜54%、構造式(3)の場合、質量基準で17%〜47%の割合で含有するものである。この条件を具備することにより本発明の光重合開始剤は光感度に極めて優れたものとなる。
ここで、前記構造式(1)で表される化合物としては、具体的には、3,3−ジメチル−2,4−ペンタンジオン、3,3−ジエチル−2,4−ペンタンジオン、3−アセチル−3−メチル−4−オキソ−ペンタン酸エチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸エチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸ブチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸ヘキシル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸オクチル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸シクロペンタジエニルエステル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸(2−ヒドロキシエチル)エステル、4−アセチル−4−メチル−−5−オキソ−ヘキサン酸イソボルニルエステル、5−アセチル−5−メチル−6−オキソ−ヘプタン酸エチル、下記構造式で表される1,1−ジアセチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
下記構造式で表される2,2−ジアセチル−1−4−ブタンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステル、5,−5−ジアセチルノナン−2,8−ジオン、3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸、3,3−ジアセチル−1,−5−ビス(メチルスルフォニル)ペンタン、4−4−ジアセチル−7−オキソ−オクタン酸エチルエステル、下記構造式で表される3,3−ジアセチル−4−(エトキシカルボニル)−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジエチル
Figure 2005170920
下記構造式で表される3−{4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−−5−オキソヘキサノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を2つ有する化合物、
Figure 2005170920
下記構造式で表される2,2−ビス({4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ヘプタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を3つ有する化合物、
Figure 2005170920
が挙げられる。
一方、前記構造式(3)で表される化合物は、具体的には、1−アセチル−1−エチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル、ジエチルが2−アセチル−2−(エトキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジメチルエステル、1−アセチル−1−(エトオキシカルボニル)−1−4−ブタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−アセチル−3−(メトオキシカルボニル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−(メトキシカルボニル)−3−(1−オキソプロピル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−(エトキシカルボニル)−3−(2−メチル−1−オキソプロピル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−(エトキシカルボニル)−3−(1−オキソブチル)−1,−5−ヘプタンジカルボン酸ジメチルエステル、3−アセチ−3−(メトキシカルボニル)−1,6−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル、3−アセチル−3−(tert−ブトキシカルボニル)−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル、
下記構造式で表される3−アセチル−3−[(3−{2,2−ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]−3−オキソブタノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル)オキシカルボニル]−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジメチル、
Figure 2005170920
が挙げられる。
これらのなかでも前記構造式(1)で表される化合物がとりわけ光感度に優れる点から好ましい。更に、β−ジカルボニル構造のα位の炭素原子に同一構造の置換基を有していることが同様に好ましい。尚、製造が容易である点からγ位置換基No.4,No.5,No.12が特に好ましい。
次に本発明の新規化合物は、下記構造式(6)を有するものである。本発明の重合開始剤は、下記構造式(6)
Figure 2005170920
R6は、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニル基、シアノ基、アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルメチル基、アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルエチル基、アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルメチル基、アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルエチル基、又はカルボキシル基若しくはシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基である。
ここで、前記炭素原子数1〜8のアルキル基は、R3又はR4と同義である。前記アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニル基は、アセチル基、エチルケトン基、プロピルケトン基又はブチルケトン基が挙げられる。前記アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルメチル基は、2−オキソ−プロピル基、2−オキソ−ブチル基、2−オキソ−ペンチル基又は2−オキソ−ヘキシル基が挙げられる。
前記アルキル基部分の炭素原子数が1〜4のアルキルカルボニルエチル基は、3−オキソ−ブチル基、3−オキソ−ペンチル基、3−オキソ−ヘキシル基、又は3−オキソ−ヘプチル基が挙げられる。
前記アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルメチル基は、エトオキシカルボニルメチル基、エトオキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、又はブトキシカルボニルメチル基が挙げられる。前記アルコキシ基部分の炭素原子数が1〜4のアルコキシカルボニルエチル基は、エトオキシカルボニルエチル基、エトオキシカルボニルエチル基、プロポキシカルボニルエチル基、又はブトキシカルボニルエチル基が挙げられる。前記カルボキシル基又はシアノ基で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基とは、カルボキシル基又はシアノ基含有のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、又はn−オクチル基が挙げられる。
R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立的に水素原子又はメチル基を表す。
但し、R9及びR10は、の少なくとも一方は水素原子である。
また、R11は炭素原子数2〜12の2価〜4価の脂肪族炭化水素基を表す。かかる脂肪族炭化水素基はエチレン、プロピレン、トリメチロールプロパン残基、又はペンタエリスリトール残基が挙げられる。ここで、nは2〜4の整数であり、また、mは0〜15の整数である。さらに、R12はメチル基、または、炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。
ここで、炭素原子数1〜18のアルコキシ基とは、線状又は分岐状のアルコシキ基であり、例えばメトオキシ基、エトオキシ基、プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシル−オキシ基、シクロヘキシル−オキシ基、n−ヘプチル−オキシ基、n−オクチル−オキシ基、デシル−オキシ基、ウンデシル−オキシ基、ラウリル−オキシ基、トリデシル−オキシ基、ミリスチル−オキシ基、ペンタデシル−オキシ基、セチル−オキシ基、ヘプタデシル−オキシ基、又はステアリル−オキシ基が挙げられる。これらの新規化合物の中でも特に相溶性や硬化物硬度の点から分子量1000以下のものが好ましい。さらに該新規化合物は、R12がメチル基の場合は、質量基準で17〜54%の範囲、R12が炭素原子数1〜18のアルコキシ基の場合は、質量基準で17〜47%の範囲で前記構造部分(2)を含有していることが光感度の点から好ましい。
更に前記構造式(6)のうちm=0のものが前記構造部分(2)の含有率を高めながら低分子量化を図ることができる点から好ましい。
好ましい重合開始剤の具体例としては、例えば下記構造式で表される3−{4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ペンタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を2つ有する化合物、
Figure 2005170920
下記構造式で表される2,2−ビス({4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−エチル−3,3−ジアセチル−1,−5−ヘプタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を3つ有する化合物、
Figure 2005170920
下記構造式で表される3−{(4S)−4−(エトオキシカルボニル)−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシエチル(4S−3−アセチル−3−(エトオキシカルボニル)ヘプタン−1,5−ペンタンジカルボン酸エステル、
Figure 2005170920
2,2−ビス({4−(メトキシオキシカルボニル)−4−[(メトキシカルボニル)メチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−メチル−2−アセチル−2−(メトキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸エステル、
Figure 2005170920
が挙げられる。
更に具体的な化合物としては、
3,3−ジメチル−−2,4−ペンタンジオン
Figure 2005170920
3,3−ジエチル−2,4−ペンタンジオン
Figure 2005170920
3−アセチル−3−メチル4−オキソ−ペンタン酸エチルエステル
Figure 2005170920
4−アセチル−4−メチル−5−オキソ−ヘキサン酸エチルエステル
Figure 2005170920
5−アセチル−5−メチル−6−オキソ−ヘプタン酸エチルエステル
Figure 2005170920
1−アセチル−1−エチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
1,1−ジアセチル−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
1−アセチル−1−(エトオキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
2,2−ジアセチル−1,4−ブタンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
2−アセチル−2−(エトオキシカルボニル)−1,3−プロパンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
2−アセチル−2−(エトオキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
3−アセチル−3−(メトキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
3,3−ジ−(1−オキソプロピル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチル
Figure 2005170920
3−(メトキシカルボニル)−3−(1−オキソプロビル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチル
Figure 2005170920
3−(エトオキシカルボニル)−3−(2−メチル−1−オキソプロピル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
3−(エトオキシカルボニル)−3−(1−オキソブチル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−1,−5−ジシアノペンタン
Figure 2005170920
5,5−ジアセチルノナン−2,8−ジオン
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−1,5−ビス(メチルスルフォニル)−ペンタン
Figure 2005170920
4,4−ジアセチル−7−オキソ−オクタン酸エチル
Figure 2005170920
3,3−ジアセチル−5−(エトオキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジエチルエステル
Figure 2005170920
3−アセチル−3−(メトキシカルボニル)−1,6−ヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
3−アセチル−3−(tert−ブトキシカルボニル)−1,5−ペンタンジカルボン酸ジメチルエステル
Figure 2005170920
1,1,1−トリアセチルエタン
Figure 2005170920
4,4−ジアセチル−5−オキソ−ヘキサン酸メチルエステル
Figure 2005170920
3−{4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル−エチル−3,3−ジアセチル−1,5−ペンタンジカルボン酸エステル
Figure 2005170920
2,2−ビス({4−アセチル−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−エチル−3,3−ジアセチル−1,5−ヘプタンジカルボン酸エステルの如くβ−ジカルボニル基を3つ有する化合物
Figure 2005170920
3−アセチル−3−[(3−{2,2−ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]−3−オキソブタノイルオキシ}−2,2−ジメチルプロピル)オキシカルボニル]−1,−5−ペンタンジカルボン酸ジメチル
Figure 2005170920
ペンタエリスリトールテトラアセトアセテートとアクリル酸エチルに基づく光重合開始剤
Figure 2005170920
3−{(4S)−4−(エトオキシカルボニル)−4−[2−(エトオキシカルボニル)エチル]−5−オキソヘキサノイルオキシエチル(4S)−3−アセチル−3−(エトオキシカルボニル)ヘプタン−1,5−ペンタンジカルボン酸エステル
Figure 2005170920
2,2−ビス({4−(メトキシオキシカルボニル)−4−[(メトキシカルボニル)メチル]−5−オキソヘキサノイルオキシ}メチル)ブチル−メチル−2−アセチル−2−(メトキシカルボニル)−1,4−ブタンジカルボン酸エステル
Figure 2005170920
があげられる。
本発明の重合開始剤の配合量は重合性有機材料に対して、0.1〜25%、好ましくは0.5〜15%、更に好ましくは0.5〜8%、更に好ましくは0.7〜4%である。
本発明の重合性有機材料とは重合性単量体のことであり、一般に歯科用組成物として用いられている公知の単官能性および多官能性の重合性単量体のうちから使用することができる。
一般に好適に使用される代表的なものを例示すれば、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基を有する重合性単量体である。なお、本発明においては(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリロイルをもってアクリロイル基含有重合性単量体とメタクリロイル基含有重合性単量体の両者を記載する。
酸性基を有しない重合性単量体類として、
単官能性単量体:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物類、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の窒素含有化合物、
芳香族系二官能性単量体:2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン等、
脂肪族系二官能性単量体:2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等、
三官能性単量体:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等、
四官能性単量体:ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ウレタン系重合性単量体として具体的に例示すると;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2−HEMA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体とメチルシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルメチルベンゼン、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物との付加物から誘導される二官能性または三官能性以上のウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート系重合性単量体以外に歯科用組成物の目的に応じて他の重合性単量体、例えば分子内に少なくとも1個以上の重合性基を有する単量体、オリゴマーまたはポリマーを用いても何等制限はない。また、酸性基やフルオロ基等の置換基を同一分子内に有していても何等問題はない。
本発明において、重合性単量体とは単一成分の場合のみならず、複数の重合性単量体からなる重合性単量体の混合物も含む。また、重合性単量体の粘性が室温で極めて高い場合、又は固体である場合は、低粘度の重合性単量体と組み合わせ重合性単量体の混合物として使用するのが好ましい。この組合せは2種類に限らず、3種類以上であってもよい。また、単官能性重合性単量体だけの重合体は架橋構造を有しないので、一般に重合体の機械的強度が劣る傾向にある。そのために、重合性単量体を使用する場合は、多官能性重合性単量体と共に使用するのが好ましい。重合性単量体の最も好ましい組合せは、二官能性重合性単量体の芳香族化合物を主成分として二官能性重合性単量体の脂肪族化合物と組み合わせる方法である。具体的に示すと、2,2−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン(Bis−GMA)とトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)の組合せである。
歯科組成物に歯質又は卑金属接着性を付与する場合は、重合性単量体の一部または全部としてリン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等の酸基を分子内に含有した重合性単量体を用いることが効果的である。また、貴金属接着を向上させるには、硫黄原子を分子内に含有した重合性単量体を使用することも本発明にとって有効である。これら接着能を有する重合性単量体として、具体的に例示すれば次の通りである。
カルボン酸基含有重合性単量体:(メタ)アクリル酸、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、p−ビニル安息香酸等が挙げられる。
リン酸基含有単量体:2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンフォスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンフォスフェート等が挙げられる。
スルホン酸基含有単量体:2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸等が挙げられる。
硫黄原子を含有する重合性単量体:トリアジンチオール基を有する(メタ)アクリレート、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート、ポリスルフィド基を有する(メタ)アクリレート、チオリン酸基を有する(メタ)アクリレート、ジスルフィド環式基を有する(メタ)アクリレート、メルカプトジアチアゾール基を(メタ)アクリレート、チオウラシル基を有する(メタ)アクリレート、チイラン基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これら重合性単量体は単独または2種以上を混合して使用しても何等問題はない。
本発明の歯科用組成物に添加できるものとして、溶媒を添加することができる。特に接着剤やプライマー材料としては用いられる場合は好適に溶媒が用いられる。
水と相溶する有機溶媒であれば何等制限なく使用することができる。有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類およびエーテル類から適宜選択することができる。これら溶媒を具体的に例示すると、水、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン等のケトン類が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は2種以上を使用してもよい。
好ましくは、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが好適に使用される。
更に接着性材料に好ましく用いられる溶媒は、エチルアルコール、水、アセトンが好適に使用される。特に水は好ましい。
これら溶媒の配合量は、重合性有機材料10重量部に比べ、0.1〜1000重量部配合することができる。好ましくは、0.5〜800重量部配合することができる。好ましくは、1〜100重量部配合することができる。
歯科用組成物中に使用することのできる充填材は特に限定されず、公知の充填材を用いることができる。
例えば無機充填材及び/又は有機充填材及び/又は有機−無機複合充填材等が何等制限なく用いることができる。
これら充填材の形状は球状、針状、板状、破砕状、鱗片状等の任意の粒子形状で良く特に限定されない。
好ましくは配合する充填材の90重量%が球状粒子である。
無機充填材として具体的に例示すれば、石英、無定形シリカ、アルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、溶融ガラス、ゾルーゲル法による合成ガラス、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、チッ化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、ゼオライト等が挙げられる。これらの中でもナトリウム、ストロンチウム、バリウム、ランタン等の重金属および/またはフッ素を含むアルミノシリケートガラス、ボロシリケート、アルミノボレート、ボロアルミノシリケートガラス等が好ましい。これら無機充填材の平均粒子径は特に制限はないが、0〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0〜5μmの範囲である。
また、有機充填材としては単量体を重合することによって得ることができ、その種類は特に限定されない。
有機充填材を具体的に例示すると、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等の不飽和芳香族類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;ブタジエン、イソプレン等の重合性単量体を単独または複数で(共)重合させたものが挙げられる。
特に好ましくは、歯科分野で既に公知の前述の重合性単量体を重合させたものである。有機充填材の製造方法においても特に制限はなく、重合性単量体の乳化重合、懸濁重合および分散重合等のいずれの方法でもよく、また、予め生成した重合体バルクを粉砕する方法でも行なう事ができる。
また、有機重合体中に無機粒子を含有した有機−無機複合充填材を用いることもできる。有機重合体中に含有させる無機粒子としては、特に制限はなく公知のものが使用でき、例えば上述した無機充填材等が挙げられる。有機−無機複合充填材の製造方法においても、特に制限はなく、いずれの方法も採用することができる。例えば、無機粒子の表面を有機物でのマイクロカプセル化やグラフト化する方法および無機粒子の表面に重合性官能基や重合性開始基を導入後ラジカル重合させる方法、予め生成した無機粒子を含む重合体バルクを粉砕する方法等が挙げられる。
有機充填材又は有機−無機複合充填材の平均粒子径は1〜100μmの範囲が好ましい。より好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。これらの無機、有機及び有機−無機複合充填材はそれぞれ単独又は数種を組合わせても用いることができる。
無機、有機及び有機−無機複合充填材等の充填材は公知の方法により、その粒子表面を表面処理し、歯科用組成物に用いることができる。例えば界面活性剤、脂肪酸、有機酸、無機酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ポリシロキサン等が挙げられる。これらの表面処理法は樹脂成分と充填材表面の濡れ性を向上させ、歯科用組成物に優れた諸特性を付与する点で好ましく、その要求特性に応じて適宜表面処理を選択することができる。また、それら充填材を多機能化する目的で充填材表面を特殊な表面処理剤及び/又は特殊な表面処理法により表面処理を行っても何等制限はない。
これら充填材の歯科用組成物中に占める割合は歯科用組成物に求める材料特性の要求に応じてそれらの充填量を任意に設定する事ができる。
歯科分野で一般に用いられるシーラント材、ボンディング材、プライマー、歯面処理剤、オペーク材及びセメント等の低粘性材料においては、材料の要求特性として高い流動性が必要とされることから、充填量を比較的低く設定する必要がある。そのため、歯科用組成物全成分に対し5.0〜80.0重量部の範囲が好ましく、より好ましくは30.0〜70.0重量部の範囲である。
本発明に用いられる重合開始剤と併用して配合できる光重合開始剤としては、光増感剤からなるもの、光増感剤/光重合促進剤等が挙げられる。
光増感剤として具体的に例示すると、ベンジル、カンファーキノン、α−ナフチル、アセトナフセン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジクロロベンジルアセチル、ペンタンジオン、1,2−フェナントレンキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン、ナフトキノン等のα−ジケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−ヒドロキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プロパノン−1等のα−アミノアセトフェノン類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジル(2−メトキシエチルケタール)等のケタール類、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル]−チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタンフルオロフェニル)−チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ジシロキシフェニル)−チタン等のチタノセン類等が挙げられる。
光重合促進剤として具体的に例示すると、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、p−N,N−ジメチル−トルイジン、m−N,N−ジメチル−トルイジン、p−N,N−ジエチル−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッド、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエステル、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドアミノエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、p−N,N−ジヒドロキシエチル−トルイジン、p−ジメチルアミノフェニルアルコール、p−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等の第三級アミン類、N−フェニルグリシン等の第二級アミン類、5−ブチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチルエステル)塩、テトラメチル−1,3−ジアセトキシジスタノキサン等のスズ化合物類、ラウリルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド化合物類、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、1−デカンチオール、チオサリチル酸等の含イオウ化合物等が挙げられる。
光重合促進能の向上のために、上記光重合促進剤に加えて、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、グルコン酸、α−オキシイソ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、ジメチロールプロピオン酸等のオキシカルボン酸類の添加が効果的である。
その他促進剤として、スルフィン酸及びその塩も利用することができる。
スルフィン酸塩類としては具体的に例示すると、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独または2種以上を混合して用いることができる。また、重合形態や重合開始剤の種類に関係なく、組み合わせて用いることもできる。
重合開始剤の添加量は、使用用途に応じて適宜選択すればよい。一般には、重合性単量体に対して0.1〜10重量部の範囲から選べば良い。
上記に述べた重合開始剤の中でも、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤を用いる事が好ましい態様であり、空気の混入が少ない状態で歯科用組成物を重合させることができる点で最も好適に使用される。また、光重合開始剤の中でも、α−ジケトンと第三級アミンの組み合わせがより好ましく、カンファーキノンとp−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基がベンゼン環に直結した芳香族アミンまたはN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の分子内に二重結合を有した脂肪族アミン等の組み合わせが最も好ましい。
また、使用用途に応じて他に、クマリン系、シアニン系、チアジン系等の増感色素類、ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体、ジフェニルヨードニウム塩化合物等の光照射によりブレンステッド酸またはルイス酸を生成する光酸発生剤、第四級アンモニウムハライド類、遷移金属化合物類等も適宜使用することができる。
諸望により、歯科用組成物の中には、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノンのような紫外線吸収剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジタ−シャリ−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤、変色防止剤、抗菌材、着色顔料、その他の従来公知の添加剤等の成分を、必要に応じて任意に添加できる。
本発明の接着剤やプライマー材料への応用として、
酸基を分子内に含有した重合性単量体20〜40重量%、
重合性有機材料10〜20重量%、
重合開始剤5〜20重量%、
溶媒30〜60重量%をを配合することが好ましい。
本発明のコンポジット材料への応用として、
充填材70〜85重量%
重合性有機材料10〜30重量%、
重合開始剤5〜20重量%を配合することが好ましい。
(接着試験)
12mm×12mm×2.5mmの歯科用ニッケル−クロム合金板((株)松風製ユニメタル)を#600の耐水研磨紙で研磨して平滑な面を形成した。ついで、その表面をサンドブラスター((株)松風製)を用いて平均粒径50μmのアルミナ粉末でサンドブラストした。更にこの金属板を超音波洗浄器を用い精製水中で10分間超音波洗浄し被着体とした。
ニッケル−クロム合金板表面に下記組成を混合した接着剤を塗布し、自然乾燥でアセトンを蒸散させた。その表面に内径5mm高さ2mmの穴が開いた固定治具を置き、接着面積を規定した。ついで、光重合型コンポジットレジンライトフィルIIA・A2色((株)松風製)を固定治具の穴に充填し、技工用照射器、技工用光重合器ソリディライト((株)松風製)を用いて3分間光重合し、30分間放置後、37℃水中に16時間浸漬させ接着試験用サンプルとした。耐久試験として、50℃2週間、及び4週間浸漬したものも検討した。
下記表に示される組成物を混合することにより、接着剤を調整した。
Figure 2005170920
接着試験用サンプルを万能試験機オートグラフAG−5000B(島津製作所(株)製)を用いて1mm/minの引っ張り速度でニッケル−クロム合金板とコンポジットレジンとの間の引っ張り接着強さを測定した。接着強さを表2に記す。
Figure 2005170920
(コンポジット組成物の硬化試験)
下記表に示される組成物をダブルプラネタリーミキサー(DP−0.3型)を用いて混練、減圧脱泡することにより、コンポジット組成物を得た。
内径5mm高さ10mmの穴が開いた不透明治具を置き、コンポジット組成物を固定治具の穴に充填し、技工用照射器、技工用光重合器ソリディライト((株)松風製)を用いて3分間光重合し、30分間放置後、37℃水中に16時間浸漬させコンポジット組成物試験用サンプルとした。
Figure 2005170920
コンポジット組成物試験用サンプルを不透明治具から取り出し、硬化した深さをマイクロメータで測定した。
また、光照射した面を黒色画用紙に擦り付け、着色状況及び硬化体の摩耗状況を確認した。
(表面硬化性)
黒色画用紙の酸化チタンが付かない:○
黒色画用紙の酸化チタンが少し付く:△
黒色画用紙の酸化チタンが多く付く:×
(摩耗度)
摩耗無し:○
少し削れている:△
削れ有り:×
Figure 2005170920

Claims (2)

  1. 重合開始剤及び重合性有機材料を含む歯科用組成物であって、
    重合開始剤が
    下記構造式(1)
    Figure 2005170920
    (ここで、R3及びR4は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1及びR2はそれぞれ、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、
    上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
    Figure 2005170920
    を該化合物中に質量基準で17%〜54%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする光重合開始剤であることを特徴とする歯科用組成物。
  2. 下記構造式(3)
    Figure 2005170920
    (ここで、R3は、それぞれ炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R5は、1価乃至5価の脂肪族炭化水素基又はアルキレンオキシ基含有脂肪族炭化水素基を示し、nは1〜5の自然数を表し、かつ、R1及びR2はそれぞれ、1)電子吸引基、2)炭素原子数1〜8のアルキル基、または、3)2つのカルボニル基に対してβ位、γ位またはδ位の位置に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。)で表される化学構造を有しており、かつ、分子量が1000以下の化合物であって、尚かつ、上記構造式(1)中に示される下記構造部分(2)
    Figure 2005170920
    を該化合物中に質量基準で17%〜47%の割合で含有する化合物を主たる成分とすることを特徴とする光重合開始剤を配合した歯科用組成物。
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