JP2005162104A - 搬送体、搬送体の加速装置、搬送体の減速装置、搬送体の搬送方法、搬送体の加速方法および搬送体の減速方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 搬送体の走行状態が搬送者の意思と異なる場合には、体重を移動させて搬送車を制御することが困難になるため、搬送車の意思を重視して加速の意思や減速の意思等を検出し、搬送者の重心の移動を強制的に生じさせて、搬送体の姿勢の維持を図る。
【解決手段】 走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動するモータ114,115と、車輪を回転自在に支持するステップ台111と、傾き角度を検出する位置検出手段31と、車輪の回転角速度を検出する回転角速度検出手段32,33と、走行状態を選択する状態選択手段35と、目標値を発生する目標値発生手段34と、制御手段36と、を備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動するモータ114,115と、車輪を回転自在に支持するステップ台111と、傾き角度を検出する位置検出手段31と、車輪の回転角速度を検出する回転角速度検出手段32,33と、走行状態を選択する状態選択手段35と、目標値を発生する目標値発生手段34と、制御手段36と、を備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば人を乗せて走行するのに好適な搬送体および搬送体の搬送方法に関する。より詳しくは、単輪または同軸上に回転中心が配置される複数の車輪により走行する搬送体であって加速機能または/および減速機能を有する搬送体、その加速装置または減速装置、並びに搬送体の搬送方法、その加速方法または減速方法に関する。
従来から、2輪により路面上を走行する搬送体が提案されている(例えば、特許文献1ないし特許文献11参照。)。
従来の2輪車は、車輪が同軸に設けられていながら、制御ループの作用により倒れることなく、路面上を所定の姿勢を保ちつつ安定に走行するものである。このような搬送体の構成の概略を、図15を参照して説明し、その作用の概略を、図16を参照して説明する。
図15において、搬送体110は、この搬送体の筺体の一部を構成して搬送者が身体を保持する台であるステップ台111と、このステップ台111に搭載された2つのモータ114および115と、ステップ台111の左右両側に回転自在に支持された2つの車輪112および113と、一方のモータ114の回転を右側の車輪112に伝える車軸116および他方のモータ115の回転を左側の車輪113に伝える車軸117と、ステップ台111に結合されてその先端部にハンドル119を有するステー118と、ステップ台111に設けられた図示しないセンサ部と制御部とバッテリー等を備えて構成されている。ステップ台111とステー118とハンドル119とは一体に固着されており、この全体で筐体が構成されている。
また、車輪112と車輪113は同軸に配置されており、それぞれ車軸116および車軸117並びにモータ114およびモータ115を介してステップ台111に支持されている。ここで、車軸116および車軸117は、ステップ台111に設けられるモータ114およびモータ115に設けられる図示しないベアリング保持部に支えられるので、車輪112と車輪113はステップ台111に対して回転自由とされる。なお、モータの回転力を車輪に伝えるに際して、車軸から直接にモータに回転を伝達することなく、歯車やベルト等により構成される伝達機構を介在させる構成としても良い。そして、車輪112および車輪113は、略一点である接地点122および123により路面125に接している。
次に、図16を参照して、搬送体110の動作を以下に説明する。ステップ台111には、搬送体110により移送される搬送者、若しくは搬送される物体(以下、両方を含めて「搬送物」で代表する。)が乗る。ここで、搬送体110は、車輪112および車輪113の外周部の1点である接地点122および123で路面125と接しているので、搬送者が姿勢を変化させると搬送物を含めた搬送体110の重心の位置である重心点が移動する。
そこで、搬送体110全体を力学系として見て、上述の重心の移動がある場合のステップ台111と路面125との位置関係に及ぼす作用について説明する。図16は、車輪112と113とが重なる方向から見た搬送体110である。まず、図16において、接地点122および123が同じ点である射影接地点184に射影され、かつ、重力の働く方向に向かう直線である鉛直線181を含む平面を射影平面と定義する。図16において、射影平面は、紙面と同一面である。
さらに、図16を用いて射影平面における動作を説明する。ここで、射影平面(紙面)に射影される重心点の位置を重心射影点182と定義し、射影平面に射影される回転軸の位置を射影車軸点183と定義する。射影平面において、重心射影点182と射影接地点184とが鉛直線181の線上にある場合には、この重心位置は平衡点であり、重心の位置は移動することがない。
しかしながら、重心射影点182の位置が鉛直線181の線上の位置から移動をして、例えば重心射影点180となると、重力に応じて生じる重力加速度Wgにより、車軸の射影点である射影車軸点183を中心として、ステップ台111に回転力が生じる。この回転力を重力回転力と定義する。重力回転力Tgは、射影車軸点183から重心射影点180までの距離をL1として、[数1]式で表される。
[数1]
Tg=Hg×L1
Tg=Hg×L1
この[数1]式において、値Hgは、射影車軸点183と重心射影点180とを結ぶ直線と直交方向に働く力であり、射影車軸点183を中心とする回転力である。ここで、回転力Hgは、搬送物を含めた搬送体110の重力加速度Wgの分力成分である。従って、回転力Hgの大きさは、射影車軸点183と重心射影点180とを結ぶ直線と鉛直線181のなす角度をΘbとして、[数2]式で表される。
[数2]
Hg=Wg×SinΘb
Hg=Wg×SinΘb
一方、別の作用である、モータ114およびモータ115の回転に伴いステップ台111が受ける力について説明する。モータ114およびモータ115は、回転子と固定子からなり、両者は他の一方に対して相対的に回転運動をする。そして、一般的なインナー回転子形のモータにおいて、固定子はモータを覆うモータ外囲部の一部をなし、モータ外囲部はステップ台111に固定されており、モータ回転軸の回転はモータ外囲部に対する相対運動として生じるものである。
従って、モータ114,115の回転軸に結合される車軸116および車軸117に負荷が結合されている場合においては、この負荷の大きさに応じて、ステップ台111を、射影車軸点183を回転中心として傾ける反作用力が生じる。この反作用力をトルク反作用力と定義して以下に用いる。このときのトルク反作用力Frの大きさは、回転する車輪の負荷の大きさに比例したものとなる。すなわち、負荷が大きくなれば、トルク反作用力Frも大きくなるものである。負荷の大きさは、路面125を車輪112,113が転がる場合の転がり摩擦力と車輪の走行速度とに比例した大きさである。
ここで、トルク反作用力Frは、射影車軸点183より距離r離間して配置されるモータの固定子に集中すると考えることができるので、1個のモータにより生じるトルク反作用力Frによりステップ台111を回転させる力であるトルク反作用回転力Tsの大きさは、下記の[数3]式で表される。この場合に、ステップ台111は1枚の剛性の高い板で構成されているので、力が加わることによる構造の変化はない。
[数3]
Ts=Fr×r
Ts=Fr×r
さらに、ステップ台111に加わるトルク反作用回転力Tsは、左の車輪112を回転駆動するモータ114によるトルク反作用回転力と、右の車輪113を回転駆動するモータ115によるトルク反作用回転力との合成力となる。従って、モータ114により発生するトルク反作用回転力Ts1と、モータ115により発生するトルク反作用回転力Ts2とを合成した値が、下記の[数4]式で表される総合のトルク反作用回転力Tsaとなる。
なお、進行方向を変える旋回運動を行う場合においては、モータ114側のトルク反作用回転力Ts1とモータ115側のトルク反作用回転力Ts2とは異なったものであるが、直進運動(走行面上を真っ直ぐ前方または後方に進行する運動をいう。)をする場合においては、これらのトルク反作用回転力Ts1とTs2は略同じ大きさとなる。また、それぞれのトルク反作用回転力Ts1およびTs2の大きさは[数5]式で表される。ここで、Fr1は第1のモータ112の発生するトルク反作用力であり、Fr2は第2のモータ113の発生するトルク反作用力である。
[数4]
Tsa=Ts1+Ts2
[数5]
Ts1=Fr1×r
Ts2=Fr2×r
Tsa=Ts1+Ts2
[数5]
Ts1=Fr1×r
Ts2=Fr2×r
搬送体110を力学系として見る場合、上述の重力加速度による回転駆動力Tgと、モータ114およびモータ115により発生する合成のトルク反作用回転力Tsaとの方向が逆向きで、大きさが等しく、下記の[数6]式が成立する場合には、搬送体110によって搬送される搬送者は、重心位置を所定の位置に保持していることができる。
[数6]
Tg−Tsa=0
Tg−Tsa=0
上述の諸式を代入して、結論として[数7]式を得ることができる。
[数7]
Θb=Sin−1(Ts1+Ts2)/L1×Wg
Θb=Sin−1(Ts1+Ts2)/L1×Wg
ここで、重力加速度Wgは略定数と考えられるが、距離L1と角度Θbは搬送者が身体を移動させると変化する変数である。搬送体110の姿勢を所定の位置に維持するためには、[数7]に示す関係式が、搬送者のステップ台111上の行動によってどのように重心の位置が移動したとしても常に成り立つようにしなければならない。
[数7]式で示す関係を維持するためには、すなわち、重心射影点の位置を一定にするためには、トルク反作用の大きさを常に制御するか、走行面の路面状態に依存して変化するトルク反作用に応じて搬送者が重心射影点の位置を移動させなければならないこととなる。しかしながら、搬送体によって搬送される搬送者にこれを要求することは極めて困難であるところから、サーボループの作用により自動的にこれを行うようにする。
具体的には、ステップ台111上のセンサ部に設けられる角度検出センサで、射影平面におけるステップ台111の重力方向との傾き角度Θbを検出し、この検出値を処理した後の角度Θbに対応した信号を、モータ114およびモータ115の図示しない駆動巻き線に入力することにより、重心射影点180の位置を所定の位置に保持することができる。
すなわち、このようなサーボを行えば、例えば、搬送者が重心の位置を前に移動させれば搬送体110は前進し、その重心の位置を前に移動すればするほど進行速度は速くなって安定して走行する。また、後退する場合には、重心を後方に移動させることにより、同様の操作を行うことができる。
さらに、搬送体110の進行方向を変更する場合においては、上述のサーボを行いながら、一方のモータ114に所定の電圧を加え、他方のモータ115にモータ114に印加される電圧より小さな値の電圧を印加し、あるいは、一方のモータ114に所定の電圧を加え、他方のモータ115にモータ114に印加される電圧より大きな値の電圧を印加することにより、左右の車輪112,113の回転数を異ならせて、自由に方向を変えて走行することができる。
なお、上述の[特許文献1]〜[特許文献12]には、このような搬送体およびこのような搬送体を制御する技術が開示されている。例えば、[特許文献5]には、このような搬送体のラグランジェの方程式から運動方程式を導出する具体的な例、状態フィードバックにより状態変数を零に漸近的に収束する具体的な手法、車体のサンプリング傾斜角度、車輪のサンプリング回転角度およびこれらのサンプリング角度に基づいて検出される角速度を状態変数とする離散的なレギュレータ、が記載されている。そして、状態変数として、車輪の角度、車輪の角速度、搬送体の傾き角度、搬送体の傾き角度を選択することが記載されている。
更に、[特許文献1]等には、角度Θbとして重力方向との傾き角度を検出して搬送体の姿勢の維持を図ることが記載されている。また、状態フィードバックによる制御系の概念が[特許文献1]のFig.3に示されている。そして、状態変数として車体の変位、車体の速度、搬送体の傾き角度、搬送体の傾き角度の時間微分を選択することが記載されている。また、[特許文献8]には、重力方向に対する傾きではなく、走行面と搬送体のステップ台との相対的な傾き角度を検出することにより、走行面と所定の角度を維持しつつ安定に走行する搬送体の技術が開示されている。さらに、このような搬送体の制御は、図17のブロック図で示す制御系により行われる旨が[特許文献8]のFig.7に開示されている。図17は、搬送体の傾き角度KΘ1および搬送体の傾き角度の時間微分であるKΘ2信号に演算回路からのオフセット信号を印加することにより、搬送体の速度を制御する技術を開示している。また、[特許文献12]にも同様の技術が開示されている。
いわゆる古典制御理論については、例えば、補償要素の設計理論が[非特許文献1]に述べられており、いわゆる現代制御理論については、すべての状態変数を外部から制御できる可制御性の概念、可制御の必要十分条件、レギュレータや評価関数を最大または最小とする最適レギュレータが、[非特許文献2]に述べられている。
ところで、このような搬送体は、加速する場合や走行状態から減速し、更には停止する場合には、搬送者のステップ台上における姿勢、すなわち、走行方向における重心の位置を変化させるものである。例えば、減速に関して言えば、搬送体が前方に移動している場合には、搬送者が後方に重心を移し、逆に後方に移動している場合には前方に重心の位置を移動することにより行うものであり、加速の場合にはこの逆の方向に重心を移動させるものである。
このような加減速は、搬送者の動作に依存しており、特に搬送体を急停止する制動動作の場合などには、搬送者の意思のように搬送体が制御されない場合も生じてしまう。すなわち、搬送者がいわゆるパニックに陥った場合に、冷静に自分の体重を移動させることは困難な場合があり、このような場合には搬送者の意思と搬送者の行動とが乖離するために、搬送体の運動が搬送者の意思とは異なる場合が生じる。このような状態は、加速についても同様な場合がある。
したがって、搬送者の意思を重視し、加速の意思、あるいは減速や停止の意思を検出し、搬送者の重心の移動を強制的に生じさせ、結果として、搬送体を加速したり、減速したり、あるいは停止したりする方がより好ましい場合もあるが、このような手段およびこのような方法が、背景技術に示した2輪車の発明においては提供されていない。
(請求項1)上述の課題を解決するため本発明の搬送体は、走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動する動力発生手段と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択する状態選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および状態選択手段からの信号とに基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生する目標値発生手段と、目標値信号と傾き角度に応じた信号との差の信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項4)上述の課題を解決するため本発明の搬送体の搬送方法は、車輪を筐体に回転自在に支持し、車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および選択した状態に基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生し、目標値信号と傾き角度に応じた信号との差の信号とに基づき動力発生手段を駆動するものである。
(請求項5)上述の課題を解決するため本発明の搬送体は、走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動する動力発生手段と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、搬送体の加速状態を選択する加速選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、加速選択手段からの信号および回転角速度に応じた信号の極性の正負とに基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生する目標値発生手段と、目標値信号と傾き角度に応じた信号との差に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項8)上述の課題を解決するため本発明の搬送体は、走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動する動力発生手段と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、搬送体の減速状態を選択する減速選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、減速選択手段からの信号および回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生する目標値発生手段と、目標値信号と傾き角度に応じた信号との差の信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項12)上述の課題を解決するため本発明の搬送体は、走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動する動力発生手段と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択する状態選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、状態選択手段からの信号および回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生する目標値発生手段と、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、第2の目標値信号と傾き角度に応じた信号の差の信号および傾き角度信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項13)上述の課題を解決するため本発明の搬送体の搬送方法は、車輪を筐体に回転自在に支持し、車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および選択した状態に基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生し、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角速度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生し、第1の目標値と回転角速度との差に対応した信号、第2の目標値と傾き角速度との差に対応した信号および傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
(請求項14)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の加速装置は、行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速装置であって、搬送体の加速状態を選択する加速選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、状態選択手段からの信号および回転角速度に応じた信号の極性の正負とに基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生する目標値発生手段と、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、第2の目標値信号と傾き角度に応じた信号の差の信号および傾き角度信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項15)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の加速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速装置であって、搬送体の加速状態を選択する加速選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速選択手段からの信号に基づき回転角速度に応じた目標値に対応した信号を出力する目標値発生手段と、目標値と回転角速度との差の信号、傾き角度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号および傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項16)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の減速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速装置であって、搬送体の減速状態を選択する減速選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、状態選択手段からの信号および回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生する目標値発生手段と、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、第2の目標値信号と傾き角度に応じた信号の差の信号および傾き角度信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項17)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の減速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速装置であって、搬送体の減速状態を選択する減速選択手段と、筐体の傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速選択手段からの信号とに基づき回転角速度に応じた目標値に対応した信号を発生する目標値発生手段と、目標値と回転角速度との差の信号、傾き角度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号および傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動する制御手段と、を備えるものである。
(請求項18)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の加速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速方法であって、搬送体の走行状態を加速状態とするように選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速選択手段からの信号とに基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値信号である第1の目標値信号を発生し、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角速度に応じた信号に対する目標値信号である第2の目標値信号を発生し、第1の目標値と回転角速度との差に対応した信号、第2の目標値と傾き角速度との差に対応した信号および傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
(請求項19)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の加速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速方法であって、搬送体の走行状態を加速状態とするように選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、目標値と回転角速度との差の信号、傾き角度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号および傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
(請求項20)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の減速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速方法であって、搬送体の走行状態を減速状態とするように選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速選択手段からの信号に基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値信号である第1の目標値信号を発生し、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角速度に応じた信号に対する目標値信号である第2の目標値信号を発生し、第1の目標値と回転角速度との差に対応した信号、第2の目標値と傾き角速度との差に対応した信号および傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
(請求項21)上走述の課題を解決するため本発明の搬送体の減速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速方法であって、搬送体の走行状態を減速状態とするように選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、目標値と回転角速度との差の信号、傾き角度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号および傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
(請求項1)本発明の搬送体は、動力発生手段と、筺体と、状態選択手段と、位置検出手段と、回転角速度検出手段と、目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、車輪に回転力を発生させながら、状態選択手段によって選択される走行状態に応じて筐体を所定の傾きに維持して、搬送体の速度制御が行えるものである。
(請求項4)本発明の搬送体の搬送方法は、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、搬送体の走行状態を選択し、走行状態に応じた目標値信号を発生し、動力発生手段を駆動するので、このような搬送方法を採用すれば、搬送者が搬送体の走行状態を選択し、自由に加減速操作が可能となるものである。
(請求項5)本発明の搬送体は、動力発生手段と、筺体と、加速選択手段と、位置検出手段と、回転角速度検出手段と、目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、加速選択手段を搬送者が操作することにより自由に加速が可能となるものである。
(請求項8)本発明の搬送体は、動力発生手段と、筺体と、減速選択手段と、位置検出手段と、回転角速度検出手段と、目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、減速選択手段を搬送者が操作することにより自由に減速が可能となるものである。
(請求項12)本発明の搬送体は、動力発生手段と、筺体と、状態選択手段と、位置検出手段と、位置変化検出手段と、回転角速度検出手段と、回転角加速度検出手段と、第1および第2の目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、状態選択手段によって選択される走行状態に応じて、第1の目標値信号に回転角加速度に応じた信号を追従させ、第2の目標値信号に傾き角速度に応じた信号を追従させ、筐体の姿勢を維持して、搬送体の速度制御が行えるものである。
(請求項13)本発明の搬送体の搬送方法は、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号、車輪の回転角速度に応じた信号、を検出し、搬送体の走行状態を選択し、第1および第2の目標値信号を発生し、動力発生手段を駆動するので、このような搬送方法を採用すれば、搬送者が搬送体の走行状態を選択し、筐体の姿勢の維持を図りつつ自由に加減速操作が可能となるものである。
(請求項14)本発明の搬送体の加速装置は、加速選択手段と、位置検出手段と、位置変化検出手段と、回転角速度検出手段と、回転角加速度検出手段と、第1および第2の目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、加速選択手段を搬送者が操作することにより目標値信号の大小に応じて加速が可能となるものであり、搬送体に用うれば搬送体の姿勢を維持しつつ加速が可能となるものである。
(請求項15)本発明の搬送体の加速装置は、加速選択手段と、位置検出手段と、位置変化検出手段と、回転角速度検出手段と、回転角加速度検出手段と、目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、加速選択手段を搬送者が操作することにより目標値信号の大小に応じて加速が可能となるものであり、搬送体に用うれば搬送体の姿勢を維持しつつ加速が可能となるものである。
(請求項16)本発明の搬送体の減速装置は、減速選択手段と、位置検出手段と、位置変化検出手段と、回転角速度検出手段と、回転角加速度検出手段と、第1および第2の目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、減速選択手段を搬送者が操作することにより目標値信号の大小に応じて減速が可能となるものであり、搬送体に用うれば搬送体の姿勢を維持しつつ減速が可能となるものである。
(請求項17)本発明の搬送体の減速装置は、減速選択手段と、位置検出手段と、位置変化検出手段と、回転角速度検出手段と、回転角加速度検出手段と、目標値発生手段と、制御手段と、を備えるので、減速選択手段を搬送者が操作することにより目標値信号の大小に応じて減速が可能となるものであり、搬送体に用うれば搬送体の姿勢を維持しつつ減速が可能となるものである。
(請求項18)本発明の搬送体の加速方法は、加速状態を選択し、筐体の傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、回転角加速度を検出し、第1および第2の目標値信号を発生し、動力発生手段を駆動するので、このような加速方法を搬送体に採用すれば、加速状態を搬送者が選択することにより目標値信号の大小に応じて加速操作が可能となるものである。
(請求項19)本発明の搬送体の加速方法は、加速状態を選択し、筐体の傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、回転角加速度を検出し、目標値を発生し、動力発生手段を駆動するので、このような加速方法を搬送体に採用すれば、加速状態を搬送者が選択することにより目標値信号の大小に応じて加速操作が可能となるものである。
(請求項20)本発明の搬送体の減速方法は、減速状態を選択し、筐体の傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、回転角加速度を検出し、第1および第2の目標値信号を発生し、動力発生手段を駆動するので、このような減速方法を搬送体に採用すれば、減速状態を搬送者が選択することにより目標値信号の大小に応じて減速操作が可能となるものである。
(請求項21)本発明の搬送体の減速方法は、減速状態を選択し、筐体の傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、回転角加速度を検出し、目標値を発生し、動力発生手段を駆動するので、このような減速方法を搬送体に採用すれば、減速状態を搬送者が選択することにより目標値信号の大小に応じて減速操作が可能となるものである。
〔第1の実施の形態〕
図1ないし図5を参照して、本発明の好ましい第1の実施の形態を説明する。図1には、第1の実施の形態を説明するための搬送体の概略を示す。図1は搬送体10を正面方向から見た断面図であり、搬送体10に乗って操車する搬送者の顔は紙面の表面から紙面の裏面方向へと向いている。図2は、正面方向と直交する直交方向から見た断面図である。操作者の顔面の正面方向は図2の紙面左方向である。
図1ないし図5を参照して、本発明の好ましい第1の実施の形態を説明する。図1には、第1の実施の形態を説明するための搬送体の概略を示す。図1は搬送体10を正面方向から見た断面図であり、搬送体10に乗って操車する搬送者の顔は紙面の表面から紙面の裏面方向へと向いている。図2は、正面方向と直交する直交方向から見た断面図である。操作者の顔面の正面方向は図2の紙面左方向である。
図1に示す搬送体10の各部の構成および作用が、背景技術に示すものと共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図1に示す搬送体10のハンドル119には手での操作が容易になされるブレーキレバー21とアクセルレバー20とが設けられている。なお、手での操作に変えて足で操作するために図示しないブレーキペダルとアクセルペダルとを、筐体の一具体例を示すステップ台111に設けても良い。以下の説明においては、減速作用を行うための操車者とのインターフェイスをブレーキレバー、加速作用を行うための操車者とのインターフェイスをアクセルレバーで代表して用いる。また、ハンドル119には搬送体の動作を示す図示しない表示板を設け、深夜運転のための図示しないヘッドライトのオン/オフスイッチ等を備える図示しない操作板を設けても良い。
制御手段は、モータ114およびモータ115を制御し、車輪112および車輪113を回転駆動する。以下の説明においては、車輪112および車輪113が同じ回転速度で回転する場合について説明する。この場合、モータが1個の1輪車と同じ作用をなす。また、2つ以上のモータで2つ以上の車輪を回転させる場合においても、総合した回転角度を採用すれば、以下の説明は一般性を失うことはない。なお、電源部、制御手段はステップ台111の下部に設けられている。電源部は、蓄電池を備えており、搬送体10を動かすエネルギの源となる。
まず、第1の実施の形態の原理から説明する。制御の立場より搬送体10を制御系として見た場合には、筐体の傾きを検出手段で検出し、傾き角度を所定の目標値とするように制御するフィードバックループであることは上述したところである。
背景技術の制御系をブロック図で表現すれば図3のように書ける。ここで、目標値Θrが零の場合が、背景技術に示す制御系である。ここで、Θdは位置検出手段で検出する傾き角度に応じた信号であり、Θeは目標値Θrと位置検出手段により検出される角度に応じた制御量Θdとの差分であり誤差または偏差等と一般に呼ばれる変数である。Gsは、偏差Θeからステップ台111の傾き角度Θbまでの伝達関数である。制御量Θdは、傾き角度Θbの関数であり、[数8]式で表されるが、Θd=Θbとしても一般性を失うことはないので、第1の実施の形態における以下の説明は、Θd=Θbとして行う。
[数8]
Θd=f(Θb)
Θd=f(Θb)
[数9]式に示すフィードバックループの開ループゲインGg(S)、すなわち、G(S)の振幅成分の値が無限に大きいと、重心点の位置をどのように移動させても検出された角度に応じた信号Θbは目標値Θrと等しくなり、Θeは零を保ち続ける。ここで、Sは複素周波数である。
[数9]
Gg(S)=|G(S)|
Gg(S)=|G(S)|
しかし、一般的には、モータの発生する動力の大きさが有限であること、モータを駆動する電力が有限であること、機構部の制約により搬送体として出し得る最高の速度が制限されること、走行面が平らでなく車輪の回転力を有効に伝えることができない場合もあること、制御対象が周波数に対してゲインや位相が変化する周波数特性を有すること、または、非線形特性を有すること、等の理由から制御系の開ループゲインは、通常は有限の値である。
したがって、ゲインが有限である場合には偏差Θeは、零とはならない、すなわち、定常偏差を残して搬送体は走行面上を走行する。定常偏差は、偏差の性質、制御系の特性的な特徴、開ループの特性等により大きさが定まるものである。ここで、線形の制御系において、開ループの性能を評価する基準は、古典制御理論では、位相余裕、ゲイン余裕、帯域である。
位相余裕、ゲイン余裕、帯域はBode線図から容易に見出せる。ここで、Bode線図とは、[非特許文献1]にも説明があり、[数9]式に示すゲイン特性Gg(S)と[数10]式に示す位相特性Gp(S)とを同一のグラフ上に表したものである。ここで、Argは位相を表す。なお、ゲインを表す単位はdBであり、位相を表す単位はDegreeである。
[数10]
Gp(S)=Arg{G(S)}
Gp(S)=Arg{G(S)}
位相余裕は、ゲイン特性Gg(S)が0dBとなる周波数における位相特性Gp(S)の値(Degree)であり、ゲイン余裕は位相特性Gp(S)が0Degreeとなる点のゲイン特性Gg(S)の値(dB)を負値で表す値である。帯域はゲイン特性Gg(S)が0dBとなる周波数の値(Hz)である。位相余裕とゲイン余裕は制御系としての安定度のマージンを示す数値で、帯域は応答特性を示すものと考えられる。
一般的に、このような搬送体が走行面を走行する場合に必要とされるこれらの性能評価の基準は、走行面の路面状況、搬送体が実用性を重視するものかスポーツ性を重要視するものかで大きく異なるものである。通常の路面を走行する実用的乗り物では、位相余裕は40ないし60(Degree)、ゲイン余裕は10ないし20(dB)、帯域は20(Hz)程度である。
平坦な路面で、搬送体の機構部の寄生的な共振が無い場合には、位相余裕は30(Degree)、ゲイン余裕は8(dB)、帯域は5(Hz)でも実用になるものである。一方、スポーツ性を重視する場合には、機敏に応答するために帯域を広くする必要があり、50(Hz)程度を得ることが望ましい。また、一般的な路面状況に関して言えば、路面と搬送体との関係も刻々変化するので位相余裕は40(Degree)、ゲイン余裕は15(dB)程度を平坦な路面における特性として確保しておくのが望ましい。
このような基準に適合した開ループ特性を得るためには、本来の力学系が示す特性Gs(S)に、図4に示す補償要素Ga(S)を付加し、開ループの位相特性やゲイン特性を変更するのが通常用いられる方法である。位相特性を変更する補償要素は位相補償Gc(S)と呼ばれるものである。本来の力学系が2次以上の低域フィルタ特性を一般的に有するものであるところから、低域で位相を遅れさせ、高域で位相を進ませる、いわゆるラグ・リードフイルタが用いられる。
なお、位相補償の効果は、背景技術に挙げた[特許文献8]では、Fig.8に示す搬送体の傾き角度と搬送体の角度の時間微分回路およびこれらの信号の加算回路が、[特許文献1]、[特許文献5]においては、状態フィードバックが、効果において略同様である。ここで、フィードバックする変数の量が多いほど制御系に多くの極と零点を供給するので、より制御系の特性の改善が容易である。これらの作用は同じであるが、周波数領域で表現するか、時間領域で表現するかで発明の表現が異なるものとなるので、以下の説明では、ときとしては、両方の表現を用いることとする。
このようなフィルタを用いることにより、低域のゲインを上げて定常偏差を小さくし、高域位相を進めて位相余裕を増やし、安定度を良好にして同時に帯域を広くすることができる。ゲイン特性の変更に関しては、ゲイン調整器Gkを入れればよい。
このような補償要素を付加した制御系は、PID制御系と呼ばれる。すなわち、比例(P)特性のゲイン調整と、積分(I)特性の遅れ補償と、時間微分特性(D)の進み補償を行う制御系だからである。Gc(S)やゲイン調整Gkを施した場合の補償要素の伝達関数Ga(S)は、[数11]式で表される。また、補償要素Ga(S)を加味した全体の伝達関数は[数12]式のG(S)で表される。ここで、Gs(S)は、搬送体10の本来の伝達関数である。このような、補償要素を含む制御系を図4に示す。
[数11]
Ga(S)=Gc(S)×Gk
[数12]
G(S)=Ga(S)×Gs(S)=Gc(S)×Gk×Gs(S)
Ga(S)=Gc(S)×Gk
[数12]
G(S)=Ga(S)×Gs(S)=Gc(S)×Gk×Gs(S)
このような搬送体において、目標値Θrを零ではなく正の所定の値Θr+に選択すると、角度に応じた信号Θbは、偏差Θeを残して所定の値となるように搬送体10のステップ台111は前方を下げて、すなわち、Θbが正の値Θr+に追従するように、傾きながら走行する。一方、目標値Θrを負の所定の値Θr−に選択すると、搬送体10のステップ台111は、偏差Θeを残して、前方を上げて、Θbが負の値Θr−に追従するように、傾きながら走行する。
ここで、重心の位置とトルク反作用の関系を分かり易く表す式を導く。[数7]式においては、重力加速度Wgは、搬送物を搬送する場合には、筐体および搬送物の重量の和であるので略定数と考えられる。
また、値rは、車輪とモータの回転軸とが直結される場合にはモータの構造にのみ依存する値であり、また、ギヤを用いる場合にはギヤの構成とモータの配置から決まる値であるので定数である。
一方、値Θbと値L1は、搬送物が搬送者である場合には、搬送者が身体を移動させると変化する変数であり、Fr1およびFr2はモータに印加する電力に応じて変わる変数である。ここで、値L1および値Θbが重心の位置を表すものであり、値Fr1および値Fr2がトルク反作用力を表すものである。
ここで、変数だけを抜き出した式を[数7]式と[数5]式とから導出すると、[数13]式を得ることができる。ここでKは定数であり、[数14]式で表されるものである。
[数13]
SinΘb×L1=K×(Fr1+Fr2)
[数14]
K=r/Wg
SinΘb×L1=K×(Fr1+Fr2)
[数14]
K=r/Wg
[数13]式の左辺は、値Θbと値L1との積で表されているが、ΘbとL1との2つのパラメータはいずれも搬送者の重心の位置を極座標表示により表す座標系に他ならない。このことは、重心の位置を移動すれば、それに応じてトルク反作用力が変化して搬送体10の姿勢を所定の位置に維持する制御が働き、それに伴い搬送体10の移動速度も変化することを表すものである。
すなわち、制御系として動作する範囲では、値Θbを負とすると搬送体10を後方に移動する力が搬送体と走行面間に働き、値Θbを正とすると搬送体10を前方に移動する力が搬送体と走行面間に働くこととなる。
このことは、目標値Θrを通常走行における零から正の所定の値Θr+に選択すると、搬送体10を前方に移動する力が搬送体と走行面間に働き、負の所定の値Θr−に選択すると、搬送体10を後方に移動する力が搬送体と走行面間に働くことを意味している。また、加速度の大きさは、値Θr+または値Θr−の絶対値により定まり、絶対値が大きくなると移動する力も大きくなる。
搬送者が耐えられる、すなわち、ステップ台111から搬送者が滑り落ちてしまわない傾き角度Θbであって、かつ、搬送体10の筐体の一部でも走行面と接触しないような正側の目標値をΘrl+とし、負側の目標値をΘrl−として、第1の実施の形態におけるブレーキ装置の作用を説明する。
なお、傾き角度Θbの検出は、例えば、回転角度に応じて抵抗値が変化するポテンショメータの回転軸に剛体の棒を固着し、この棒の先端に錘を固着して錘が鉛直方向に引かれる性質を利用して、傾き角度Θbの大きさに応じた抵抗値の変化を検出することにより、傾き角度Θbを検出できる。この場合、棒の一部にダッシュポットからなるダンパー機構を付加して応答特性を向上することが望ましい。また、ポテンショメータの取り付け部位はステップ台111のみではなく、ステップ台111を構成要素とする筺体のいかなる部分に取り付けても良い。
また、走行面と接するレバーを設け、このレバーの他の端にポテンショメータを設ければ、走行面とステップ台111とのなす角度を沿直線とステップ台111とのなす角度に変えて、別の傾き角度に応じた信号として用いることができる。ここで、傾き角度に応じた信号の極性は、例えば、鉛直線を基準とする場合には、鉛直線を基点として前方方向に正の極性を付し、鉛直線を基点として後方方向に負の極性を付すものとする。また、例えば、走行面を基準とする場合には、走行面に直交する直線からの角度であり、この直交する直線を基点として前方方向に正の極性を付し、鉛直線を基点として後方方向に負の極性を付すものとする。
車輪の回転角度Θwは車輪の回転軸と結合されるロータリエンコーダにより検出することができ、ロータリエンコーダからの信号を時間微分すれば車輪の回転角速度dΘw/dtに応じた信号を検出することができる。回転角速度dΘw/dtに応じた信号は、車輪の回転軸に結合されるタコジェネレータにより検出しても良い。ロータリエンコーダからの出力は、通常は、回転方向を示す極性信号と所定の角度ごとにパルスを出力する信号との2相の信号からなるので、極性を加味してパルス数の加算をすれば回転角度の検出は可能である。加算や微分演算、制御演算は、DSP(Digital Signal Processor)を用いた演算やアナログ微分回路により行うことができる。完全微分、すなわち、伝達関数でSで表される微分では、高域のノイズが増大する場合には、S/(S+ω)なる伝達関数で表される微分を用いることができる。ここで、回転角度の基準点は、例えば、鉛直線を基準とする場合には、鉛直線を基点として前方方向に正の極性を付し、鉛直線を基点として後方方向に負の極性を付すものとする。また、例えば、走行面を基準とする場合には、走行面に直交する直線からの角度であり、この直交する直線を基点として前方方向に正の極性を付し、鉛直線を基点として後方方向に負の極性を付すものとする。
第1の実施の形態における処理は、ソフトウエアによる離散処理として説明をするが、同様な技術的思想の下、ハードウエアによる連続処理を行うこともできる。ソフトウエア処理の場合には、所定の割り込みタイミングで、処理を順次行う。割り込みのタイミングは、制御系の応答特性に影響を与える。すなわち、サンプリング定理によりサンプリング周波数の1/2以上の周波数成分の信号は得ることができない。また、演算結果を0次ホールドにより出力すると、サンプリング周期の1/2の時間の時間遅れが生じ、サンプリング周波数において180Degreeの位相遅れが生じ、この位相おくれは信号の周波数に比例したものとなる。
例えば、演算結果を一周期遅れて出力し、0次ホールドした出力信号により動力発生源を駆動する場合に位相余裕の損失を5(Degree)以下とするためには、帯域が5Hzの場合には、5(Hz)×540(Degree)/5(Degree)は540(Hz)以上のサンプリング周波数が必要となる。
また、各ステップにおける一連の処理時間があり、この処理時間は判断内容によりバラツキが生じる。このため、一般的には一連の処理が終わった後に直に動力発生手段を制御する制御信号を出力するのではなく、次のステップ1への割り込みと同時に、一割り込み時間遅れて制御信号が出力される。これにより1サンプリング周期に対応したサンプリング周波数において360Degreeの位相遅れが信号の周波数に比例して更に加算された位相遅れが生じる。その結果として、総合的にはサンプリング周波数と同じ周波数の制御信号は、0次ホールドによる180(Degree)と一割り込み時間遅れによる360(Degree)とが加算された540(Degree)の位相遅れを生じさせる。したがって、ソフトウエアによる離散処理を行う場合には、制御信号の周波数と、サンプリング周波数との関係で位相余裕が侵食されてしまうので、位相余裕が十分に得られるサンプリング周波数を選択する必要がある。
(第1の演算則)
図5に沿って、第1の演算則における各ステップの動作を説明する。割り込み信号により、スタートより処理は開始される。ステップS1は、搬送体10の移動速度の減速を行う減速状態(制動状態、ブレーキ状態)であるか、移動速度の加速を行う加速状態であるか、通常走行状態であるかを検出する状態検出ステップである。この状態検出ステップS1は、例えば、状態信号が−1、1、0、のいずれかを検出することにより行われる。制動状態の場合には、図1に示す搬送体10のハンドル119に設けられるブレーキレバー21が操作されると−1の状態を示す信号が出力され、ブレーキレバーの操作を止めると0の状態となるようにされている。また、アクセルレバー20が操作されると1の状態となり、アクセルレバーの操作を止めると0の状態となる。
図5に沿って、第1の演算則における各ステップの動作を説明する。割り込み信号により、スタートより処理は開始される。ステップS1は、搬送体10の移動速度の減速を行う減速状態(制動状態、ブレーキ状態)であるか、移動速度の加速を行う加速状態であるか、通常走行状態であるかを検出する状態検出ステップである。この状態検出ステップS1は、例えば、状態信号が−1、1、0、のいずれかを検出することにより行われる。制動状態の場合には、図1に示す搬送体10のハンドル119に設けられるブレーキレバー21が操作されると−1の状態を示す信号が出力され、ブレーキレバーの操作を止めると0の状態となるようにされている。また、アクセルレバー20が操作されると1の状態となり、アクセルレバーの操作を止めると0の状態となる。
ステップS2においては、走行状態に基づき処理が分岐をする。すなわち、通常走行状態である場合には、目標値Θrを零とするステップS3に進む。一方、ステップS2において、走行状態が減速状態または加速状態である場合には、ステップS4に進む。
ステップS3においては、制御系は、目標値Θrを零とし、または、通常の走行に影響を与えない範囲の所定の値とする。これにより、搬送体10は大きく前傾または後傾することなく走行を持続する。
ステップS4では、車輪の回転角速度dΘw/dtを検出する。この場合、車輪と直結あるいはギヤを介して結合されるモータの回転角速度dΘm/dtを検出しても同様の作用をさせることができる。車輪の回転角速度dΘw/dtに替えてモータの回転角速度dΘm/dtを用いる場合には、図5のフローチャートで、dΘw/dtをdΘm/dtと読み替えるものとする。このステップS4が終了するとステップS5に跳ぶ。
ステップS5では、回転角速度dΘw/dtの大きさの絶対値である|dΘw/dt|を計算する。
ステップS6では、どのような制御を行うかの判断を行う。その判断の結果、以下の場合分け(Case)に従って分岐する。
(Case1)
(1)ステップS1において検出した状態が減速状態、すなわち、−1の場合で、
(2)|dΘw/dt|<ε1が成立する場合。
以上の条件で、ステップS3に跳び、走行状態における目標値であるΘrに略零が設定される。これは、ε1は予め設定する所定の微小な値である。この式|dΘw/dt|<ε1が成立する場合には、搬送体の移動速度は十分落ちており、ブレーキの必要はないからである。
(Case1)
(1)ステップS1において検出した状態が減速状態、すなわち、−1の場合で、
(2)|dΘw/dt|<ε1が成立する場合。
以上の条件で、ステップS3に跳び、走行状態における目標値であるΘrに略零が設定される。これは、ε1は予め設定する所定の微小な値である。この式|dΘw/dt|<ε1が成立する場合には、搬送体の移動速度は十分落ちており、ブレーキの必要はないからである。
(Case2)
(1)ステップS1において検出した状態が減速状態、すなわち、−1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|>ε1が成立し、
(3)式dΘw/dt>0の場合。
以上の条件でステップS7に跳び、目標値Θrに値Θrl−を入れる。これは、|dΘw/dt|>ε1であることより、所定の値ε1よりも車輪の回転角速度が高いことを判断し、更に、dΘw/dt>0であることより、搬送体は、前方に走行していることを判断するからである。ステップS7に跳ぶことにより、ステップ台111は後方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が後方に移動し、最大の減速(ブレーキ)量が搬送体10に作用する。
(1)ステップS1において検出した状態が減速状態、すなわち、−1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|>ε1が成立し、
(3)式dΘw/dt>0の場合。
以上の条件でステップS7に跳び、目標値Θrに値Θrl−を入れる。これは、|dΘw/dt|>ε1であることより、所定の値ε1よりも車輪の回転角速度が高いことを判断し、更に、dΘw/dt>0であることより、搬送体は、前方に走行していることを判断するからである。ステップS7に跳ぶことにより、ステップ台111は後方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が後方に移動し、最大の減速(ブレーキ)量が搬送体10に作用する。
(Case3)
(1)ステップS1において検出した状態が減速状態、すなわち、−1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|>ε1が成立し、
(3)式dΘw/dt<0の場合。
以上の条件でステップS8に跳び、目標値Θrに値Θrl+を入れる。これは、|dΘw/dt|>ε1であることより、所定の値ε1よりも車輪の回転角速度が高いことを判断し、更に、dΘw/dt<0であることより、搬送体は、後方に走行していることを判断するからである。ステップS8に跳ぶことにより、ステップ台111は前方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が前方に移動し、最大の減速(ブレーキ)量が搬送体10に作用する。
(1)ステップS1において検出した状態が減速状態、すなわち、−1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|>ε1が成立し、
(3)式dΘw/dt<0の場合。
以上の条件でステップS8に跳び、目標値Θrに値Θrl+を入れる。これは、|dΘw/dt|>ε1であることより、所定の値ε1よりも車輪の回転角速度が高いことを判断し、更に、dΘw/dt<0であることより、搬送体は、後方に走行していることを判断するからである。ステップS8に跳ぶことにより、ステップ台111は前方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が前方に移動し、最大の減速(ブレーキ)量が搬送体10に作用する。
(Case4)
(1)ステップS1において検出した状態が加速状態、すなわち、1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|<ε3が成立し、
(3)式dΘw/dt>0の場合。
以上の条件でステップS8に処理は跳び、目標値Θrに値Θrl+を入れる。ここで、ε3は目標速度であり、この速度に達するまで加速は、維持される。すなわち、式|dΘw/dt|<ε3より加速がまだ必要なことを判断し、式dΘw/dt>0より前方に加速が必要であることが判断される。そして、ステップ台111は前方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が前方に移動し、最大の加速量が搬送体10に作用する。
(1)ステップS1において検出した状態が加速状態、すなわち、1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|<ε3が成立し、
(3)式dΘw/dt>0の場合。
以上の条件でステップS8に処理は跳び、目標値Θrに値Θrl+を入れる。ここで、ε3は目標速度であり、この速度に達するまで加速は、維持される。すなわち、式|dΘw/dt|<ε3より加速がまだ必要なことを判断し、式dΘw/dt>0より前方に加速が必要であることが判断される。そして、ステップ台111は前方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が前方に移動し、最大の加速量が搬送体10に作用する。
(Case5)
(1)ステップS1において検出した状態が加速状態、すなわち、1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|<ε3が成立し、
(3)式dΘw/dt<0の場合。
以上の条件でステップS7に処理は移り、目標値Θrに値Θrl−を入れる。ここで、式dΘw/dt<0より後方に現在走行していることを判断する。これにより、ステップ台111は後方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が後方に移動し、最大の加速量が搬送装置10に作用する。
(1)ステップS1において検出した状態が加速状態、すなわち、1の場合で、
(2)式|dΘw/dt|<ε3が成立し、
(3)式dΘw/dt<0の場合。
以上の条件でステップS7に処理は移り、目標値Θrに値Θrl−を入れる。ここで、式dΘw/dt<0より後方に現在走行していることを判断する。これにより、ステップ台111は後方に最大許容角度倒れ、その結果として重心が後方に移動し、最大の加速量が搬送装置10に作用する。
Case1ないしCase5のいずれに該当するかに応じてステップS3、ステップS7、ステップS8のいずれかに分岐した後、次の割り込みタイミングで再び、ステップS1に跳び、一連の処理を繰り返すことにより、搬送体10は、通常走行状態の場合には通常走行を維持し、減速状態ではε1で定める速度まで減速が維持され、加速状態ではε3で定める速度まで加速が維持される。減速状態においてε1を略零の値とする場合には最終的には停止に至る。なお、目標値Θrに最大値許容角度Θrl−、または、Θrl+を代入するとして説明をしてきたが、最大値許容角度以下の所定の値を入れても良い。
以上の条件分岐は、いくつかの条件を基準として分岐をしたが、ひとまとめにすると、以下の式により目標値Θrを定めれば良いことになる。
Θr=S×Sgn(dΘw/dt)×V×|Θrl+|
ここで、Sgnは極性符号であり、式dΘw/dtが正である場合には1で、dΘw/dtが負である場合には−1である。Sは走行状態を示しており、通常走行では0、減速走行では−1、加速走行では1である。Vは速度の絶対値が所定の値以上か以下であるかを示しており、減速状態では、|dΘw/dt|>ε1の場合には1で、|dΘw/dt|<ε1の場合には0である。更に、Vは加速状態では、|dΘw/dt|<ε3の場合には1で、|dΘw/dt|>ε3の場合には0である。また、演算の結果、Θrが零となる場合には所定の微小な値をΘrに代入するものとしても良い。
Θr=S×Sgn(dΘw/dt)×V×|Θrl+|
ここで、Sgnは極性符号であり、式dΘw/dtが正である場合には1で、dΘw/dtが負である場合には−1である。Sは走行状態を示しており、通常走行では0、減速走行では−1、加速走行では1である。Vは速度の絶対値が所定の値以上か以下であるかを示しており、減速状態では、|dΘw/dt|>ε1の場合には1で、|dΘw/dt|<ε1の場合には0である。更に、Vは加速状態では、|dΘw/dt|<ε3の場合には1で、|dΘw/dt|>ε3の場合には0である。また、演算の結果、Θrが零となる場合には所定の微小な値をΘrに代入するものとしても良い。
(第2の演算則)
第2の演算則は減速状態での走行に好適なものであり、特に所定の位置を目標として停止する場合に最も適した方法である。以下、本演算則による減速状態での走行について、図6に沿って説明する(ステップS1で、走行状態を検出する。)。
第2の演算則は減速状態での走行に好適なものであり、特に所定の位置を目標として停止する場合に最も適した方法である。以下、本演算則による減速状態での走行について、図6に沿って説明する(ステップS1で、走行状態を検出する。)。
ステップS1で、走行状態を検出する。次に、ステップS2において、通常走行状態であると判断する場合には、ステップS3に跳び通常の走行を維持する。一方、減速状態であると判断する場合には、ステップS4に分岐する。
ステップS4において、減速状態に切り替わったことを検出したとき、すなわち、前の処理の時点で状態信号が0であったのに今回の処理時点で状態信号が−1となっていることを検出したとき、回転角度Θwの値を零にリセットする。また、ステップS4を何度通過したかを示すカウンタの値Nをリセットする。更に、回転角度Θwおよび回転角速度dΘw/dtを読む。
ステップS5において、回転角度Θwの絶対値である|Θw|を演算する。また、カウンタの値Nを1だけインクリメントする。
次に、ステップS6において制御判断をする。
(Case1)
(1)カウンタ値Nが予め定める所定の値以上であって、
(2)式|Θw|<ε2の場合。
以上の条件でステップS3に跳び、走行状態における目標値である値Θrに略零が設定される。ここで、値ε2は所定の微少な値であり、停止目標位置からの離間距離を表すものである。この値ε2は、減速状態にセットした時点の位置、すなわち、ブレーキレバー21を操作した時点における位置の近傍に搬送体10が居ることを表すものである。本演算則に従う制御を行えば、|Θw|<ε2となすように制御が働く。すなわち、減速状態にセットした後、惰性で行き過ぎた場合でも、再び元の位置に戻る制御が働きブレーキレバー21を操作した時点における位置付近に搬送体10を位置させる制御が働くものである。
(Case1)
(1)カウンタ値Nが予め定める所定の値以上であって、
(2)式|Θw|<ε2の場合。
以上の条件でステップS3に跳び、走行状態における目標値である値Θrに略零が設定される。ここで、値ε2は所定の微少な値であり、停止目標位置からの離間距離を表すものである。この値ε2は、減速状態にセットした時点の位置、すなわち、ブレーキレバー21を操作した時点における位置の近傍に搬送体10が居ることを表すものである。本演算則に従う制御を行えば、|Θw|<ε2となすように制御が働く。すなわち、減速状態にセットした後、惰性で行き過ぎた場合でも、再び元の位置に戻る制御が働きブレーキレバー21を操作した時点における位置付近に搬送体10を位置させる制御が働くものである。
また、カウンタ値Nが予め定める所定の値以上を条件とする理由は、所定の時間経過した後でなければ、|Θw|の値は所定の微少な値ε2より小さく減速の状態に入らずにステップS3に直に分岐してしまい、その結果として減速のタイミングが遅れるからである。なお、所定の時間、すなわち、所定のNの値(サンプリング周期を掛けた値)は、実験により定めることができるものである。
(Case2)
(1)式Θw>0の場合で、
(2)カウンタの値が所定の値N以下の場合。
以上の条件で、ステップS7に跳び目標値Θrに値Θrl−を入れる。この場合、|Θw|<ε2であっても、ブレーキレバー21を操作してから殆ど時間が経過していないため、通常走行状態にすると、減速が全く行われない場合があるからである。したがって、ブレーキレバー21の操作から所定の時間は、減速を続ける。
(1)式Θw>0の場合で、
(2)カウンタの値が所定の値N以下の場合。
以上の条件で、ステップS7に跳び目標値Θrに値Θrl−を入れる。この場合、|Θw|<ε2であっても、ブレーキレバー21を操作してから殆ど時間が経過していないため、通常走行状態にすると、減速が全く行われない場合があるからである。したがって、ブレーキレバー21の操作から所定の時間は、減速を続ける。
(Case3)
(1)式Θw<0の場合で、
(2)カウンタの値が所定の値N以下の場合。
以上の条件でステップS8に跳び目標値Θrに値Θrl+を入れる。同様に時間が経過していないため、通常走行状態にすると、減速が全く行われない場合があるからである。
(1)式Θw<0の場合で、
(2)カウンタの値が所定の値N以下の場合。
以上の条件でステップS8に跳び目標値Θrに値Θrl+を入れる。同様に時間が経過していないため、通常走行状態にすると、減速が全く行われない場合があるからである。
(Case4)
(1)式Θw>0、
(2)式|Θw|>ε2の場合で、
(3)カウンタの値が所定の値N以上の場合。
以上の条件でステップ7に跳び目標値Θrに値Θrl−を入れる。
カウンタの値が所定の値N以上より、ブレーキレバー21を操作してから時間が十分に経過しており、|Θw|>ε2より減速状態を維持することを判断し、Θw>0より後方に移動させるためである。
(1)式Θw>0、
(2)式|Θw|>ε2の場合で、
(3)カウンタの値が所定の値N以上の場合。
以上の条件でステップ7に跳び目標値Θrに値Θrl−を入れる。
カウンタの値が所定の値N以上より、ブレーキレバー21を操作してから時間が十分に経過しており、|Θw|>ε2より減速状態を維持することを判断し、Θw>0より後方に移動させるためである。
(Case5)
(1)式Θw<0、
(2)式|Θw|>ε2の場合で、
(3)カウンタの値が所定の値N以上の場合。
以上の条件でステップS8に跳び目標値Θrに値Θrl+を入れる。前方に移動させるためである。
(1)式Θw<0、
(2)式|Θw|>ε2の場合で、
(3)カウンタの値が所定の値N以上の場合。
以上の条件でステップS8に跳び目標値Θrに値Θrl+を入れる。前方に移動させるためである。
Case1ないしCase5のいずれかに応じて、ステップS3、ステップS7、ステップS8のいずれかに分岐した後、次の割り込みのタイミングで再びステップS1に跳び、上述した過程を繰り返して行う。本演算則においては、車輪の回転角度Θwを制御演算において用いるので、制動状態に切り替えた時点での回転角度を零として、その回転角度を零とするように演算を行うので、最初にブレーキレバーを操作した地点に略戻そうとする制御が搬送体10に働くものである。
(第3の演算則)
第2の演算則に基づく制動は、ブレーキ信号を送出した最初の地点に戻るという意味はあるものの、搬送体10走行速度を考慮することなく最初の地点に戻そうとするために、従来の自転車等の通常のブレーキの感覚とは乖離したものである。したがって、従来の自転車等のブレーキの感覚、すなわち、走行速度が十分に低減するまで速度が減少し続け、最終的には所定の位置に留まり続けるという制動の感覚を得るには、最初は回転角速度dΘw/dtに基づき制御を行い、速度が所定の値以下になってから回転角度Θwに基づき制御を行うことが望ましい。第3の演算則はこのような動作を行うものであり、ブレーキレバー21を操作することにより従来の乗り物のブレーキ感覚に近いものを得ることができる。
第2の演算則に基づく制動は、ブレーキ信号を送出した最初の地点に戻るという意味はあるものの、搬送体10走行速度を考慮することなく最初の地点に戻そうとするために、従来の自転車等の通常のブレーキの感覚とは乖離したものである。したがって、従来の自転車等のブレーキの感覚、すなわち、走行速度が十分に低減するまで速度が減少し続け、最終的には所定の位置に留まり続けるという制動の感覚を得るには、最初は回転角速度dΘw/dtに基づき制御を行い、速度が所定の値以下になってから回転角度Θwに基づき制御を行うことが望ましい。第3の演算則はこのような動作を行うものであり、ブレーキレバー21を操作することにより従来の乗り物のブレーキ感覚に近いものを得ることができる。
第3の演算則を図7に沿って説明する。ブレーキレバーを操作すると、ステップS1で減速状態である−1にセットされる。次に、ステップS2における分岐でステップS4に飛ぶ。
ステップS4において、回転角速度dΘw/dtと回転角速度dΘw/dtを検出する。また、減速状態に切り替わったことを検出したとき、すなわち、前の処理の時点で状態信号が0であったのに今回の処理時点で状態信号が−1となっていることを検出したとき、回転角度Θwの値を零にリセットする。また、ステップS4を何度通過したかを示すカウンタの値Nをリセットする。
次に、ステップS5において演算した回転角速度dΘw/dtの絶対値|dΘw/dt|の値および回転角度Θwの絶対値|Θw|を演算する。
次いで、ステップS6において、制御判断をする。
(Case1)
(1)カウンタの値が所定の値N以上で、
(2)式|dΘw/dt|<ε1で、
(3)式|Θw|<ε2の場合。
以上の条件でステップS3に跳び、走行状態における目標値であるΘrに略零が設定される。これは、速度も十分に減速されており、かつ、ブレーキレバーを操作した地点の付近に搬送体10が居るからである。
(Case1)
(1)カウンタの値が所定の値N以上で、
(2)式|dΘw/dt|<ε1で、
(3)式|Θw|<ε2の場合。
以上の条件でステップS3に跳び、走行状態における目標値であるΘrに略零が設定される。これは、速度も十分に減速されており、かつ、ブレーキレバーを操作した地点の付近に搬送体10が居るからである。
(Case2)
(1)式|dΘw/dt|>ε1の場合。
以上の条件で、第1の演算則に基づく制御を行う。これは、走行速度が大きく、減速を十分にするまでは、位置を考慮して移動する必要に乏しいからである。すなわち、第1の演算則に従い、ステップS7に跳び目標値ΘrとしてΘrl−、または、ステップS8に跳び目標値ΘrとしてΘrl+を出力する。
(1)式|dΘw/dt|>ε1の場合。
以上の条件で、第1の演算則に基づく制御を行う。これは、走行速度が大きく、減速を十分にするまでは、位置を考慮して移動する必要に乏しいからである。すなわち、第1の演算則に従い、ステップS7に跳び目標値ΘrとしてΘrl−、または、ステップS8に跳び目標値ΘrとしてΘrl+を出力する。
(Case3)
(1)式|dΘw/dt|<ε1、
(2)式|Θw|>ε2の場合。
以上の条件で、第2の演算則に基づく制御を行う。これは、式|dΘw/dt|<ε1より走行速度が十分に小さく、|Θw|>ε2よりブレーキレバーを操作した地点のよりはなれた地点に搬送体10が居るからである。すなわち、第1の演算則に従い、ステップS7に跳び目標値ΘrとしてΘrl−、または、ステップS8に跳び目標値ΘrとしてΘrl+を出力する。
(1)式|dΘw/dt|<ε1、
(2)式|Θw|>ε2の場合。
以上の条件で、第2の演算則に基づく制御を行う。これは、式|dΘw/dt|<ε1より走行速度が十分に小さく、|Θw|>ε2よりブレーキレバーを操作した地点のよりはなれた地点に搬送体10が居るからである。すなわち、第1の演算則に従い、ステップS7に跳び目標値ΘrとしてΘrl−、または、ステップS8に跳び目標値ΘrとしてΘrl+を出力する。
上述の演算則に基づく制御を行うことにより、搬送体10の走行速度が速い場合には回転角速度dΘw/dtに基づき制御を行い、走行速度が遅い場合には回転角度Θwに基づき制御を行うことができる。これにより、速度が所定の速度以下になったときにのみブレーキレバー21を操作した時点の位置に戻ろうとする制御が働くので違和感の少ない停止を行うことができる。
(第4の演算則)
第1の演算則ないし第3の演算則においては、制動または加速の操作量は常に最大量であるために、急ストップ状態となる。しかしながら、急ストップをしたくない場合に不向きであり、また、ε1またはε2の量が小さいと、ほんの少しでも搬送体10が移動すると、これをトリガーとして、大きく前後にステップ台111を振動させるハンチング状態にいる場合があり、これは搬送者にとって不快である。第4の演算則はこれを改善するものである。
第1の演算則ないし第3の演算則においては、制動または加速の操作量は常に最大量であるために、急ストップ状態となる。しかしながら、急ストップをしたくない場合に不向きであり、また、ε1またはε2の量が小さいと、ほんの少しでも搬送体10が移動すると、これをトリガーとして、大きく前後にステップ台111を振動させるハンチング状態にいる場合があり、これは搬送者にとって不快である。第4の演算則はこれを改善するものである。
第1の演算則においては、加減速の量は筐体が走行面に接触しない範囲の所定の傾き角度となるように設定されたが、第4の演算則においては、加減速量を調整可能とするものである。すなわち、搬送者がアクセルレバー20を強く握れば(ブレ加速量)速度が大きくなり、弱く握れば(加速量)速度を小さくでき、また、ブレーキレバー21を強く握ればブレーキ量が大きくなり、弱く握ればブレーキ量を小さくできるものである。更に、最大の加減速量に制限を課し、正の最大値Θrl+および負の最大値Θrl−以上に筐体の傾き角度の絶対値が越えないように制限することもできる。
図8のフローチャートに沿って第4の演算則を説明する。第1の演算則との違いは、ステップS4において、ブレーキレバーまたはアクセルレバーの握り圧に応じた信号である|Θrv|を検出し、Θrl+に変えて+|Θrv|をステップS8で出力し、Θrl−に変えて、−|Θrv|をステップS7で出力するところである。
具体的には、第1の演算則と同じステップを経て、ステップS6における方向判断の後、ステップS7においては、第1の演算則のΘrl−に変えて、ブレーキレバー21の握り圧、または、アクセルレバー20の握り圧に応じた量である|Θrv|に負号を付して、−|Θrv|を目標値Θrとし、ステップS8においては、第1の演算則のΘrl+に変えて、ブレーキレバー21の握り圧、または、アクセルレバー20の握り圧に応じた量である|Θrv|をそのまま出して、|Θrv|を目標値Θrとするものである。これにより、搬送者は、ブレーキレバー21の握り圧、または、アクセルレバー20の握り圧を調整して、自己の好みに応じた減速特性と加速特性を得ることができる。
第4の演算則における条件分岐は、いくつかの条件を基準として分岐したが、ひとまとめにすると、以下の式により目標値Θrを定めれば良いことになる。
Θr=S×Sgn(dΘw/dt)×V×|Θrv|
ここで、Sgnは極性符号であり、dΘw/dtが正である場合には1で、dΘw/dtが負である場合には−1である。Sは走行状態を示しており、通常走行では0、減速走行では−1、加速走行では1である。Vは速度の絶対値が所定の値以上か以下であるかを示しており、減速状態では、|dΘw/dt|>ε1の場合には1で、|dΘw/dt|<ε1の場合には0である。また、Vは加速状態では、|dΘw/dt|<ε3の場合には1で、|dΘw/dt|>ε3の場合には0である。なお、演算の結果、Θrが零となる場合には所定の微小な値をΘrに代入するものとしても良い。
Θr=S×Sgn(dΘw/dt)×V×|Θrv|
ここで、Sgnは極性符号であり、dΘw/dtが正である場合には1で、dΘw/dtが負である場合には−1である。Sは走行状態を示しており、通常走行では0、減速走行では−1、加速走行では1である。Vは速度の絶対値が所定の値以上か以下であるかを示しており、減速状態では、|dΘw/dt|>ε1の場合には1で、|dΘw/dt|<ε1の場合には0である。また、Vは加速状態では、|dΘw/dt|<ε3の場合には1で、|dΘw/dt|>ε3の場合には0である。なお、演算の結果、Θrが零となる場合には所定の微小な値をΘrに代入するものとしても良い。
(第5の演算則)
第5の演算則は、フローチャートは省略するが、第2の演算則と同様な演算則を用いる場合において、|Θrv|を検出し、Θrl+に変えて+|Θrv|をステップS8で出力し、Θrl−に変えて、−|Θrv|をステップ7Sで出力するものである。これにより、搬送者は乗り心地に応じて目標値Θrを調整することができる。
第5の演算則は、フローチャートは省略するが、第2の演算則と同様な演算則を用いる場合において、|Θrv|を検出し、Θrl+に変えて+|Θrv|をステップS8で出力し、Θrl−に変えて、−|Θrv|をステップ7Sで出力するものである。これにより、搬送者は乗り心地に応じて目標値Θrを調整することができる。
(第6の演算則)
第6の演算則は、フローチャートは省略するが、第3の演算則と同様な演算則を用いる場合において、|Θrv|を検出し、Θrl+に変えて+|Θrv|をステップS8で出力し、Θrl−に変えて、−|Θrv|をステップS7で出力するものである。
第6の演算則は、フローチャートは省略するが、第3の演算則と同様な演算則を用いる場合において、|Θrv|を検出し、Θrl+に変えて+|Θrv|をステップS8で出力し、Θrl−に変えて、−|Θrv|をステップS7で出力するものである。
(第7の演算則)
乗り心地を考慮する場合、減速(制動)状態においては、速度が速いときは大きな減速量を得て、速度が遅くなってから減速を緩めるのが望ましい。また、加速状態においても、いきなり急加速するよりも、連続的に加速する方が乗り心地が良い。第7の演算則は、この操作を自動で行うものである。
乗り心地を考慮する場合、減速(制動)状態においては、速度が速いときは大きな減速量を得て、速度が遅くなってから減速を緩めるのが望ましい。また、加速状態においても、いきなり急加速するよりも、連続的に加速する方が乗り心地が良い。第7の演算則は、この操作を自動で行うものである。
図9に示すフローチャートに沿って第7の演算則の説明をする。第7の演算則はステップS4までは、第6の演算則と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS4において、|dΘw/dt|と|Θrv|との積を計算してこの値をΘrnとして、第6の演算則における|Θrv|に替えて|Θrn|を用いる。|Θrn|は、搬送体10の速度に依存する大きさであるので、ブレーキレバー21を握り続けても最後に急に停止して不快感を味わうことも、アクセルレバー20を急に強く握り続けて急発進して不快感を味わうこともない。また、目標値Θrに制限を課すために、|Θrn|の大きさが|Θrl+|を超えないように制限することもできる。
第1の演算則ないし第7の演算則の組み合わせで加速、減速を行っても良く、例えば、減速を第1の演算則、加速を第7の演算則、加速を第1の演算則、減速を第7の演算則、等の種々に組み合わせることができる。また、以上の説明においては、1輪車、または、2輪車においては両方の車輪が同じように回転する場合を前提として説明してきた。2輪車において、両方の車輪が異なる回転数、または、異なる方向に回転する場合には、各車輪毎に独立した2系統の制御を行えば良く、また、両方の車輪の各々の回転角度Θwの和をΘwとして採用し、両方の車輪の各々の回転角速度dΘw/dtの和をdΘw/dtとして採用して1系統の制御を行っても良い。車輪の数が3以上の場合にも、3系統の制御を行っても良く、また、3個の車輪の各々の変数の和を採用して1系統の制御を行っても良い。
図10に第1の実施の形態の搬送体10のブロック図を示す。状態選択手段35には、加速選択手段であるアクセルレバー20および減速選択手段であるブレーキレバー21が設けられ、状態選択手段35からの信号45および信号46を目標値発生手段34に出力する。
目標値発生手段34は、制御手段36に目標値に対応した信号43を出力する。ここで、目標値発生手段34が出力する目標値信号43は、例えば、アクセルレバー20が操作される場合には、回転角速度検出手段32,33から出力される回転角度に応じた信号から搬送体10の進行方向を検出した後、進行方向と同じ方向に筐体が傾くような信号である予め定める所定の値としても良く、また、この信号と極性は同じであってアクセルレバー20の操作量、例えば、握り圧に応じた値としても良い。
更に、目標値発生手段34が出力する目標値信号43は、例えば、ブレーキレバー21が操作される場合には、回転角速度検出手段32,33から出力される回転角度に応じた信号から搬送体10の進行方向を検出した後、進行方向と同じ方向に筐体が傾くような信号である予め定める所定の値としても良く、また、この信号と極性は同じであってブレーキレバー21の操作量、例えば、握り圧に応じた値としても良い。
図11に第1の実施の形態の搬送体10の加速装置50のブロック図を示す。目標値発生手段34は、加速選択手段であるアクセルレバー20からの信号45と、位置検出手段31からの傾き角度に応じた信号40と、回転角速度検出手段であるタコジェネレータ32およびタコジェネレータ33からの回転角速度に応じた信号41および信号42の極性および大きさから目標値に対応した目標値信号43を発生する。この目標値手段34は、種々の演算則に応じた目標値信号43の発生を可能とするために単独のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)で構成しても良く、また、制御手段36の一部の機能を合わせ持つ共通のDSPで構成しても良い。
制御手段36は、例えば、DSPと電力増幅器とで構成されており、モータ114および115の駆動を制御する。DSPは、目標値信号43と重心の位置に応じた信号40との差の値に対応した信号44を検出し、その他に位相補償やゲイン補償の演算を行っても良い。電力増幅器はモータに電力を供給するためのものであり、モータの種類に合わせた直流電力増幅器、または、交流電力増幅器である。
目標値発生手段34が発生する目標値信号43は、タコジェネレータ32,33が検出する信号の大きさとその信号の極性とから搬送体10の進行方向を検出し、搬送体10が進行方向に傾くように予め定める所定の値であっても良く、または、搬送体10が進行方向に傾くような極性であって、アクセルレバー20の握り圧に応じた大きさの値であっても良く、更に、搬送体10が進行方向に傾くような極性であって、アクセルレバー20の握り圧に応じた大きさと信号41および信号42の絶対値の積に応じた値に対応したものであっても良い。
図12に第1の実施の形態の搬送体の減速装置60のブロック図を示す。目標値発生手段34は、減速選択手段であるブレーキレバー21からの信号46と、位置検出手段31からの傾き角度に応じた信号40と、回転角速度検出手段であるタコジェネレータ32、33からの回転角速度に応じた信号41、42の極性および大きさから目標値に対応した目標値信号43を発生する。目標値手段34は、種々の演算則に応じた目標値信号43の発生を可能とするために単独のDSPで構成しても良く、また、制御手段36の一部の機能を合わせ持つ共通のDSPで構成しても良い。
制御手段36は、例えば、DSPと電力増幅器とで構成されておりモータ114、115の駆動を制御する。DSPは、目標値信号43と重心の位置に応じた信号40との差の値に対応した信号44を検出し、その他に位相補償やゲイン補償の演算を行っても良い。電力増幅器はモータに電力を供給するためのものであり、モータの種類に合わせた直流電力増幅器、または、交流電力増幅器である。
目標値発生手段34が発生する目標値信号43は、タコジェネレータ32,33が検出する信号の大きさとその信号の極性から搬送体10の進行方向を検出し、搬送体10が進行方向に傾くように予め定める所定の値であっても良く、または、搬送体10が進行方向に傾くような極性であって、ブレーキレバー21の握り圧に応じた大きさの値であっても良く、更に、搬送体10が進行方向に傾くような極性であって、ブレーキレバー21の握り圧に応じた大きさと信号41、42の絶対値の積に応じた値であっても良い。更に、目標値信号43としては、ブレーキレバー21を操作した後の車輪の回転角度とする場合には、ロータリエンコーダ37、38からの信号47、48に応じた値であっても良い。
すなわち、第1の実施の形態の搬送体10は、走行面上で車輪112,113を回転させて走行する搬送体であって、車輪112,113を回転駆動する動力発生手段114、115と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体10の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体(ステップ台111)と、筐体の傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号40を出力する位置検出手段31と、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号41、42を出力する回転角速度検出手段32、33と、搬送体10の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択する状態選択手段35と、回転角速度に応じた信号41,42の極性の正負および状態選択手段からの信号45、46に基づき傾き角度に対する目標値に対応した信号43を発生する目標値発生手段34と、目標値と重心の位置との差の信号44に基づいて動力発生手段114、115を駆動する制御手段36と、を備えるものである。
また、第1の実施例の第1の演算則では、目標値発生手段34は、状態選択手段35が選択する状態が加速状態にあっては回転角速度検出手段32,33が検出する搬送体10の進行方向と同じ方向に筐体が傾くように予め定める所定の目標値信号43を発生して出力し、状態選択手段35が選択する状態が減速状態にあっては回転角速度検出手段32、33が検出する搬送体10の進行方向と反対方向に筐体が傾くように予め定める所定の目標値信号43を発生して出力するものである。
目標値発生手段34は、状態選択手段35が選択する状態が加速状態にあっては回転角速度検出手段32,33が検出する搬送体10の進行方向と同じ方向に筐体が傾くように加速選択手段20の操作量に応じた目標値を発生して出力し、状態選択手段が選択する状態が減速状態にあっては回転角速度検出手段が検出する搬送体10の進行方向と反対方向に筐体が傾くように減速選択手段21の操作量に応じた目標値信号43を発生して出力するものである。
すなわち、第1の実施の形態の搬送体10の搬送方法は、車輪112,113を筐体に回転自在に支持し、その車輪を動力発生手段114,115により回転させて走行面上を走行する搬送体10の搬送方法であって、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号40を出力し、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号41,42を検出し、搬送体10の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および選択した状態に基づき傾き角度に対する目標値信号43を発生し、目標値信号と傾き角度に応じた信号との差の信号44を出力して動力発生手段114、115を駆動するものである。
すなわち、第1の実施の形態の搬送体は、走行面上で車輪112,113を回転させて走行する搬送体であって、車輪112,113を回転駆動する動力発生手段114、115と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体10の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体(ステップ台111)と、搬送体10の加速状態を選択する加速選択手段20と、筐体の傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号40を発生する位置検出手段31と、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号41、42を発生する回転角速度検出手段32、33と、加速選択手段20からの信号および回転角速度に応じた信号41,42の極性の正負に基づき傾き角度に対する目標値信号43を発生する目標値発生手段34と、目標値信号43と回転角速度に応じた信号41との差の信号44に基づいて動力発生手段114、115を駆動する制御手段36と、を備えるものである。
目標値発生手段34は、回転角速度検出手段32.33が検出する搬送体10の進行方向と同じ方向に筐体が傾くように予め定める所定の目標値信号43を発生して出力するものであっても良く、または、搬送体10の進行方向と同じ方向に筐体が傾くように加速選択手段20の操作量に応じた目標値に対応した目標値信号34を発生して出力するものであっても良く、更に、搬送体10の進行方向と同じ方向に筐体が傾く極性であって減速選択手段20の操作量と回転角速度に応じた信号41,42の絶対値の積に応じた値の目標値信号34を発生して出力するものであっても良い。
すなわち、第1の実施の形態の搬送体は、走行面上で車輪112,113を回転させて走行する搬送体であって、車輪112,113を回転駆動する動力発生手段114、115と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体10の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体(ステップ台111)と、搬送体10の減速状態を選択する減速選択手段21と、筐体の傾き角度に応じた信号を発生する位置検出手段31と、車輪の回転角速度に応じた信号を発生する回転角速度検出手段32、33と、減速選択手段21からの信号46および回転角速度に応じた信号41、42の極性の正負に基づき傾き角度に対する目標値信号43を発生する目標値発生手段34と、目標値信号と傾き角度に応じた信号との差の信号44を出力して動力発生手段を駆動する制御手段36と、を備えるものである。
目標値発生手段34は、回転角速度検出手段32.33が検出する搬送体10の進行方向と反対方向に筐体が傾くように予め定める所定の目標値信号43を発生して出力するものであっても良く、または、搬送体10の進行方向と反対方向に筐体が傾くように加速選択手段20の操作量に応じた目標値信号34を発生して出力するものであっても良く、更に、搬送体10の進行方向と反対方向に筐体が傾く極性であって減速選択手段21の操作量と回転角速度に応じた信号41,42の絶対値の積に対応した目標値信号34を発生して出力するものであっても良い。
〔第2の実施の形態〕
前述した第1の実施の形態は、目標値Θrに傾き角度Θbを追従させる1変数のサーボ系であった。しかし、さらに複雑で高度の制御を行うためには、変数を多くしたサーボ系を構成することが望ましい。このためには、制御系の各状態変数の関係を知る必要がある。この目的から制御系の運動方程式を導いた後に、第2の実施の形態について説明をする。第2の実施の形態の搬送体、搬送体の加速装置、搬送体の減速装置は、制御手段以外は第1の実施の形態と同様な構成を有するので、同様な部分の構成の説明は、第1の実施の形態におけると同一の符号を付して、あるいは、符号を付さずにその説明を省略する。
前述した第1の実施の形態は、目標値Θrに傾き角度Θbを追従させる1変数のサーボ系であった。しかし、さらに複雑で高度の制御を行うためには、変数を多くしたサーボ系を構成することが望ましい。このためには、制御系の各状態変数の関係を知る必要がある。この目的から制御系の運動方程式を導いた後に、第2の実施の形態について説明をする。第2の実施の形態の搬送体、搬送体の加速装置、搬送体の減速装置は、制御手段以外は第1の実施の形態と同様な構成を有するので、同様な部分の構成の説明は、第1の実施の形態におけると同一の符号を付して、あるいは、符号を付さずにその説明を省略する。
制御系の運動方程式を、ラグランジアンを導出して導く。[数15]式に示すラグランジアンLは、運動エネルギTとポテンシャルエネルギUとから求められる。
[数15]
L=T―U
L=T―U
ラグランジアンLを用いて、運動方程式は[数16]式で導かれる。ここで、δは偏時間微分を、dは常時間微分を表すものとする。
[数16]
d {δL/δ(dqi/dt)} /dt―δL/δqi+Di×(dqi/dt)=Ui(i=1,2….)
d {δL/δ(dqi/dt)} /dt―δL/δqi+Di×(dqi/dt)=Ui(i=1,2….)
[数16]に表す一般化座標qiと、その時間微分であるdqi/dtを制御系の状態変数と合わせることによりこれらの状態変数を関数とする運動方程式を導くことができる。求めたい変数であるΘb、dΘb/dt、Θw、dΘw/dtの4つを状態変数として選び、これらの記号およびその他の記号の物理的意味を以下に示す。これらの記号の一部は図2に示すものである。また、X軸、Y軸で表される座標の原点は射影車軸点183に取り、その点の座標を(0、0)とする。
車輪の回転角度 Θw
筐体の鉛直線に対する角度 Θb
車輪半径 Rw
車輪の質量 Mw
車輪の慣性モーメント Jw
筐体の質量 Mb
車軸点廻りの回転モーメント Jb
車軸点から重心点までの長さ L1
重力加速度 g
モータの発生トルク τm
車輪の粘性摩擦係数 ρw
筐体の車軸点を中心とする粘性摩擦係数 ρb
重心点の速度 Vg
筐体の鉛直線に対する角度 Θb
車輪半径 Rw
車輪の質量 Mw
車輪の慣性モーメント Jw
筐体の質量 Mb
車軸点廻りの回転モーメント Jb
車軸点から重心点までの長さ L1
重力加速度 g
モータの発生トルク τm
車輪の粘性摩擦係数 ρw
筐体の車軸点を中心とする粘性摩擦係数 ρb
重心点の速度 Vg
まず、運動エネルギTを求める。運動エネルギT=車輪の運動エネルギ+車軸の回転運動エネルギ+筐体の運動エネルギ+筐体の回転運動エネルギであり、各運動エネルギは、[数17]式で示される。ここで、重心点Pの座標はPx、Pyとして、[数18]式の変換式を用いて表される。
[数17]
車輪の運動エネルギ=1/2×Mw×x×x
=1/2×Mw×Pw×Θw×Rw×Θw
車輪の回転運動エネルギ=1/2×Jw×dΘw/dt×dΘw/dt
筐体の回転運動エネルギ=1/2×Jb×dΘb/dt×dΘb/dt
筐体の運動エネルギ=1/2×Mb×Vg×Vg=1/2×Mb×(Vx×Vx+Vy×Vy)
=1/2×Mb×
[{d(Rw×Θw+L1×SinΘb)/dt}*{d(Rw×Θw+L1×SinΘb)/dt}]+1/2×Mb×[{d(L1×CosΘb)/dt}{d(L1×CosΘb)/dt}]
=1/2×Mb×{Rw×Rw×(dΘw/dt)×(dΘw/dt)+
2×L1×CosΘb×Rw×(dΘw/dt)×(dΘb/dt)+(L1×L1)×(dΘb/dt)×(dΘb/dt)}
車輪の運動エネルギ=1/2×Mw×x×x
=1/2×Mw×Pw×Θw×Rw×Θw
車輪の回転運動エネルギ=1/2×Jw×dΘw/dt×dΘw/dt
筐体の回転運動エネルギ=1/2×Jb×dΘb/dt×dΘb/dt
筐体の運動エネルギ=1/2×Mb×Vg×Vg=1/2×Mb×(Vx×Vx+Vy×Vy)
=1/2×Mb×
[{d(Rw×Θw+L1×SinΘb)/dt}*{d(Rw×Θw+L1×SinΘb)/dt}]+1/2×Mb×[{d(L1×CosΘb)/dt}{d(L1×CosΘb)/dt}]
=1/2×Mb×{Rw×Rw×(dΘw/dt)×(dΘw/dt)+
2×L1×CosΘb×Rw×(dΘw/dt)×(dΘb/dt)+(L1×L1)×(dΘb/dt)×(dΘb/dt)}
[数18]
Py=L1×CosΘb
Px=L1+L1×SinΘb
Py=L1×CosΘb
Px=L1+L1×SinΘb
したがって、全部の運動エネルギTは、[数19]式で表される。
[数19]
T=1/2×Mw×Rw×Θw×Rw×Θw
+1/2×Jw×dΘw/dt×dΘw/dt
+1/2×Jb×dΘb/dt×dΘb/dt
+1/2×Mb×{Rw×Rw×(dΘw/dt)×(dΘw/dt)+2×L1×CosΘb×Rw×(dΘw/dt)×(dΘb/dt)+(L1×L1)×(dΘb/dt)×(dΘb/dt)}
T=1/2×Mw×Rw×Θw×Rw×Θw
+1/2×Jw×dΘw/dt×dΘw/dt
+1/2×Jb×dΘb/dt×dΘb/dt
+1/2×Mb×{Rw×Rw×(dΘw/dt)×(dΘw/dt)+2×L1×CosΘb×Rw×(dΘw/dt)×(dΘb/dt)+(L1×L1)×(dΘb/dt)×(dΘb/dt)}
ポテンシャルエネルギUは、[数20]式で表される。
[数20]
U=Mb×g×L1×CosΘb
U=Mb×g×L1×CosΘb
損失エネルギDは、[数21]式で表される。
[数21]
Dw=ρw×dΘw/dt
Db=ρb×dΘb/dt
Dw=ρw×dΘw/dt
Db=ρb×dΘb/dt
上式より、[数22]式と[数23]式とを得る。
[数22]
{Jb+(Mb×L1)×(Mb×L1)}×d(dΘb/dt)/dt
+Mb×L1×Rw×CosΘb×d(dΘw/dt)/dt
−Mb×L1×g×SinΘb+ρb×dΘb/dt
=0
[数23]
Mb×L1×Rw×CosΘb×d(dΘb/dt)/dt
+{(Mb+Mw)×Rw×Rw+Jb}×d(dΘw/dt)/dt
−Mb×L1×Rw×dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb+ρw×dΘw/dt
=τm
{Jb+(Mb×L1)×(Mb×L1)}×d(dΘb/dt)/dt
+Mb×L1×Rw×CosΘb×d(dΘw/dt)/dt
−Mb×L1×g×SinΘb+ρb×dΘb/dt
=0
[数23]
Mb×L1×Rw×CosΘb×d(dΘb/dt)/dt
+{(Mb+Mw)×Rw×Rw+Jb}×d(dΘw/dt)/dt
−Mb×L1×Rw×dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb+ρw×dΘw/dt
=τm
[数22]式と[数23]式とから、更に[数24]式と[数25]式を得ることができる。ここで、式が煩雑になるので、[数26]式で示す置き換えをしている。
[数24]
{α―(1/ψ)×β×CosΘb×β×CosΘb}×d(dΘb/dt)/dt
+β×CosΘb×(1/ψ)×τm−β×CosΘb×ρw×dΘw/dt
+β×β×CosΘb×dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb−γ×SinΘb
+ρb×dΘb/dt
=0
[数25]
(ψ−β×CosΘb×β×CosΘb)×d(dΘw/dt)/dt
+γ×β×(1/α)×CosΘb×SinΘb
−β×ρb×(1/α)×CosΘb×dΘb/dt
−β×dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb+ρw×dΘw/dt
=τm
[数26]
α=Jb+Mb×L1×L1
β=Mb×L1×Rw
γ=Mb×L1×g×SinΘb
ψ=(Mb+Mw)×Rw×Rw+Jw
{α―(1/ψ)×β×CosΘb×β×CosΘb}×d(dΘb/dt)/dt
+β×CosΘb×(1/ψ)×τm−β×CosΘb×ρw×dΘw/dt
+β×β×CosΘb×dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb−γ×SinΘb
+ρb×dΘb/dt
=0
[数25]
(ψ−β×CosΘb×β×CosΘb)×d(dΘw/dt)/dt
+γ×β×(1/α)×CosΘb×SinΘb
−β×ρb×(1/α)×CosΘb×dΘb/dt
−β×dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb+ρw×dΘw/dt
=τm
[数26]
α=Jb+Mb×L1×L1
β=Mb×L1×Rw
γ=Mb×L1×g×SinΘb
ψ=(Mb+Mw)×Rw×Rw+Jw
[数24]式、[数25]式は、非線形時間微分方程式であり、取り扱い困難であるので、第1次近似をとり、高位の無限少を零とおき、[数27]式の置き換えをする。
[数27]
SinΘb≒Θb
CosΘb≒1
dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb≒0
SinΘb≒Θb
CosΘb≒1
dΘb/dt×dΘb/dt×SinΘb≒0
線形化後に、[数24]式および[数25]式から、さらに、マトリック形式の時間微分方程式および出力方程式である[数28]式を得ることができる。
[数28]
dX/dt=AX+BU
(3) Y=CX
dX/dt=AX+BU
(3) Y=CX
ここで、X、B、Yはベクトルであり、[数29]式で各々表される。また、A、Cはマトリックスで、各要素は[数30]式を用いて表される定数である。Transは列ベクトルから行ベクトルへの転置を意味する。
[数29]
X=Trans〔dΘb/dt、Θb、dΘw/dt、Θw〕
B=〔β/(ψ×α―β)、0、1/(ψ×β×β)〕
U=τm
Y=Trans〔dΘd/dt、Θd、dΘw/dt、Θw〕
[数30]
a11=−f1/(α−β×β/ψ) a12=−γ/(α−β/ψ)
a13=B/(α−β/ψ) a14=0 a21=1 a22=a23=a24=0
a31=B×f1/(ψ−β×β)×α a32=γ×β/(ψ−β×β)×α
a33=f3/(ψ−β×β) a34=0
a41=0 a42=0 a43=1 a44=0
c11=f(Θb) c12=d{f(Θb)}/dt c13=0 c14=0
c21=0 c22=f(Θb) c23=0 c24=0
c31=0 c32=0 c33=1 c34=0
c41=0 c42=0 c43=0 c44=1
X=Trans〔dΘb/dt、Θb、dΘw/dt、Θw〕
B=〔β/(ψ×α―β)、0、1/(ψ×β×β)〕
U=τm
Y=Trans〔dΘd/dt、Θd、dΘw/dt、Θw〕
[数30]
a11=−f1/(α−β×β/ψ) a12=−γ/(α−β/ψ)
a13=B/(α−β/ψ) a14=0 a21=1 a22=a23=a24=0
a31=B×f1/(ψ−β×β)×α a32=γ×β/(ψ−β×β)×α
a33=f3/(ψ−β×β) a34=0
a41=0 a42=0 a43=1 a44=0
c11=f(Θb) c12=d{f(Θb)}/dt c13=0 c14=0
c21=0 c22=f(Θb) c23=0 c24=0
c31=0 c32=0 c33=1 c34=0
c41=0 c42=0 c43=0 c44=1
[数28]式、[数29]式で表される制御系は、証明は省略するが一般的には、[非特許文献2]において論じられている非干渉化、すなわち、状態方程式の各行をdΘb/dt、Θbのみの関数で表し、または、dΘw/dt、Θwのみの関数で表すことは困難である。このことは、ΘbとΘwとが独立に制御できないことを示している。
また、[数28]式、[数29]式で表される制御系は、証明は省略するが、[非特許文献2]に定義する可制御性については、可観測行列のランクが状態変数の数と一致することより、すべての状態変数が可制御であることは明らかである。このことは、すべての状態変数を零に漸近的に収束させるレギュレータを構成でき、搬送体として姿勢の維持ができることを意味している。
[特許文献5]は、可制御性に基づき、伝達関数を求め、伝達関数の極をすべて、複素周波数平面上で左半平面に配置する手法、状態フィードバックによりすべての状態変数の漸近安定を図る手法、2次形式評価関数を最小にする最適レギュレータを構成する手法について、具体的に開示をしている。
しかしながら、状態変数を目標値Θrに収束させるサーボ系としての特性を追求すれば、多変数の目標値の時間応答に対して、定常偏差(出力レギュレーション)、あるいは、過渡応答を問題としなければならない。しかしながら、搬送体においては、定常偏差が大きくとも直ちに乗り心地を左右するものではなく、また、過渡応答特性については、目標値の時間変化が制御系の時定数より大きな値を取るために、搬送体の性能にあまり影響を及ぼさないと考えられる。従って、サーボ系であってもレギュレータ設計の理論を応用することが可能である。そこで、レギュレータ設計の理論を応用して第2の実施の形態におけるサーボ系の説明をする。
目標値Θrは種々設定が可能である。例えば、従来の自動車や自動2輪車と同じような操作性を持たせるには、搬送体10にブレーキレバー21とアクセルレバー20を設け、これらの操作量に応じて目標値Θrを定めることが考えられる。この場合において、本実施の形態の搬送体10においては、ブレーキレバー21の操作量、すなわち減速特性とステップ台111の傾き角度とが自由に選択できず、アクセルレバー20の操作量、すなわち加速特性とステップ台111の傾き角度とが自由に選択できないことに注意が必要である。
したがって、この点を加味したサーボ系を構成しなければ、従来のブレーキレバー、アクセルレバーを用いる搬送体と同様な操作を行うことができない。このような、操作を可能にする制御系として、図13のブロック図で示す制御系を考える。
まず、図13の制御系の構成および動作原理を説明する。プラントは、搬送体10の機構および路面を含む制御対象である。検出器は、背景技術に開示されているΘb、dΘb/dt、Θw、dΘw/dtに加えて、d{dΘw/dt}/dtを検出する検出器である。
Θbは筐体と路面、または、筐体と鉛直線とのなす角度を検出する角度検出器で検出が可能であり、dΘb/dtは角度検出器の出力を時間微分し、または、ジャイロセンサを用いることにより検出可能である。Θwは車輪の回転軸と結合されるロータリエンコーダにより検出が可能であり、dΘw/dtはロータリエンコーダの出力を時間微分、または、車輪の回転軸と結合されるタコジェネレータにより検出が可能である。d{dΘw/dt}dtは、ロータリエンコーダの出力を2階時間微分、若しくは、タコジェネレータの出力を時間微分して、または、回転方向の加速度を検出するジャイロセンサを用いることにより検出可能である。
Uはプラントへの操作信号、すなわち、モータの制御信号である。この制御信号Uは、[数31]式に示す、状態変数に基づいた信号に係数K1ないしK4を各々掛けた信号であるU1、U2、U3、U4の和の信号である。
[数31]
U=U1+U2+U3+U4
=K1×Θb+K2×{dΘb/dt―F2}+K3×Θw
+K4×{dΘw/dt−F1}
U=U1+U2+U3+U4
=K1×Θb+K2×{dΘb/dt―F2}+K3×Θw
+K4×{dΘw/dt−F1}
F1信号発生器は、dΘw/dtに対する目標値に対応する信号を発生する信号発生器であり、F2信号発生器は、dΘb/dtに対する目標値に対応する信号を発生する信号発生器である。F1信号発生器からの速度目標値F1は、[数32]式、[数33]式で表されるものである。
[数32]
F1=Kb×Sgn{dΘw/dt}×Lim(Θb)
[数33]
F1=−Ka×Sgn{dΘw/dt}×Lim(Θb)
F1=Kb×Sgn{dΘw/dt}×Lim(Θb)
[数33]
F1=−Ka×Sgn{dΘw/dt}×Lim(Θb)
ここで、Kbは、ブレーキレバー操作量、例えば、握り圧に応じて大きさが変化する正の定数である。また、Kaは、アクセルレバー操作量、例えば、握り圧に応じて大きさが変化する正の定数である。減速をする状態では、ブレーキレバーの操作量に応じてKbの大きさを操作し、加速をする状態では、アクセルレバーの操作量に応じてKaの大きさを操作して[数32]式または[数33]式のいずれか一方に示す速度目標値F1を得るものとする。
また、Sgn{dΘw/dt}は極性のみを採用することを意味するものである。すなわち、dΘw/dtが正の場合は1となり、dΘw/dtが負の場合は−1となるものである。なお、第1の実施例におけると同様にdΘw/dtが正であることは、搬送体10が前進するように車輪が回転し、dΘw/dtが負であることは、搬送体10が後進するように車輪が回転していることを意味する。
更に、Lim(Θb)は飽和要素の演算を意味する。すなわち、Θbが正の所定の値、例えば、Θrl+より小さい場合には、そのまま、F1=Kb×Sgn{dΘw/dt}の値を採用し、ΘbがΘrl+より大きい場合には、ブレーキレバーやアクセルレバーを操作してもF1の値は、F1=Θrl+以上には増加しないようにするものである。同様に、Θbが負の所定の値、例えば、Θrl−より大きい場合には、そのまま、F1=Kb×Sgn{dΘw/dt}の値を採用し、ΘbがΘrl−より小さい場合には、ブレーキレバーやアクセルレバーを操作してもF1の値がF1=Θrl−以下には減少しないようにするものである。
KとしてKbを採用する場合は、減速状態、すなわち、制動状態であり、dΘw/dtが正の場合には、F1の値も正となり、減算器Σ2の作用で車輪の回転速度を減ずるように制御が行われ、dΘw/dtが負の場合には、F1の値も負となり減算器Σ2の作用で車輪の回転速度を減ずるように制御が行われる。
F1信号の大きさは、Kbに比例するので、Kbが大きくなればなるほど、減速作用は大きくなる。また、Lim(Θb)の演算により、所定の角度以上に筐体が傾く場合には、それ以上、速度目標値F1の増加を停止する。これにより、間接的であるがトルク反作用による筐体の傾きの制限をすることができる。
一方、KとしてKaを採用する場合は、加速状態であり、dΘw/dtが正の場合には、F1の値は負となり、減算器Σ2の作用で車輪の回転速度を更に増加するように制御が行われ、dΘw/dtが負の場合には、F1の値は正となり、減算器Σ2の作用で車輪の回転速度を更に増加するように制御が行われる。なお、減算器Σ2で行われる演算は、dΘw/dt−F1である。Lim(Θb)の演算の作用は減速状態と同様である。
[数32]式、[数33]式では、ブレーキレバー21またはアクセルレバー20の操作量により減速または加速の量が制御され、現在の速度に依存しないものである。したがって、減速(制動)を行う場合、強くブレーキレバー21を握った場合には、速度が遅くなると急激に制動が行われ搬送者に不快感を与え、アクセルレバー20を強く握った場合には急加速度が加わる。これを防止するためには、[数34]式で示す速度目標値F1とするのがより望ましい。このようにF1の値を定めれば、搬送者にとって乗り心地の良い搬送体とできる。
[数34]
F1=Kb×{dΘw/dt}×Lim(Θb)
F1=Kb×{dΘw/dt}×Lim(Θb)
上述の説明においては、速度目標値F1に搬送体10の速度が追従するように目標値F1を定めることを説明した。しかしながら、既に述べたように、搬送体10の移動速度と筐体の傾き角度とは独立に定めることができない。このために傾き角度角速度の目標値である傾き角の角速度目標値F2も同時に設定することが望ましい。傾き角の角速度目標値F2は[数35]式で表されるものである。
[数35]
F2=K5×d{dΘw/dt}/dt
F2=K5×d{dΘw/dt}/dt
[数35]式に示すF2の意味するところを説明する。F2は車輪の回転加速度に応じた信号である。この信号は、トルク反作用力を発生させるので、ステップ台の傾き変化をもたらす。したがって、F2とdΘb/dtとがバランスすれば、搬送体の姿勢の維持ができる。すなわち、トルク反作用力に応じて、Θbを調整するフィードフォワード制御を行えば良いことになる。しかしながら、理想的なフィードフォワードは、制御系のパラメータ変化により実現が困難である。
そこで、理想的なフィードフォワードをフィードバックにより実現するのが、dΘb/dt−F2を偏差信号とするフィードバックループである。具体的に作用を説明するならば、例えば、搬送体が現在前進しているとして、搬送体の進行速度を減速する場合には、d{dΘw/dt}は負の極性となる。この負の極性の信号にdΘb/dtが追従、すなわち、ステップ台の前方が上がれば、搬送体10は姿勢を維持することができるものである。一方、現在前進しているとして、増速する場合には、d{dΘw/dt}は正の極性となる。この正の極性の信号にdΘb/dtが追従、すなわち、ステップ台の前方が下がれば、搬送体10は姿勢を維持することができるものである。
以上が定性的な制御系の作用の説明であるが、このような作用が成立することは図13に示す可制御な制御系が安定であることを証明することに他ならない。図13のブロック図で示されるプラントの状態方程式は[数36]式で、検出器を表す出力方程式は[数37]で示される。
[数36]
X´=Trans〔dΘb/dt、Θb、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
= Trans〔X、d{dΘw/dt}/dt〕
B´=〔β/(ψ×α―β)、0、1/(ψ×β×β)、0〕
=〔B、0〕
U=τm
Y´=Trans〔dΘd/dt、Θd、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
=Trans〔Y、d{dΘw/dt}/dt〕
X´=Trans〔dΘb/dt、Θb、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
= Trans〔X、d{dΘw/dt}/dt〕
B´=〔β/(ψ×α―β)、0、1/(ψ×β×β)、0〕
=〔B、0〕
U=τm
Y´=Trans〔dΘd/dt、Θd、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
=Trans〔Y、d{dΘw/dt}/dt〕
[数37]
dX´/dt=A´X´+B´U
[数38]
Y´=C´X´
dX´/dt=A´X´+B´U
[数38]
Y´=C´X´
ここで、
X´=Trans〔dΘb/dt、Θb、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
= Trans〔X、d{dΘw/dt}/dt〕
B´=〔β/(ψ×α―β)、0、1/(ψ×β×β)、0〕
=〔B、0〕
U=τm
Y´=Trans〔dΘd/dt、Θd、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
=Trans〔Y、d{dΘw/dt}/dt〕
また、A´、C´は、[数28]式に示す要素に次の要素が付加されたものとなる。
X´=Trans〔dΘb/dt、Θb、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
= Trans〔X、d{dΘw/dt}/dt〕
B´=〔β/(ψ×α―β)、0、1/(ψ×β×β)、0〕
=〔B、0〕
U=τm
Y´=Trans〔dΘd/dt、Θd、dΘw/dt、Θw、d{dΘw/dt}/dt〕
=Trans〔Y、d{dΘw/dt}/dt〕
また、A´、C´は、[数28]式に示す要素に次の要素が付加されたものとなる。
a15=0、a51=0、a52=0、a53=0、a54=0、a55=0
a53=1
c51=0、c52=0、c53=0、c54=0、c55=1
a53=1
c51=0、c52=0、c53=0、c54=0、c55=1
図13における、制御手段は、単に制御系を安定化するのみでなく、目標値に追従するサーボ系を構成するものである。ここで、KaおよびKbの時間変化が、状態変数の時間変化に比べてゆっくりしたものであれば、KaおよびKbは定数としてみなすことが可能であり、サーボ系は定置制御系とみなせる。また、定常偏差については、ある程度の定常偏差があったとしても、搬送体としての動作に大きな影響を及ぼすものではないので、無視できるものである。したがって、従来のレギュレータと同様な考え方に基づき設計が可能である。
すなわち、[数37]式、[数38]式で示される制御系の状態変数X´についても、可制御行列のランクが状態変数の数と一致するので、制御系は可制御である。したがって、状態フィードバックにより、漸近安定なレギュレータが構成可能であることとなる。すなわち、このような制御手段を有する搬送体は安定に姿勢を維持できることが証明される。このとき制御系を安定化するための状態フィードバックの係数は、従来知られている、極配置法、最適レギュレータの設計理論をはじめとして種々の手法が可能となるものである。
図13の制御系の作用を更に説明すると、[数39]式の状態フィードバックを行ったものである。
[数39]
U=KX´
K=〔K2、K1、K4、0、K5×K2〕
ここで、説明を簡単にするために、Θd=Θbとしており、すべての、状態変数は直接に検出器で検出可能であるので、出力方程式の行列Cは対角要素が1で他は0となる。また、Θwについては、原点に留めると進行できないためにK3=0と置いている。第1の実施の形態の第2の演算則、第3の演算則と同様に車輪の回転角度も制御変数とする場合には、K3に所定の値を代入することができる。
U=KX´
K=〔K2、K1、K4、0、K5×K2〕
ここで、説明を簡単にするために、Θd=Θbとしており、すべての、状態変数は直接に検出器で検出可能であるので、出力方程式の行列Cは対角要素が1で他は0となる。また、Θwについては、原点に留めると進行できないためにK3=0と置いている。第1の実施の形態の第2の演算則、第3の演算則と同様に車輪の回転角度も制御変数とする場合には、K3に所定の値を代入することができる。
係数K5についても、厳密なものではなく、制御系が線形であれば、図13のブロック図は図14のブロック図に書き直すことができる。この場合には、d{dΘw/dt}/dtにK2×K5なる係数を掛けて状態フィードバックを行い、d{dΘw/dt}/dtにK2なる係数を掛けて状態フィードバックを行うことにより制御系の安定性を確保するという意味に同一の発明を異なる表現で捕らえることができるものである。
以上の説明においては、1輪車、または、2輪車においては両方の車輪が同じように回転する場合を前提として説明をしてきた。2輪車において、両方の車輪が異なる回転数、または、異なる方向に回転する場合には、各車輪毎に独立した2系統の制御を行えば良く、また、両方の車輪の各々の回転角度Θwの和をΘwとして採用し、両方の車輪の各々の回転角速度dΘw/dtの和をdΘw/dtとして採用し、両方の車輪の各々の回転角加速度d{dΘw/dt}/dtの和をd{dΘw/dt}/dtとして採用して1系統の制御を行っても良い。車輪の数が3以上の場合にも、3系統の制御を行っても良く、3個の車輪の各々変数の和を採用して1系統の制御を行っても良い。
すなわち、第2の実施の形態の搬送体は、走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、車輪を回転駆動する動力発生手段114、115と、車輪を回転自在に支持するとともに、搬送体の走行方向の重心の位置および動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体(ステップ台111)と、搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択する状態選択手段77と、筐体の傾き角度に応じた信号を発生する位置検出手段72と、位置検出手段からの信号に基づき筺体(ステップ台111)の傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号73を発生する位置変化検出手段74と、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号86を発生する回転角速度検出手段87と、回転角速度検出手段87からの信号に基づき回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号75を発生する回転角加速度検出手段76と、状態選択手段77からの信号88,89および回転角速度に応じた信号86の極性の正負に基づき回転角速度に対する目標値である第1の目標値信号78を発生するとともに、回転角加速度に応じた信号75に基づき傾き角速度に対する目標値である第2の目標値信号79を発生する目標値発生手段80と、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号81、第2の目標値信号と傾き角速度に応じた信号との差に基づく信号82および傾き角度に応じた信号71の各々に所定の係数を掛けて加算した信号83に基づいて動力発生手段を駆動する制御手段85と、を備えるものである。
すなわち、第2の実施の形態の搬送体の搬送方法は、車輪を筐体に回転自在に支持し、車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号を発生し、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号を発生し、回転角速度の時間微分である車輪の回転角加速度に応じた信号を発生し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および選択した状態に基づき回転角速度に応じた信号の目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、回転角加速度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生し、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、第2の目標値信号と傾き角速度に応じた信号との差の信号、および傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
すなわち、第2の実施の形態の別の搬送体の加速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体であって、搬送体の加速状態を選択する加速選択手段20と、筐体の(傾き角度を検出してその)傾き角度に応じた信号71を検出する位置検出手段72と、位置検出手段72からの信号に基づき傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号73を出力する位置変化検出手段74と、車輪の回転角速度に応じた信号86を検出する回転角速度検出手段87と、回転角速度検出手段87からの信号に基づき回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号75を検出する回転角加速度検出手段76と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速選択手段20からの信号88に基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号78を出力するとともに、回転角加速度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号79を出力する目標値発生手段80と、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号の差の信号81、第2の目標値信号と傾き角速度に応じた信号との差の信号82および傾き角度に応じた信号71の各々に所定の係数を掛けて加算した信号83に基づいて動力発生手段を駆動する制御手段85と、を備えるものである。
すなわち、第2の実施の形態の更に別の搬送体の加速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体であって、搬送体の加速状態を選択する加速選択手段20と、筐体の傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号71を出力する位置検出手段72と、位置検出手段72からの信号に基づき傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号73を出力する位置変化検出手段74と、車輪の回転角速度に応じた信号86を発生する回転角速度検出手段87と、回転角速度検出手段87からの信号に基づき回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号75を発生する回転角加速度検出手段76と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速選択手段20からの信号88に基づき回転角速度に対する目標値である目標値信号78を発生する目標値発生手段80と、目標値と回転角速度に応じた信号との差の信号81、傾き角度に応じた信号71、回転角加速度に応じた信号75および傾き角速度に応じた信号73の各々に所定の係数を掛けて加算した信号83に基づいて動力発生手段を駆動する制御手段85と、を備えるものである。
すなわち、別の第2の実施の形態の搬送体の減速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体であって、搬送体の減速状態を選択する減速選択手段21と、筐体の傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号71を検出する位置検出手段72と、位置検出手段72からの信号に基づき傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号73を検出する位置変化検出手段74と、車輪の回転角速度に応じた信号86を検出する回転角速度検出手段87と、回転角速度検出手段87からの信号に基づき回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号75を出力する回転角加速度検出手段76と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および減速選択手段21からの信号89に基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号78を出力するとともに、回転角加速度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号79を検出する目標値発生手段80と、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号の差の信号81、第2の目標値信号と傾き角速度に応じた信号との差の信号82および傾き角度に応じた信号71の各々に所定の係数を掛けて加算した信号83に基づき動力発生手段を駆動する制御手段85と、を備えるものである。
すなわち、別の第2の実施の形態の別の搬送体の減速装置は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体であって、搬送体の減速状態を選択する減速選択手段21と、筐体の傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号71を出力する位置検出手段72と、位置検出手段72からの信号に基づき傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号73を出力する位置変化検出手段74と、車輪の回転角速度に応じた信号86を出力する回転角速度検出手段87と、回転角速度検出手段87からの信号に基づき回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号75を出力する回転角加速度検出手段76と、回転角速度に応じた信号の極性の正負および減速選択手段からの信号に基づき回転角速度に応じた目標値に対応した信号を出力する目標値発生手段80と、目標値と回転角速度との差に対応した信号81並びに傾き角度に応じた信号71、回転角加速度に応じた信号75および傾き角速度に応じた信号73の各々に所定の係数を掛けて加算した信号83を出力して動力発生手段を駆動する制御手段85と、を備えるものである。
すなわち、別の第2の実施の形態の搬送体の加速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、搬送体の走行状態のうちから加速状態を選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号を検出し、回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の正負および傾き角度に応じた信号に基づき回転角速度に応じた信号の目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、回転角加速度に応じた信号に基づき傾き角速度に対する目標値である第2の目標値信号を発生し、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、第2の目標値信号と傾き角速度に応じた信号との差の信号、および傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
すなわち、別の第2の実施の形態の別の搬送体の加速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させ走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、搬送体の走行状態のうちから加速状態を選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号を検出し、回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の極性の正負および加速状態であることに基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である目標値信号を発生し、目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、傾き角度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号および傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
すなわち、別の第2の実施の形態の更に別の搬送体の減速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、搬送体の走行状態のうちから減速状態を選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号を検出し、回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の正負および減速状態であることに基づき回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生し、回転角加速度に基づき傾き角速度に応じた第2の目標値に対応した信号を発生し、第1の目標値信号と回転角速度に応じた信号との差の信号、第2の目標値信号と傾き角速度に応じた信号との差の信号、および傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
すなわち、別の第2の実施の形態の更に又別の搬送体の減速方法は、走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筺体に回転自在に支持された車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、搬送体の走行状態のうちから減速状態を選択し、筐体が車輪の車軸を支点として傾く傾き角度を検出してその傾き角度に応じた信号を検出し、傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号を検出し、車輪の回転角速度を検出してその回転角速度に応じた信号を検出し、回転角速度の時間微分である回転角加速度に応じた信号を検出し、回転角速度に応じた信号の正負および減速選択手段からの信号に基づき回転角速度に応じた信号の目標値である目標値信号を検出し、目標値と回転角速度に応じた信号との差の信号、傾き角度に応じた信号、回転角加速度に応じた信号および傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき動力発生手段を駆動するものである。
なお本発明は、上述のように説明した実施の形態の態様に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲を逸脱することなく種々の変形実施が可能とされるものである。
本発明の搬送体は、人間を輸送するパーソナルな実用的な乗り物としても、また、娯楽として楽しむ乗り物としても利用できるだけでなく、機材を運搬する輸送手段としても産業上利用可能なものである。
本発明の搬送体の搬送方法は、この方法を用いることにより、小型で、信頼性の高い搬送体が提供できる産業上利用可能なものである。また、本発明の搬送体の加速装置または/および減速装置は、これを用いれば容易に搬送体の加速または/および減速できる点で産業上利用可能なものである。
10,110…搬送体、 20…アクセルレバー(加速選択手段)、 21…ブレーキレバー(減速選択手段)、 31,72…位置検出手段、 32,33,76,87…回転角速度検出手段、 34,80…目標値発生手段、 35,77…状態選択手段、 36,85…制御手段、 43,78,79…目標値信号、 45,46,71,73,75,81,82,83,86…信号、 50…加速装置、 60…減速装置、 74…位置変化検出手段、 111…ステップ台(筐体)、 112,113…車輪、 114,115…モータ(動力発生手段)、 116,117…車軸、 118…ステー、 119…ハンドル、 122,123…接地点、 125…路面、 180,182…重心射影点、 181…鉛直線、 183…射影車軸点、 Fr…トルク反作用力、 Hg…回転力、 Tg…回転駆動力、 Ts…トルク反作用回転力、 Wg…重力加速度、 Θb…角度、 Θd…制御量、 Θe…偏差、 Θr…目標値
Claims (21)
- 走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、
前記車輪を回転駆動する動力発生手段と、
前記車輪を回転自在に支持するとともに、前記搬送体の走行方向の重心の位置および前記動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて前記車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、
前記搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択する状態選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記状態選択手段からの信号に基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生する目標値発生手段と、
前記目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差の信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体。 - 前記目標値発生手段は、前記状態選択手段が選択する状態が加速状態にあっては前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と同じ方向に前記筐体が傾くように目標値信号を発生し、前記状態選択手段が選択する状態が減速状態にあっては前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と反対方向に前記筐体が傾くように目標値信号を発生するものである請求項1記載の搬送体。
- 前記目標値発生手段は、前記状態選択手段が選択する状態が加速状態にあっては前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と同じ方向に前記筐体が傾くように加速選択手段の操作量に応じた目標値信号を発生し、前記状態選択手段が選択する状態が減速状態にあっては前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と反対方向に前記筐体が傾くように減速選択手段の操作量に応じた目標値信号を発生するものである請求項1記載の搬送体。
- 車輪を筐体に回転自在に支持し、前記車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、
前記筐体が前記車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、
前記搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択し、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記選択した状態に基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生し、
前記目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差の信号に基づき前記動力発生手段を駆動する搬送体の搬送方法。 - 走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、
前記車輪を回転駆動する動力発生手段と、
前記車輪を回転自在に支持するとともに、前記搬送体の走行方向の重心の位置および前記動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて前記車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、
前記搬送体の加速状態を選択する加速選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記加速選択手段からの信号および前記回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生する目標値発生手段と、
前記目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体。 - 前記目標値発生手段は、前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と同じ方向に前記筐体が傾くように目標値信号を出力するものである請求項5記載の搬送体。
- 前記目標値発生手段は、前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と同じ方向に前記筐体が傾くように前記加速選択手段の操作量に応じた目標値信号を発生するものである請求項5記載の搬送体。
- 走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、
前記車輪を回転駆動する動力発生手段と、
前記車輪を回転自在に支持するとともに、前記搬送体の走行方向の重心の位置および前記動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて前記車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、
前記搬送体の減速状態を選択する減速選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記減速選択手段からの信号および前記回転角速度に応じた信号の極性の正負とに基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値信号を発生する目標値発生手段と、
前記目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差の信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体。 - 前記目標値発生手段は、前記回転角速度検出手段により検出される前記搬送体の進行方向と反対方向に前記筐体が傾くように目標値信号を発生するものである請求項8記載の搬送体。
- 前記目標値発生手段は、前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と反対方向に前記筐体が傾くように前記減速選択手段の操作量に応じた目標値信号を発生するものである請求項8記載の搬送体。
- 前記目標値発生手段は、前記回転角速度検出手段が検出する前記搬送体の進行方向と反対方向に前記筐体が傾く極性であって前記減速選択手段の操作量と前記回転角速度の絶対値の積に応じた目標値信号を発生するものである請求項8記載の搬送体。
- 走行面上で車輪を回転させて走行する搬送体であって、
前記車輪を回転駆動する動力発生手段と、
前記車輪を回転自在に支持するとともに、前記搬送体の走行方向の重心の位置および前記動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて前記車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体と、
前記搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択する状態選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、
前記状態選択手段からの信号および前記回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき前記回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、前記回転角加速度に応じた信号に基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生する目標値発生手段と、
前記第1の目標値信号と前記回転角速度に応じた信号との差の信号、前記第2の目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差の信号および前記傾き角度信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体。 - 車輪を筐体に回転自在に支持し、前記車輪を動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の搬送方法であって、
前記搬送体の走行状態である通常走行状態、加速状態および減速状態のうちから1つを選択し、
前記筐体が前記車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記選択した状態に基づき前記回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生し、
前記回転角加速度に応じた信号に基づき前記傾き角速度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生し、
前記第1の目標値と前記回転角速度との差に対応した信号、前記第2の目標値と前記傾き角速度との差に対応した信号および前記傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する搬送体の搬送方法。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速装置であって、
前記搬送体の加速状態を選択する加速選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、
前記状態選択手段からの信号および前記回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき前記回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、前記回転角加速度に応じた信号に基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生する目標値発生手段と、
前記第1の目標値信号と前記回転角速度に応じた信号との差の信号、前記第2の目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差の信号および前記傾き角度信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体の加速装置。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速装置であって、
前記搬送体の加速状態を選択する加速選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記加速選択手段からの信号に基づき前記回転角速度に応じた目標値に対応した信号を出力する目標値発生手段と、
前記目標値と前記回転角速度との差の信号、前記傾き角度に応じた信号、前記回転角加速度に応じた信号および前記傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体の加速装置。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速装置であって、
前記搬送体の減速状態を選択する減速選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記筐体の傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、
前記状態選択手段からの信号および前記回転角速度に応じた信号の極性の正負に基づき前記回転角速度に応じた信号に対する目標値である第1の目標値信号を発生するとともに、前記回転角加速度に応じた信号に基づき前記傾き角度に応じた信号に対する目標値である第2の目標値信号を発生する目標値発生手段と、
前記第1の目標値信号と前記回転角速度に応じた信号との差の信号、前記第2の目標値信号と前記傾き角度に応じた信号との差の信号および前記傾き角度信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体の減速装置。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速装置であって、
前記搬送体の減速状態を選択する減速選択手段と、
前記筐体の前記傾き角度に応じた信号を検出する位置検出手段と、
前記傾き角度の時間微分である傾き角速度に応じた信号を検出する位置変化検出手段と、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出する回転角速度検出手段と、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出する回転角加速度検出手段と、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記加速選択手段からの信号に基づき前記回転角速度に応じた目標値に対応した信号を発生する目標値発生手段と、
前記目標値と前記回転角速度との差の信号、前記傾き角度に応じた信号、前記回転角加速度に応じた信号および前記傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する制御手段と、
を備える搬送体の減速装置。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速方法であって、
前記搬送体の走行状態を加速状態とするように選択し、
前記筐体が前記車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、
前記筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記加速選択手段からの信号に基づき前記回転角速度に応じた信号に対する目標値信号である第1の目標値信号を発生し、
前記回転角加速度に応じた信号に基づき前記傾き角速度に応じた信号に対する目標値信号である第2の目標値信号を発生し、
前記第1の目標値と前記回転角速度との差に対応した信号、前記第2の目標値と前記傾き角速度との差に対応した信号および前記傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する搬送体の加速方法。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の加速方法であって、
前記搬送体の走行状態を加速状態とするように選択し、
前記筐体が前記車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、
前記筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、
前記目標値と前記回転角速度との差の信号、前記傾き角度に応じた信号、前記回転角加速度に応じた信号および前記傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する搬送体の加速方法。 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速方法であって、
前記搬送体の走行状態を減速状態とするように選択し、
前記筐体が前記車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、
前記筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、
前記回転角速度に応じた信号の極性の正負および前記加速選択手段からの信号に基づき前記回転角速度に応じた信号に対する目標値信号である第1の目標値信号を発生し、
前記回転角加速度に応じた信号に基づき前記傾き角速度に応じた信号に対する目標値信号である第2の目標値信号を発生し、
前記第1の目標値と前記回転角速度との差に対応した信号、前記第2の目標値と前記傾き角速度との差に対応した信号および前記傾き角度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する搬送体の減速方法 - 走行方向の重心の位置および走行のための動力発生手段の発生する動力の大きさに応じて車輪の車軸を中心とする傾き角度が変化する筐体に回転自在に支持された前記車輪を前記動力発生手段により回転させて走行面上を走行する搬送体の減速方法であって、
前記搬送体の走行状態を減速状態とするように選択し、
前記筐体が前記車輪の車軸を支点として傾く傾き角度に応じた信号を検出し、
前記筺体の傾き角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角速度に応じた信号を検出し、
前記車輪の回転角加速度に応じた信号を検出し、
前記目標値と前記回転角速度との差の信号、前記傾き角度に応じた信号、前記回転角加速度に応じた信号および前記傾き角速度に応じた信号の各々に所定の係数を掛けて加算した信号に基づき前記動力発生手段を駆動する搬送体の減速方法。
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