JP2005160936A - 縫製装置及び縫製装置の情報通信システム並びに縫製装置の制御プログラム - Google Patents

縫製装置及び縫製装置の情報通信システム並びに縫製装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】多種多様な被縫製物又は縫製材に対し本来の性能を確実に発揮させて縫製不良の発生や作業効率・耐久性の低下を防止するための適合性のチェックを容易に行う。
【解決手段】縫製装置Mは、縫製装置本体部と、縫製対象となる被縫製物C又は上糸t1と関連づけて取り扱われるように設けられかつ対応する被縫製物C等の情報を記憶した無線タグTと非接触で無線通信を行い、被縫製物C等に関わる情報を読み込むタグリーダ/ライタ50と、この読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する制御装置17とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、被縫製物を縫製する縫製装置に関わり、特に、縫製作業に関わる情報の授受を行う縫製装置及びその情報通信システム並びに縫製装置の制御プログラムに関するものである。
縫製装置が縫製を行う被縫製物(例えば布や皮革等)としては縫製装置の適用対象の範囲内において種々様々なものが存在し、また縫製作業の際に用いる縫製材(例えば糸等)についても同様の適用対象範囲内においてユーザ側による縫製の態様や縫製装置の仕様に応じて種々様々なものが存在する。
従来、種々の種類の被縫製物の生地(布地)に対しその種類に応じて、縫い方の種類、糸の張力、布送り量、針板の種類、布押さえの種類等を適宜選択しながら縫製を行う縫製装置の例として、例えば特許文献1に記載のものがある。
この従来技術では、液晶表示装置に縫い方及び生地の種類が表示される。その表示された縫い方及び生地の種類から操作者が選択操作スイッチで選択すると、さらに液晶表示装置に、選択した縫い方と生地の組み合わせに最適な縫製装置の各種設定条件が一覧表示されるようになっている。
特開平6−142355号公報(段落番号0024〜0044、図6〜図18)
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
すなわち、上記従来技術では、被縫製物(生地)の種類を自動検出するものではなく、操作者が自ら手入力にて被縫製物の種類を入力しなければならない。このため、使用者によっては、誤って実際に縫製を行う被縫製物とは異なった種類を入力してしまい、結果として、ある被縫製物や縫製材に対して必ずしも最適でない誤った縫製条件や縫製プログラムを用いて縫製を行ったり、あるいは誤って本来縫製装置の適用対象範囲外である被縫製物や縫製材を用いて縫製を行ったりする可能性がある。このような場合は、縫製装置本来の性能を発揮できず縫製不良や縫製作業効率の低下を招いたり、縫製装置において部分的に耐久性低下が生じ故障する可能性もある。
これを防止するために、例えば多数の縫製装置が備えられた縫製工場に定期的にサービスマンが出向いてチェックを行うことが考えられるが、この場合、すべての縫製装置について縫製装置と被縫製物、縫製装置と縫製材、被縫製物と縫製材の組み合わせを1つ1つチェックしなければならず、非常に煩雑かつ手間のかかる作業となる。また、チェックの際には対象となる縫製装置を停止させなければならず、生産性の低下を招く。
本発明の目的は、多種多様な被縫製物又は縫製材に対し本来の性能を確実に発揮させて縫製不良の発生や作業効率・耐久性の低下を防止するための適合性のチェックを容易に行うことができる縫製装置、及びその縫製装置の情報通信システム、並びに縫製装置の制御プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明は、縫製装置本体部と、縫製対象となる被縫製物又は縫製材の有無又はそれら被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われる無線タグの有無を、無線通信を介して認識する認識手段と、この認識手段の認識結果に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第1信号生成手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、認識手段が、無線通信を介し被縫製物(例えば布や皮革等)又は縫製材(例えば糸等)の有無、若しくは、それら被縫製物又は縫製材に関わる無線タグの有無を認識し、第1信号生成手段がこの認識結果に応じて対応する縫製制御信号や表示制御信号を生成する。例えば縫製制御信号としては、被縫製物又は縫製材がないこと、あるいは縫製対象として予め想定されたものに対応する無線タグがないことを認識した場合は、予めそのような場合用に設定された所定の制限を加えるための信号若しくは動作開始を禁止するための信号を生成する。また例えば表示制御信号としては、被縫製物又は縫製材がない旨、あるいは縫製対象として予め想定されたものでない旨を表示するための信号を生成する。これら生成した信号を出力することにより、例えば被縫製物又は縫製材自体をセットし忘れた場合は動作不良や故障等の発生を確実に防止できる。また、縫製対象でない被縫製物又は縫製材が用いられた場合は縫製を不能とせず耐久性の低下による故障等の発生を招かないようにしつつ縫製不良を未然に防ぎ必要最小限の縫製性能を確保することができ、少なくとも縫製不能となる場合に比べれば縫製作業効率の向上を図ることができる。そしてこのとき、サービスマンが1つ1つ手作業でチェックする従来手法に比べ、無線通信を利用した大量の情報伝達や自動判断・表示によりチェック作業を極めて短時間かつ容易に行うことができる。また、チェック時に縫製装置を停止させる必要がなくなるので、生産性を向上することができる。
上記目的を達成するために、第2発明は、縫製装置本体部と、縫製対象となる被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われるように設けられかつ対応する前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を記憶した無線タグと非接触で無線通信を行い、前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込む読み込み手段と、この読み込み手段で読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第2信号生成手段とを有することを特徴とする。
本願第2発明においては、被縫製物又は縫製材のそれぞれに関わる情報を記憶した無線タグが当該被縫製物又は縫製材に例えば添付又は同梱する等、関連づけて取り扱われるように設けられる。そして例えば被縫製物又は縫製材を縫製装置本体部に装着(セット)する(又は装着しようと接近させる)と、読み込み手段が対応する無線タグから被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込み、対応する縫製制御信号や表示制御信号を生成する。例えば縫製制御信号としては、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号や、縫製対象として予め想定されたものでないもの用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を生成する。また例えば表示制御信号としては、縫製対象として予め想定されたものでない旨を表示するための信号や、使用履歴情報に応じた警告表示を行うための信号や、縫製時他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を生成する。これら生成した信号を出力することにより、耐久性の低下を招く状態を極力回避しつつ、縫製態様や縫製装置の仕様になるべく適した縫製条件を実現することができる。この結果、縫製装置本来の性能をなるべく発揮させるようにして、縫製作業効率の向上を図ることができる。そしてこのとき、サービスマンが1つ1つ手作業でチェックする従来手法に比べ、無線通信を利用した大量の情報伝達や自動判断・表示によりチェック作業を極めて短時間かつ容易に行うことができる。また、チェック時に縫製装置を停止させる必要がなくなるので、生産性を向上することができる。
第3の発明は、上記第2発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記縫製制御信号として、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号を生成することを特徴とする。
縫製制御信号として、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号を生成し出力することにより、各被縫製物又は縫製材の種類に基づき、縫製態様や縫製装置の仕様に適した適切な縫製条件を確実に実現することができる。この結果、縫製装置本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の個体識別情報を記憶しており、かつ、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記個体識別情報に応じて、前記被縫製物又は縫製材の個体ごとに、その使用に関わる情報を記憶する使用情報記憶手段を設けたことを特徴とする。
使用情報記憶手段で各被縫製物又は縫製材ごとの使用に関わる情報を記憶することにより、同種類の被縫製物又は縫製材でも個体ごとに寿命を個別に管理して縫製装置本体の耐久性低下を防止でき、これによって縫製作業効率の向上を確実に図ることができる。
第5の発明は、上記第2発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置本体部の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、前記縫製装置本体部による縫製動作に対し、上記想定外被縫製物又は縫製材用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を前記縫製制御信号として生成することを特徴とする。
縫製制御信号として、縫製対象として予め想定されたものでないもの用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を生成し出力することにより、想定外の被縫製物や縫製材の場合でも縫製が不能となることはなく、縫製装置の耐久性の低下による故障等の発生を招かないようにしつつ縫製不良を未然に防ぎ必要最小限の縫製性能を確保することができる。この結果、少なくとも縫製不能となる場合に比べれば、縫製作業効率の向上を図ることができる。
第6の発明は、上記第5発明において、前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加える旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする。
これにより、それ以降、動作制限を行い本来の性能は出にくくなる旨を予め操作者に確実に認識させることができる。
第7の発明は、上記第5発明において、前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加えてよいかどうかの確認入力を促す表示を行うための信号を生成することを特徴とする。
これにより、それ以降、動作制限を行い本来の性能は出にくくなる旨を予め操作者に確実に認識させることができる。
第8の発明は、上記第5発明において、前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加えているときに、その所定の制限を加えている旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする。
これにより、動作制限前に報知や確認表示を行わない場合であっても、現在動作制限中であって本来の性能は出にくい旨を操作者に確実に認識させることができる。
第9の発明は、上記第2発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置本体部の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、その旨を表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする。
表示制御信号として、縫製対象として予め想定されたものでない旨を表示するための信号を生成し出力することにより、操作者に本来の性能は出にくい旨を認識させることができる。この結果、縫製不良や耐久性の低下による故障発生を招くような無理な使用をなるべく回避させることができるので、縫製作業効率の低下を防止することができる。
第10の発明は、上記第2乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の使用履歴情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記使用履歴情報に応じた警告表示を行うための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする。
表示制御信号として、各被縫製物又は縫製材の使用履歴情報に基づき警告表示を行うための信号を生成し出力することにより、使用に応じてその被縫製物や縫製材の寿命が近いことを操作者に適切に認識させることができる。この結果、速やかに当該被縫製物又は縫製材を新しい物に交換させることができるので、縫製作業効率の低下を防止することができる。
第11の発明は、上記第2発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、当該被縫製物又は縫製材を用いた縫製に関して、他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする。
表示制御信号として、縫製時他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を生成し出力することにより、縫製態様や縫製装置の仕様に適した縫製条件を操作者に促し確実に実現することができる。この結果、縫製装置本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
上記目的を達成するために、第12発明は、縫製装置と、この縫製装置の縫製対象となる被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われるように設けられかつ対応する前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を記憶した無線タグと非接触で無線通信を行い、前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込む読み込み手段と、この読み込み手段で読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第2信号生成手段とを有することを特徴とする。
本願第12発明においては、被縫製物又は縫製材のそれぞれに関わる情報を記憶した無線タグが当該被縫製物又は縫製材に例えば添付又は同梱する等、関連づけて取り扱われるように設けられる。そして例えば被縫製物又は縫製材を縫製装置に装着(セット)する(又は装着しようと接近させる)と、読み込み手段が対応する無線タグから被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込み、対応する縫製制御信号や表示制御信号を生成する。例えば縫製制御信号としては、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号や、縫製対象として予め想定されたものでないもの用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を生成する。また例えば表示制御信号としては、縫製対象として予め想定されたものでない旨を表示するための信号や、使用履歴情報に応じた警告表示を行うための信号や、縫製時他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を生成する。これら生成した信号を出力することにより、耐久性の低下を招く状態を極力回避しつつ、縫製態様や縫製装置の仕様になるべく適した縫製条件を実現することができる。この結果、縫製装置本来の性能をなるべく発揮させるようにして、縫製作業効率の向上を図ることができる。そしてこのとき、サービスマンが1つ1つ手作業でチェックする従来手法に比べ、無線通信を利用した大量の情報伝達や自動判断・表示によりチェック作業を極めて短時間かつ容易に行うことができる。また、チェック時に縫製装置を停止させる必要がなくなるので、生産性を向上することができる。
第13の発明は、上記第12発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記縫製制御信号として、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号を生成することを特徴とする。
縫製制御信号として、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号を生成し出力することにより、各被縫製物又は縫製材の種類に基づき、縫製態様や縫製装置の仕様に適した適切な縫製条件を確実に実現することができる。この結果、縫製装置本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
第14の発明は、上記第12又は第13発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の個体識別情報を記憶しており、かつ、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記個体識別情報に応じて、前記被縫製物又は縫製材の個体ごとに、その使用に関わる情報を記憶する使用情報記憶手段を設けたことを特徴とする。
使用情報記憶手段で各被縫製物又は縫製材ごとの使用に関わる情報を記憶することにより、同種類の被縫製物又は縫製材でも個体ごとに寿命を個別に管理して縫製装置の耐久性低下を防止でき、これによって縫製作業効率の向上を確実に図ることができる。
第15の発明は、上記第12発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、前記縫製装置による縫製動作に対し、上記想定外被縫製物又は縫製材用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を前記縫製制御信号として生成することを特徴とする。
縫製制御信号として、縫製対象として予め想定されたものでないもの用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を生成し出力することにより、想定外の被縫製物や縫製材の場合でも縫製が不能となることはなく、縫製装置の耐久性の低下による故障等の発生を招かないようにしつつ縫製不良を未然に防ぎ必要最小限の縫製性能を確保することができる。この結果、少なくとも縫製不能となる場合に比べれば、縫製作業効率の向上を図ることができる。
第16の発明は、上記第15発明において、前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加える旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする。
これにより、それ以降、動作制限を行い本来の性能は出にくくなる旨を予め操作者に確実に認識させることができる。
第17の発明は、上記第15発明において、前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加えてよいかどうかの確認入力を促す表示を行うための信号を生成することを特徴とする。
これにより、それ以降、動作制限を行い本来の性能は出にくくなる旨を予め操作者に確実に認識させることができる。
第18の発明は、上記第15発明において、前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加えているときに、その所定の制限を加えている旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする。
これにより、動作制限前に報知や確認表示を行わない場合であっても、現在動作制限中であって本来の性能は出にくい旨を操作者に確実に認識させることができる。
第19の発明は、上記第12発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、その旨を表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする。
表示制御信号として、縫製対象として予め想定されたものでない旨を表示するための信号を生成し出力することにより、操作者に本来の性能は出にくい旨を認識させることができる。この結果、縫製不良や耐久性の低下による故障発生を招くような無理な使用をなるべく回避させることができるので、縫製作業効率の低下を防止することができる。
第20の発明は、上記第12乃至第19発明のいずれか1つにおいて、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の使用履歴情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記使用履歴情報に応じた警告表示を行うための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする。
表示制御信号として、各被縫製物又は縫製材の使用履歴情報に基づき警告表示を行うための信号を生成し出力することにより、使用に応じてその被縫製物や縫製材の寿命が近いことを操作者に適切に認識させることができる。この結果、速やかに当該被縫製物又は縫製材を新しい物に交換させることができるので、縫製作業効率の低下を防止することができる。
第21の発明は、上記第12発明において、前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、当該被縫製物又は縫製材に対する縫製に関して、他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする。
表示制御信号として、縫製時他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を生成し出力することにより、縫製態様や縫製装置の仕様に適した縫製条件を操作者に促し確実に実現することができる。この結果、縫製装置本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
上記目的を達成するために、第22発明の縫製装置の制御プログラムは、読み込み手段が無線タグから読み込んだ、縫製対象となる被縫製物又は縫製材に関わる情報を入力して識別する手順と、この識別した情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する手順とを、前記縫製装置の制御装置に実行させる。
本発明によれば、多種多様な被縫製物又は縫製材に対しても縫製装置の本来の性能を確実に発揮させ、縫製不良の発生や作業効率・耐久性の低下を防止することができる。そしてこのとき、無線通信を利用した大量の情報伝達や自動判断・表示によって適合性のチェックを容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図19により説明する。本実施形態は、縫製装置の一例として、被縫製物Cに形成する鳩目状の穴の周囲をかがり縫いする鳩目穴かがりミシンに本発明を適用した場合の実施形態である。
図1は、本実施形態の縫製装置(鳩目穴かがりミシン)の全体概略構造を表す側面図である。この図1において、この縫製装置Mはミシンテーブル1上に載置されており、略矩形箱状をなすベッド2と、このベッド2の後方部上部から前方に連続して延びるアーム3と、アーム3の前方側の頭部3Aの下方に設けた針棒4と、縫針9(後述)に糸駒等の上糸供給源(図示せず)から供給される縫製材としての上糸t1(後述の図2参照)に張力を付与する糸調子機構41(同)と、糸調子機構41から縫針9へと延びる上糸t1の途中部が掛けられる天秤(図示せず)と、ベッド2のうち上記アーム頭部3Aの下方に位置する部分に針棒4に対向するように設けたルーパー土台5と、ベッド2のうちルーパー土台5の後方側に配設されたカッタ(下メス)6と、このカッタ6に対して上方より接離して揺動可能に設けた打ち抜き用ハンマー7と、ベッド2の上面部に設けられ被縫製物(=加工布、その他布以外にも皮革製品、エアバッグ等もありうる)Cがセットされる送り台8とを有している。
針棒4は、ミシンテーブル1上に設けたミシンモータ20(後述の図5参照)の駆動力により上下動可能に設けられ、この針棒4の下端には上記上糸t1が通される縫針9が取り付けられている。また針棒4の下方側の領域には針板(図示せず)が設けられ、この針板の針棒4の真下の位置に針孔(図示せず)が形成されている。そして、詳細な図示は省略するが、上記ミシンモータ20の駆動により回転される主軸10の回転力がカム機構(図示せず)により伝達され、所定幅分だけ左右に揺動しながら上下動される。この場合、主軸10の一回転により、針棒4は左側揺動位置と右側揺動位置とに2回上下動するようになっている。
図2は、上記糸調子機構41の詳細構造を表す拡大正面図である。図2において、糸調子機構41は、例えば上記アーム頭部3Aの機枠に植設された軸部材42に外嵌固定された固定糸調子皿43Aと、上記軸部材42に軸方向に移動自在に外嵌された可動糸調子皿43Bと、この可動糸調子皿43Bを固定糸調子皿43Aに向かって(図2中右側へ)押圧付勢する圧縮コイルバネ44と、可動糸調子皿43Bを固定糸調子皿43Aから離間するように(図2中左側へ)押動可能な押動部材45と、ラック・ピニオン機構46を介して押動部材45を略水平方向(図2中左右方向)へ移動するように駆動する糸調子用ステッピングモータ35と、軸部材42の図2中左端部に設けたバネ受け部47とを有している。
コイルバネ44は、上記バネ受け部47と可動糸調子皿43Bとの間において、上記軸部材42に外装されている。糸調子用ステッピングモータ35により押動部材45が図2中左側へ移動駆動されるほど、圧縮コイルバネ44との協働により可動糸調子皿43Aが固定糸調子皿43Bにより密着して圧接し、それらの間を通る上糸t1に張力が付与される。一方、糸調子用ステッピングモータ35により押動部材45が図2中右側へ移動駆動されるほど、1対の糸調子皿43A,43Bが離れた状態になり、上糸t1へ付与される張力が小さくなる(若しくは解放される)ようになっている。
図1に戻り、ルーパー土台5は2個のルーパー5Aを備えており、主軸10の回転がカム機構(図示せず)を介しルーパー5Aにも伝達され、上記針棒4の上下動と同期して駆動されるようになっている。
なお、これら針棒4及びルーパー土台5は、ベッド2内に設けられたθ方向駆動モータ(例えばステッピングモータ、後述の図5参照)22及びギヤ機構11からなる回動機構12により、それぞれ水平面において、鉛直軸回りに一体的に回動するようになっている。
ハンマー7は、ベッド2内に設けられたエアシリンダ24(後述の図5参照)及びこのエアシリンダ24への供給空気を制御する電磁切換弁25(同)を備えたハンマー駆動機構13(同)により駆動され、上記カッタ6との協働により、鳩目穴部とこれに連なる直線状の足穴部とからなる鳩目穴DH(後述の図14参照)を被縫製物(加工布)Cに形成するようになっている。
図3は送り台8付近の詳細構造を表す上面図である。
この図3及び図1において、送り台8は、全体として薄形の矩形箱状で、その下面のうち上記ルーパー土台5及びカッタ6に対応する部位が開放され、その上面には、開口部14aを有する金属製のクロスプレート14が設けられている。このクロスプレート14上には、開口部14aの左右両側に位置して被縫製物Cを押さえるための布押え(図示せず)が設けられている。
ここで、上記布押さえは、その被縫製物Cへの押圧力(押さえ圧)を調整可能となっている。図4は、その押さえ圧調整機構の詳細構造を表す断面図である。
図4において、布押さえを下端に装着した押さえ棒(図示せず)上にばね部材としての押えばね37が配設され、布押えを常には下方に向かって付勢して被縫製物Cに対し押え圧力を付与するようになっている。
また、アーム頭部3A内の上記押さえ棒の上方領域の機枠には、略水平方向に(図4中左右方向に)進退移動可能なラック38aと、このラック38aと噛合するように回転可能に支持されたピニオン38bとが配設されている。ピニオン38bの中心にはねじ孔38cが形成され、このねじ孔38cには調節ねじ38dが上下動可能に螺合されるとともに、その一側のキー溝38dAに係合したキー38eによって回り止めされている。そして、上記押えばね37に挿通したピン38fの頭部が上記調節ねじ38dの下端に当接されている。またアーム頭部3A内の機枠にはラック38aに対応してサーボソレノイド(比例ソレノイド、あるいは圧電素子等でもよい)33が配設されており、このサーボソレノイド33のアーマチャ33Aの先端が上記ラック38aの図4中右側端部に固定されている。
そして、このサーボソレノイド33のアーマチャ33Aが図4中左側へ突出動作されるほど、ラック38a及びピニオン38bを介して調節ねじ38dが下方に移動され、押えばね37が圧縮されて布押えを介して被縫製物Cに押え圧力が付与される。一方、サーボソレノイド33のアーマチャ33Aが図4中右側へ没入動作されるほど、ラック38aおよびピニオン38bを介し調節ねじ38dが上方に移動され、押えばね37が伸長されて被縫製物Cに対する布押え4の押え圧力が軽減(若しくは解放)されるようになっている。
なお、アーム頭部3A内にはラック38aに対応して検出器としてのポテンショメータ39(後述の図5も参照)が配設され、その作動軸39aの先端にはラック38aに噛合するピニオン39bが固定されている。そして、上記サーボソレノイド33のアーマチャ33Aの突出・没入動作に伴い被縫製物Cへの布押えの押え圧力が変更される際には、ラック38aの左右動によりピニオン39bを介しポテンショメータ39の作動軸39aが回動され、そのポテンショメータ39からアーマチャ33Aの運動量に応じた検出信号が出力されるようになっている。
図3に戻り、送り台8は、ベッド2内に設けられたX方向駆動モータ28及びY方向駆動モータ30などからなる送り機構27(後述の図5参照)により、鳩目縫目DNの足部Fと平行なY方向(前後方向)と、このY方向に直交するX方向(左右方向)とに独立に水平移動可能になっている(後述の図5参照)。なお、上記X方向駆動モータ28及びY方向駆動モータ30はそれぞれ、例えばステッピングモータで構成されている。
なお、縫製装置Mはまた、図1には示していないが、後述するような縫い目ピッチなどを設定するための操作パネル15(後述の図5及び図6参照)と、足踏み式の起動・停止スイッチ(ペダル)16(後述の図5参照)と、各機構の作動を制御する例えばマイクロコンピュータよりなる制御装置17(同)と、縫製装置Mの上記主軸10に連係させて設けられ、主軸10の回転位相を検出して位相信号を出力するタイミング信号発生器18(同)と、無線タグ(詳細は後述)Tに記憶された無線タグ情報を非接触の無線通信を介して読み込むリーダ/ライタ(詳細は後述)50とを備え、これらもまたミシンテーブル1上に配設されている。
図5は、制御装置17を含む制御系を表す機能ブロック図である。
図5において、縫製装置Mの制御装置17は、CPU17Aと、ROM17Bと、RAM17Cと、それらにデータバス等の各種バスを介して接続された入力インターフェース17D及び出力インターフェース17Eとを有している。
入力インターフェース17Dには、上記起動・停止スイッチ16と、上記布押えに連結された布押えスイッチ19と、上記タイミング信号発生器18と、上記操作パネル15と、タグリーダ/ライタ50と、上記押さえ圧調整機構のサーボソレノイド33の動作を検出するポテンショメータ39とからの信号が入力される。
出力インターフェース17Eからは、上記ミシンモータ20の駆動信号を生成して出力する駆動回路21と、上記θ方向駆動モータ22の駆動信号を生成して出力する駆動回路23と、上記エアシリンダ24を駆動する上記電磁切換弁25の駆動信号を生成して出力する駆動回路26と、上記送り機構27の上記X方向駆動モータ28の駆動信号を生成して出力する駆動回路29と、上記Y方向駆動モータ30の駆動信号を生成して出力する駆動回路31と、上記操作パネル15と、上記サーボソレノイド33の駆動信号を生成して出力する駆動回路34と、上記糸調子ステッピングモータ35の駆動信号を生成して出力する駆動回路36と、タグリーダ/ライタ50とに対応する制御信号(駆動制御信号、表示制御信号等、詳細は後述)が出力される。
ROM17Bは、鳩目穴かがり縫いを実行するために予め複数個設定された基本プログラムとしての鳩目穴かがり縫い制御プログラムを格納したプログラム格納領域と、各かがり縫い制御プログラムを実行して鳩目穴かがり縫いの縫目DN(後述の図14参照)の縫製を行うときにその基準(標準)として各制御プログラムごとに予め設定された複数の縫目データ(縫製条件データ)を格納した縫目データ格納領域(縫目データメモリ)と、本実施形態の要部である後述の図9に示す制御手順を実行するためのメイン制御プログラムを格納したメイン制御プログラム格納領域とを備えている。
RAM17Cは、操作パネル15での設定に基づき上記複数の基準縫目データより選択され読み込まれた(詳細は後述)縫目データを、今回用いるデータとして格納するデータメモリ等を含む、各種のメモリやバッファ等が設けられている。
操作パネル15は、上記入力インターフェース17D及び出力インターフェース17Eを介して各種制御信号や操作信号の授受を行う。図6は、この操作パネル15の構造を表す正面図である。図6において、操作パネル15は、前述した鳩目縫目DNに関する「縫目長さ(足部Fの長さ寸法、以下単に縫目長さFと表記する)」選択表示ランプ15a及び「縫目ピッチ」選択表示ランプ15bと、鳩目部DEに関する「針数」選択表示ランプ15cと、上記布押えを介し被縫製物Cに付与される押えばね37の押え圧力を(被縫製物Cの厚み等に応じて)設定する布押さえの「押さえ圧」選択表示ランプ15dと、上記糸調子機構41を介し上糸t1に付与される糸張力(テンション)を設定する「糸調子」表示ランプ15eと、それら5つの項目に対する数値を入力設定するにあたりそれぞれを順次切換えて指示するためのセレクトキー15fと、各項目に入力する数値を変更するための数値アップキー15h及び数値ダウンキー(エンターキーを兼ねる)15iと、設定された数値を含む各種表示(詳細は後述)を行うための表示部(例えばLEDディスプレイ)15gとが設けられている。
ここで、本実施形態の最も大きな特徴の1つとして、縫製装置Mの縫製対象である被縫製物C、又は、上糸t1及びこれと協働する下糸t2(以下適宜、両者を合わせて縫製糸tと称する)に対して(あるいは被縫製物Cと縫製糸tとの両方でもよい)、それぞれに対応する無線タグ情報(例えば被縫製物又は縫製糸tの種類を表す種類識別情報、あるいは同一種類でも個体ごとに付される個体識別情報等)を記憶した無線タグTが備えられている(例えば被縫製物Cや縫製糸tに直接添付)。
図7は、この無線タグTの構成の一例を表す機能ブロック図である。図7において、無線タグTは、タグリーダ/ライタ50に備えられたアンテナ40(詳細は後述)とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行うアンテナ部101と、このアンテナ部101に接続されたIC回路部100とを有している。
IC回路部100は、アンテナ部101により受信された搬送波を整流する整流部111と、この整流部111により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部112と、上記アンテナ部101により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部113(後述)に供給するクロック抽出部114と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部115と、上記アンテナ部101に接続された変復調部116と、上記整流部111、クロック抽出部114、及び変復調部116等を介して上記無線タグ回路素子10Aの作動を制御するための制御部113とを備えている。
変復調部116は、アンテナ部101により受信された上記タグリーダ/ライタ50のアンテナ40からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部113からの返信信号に基づき、アンテナ部101より受信された搬送波を反射変調する。
制御部113は、上記変復調部116により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部115において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部116により返信する制御等の基本的な制御を実行する。本実施形態では、IC回路部100は、制御部113を介しメモリ部115に記憶された情報の読み出し及び書き込みの双方が可能に構成されている。
図8は、上記タグリーダ/ライタ50の全体構成を表す機能ブロック図である。図8において、タグリーダ/ライタ50は、上記被縫製物C又は縫製糸tに添付された無線タグTのIC回路部100との間で例えばUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行う上記アンテナ(装置側アンテナ部)40と、このアンテナ40を介し無線タグTのIC回路部100の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み出し及び書き込みを行う)ための高周波回路51と、無線タグTのIC回路部100から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグTのIC回路部100へアクセスするためのアクセス情報を生成するアクセス情報生成部としても機能する信号処理回路52と、上記高周波回路51及び信号処理回路52等を含むタグリーダ/ライタ50全体の動作を制御するための制御回路60とを備えている。
制御回路60は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また制御回路60は、入出力インターフェイス61により上記縫製装置Mの制御装置17に接続され、制御装置17との間で情報のやりとりが可能となっている。
高周波回路51は、アンテナ40を介し無線タグTに対して信号を送信する送信部53と、アンテナ40により受信された無線タグTからの反射波を入力する受信部54と、方向性結合器55とから構成される。
送信部53は、無線タグTのIC回路部100の無線タグ情報にアクセスする(読み出し及び書き込みを行う)ための搬送波を発生させる搬送波発生部として機能する水晶振動子56、PLL(Phase Locked Loop)57、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)58と、上記信号処理回路52から供給される信号に基づいて上記搬送波発生部により発生させられた搬送波を変調(例えば「TX−ASK」信号に基づく振幅変調)する搬送波変調部として機能する第1ミキサ71と、その第1ミキサ71により変調された変調波を増幅する変調波増幅部として機能する第1アンプ72とを備えている。そして、上記搬送波発生部により発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記第1アンプ72の出力は、方向性結合器55を介してアンテナ40に伝達されて無線タグTのIC回路部100に供給される。
受信部54は、アンテナ40により受信された無線タグTからの反射波と上記搬送波発生部により発生させられた搬送波とを掛け合わせる第2ミキサ73と、その第2ミキサ73の出力をバンドパスフィルタ74を介し入力するとともに増幅して第1リミッタ75に供給する第2アンプ76と、上記アンテナ40により受信された無線タグTからの反射波と上記搬送波発生部により発生された後に位相が90°ずらされた搬送波とを掛け合わせる第3ミキサ77と、その第3ミキサ77の出力をバンドパスフィルタ78を介し入力するとともに増幅して第2リミッタ79に供給する第3アンプ80とを備えている。そして、上記第1リミッタ75から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ79から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路52に入力されて処理される。
このとき、第1アンプ76及び第3アンプ80の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)81にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路52に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグリーダ/ライタ50では、I−Q直交復調によって無線タグTからの反射波の復調が行われる。
上記構成の無線タグTに記憶された上記無線タグ情報は、各被縫製物C又は縫製糸tが縫製装置M側(あるいは縫製装置Mに取り付けた部材側)に装着されたとき(又は装着させようと接近したとき)にタグリーダ/ライタ50によって読み出され、その読み出された情報が縫製装置Mの制御装置17へと出力される。
図9は、上記読み出した情報に基づき、縫製装置Mの制御装置17が実行する制御手順を表すフローチャートである。
図9において、まずステップS10で、上記のようにリーダ/ライタ50で読み出した無線タグTの無線タグ情報(例えば被縫製物C又は縫製糸tの種類を表す種類識別情報、あるいは同一種類でも個体ごとに付される個体識別情報等)を取り込んで識別する。
その後、ステップS20で、操作パネル15のキー15f,15h,15iにより設定された縫製条件「縫目長さF」「縫目ピッチ」「鳩目部DE針数」「押さえ圧」「糸調子」の設定値を取り込んで識別する。
そして、ステップS30で、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記ステップS10で認識した無線タグ情報より識別される被縫製物C又は縫製糸t(以下適宜、被縫製物C等のように表記する)、及び上記ステップS20で認識した「縫目長さF」「縫目ピッチ」「鳩目部DE針数」「押さえ圧」「糸調子」の設定値に関し、相互の組み合わせが適正であるかどうかを判定する。
図10は、上記組み合わせ適否参照テーブルの一例を表すものである。
図10は、被縫製物(この例では布の生地)と、これに適する押さえ圧及び糸調子の設定値の組み合わせの適否の一例を表すものである。
図10において、この例ではそれぞれの厚さがx1,x2,x3(但しx1<x2<x3)である3種類の生地I、生地II、生地IIIについて、相対的に薄い生地Iに対しては相対的に小さな押さえ圧p1及び小さな糸調子(テンション)s1が適合し、相対的に厚い生地IIIに対しては相対的に大きな押さえ圧p3及び大きな糸調子s3が適合し、両者の中間の生地IIに対しては中間の押さえ圧p2及び中間の糸調子s2が適合することを表している。
これは、生地の厚さに対して押さえ圧が小さすぎると押さえ力が不足して生地が浮き上がり縫製が不安定になったり、テンションが小さすぎると上糸t1と下糸t2とが生地厚さの中間で絡み合う適正な縫目とならず底面よりで絡み合う縫目態様となる可能性があるからである。
図9に戻り、上記のようにしてステップS30の判定が行われ、組み合わせが適正であった場合には判定が満たされ、ステップS40に移る。
ステップS40では、操作パネル15の表示部15gに適正である旨の表示をさせるための表示制御信号を生成して出力インターフェイス17Eを介して出力する。図11は、このときに表示部15gに表示される画面表示の一例を表す図である。このステップS40が終了したら、ステップS50に移る。
ステップS50では、これまでの操作パネル15による設定値、タグリーダ/ライタ50による無線タグ情報(種類識別情報)、及びそれらによる適合性の判定結果に応じて、前述のROM17Bのプログラム格納領域に格納された複数の鳩目穴かがり縫い制御プログラムの中から最適なものを選択して読み出す(詳細には、CPU17Aが縫製制御信号として上記制御プログラムを選択する選択信号を生成してROM17Bに出力し、ROM17Bよりこれに応じた制御プログラムが読み出される)。また、それに対応して前述のROM17Bの縫目データ格納領域に格納された複数の縫目データ(縫目条件データ)の中から今回の縫製に最も適したものを適宜選択し(詳細には、CPU17Aが縫製制御信号として上記縫目データを選択する選択信号を生成してROM17Bに出力し、ROM17Bよりこれに応じた縫目データが読み出される。なお、読み出した縫目データにさらに加工を加えるようにしてもよい)、今回の鳩目穴かがり縫いにおける縫製データ(縫目データ)を作成する。この縫目データでは、例えば、所定の針数(この例では17針)のそれぞれについて内針に対する外針の針落ち位置を決定するために、X方向駆動モータ28とY方向駆動モータ30とθ方向駆動モータ22のそれぞれの駆動パルス数が設定される。
図12は、このステップS50における縫製データ作成の詳細手順を表すフローチャートである。この図12に示すように、ステップS51で先ず鳩目穴かがり縫い1針目の縫目データを作成して、この縫目データを例えばRAM17Cのデータメモリに新たに格納し、更にステップS52で2針目の縫目データを同様に作成して格納し、以降同様に3針目、4針目と進み、最終的に、所定の針数N+1(この例ではN=17)となるN+1針目の縫目データを作成して格納し(ステップS53)この手順を終了する。
図13は、以上のようにして作成した鳩目穴かがり縫いの縫目データの一例の内容を表す説明図であり、図14は、被縫製物Cに形成された上記鳩目穴かがりの縫目の詳細構成を表す上面図である。
これら図13及び図14において、この例では、17針のうち1針目1N〜5針目5Nが右側足部FRのかがり縫いのための縫目データであり、6針目6N〜13針目13Nが鳩目部DEのかがり縫いのための縫目データであり、14針目14N〜17針目17Nが左側足部FLのかがり縫いのための縫目データである。
なお、図14においては、例えば、1針目1Nの内針を〈1〉、1針目の外針を(1)で示している。また、送り台8の移動方向として、X方向のうち送り台8の左方向移動を「+」側として定義し、更にY方向のうち前方向移動を「+」側として定義して示している。
図9に戻り、上記のようなステップS50における縫製データ作成が終了すると、ステップS60に移り、上記図13で示した内容と同等の内容の表示制御信号を生成して出力インターフェイス17Eを介して出力し、操作パネル15の表示部15gに対応する表示を行わせる。
その後、ステップS70に移り、起動・停止ペダル16からの操作信号を識別し、ペダル16が踏み込まれたか(ONされたか)どうかを判定する。判定が満たされたら、ステップS80に移り、RAM17Cのデータメモリに格納した縫目データを1針目ごとに読み出し、各縫目データを上記ROM17Bのプログラム格納領域から選択された読み出された鳩目穴かがり縫い制御プログラムに当てはめながら、モータ20,22,28,30,35、サーボソレノイド33、及び電磁切換弁25に対し縫製制御信号としての対応する駆動制御信号を生成して出力し、それぞれを駆動して縫製装置Mに対応する動作を行わせ、縫製処理を実行する。すなわち、先の図14に示したように、対応する押さえ圧及び糸テンションのもと、第1番目の針目1Nから第17番目の針目17Nまでの運針により、右側足部FRと鳩目部DEと左側足部FLとからなる鳩目穴かがり縫目DNが縫製される。
一方、先のステップS30で組み合わせが適正でないと判定された場合、ステップS90に移る。ステップS90では、ステップS10において認識した無線タグ情報より、装着された(又は接近された)被縫製物C等が縫製装置Mの縫製対象として想定されたもの(以下、想定品と称する)であるかどうかを判定する。被縫製物C等のすべての無線タグ情報が想定品である旨が認識された場合、ステップS100に移る。
ステップS100では、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記不適合が、被縫製物C等の交換を行なわず操作パネル15による上記設定値の変更のみによって回避可能であるかどうかを判定する(詳細な説明を省略するが、このような回避可能性の有無についての情報も上記適否参照テーブルに組み込まれている)。
設定の変更のみによって回避可能である場合、このステップS100の判定が満たされてステップS110に移り、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して出力インターフェイス17Eを介して操作パネル15へ出力する。図15は、このときに表示部15gに表示される画面表示の一例を表す図である。この図15では、現在の設定のうち、押さえ圧pの設定のみp2→p1[kg/cm2]に変更すれば、(それ以外の設定を変えることなく、また被縫製物C等を交換することなく)適正な縫製が可能であることを示しており、さらにこの設定変更に同意する「はい」ボタン、同意しない「いいえ」ボタンを併せて表示している。
この表示を見た操作者が設定変更を了解する操作を行った(「はい」ボタンをクリックした)場合は、次のステップS120の判定が満たされ、ステップS20に戻ってその変更された設定値を識別し、以降同様の手順を繰り返す。操作者が設定変更を了解しないとする操作を行った(「いいえ」ボタンをクリックした)場合は、次のステップS120の判定が満たされず、ステップS130に移る。
ステップS130では、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記不適合が、上記設定値の変更を行わず縫製装置M側の縫製に関し予め設定された動作制限を実行することのみによって回避可能であるかどうかを判定する(詳細な説明を省略するが、このような回避可能性の有無についての情報も上記適否参照テーブルに組み込まれている)。
上記動作制限のみによっては回避できない場合、設定変更を行うべきであることを操作者に報知するために上記ステップS110に戻り同様の手順を繰り返す。上記動作制限のみによって回避可能である場合、ステップS130の判定が満たされてステップS140に移り、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して出力インターフェイス17Eを介し操作パネル15へ出力する。図16は、このときに表示部15gに表示される画面表示の一例を表す図である。この図16では、現在の設定のうち、押さえ圧pの設定をp2→p1[kg/cm2]に強制的に制限することを予告して示し、さらにこの動作制限を了解する「はい」ボタン、同意しない「いいえ」ボタンを併せて表示している。
この表示を見た操作者が動作制限を了解しないとする操作を行った(「いいえ」ボタンをクリックした)場合は、ステップS150の判定が満たされずステップS140に戻って同様の表示を行い、動作制限を了解したとする操作を行った(「はい」ボタンをクリックした)場合は、ステップS150の判定が満たされてステップS50に移り、前述と同様、前述のROM17Bのプログラム格納領域より当該動作制限に対応する動作制限下の縫製プログラム(動作制限プログラム)を選択して読み出す。また、それに対応して縫目データ格納領域に格納された複数の縫目データの中から対応するものを適宜選択し、今回の動作制限下の鳩目穴かがり縫い縫製データを作成する。すなわち、上述の例で言えば、押さえ圧p=p1[kg/cm2]となるような修正を加えた縫製データを作成し、以降前述と同様のステップS60、ステップS70、ステップS80の手順を実行する。
またステップS100において設定の変更のみによっては不適合が回避されない場合、この判定が満たされずステップS160に移り、その回避を行うために被縫製物C等の交換を行うべきであることを明示するための表示制御信号を生成して出力インターフェイス17Eを介し操作パネル15へ出力する。図17は、このときに表示部15gに表示される画面表示の一例を表す図である。
この図17では、現在の設定の変更のみでは上記不適合の回避は不可能であり、一旦電源を切って被縫製物Cの生地を薄いIタイプから厚いIIIタイプに変えれば適正な縫製が可能であることを示しており、さらにこの設定変更に同意する「はい」ボタン、同意しない「いいえ」ボタンを併せて表示している。
この表示を見た操作者が設定変更を了解する操作を行った(「はい」ボタンをクリックした)場合は、次のステップS170の判定が満たされ、ステップS180に移って縫製装置M全体の電源をOFFにし、このフローを終了する。この電源OFFによって操作者は被縫製物C等を交換する態勢となる。また操作者が設定変更を了解しないとする操作を行った(「いいえ」ボタンをクリックした)場合は、ステップS170の判定が満たされず、ステップS190に移る。
ステップS190では、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記不適合が、被縫製物C等のいずれもについて交換を行わず縫製対象として予め想定されたものでない被縫製物等用に予め設定された縫製装置M側の縫製動作制限を実行することのみによって回避可能であるかどうかを判定する(詳細な説明を省略するが、このような回避可能性の有無についての情報も上記適否参照テーブルに組み込まれている)。
上記動作制限のみによっては回避できない場合、被縫製物C等の交換を行うべきであることを操作者に報知するために上記ステップS160に戻り同様の手順を繰り返す。上記動作制限のみによって回避可能である場合、ステップS190の判定が満たされてステップS140に移り、前述と同様、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して操作パネル15へ出力し、以降同様の手順を行う。
一方、先のステップS90において、被縫製物C等のうちいずれか1つの無線タグ情報が想定品でない旨が認識された場合、あるいは無線タグ情報自体をタグリーダ/ライタ50で読み込めなかった場合(認識情報がない場合)は、ステップS90の判定が満たされず、ステップS200に移る。
ステップS200では、上記ステップS100と同様、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記非想定品に関わる不適合が、被縫製物C等の交換を行なわず操作パネル15による上記設定値の変更のみによって回避可能であるかどうかを判定する(詳細な説明を省略するが、このような回避可能性の有無についての情報も上記適否参照テーブルに組み込まれている)。
設定の変更のみによって回避可能である場合、このステップS200の判定が満たされてステップS210に移り、前述のステップS110と同様、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して出力インターフェイス17Eを介し操作パネル15へ出力する。図18は、このときに表示部15gに表示される画面表示の一例を表す図である。この図18では、被縫製物Cの無線タグ情報が認識できず非想定品であること、現在の設定のうち押さえ圧pの設定のみp3→p2[kg/cm2]に変更すれば、(それ以外の設定を変えることなく、また被縫製物C等を交換することなく)必要最低限の縫製は可能であることを示しており、さらにこの設定変更に同意する「はい」ボタン、同意しない「いいえ」ボタンを併せて表示している。
この表示を見た操作者が設定変更を了解する操作を行った(「はい」ボタンをクリックした)場合は、次のステップS220の判定が満たされ、ステップS20に戻ってその変更された設定値を識別し、以降同様の手順を繰り返す。操作者が設定変更を了解しないとする操作を行った(「いいえ」ボタンをクリックした)場合は、次のステップS220の判定が満たされず、ステップS230に移る。
ステップS230では、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記不適合が、上記設定値の変更を行わず装着されている(認識できていない)被縫製物C等を操作者が肉眼で確認するという条件で回避可能としてよいかどうかを判定する(詳細な説明を省略するが、このような回避可能性の有無についての情報も上記適否参照テーブルに組み込まれている)。
上記操作者側の確認によって回避可能としてよい場合、ステップS230の判定が満たされてステップS240に移り、その操作者側で行うべき確認の内容を明示するための表示制御信号(縫製時他に必要な準備作業をガイダンス表示するための信号に相当する)を生成して出力インターフェイス17Eを介し操作パネル15へ出力する。図19は、このときに表示部15gに表示される画面表示の一例を表す図である。この図19では、現在認識されていない生地の種類について、その材質が、現在の設定値条件では縫製が困難なものではないか、また厚さが比較的大きな押さえ圧p3に耐えうる所定値以上であるかどうかを確認するよう要請する画面となっている。またこの確認要請を了解する「はい」ボタン、同意しない「いいえ」ボタンを併せて表示している。
この表示を見た操作者が確認要請を了解しないとする操作を行った(「いいえ」ボタンをクリックした)場合は、ステップS250の判定が満たされずステップS240に戻って同様の表示を行い、確認要請を了解したとする操作を行った(「はい」ボタンをクリックした)場合は、ステップS250の判定が満たされてステップS50に移り、当該確認によって上記干渉が生じないという前提で前述と同様にして縫製データを作成する。そして、以降、前述と同様のステップS60、ステップS70、ステップS80の手順を実行する。
上記操作者側の確認によって回避可能とできない場合、ステップS230の判定が満たされずステップS260に移る。
ステップS260では、予めROM17Bに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記非想定品に関する不適合が、設定変更も当該被縫製物C等の交換も行わず縫製装置M側において非想定品用に予め設定された縫製動作制限を実行することのみによって回避可能であるかどうかを判定する(詳細な説明を省略するが、このような回避可能性の有無についての情報も上記適否参照テーブルに組み込まれている)。
上記動作制限のみによっては回避できない場合、被縫製物C等の交換を行うべきであることを操作者に報知するために上記ステップS160に戻り同様の手順を繰り返す。上記動作制限のみによって回避可能である場合、ステップS260の判定が満たされてステップS140に移り、前述と同様、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して操作パネル15へ出力し、以降同様の手順を行う。
以上において、タグリーダ/ライタ50が、各請求項記載の被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込む読み込み手段を構成し、縫製装置Mの制御装置17が、この読み込み手段で読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第2信号生成手段を構成する。そして、縫製装置Mのうち上記タグリーダ/ライタ50及び制御装置17以外の部分が、各請求項記載の縫製装置本体部を構成する。
以上説明した本実施形態の作用効果を以下に説明する。
すなわち、本実施形態の縫製装置Mにおいては、被縫製物C等のそれぞれに対してそれぞれに関わる情報を記憶した無線タグが添付される。そしてそれら被縫製物C等を縫製装置M側に装着した(又は装着しようと接近させた)時点で、タグリーダ/ライタ50が各無線タグTから対応する被縫製物C等に関わる種類識別情報又は個体識別情報を読み込み、これが縫製装置Mの制御装置17の実行するステップS10において取り込まれ、各被縫製物C等及び操作パネル15で設定入力された縫目長さF、縫目ピッチ、鳩目部DEの針数、押さえ圧p、及び糸テンションsの設定値の相互の組み合わせに応じて、対応する縫製制御信号(ステップS50の縫製プログラム・縫目データの選択信号及び動作制限プログラムの選択信号、ステップS80の駆動制御信号等)や表示制御信号(ステップS40の組み合わせが適正である旨の信号、ステップS60の縫製データの内容を表示するための信号、ステップS110及びステップS210の設定変更勧告を表示するための信号、ステップ140の動作制限を予告するための信号、ステップS160の被縫製物C等の交換勧告を表示するための信号、ステップS240の操作者側確認要請を表示するための信号等)を生成する。そして、ステップS50において被縫製物C等及び操作パネル15の設定値に応じた最適な通常の制御プログラム及び縫製データを選択し、最終的な縫製データを作成してステップS80で縫製処理を行うことにより、被縫製物C等の種類に基づき、縫製態様や縫製装置Mの仕様に適した適切な縫製条件を確実に実現することができる。この結果、縫製装置M本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
また、被縫製物C等として縫製対象として予め想定されたものでない(非想定品)ものである場合には、ステップS130、ステップS190、ステップS260よりステップS50においてそのようなもの用に所定の動作制限を加えるような動作制限下の制御プログラム及び縫製データを選択し、最終的な縫製データを作成してステップS80で縫製処理を行う。これにより、例えば想定品でないものが用いられても縫製が不能となることはなく、耐久性の低下による故障等の発生を招かないようにしつつ縫製不良を未然に防ぎ必要最小限の縫製性能を確保することができる。この結果、少なくとも縫製不能となる場合に比べれば、縫製作業効率の向上を図ることができる。
そして、以上において、サービスマンが1つ1つ手作業でチェックする従来手法に比べ、無線通信を利用した大量の情報伝達や自動判断・表示によりチェック作業を極めて短時間かつ容易に行うことができる。また、チェック時に縫製装置Mを停止させる必要がなくなるので、生産性を向上することができる。
また特に、被縫製物C等について縫製対象として予め想定されたものでない(非想定品)ものであり上記動作制限を行う際、その動作制限を加える前に、ステップS140において、動作制限を加えてよいかどうかの確認入力を促す表示を行う。これにより、それ以降、動作制限を行い本来の性能は出にくくなる旨を予め操作者に確実に認識させることができる。また、上記した被縫製物C等が縫製対象として予め想定されたものでない場合、ステップS210、ステップS240等において、その旨の表示を行わせることにより、操作者に縫製装置Mの本来の性能は出にくい旨を認識させることができる。これらの結果、縫製不良や耐久性の低下による故障発生を招くような無理な使用をなるべく回避させることができるので、これによっても縫製作業効率の低下を防止することができる。
さらに、ステップS240において、当該被縫製物C等を用いた縫製に関して、他に必要な準備作業(操作者側で行うべき確認作業)の内容をガイダンス表示する。これにより、縫製態様や縫製装置Mの仕様に適した縫製条件を操作者に促し確実に実現することができるので、これによっても縫製装置本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
本発明の第2の実施形態を図20及び図21により説明する。本実施形態は、複数の縫製装置と情報の授受を行いそれらの統括制御を行う中央制御装置を備えた縫製装置の情報通信システムに、本発明を適用した場合の実施形態である。上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図20は、本実施形態の縫製装置の情報通信システムSの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
図20において、この情報通信システムSは例えば縫製工場に設けられており、複数台の縫製装置M′と、(この例では1つの)タグリーダ/ライタ50′と、各縫製装置M′と情報の授受を行い統括制御を行う、いわゆる縫製システムのホストコンピュータとしての中央制御装置200と、入力信号に応じ各種表示を行う(詳細は後述)表示装置210とを有する。
縫製装置M′は、第1の実施形態の縫製装置Mではタグリーダ/ライタ50が備えられていたのに対しそれを省略したものである。すなわちタグリーダ/ライタ50以外の構成は上記縫製装置Mと同等である。また第1の実施形態と同様、被縫製物C等に無線タグTが設けられ、当該被縫製物C等に関わる無線タグ情報をそのIC回路部100(前述の図7参照)に記憶している。
タグリーダ/ライタ50′は、例えばこの縫製工場内の複数の(あるいはすべての)縫製装置M′に対し共通に設けられるもので、例えば縫製工場内の適宜の箇所(隅部、中央部、天井等)に配置されている。またこのタグリーダ/ライタ50′は、機能的には第1の実施形態において縫製装置Mに備えられていたタグリーダ/ライタ50と同等のものであり、縫製装置M′に装着される被縫製物C等に添付された無線タグTのIC回路部100との間で例えばUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ40(前述の図8参照)と、上記高周波回路51(同)と、信号処理回路52(同)と、制御回路60(同)とを備えている。
そして、各縫製装置M′に関わる被縫製物C等に添付された無線タグTに記憶された無線タグ情報は、各被縫製物C等が縫製装置M′側(あるいは縫製装置M′に取り付けた部材側)に装着されたとき(又は接近したとき)にタグリーダ/ライタ50′によって読み出され、その読み出された情報が中央制御装置200へと出力されるようになっている。
中央制御装置200は、例えばこの縫製工場内の複数の(あるいはすべての)縫製装置M′に対し共通に設けられるもので、例えば縫製工場内の適宜の箇所(隅部、中央部等)に配置されている。この中央制御装置200は、各部の制御や、データの転送、種々の演算等を行うCPU200Aと、データの一時的な格納等を行なうRAM200Bと、制御プログラム等を格納したROM200Cと、上記タグリーダ/ライタ50′及び各縫製装置M′の制御装置17とのデータ入出力を制御するI/O(入出力インターフェイス)200Dと、(必要に応じ)データベース(図示せず)を格納する主記憶装置(同)とを備えている。
ROM200Cは、この例では、上記第1の実施形態のROM17Bと同様、鳩目穴かがり縫いを実行するために予め複数個設定された基本プログラムとしての鳩目穴かがり縫い制御プログラムを格納したプログラム格納領域と、各かがり縫い制御プログラムを実行して鳩目穴かがり縫いの縫目DN(前述の図13参照)の縫製を行うときにその基準(標準)として各制御プログラムごとに予め設定された複数の縫目データ(縫製条件データ)を格納した縫目データ格納領域(縫目データメモリ)と、本実施形態の要部である後述の図21に示す制御手順を実行するためのメイン制御プログラムを格納したメイン制御プログラム格納領域とを備えている。
RAM200Bは、この例では、上記第1の実施形態のRAM17Cと同様、操作パネル15での設定に基づき上記複数の基準縫目データより選択され読み込まれた(詳細は後述)縫目データを、今回用いるデータとして格納するデータメモリ等を含む、各種のメモリやバッファ等が設けられている。
本実施形態の最も大きな特徴は、上記第1の実施形態において縫製装置Mの制御装置17が実行したのと同様の制御手順を、中央制御装置200において対象とする縫製装置M′について一元的に実行することである。
図21は、上記第1の実施形態の縫製装置Mの制御装置17と同様に、上記タグリーダ/ライタ50′が読み出した情報に基づき中央制御装置200が実行する制御手順を表すフローチャートである。すべての手順が図9を用いて既に述べた制御装置17の制御手順と同等またはこれに準ずるものであるため、図9のステップ番号に「′」を付して表し、適宜その制御内容について省略又は簡略化して説明する。なお、このフローは、各縫製装置M′ごとに個別に実行するものである。
図21において、まずステップS10′で、タグリーダ/ライタ50′で読み出した対象縫製装置M′における被縫製物C等に係るタグTの無線タグ情報をI/O200Dを介しCPU200Aに取り込んで識別し、ステップS20′で縫製装置M′の操作パネル15のキー15f,15h,15i(前述の図6参照)により設定された縫製条件「縫目長さF」「縫目ピッチ」「鳩目部DE針数」「押さえ圧」「糸調子」の設定値を同様に取り込んで識別する。そして、ステップS30′で所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ上記ステップS10′で認識した無線タグ情報より識別される被縫製物C等、及び上記ステップS20′で認識した設定値に関し、相互の組み合わせが適正であるかどうかをCPU200Aで判定する。
組み合わせが適正であった場合にはステップS40′に移り、操作パネル15の表示部15gに適正である旨の表示をさせるための表示制御信号を生成してI/O200Dを介して表示装置210へ出力する。
その後、ステップS50′で、対象縫製装置M′の操作パネル15による設定値、タグリーダ/ライタ50′による無線タグ情報、及びそれらによる適合性の判定結果に応じて、前述のROM200Cのプログラム格納領域に予め設定され格納された複数の鳩目穴かがり縫い制御プログラムの中から最適なものを選択して読み出す(詳細には、CPU200Aが縫製制御信号として上記制御プログラムを選択する選択信号を生成してROM200Cに出力し、ROM200Cよりこれに応じた制御プログラムが読み出される)。また、それに対応して前述のROM200Cの縫目データ格納領域に格納された複数の縫目データ(縫目条件データ)の中から今回の縫製に最も適したものを適宜選択し(詳細には、CPU200Aが縫製制御信号として上記縫目データを選択する選択信号を生成してROM200Cに出力し、ROM200Cよりこれに応じた縫目データが読み出される。なお、読み出した縫目データにさらに加工を加えるようにしてもよい)、今回の鳩目穴かがり縫いにおける縫製データ(縫目データ)を作成する。その際は、上記第1の実施形態で図12を用いて説明したように、例えば、1針ごとに縫目データを作成し、その都度縫目データを例えばRAM200Bのデータメモリに新たに格納していく。
上記ステップS50′における縫製データ作成が終了すると、ステップS60′に移り、作成した縫製データの内容の表示制御信号を生成してI/O200Dを介し出力し、表示装置210に対応する表示を行わせる。その後、ステップS70′で、各縫製装置M′の起動・停止ペダル16(前述の図5参照)からの操作信号を識別し、ペダル16が踏み込まれたかどうかを判定する。判定が満たされたら、ステップS80′でRAM200Bのデータメモリに格納した縫目データを1針目ごとに読み出し、各縫目データを上記ROM200Cのプログラム格納領域から選択された読み出された鳩目穴かがり縫い制御プログラムに当てはめながら、対象縫製装置M′のモータ20,22,28,30,35、サーボソレノイド33、及び電磁切換弁25への駆動制御信号を生成してI/O200D及び縫製装置M′の制御装置17を介して出力し、それぞれを駆動して縫製装置M′に対応する動作を行わせ、縫製処理を実行する。
一方、先のステップS30′で組み合わせが適正でないと判定された場合、ステップS90′に移り、ステップS10′において認識した無線タグ情報より、装着された(又は接近された)被縫製物C等が対象縫製装置M′における想定品であるかどうかを判定する。
被縫製物C等の無線タグ情報が想定品である旨が認識された場合、ステップS100′に移り、予めROM200Cに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記不適合が対象縫製装置M′の操作パネル15による上記設定値の変更のみによって回避可能であるかどうかを判定する。
設定の変更のみによって回避可能である場合ステップS110′に移り、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成してI/O200Dを介して表示装置210へ出力する。この表示を見た操作者(中央制御装置200の操作・制御担当者、以下同様)が設定変更を了解する操作を行った場合は、次のステップS120′の判定が満たされ、ステップS20′に戻って同様の手順を繰り返す。操作者が設定変更を了解しないとする操作を行った場合は、次のステップS120′の判定が満たされず、ステップS130′に移る。ステップS130′では、予めROM200Cに記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記不適合が、上記対象縫製装置M′の縫製に関し予め設定された動作制限を実行することのみによって回避可能であるかどうかを判定する。
上記動作制限のみによっては回避できない場合、設定変更を行うべきであることを操作者に報知するために上記ステップS110′に戻り同様の手順を繰り返す。上記動作制限のみによって回避可能である場合ステップS140′に移り、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成してI/O200Dを介し表示装置210へ出力する。この表示を見た操作者が動作制限を了解しないとする操作を行った場合は、ステップS150′の判定が満たされずステップS140′に戻って同様の表示を行い、動作制限を了解したとする操作を行った場合は、ステップS150′の判定が満たされてステップS50′に移り、前述と同様、ROM200Cのプログラム格納領域より当該動作制限に対応する動作制限下の縫製プログラム(動作制限プログラム)を選択して読み出す。また、それに対応して縫目データ格納領域に格納された複数の縫目データの中から対応するものを適宜選択し、今回の動作制限下の鳩目穴かがり縫い縫製データを作成する。以降前述と同様のステップS60′、ステップS70′、ステップS80′の手順を実行する。
またステップS100′において設定の変更のみによっては不適合が回避されない場合ステップS160′に移り、その回避を行うために被縫製物C等の交換を行うべきであることを明示するための表示制御信号を生成してI/O200Dを介し表示装置210へ出力する。この表示を見た操作者が設定変更を了解する操作を行った場合は、次のステップS170′の判定が満たされ、ステップS180′に移って対象縫製装置M′全体の電源をOFFにし、このフローを終了する。この電源OFFによって当該縫製装置M′の部品Pの交換が可能となる。また操作者が設定変更を了解しないとする操作を行った場合は、ステップS190′に移り、上記不適合が、対象縫製装置M′の縫製対象として予め想定されたものでない被縫製物等用に予め設定された縫製装置M′側の縫製動作制限を実行することのみによって回避可能であるかどうかを判定する。
上記動作制限のみによっては回避できない場合、対象縫製装置M′における被縫製物C等の交換を行うべきであることを操作者に報知するために上記ステップS160′に戻り同様の手順を繰り返す。上記動作制限のみによって回避可能である場合ステップS140′に移り、前述と同様、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して表示装置210へ出力し、以降同様の手順を行う。
一方、先のステップS90′において、対象縫製装置M′における被縫製物C等に係る無線タグ情報が想定品でない旨が認識された場合、あるいは無線タグ情報自体をタグリーダ/ライタ50′で読み込めなかった場合(認識情報がない場合)はステップS200′に移り、上記ステップS100′と同様、上記非想定品に関わる不適合が対象縫製装置M′の操作パネル15による上記設定値の変更のみによって回避可能であるかどうかを判定する。
設定の変更のみによって回避可能である場合ステップS210′に移り、前述のステップS110′と同様、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成してI/O200Dを介し表示装置210へ出力する。この表示を見た操作者が設定変更を了解する操作を行った場合は、次のステップS220′の判定が満たされ、ステップS20′に戻ってその変更された設定値を識別し、以降同様の手順を繰り返す。操作者が設定変更を了解しないとする操作を行った場合は、次のステップS220′の判定が満たされず、ステップS230に移り、上記不適合が、対象縫製装置M′における当該装着されている(認識できていない)被縫製物C等を肉眼で確認するという条件で回避可能としてよいかどうかを判定する。
上記確認によって回避可能としてよい場合ステップS240′に移り、その操作者側で行うべき確認の内容を明示するための表示制御信号(縫製時他に必要な準備作業をガイダンス表示するための信号に相当する)を生成してI/O200Dを介し表示装置210へ出力する。この表示を見た操作者が確認要請を了解しないとする操作を行った場合は、ステップS250′の判定が満たされずステップS240′に戻って同様の表示を行い、確認要請を了解したとする操作を行った場合はステップS50′に移り、当該確認によって問題は回避できたという前提で前述と同様にして縫製データを作成する。そして、以降、前述と同様のステップS60′、ステップS70′、ステップS80′の手順を実行する。
上記操作者側の確認によって回避可能とできない場合ステップS260′に移り、上記非想定品に関する不適合が、対象縫製装置M′側において非想定品用に予め設定された縫製動作制限を実行することのみによって回避可能であるかどうかを判定する。
上記動作制限のみによっては回避できない場合、被縫製物C等の交換を行うべきであることを操作者に報知するために上記ステップS160′に戻り同様の手順を繰り返す。上記動作制限のみによって回避可能である場合ステップS260′の判定が満たされてステップS140′に移り、前述と同様、その回避を行うための方策を明示するための表示制御信号を生成して表示装置210へ出力し、以降同様の手順を行う。
以上において、タグリーダ/ライタ50′が、各請求項に記載の被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込む読み込み手段を構成する。また、中央制御装置200が、この読み込み手段で読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第2信号生成手段を構成する。
以上説明した本実施形態においても、上記第1の実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態の縫製装置の情報通信システムSにおいては、各縫製装置M′における被縫製物C等に対してそれぞれに関わる情報を記憶した無線タグTが添付される。そして被縫製物C等を対応する縫製装置M′側に装着した(又は装着しようと接近させた)時点で、タグリーダ/ライタ50′が無線タグTから対応する被縫製物C等に関わる種類識別情報又は個体識別情報を読み込み、これが中央制御装置200の実行するステップS10′において取り込まれ、被縫製物C等及び対象縫製装置M′の操作パネル15で設定入力された縫目長さF、縫目ピッチ、鳩目部DE、押さえ圧p、及び糸テンションsの針数の設定値の相互の組み合わせに応じて、対応する縫製制御信号(ステップS50′の縫製プログラム・縫目データの選択信号及び動作制限プログラムの選択信号、ステップS80′の駆動制御信号等)や表示制御信号(ステップS40′の組み合わせが適正である旨の信号、ステップS60′の縫製データの内容を表示するための信号、ステップS110′及びステップS210′の設定変更勧告を表示するための信号、ステップ140′の動作制限を予告するための信号、ステップS160′の被縫製物C等の交換勧告を表示するための信号、ステップS240′の操作者側確認要請を表示するための信号等)を生成する。そして、ステップS50′において対象縫製装置M′の被縫製物C等及び操作パネル15の設定値に応じた最適な通常の制御プログラム及び縫製データを選択し、最終的な縫製データを作成してステップS80′で縫製処理を行うことにより、被縫製物C等の種類に基づき、縫製態様や縫製装置M′の仕様に適した適切な縫製条件を確実に実現することができる。この結果、縫製装置M′本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
また、被縫製物C等として縫製対象として予め想定されたものでない(非想定品)ものである場合には、ステップS130′、ステップS190′、ステップS260′よりステップS50′においてそのようなもの用に所定の動作制限を加えるような動作制限下の制御プログラム及び縫製データを選択し、最終的な縫製データを作成してステップS80′で対象縫製装置M′の制御装置17へ送信し、縫製処理を行わせる。これにより、対象縫製装置M′において例えば想定品でないものが用いられても縫製が不能となることはなく、耐久性の低下による故障等の発生を招かないようにしつつ縫製不良を未然に防ぎ必要最小限の縫製性能を確保することができる。この結果、少なくとも縫製不能となる場合に比べれば、縫製作業効率の向上を図ることができる。
そして、以上において、サービスマンが1つ1つ手作業でチェックする従来手法に比べ、無線通信を利用した大量の情報伝達や自動判断・表示によりチェック作業を極めて短時間かつ容易に行うことができる。また、チェック時に対象縫製装置M′ごとにいちいち停止させる必要がなくなるので、生産性を向上することができる。
また特に、被縫製物C等について縫製対象として予め想定されたものでない(非想定品)ものであり上記動作制限を行う際、その動作制限を加える前に、ステップS140′において、動作制限を加えてよいかどうかの確認表示を表示装置210にて行う。これにより、それ以降、動作制限を行い本来の性能は出にくくなる旨を予め操作者に確実に認識させることができる。また、上記した被縫製物C等が縫製対象として予め想定されたものでない場合、ステップS210′、ステップS240′等において、その旨の表示を表示装置210に行わせることにより、操作者に対象縫製装置M′の本来の性能は出にくい旨を認識させることができる。これらの結果、縫製不良や耐久性の低下による故障発生を招くような無理な使用をなるべく回避させることができるので、これによっても縫製作業効率の低下を防止することができる。
さらに、ステップS240′において、当該被縫製物C等を用いた縫製に関して、他に必要な準備作業(操作者側で行うべき確認作業)の内容を表示装置210にガイダンス表示する。これにより、対象縫製装置M′の縫製態様や仕様に適した縫製条件を操作者に促し確実に実現することができるので、これによっても縫製装置本来の性能を確実に発揮させ、縫製作業効率の向上を図ることができる。
なお、上記第2の実施形態においては、各縫製装置M′における鳩目穴かがりに関する各種設定を第1の実施形態と同様の操作パネル15により行ったが、これに限られず、中央制御装置200に(あるいはこれと別でもよい)共通の操作入力手段(例えばキーボード、マウス等)を設け、これによって上記設定を行ってもよい。また、各縫製装置M′に関する種々の表示(例えばステップS140′の動作制限警告表示、ステップS110′,ステップS160′、ステップS210′の勧告・警告表示等も含む)を共通の表示装置210にて行ったが、これに限られず、上記第1の実施形態と同様、各縫製装置M′の表示部15gに表示制御信号を出力して表示させてもよい。
また、上記第2の実施形態では、タグリーダ/ライタ50′での読み込み結果に応じて中央制御装置200がROM200Cの縫製プログラム及び縫目データを用いて最終的な縫製データを作成し、さらにこれに基づいて対象縫製装置M′のモータ20,22,28,30,35、サーボソレノイド33、及び電磁切換弁25への縫製制御信号としての駆動制御信号を生成し、I/O200D及び縫製装置M′の制御装置17を介し直接それらアクチュエータに出力したが、これに限られない。
すなわち、中央制御装置200が上記読み込み及び判定結果に応じて縫製制御信号としての選択指示信号を対象縫製装置M′の制御装置17に出力し、上記第1の実施形態と同様、各縫製装置M′の制御装置17のCPU17Aが縫製制御信号として制御プログラムを選択する選択信号を生成してROM17Bに出力し、ROM17Bよりこれに応じた制御プログラムが読み出されるとともに、これに対応してCPU17Aが縫製制御信号として縫目データを選択する選択信号を生成してROM17Bに出力し、ROM17Bよりこれに応じて縫目データが読み出され、それらを用いて最終的な縫目データを生成し、駆動信号を生成するようにしてもよい。
また、制御プログラムは中央制御装置200側が保持していてそのうち最適なものを選択して対象縫製装置M′の制御装置17へ送信するとともに、これに応じて制御装置17側にて保持していた縫目データを選択し、それらを用いて最終的な縫目データを生成して駆動信号を生成するようにしてもよい。
なお、以上は、ステップS130′、ステップS190′、ステップS260′の判定が満たされてステップS50′において動作制限下の縫製データを作成する場合も同様である。すなわち、中央制御装置200がROM200Cの動作制限下の縫製プログラム(動作制限プログラム)及びこれに対応する縫目データを用いて最終的な縫製データを作成し、これに基づいて上記駆動制御信号を生成し直接アクチュエータに出力してもよいし、中央制御装置200が上記読み込み及び判定結果に応じて上記動作制限プログラムの選択指示信号を出力し、制御装置17が動作制限プログラムを選択するとともにこれに対応した縫目データを選択しそれらを用いて最終的な縫目データを生成し、駆動信号を生成するようにしてもよい。また、上記動作制限プログラムは中央制御装置200側が保持していてそれを選択して対象縫製装置M′の制御装置17へ送信し、これに応じて制御装置17側で対応する縫目データを選択し、それらを用いて最終的な縫目データを生成して駆動信号を生成するようにしてもよい。
さらに、上記第1及び第2実施形態においては、ステップS170(又はステップS170′)の判定が満たされたときにステップS180(又はステップS180′)に移って縫製装置M全体の電源をOFFにしたが、これに限られない。すなわち電源を特にOFFにしなくても操作者が被縫製物C等を安全に交換できるようになっていれば、電源はONのままとしてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態においては、縫製装置M,M′側に動作制限を行うに際し、ステップS140又はステップS140′において、動作制限を行ってよいかどうかの確認入力を操作者に行わせる表示を行ったが、これに限られない。すなわち、確認入力を行うことなくそのまま動作制限を実行するようにし、その実行する前に所定の動作制限を加える旨を単に表示部15g又は表示装置210や別途設けた表示・警報手段(ライト、ランプ等も含む)等に表示させるようにしてもよいし、実行前には表示を行わず、実行後にその動作制限中の間、動作制限中である旨を表示させるようにしてもよい。また、表示部15gや表示装置210への表示にも限られず、それに代えてブザーその他の音声警報手段の吹鳴等、他の警報発報を行うようにしてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態においては、ステップS130(又はステップS130′)、ステップS190(又はステップS190′)、ステップS260(ステップS260′)の判定が満たされてステップS140(又はステップS140′)及びステップS150(ステップS150′)を経てステップS50(ステップS50′)に移り、動作制限下の縫製プログラムを選択するようにしたが、これに限られず、縫目データ(縫製条件)側に何らかの動作制限に対応する補正を行いつつ通常の縫製プログラムを用いて縫製を行うようにしてもよいし、通常の縫製プログラム、通常の縫製データを用いて上記駆動信号を生成するときにその駆動信号の段階で何らかの動作制限に対応する補正(電圧値を1.0倍未満で増幅する等)してもよいし、制御装置17(又は中央制御装置200)外に別途設けたフィルタ手段に縫製制御信号としてのフィルタ指示信号を出力し制御装置17(又は中央制御装置200)より通常通り出力された駆動信号に対し上記動作制限に対応する補正(フィルタリング)をしてもよい。さらに上記第2の実施形態では、対象縫製装置M′の制御装置17内(又は外部でもよい)に設けたフィルタ手段に対し中央制御装置200から上記フィルタ指示信号を出力し上記フィルタリングを行ったり、さらに対象縫製装置M′の制御装置17が前述のように自ら通常の縫製プログラム、通常の縫製データを用い生成した駆動信号に動作制限に対応する補正を行う場合にそのような駆動信号の補正を行うような制限指示(補正指示)信号を中央制御装置200から出力することも考えられる。要は、結果として縫製装置M又はM′のモータ20,22,28,30,35、サーボソレノイド33やエアシリンダ24等、被縫製物C等の状況に応じて動作が変化すべきアクチュエータが、最終的に所定の動作制限を受けるようになっていれば足りる。
また、上記第1及び第2実施形態においては、ステップS240又はステップS240′において、縫製時他に必要な準備作業として操作者側で行うべき確認の内容をガイダンス表示させたが、これ以外にも同様に、例えば操作者側で現在装着されている被縫製物C等以外に新たに必要な別の被縫製物C(例えば別の糸などの縫製材)等、部品、治具あるいは新たに必要な設定をガイダンス表示するようにしてもよい。
また、以上においては、被縫製物C等に関わる無線タグTが対応する種類識別情報や個体識別情報を記憶し、これに基づいて、対応する被縫製物C等相互及び操作パネル15の設定値との組み合わせの適合性を判定したが、これに限られない。すなわち、操作パネル15による設定値については考慮せず、単純に被縫製物C等相互間の組み合わせの適合性のみを判定してもよい。この場合であっても、多種多様な被縫製物又は縫製材に対し本来の性能を確実に発揮させて縫製不良の発生や作業効率・耐久性の低下を防止するための適合性のチェックを容易に行えるという、本発明の本来の効果を得ることができる。その意味では、無線タグTは、少なくとも、被縫製物C等の種類識別情報のみを記憶していれば足りる。
また逆に、被縫製物C等の無線タグ情報のみならず、縫製装置M,M′において着脱可能に取り付けられ交換されて使用される少なくとも1つの着脱(可能)部品(例えばカッタ6、ハンマー7、布押さえ等)にも無線タグTを添付して同様の無線タグ情報を記憶させておき、これら着脱部品6,7,32相互、あるいはそれらと上記被縫製物C等との組み合わせの適合性、さらにはそれらと操作パネル15における上記設定値との組み合わせの適合性についても判定するようにしてもよい。
図22及び図23は、上記着脱部品どうしの組み合わせ適否参照テーブルの一例を表すものである。図22は、布押さえとカッタ6とのサイズ(L,M,S)別の組み合わせの適否の一例を表すものであり、図23は、ハンマー7とカッタ6とのサイズ(L,M,S)別の組み合わせの適否の一例を表すものである。
図22において、相対的に小さなSサイズの布押さえに対しては、相対的に小さなSサイズのカッタ6のみが適合し、相対的に大きなLサイズ及び中間のMサイズのカッタ6は適合しない。またMサイズの布押さえに対しては、Sサイズ及びMサイズのカッタ6が適合し、Lサイズのカッタ6は適合しない。一方Lサイズの布押さえに対しては、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズのカッタ6いずれもが適合する。以上をまとめると、S,M,Lの3段階サイズ表記において、カッタ6側からみて布押さえのサイズが同じかそれよりラージサイズである場合が適合し、布押さえのサイズが小さい場合には適合しない。これは、布押さえが相対的にスモールサイズであると、鳩目穴DHの形成時にカッタ6が布押さえに干渉してしまうからである。図23においても同様であり、S,M,Lの3段階サイズ表記において、カッタ6側からみてハンマー7のサイズが同じかそれよりラージサイズである場合が適合し、ハンマー7のサイズが小さい場合には不適合となっている。
なお、着脱部品としては、上記カッタ6、ハンマー7、布押さえにも限られず、上記した針棒4、主軸10、縫針9、さらに他のタイプのミシンも含め(前述の第1及び第2実施形態における布押さえ以外に)縫製時に被縫製物を押圧又は把持して保持する刺繍枠を含む布保持部材、縫製終了後に上糸t1又は下糸t2(図示せず)を切断する糸切りカッタ等、ユーザ側による縫製の態様や縫製装置の仕様に応じ適したものに交換されて使われるもの(ゲージと称される場合もある)に本発明を適用してもよい。また、このような縫製態様や仕様に応じた交換以外に、上糸を引っかけて通し張力を調整するための天秤、縫針が被縫製物より下方に貫通したときにたるんだ上糸を引っかける釜の剣先部、主軸からの動力を上記釜に伝達するための下軸、布送り機構に備えられる送り歯、一部の布押さえの下端部に設けられる押さえ足、例えば縫製終了時に上糸又は下糸を切断する糸切りメス、被縫製物の布を切断する布切りメス、さらに広くは各種動作部材を駆動するモータ(上記第1及び第2実施形態ではミシンモータ20、θ方向駆動モータ22、X方向駆動モータ28、Y方向駆動モータ30等)、各種軸受等に適用してもよい。またこの場合、例えば上記縫針9等のように、縫製装置M又は(M′)に対し直接着脱可能に設けられるものでなく縫製装置M(又はM′)に設けた部材(この例では針棒4)に対し着脱可能に設けられるものも含まれる。
さらに、上記のように組み合わせの適合性のみならず、被縫製物C等ごとの使用履歴を管理するようにすることも考えられる。すなわち、無線タグTが記憶した対応被縫製物C等の個体識別情報を縫製装置M(又は縫製装置M′)側への装着時(又は接近時)にリーダ/ライタ50又は50′で読み出し、これに応じて、被縫製物C等の個体ごとに、その使用に関わる情報(使用履歴情報、使用時の各モータ20,22,28,30,35、サーボソレノイド33及びエアシリンダ24等の動作状態量の情報)をリーダ/ライタ50又は50′により無線タグTに書き込み記憶させたり、無線タグT側に書き込まず制御装置17のRAM17C(又は中央制御装置200のRAM200B)等の適宜の記憶手段に記憶させてもよい。データの態様は、例えば使用履歴情報の例で言えば単位使用データを積み上げて累積していくようにしてもよいし、使用時間データを毎回更新するようにしてもよい。なお、この場合、上記無線タグT又はRAM17C(又はRAM200B)は、使用に関わる情報を記憶する使用情報記憶手段を構成する。
この変形例では、各被縫製物C等ごとの使用に関わる情報を記憶することにより、同種類の被縫製物C等でも個体ごとにその品質寿命(特に耐久性)を個別に管理して耐久性低下を防止できるので、前述した縫製作業効率の向上を確実に図ることができる。
またこの際、タグリーダ/ライタ50又は50′により無線タグTより読み込んだ使用履歴情報に応じて、制御装置17又は中央制御装置200が、例えば被縫製物C等の使用寿命が近い等の場合に所定の警告表示を行うための表示制御信号を生成し操作パネル15又は表示装置210に出力するようにしてもよい。これにより、使用に応じて品質寿命が近いことを操作者に適切に認識させることができる結果、耐久性が低下する前に速やかに当該被縫製物C等を交換させることができるので、縫製作業効率の低下を防止することができる。
なお、上記変形例において、使用履歴情報を無線タグTに書き込み記憶させる場合、被縫製物C等に関わる無線タグTは必ずしも個体識別情報を記憶する必要はない。すなわち、無線タグTでは、対応被縫製物C等の上記種類識別情報と、例えば当該被縫製物C等の使用時間の累積値情報のみが記憶されており、タグリーダ/ライタ50,50′側より縫製作業時間に対応した使用時間情報がそれらの無線タグTに送信されて書き込まれるようにすれば足りる。この場合、使用状況がどのようなものであるかという情報を送信したり無線タグTに記憶させる必要はないので、送信又は書き込み情報量が少なくてすむという効果がある。
また、以上においては、制御装置17(又は中央制御装置200)が、ステップS30(又はステップS30′)で、予めROM17B(又はROM200C)に記憶されていた所定の組み合わせ適否参照テーブルを参照しつつ、上記ステップS10(又はステップS10′)で認識した無線タグ情報より識別される被縫製物C等、及び上記ステップS20(又はステップS20′)で認識した「縫目長さF」「縫目ピッチ」「鳩目部DE針数」「押さえ圧p」「糸テンションs」の設定値に関し、相互の組み合わせが適正であるかどうかを判定したが、これに限られない。
すなわち、予め定められた1つの被縫製物C等(例えば被縫製物C、上糸t1、又は下糸t2)について(あるいは複数の被縫製物C等についてそれぞれごとに)、縫製装置M(又はM′)に対し取り付けられるべき種類あるいは個体が1つもしくは所定の範囲に決まっている場合、タグリーダ/ライタ50(又は50′)がその限定された被縫製物C等に関わる無線タグ情報を認識できるかどうか(すなわち特定の被縫製物C等があるかないか)のみを判定してもよい。認識できた場合には、縫製装置Mの制御装置17(又は中央制御装置200)が、例えば通常の縫製制御プログラムを選択して通常の縫製制御を行い、認識できなかった場合には、制御装置17(又は中央制御装置200)は、縫製対象として予め想定されたものでないもの(=非想定品)である、又はそもそも被縫製物C等自体が装着されていない(被縫製物C等の装着忘れ)であるとみなし、その旨の表示制御信号を生成して操作パネル15の表示部15g(又は表示装置210)に出力し表示させるか、縫製動作開始を禁止するような縫製制御信号を生成して出力するか、その被縫製物C等の種類によっては、極めて限定した形で動作制限を行いつつ縫製動作を可能とするような縫製制御信号を生成して出力することも考えられる。なおこの場合は、タグリーダ/ライタ50(又は50′)が、請求項1記載の、縫製対象となる被縫製物又は縫製材の有無又はそれら被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われる無線タグの有無を無線通信を介して認識する認識手段を構成し、縫製装置Mの制御装置17(又は中央制御装置200)が、この認識手段の認識結果に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第1信号生成手段を構成する。
本変形例によれば、上記のようにして生成した信号を出力することにより、例えば被縫製物C等自体を装着し忘れた場合は動作不良や故障等の発生を確実に防止できる。また、非想定品が用いられた場合は、前述の実施形態と同様、縫製を不能とせず耐久性の低下による故障等の発生を招かないようにしつつ縫製不良を未然に防ぎ必要最小限の縫製性能を確保することができ、少なくとも縫製不能となる場合に比べれば縫製作業効率の向上を図ることができる。
なお、以上においては、無線タグTは対象となる被縫製物C等(上記の例では被縫製物C、上糸t1、下糸t2)に直接添付(貼付)されていたが、これに限られない。すなわち、添付が困難な場合等においては、当該被縫製物C等が梱包される箱、容器、包装紙等に無線タグTを同梱、あるいは被縫製物C等が巻かれる巻芯部材等に無線タグTを添付する等でもよく、要は、対応する被縫製物C等との対応付けが失われない形のままその被縫製物C等と関連づけて取り扱われるように設けられれば足りる。
また、以上においては、いわゆる鳩目穴かがりミシン(例えば、本出願人による特許第2762696号公報等)において本願発明を適用したものであるが、本願発明の適用対象はこれに限られるものではない。すなわち、布が把持手段としてのワークホルダでその上下より把持又は挟持されて、互いに直交する2つの方向にその2つの部材及び布が移動されるミシン(例えば、本出願人による特許第3354330号等)、布が押圧手段としての布押さえによってその上方より下方のミシンテーブル(ベッド)側に押しつけられ、互いに直交する2つの方向に布押さえ及び布が移動されるいわゆる閂止め縫いミシン(例えば、本出願人による特開平8−84878号公報等)、布が布押さえによって所定の1つの方向に沿ってのみ往復移動されると共に、適宜、縫い針がその所定の方向に直交する方向に揺動される穴かがりミシン(例えば、本出願人による特開2003−53076号公報等)、布が布押さえではなく把持手段としての刺繍枠でその上下より把持又は挟持されて移動される刺繍ミシン(例えば、本出願人による特開平6−254272号公報等)、複数の布が布押さえによって押さえられ、布押さえと共に移動される玉縁縫いミシン(例えば、本出願人による特開平2003−181176号公報等)、布が水平方向には移動しない布押さえ(押さえ足)によって押さえられ、その押さえ足の下方の送り歯によって布が移動されるミシン(例えば、本出願人による特許第2658611号公報等)に関してリーダ/ライタ50(又は50′)を設けて本願発明を適用し、装着する被縫製物C等に関する無線タグ情報を読み出すようにし、本発明のための縫製装置用制御プログラムを適宜設け、上記読み出し結果に応じて縫製制御信号又は表示制御信号を生成し出力するようにしてもよい。
さらに、本願発明は上述したようないわゆる工業用ミシンに限らず、例えば特公昭57−26154号公報等に記載のような家庭用ミシンに関しリーダ/ライタ50(又は50′)を設けて本願発明を適用し、装着される被縫製物C等に関する無線タグ情報を読み出すようにし、本発明のための縫製装置用制御プログラムを適宜設け、上記読み出し結果に応じて縫製制御信号又は表示制御信号を生成し出力するようにしてもよい。
このとき、縫製条件の設定値についても、上記第1及び第2実施形態で例示した鳩目穴かがりミシンにおける「縫目長さF」「縫目ピッチ」「鳩目部DE針数」「押さえ圧」「糸テンション」だけにも限られず例えば縫製領域設定、縫製速度、送り機構の布送り量等、他の設定値も含まれ、また上述のように鳩目穴かがりミシン以外の他のタイプのミシンにおける各種設定値についても含まれる。またこのとき、そのような縫製条件設定値を入力する手段としては操作パネルに限られず、キーボード(第2実施形態も参照)、マウス(同)、ダイヤル等でもよい。
また、タグリーダ/ライタ50及び50′は、無線タグTのIC回路部100から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うものであったが、書き込み機能は必ずしも備えなくてもよく、無線タグ情報の読み出しのみを行うものであっても構わない(無線タグTについても読み出しのみが可能なものであってもよい)。この場合であっても、多種多様な被縫製物又は縫製材に対し本来の性能を確実に発揮させて縫製不良の発生や作業効率・耐久性の低下を防止するための適合性のチェックを容易に行えるという、本発明の本来の効果を得ることができる。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の第1の実施形態の縫製装置の全体概略構造を表す側面図である。 図1に示した縫製装置に備えられた糸調子機構の詳細構造を表す拡大正面図である。 図1に示した送り台付近の詳細構造を表す上面図である。 図1に示した縫製装置に備えられた押さえ圧調整機構の詳細構造を表す断面図である。 図1に示した縫製装置に備えられた制御装置を含む制御系を表す機能ブロック図である。 図5に示した操作パネルの構造を表す正面図である。 被縫製物に添付された無線タグの構成の一例を表す機能ブロック図である。 図5に示したタグリーダ/ライタの全体構成を表す機能ブロック図である。 図5に示した制御装置が実行する制御手順を表すフローチャートである。 被縫製物と、これに適する押さえ圧及び糸調子の設定値の組み合わせの適否の一例を表す図である。 図6に示した操作パネルの表示部に表示される画面表示の一例を表す図である。 図9のステップS50における縫製データ作成の詳細手順を表すフローチャートである。 鳩目穴かがり縫いの縫目データの一例の内容を表す説明図である。 被縫製物に形成された鳩目穴かがりの縫目の詳細構成を表す上面図である。 図6に示した操作パネルの表示部に表示される画面表示の一例を表す図である。 図6に示した操作パネルの表示部に表示される画面表示の一例を表す図である。 図6に示した操作パネルの表示部に表示される画面表示の一例を表す図である。 図6に示した操作パネルの表示部に表示される画面表示の一例を表す図である。 図6に示した操作パネルの表示部に表示される画面表示の一例を表す図である。 本発明の第2の実施形態の縫製装置の情報通信システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。 図20に示した中央制御装置が実行する制御手順を表すフローチャートである。 布押さえとカッタとのサイズ別の組み合わせの適否の一例を表す図である。 ハンマーとカッタとのサイズ別の組み合わせの適否の一例を表す図である。
符号の説明
15 操作パネル
15g 表示部
17 制御装置(第2信号生成手段;第1信号生成手段)
17C RAM(使用情報記憶手段)
50 タグリーダ/ライタ(読み込み手段;認識手段)
50′ タグリーダ/ライタ(読み込み手段;認識手段)
200 中央制御装置(第2信号生成手段;第1信号生成手段)
200B RAM(使用情報記憶手段)
C 被縫製物
M,M′ 縫製装置
S 縫製装置の情報通信システム
T 無線タグ(使用情報記憶手段)
t1 上糸(縫製材)
t2 下糸(縫製材)

Claims (22)

  1. 縫製装置本体部と、
    縫製対象となる被縫製物又は縫製材の有無又はそれら被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われる無線タグの有無を、無線通信を介して認識する認識手段と、
    この認識手段の認識結果に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第1信号生成手段とを有することを特徴とする縫製装置。
  2. 縫製装置本体部と、
    縫製対象となる被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われるように設けられかつ対応する前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を記憶した無線タグと非接触で無線通信を行い、前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込む読み込み手段と、
    この読み込み手段で読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第2信号生成手段とを有することを特徴とする縫製装置。
  3. 請求項2記載の縫製装置において、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記縫製制御信号として、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号を生成することを特徴とする縫製装置。
  4. 請求項2又は3記載の縫製装置において、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の個体識別情報を記憶しており、
    かつ、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記個体識別情報に応じて、前記被縫製物又は縫製材の個体ごとに、その使用に関わる情報を記憶する使用情報記憶手段を設けたことを特徴とする縫製装置。
  5. 請求項2の縫製装置において、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置本体部の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、前記縫製装置本体部による縫製動作に対し、上記想定外被縫製物又は縫製材用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を前記縫製制御信号として生成することを特徴とする縫製装置。
  6. 請求項5記載の縫製装置において、
    前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加える旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする縫製装置。
  7. 請求項5記載の縫製装置において、
    前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加えてよいかどうかの確認入力を促す表示を行うための信号を生成することを特徴とする縫製装置。
  8. 請求項5記載の縫製装置において、
    前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加えているときに、その所定の制限を加えている旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする縫製装置。
  9. 請求項2の縫製装置において、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置本体部の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、その旨を表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする縫製装置。
  10. 請求項2〜9のいずれか1項記載の縫製装置において、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の使用履歴情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記使用履歴情報に応じた警告表示を行うための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする縫製装置。
  11. 請求項2記載の縫製装置において、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、当該被縫製物又は縫製材を用いた縫製に関して、他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする縫製装置。
  12. 縫製装置と、
    この縫製装置の縫製対象となる被縫製物又は縫製材と関連づけて取り扱われるように設けられかつ対応する前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を記憶した無線タグと非接触で無線通信を行い、前記被縫製物又は縫製材に関わる情報を読み込む読み込み手段と、
    この読み込み手段で読み込んだ情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する第2信号生成手段とを有することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  13. 請求項12記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記縫製制御信号として、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、予め定められた縫製装置による縫製条件又は縫製装置で用いる縫製プログラムを選択するための信号を生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  14. 請求項12又は13記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の個体識別情報を記憶しており、
    かつ、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記個体識別情報に応じて、前記被縫製物又は縫製材の個体ごとに、その使用に関わる情報を記憶する使用情報記憶手段を設けたことを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  15. 請求項12の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、前記縫製装置による縫製動作に対し、上記想定外被縫製物又は縫製材用に予め設定された所定の制限を加えるための信号を前記縫製制御信号として生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  16. 請求項15記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加える旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  17. 請求項15記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加える前に、その所定の制限を加えてよいかどうかの確認入力を促す表示を行うための信号を生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  18. 請求項15記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記第2信号生成手段は、前記所定の制限を加えているときに、その所定の制限を加えている旨を報知対象者に報知するための信号を生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  19. 請求項12の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報又は個体識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報又は前記個体識別情報が前記縫製装置の縫製対象として予め想定された前記被縫製物又は縫製材に対応するものでない場合には、その旨を表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  20. 請求項12〜19のいずれか1項記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の使用履歴情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記使用履歴情報に応じた警告表示を行うための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  21. 請求項12記載の縫製装置の情報通信システムにおいて、
    前記無線タグは、対応する前記被縫製物又は縫製材の種類識別情報を記憶しており、
    前記第2信号生成手段は、前記無線タグより前記読み込み手段で読み込んだ前記種類識別情報に応じて、当該被縫製物又は縫製材に対する縫製に関して、他に必要な部品又は準備作業若しくは設定をガイダンス表示するための信号を前記表示制御信号として生成することを特徴とする縫製装置の情報通信システム。
  22. 読み込み手段が無線タグから読み込んだ、縫製対象となる被縫製物又は縫製材に関わる情報を入力して識別する手順と、
    この識別した情報に応じ、対応する縫製制御信号又は表示制御信号を生成する手順とを、
    前記縫製装置の制御装置に実行させるための縫製装置の制御プログラム。
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