JP2005160566A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入力操作の変更を伴う機種変更を低コストで行うことができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 パチンコ機10の前面枠14には、遊技領域が形成される遊技盤16の前面側に貫通して形成された貫通口14dが設けられ、その貫通口14dの配置位置にスイッチユニット120が着脱可能に取り付けられている。このため、パチンコ機10においては上下2つのボタン121,122を遊技に使用しているが、スイッチユニット120に代えて1つのボタンだけを取り付けたスイッチユニット等を前面枠に取り付けることにより、内枠13や前面枠14を共用しつつ異なる入力操作を必要とする機種に変更することができる。よって、入力操作が異なる複数種類の機種を低コストで製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パチンコ機等に代表される弾球式の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の弾球式の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に大当たり抽選の結果に対応した画像を表示するものや、遊技球が入球すると大当たりとなる特定口(Vゾーン)を設けたもの等、各機種毎に異なる内容の遊技を実行できるようにして数多く開発されている。これらの遊技機においては、遊技者が遊技において注目する部位は各機種毎に異なるものとする一方、遊技者からあまり注目されない部位については部品を共用して製造コストや開発コストの低減を図っている。かかる遊技機において、機種特有の遊技球の挙動や演出内容を構成する遊技領域が前面側に形成される遊技盤(遊技領域ユニット)は、その遊技領域に多数の釘、風車、入力装置、表示装置等が役物部材として配設され、遊技者にとって特に注目される部位である。このため、機種変更に伴う制御装置等の各種部品を遊技盤に取り付けて一体化し、遊技盤以外を共用しつつ遊技盤を交換して新たな機種とすることが一般に行われている。
遊技盤は、遊技機本体を構成する内枠に着脱可能に固定して支持され、板ガラスや透明なプラスチック板を介して遊技者より遊技領域が視認可能となっている。また、遊技盤は、店員などの作業者が遊技機を操作して取り外せるものとなっており、工具等を使用しないで素手で取り外しができるものもある。一方、枠体は、遊技盤を固定する内枠と、遊技盤の前面側を開閉可能に覆うガラス枠(前面枠)とを有し、遊技者からは直接遊技盤が触れられず、点検などは前面枠を開放して遊技盤の前面を露出することにより行われる。枠体には、前面枠以外にも、遊技球を発射するための発射装置、賞球や貸出球の払出装置、パチンコ機の周りを彩る電飾およびスピーカなどが共用部品として取り付けられている。
特開平10−295908号公報
しかしながら、近年、遊技機の遊技性が多様になるに従い、機種の違いとして、遊技者によって入力操作が行われる操作装置の構成が異なるものが開発されている。この操作装置は、遊技者が触れることのできる遊技機の正面側に配置され、その部分は通常枠体で構成される。このため、遊技盤の交換だけで行われる従来の機種変更は、操作装置が同一構成の枠体に制限され、入力操作の異なる遊技機間では枠体が共用し得ず、機種変更のコストが増大してしまうという問題点があった。また、枠体を再利用して機種変更を行う場合、遊技盤と操作装置とを共に変更するのは、交換作業が複雑になるため作業コストが増大するという問題点があった。遊技場は、各種の遊技機を頻繁に新装することで遊技者の注意を惹き付けることができるので、機種変更のコスト増は遊技場側にとって重大な問題であり、遊技機メーカーには、多様な遊技性に低コストで対応可能な遊技機が求められる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、入力操作の変更を伴う機種変更を低コストで行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域が一面側に形成されると共に遊技を構成する役物部材を有する遊技領域ユニットと、その遊技領域ユニットにおける前記遊技領域の反対面側に配設されて遊技の制御を行う制御手段と、前記遊技領域ユニットを着脱可能に支持する内枠と、前記遊技領域ユニットの前記一面側を開閉可能に構成された前面側部材とを備え、前記内枠に支持される遊技領域ユニットを交換して前記遊技領域にて行われる遊技内容を変更可能なものであり、前記前面側部材は、前記遊技領域ユニットの前記一面側に貫通して形成された貫通口を有するものであり、前記前面側部材に対して前記貫通口の配置位置に着脱可能に取り付けられると共に遊技者の接触操作を検出するものであって前記制御手段に電気的に接続される操作部材を備え、前記遊技領域ユニットは、前記遊技領域が形成される前記一面側に設けられると共に前記制御手段と電気的に接続されるコネクタを備え、そのコネクタを介して前記操作部材と前記制御手段とが電気的に接続されている。
この請求項1記載の遊技機によれば、遊技領域が形成される遊技領域ユニットの一面側には、貫通して形成された貫通口が設けられ、その貫通口の配置位置に操作部材が取り付けられている。このため、操作部材の配線を貫通口内に通したり、操作部材において遊技者に接触操作される操作部を貫通口内に配置したりして、接触操作によって入力が行われる操作部材を遊技者によって操作可能に配置することができ、遊技者には操作部材に触れての入力操作を行わせることができる。
また、操作部材は、前面側部材に対して貫通口の配置位置に着脱可能に取り付けられている。遊技領域ユニットを交換する際に、前面側部材より操作部材を取り除いて貫通口を覆う蓋などを取り付けると、前面側部材と内枠とを共用しつつ操作部材を要しない別機種に遊技機が変更される。遊技領域ユニットを交換する際に、前面側部材より操作部材を取り外して別の操作部材を取り付けると、前面側部材と内枠とを共用しつつ異なる操作部材を有する別機種に遊技機が変更される。この操作部材の変更を伴う機種変更時においては、操作部材を前面側部材に、遊技領域ユニットを内枠にそれぞれ取り付けた後、遊技領域ユニットの一面側にて遊技領域ユニットと操作部材とをコネクタで接続すると、操作部材と制御手段とが電気的に接続される。
本発明の遊技機によれば、遊技領域が形成される遊技領域ユニットの一面側には、貫通して形成された貫通口が設けられ、その貫通口の配置位置に操作部材が着脱可能に取り付けられている。このため、入力操作の変更を伴う機種変更を行う場合に、遊技領域ユニットと共に操作部材を交換して異なる操作部材を有する機種に変更したり、操作部材を取り除いて操作部材を要しない機種に変更することができる。よって、前面側部材や内枠を共用しつつ入力操作が異なる複数種類の機種を製造することができ、入力操作の変更を伴う機種変更を低コストで行うことができるという効果がある。
また、遊技領域ユニットには、遊技領域が形成される一面側に制御手段と電気的に接続されるコネクタが設けられており、そのコネクタを介して前記操作部材と前記制御手段とが電気的に接続される。このため、遊技領域の反対面側に配設される制御手段と、遊技領域が形成される側に取り付けられる操作部材とは、遊技領域ユニットの一面側にて電気的に接続することができる。よって、操作部材の変更を伴う機種変更を行うときに、制御手段の配設される面側にまでわざわざ操作部材の配線を取り回す必要がなく、交換作業が単純になって機種変更に伴う作業コストを低減することができるという効果がある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は前面枠14と下皿ユニット15とが開放されたパチンコ機10の斜視図である。図3はパチンコ機10の遊技盤16の正面図である。ここで、図2においては、便宜上、遊技盤16、ガラスユニット17およびスイッチユニット120を省略して示している。
パチンコ機10は、図1及び図2に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠20(図4(a)参照)により外殻が形成される外枠12と、その外枠12と略同一の外形形状に形成された内枠13とを備えている。内枠13は、その中央部に略円形に開口した中央窓30aを有する合成樹脂製の内枠ベース30に通路形成部材36や球発射ユニット90等を取り付けたものである。内枠13には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤16が裏面側から取り付けられ、内枠13の中央窓30aより遊技盤16の前面が視認可能となっている。この遊技盤16の前面を遊技球が流下することにより弾球遊技が行われる。
また、内枠13は、その一側(パチンコ機10においては正面視左側)の上下2箇所で外枠12に軸支され、内枠13が正面手前側へ開放可能に取り付けられている。内枠13の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられ、これら前面枠14及び下皿ユニット15は内枠13の前面を開閉可能に取り付けられている。
前面枠14は、合成樹脂製の前面枠ベース200に装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には、略円形状の開口(窓部14c)が形成されている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラス151を有するガラスユニット17(図18参照)が配設され、その板ガラス151を介して遊技盤16の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、遊技球を貯留する上皿201が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿201に賞球や貸出球などが排出される。上皿201の底面は、遊技球を発射するための球発射ユニット90が位置する正面視右側に下降傾斜して形成され、上皿201に投入された遊技球は球発射ユニット90へと案内される。
上皿201の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿201に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿301が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿301の右側には、遊技球を遊技盤16の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル310が配設され、かかる操作ハンドル310の内部には球発射ユニット90の発射ソレノイド92の駆動を許可するためのタッチセンサと、操作ハンドル310の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが内蔵されている。操作ハンドル310が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化する。発射ソレノイド92は、操作ハンドル310の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球を発射するものであり、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤16の前面へ遊技球が打ち込まれる。
遊技盤16は、図3に示すように、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、遊技球案内用の多数の釘およびレール61,62、一般入賞口63、並びに、液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成される第1図柄表示装置81等を組み付けて構成される。遊技盤16の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤16の前面外周が囲まれ、遊技盤16とガラスユニット150(板ガラス151)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤16の前面には、遊技球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。
遊技領域には、遊技球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、第1図柄表示装置81を有する可変表示装置ユニット80が配設され、この可変表示装置ユニット80が後述する表示制御装置505によって制御されることにより、複数種類の識別情報としての図柄が予め定めた順序に従って変動する変動表示が第1図柄表示装置81の表示画面上に表示される。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第1図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤16の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ524(図27参照)がオンとなり、上述した第1図柄表示装置81で図柄の変動表示が開始される。また、第1入球口64は、遊技球が入球すると5個の遊技球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大入賞口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口への遊技球の入球を契機とした抽選が行われ、その抽選に当選すると大当たりとなって、第1図柄表示装置81には図柄の変動後に予め定められた図柄の組み合わせの1つが表示されて遊技者に大当たりの発生が示され、その後、遊技球が入賞し易い特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a内には、通常領域と、特定領域としてのVゾーンとが区分けして設けられており、特定入賞口65aの開放中に、遊技球がVゾーンを通過すると、継続権が成立して、特定入賞口65aの閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大入賞口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置81の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、遊技球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
次に、パチンコ機10の構成について外枠12、内枠13、遊技盤16、前面枠14、下皿ユニット15、ガラスユニット150に大別して順に説明し、その後、パチンコ機10の背面側の構成について説明する。まず、外枠12の構成について図2および図4を主に参照して説明する。ここで、図4(a)は、外枠12の斜視図であり、図4(b)は外枠12の受け金具23周辺を拡大して示した斜視図である。
図2に示すように、パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠12が設けられ、この外枠20に対して内枠13が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠20の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠13、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠12に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠12に対して内枠13等を前面側に開放して行われる。
外枠12は、木製の板材で上下左右の四辺を構成して全体として矩形状の木枠20を形成し、その木枠20にヒンジ21,22と受け金具23,23とを取り付けたものである。木枠20の接合部は、小ネジ等の離脱可能な締結具により固定され、釘やリベットを使って固定する構造と比べて、木枠20の一部が容易に再利用できるようになっている。本実施の形態では、外枠12の上下方向の外寸は809mm(内寸約710mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸約480mm)となっている。なお、外枠12は、アルミニウム等の軽金属や樹脂により構成するようにしてもよい。
外枠12には、図4(a)に示すように、内枠13を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ21および下ヒンジ22が取り付けられている。このヒンジ21,22が設けられた側を開閉の軸として内枠13は開閉可能に支持される。
外枠12の受け金具23は、木枠20の内面であってヒンジ21,22から離間した側の一辺における上下2カ所にネジにより螺着されている。各受け金具23は、金属板を屈曲加工して形成され、図4(b)に示すように、外枠12の内面に密着する取付部23aと、その取付部23aから外枠12の内面側に向けて垂直に立ち上がる係合部23bと、その係合部23bの先端側にて内枠13の閉鎖方向側(図4(b)の左上側)に向けて突出して形成される突出部23cとを備えている。この受け金具23の係合部23bには、内枠13より鉤形に突出して形成される内枠用鉤部材411(図28参照)の先端部が引っ掛かり、内枠13は閉鎖される。
受け金具23の突出部23cは、外枠12に対して内枠13が閉鎖された状態にて、外枠12の内面側(図4(b)の左下側)に向かって、内枠用鉤部材411の下方に突出した先端部分に重なる長さ以上に突出して形成される。このため、内枠用鉤部材411の先端部は、突出部23cにより外枠12内面側への移動が規制され、外枠12内面側への受け金具23の突出量を少なくしつつ、内枠13のがたつきにより内枠用鉤部材411が誤って受け金具23から外れて、内枠13が不用意に開放されることが防止されている。
外枠12の下側には、横長矩形の合成樹脂、具体的にはABS樹脂の板により形成された飾り板24が、木枠20を貫通するネジにより外枠12の背面側より固定されている。この飾り板24によって、パチンコ機10の前面側に露出する外枠12の大部分は、内枠13、前面枠14および下皿ユニット15と同様に合成樹脂製となり、各部材間に一体感が生まれて外観品質の向上が図られる。また、本実施形態においては省略するが、飾り板24の前面に下皿ユニット15の形状に倣って模様を付すことにより、外枠12の木製部分である木枠20を共用しつつ異なる外観形状を有する外枠12を製造することができ、木枠20を有効的に再利用しつつパチンコ機10の外観品質を向上することができる。
飾り板24の上面には、金属製の滑り板25,26が、ヒンジ22から離間した側の端部と中央部との2カ所に設けられている。開放状態の内枠13が自重により外枠12に対して下側に落ち込んでも、内枠13が閉鎖されるときには、その下面が滑り板25,26に擦られつつ持ち上げられて、内枠13は定位置に案内される。このため、作業者がわざわざ内枠13を持ち上げながら閉鎖操作を行う必要がなく、内枠13の開閉操作の利便性が高められている。また、樹脂または木製の部分で内枠13を定位置に案内する部分が形成される場合に比べて、開閉操作の繰り返しによる擦れによって部品が削られたり、破損したりすることが防止されるので、長期にわたって内枠13の開閉操作を容易に行うことができる。
これら2つの滑り板25,26のうち一方の滑り板26は、内枠13の開閉軸となるヒンジ21,22から離間した側の端部に設けられる。このため、金属製の下ヒンジ22と滑り板26とにより内枠13の下面両端側が支持され、内枠13がより安定した状態で定位置に案内される。また、もう1つの滑り板25は、ヒンジ22と滑り板26とのほぼ中間位置に設けられ、ヒンジ22と、端部に設けた滑り板26との支持により最も落ち込み易い部分が案内されることとなる。このように、2つの滑り板25,26を飾り板24の上面におけるヒンジ22から離間した側の端部と中央部とに設けることにより内枠13を定位置により確実に案内することができ、上皿201や下皿301に遊技球が多量に入る等して内枠13に負荷される重みが増大しても、内枠の開閉操作は容易に行うことができる。
飾り板24の上面奥側には、パチンコ機10の前後方向に沿って内枠13の下端部に重なる位置まで上方に突出して形成されたリブ27が設けられている。また、リブ27の付け根部分には、飾り板24の上面に沿って背面側に窪んだ溝27aが形成され、リブ27の上端部がパチンコ機10の前面側に突出するように形成される。パチンコ機に対しては、薄板状の工具等を部材間の隙間から差し入れて行う不正行為が頻繁に報告されているが、本実施形態のパチンコ機10においては、内枠13の下側から工具等を差し入れる行為がリブ27により阻止されるので、不正行為を防止することができる。また、内枠13と飾り板24との間から差し入れた工具はリブ27の付け根部分に設けた溝27aに嵌まり易く、不正行為を一層困難なものとしている。
飾り板24上面のリブ27の高さは、飾り板24の上面に対して遊技球の半径より低く設定されている。このため、内枠13の閉鎖時に飾り板24の上面に遊技球が乗っていても、その遊技球は、内枠13の下端部とリブ27との間に挟まれた後にリブ27を乗り越える。よって、リブ27を設けることにより不正行為を防止しつつ、リブ27と内枠13との間に遊技球が挟み込まれて内枠13を閉鎖し直す手間が発生することもなく、内枠13の開閉操作に対する利便性を高く維持することができる。
次に、図2および図5を主に参照して内枠13について説明する。図5は、前面枠14および下皿セット15を取り外した状態のパチンコ機10の正面図である。また、図4では、便宜上、遊技盤16面上の遊技領域内の構成の一部を空白で示している。
内枠13は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース30を主体に構成されており、内枠ベース30の中央部には略円形状の中央窓30aが形成されている。内枠ベース30の裏面側には遊技盤16の取付部が設けられ、遊技盤16が着脱可能に装着される。
内枠13は、前述した外枠12の上ヒンジ21および下ヒンジ22により、外枠12に対して回動可能に支持された扉状の部材である。内枠13の開閉軸線は、ヒンジ21,22が設けられるパチンコ機10の正面視左側に上下に延設され、この開閉軸線を軸心にして内枠13は前方側に開放される。内枠13の開閉軸線は、パチンコ機10の正面視右側に設けられる操作ハンドル310(図1参照)とは反対側(正面視左側)に設定され、内枠13がより大きく開放できるようになっている。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を操作ハンドル310側に設けると、内枠13の開放と共に移動する操作ハンドル310が隣のパチンコ機10や、パチンコ機10の間に設けられるカードユニット等に当接して開放量が制限されるからである。
内枠13の外周には、前面側へ突設された外周壁30bが形成されており、その外周壁30bの内側に前面枠14および下皿ユニット15が配設される。即ち、内枠13に前面枠14および下皿ユニット15が取り付けられた状態では、前面枠14および下皿ユニット15の各側面の外周は、内枠13の外周壁30bにより囲繞される。このため、前面枠14または下皿ユニット15と、内枠13との間へ針金や薄板状の工具等を挿入する行為が困難となり、不正行為を抑制することができる。
内枠13の左上部には、図2に示すように、配線口30cが内枠ベース30を貫通して設けられている。配線口30cには、前面枠14の電飾等に使用する部品の配線が内枠13の裏面側に挿通され、遊技盤16の裏面に接続される。配線口30cの角部にはRが形成されており、配線口30c内に配線される各コードが、前面枠14の開閉により配線口30cで擦られても損傷し難くなっている。なお、遊技盤16(ベース板60)にも、内枠13の配線口30cに対応する位置(左上部)に配線口60aが設けられ、内枠ベース30に遊技盤16が取り付けられた状態にて配線が可能となっている。
内枠13の配線口30cの右上側には、パチンコ機10の前面側に円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ32が設けられている。開閉スイッチ32は、前面枠14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠14が内枠13に対して閉じられている場合には開閉スイッチ32が前面枠14の裏面に押圧されて押し込まれた状態となり、逆に、前面枠14が内枠13に対して開放されている場合には開閉スイッチ32は非押圧の突出状態となって、前面枠14の開閉状態を検出する。この開閉スイッチ32は、パチンコ機10裏面側の外部出力用の端子を介して、パチンコ機10の上側に一般に設けられるランプや、遊技場に設置される複数の遊技機を一括管理する島管理装置等に接続される。これにより、複数のパチンコ機10のうち、開放状態となっているパチンコ機10だけ、特別にランプを点灯させたり、島管理装置に信号を送って監視カメラで開放中のパチンコ機10を拡大して表示画面に表示したりして、パチンコ機10の不正開放に対する防犯性が高められる。
内枠13の中央窓30aの右下側には、略四角形状の小窓30dが内枠ベース30を貫通して設けられている。遊技盤16の右下隅には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1(図3参照)が設けられており、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、内枠13の小窓30dを通じて内枠13の前面側に露出される。このため、前面枠14を開放した状態において証紙等を視認することができる。又、内枠ベース30に遊技盤16が取り付けられた後にも、小窓30dを通じて遊技盤16の貼着スペースK1に証紙等を貼着することができる。
内枠13の中央窓30aの左下側にも略正方形の一部を面取りした形状の小窓30eが内枠ベース30を貫通して設けられている。遊技盤16の左下隅には、図3に示すように、正面視縦長矩形状のコネクタ130がネジにより固定されており、内枠13の小窓30eを通じてコネクタ130が内枠13の前面側に露出される。前面枠14にも、コネクタ130の取付位置に重なる貫通口14dが設けられている。前面枠14には、貫通口14dの配置位置に、パチンコ機10の前面側より遊技者が接触操作可能なスイッチユニット120が取り付けられており、コネクタ130には、スイッチユニット120のコネクタ126が接続される。このコネクタ130の構成については遊技盤16の説明と共に後述し、スイッチユニット120の構成については、前面枠14の説明と共に後述する。
内枠ベース30の中央窓30aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面30fが形成されている。取付面30fには、遊技球を遊技盤16の前面に発射するための球発射ユニット90や、上皿201および下皿301に遊技球を排出する通路を形成する排出路ユニット110等が取り付けられる。
内枠13の左端部には、図5に示すように、前面枠14および下皿ユニット15を支持するための機構として、縦方向に沿った3カ所に3つの支持金具33〜35が取り付けられている。上側の支持金具33には図5の紙面手前側にU字状に開口すると共にその入口が奥側より幅狭に形成された切欠を有する支持孔33aが設けられ、その支持孔33aに段付きの円柱状に形成された前面枠14側の支持金具33が嵌合する。
上から2番目の支持金具34には、上下方向にそれぞれ突出した円柱状の突起軸34a,34bが設けられる。2本の突起軸34a,34bのうち上側に突出した突起軸34aにより前面枠14の左下隅が回動可能に支持され、下側に突出した突起軸34bにより下皿ユニット15の左上隅が内枠13に対して回動可能に支持される。
一番下側の支持金具35は、内枠13の前面側に向けて突出した水平な金属板に上下方向に貫通する支持孔を設けて形成される。下皿ユニット15の左端部下側には、ばねにより下側に突出するように付勢力が付与される支持軸308(図24参照)が設けられ、その支持軸307が支持金具35の支持孔に軸支されて下皿ユニット15の左下隅が内枠13に対して回動可能に支持される。
次に、図3を主に参照して遊技盤16の構成を説明する。遊技盤16は、四角形状の合板で形成されたベース板60に釘や風車、入賞口63等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠ベース30の裏側に当接した状態で内枠13の裏面側に取り付けられる。遊技盤16の前面中央部分は、内枠ベース30の中央窓30aを通じて内枠13の前面側に露出される。なお、遊技盤16の上下方向の長さは約480mm、左右方向の長さは約450mmとされ、従来と同等のサイズとなっている。
遊技盤16には、上述した一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等がルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤16の前面側から木ネジ等により固定されている。また、前記した入賞口以外に、遊技盤16には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった遊技球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤16には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第2入球口67の遊技球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82と、第1入球口64への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置81とが設けられている。第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、遊技球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ84に点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯についても、第1図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、第1図柄表示装置81にて第1図柄の変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は保留ランプ85の点灯個数にて表示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第1図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第1図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。
第1図柄表示装置81は、後述する表示制御装置505によって表示内容が制御され、、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第1図柄表示装置81の表示画面上にて第1図柄が可変表示されるようになっている。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第1図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
可変入賞装置65は、その中央部に横長矩形状に形成された特定入賞口65aを開閉するものである。具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するためのソレノイドとを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際にはソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、遊技球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤16に設けられる2本のレール61,62は、球発射ユニット90から発射された遊技球を遊技盤16上部へ案内するために設けられたものである。操作ハンドル310の回動操作に伴い発射された遊技球は2本のレール61,62に挟まれた通路を経由して遊技領域に案内される。両レール61,62は、ステンレス製の金属帯によって構成され、内レール61は右上側の半円分を除いた円環状に曲げられた状態でベース板60に固定されている。外レール62は、その一部(主に左側部)が内レール61に向かい合うようにしてベース板60に固定されている。これら内レール61と外レール62とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール61,62が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により、遊技球を遊技領域へ案内する球案内通路が形成される。
内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられている。これにより、一旦、内レール61及び外レール62間の球案内通路から遊技盤16の上部へ案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。外レール62の先端部(図3の右上部)には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技盤16の右下隅部には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1が設けられる。遊技盤16自体に証紙等の貼着スペースK1を設けているので、証紙等により遊技盤16を一義的に特定することができ、不正な遊技盤16への交換を容易に発見することができる。
遊技盤16の左下隅部には、前面枠14に取り付けられるスイッチユニット120と遊技盤16の裏面側に設けられる表示制御装置505とを接続するコネクタ130が設けられている。コネクタ130は、遊技盤16の前面側に開口したケース131を有しており、ケース131の左上側および右下側には、外側に突出して形成されると共に締結孔を有する取付部132が設けられる。この取付部132にネジ(図示せず)を締め付けることによりコネクタ130はベース板60に固定されている。
コネクタ130のケース131内には、配線の端子133が前面側に突出するようにして設けられている。この端子133は、遊技盤16の裏面側に配設されて第1図柄表示装置81等の表示内容を制御する表示制御装置505に電気的に接続されており、端子133への入力信号に応じて第1図柄表示装置81の表示内容が変更される。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、遊技盤16の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール61、外レール62及び円弧部材70によって囲まれる領域のうち、内レール61及び外レール62の並行部分である誘導レールを除いた領域としている。従って、遊技領域といった場合には誘導レール部分は含まず、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール62ではなく内レール61によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は円弧部材62によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は内レール61によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール62によって特定される。
パチンコ機10においては、遊技領域の上端(外レール62の最上部地点)から遊技領域の下端(内レール61の最下部地点)までの距離は445mm(従来品よりも58mm程度長い)、遊技領域の左端(内レール61の極左位置)から遊技領域の右端(円弧部材70内側面の極右位置)までの距離は418mm(従来品よりも50程度mm長い)となっている。つまり、パチンコ機10の遊技領域は、従来よりも左右方向および上下方向に拡張されてはるかに大きく構成されている。よって、風車、第2入球口67、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘等)、他の役物を種々配設することができ、遊技球の挙動を多様にして弾球遊技を一層面白くすることができる。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
また、本実施形態では、遊技盤16面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。遊技盤16面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤16を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。なお、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤16の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤16面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット80の両側に位置する第2入球口67(スルーゲート)は、通過した遊技球を遊技領域の中央へ寄せる案内機構を有している。この案内機構は、遊技領域の中央側に向かって下降する傾斜面を第2入球口67の下側に設けて構成される。これにより、遊技領域の中央部に大型のLCDを可変表示装置ユニット80に設ける等して遊技領域が左右方向に拡張されても、遊技球を遊技領域中央側の第1入球口64や可変入賞装置65の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域の拡張により遊技球が入賞し難くなったり、遊技球の経路が狭められて遊技球の挙動が単調となったりすることによる興趣の低下を抑制することができる。
次に、図5から図9を主に参照して内枠ベース30の前面側下部に装着されて内枠13の一部を構成する球発射ユニット90、通路形成部材36、中継基板38について説明する。ここで、図6は球発射ユニット90の正面図であり、図7はその斜視図、図8はその分解斜視図である。又、図9は球送り機構94を構成する開閉部材102を開放した状態における球発射ユニット90の斜視図であり、図10は、図9の状態に対して蓋部材103を取り外し、球送り機構94の内部構成を示した球発射ユニット90の斜視図である。
球発射ユニット90は、内枠ベース30下部の取付面30fにネジにより固定されるベース板91と、ベース板91に取り付けられる発射ソレノイド92と、発射ソレノイド92の一端側において発射ソレノイド92の長手方向に平行に延びるようにしてベース板91に取付固定される断面略M字状の発射レール93と、発射レール93の基端部(発射ソレノイド92側の端部)に1球ずつ遊技球を誘導案内する球送り機構94と、発射レール93の基端部上に載置される遊技球を支持して位置決めするようにベース板91に取り付けられた位置決め部材95(図9参照)とを備えている。
ベース板91は、亜鉛合金などの金属製平板をプレス加工して形成されたものであり、内枠ベース30の取付面30fに密着された状態でネジ96により固定される。図8に示すように、ベース板91には、ネジ96を挿通するための締結孔が穿設され、また、発射ソレノイド92を固定するためのボス91aおよびボルト91bと、発射レール93を固定するためのボス91cとが固定されている。
ベース板91の取付位置は、多数のパチンコ機10を製造しても内枠ベース30に対して安定するように高精度が望まれる。遊技盤16との相対位置がパチンコ機10毎に変化すると、それに伴って発射ソレノイド92により発射された遊技球の飛び量が異なるものとなり、操作ハンドルの回動操作に対応する遊技球の飛び量がパチンコ機10毎に不安定となるからである。本実施形態のパチンコ機10においては、ベース板91を従来より大型にして内枠ベース30との相対的な取付位置を安定させている。具体的には、ベース板91の下端は操作ハンドル310の回動軸心(図5のAHで示す位置)より下側まで延ばし、その右端は遊技盤16の右端と略同一となるようにし、その左端は遊技領域の中央を越えるようにアウト口66より左側まで延ばし、その上端は遊技盤16の下端に近接する位置まで延ばしている。また、ベース板91を固定するためのネジ96の数を従来より多く(6つ)している。更に、各ネジ96の締結位置(図5参照)を従来より離間させるようにし、例えば、下側のネジ96の締結位置は操作ハンドル310の回動軸心AHより下側にして取付位置の安定化を図っている。
発射レール93は、発射ソレノイド92により発射された直後の遊技球を案内するものであり、所定の発射角度(打ち出し角度)にしつつ直線的に延びるようにしてベース板91に固定されたボス91cにネジ(図示せず)で固定されている。操作ハンドル310の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール93に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通り2本のレール61,62の間に形成される誘導レールを通じて遊技領域に案内される。
ここで、本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成においては遊技球の発射位置と遊技領域との距離が近づいて発射レールが短くなりがちである。発射レール93が短いと球誘導距離が少なくなって打出球のばらつきが大きくなるので、打出球を安定化させるための工夫を要する。本実施形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール93の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくして(即ち発射レール93を立ち上げるようにし)、発射レール93の長さを約240mmにして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球を発射する発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール93は、発射ソレノイドにより打撃される遊技球の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口66)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、パチンコ機10においては、遊技球を発射する発射装置として、従来一般的に使用されているモータ及び発射槌の組合せではなく、リニアソレノイドをケース部材に収容した1ユニットのソレノイド(発射ソレノイド)92を採用している。発射ソレノイド92には、発射レール93と長手方向を平行にして配設される金属製のプランジャ92aと、プランジャ92aの先端を覆う樹脂製のキャップ92bとが設けられる。キャップ92bの材質としては本実施形態においてはポリエステル系熱可塑性エラストマーが採用されている。遊技者が操作ハンドル310を回動操作した状態中には、発射ソレノイド92は、所定時間毎に励磁と非励磁とを繰り返して行い、これに対応してプランジャ92aの出没が繰り返される。プランジャ92aが突出したときには、位置決め部材95によって発射レール93上に位置決めされた遊技球は、発射レール93の指向する斜め上方に向けて発射される。なお、操作ハンドル310に連動する可変抵抗器が発射ソレノイド92に結線されており、操作ハンドル310の操作量に基づいてプランジャ92aの突出速度が調整され(ストローク量はほぼ一定)、遊技球の発射速度ひいては飛び量が操作ハンドル310の回動量により調整される。
なお、発射ソレノイド92は、図8に示すように、ベース板91に立設される一対のボス91aおよびボルト91bに対して、ボルト97とナット98とを取り付けて固定される。発射ソレノイド92には、ボス91aとボルト91bに対応する位置に、ボルト91b,97が挿通される締結孔92cが設けられている。球発射ユニット90においては、発射ソレノイド92の上下に設けられるボルト97及びナット98の締め具合を調整することによりベース板91に対する発射ソレノイド92の高さを異ならせてプランジャ92aと発射レール93との相対的な取付位置を調整し、遊技球の打点を調整することができるようになっている。パチンコ機10の製造時において各部品の製造上や組み付け上のばらつきがあってもパチンコ機10に球発射ユニット90を組み付けた後にボルト97とナット98とを調整して遊技球の飛び量を微調整することができる。また、発射ソレノイド92は、その全体がベース板9lの外周縁より内側に配設されており、ベース板91側から内枠ベース30に球発射ユニット90を組み付ける際に発射ソレノイド92が他の部品に引っ掛かって破損することが防止されている。
位置決め部材95は、発射レール93の右側端部(基端部)上に載置される遊技球を支持して打撃位置に遊技球を位置決めするための部材であり、図9に示すように、ベース板91より発射レール93が設けられる面側に円柱状に突出形成される。位置決め部材95には、その軸方向に沿って貫通する締結孔が設けられ、この締結孔にネジを貫挿することによってベース板91に位置決め部材は螺着されている。ここで、位置決め部材95の締結孔は、円柱形状の中心ではなく、偏心した位置に形成されている。このため、位置決め部材95を適宜回動させてからネジを締め込むことにより発射レール93上に載置される遊技球の打撃位置を微妙に変更することができ、パチンコ機10の製造時および製造後において簡単に遊技球の飛び量を調整することができる。
球送り機構94は、上皿201から連続して案内されてくる遊技球を1球ずつ、発射レール93の基端部に送るものである。この球送り機構94は、発射ソレノイド92の上部を被覆するようにしてベース板91に固定される樹脂製の台座部材101と、台座部材101の片側(図6の右側)に軸支されて開閉可能に構成された樹脂製の開閉部材102とを備えている。台座部材101には、開閉部材102が設けられる前方側へ向けて係止爪101aが一体的に突出形成され、開閉部材102には、台座部材101の前面に重なる閉鎖状態にて係止爪101aが引っ掛かる係止孔102aが形成されている。開閉部材102は、通常時には、一方側が台座部材101に軸支されると共に他方側が係止孔102aにより台座部材101に係止されて台座部材101の前面に重なって固定された閉鎖状態となる。この閉鎖状態は、台座部材101の係止爪101aを開閉部材102の係止孔102aから外すことにより解除され、開閉部材102は台座部材101に対して前方側へ開放し得る。また、開閉部材102は、台座部材101に対して最大に開放することにより、上側へスライドして台座部材101から取り外し可能となっている。
台座部材101の下部は、下皿ユニット15と内枠ベース30の取付面30fとの上部隙間を覆いつつ下皿ユニット15の前面側に向けて下降傾斜した形状に形成されている。また、この台座部材101の正面視左側には、通路形成部材36が台座部材101より左側における下皿ユニット15と内枠ベース30の取付面30fとの上部隙間を覆いつつ下皿ユニット15の前面側に向けて下降傾斜した形状に形成されている。このため、前面枠14を開放した場合に球発射ユニット90の部位に遊技球が落下しても下皿ユニット15の背面側には遊技球が入り込まずに前面側に流出するようになっている。
開閉部材102の前面には、図6に示すように、正面視左側端部に上皿201から案内されてくる遊技球を導入する導入口102bが設けられており、この導入口102bから遊技球が開閉部材102の裏面側へ導入される。開閉部材102の裏面側には、図9に示すように蓋部材103が着脱可能に取り付けられ、その蓋部材103に電磁石104と送出部材105とが覆われている。電磁石104と送出部材105とは、遊技球を1球ずつ送り出すために動作する部材であり、図10に示すように、開閉部材102に凹設された収容空間に電磁石104を上側にして上下に並んで配置されている。
送出部材105は、ピンにより開閉部材102に対して導入口102b側の一辺側が上下に揺動可能に軸支された樹脂製の部材であり、その導入口側の一辺に遊技球が1個だけ収容可能に凹設されたホルダ部105aを備えている。また、ピンが挿通される軸部とホルダ部105aとを結ぶ上辺部分には、電磁石104に対向するようにして金属片106が取り付けられている。
電磁石104がオン(励磁)された場合には、金属片106が電磁石104にくっつくように引っ張られ、送出部材105が上方へ回動する。導入口102bから連続して遊技球が導入される場合、先頭の遊技球はホルダ部105aに収容されて上下移動が規制され、後続の遊技球はホルダ部105aに収容された遊技球に支えられて流下が規制される。
遊技球がホルダ部105aに収容された状態で電磁石104がオフ(非励磁)となると、送出部材105は自重により下方へ回動し、ホルダ部105aに収容されていた遊技球は下側へ流下する。このとき、後続の遊技球は、送出部材105の上辺によってホルダ部105aへの移行が規制されるため、送出部材105の上下動によりホルダ部105aに収容された1球だけが下方へ送り出される。下方へ送り出された遊技球は、開閉部材102と蓋部材103とにより形成される送出口102c(図9参照)を経由して発射レール93上へと案内される。このため、電磁石104の励磁と非励磁とを繰り返すと、その繰り返しに同期して遊技球は1球ずつ発射レール93上へ案内され、電磁石104のオンオフに同期して発射ソレノイド92を励磁することにより、発射レール93上の遊技球を1球ずつ遊技領域へ向けて発射することができる。
次に、図5を主に参照して内枠13の前面側に設けられる通路形成部材36について説明する。通路形成部材36は、上皿201が満タンのときに遊技球を下皿301へ排出するための下皿排出通路(図示せず)と、ファール球を下皿301へ排出するためのファール球通路(図示せず)とを形成するための部材である。ここで、ファール球とは、発射時の打ち出し力(発射力)が弱くて戻り球防止部材68が位置する遊技領域の入口に到達せずに発射レール93側へ戻った遊技球を意味している。
発射レール93と遊技盤16前面のレール(誘導レール)61,62との間には、約40mmの隙間が形成され、この隙間の下側にファール球通路が設けられている。内枠13の前面であって球発射ユニット90の左隣には、透明樹脂製の通路形成部材36がネジにより内枠ベース30の取付面30fに固定される。通路形成部材36には、内枠13の取付面30f側に向いて開口した溝が設けられ、この溝と内枠ベース30の取付面30fとによりファール球通路が形成される。ファール球通路は、途中から上皿201から溢れた遊技球を下皿301へ導く下皿排出通路に合流する。この下皿排出通路の最下流部には、取付面30fより内枠ベース30の前方側に向けて筒状に突出する下皿排出口36aが設けられており、ファール球は、下皿排出通路を経由して下皿排出口36aより下皿301へ排出される。
排出通路の途中には、下皿301が遊技球で満タンとなっていることを検出するための満タンセンサ(図示せず)が通路底面の一部を形成するように設けられる。遊技球が短期間で多量に払い出されると、上皿201が一杯となった後には下皿301に遊技球が溜まり始める。その後、遊技球が払い出され続けても下皿301の遊技球を抜かないと排出通路の途中に遊技球が溜まり始めるが、満タンセンサの設置箇所まで遊技球が溜まるとそれ以降の払い出しは後述する払出発射制御装置611(図28参照)の制御により停止される。排出通路が満タンになっても遊技球が払い出され続けると、下皿301が溢れて遊技の続行が困難となったり、遊技球を払い出すためのギヤに遊技球が詰まって故障の原因となる等、問題が起こりやすいからである。また、排出通路の満タンが満タンセンサにより検出されると、払出発射制御装置611の制御によって「球を抜いて下さい」のエラーメッセージがスピーカSP(図2参照)より繰り返して出力される。遊技者には、下皿301内に遊技球が溜まったことを示すことができ、下皿301の遊技球を取り出す操作を促すことができる。
通路形成部材36の左上部には、上皿201に遊技球を排出するための上皿排出口36bが設けられ、内枠ベース30には、その上皿排出口36bへ遊技球を払い出すための払出口30fが設けられている。内枠ベース30の払出口30fは、内枠ベース30の裏面と前面とを結ぶものであり、内枠13の裏面側に設けられる払出装置658(図25参照)に繋げられている。払出口30fおよび上皿排出口36bは前面枠14を閉鎖した状態において上皿201に通じており、払出口30fおよび上皿排出口36bを介して上皿201に遊技球が排出される(払い出される)。上皿排出口36bには、開閉式のシャッタ37が取り付けられており、前面枠14を開放した状態(図2の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ37は上皿排出口36bを閉鎖する。また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋241(図2参照)によりシャッタ37は内枠ベース30側へ傾倒して押し開けられる。従って、前飾り枠が省略され前面枠14に上皿201が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠14の開放に際し内枠ベース30の払出口30fを通過中の遊技球が内枠13の前面にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
通路形成部材36における下皿排出口36aの下側は、内枠13の下面に当接する長さのリブ36cが設けられており、平板状に形成された内枠ベース30の取付面30fが補強されている。また、リブ36cと取付面30fとの間には配線を通す隙間が設けられ、電気配線のホルダとしてリブ36cが活用されている。
内枠ベース30の前面左下隅には、中継基板38が収容されている。中継基板38には、下皿ユニット15に設けられる電気部品(操作ハンドル310内部のタッチセンサ及び可変抵抗器、並びに、スピーカSP)の配線と、内枠13側に設けられる制御装置(払出発射制御装置611および音声ランプ制御装置562)とを接続する部位であり、下皿ユニット13側の配線コード先端に設けられるコネクタに連結する差込口(図示せず)が設けられる。下皿ユニット15と内枠13との電気的な接続が中継基板38でまとめて配置されるため、下皿ユニット15の組み付け及び取り外し時における配線の取り回し作業が簡易になり、パチンコ機10の組み立て及び分解が容易になっている。また、中継基板38には、スピーカSPの音量を大小2段階に調節するスイッチが設けられ、内枠13を開放しなくても簡単に音量調節を実行することができる。なお、中継基板38から内枠13の裏面側に設けられる制御装置への配線は、内枠ベース30の取付面30fの下端に沿って、また通路形成部材36のリブ36cの奥側に配置され、内枠ベース30の前面右下隅に開口形成された配線穴30hより内枠13の裏面に取り回されている。
次に、図1、図2、図11および図12を参照して前面枠14の構成について説明する。図11(a)は前面枠14の背面図であり、図11(b)は図11(a)のR−R線における断面図である。また、図12は球発射ユニット90へ遊技球を送出する上皿201の出口部を断面視して示した図であり、図12(a)は前面枠14が開放された状態を示し、図12(b)は前面枠が閉鎖された状態を示している。
前面枠14は、矩形状に形成されたABS樹脂製の前面枠ベース200を主体に構成されており、前面枠ベース30の中央部には遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。また、窓部14cの下側には、図1に示すように、球受皿としての上皿201が一体的に設けられている。上皿201は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニット90へ導出するものである。従来のパチンコ機では前面枠の下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施形態では前飾り枠が省略され、前面枠14に直接上皿201が設けられている。これは、本実施形態の前面枠14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるように略楕円形状に大きく欠成された窓部14cを備えているので、前面枠14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠14に上皿201を一体化して形成しているのである。この上皿201は下皿301と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。
前面枠14の窓部14cは、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して縦長の楕円形状となっている。窓部14cを形成する前面枠ベース30は、上下方向の方が左右方向より長く形成されているので、窓部14cを大きく開口しつつ前面枠ベース200の上下および左右にて壊れやすい細幅となる部分を比較的広く設けることができ、強度を確保し易くしている。なお、窓部14cの左右側の略中央部を湾曲させないで直線状に形成してもよい。
本実施形態において、窓部14cの開口上端は、外レール62の最上部(遊技領域の上端)に一致し、その開口上端と前面枠14の上端との間の最短距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は約50mmとなっている。85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっており、遊技領域の上部領域を確保し易くすると共に、大型の可変表示装置ユニット80を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部14cの左端と前面枠14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図11(a)では右側に示される)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。前面枠14が閉じられた状態において、外レール62の左端部が前面枠ベース200左側のフレーム部分によって覆い隠されるように、開閉軸線側のフレーム幅が広く設定されている。このため、外レール62は、パチンコ機10の正面からみて前面枠14の左側部フレーム部分と重複して覆い隠され、遊技領域の入口手前における遊技球が視認困難となる。ここで、遊技者は、遊技領域内において種々の挙動を示す遊技球を視認して弾球遊技を楽しむものであるため、遊技領域に入る前の遊技球が視認困難であっても実際の遊技に何ら支障は生じない。よって、遊技に支障を来すことなく、前面枠14の十分な強度及び支持強度を確保することができる。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール62の左端位置と外枠12の左端位置との左右方向の距離は約30mm、遊技領域の右端位置(円弧部材70の内面右端位置)と外枠12の右端位置との左右方向の距離は約45mmとなっている。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。図1に示すように、窓部14cの上側およびその左右両側には、窓部14cの周縁に沿って、LED等の発光手段を内蔵した電飾部202〜204が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部202〜204が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部202〜204が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視右上部には、図1に示すように、賞球の払い出し中に点灯する賞球ランプ205が設けられ、一方、前面枠14の正面視左上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ206が設けられている。また、右側の電飾部204の下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように前面枠ベース200の裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓207が形成され、遊技盤16前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部202〜204の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材208が取り付けられている。このクロムメッキには、従来多用されていた6価クロムではなく、生産環境面等を考慮して3価クロムが使用されている。
窓部14cの下方には、図1に示すように、貸球操作部210が配設されている。貸球操作部210には、度数表示部211と、球貸しボタン212と、返却ボタン213とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部210が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部211はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン212は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿201に供給される。返却ボタン213は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部210が不要となるが、この場合には、貸球操作部210の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
前面枠14の裏側における右上隅には、図11(a)に示すように、発光手段としてのLED用の発光基板214が前面枠ベース200の裏面にネジにより取り付けられている。また、前面枠14の裏側には、窓部14cを囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠14の裏側にあって窓部14cの上下左右の外側には金属製の補強板221〜224がそれぞれ取り付けられている。これら補強板221〜224は相互に接触して連結されて、窓部14cの形成によって低下した前面枠14の剛性および強度を高めている。また、右側の補強板221は、前記した発光基板214の裏面側に重なって配設されているが、両者の直接の接触を避けるように、或いは、発光基板214への通電を防止するために、透明な合成樹脂製のカバー板215が補強板221と発光基板214との間に介在して設けられている。補強板221〜224の帯電に基づいてその周りにノイズや磁界が発生しても、カバー板215の介在によって発光基板214への影響が低減され、誤作動や故障等の抑制が図られている。なお、補強板221〜224の一部は接地されており(図示せず)、補強板221〜224が帯電し難いようになっている。
前面枠14の裏面右側の補強板221には、その中間位置にてフック(鉤)状をなす係合爪221a(図2参照)が設けられている。係合爪221aは、前面枠14を閉じた状態で内枠13(内枠ベース30)に穿設された溝30jに進入するように構成されている。内枠ベース30には、図5に示すように、その溝30jの一部を覆うようにして金属製の止め板39がネジ止めされており、内枠13に対して前面枠14が閉鎖された状態において係合爪221aの先端部が図5に示す止め板39の裏面側に入り込む。これにより、パチンコ機10正面視左側の中間位置における前面枠14の浮き上がりを防止することができ、上皿201が前面枠14に設けられて前面枠14が上下に大きく構成され、上下の支持位置(支持金具33,34の位置)が大きく離間しても、前面枠14を浮かしての不正行為を抑制することができる。
前面枠14の裏面左側の補強板222には、前面枠14の背面側に突出して鉤状に形成された上下一対の前面枠鉤部14aが一体的に形成されている。この前面枠鉤部14aが内枠13の裏面側に設けられる施錠ユニット410の前面枠用鉤部材411に係合して、前面枠14は施錠される。施錠状態の前面枠14は、シリンダ錠420に対して専用鍵による所定の解錠操作が行われることにより解錠され、開放可能な状態となる。
前面枠14の裏面上側の補強板223の左右方向における中央部分には、ネジ225を挿通するネジ孔が設けられており、このネジ225の先端部は、図11(b)に示すように、前面枠14の前面側に設けられるメッキ部材208に螺着されており、メッキ部材208はネジ225と補強板223とを通じて接地された状態となる。よって、装飾用のメッキを前面枠14の前面側に施しても帯電およびこれに起因するノイズ等による不具合を抑制することができる。
前面枠14の裏面下側の補強板224には、図2に示すように、前記発射レール93に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材226が設けられている。このレール側壁部材226は、前面枠14を閉じた際に発射レール93の側壁となって、発射レール93から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。また、レール側壁部材226の右側には、上皿201に繋がる穴に連続するようにして前面枠14の裏面側に突出する球通路樋241が前面枠ベース200にネジで固定されている。この球通路樋241は、前面枠14の閉鎖時に内枠13側のシャッタ37(図2参照)を押し開けて上皿201への遊技球の流路を形成する。
前面枠14の裏面側においてレール側壁部材226の左隣には、図11(a)に示すように、下側の補強板224の一部を正方形状に開口して形成された球出口224aが設けられると共に、その球出口224aを前面枠14の開放時に閉鎖するための開閉ユニット230が球出口224aの上側に取り付けられている。球出口224aは、上皿201の最下流部に設けられ、前面枠14の閉鎖時に上皿201と球発射ユニット90の導入口102b(図7参照)とを連通する。上皿201に載置された遊技球は球出口224aを経由して球発射ユニット90の導入口102bへ導かれる。
ここで、図11(a)および図12を参照して開閉ユニット230の構造について説明する。図12は、開閉ユニット230周辺の縦断面図である。開閉ユニット230は、下側の補強板224にネジ止めされたケース部材としてのハウジング231と、上端がハウジング231内に収容され、それ以外の部分が下側の補強板224に沿うように下方に延びる薄板状の遮蔽板232と、遮蔽板232の上端部が巻回固定されると共にハウジング231の内面にて上下方向に回動可能に軸支された硬質樹脂製の回動レバー233とを備えている。この開閉ユニット230は、ハウジング231に、遮蔽板232、及び、回動レバー233を組み付けて一体化したものであり、前面枠14側への組み付け作業の容易化および簡素化が図られている。
回動レバー233は、下側の補強板233と略平行かつ略水平にハウジング231内面に設けられる回動軸231aを軸心としてハウジング231に回動可能に軸支される。回動レバー233には、回動軸231aより補強板224側(図12(a)の左側)に向けて延設される板支持部233aと、回動軸231aより下側に向かって延設され、前面枠14の閉鎖時に内枠13の一部に当接するようにハウジング231外に突出する接触部233bとが設けられる。内枠ベース30には、取付面30fより前面に突出形成された突起30k(図5参照)が設けられ、接触部233bは、突起30kに当接するように設けられる。この接触部233bは、回動軸231aに対して前面枠14の開閉方向(図12(a)の左右方向)とほぼ直行する方向に延設されているため、前面枠14の閉鎖時に接触部233bが内枠13に押圧された場合に回動レバー233が回動し易く、長期の使用にわたっての動作を確実なものとしている。
遮蔽板232は、弾性を有する薄板状の金属片(例えば、ステンレス薄板など)で形成され、一端が回動レバー233の板支持部233a(前面枠14側の端部)に固定される一方、他端である下端部232aは自由端となっている。遮蔽板232の下端部232aは、図11(a)に示すように、球出口224aより幅広く形成されている。このため、遮蔽板232の途中部分における弾性変形を容易にして動作抵抗を低くしつつも、遮蔽板232の下端部232aによって球出口224aを確実に覆って球出口224aからの遊技球の流出を遮蔽板232により確実に阻止することができる。なお、下端部232aの幅は、球出口224aより細くても良いが、ほぼ同一以上の幅とすることが遊技球の誤流出を防止する上で好ましく、球出口224aより遮蔽板232の下端部232aの幅を広くすることが好適である。
また、遮蔽板232の下端部232aが球出口224aより狭いと、球出口224a内に遮蔽板232が入り込んで球出口224a内の遊技球に遮蔽板232の下端が衝突し、遮蔽板232の変形や破損が生じ易い。パチンコ機10においては、遮蔽板232の下端部232aが球出口224aより広幅とされているので、球出口224a内に遮蔽板232が入り込むことがなく、遊技球への当接による遮蔽板232の変形や破損が防止されている。
ここで、球出口224aの下側には、図12(a)に示すように、上皿201から下皿301へ通じる通路と、その通路を閉鎖する閉鎖板234とが設けられ、その閉鎖板234がパチンコ機10の前面側にて前面側(図12(a)の左側)へ移動可能となっている。閉鎖板234が前面側へ移動すると球出口224aの内側において上皿201と下皿301とが連通し、遊技球が下皿301へ流下する。この場合に球出口224aより遮蔽板232の下端部232aが幅狭であると、その下端部232aが球出口224a内に入り込んで球詰まりが生じうる。遮蔽板232の下端部232aを球出口224aより幅広に形成することで上皿201と下皿301との連通を確実にすることができ、球詰まりの発生を抑制することできる。
開閉ユニット230の遮蔽板232は、平面状の薄板を下方に弾性変形させて曲折させた状態にして、補強板224と回動レバー233の板支持部233aとに支持されている。このため、遮蔽板232は、弾性力により元の平らな状態に復帰しようとして補強板224を押圧した状態となっている。前面枠14fの開状態(図12(a)の状態)にあっては、球出口224aが遮蔽板232に押圧されつつ塞がれた状態となり、遊技球の流出が阻止される。
前面枠14fが開状態になると、図12(a)に示すように、回動レバー233の接触部233b先端側(下端側)が前面枠14の裏側(図12(a)の右側)に向かって突出した状態となる。この状態においては、回動レバー233は、遮蔽板232が平らに復帰しようとする弾性力により、回動軸231aを中心にして接触部233bが前面枠14の裏側に突出する方向(図12(a)の左回り方向)に付勢され、ハウジング231の一部(ストッパ部231b)に当接した位置(第1の回動位置)にて静止する。
回動レバー233が第1の回動位置に配置された状態においては、遮蔽板232は、その下端部232aが球出口224aの上部を塞ぐ位置にまで垂下した状態となる。この状態においては上皿201内の遊技球は遮蔽板232によって流れが規制され、球出口224aから前面枠14の裏側へ遊技球が流出しない。よって、上皿201内に遊技球が貯留された状態で前面枠14を開放しても遮蔽板232により上皿201内の遊技球の流出を防止することができる。
また、ハウジング231には、回動レバー233に支持される遮蔽板232の一端部と下端部232aとの間部分に当接して、遮蔽板232を補強板224方向に押圧する押圧部231cが設けられている。このため、遮蔽板232がより強く補強板224側に押圧されることとなり、球出口224aに勢いよく遊技球が導かれたり上皿201内の遊技球が多量にあって遮蔽板232を開放しようとする力が大きくなった場合にも遊技球をより確実に受け止めて、球出口224aからの遊技球の流出防止を確実なものとしている。
図12(a)に示す状態から前面枠14が閉鎖されると、図12(b)に示すように、回動レバー233の接触部233aは、内枠13の突起30kに当接しつつ押圧されて前面枠14側に回動させられる。その後、回動レバー233は、前面枠14が閉鎖されるに従って図12(a)に示す第1の回動位置よりハウジング231内に入り込む方向(図12(b)の右回り方向)に回動し、前面枠14が完全に閉鎖される(即ち、施錠ユニット410の前面枠用鉤部材412に前面枠鉤部14aが係合する)とハウジング231内に最大限に押し込まれた位置(第2の回動位置)にて静止する。回動レバー233の回動に伴って回動レバー233の板支持部233aは球出口224aから離間する側(上側)へ移動する。
回動レバー233が第2の回動位置に配置された状態においては、回動レバー233の板支持部233aの上昇により遮蔽板232は、より大きく歪曲しつつ補強板224の板面に沿って上方へスライド移動する。球出口224aを覆っていた遮蔽板232の下端部232aは、球出口224aを遊技球が通過可能となる位置まで上昇する。上皿201内に遊技球がある場合には遊技球は球出口224aより球発射ユニット90の導入口102bへ向けて順次流出することとなる。このため、上皿201に遊技球を補給し続ける限り、球発射ユニット90により遊技領域へ向けて遊技球を継続して発射することができる。
前面枠14が閉状態から開放されると、回動レバー233(接触部233a)は、内枠13の突起30kによる押圧が解除され、遮蔽板232の復元力により第2の回動位置から第1の回動位置へと変位する。回動レバー233の変位に伴って遮蔽板232が補強板224の板面上を摺動しつつ下降し、遮蔽板232の下端部232aに球出口224aが閉鎖されて球出口224aからの遊技球の流出が防止される。つまり、前面枠14の開放と共に球出口224aが閉鎖されるので、遊技場の店員は、前面枠14を開放して点検等の作業を行う場合に上皿201内の遊技球の流出を心配することなく簡易に前面枠14を開放することができる。
前面枠14の背面右下側(パチンコ機10の正面視左下側)には、図11(a)に示すように、前面枠ベース200を貫通して形成された貫通口14dが設けられている。この貫通口14dは、前面枠14が閉鎖された状態にて遊技盤16の前面に重なる位置に設けられており、貫通口14dの配置位置には、貫通口14dをパチンコ機10の前面側より覆うようにしてスイッチユニット120が取り付けられている。
スイッチユニット120は、図1に示すように、パチンコ機10の正面側に円形に突出して押し込み操作可能な上ボタン121および下ボタン122と、各ボタン121,122を支持しつつ前面枠14(前面枠ベース200)に係合爪123a(図13参照)により取付固定される合成樹脂製のケース123とを備え、スイッチユニット120の前面側(図1の紙面手前側)に遊技者が接触操作により入力操作が可能な操作部を形成する。各ボタンには、識別用の情報として番号が設けられており、上ボタン121の前面には「1」の数字が印刷して表示され、下ボタン122の前面には「2」の数字が印刷して表示される。
ケース123には、各ボタン121,122の操作によってオンとなるスイッチ(図示せず)が内蔵されており、遊技者等によるボタン操作がスイッチにより検出される。このスイッチは、ケース123より貫通口14d内に突出するスイッチ側コネクタ124と接続され、更に配線125によって遊技盤側コネクタ126に接続されている。遊技盤側コネクタ126は、表示制御装置505に接続されるコネクタ130に填められており、スイッチユニット120のスイッチと表示制御装置505とが電気的に接続されている。表示制御装置505は、第1図柄表示装置81の表示内容を制御するものであるので、ボタン121,122に対しての遊技者の選択操作を第1図柄表示装置81の表示内容に反映させることができる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10は、遊技者のボタン121,122の操作によって第1図柄表示装置81の表示内容が切り替わる。例えば、第1図柄表示装置81にてリーチを伴う演出が行われる場合に、遊技者は、「少年」と「少女」のいずれかのキャラクタ(図47参照)を遊技者が選定することができるものであり、その選定は、スイッチユニット120のボタン121,122を選択的に操作して行われる。
このスイッチユニット120は、前面枠14の前面側より貫通口14dに押し付けると、係合爪123aが内側に弾性変形しつつ貫通口14d内に進入し、係合爪123aが前面枠14の裏面に引っ掛かって係止され、前面枠14に取り付けられた状態となる。一旦取り付けられたスイッチユニット120は、前面枠14を開放してその内面側(図13の上側)にて係合爪123aを内側に弾性変形させることにより取り外すことができる。つまり、スイッチユニット120は、前面枠14に対して着脱可能に取り付けられる。
このように、遊技領域が形成される遊技盤16の前面側には、貫通して形成された貫通口14dが設けられ、その貫通口14dの配置位置にスイッチユニット120が着脱可能に取り付けられている。このため、スイッチユニット120の配線を貫通口14d内に通して接触操作によって入力が行われるスイッチユニット120をパチンコ機10の前面側に配置して遊技者による接触操作を可能とすることができる。非接触式のセンサは、接触操作により動作する押しボタン式のスイッチ等に比較して高価なものが多かったり、検出が不正確であったり、小さな領域において複数系統の入力操作をさせることが困難であったりと、問題点が多い。パチンコ機10では、遊技者による接触操作が可能なスイッチユニット120が取り付けられるため、非接触式のセンサを取り付ける場合に比べて、コスト、正確性、レイアウト性に優れたものとすることができる。
また、パチンコ機10においては、上下2つのボタン121,122を有するスイッチユニット120が前面枠14に対して係合爪123aにより着脱可能に取り付けられている。このため、スイッチユニット120に代えて1つ或いは3つ以上のボタンだけを取り付けたスイッチユニットを前面枠14に取り付けるなどして、異なる入力操作を必要とする別の機種に簡易に変更することができる。近年、入力操作の異なる遊技機間では前面枠が共用し得ずに、遊技盤を変更するだけでは機種の変更が行えずに機種変更のコストが増大することがあったが、前面枠14に対してスイッチユニット120を着脱可能に取り付けることにより、前面枠や内枠を共用しつつ入力操作が異なる複数種類の機種を製造することができ、入力操作の変更を伴う機種変更を低コストで行うことができる。
更に、遊技盤16には、遊技領域が形成される前面側に表示制御装置505と電気的に接続されるコネクタ130が設けられており、コネクタ130を介してスイッチユニット120と表示制御装置505とが電気的に接続される。このため、遊技領域の反対面側に相当する遊技盤16の裏面に配設される表示制御装置505と、遊技領域が形成される遊技盤16の前面側に取り付けられるスイッチユニット120とは、前面枠14を開放した状態にて遊技盤16の前面側で電気的に接続することができる。よって、スイッチユニット120の変更を伴う機種変更を行うときに、表示制御装置505の配設される遊技盤16の裏面側にまでわざわざスイッチユニット120の配線125を取り回す必要がない。
パチンコ機10には、内枠13や前面枠14を施錠する施錠ユニット410が設けられたり、遊技盤16の裏面側には多数の配線が設けられており、内枠13に固定された遊技盤16の両面に対して配線作業を行うのは容易でない。パチンコ機10においては、表示制御装置505と、スイッチユニット120とは、前面枠14を開放した状態にて遊技盤16の前面側で電気的に接続することができるので、交換作業が単純になって機種変更に伴う作業コストを低減することができる。しかも、貫通口14dが、遊技盤16の前面側に重なる位置に貫通して形成されているので、遊技盤16と貫通口14dとを近づけて配置することができ、貫通口14dの配置位置に取り付けられるスイッチユニット120と遊技盤16側のコネクタ130との電気的な接続をより簡易にすることができる。
更に、スイッチユニット120は、その少なくとも一部が遊技盤16に重なって配置されているので、遊技者によって遊技中に注目される遊技領域に近づけてスイッチユニット120を配置することができる。このため、機種変更に伴ってスイッチユニット120が変更されたり、スイッチユニット120が取り外されたりしても、その変更を遊技者に判り易く示すことができ、また遊技の内容が変化したことを示唆して遊技者の遊技意欲をかき立てることができる。
しかも、遊技盤16に設けられるコネクタ130と前面枠14の貫通口14dとは、内枠13に対して前面枠14が開閉される開閉軸に近いパチンコ機10の正面視左側に設けられている。このため、前面枠14の開閉時に貫通口14dとコネクタ130との距離が大きくは変化せず、遊技盤16のコネクタ130とスイッチユニット120との配線125を短く構成することができる。よって、配線125の接続を簡易にすると共に、前面枠14の開閉に伴う配線125のたるみを少なくして配線125が部材間に挟まれて断線することを抑制することができる。なお、遊技盤16のコネクタ130と前面枠14の貫通口14dとは、共に前面枠14の開閉軸に近接して設けられる、または、他の構成部品が間に介在しないで前面枠14の開閉軸に隣接して設けられることが好適である。
また、遊技者によるボタン121,122の入力操作を必要としない遊技性の機種に対しても、パチンコ機10の遊技盤を交換する際にスイッチユニット120を取り外して貫通口に蓋を取り付ければ、内枠13等を共用することができる。不要な入力装置が遊技機に設けられていると、その入力装置を使用した不正行為が行われる可能性が生じ、例えば、押しボタン式のスイッチの配線をいずれかの入賞口の配線に付け替えることで不正に賞球を払い出す不正行為が行われる恐れがある。これに対し、貫通口に蓋を取り付ければ、不正行為を行われ難くしつつ内枠13等を共用することができる。よって、前面枠14には貫通口14dが設けられることにより、入力装置の必要な機種と不要な機種とにおける機種変更も低コストに行うことができる。
しかも、スイッチユニット120は、図1に示すように、パチンコ機10の正面視において遊技盤16の前面における遊技領域以外の領域(非遊技領域)であって遊技領域の上下方向の中心より下側に取り付けられている。このため、スイッチユニット120の操作部(上ボタン121および下ボタン122)に対しては、遊技領域の上方まで手を持ち上げて操作を行う必要がないので、頻繁な入力操作であっても簡単に行うことができる。また、スイッチユニット120が非遊技領域に形成されるため、遊技領域内を流下中の遊技球が入力操作により視認しづらくなることもなく遊技領域の視認性を良好に保つことができる。
また、前面枠14には、遊技盤の前面側に重なると共に、パチンコ機10の設置状態における下側左右の両側が中央側に近づくように円弧状に切り欠いて形成された透明な板ガラス151が設けられるものであり、貫通口14dは、その板ガラスの下側における切り欠かれた部位(即ち、板ガラス151に対して正面視左端より内側であって板ガラスの下端より上側)に重なる位置に貫通して形成されている。遊技領域を覆う板ガラス151は、図11における前面枠14裏面のリブ200cに当接しつつ貫通口14dの上方および側方に配置されるのである。このため、板ガラス151に重ならない位置に貫通口14dが配置され、スイッチユニット120を配設する際に板ガラス151にわざわざ貫通口を穿設する必要がなく、破損しやすかったり穴の加工コストが高価なガラスで透明部材を形成しても、その強度を高く維持したり低コストで透明部材を製造することができる。
更に、板ガラス151の下側が切り欠かれた部位に重なる位置に貫通口14dが形成されているので、板ガラス151の最大幅および上下幅を広く設定しつつ、左右いずれかの端より内側であって透明部材の下端より上側に貫通口14dを配置することができる。このため、遊技盤16側のコネクタ130とスイッチユニット120との配線経路を短くするために、わざわざ板ガラス151より下側に大きく突出するように遊技盤16を拡張する必要は無く、板ガラス151を介して視認可能とされる下端位置に遊技盤16の下端を近づけつつ、遊技盤16のコネクタ130と貫通口とを近づけて配置することができる。よって、遊技盤16とスイッチユニット120との距離を近づけて配線を短くしつつ、遊技盤16を小型に形成することができ、遊技盤16の下側に配置される球発射ユニット90等の部品のレイアウト自由度を高めることができる。
しかも、遊技盤16には、円弧状に切り欠いて形成された遊技領域の右下側に証紙等を貼着する貼着スペースK1が形成されており(図3参照)、貫通口14dは、遊技領域の下側における貼着スペースK1の反対側に相当する遊技領域の左下側に形成されている。このため、遊技領域の下側における左右両側に貼着スペースと、貫通口14dとがそれぞれ設けられ、遊技領域下側の左右両側を弧状に形成した場合におけるその左右両側のスペースを有効に活用して他の部品のレイアウト自由度を高めることができる。
なお、スイッチユニット120は、必ずしも2つのボタン121,122を設けて構成する必要はなく、1つ或いは3つ以上のボタンで構成しても良い。この場合に、押しボタン等の接触操作する対象物が複数ある場合には、それらを一体化してユニット化したスイッチユニットとすることが好ましく、これにより取付作業や再利用のための取り外し等を簡易にして低コストとすることができる。また、スイッチユニット120の操作部は、必ずしも押しボタン式のスイッチにて構成する必要はなく、ボタン121,122に代えて或いはボタン121,122に加えて上下左右に入力操作可能ないわゆるジョイスティックやトラックボール、タッチパネルなど他の入力操作が可能なものとしても良い。更に、スイッチユニット120は、必ずしも表示内容を選択するための入力操作を行うものとする必要はなく、変動表示を遊技者の意図するタイミングで停止表示させるための停止操作を行うものとしても良いし、第1図柄表示装置81にて車や照準などの対象物を操作するゲームを行わせるための入力操作を行わせたり、複数種類のBGMや表示内容に対応した音楽等を音声ランプ制御装置562に予め設定して遊技者の意図する音声を選択して出力するなど、別の入力操作を行うものとしても良い。また、貫通口14dおよびスイッチユニット120は、必ずしも前面枠14に設ける必要はなく、下皿ユニット15に設けても良い。
ここで、図13および図14を参照して、2つのボタン121,122を有するスイッチユニット120が取り付けられたパチンコ機10と、ボタン121,122を必要としない別の機種(パチンコ機)とについて説明する。図13は、図1のSz−Sz線におけるスイッチユニット120周辺の断面図であり、図14は、貫通口用内蓋910を有する遊技盤の取付状態を示す断面図である。ここで、図面の理解を容易にするために、図13および図14においては一部の部品のみを模式的に示し、また図14においては前面枠14を二点鎖線で示している。
パチンコ機10においては、図13に示すように、遊技盤16の前面側(図13の下側)にコネクタ130が取り付けられ、遊技盤16のベース板60に穿孔された配線口内に配線コードを通して遊技盤16の裏面側に配線がなされている。前面枠14の貫通口14dは、スイッチユニット120のケース123により覆われている。ケース123と貫通口14dとの隙間は、少ない方が好ましく、隙間が全く無いようにすることが好適である。セルと呼ばれる薄板状の工具を差し込んで遊技領域内の遊技球を不正に操作するなどの不正行為を、より確実に防止するためである。
パチンコ機10に対して2つのボタン121,122操作が不要な機種においては、図14に示すように、遊技盤900の前面には、コネクタ130に代えて貫通口14dをパチンコ機の内側より覆う貫通口用内蓋910が取り付けられる。貫通口用内蓋910は、遊技盤900より前面枠14側へ突出して形成され、前面枠14の裏面(内面)に当接して貫通口14dを前面枠14の内側より閉鎖する平板状の蓋部910aが前面枠14側の端面に設けられている。貫通口用内蓋910は、コネクタ130のケース131と同様、遊技盤900へネジにより取り付けられる。なお、貫通口用内蓋910は、接着材などの他の取付方法で遊技盤900に取り付けられても良く、遊技盤900のベース板の一部を突出するように形成してベース板に一体的に形成しても良い。
パチンコ機10に対して遊技盤16を別の遊技盤900に取り替えて別機種とする場合、遊技盤900には、貫通口14dを塞ぐ貫通口用内蓋910の蓋部910aが形成されているので、貫通口14dを塞ぐ部材をわざわざ前面枠14側に取り付けなくても遊技盤を交換するだけで貫通口14dが塞がれた状態となる。このため、貫通口用内蓋910を有する1の機種と、当該機種より入力操作の多い他の機種との機種変更を行う場合、貫通口用内蓋910に代えて上述したコネクタ130を設けた遊技盤に交換し、スイッチユニットを前面枠14に取り付けてコネクタ130と電気的に接続すれば良い。つまり、貫通口用内蓋910を使用することにより、遊技盤を交換するだけで、スイッチユニット120の無い遊技盤の取付作業と、貫通口14dの閉鎖作業とを同時に済ますことができる。よって、内枠13および前面枠14を再利用する時における交換作業を単純にして作業コストを低減することができる。
図15は、前面枠14の貫通口14dを塞ぐキャップ920を示した図であり、図15(a)はキャップ920の前面側斜視図、図15(b)はその背面側斜視図であり、図15(c)はキャップ920の取付状態を示す断面図である。
キャップ920は、合成樹脂を射出成形して形成されるものであり、前面枠14の貫通口14dの外形より一回り大きく形成された外形を有する蓋板920aと、蓋板920aの裏面より突出し、先端が鉤形に形成された係合爪920bと、蓋板920aの裏面側に係合爪920bと同方向に突出して貫通口14dの内面より僅かに小さく形成された位置決め用の突起920cとを備えている。前面枠14の前面側より貫通口14dにキャップ920を押し付けると、係合爪920bが内側に弾性変形しつつ貫通口14d内に進入し、係合爪920bが前面枠14の裏面に引っ掛かって係止された状態となる。一旦取り付けられたキャップ920は、前面枠14を開放してその内面側(図15(c)の上側)にて係合爪920bを内側に弾性変形させることにより取り外すことができる。このキャップ920を使用することにより、スイッチユニットを使用しない機種間での変更においては、図14に示した貫通口用内蓋910を遊技盤に設けることなく、内枠13および前面枠14を共用することができる。
なお、図14に示した貫通口用内蓋910を有する遊技盤は、貫通口内に隙間ができないように完全に閉鎖することが望ましいが、高い寸法精度が要求されて部品コストが嵩むことがある。スイッチユニット120を有するパチンコ機10に対してスイッチユニット120の操作を必要としないパチンコ機を製造する場合、スイッチキャップ920を用いることにより、遊技盤16と前面枠14との相対位置がばらついて不安定であっても、前面枠14の貫通口14dを低コストでより確実に閉鎖することができる。
次に、図16および図17を参照して、前面枠に貫通口が設けられる場合における貫通口の閉鎖構造について説明する。図16は、第2の実施形態のパチンコにおける前面枠14の貫通口14d周辺を断面視して示した図であり、図17(a)は第3の実施形態のパチンコ機における前面枠の貫通口941d周辺を断面視して示した図であり、(b)第3の実施形態におけるパチンコ機のスイッチユニット950周辺の断面図である。なお、図16および図17においては主要な部材のみを模式的に示し、他を省略して示している。また、別の実施形態の説明にあたり、上述した実施形態(以下、適宜「第1の実施形態」と称す。)と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第2の実施形態におけるパチンコ機は、第1の実施形態のパチンコ機10に対し、前面枠940には貫通口940aを囲う全周にわたって遊技盤941側に突出する断面凸状の突起940bが設けられ、また、貫通口用内蓋942には、前面枠940の突起940bの先端部分が間に介在するように窪んで凹状に形成された凹部942aが全周にわたって形成されている。ここで、この凹部942aと前面枠940の突起940bとは当接していても良いし、凹部942aの間に突起940bの先端部分が介在しつつ隙間が形成されても良い。また、突起941aと凹部942aとは、必ずしも上記した構成とする必要はなく、前面枠941に凹部を形成する一方、ケース943に突起941aを形成しても良い。
この第2の実施形態におけるパチンコ機では、前面枠940と遊技盤941とが近接する部位(連結部)には、一方側の凸状に形成された突起940bの先端部分が凹状に形成された凹部942aの間に介在するので、連結部の隙間はクランク状に屈曲して形成される。よって、貫通口940aを使って遊技盤941と前面枠14との連結部の隙間へセル等を差し込んでも、屈曲した隙間を挿通させることは困難であり、セル等の進行を妨害して不正行為に対する防犯性を高めることができる。
なお、上述した第1の実施形態の遊技盤16におけるコネクタ130の一部(またはコネクタ130の周りを囲う別部品)を前面枠940の内面に当接または近接するように突出させると共に、その突出した部位の先端部分には、前面枠940の突起940bの先端部分が間に介在するように窪んで凹状に形成された凹部を形成しても良い。
第3の実施形態におけるパチンコ機は、第1の実施形態のパチンコ機10に対し、前面枠960においては貫通口960aを囲う筒形の部材であってコイルバネ961で遊技盤側に突出するように付勢された第1仕切部材(第1仕切壁)962が設けられている。また、遊技盤970においては、第1の実施形態のパチンコ機10に対して、コネクタ130の周りに弾性変形可能な第2仕切部材(第2仕切壁)973が設けられた点が異なっている。
図17(a)に示すように、前面枠ベース961には、貫通口960aの両側にて裏面側に向けて突出し、更に先端側が外側に突出して形成された係止爪960bがそれぞれ設けられている。係止爪960bには、貫通口960aを囲うように合成樹脂で形成された筒形の第1仕切部材962が、遊技盤970の配設される方向(パチンコ機の前後方向)に沿って可動(スライド)可能に係止されている。また、前面枠ベース961と仕切部材962との間には、係止爪960bの外周に沿って4周ほど周回されたワイヤで構成されるコイルバネ961が設けられ、仕切部材962が前面枠ベース961より離間する側、即ち、前面枠960に遊技盤970が重なって配設される側へ付勢されている。
閉鎖状態の前面枠960が遊技盤970の前面に重なる所定の位置に配置されると、図17(b)に示すように、貫通口960aは、遊技盤970側にて第1仕切部材962に囲われる。よって、スイッチユニット120と貫通口960aとの隙間を通して貫通口960a内へセル等を差し込んでも第1仕切部材962でその進行を妨害することができ、不正行為に対する防犯性を高めている。また、コイルバネ963は、遊技盤970側の端部が遊技盤970側(図17(b)の上側)に付勢されるようにベース板60と前面枠960との間にて弾性変形する。このため、前面枠960の閉鎖状態においては、コイルバネ963が縮むことにより、一端が遊技盤970前面に当接した状態の第1仕切部材962が前面枠960側に押し戻される。よって、第1仕切部材962自体や第1仕切部材962に当接する遊技盤970などに無理に負荷がかかって破損することを防止することができ、第1仕切部材962と遊技盤970との密着状態を安全にかつ確実に形成して防犯性を高めることができる。
一方、遊技盤970には、図17(b)に示すように、スイッチユニット971を囲う筒形に形成されると共にベース板60の前面にネジで固定された第2仕切部材973が設けられている。第2仕切部材973は、ベース板60や前面枠ベース961より弾性に富む材料(例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー)で構成される。この第2仕切部材973は、前面枠960が閉鎖されると前面枠ベース961に当接する長さに形成されており、第2仕切部材973によって貫通口960aが囲われた状態となるので、スイッチユニット120と貫通口960aとの隙間を通して貫通口960a内へセル等を差し込んでも第2仕切部材973でその進行を妨害することができ、不正行為に対する防犯性を高めることができる。
また、第2仕切部材973は、ベース板60および前面枠ベース961より弾性に富む材料で形成されるため、前面枠960側の端部が前面枠960側(図17(b)の下側)に付勢されるようにベース板60と前面枠960との間の中間部分が弾性変形する。このため、前面枠960の閉鎖状態においては、一端が前面枠960に当接した状態にて第2仕切部材973が前面枠960に押し戻されて縮められる。よって、第2仕切部材973に当接する前面枠960などに無理に負荷がかかって破損することを防止することができ、第2仕切部材973と前面枠960との密着状態を安全にかつ確実に形成して防犯性を高めることができる。
なお、第1仕切部材の一端を前面枠ベース961の裏面に固定すると共に他端を遊技盤970に当接するようにし、更に、ベース板60および前面枠ベース961より弾性が低くて可撓性の高い材料で形成して第1仕切部材962と遊技盤970との密着状態を形成しても良く、第1仕切部材を硬質樹脂で形成しつつその先端部と前面枠ベース961との間を繋ぐ部位を蛇腹状に屈曲させて弾性変形が生じ易いように形成しても良い。また、第2仕切部材を硬質の樹脂(例えば、ABS樹脂)で形成すると共にその第2仕切部材を前面枠960側に付勢するように弾性変形するコイルバネ等の弾性体を第2仕切部材とベース板との間に介在させても良く、第2仕切部材を硬質樹脂で形成しつつその先端部とベース板60との間を繋ぐ部位を蛇腹状に屈曲させて弾性変形が生じ易いように形成しても良い。
更に、第1仕切部材と962と第2仕切部材973とは必ずしも両方ともパチンコ機に設ける必要はなく、いずれか一方をパチンコ機に設けるだけでも良い。また、スイッチユニット910に代えて上述した貫通口用内蓋910を設けた遊技盤900を有するパチンコ機や、前面枠940の凸部940bと貫通口用内蓋942の凹部942aとを設けた遊技盤900を有するパチンコ機に、第1仕切部材と962および第2仕切部材973を使用して貫通口14dを閉鎖する構造を付設しても良い。また、第1仕切部材と962と第2仕切部材973との形状は、前面枠960を開閉するに際して干渉しない形状とすることが耐久性を向上する上で好ましく、一方側に向けて内径が次第に広がる筒形に形成しても、一方側に向けて内径が次第に縮まる筒形に形成しても良く、遊技盤970と前面枠960との間で両部材が重なる方向側に対して斜めに傾斜する側に突出して形成しても良い。
次に、図18から図22を参照して前面枠14の裏面に取り付けられるガラスユニット17について説明する。図18は、ガラスユニット17の正面図である。また、図19は、図18のSa−Sa線における断面図であり、図20は、図18のSb−Sb線における断面図であり、図21は、図18のSc−Sc線における断面図である。図22は、図21の矢印V方向から見たガラスユニット17の部分拡大図である。
本実施形態におけるガラスユニット17は、従来のように、矩形状の板ガラスを前後対にして別々に前面枠に取り付けるものでなく、全体としては丸形をなす2枚の板ガラス151を一体化(アッセンブリ化)した上で前面枠14に取り付けるものである。このガラスユニット17は、前面枠14の窓部14c(図1参照)の形状にほぼ対応して、略円形で同一形状をなす前後一対の板ガラス151と、これら板ガラス151の周縁を囲むように設けられた保持フレーム153とを備えている。
保持フレーム153は、ABS樹脂により形成され、図19に示すように、断面略「ひ」字状にて板ガラス151の外形に沿って環状に形成されている。このため、保持フレーム153の両側(図19の上下両側)には、一対の鉤状断面に形成された板ガラス151の保持部が形成され、各板ガラス151は、保持フレーム153により外周が囲われると共に、一面側の外周縁が保持フレーム153に接触した状態に配設される。保持フレーム153と板ガラス151とは接着材によりそれぞれ接着(ホットメルト接着材等で接着)固定され、2枚の板ガラス151は、それらの間に介在する保持フレーム153によって所定間隔を隔てた状態で一体化される。
保持フレーム153は、図18に示すように、一方側(図18の左下側)において外方に膨出した形状に形成されており、板ガラス151も、その膨出部分を覆うように一部分が膨出した形状となっている。この膨出部分は、遊技盤16面における外レール62と内レール61とにより形成される誘導レールの一部(図3の左下側の部分)を覆うカバーとなり、誘導レール部分における遊技盤16前面側への遊技球の流出を規制する。
また、保持フレーム153は、一方側(図18の左下側)において外方に膨出した部分に、2枚の板ガラス151の間の領域を区画する区画壁153aが設けられている。この区画壁153aにより2枚の板ガラス151の間に収容部154が形成され、その収容部154内に水分の結露や曇りを防止するために吸湿を行う乾燥具155が設けられている。乾燥具155は、2片1組のケース部材を対向させて内部に収容空間を形成するケーシングと、そのケーシング内に多数収容された粒上の乾燥剤により構成される。ケーシング内は隔壁(図示せず)により複数の部屋に区画され、各部屋毎に乾燥剤が収容されている。乾燥剤としてはゼオライドやシリカゲル等が挙げられる。また、ケーシングには、その内外を連通する多数の小孔が形成され、2枚の板ガラス151にて密封またはほぼ密封された空間内の空気が効率的に除湿され、結露等の発生が防止されるようになっている。なお、保持フレーム153の区画壁153aおよび乾燥具155は、前面枠14の窓部14cにより形成される開口よりも外周側に配設され、パチンコ機10の装飾に不要な乾燥具155等が外部から視認されないようになっている。
保持フレーム153には、図20に示すように、2枚の板ガラス151と保持フレーム153とにより囲われる内部空間と外部とを連通する逃がし孔153bが穿設されている。この逃がし孔153bは、板ガラス151の接着固定を容易かつ確実なものとするために設けられる。逃がし孔153bの入口部には、接着剤が注入されて乾燥し、硬化した状態となっている。また、逃がし孔153bの内面形状は、保持フレーム153の外側(図18の下側)から内側へ次第に内径が縮小するテーパ状(円錐形状)に形成されており、外側からの接着剤の注入時に逃がし孔153bが完全に閉塞され易くしている。
ここで、ガラスユニット17の組み立て工程について、特に保持フレーム153に2枚の板ガラス151を接着固定する部分を中心に説明する。1枚の板ガラス151を載置した状態とし、その板ガラス151に保持フレーム153を接着固定する。次いで、収容部154に乾燥具155をセットしてから、2枚目の板ガラス151を保持フレーム153に接着固定する。
この2枚目の板ガラス151は、接着をより確実なものとするために強い力で押圧することとなるが、この押圧に際し、2枚の板ガラス151間の空気が圧縮されるおそれがある。もし空気が強く圧縮されると、空気の膨張によって接着後に板ガラス151が保持フレーム153から剥離してしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、逃がし孔153bを介して板ガラス151の間と外部との空気の出入りが可能であるので、2枚目の板ガラス151が接着固定時に押圧されても空気が圧縮されることがなく、空気の膨張によって保持フレーム153から板ガラス151が剥離してしまうといった事態は起こらないようになっている。
2枚の板ガラス151を保持フレーム153に接着した後には、逃がし孔153bに接着剤を注入し、時間をおいて乾燥硬化させる。これにより、板ガラス151間には、密封された空間が形成され、湿気や埃等の侵入を規制し、また乾燥具155による吸湿効果を高めて遊技領域の視認性を良質なものとすることができる。
保持フレーム153には、その周縁における複数カ所にて外方に突出した取付部153cが設けられている。各取付部153cは、同一の形状に形成されており、各取付部153cには、図21に示すように、板ガラス151の面方向に沿って挿通孔153dが設けられている。また、取付部153cの一方の面(図21の上側の面)には、挿通孔153dに対応する位置に小径孔161aを有する薄肉に形成されたワッシャとしての金属板161が小ネジ162により保持フレーム153に固定されている。更に挿通孔153dと金属板161の小径孔161aとに挿通されるようにして、ガラスユニット17を前面枠14に取り付けるための取付ネジ163が設けられている。
取付ネジ163は、図21に示すように、表面が平滑な円筒状に形成された軸部163aと、軸部163aの先端側に一体形成された雄ねじ部163bと、軸部163aの基端側に設けられた操作部163cとにより形成されている。軸部163aは、金属板161の小径孔161aより小径に形成される一方、操作部163cは大きく形成される。また、雄ねじ部163aは、金属板161の小径孔161aに対してほぼ同一の外径であって、小径孔161aより外径は大きく谷の径が小さく形成されている。このため、取付ネジ163は、金属板161の小径孔161aに雄ねじ部163aをねじ込んで取り付けることができ、ほぼ軸部163aの長さ分(ストローク量)だけ移動可能な状態で金属板161を介して保持フレーム153に対して取り外し不能となっている。
取付ネジ163の操作部163cは、図22に示すように、軸部163aより大径の円筒状に形成されると共にその外周面が軸方向に沿った細かい溝163c1によりギザギザに加工されている。また、操作部163cの端面中央部には、十字状の溝163c2が設けられており、プラスドライバ等の工具により取付ネジ163の回動操作が可能となっている。このため、操作部163c外周面を指先で摘んでも、十字状の溝163c2に所定の工具を差し込んでも、取付ネジ163の回動操作が可能となっている。よって、ガラスユニット17の着脱操作は、工具がなくても実行可能であり、工具がある場合にはより簡単かつ確実に実行することができる。なお、取付ネジ163は、金属板161にねじ込まれて保持フレーム153に対して取り外し不能に構成されていたが、金属板161の小径孔161aを雄ねじ部163aの外径より大きくして取付ネジ163が容易に取り外し可能となっていても良い。また、取付ネジ163(操作部163c)と金属板162との間には、スプリングワッシャ等の緩み止め用の座金が設けられていても良い。また、操作部163c1の外径形状は、上記した形状に限定されず手で回動し易い形状、例えば、軸の両側に板状に突出する部位を有するいわゆる蝶ネジのように形成しても良い。
前面枠14の裏側には、図11(a)に示すように、ガラスユニット17に設けられる取付部153cに対応する複数カ所に雌ねじが形成された被取付具227が設けられる。この被取付具227は、ボス(円筒)状に形成されると共に内面に取付ネジ163をねじ込み可能な雌ねじが形成された金属製の部材であり、前面枠ベース200の所定位置にネジまたは圧入によりそれぞれ固定されている。各被取付具227に取付部153cがそれぞれ取付ネジ163によって固定されることにより、ガラスユニット17は前面枠14の裏面に取付固定される。
また、前面枠14の裏側には、図2に示すように、保持フレーム153の外周形状の一部に沿うようにして裏面側に突出する3つのリブ200a〜200cが前面枠ベース200に一体形成されている。下側のリブ200b,200cは、前面枠ベース200の窓部14cの下側2カ所において上側のリブ200aより大きく突出して設けられており、ガラスユニット17の取付時にはその下側を支持して取付を補助する。また、上側のリブ200aおよび下側の一方のリブ200cには、各リブの突出方向側の先端部において窓部14cの中心側に突出する係止突起が一体形成されており、ガラスユニット17の取付に際しては、その係止突起が保持フレーム153の外周縁に設けられる凹部に嵌り込んでガラスユニット17を仮止めすることができる。
次に、図11(a)に戻って前面枠14の構成について説明する。前面枠14の裏面右側端部(パチンコ機10の正面視左端部)には、内枠13の支持機構として、上下2カ所に支持金具228,229が取り付けられている。内枠13側の支持金具33,34(図5参照)に前面枠14側の支持金具228,229を組み付けることで、内枠13に対して前面枠14は開放可能に装着される。
より詳しく説明すると、前面枠14の上側の支持金具228は、略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太い段付きの円柱状に形成されている。内枠13側の上側の支持金具33には、前述したように内枠13の前面側に開口した切欠を有する支持孔33aが設けられており、その支持孔33aの切欠の幅は、前面枠14上側の支持金具228における上部の径より狭く、下部の径より広くなっている。このため、上側の支持金具228の下部(小径の部分)を支持孔33a内に嵌めてから、支持金具228を下方にスライドすると、支持金具228の大径の部分が支持孔33a内に嵌って支持孔33aから支持金具228が外れなくなる。
前面枠14の下側の支持金具229は、前面枠14の裏面側にネジで固定されており、その裏面側から下端面にわたって折り曲げて形成されている。この支持金具229には、前面枠14の下端面に上方に向けて開口した支持穴229aが設けられており、この支持穴229aには、内枠13側の支持金具34により形成される突起軸34aが嵌り込み、前面枠14が内枠13に対して回動可能に支持される。
内枠13への前面枠14の装着手順としては、まず、前面枠14上側の支持金具228の下部(小径の部分)を、切欠を介して支持孔33aに挿入する。次に、前面枠14下側の支持穴229aを、内枠13下側の支持金具34の突起軸34aに位置させてから前面枠14を下方にスライドする。前面枠14上側の支持金具228は大径の部分が支持孔33a内に嵌って外れなくなり、前面枠14下側の支持金具229も突起軸34aに回動可能に支持されて、前面枠14の装着が完了する。
次に、図23および図24を主に参照して下皿ユニット15について説明する。図23は下皿ユニット15の正面図であり、図24はその背面図である。下皿ユニット15は、横長矩形状に形成されたABS樹脂製の下皿ベース300に、下皿301や操作ハンドル310等を取り付けたものである。
下皿ユニット15には、図23に示すように、ほぼ中央部に球受皿としての下皿301が設けられ、内枠13側の下皿排出口36a(図2参照)から排出口301aを通じて排出された遊技球が下皿301内に貯留可能に構成されている。下皿301は、下皿ベース300とは別部品で形成した難燃性のABS樹脂を表面に貼り付けて形成される。下皿301のすべてを難燃性のABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿301の表面部分、即ち下皿301の表面層と下皿301奥方の前面パネル302とをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿301には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。前面パネル302には、スピーカSPからの音を出力するための多数のスピーカ孔303が穿設されており、下皿ユニット15の裏面側には、スピーカ孔303に対応する位置にスピーカSPがネジにより固定されている。
下皿301の正面下方部には、下皿301に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー304が設けられている。この球抜きレバー304は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿301の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー304の操作は、通常、下皿301の下方に下皿301から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿301の右方には、前述したように操作ハンドル310が配設され、下皿301の左方には灰皿305が取り付けられている。灰皿305は下皿ベース300に回転可能に取り付けられた軸と共に手前方向及び奥方向へ回動可能にされている。下皿ユニット15の裏面側には、その裏面全体を覆うように金属製の板金306が設けられており、下皿ユニット15自体の剛性および強度が高められている。
この下皿ユニット15は、内枠13に対して開閉可能に取り付けられており、内枠13および前面枠14と同様にパチンコ機10の正面視左側を開閉軸線として前方側に開放可能となっている。下皿ユニット15には、その正面視左上側に支持穴307が設けられると共に、その正面視左下側に支持軸308が設けられている。下皿ユニット15の支持穴307および支持軸308が内枠13側の支持金具34,35(図5参照)に対して組み付けられると、内枠13に対して下皿ユニット15が開閉可能に装着される。
支持穴307および支持軸308について、より詳しく説明すると、支持穴307は、板金306の上端部を折り返した部分に穿設された孔によって構成され、内枠13側の支持金具34において下方に突出する突起軸34bを挿通可能となっている。支持軸307は、上下方向に出没可能な略逆L字状をなす突起より構成され、板金306に覆われたばね(図示せず)によって常には下方へ突出した状態に維持される。
下皿ユニット15の装着手順としては、まず、支持穴307に内枠13側の突起軸34bを差し込んで下皿ユニット15の上側を内枠13に固定する。その後、支持軸308をばねの付勢力に抗して没入状態としてから支持軸308の先端と内枠13下側に設けられる支持金具35の支持孔との位置あわせをする。支持軸308と支持孔との位置があうと、ばねの付勢力によって支持軸308が支持孔内に嵌り込み、下皿ユニット15の装着が完了する。
下皿ユニット15の板金306には、その裏面左側に略矩形状で上下2カ所に並んで形成された下皿係合部15aが形成されている。この下皿係合部15aが内枠13の裏面側に設けられる施錠ユニット410の下皿用鉤部材413に係合することにより、下皿ユニット15は施錠される。施錠状態の下皿ユニット15は、シリンダ錠420に対して専用鍵による所定の解錠操作が行われることにより解錠され、開放可能な状態となる。
ここで、下皿ユニット15が配置されるパチンコ機10の下皿301および操作ハンドル310の部分は、従来には内枠13の一部として形成されて前方側へは開放し得ず、前面枠14により形成される上皿201の下端部までが内枠13の前面側を覆うように構成されていた。前面枠14に覆われた内枠13の前面側には、遊技領域を形成する遊技盤16と、遊技領域へ向けて遊技球を発射する球発射ユニット90とが上下に並べて配置されるが、前面枠14のみが前方へ開放し、下皿301および操作ハンドル310の部分が開放しない場合、上皿201の下端部位置に球発射ユニット90の配置位置が制限され、その上側に形成される遊技領域を大きくすることが難しかった。
本実施形態のパチンコ機10においては、前面枠14以外に下皿ユニット15も内枠13に対して開放可能に構成されるので、球発射ユニット90を下皿301や操作ハンドル310の裏面側に重なるようにして従来より下側に配置することができ、その分、遊技盤16の遊技領域を上下に大きく形成することができる。また、下皿ユニット15が開放可能であるので、内枠13の下端部における裏面側に加えて、その下端部における下皿ユニット15の裏面側と内枠13の前面側との各面に各種部品や配線を収容することができ、部品や配線の設計自由度が高められる。更に、下皿301や操作ハンドル310の裏面側に対して作業を行う場合、例えば、上皿201と下皿301とを繋ぐ通路内の球詰まりを解消する場合や下皿301の奥側に位置して満タン状態を検出する満タンセンサを確認する場合等においては、下皿ユニット15を開放することで、外枠12に内枠13が固定された状態で、内枠13の前面側から各作業を行うことができる。内枠13を開放した場合、外枠12に対して内枠13が揺れ動くために作業がし難いが、下皿ユニット15を開放して内枠13に対して行う作業は、内枠13が固定された状態で行えるので簡易なものとなる。
ここで、内枠13、前面枠14、及び、下皿ユニット15は、ベースとなる各部材(内枠ベース30,前面枠ベース200,下皿ベース300)に他の部材を組み付けて形成されるものであり、本実施形態においては各ベース部材30,200,300は、すべて合成樹脂、具体的にはABS樹脂により形成されている。これら各ベース部材30,200,300を合成樹脂で形成することにより、金属でベース部材を形成するより複雑な形状に対応することができ、パチンコ機10前面に文字や模様等を形成して装飾性を高めつつ、その裏面側には相手部品の取付部等を一体的に形成して生産コストの抑制を図っている。また、ABS樹脂は、一般に安価で、且つ、メッキ等ののりが良く装飾性に優れるため、低コストで表面処理を施した装飾をパチンコ機10の前面に形成し易い。更に、ABS樹脂は、耐衝撃性が大きいという利点もあり、遊技者が転倒してパチンコ機10前面に衝突したり、遊技の結果に不満を抱いた遊技者がパチンコ機10前面を殴打したりしても、樹脂が破損して遊技者が怪我してしまうことが少ないので、ベース部材30,200,300の材料としてABS樹脂は好適である。
また、各ベース部材30,200,300と外枠13の飾り板24とは、全て同一材料であるABS樹脂により形成されている。このため、ベース部材30,200,300および飾り板24の少なくとも2部材を同一色で形成した場合、経年劣化により色あせや変色の程度は同等となる。よって、長期にわたって複数の部材で構成されるパチンコ機10前面の色度の差を少なくして良質な見栄えを維持することができる。特に各ベース部材30,200,300と外枠13の飾り板24とを、同一材料であって、メーカーおよび材料グレードまで同一のものとすることが、良質な見栄えを維持する上で好ましい。
次に、図25から図30を参照して、パチンコ機10の背面側の構成を説明する。図25は、パチンコ機10の背面図であり、図26は、パチンコ機10背面の制御基板ユニットと裏パックユニットの構成を模式的に示した図である。また、図27は、内枠13に遊技盤16を組み付けた状態を示す背面図であり、図28は内枠13を後方より見た斜視図、図29は遊技盤16を後方より見た斜視図である。図30は、支持金具235の斜視図である。
パチンコ機10の背面側には、各種制御基板が上下左右に並べて、また、前後に重ねて配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出ユニット)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットが個別に内枠13又は遊技盤16の裏面に装着されている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット501」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット502」と称する。また、保護カバー部を形成する裏パック651および払出ユニット652も1ユニットとして一体化されており、ここではそのユニットを「裏パックユニット503」と称する。各ユニット501〜503の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット501、第2制御基板ユニット502及び裏パックユニット503は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠13又は遊技盤16の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット501〜503やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
各ユニット501〜503は、図26に示すように、上下に並んで配置され、取り付けられている。第1制御基板ユニット501は、略L字状をなし、パチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方には、第2制御基板ユニット502が配置されている。また、第1制御基板ユニット501の上部に一部重なる領域に、裏パックユニット503が配置されている。
第1制御基板ユニット501には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット501が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット501には、その右端部(即ち支軸部M1の反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら支軸部M1、締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット501がパチンコ機10の本体(遊技盤16の裏面)に固定保持される。
第2制御基板ユニット502には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット502が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット502には、その左端部(即ち支軸部M4の反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この支軸部M4および締結部M5によって第2制御基板ユニット502がパチンコ機10の本体(内枠13の裏面)に固定保持される。
裏パックユニット503には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット503が開閉可能となっている。また、裏パックユニット503には、その左端部(即ち支軸部M6の反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら支軸部M6、締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット503がパチンコ機10の本体(内枠13の裏面)に固定保持される。
各ユニット501〜503の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット501は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット502及び裏パックユニット503は、同右開きになるよう構成されている。
ここで、図27から図30を用いて、内枠13及び遊技盤16の裏面構成を説明する。遊技盤16は、図27に示すように、内枠ベース30に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠13の左右両側に設けられた3つの係止固定具511と、内枠13の略中央下部に設けられた樹脂製の係止固定具512との計4つの係止固定具511,512によって脱落しないように固定されている。係止固定具511,512は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図27は、係止固定具511,512がロック位置にある状態を示している。遊技盤16の左右3カ所の係止固定具511は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤16を固定した状態では内枠13の外方へ張り出さないよう構成されている。遊技盤16の下部1カ所の係止固定具512は、樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤16の裏面中央には、可変表示装置ユニット80が配置されている。可変表示装置ユニット80には、センターフレーム86(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー513が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー513の後端に、液晶表示装置たる第1図柄表示装置81と表示制御装置505とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー513内には、センターフレーム86に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤16の裏面には、可変表示装置ユニット80を取り囲むようにして裏枠セット515が取り付けられている。この裏枠セット515は、遊技盤16の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット515の下方には、前述した一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65(図3参照)への入賞球を遊技盤16裏面側に排出する排出口に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路516が形成されている。また、遊技盤16の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤517が取り付けられており、該排出通路盤517には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路518が形成されている。従って、図27に仮想線で例示するように、一般入賞口63等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット515の回収通路516を介して集合し、更に排出通路盤517の排出通路518を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口66(図3参照)も同様に排出通路518に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路518を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤16の下端面を境界にして、上方に裏枠セット515(回収通路516)が、下方に排出通路盤517(排出通路518)が設けられており、排出通路盤517が遊技盤16に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤16を内枠13から取り外す際において、排出通路盤517が遊技盤16の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤517は、パチンコ機10前面の上皿201の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿201に至る球排出口(図2の上皿排出口36b)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠13と排出通路盤517との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10の排出通路盤517には、上皿201の丁度裏側辺りに、内枠13にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート519が設けられている。従って、内枠13と排出通路盤517との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート519にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等により可変入賞装置65(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤16の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の入球(通過)を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤16表側の一般入賞口63に対応する位置には入賞口スイッチ521が設けられ、可変入賞装置65には、特定領域スイッチ522とカウントスイッチ523とが設けられている。特定領域スイッチ522は、大当たり状態で可変入賞装置65に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ523は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1入球口64に対応する位置には第1入球口スイッチ524が設けられ、第2入球口67に対応する位置には第2入球口スイッチ525が設けられている。
入賞口スイッチ521及び第2入球口スイッチ525は、図示しない電気配線(ケーブルコネクタを含む)を介して盤面中継基板526に接続され、さらにこの盤面中継基板526が後述する主基板(主制御装置561)に電気配線を介して接続されている。また、特定領域スイッチ522及びカウントスイッチ523は電気配線を介して大入賞口中継基板527に接続され、さらにこの大入賞口中継基板527が電気配線を介して主基板に接続されている。これに対し、第1入球口スイッチ524は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置65には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1入球口64には、電動役物を開放するための第1入球口ソレノイドが設けられている。また、本実施形態では、遊技球を発射させる発射装置としてソレノイド92を採用しているため、発射装置が内枠13の前面側にまとめて配置されている。このため、従来のモータ及び発射槌の組合せに比べて内枠13の裏面側には発射装置が配置されず、内枠13裏面のスペースを制御基板等の他部品のスペースとして有効に活用することができる。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
遊技盤16の裏面にネジで固定された裏枠セット515には、第1制御基板ユニット501を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤16の裏面左下隅部には上下方向に延びる支持金具531がネジで取り付けられ、この支持金具531には同一軸線上に上下一対の支持孔531aが形成されている。その他、遊技盤16の背面右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)532が設けられ(図27参照)、同左上部には係止爪片533が設けられている。
内枠13の裏面には、第2制御基板ユニット502や裏パックユニット503を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、図27に示すように、内枠13の背面右端部には、図30に示す長尺状の支持金具535が取り付けられている。
支持金具535は、長尺板状の金具本体536を有し、その金具本体536より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット502用の支持孔部537が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット503用の支持孔部538が形成されている。それら支持孔部537,538にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット502用の取付機構として、内枠13には、図27に示すように、遊技盤16の設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)539が設けられている。また、裏パックユニット503用の取付機構として、内枠13には、遊技盤16の設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)540が設けられている。なお、第2制御基板ユニット502用の支持金具と裏パックユニット503用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。また、裏パックユニット503用の取付機構として回動式の3つの固定具541〜543が内枠13に設けられており、それら固定具541〜543と遊技盤16との間に裏パックユニット503は挟み込んで支持される。
その他、内枠13の背面側における遊技盤16の右下部には、図28に示すように、後述する払出ユニット652より払い出される遊技球を上皿201、下皿301又は排出通路518の何れかに振り分けるための遊技球分配部545が設けられている。遊技球分配部545には、3つの開口部が左右に並んで設けられ、左側の開口部545aは上皿201に通じ、中央の開口部545bは下皿301に通じ、右側の開口部545cは排出通路518に通じる構成となっている。
内枠13の下端部には、下皿ユニット15に取り付けられるスピーカSPの裏面側に重なる位置に穿孔された多数のスピーカ孔546が内枠ベース300の一部として形成されている。スピーカSPの音声出力時に振動板(コーン)が振動してもスピーカ孔546によりパチンコ機10の背面側へ振動が逃がされるので、内枠13と下皿ユニット15との間で共鳴音が生じることが抑制される。なお、スピーカ孔546により形成される開口の面積は、スピーカSPの裏面側に重なる領域にスピーカSPの振動板の面積と同一以上とすることが共鳴音を抑制する上で好ましく、共鳴音を抑制しつつ剛性強度を高めるためにスピーカ孔546の開口面積とスピーカSPの振動板の面積とを同一又はほぼ同一とすることが好適である。
次に、図31から図34を参照して、第1制御基板ユニット501を説明する。図31は第1制御基板ユニット501の正面図であり、図32は同ユニット501の斜視図であり、図33は同ユニット501の分解斜視図であり、図34は同ユニット501を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット501は略L字状をなす取付台551を有し、この取付台551に主制御装置561と音声ランプ制御装置562とが搭載されている。ここで、主制御装置561は、遊技の主たる制御を司る1チップマイコンとしてのMPU701(図44参照)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス563(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス563は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット564(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス563が封印されている。
封印ユニット564はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図32等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット564による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット564を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス563を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス563の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス563に残しておけば、基板ボックス563を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置562は、例えば主制御装置561又は表示制御装置505からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る1チップマイコンとしてのMPUや、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス565に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置562上には電源中継基板566が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板566を介して表示制御装置505及び音声ランプ制御装置562に出力される。
取付台551は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面552,553が設けられている。これら基板搭載面552,553は、直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台551は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面552上には、主制御装置561が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面553上には、音声ランプ制御装置562(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置561は、パチンコ機10の背面視手前側に配置され、音声ランプ制御装置562はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面552,553が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面552,553に主制御装置561及び音声ランプ制御装置562を搭載した状態において各制御装置561,562はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図32等にも見られるように、主制御装置561はその一部(本実施形態では図31の左側1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置561に重なる領域まで音声ランプ制御装置562を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット501を遊技盤16に装着した状態では、基板搭載面552の後方にスペースが確保され、可変入賞装置65やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図33及び図34に示すように、主基板用の基板搭載面552には、左右2カ所に横長形状の貫通孔554が形成されている。これに対応して、主制御装置561の基板ボックス563には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具567が設けられている。主制御装置561を基板搭載面552に搭載する際には、基板搭載面552の貫通孔554に固定具567が通され、その状態で固定具567が回動されて主制御装置561がロックされる。従って、上述の通り主制御装置561はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置561の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置561は第1制御基板ユニット501(基板搭載面552)の裏面側から固定具567をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。
取付台551には、図32等に示すように、左端面に上下一対の支軸556が設けられており、この支軸556を遊技盤16側の支持金具531(図29参照)に取り付けることで、第1制御基板ユニット501が遊技盤16に対して開閉可能に支持される。また、取付台551には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ557が設けられると共に上端部に横長の開口558が設けられており、ナイラッチ557を遊技盤16側の被締結孔532(図27参照)に嵌め込むと共に、上端部の開口558に遊技盤16側の係止爪片533(図29参照)を係止させることで、第1制御基板ユニット501が遊技盤16に固定される。なお、支持金具531及び支軸556が図26の支軸部M1に、被締結孔532及びナイラッチ557が締結部M2に、係止爪片533及び開口558が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図35から図37を参照して、第2制御基板ユニット502を説明する。図35は第2制御基板ユニット502の正面図であり、図36は同ユニット502の斜視図であり、図37は同ユニット502の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット502は横長形状をなす取付台601を有し、この取付台601に払出発射制御装置611、電源装置612及びカードユニット接続基板613が搭載されている。払出発射制御装置611及び電源装置612は周知の通り制御の中枢をなす1チップマイコンとしてのMPU、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出発射制御装置611を構成する制御基板(払出発射制御基板)により、賞品球や貸出球の払出制御と、遊技者による操作ハンドル310の操作に従った球発射ユニット90(発射ソレノイド92および電磁石104)の制御とが行われる。電源装置612を構成する制御基板(電源基板)においては、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
カードユニット接続基板613は、パチンコ機10前面の貸球操作部210及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出発射制御装置611に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板613は不要である。
上記払出発射制御装置611、電源装置612及びカードユニット接続基板613は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス615〜617にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出発射制御装置611では、前述した主制御装置561と同様、基板ボックス615(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット619(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス615が封印されている。
払出発射制御装置611の右端部には状態復帰スイッチ621が設けられている。例えば、払出モータ658a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ621が押下されると、払出モータ658aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。払出発射制御装置611の左端部には、発射ソレノイド92の発射力を調整する可変抵抗器の操作つまみ622が設けられており、その操作軸622を右回りに回転させると発射ソレノイド92に励磁される電流(又は電圧)が多くなって発射力が高められ、操作軸622を左回りに回転させると発射ソレノイド92の励磁電流(又は電圧)が低下して発射力も低下する。
電源装置612にはRAM消去スイッチ623が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ623を押しながら電源を投入することとしている。
取付台601は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面における左右両側に平坦状をなす基板搭載面602,603が設けられている。左側の基板搭載面602には、電源装置612が搭載され、右側の基板搭載面603にカードユニット接続基板613が搭載される。払出発射制御装置611は。その一部を電源装置612の基板ボックス616上に重ねて搭載される。
取付台601には、図35に示すように、その右端部に上下一対の支軸605が設けられており、この支軸605を、内枠13側の支持孔部538(図28参照)に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット502が内枠13に対して開閉可能に支持される。また、取付台601には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ606が設けられており、ナイラッチ606を、内枠13側の被締結孔539(図28参照)にはめ込むことで、第2制御基板ユニット502が内枠13に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部537及び支軸605が図26の支軸部M4に、被締結孔539及びナイラッチ606が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図38及び図39を参照して、裏パックユニット503の構成を説明する。図38はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット503を示しており、図39はその分解斜視図を示している。裏パックユニット503は、樹脂成形された裏パック651と遊技球の払出ユニット652とを一体化したものである。
裏パック651は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部653と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部654とを有する。保護カバー部654は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット80を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置562も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部654の背面には多数の通気穴654aが設けられている。この通気穴654aは各々が長細く形成され、通気穴654aの端が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気穴654a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック651の背面を容易に開口させることができる。このため、通気穴654a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置505等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
裏パック651には、保護カバー部654を迂回するようにして払出ユニット652がネジで固定されている。払出ユニット652は、裏パック651の最上部に位置して上方に開口したタンク655と、タンク655の下方に連結され、横方向2列(2条)の球通路を有して下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール656と、タンクレール656の下流側に縦向きに連結されるケースレール657と、ケースレール657の最下流部に設けられ、払出モータ658a等の所定の電気的構成により遊技球の払出を行う払出装置658とを備えている。タンク655には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給され、払出装置658により必要個数の遊技球の払い出しが適宜行われる。また、払出装置658により払い出された遊技球は、裏パック651の下端部に内蔵される払出通路(図示せず)を通じて前記上皿201等に供給される。
タンクレール656には、当該タンクレール656に振動を付加するためのバイブレータ660が取り付けられている。従って、仮にタンクレール656付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ660を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ660は、ユニット化されているので、タンクレール656の横へ容易に取り付けることができる。
ここで、図40を参照してタンクレール656の構成について詳述する。図40は、タンクレール656の分解斜視図である。タンクレール656は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体661を有し、レール本体661の始端部には一方側に円弧状に傾斜して形成された球受部662が設けられている。この球受部662により、タンク655から落下してきた遊技球は円滑にレール本体661内に取り込まれる。また、レール本体661には長手方向に延びる仕切壁663が設けられており、この仕切壁663により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁663により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁663により仕切られた各球通路の底面には、その通路の両端にて下側に開口した開口部665が設けられている。
また、レール本体661には、その下流側の天井部分を覆うようにして整流板667が配設されている。この整流板667は、下流側になるほどタンクレール656内の通路の高さを制限するよう底面に次第に近づくように傾斜して配設される。また、整流板の上流側には、高く積まれた状態で流下する遊技球のうち上側の遊技球にだけ当接して流下を制限するように流下方向に沿って振り子移動する可動式の整流錘(図示せず)が垂下して設けられる。タンクレール356の上流部より遊技球が積まれた状態で流れ込んできても、整流錘によってタンクレール656内の遊技球が整列しつつ流下するようになっている。
なお、レール本体661は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板667は透明のポリカーボネート樹脂により成形して通路内部を視認し易くしている。また整流板667は着脱可能に設けられており、当該整流板667を取り外すことによりタンクレール656内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図38及び図39に戻って説明する。払出ユニット652は、払出発射制御装置611から払出装置658への払出指令の信号を中継する払出中継基板681と、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板682とを備えている。電源スイッチ基板682には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ682aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク655から払出通路に至るまでの遊技球の通路を形成する部材は、何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にて接地(アース)されている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック651には、図38に示すように、その右端部に上下一対の支軸685が設けられており、この支軸685を内枠13側の支持孔部538(図28参照)に上方から挿通させることで、裏パックユニット503が内枠13に対して開閉可能に支持される。また、裏パック651には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ686が設けられると共に、上端部に係止孔687が設けられており、ナイラッチ686を内枠13側の被締結孔540(図28参照)にはめ込むと共に、係止孔687に内枠13側の固定具542(図28参照)を係止させることで、裏パックユニット503は内枠13に開閉不能に固定される。固定具542及び係止孔687の部分にナイラッチを使用しないのは、図38に示すように、係止孔687の左隣には遊技球を貯留するタンク355が設けられており、この部分を強固に固定するためである。固定具542の固定時には、内枠13の左上隅と右下隅の固定具541,543(図28参照)によっても裏パックユニット503が内枠13に固定される。なお、支持孔部538及び支軸685が図26の支軸部M6に、被締結孔540及びナイラッチ686が締結部M7に、固定具542及び係止孔687が係止部M8にそれぞれ相当する。また、固定具543が係止部M9に相当する。
次に、図41から図43を参照して外枠12に対する内枠13の施錠と、内枠13に対する前面枠14および下皿ユニット15の施錠を行うための施錠装置について説明する。図41は、施錠ユニット410の正面図であり、図42は、施錠ユニット410の前面斜視図であり、図43は施錠ユニット410の背面斜視図である。なお、図面の複雑化を避けるため、図41から図43においてコイルバネを省略して示している。
施錠装置は、内枠13の裏面であってパチンコ機10の正面視右側に縦長に配設される施錠ユニット410と、施錠ユニット410に摺動可能に設けられる鉤部材411〜413に係合して内枠13や前面枠14等を閉鎖した状態に維持する係合部とにより構成される。係合部としては、外枠12の受け金具23と、前面枠14の前面枠鉤部14aと、下皿ユニット15の下皿係合部15aとが該当する。
施錠ユニット410の正面視中央下部には、鍵穴421を有するシリンダ錠420が設けられている。内枠13の施錠と前面枠14の施錠とは、このシリンダ錠420の鍵穴421に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことにそれぞれ解除される。
施錠ユニット410は、縦長に形成された鉤基体414と、鉤基体414に摺動可能に設けられ内枠13、前面枠および下皿ユニットのそれぞれに係合する鉤部材411〜413とを備えている。鉤基体414は、複数の取付孔が穿設された取付板415と、取付板415に直交して鉤部材411〜413等を支持する支持板416とにより断面略L字状に形成される。施錠ユニット410は、内枠13の裏面側であって開閉軸から離間した側の端部(背面視左端部)に鉤基体414の取付板415をネジで締め付けて内枠13に固定される。
鉤基体414の取付板415には、その上部と下部に縦長略矩形状の挿入口415aが設けられている。挿入口415aには、前面枠14の閉鎖時に前面枠鉤部14aの先端部分が進入するようになっている。
鉤基体414の支持板416の内側には、支持板416に沿って縦長に形成された板状の摺動杆417が上下方向に摺動可能に配設されている。また、鉤基体414の上下2カ所には、図示しないコイルバネにより下方に常に引っ張られた状態で支持板416に摺動可能に支持される鉤部材(内枠用鉤部材)411が配設されている。内枠用鉤部材411は、その先端部分が下方に突出した鉤形に形成され、外枠12の受け金具23に引っ掛かって内枠13を施錠する。この内枠用鉤部材411は、摺動杆417が中立位置より上方へ移動したときにのみ、摺動杆417に係合して上方に摺動する。摺動杆417は、内枠用鉤部材411を付勢するコイルバネの引っ張り力とほぼ同一の大きさの反力で下方へ付勢される。
この上下2つの内枠用鉤部材411は、独立して上方へ移動可能となっており、針金などで内枠用鉤部材411を移動して解錠させようとする場合には両方の内枠用鉤部材411を上方に移動させなければならない。一方のみを上方へ移動させても他方の内枠用鉤部材411が外枠12の受け金具23に引っ掛かったままとなる。このため、不正な解錠操作が困難となって防犯性が高められる。また、内枠用鉤部材411は、摺動杆417の上方への摺動に伴って上方へ移動する。摺動杆417は、シリンダ錠420に対しての専用鍵による右回りの操作に連動して上方へ摺動するものであり、専用鍵の操作によって内枠13の施錠状態を解除することができる。
また、鉤基体414の上下2カ所には、図示しないコイルバネにより上方に常に引っ張られた状態で取付板415および支持板416に摺動可能に支持される鉤部材(前面枠用鉤部材)412が配設されている。前面枠用鉤部材412は、金属板を断面コ字状に折り曲げて形成され、取付板415側の面には縦長矩形状の係止口412aが形成されている。また、前面枠用鉤部材412は、係止口412aが取付板415に形成された挿入口415aに重なりつつ、中立状態にて係止口412aの下端が挿入口415aより上側に位置するように配置されている。
前面枠14の閉鎖時には、前面枠鉤部14aが挿入口415aに進入し、係止口412a内にも進入する。係止口412aの下端は、前面枠鉤部14a先端の突出部分に当接する位置に配置され、前面枠用鉤部材412は、前面枠鉤部14aに押し下げられて下方へ摺動する。前面枠鉤部14a先端の突出部分が係止口412a内に完全に入り込むと、コイルバネの引っ張り力で前面枠用鉤部材412は上昇して元の位置に戻り、前面枠鉤部14aに引っ掛かって前面枠14を開放不能に係止する。また、前面枠用鉤部材412は、摺動杆417の下方への摺動に伴って下方へ移動する。摺動杆417は、シリンダ錠420に対しての専用鍵による左回りの操作に連動して下方へ摺動するものであり、内枠13と同様、専用鍵の操作によって前面枠13の施錠状態が解除される。
シリンダ錠420と摺動杆417との連動機構について説明すると、図43に示すように、シリンダ錠420の錠軸には、その回動動作によって摺動杆417の切欠内に進入する2つの突起を有するカム板420aが取り付けられている。専用鍵がシリンダ錠420の鍵穴421に差し込まれた状態で右回り(図41の時計回り方向)に回動すると、カム板420aの下側の突起が摺動杆417の切欠内に進入して上方に摺動杆417を押し上げる。一方、専用鍵がシリンダ錠420の鍵穴に差し込まれた状態で左回り(図41の反時計回り方向)に回動すると、カム板420aの上側の突起が摺動杆417の切欠内に進入して下方に摺動杆417を押し下げる。このように、専用鍵の回動操作によって単一の摺動杆417を上下に自在に摺動させることにより、摺動杆417に連動する内枠用鉤部材411および前面枠用鉤部材412を作動させて各鉤部材411,412毎に施錠される内枠13および前面枠14に対する施錠状態を解除することができる。よって、複数の摺動杆をシリンダ錠の錠軸にそれぞれ連動するように構成する場合に比べて部品構成が単純になり、製造コストを低減することができる。
鉤基体414の下部には、図示しないコイルバネにより上方に常に引っ張られた状態で支持板416に摺動可能に支持される鉤部材(下皿用鉤部材)413が配設されている。下皿用鉤部材413は、下皿ユニット15に設けられる下皿係合部15a(図24参照)に係合して下皿ユニット15を施錠するためのものであり、上下方向に沿った中央部および下部より前面側に突出し、更に先端部が上方に突出して形成された上下2つの鉤部413aが下皿係合部15aに引っ掛かって下皿ユニット15の開放を規制する。
下皿用鉤部材413の上端部には、前面側に突出するように折り曲げて形成された操作部413bが設けられており、指先等で下皿用鉤部材413を下方に押下できるようになっている。この下皿ユニット15の操作部413bは、常には前面枠14に覆われる位置に配置され、前面枠14を開放した場合にのみ露出して操作可能となる。
閉鎖状態の下皿ユニット13を開放する場合、まず、前面枠14を開放して下皿ユニット15の操作部413bを操作可能にする。その後、操作部413bをコイルバネの付勢力に抗して押下し、下皿用鉤部材413を下側へ移動すると、下皿ユニット15側に設けられる下皿係合部15aと下皿用鉤部材413の鉤部413aとの係合状態が解除され、下皿ユニット15を手前に引くだけで開放可能な解錠状態とすることができる。
次に、図44を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図44は、パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。主制御装置561には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU701が搭載されている。MPU701には、該MPU701により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM702と、そのROM702内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM703と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM703は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置612からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM703には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア703aが設けられている。
バックアップエリア703aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア703aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア703aへの書き込みはNMI割込処理(図56参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア703aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図49参照)において実行される。なお、MPU701のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路742からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU701へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置561のMPU701には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン704を介して入出力ポート705が接続されている。入出力ポート705には、後述するRAM消去スイッチ回路743、払出発射制御装置611、表示制御装置505や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出発射制御装置611は、払出モータ658aにより賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU711は、そのMPU711により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM712と、ワークメモリ等として使用されるRAM713とを備えている。
払出発射制御装置611のRAM713は、主制御装置561のRAM703と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置612からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM713には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア713aが設けられている。
また、払出発射制御装置611は、遊技者による操作ハンドル310の操作に従って球発射ユニット90(発射ソレノイド92および電磁石104)の発射制御を行うものであり、発射ソレノイドおよび電磁石104は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル310に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル310の回動量に対応して発射ソレノイド92が励磁され、操作ハンドル310の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
バックアップエリア713aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア713aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア713aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア713aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置561のMPU701と同様、MPU711のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路742から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU711へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出発射制御装置611のMPU711には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン714を介して入出力ポート715が接続されている。入出力ポート715には、RAM消去スイッチ回路743、主制御装置561、払出モータ658a、発射ソレノイド92、電磁石104などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置505は、第2図柄表示装置(LED)82における第2図柄(普通図柄)の変動表示と、第1図柄表示装置(LCD)81における第1図柄(特別図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置505は、MPU721と、ROM(プログラムROM)722と、ワークRAM723と、ビデオRAM724と、キャラクタROM725と、画像コントローラ726と、入力ポート727と、2つの出力ポート728,729と、バスライン730,731とを備えている。入力ポート727の入力側には主制御装置561の出力側が接続され、入力ポート727の出力側には、MPU721、ROM722、ワークRAM723、画像コントローラ726が接続されると共にバスライン729を介して出力ポート728が接続されている。出力ポート728の出力側には第2図柄表示装置82や、音声ランプ制御装置562が接続されている。また、画像コントローラ726にはバスライン731を介して出力ポート729が接続されており、その出力ポート729の出力側には第1図柄表示装置81が接続されている。
表示制御装置505のMPU721は、主制御装置561から送信される図柄表示用のコマンドに基づいて第1図柄表示装置81および第2図柄表示装置82の表示内容を制御する。ROM722は、MPU721により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM723は、MPU721による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM724は、第1図柄表示装置81に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM724の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置81の表示内容が変更される。キャラクタROM725は、第1図柄表示装置81に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ726は、MPU721、ビデオRAM724、出力ポート729のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM724に記憶される表示データを、キャラクタROM725から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置612は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部741と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路742と、RAM消去スイッチ623を有するRAM消去スイッチ回路743とを備えている。電源部741は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置561や払出発射制御装置611等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部741は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置561や払出発射制御装置611等に対して供給する。
停電監視回路742は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置561のMPU701及び払出発射制御装置611のMPU711の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路742は、電源部741から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置561及び払出発射制御装置611へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置561及び払出発射制御装置611は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部741は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置561及び払出発射制御装置611は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路743は、RAM消去スイッチ623が押下された場合に、主制御装置561及び払出発射制御装置611へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置561及び払出発射制御装置611は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア703a,713aのデータをクリアする。
ここで、図45および図46を参照して、第1図柄表示装置81に表示される第1図柄と、第1図柄表示装置81の表示内容とについて説明する。図45は、第1図柄を個々に示す図面であり、図46は、第1図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図46(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図46(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第1図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、図45(a)から図45(i)に示すように、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10においては、同一の主図柄が揃った場合に大当たりが発生するように構成されている。この場合、奇数番号が付加された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃って大当たりとなると、特別遊技状態に遷移して特定入賞口65aが所定時間にわたって所定回数開放し、さらにその後、高確率状態に移行する。一方、偶数番号が付加された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃って大当たりとなると、特別遊技状態に遷移するが、かかる場合には高確率状態には移行しない。ここで、高確率状態とは、第1図柄の組合せが予め定めた確率変動図柄の組合せとなって大当たりになり、付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
次に、第1図柄表示装置81の表示画面について説明する。図46(a)に示すように、第1図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第1図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第1図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第1図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第1図柄が表示される。従って、第1図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイドで電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
実際の表示画面では、図46(b)に示すように、主表示領域Dmに第1図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第1図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第1図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図47を参照してリーチ演出中において、遊技者によるキャラクタの選択操作について説明する。図47は、遊技者によりキャラクタの選択操作が行われる際の表示画面を例示した図である。
遊技者によるキャラクタの選択操作時においては、例えば図47に示すように、第1図柄表示装置81の表示画面には、その左側に「少年」のキャラクタが表示されると共に、その下に「1」の数字が表示される。これにより、パチンコ機10の前面に設けられて「1」の数字が付された上ボタン121(図1参照)を押下することにより、「少年」のキャラクタによる演出が行われることが示される。
また、第1図柄表示装置81の表示画面の右側には「少女」のキャラクタが表示されると共に、その下に「2」の数字が表示され、「2」の数字が付された下ボタン122(図1参照)を押下することにより、「少女」のキャラクタによる演出が行われることが示される。この選択操作は、左図柄列Z1と右図柄列Z3とがいずれかの有効ラインL1〜L5上で同一図柄で停止してリーチとなったときに限って表示され、その後の演出は、遊技者の操作によって選択できるようになっている。また、パチンコ機10におけるボタン121,122の位置が、選択操作を待機した状態中に常に表示画面に表示され、遊技に不慣れな遊技者にもボタン121,122の位置を判り易く且つ確実に示すようになっている。更に、表示画面の右下側には、選択操作の残り時間が表示されており、選択操作が無い場合には一定時間経過後に遊技が進行するようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置561内のMPU701は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や第1図柄表示装置81の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図48に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置81の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置81が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1図柄表示装置81の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。また、第2図柄表示装置82の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU701内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM703の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM703には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM703の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置81の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第1図柄表示装置81において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されているので、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM703の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0,1は前後外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=2〜21は前後外れ以外リーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=22〜238は完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、第1図柄表示装置81の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM703の保留球格納エリアに格納される。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置81による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左図柄列Z1、中図柄列Z2、右図柄列Z3の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列の各段には主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU701に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM703の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。
次に、図49から図56のフローチャートを参照して、主制御装置561内のMPU701により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU701の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図54は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置561のMPU701により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置561に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ623を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM703の該当するバッファ領域に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM703の該当するバッファ領域に格納する。その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
図55のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ524の検出情報により判別する(S701)。遊技球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701:Yes)、第1図柄表示装置81の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM703の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU701は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い第1図柄表示装置81による第1図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、第1図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM703の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する第1図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図56は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置561のMPU701により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置561の状態がRAM703のバックアップエリア703aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路742から主制御装置561内のMPU701のNMI端子に出力され、MPU701は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図56のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置561のROM702に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置561の処理が実行可能となるように電源部741から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM703のバックアップエリア703aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア703aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア703aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア703aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM703の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM703のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置611でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出発射制御装置611の状態がRAM713のバックアップエリア713aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出発射制御装置611の処理が実行可能となるように電源部741から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路742から払出発射制御装置611内のMPU711のNMI端子に出力され、MPU711は実行中の制御を中断して図56のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
図49は、主制御装置561内のMPU701により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置562、払出発射制御装置611等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。次いで、払出発射制御装置611に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM703のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置612に設けたRAM消去スイッチ623がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ623がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM703のバックアップエリア703aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア703aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM703の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM703の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ623を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ623が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM703の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM703の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM703の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ623がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM703のバックアップエリア703aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図50のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出発射制御装置611に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置81による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置505に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列Z1の停止図柄コマンド→中図柄列Z2の停止図柄コマンド→右図柄列Z3の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM703の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列Z1、中図柄列Z2及び右図柄列Z3の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図51を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列Z1の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、左図柄列Z1の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列Z1の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列Z2の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列Z2の外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列Z2の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列Z3の更新時期なので、右図柄列Z3の外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列Z1、中図柄列Z2及び右図柄列Z3の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組み合わせであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組み合わせであれば(S307:Yes)、更にそれが前後外れリーチであるか否かを判別する(S308)。前後外れリーチの組み合わせであれば(S308:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM703の前後外れリーチ図柄バッファに格納する(S309)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせであれば(S308:No)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM703の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する(S310)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組み合わせでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせはリーチ図柄以外の外れ図柄の組み合わせになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM703の完全外れ図柄バッファに格納する(S311)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CR更新処理(S203)の終了後は、図50の通常処理へ戻って、払出発射制御装置611より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、第1図柄表示装置81による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する(S205)。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、第1図柄変動処理の詳細は図52を参照して後述する。
第1図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御を実行する(S207)。簡単に説明すると、遊技球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2図柄乱数カウンタC4の値が取得されると共に第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。なお、図示は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図54に示すタイマ割込処理により更新される。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S209)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM703の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM703の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、S201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
次に、図52及び図53のフローチャートを参照して、第1図柄変動処理(S205)を説明する。第1図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に第1図柄表示装置81で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、第1図柄表示装置81による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、第1図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、第1図柄表示装置81の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図53を参照して後述する。
S402の処理において、第1図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。第1図柄の変動時間はその第1図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処理の実行をスキップする(S407:No)。一方、第1図柄の変動時間が経過すれば(S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(S408)、本処理を終了する。
次に、図53のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち、予め定められた特定図柄(本実施形態では、奇数番号の主図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(本実施形態では、偶数番号の主図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの第1図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM703のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)等、より細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけでパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行なう場合における変動パターンの設定でも同様である。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し(S504)、リーチ発生の場合には(S504:Yes)、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する(S505)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合(S505:Yes)、RAM703の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S506)。また、前後外れリーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S507)。このとき、S503の処理と同様に、RAM703のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
前後外れ以外リーチ発生の場合(S505:No)、RAM703の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S508)。また、前後外れ以外リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S509)。このとき、RAM703のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM703の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S510)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM703のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
次に、図57を参照して、払出発射制御装置611内のMPU711により実行される払出および発射の制御について説明する。図57は、払出発射制御装置611のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置561から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU711内のRAM713に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置612に設けたRAM消去スイッチ623が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ623がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM713のバックアップエリア713aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア713aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM713の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM713の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM713の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM713の初期値を設定する(S916)。その後、MPU711周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出発射制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ623が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU711周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM713のバックアップエリア713aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図58のフローチャートを参照して、払出発射制御処理を説明する。この払出発射制御処理は、払出発射制御装置611のメイン処理に続いて実行される。払出発射制御処理では、まず、主制御装置561からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。次に、操作ハンドルのタッチセンサと回動量の状態とを検出し、必要に応じて発射ソレノイド92と電磁石104とを励磁する発射制御処理を行う(S1002)。次いで、状態復帰スイッチ621をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿301の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿301の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出発射制御装置611に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図59に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図60に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ621をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ658aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ660の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出発射制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
次に、図59に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ658aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ658aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ658aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ658aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図58の払出発射制御処理に戻る。
また、払出モータ658aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ658aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ658aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図58の払出発射制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ658aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図58の払出発射制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図58の払出発射制御処理に戻る。
図60に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ658aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ658aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ658aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ658aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図58の払出発射制御処理に戻る。
また、払出モータ658aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ658aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ658aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図58の払出発射制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ658aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図58の払出発射制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図58の払出発射制御処理に戻る。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第1図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。遊技球が流下する遊技領域が一面側に形成されると共に遊技を構成する役物部材を有する遊技領域ユニットと、その遊技領域ユニットにおける前記遊技領域の反対面側に配設されて遊技の制御を行う制御手段と、前記遊技領域ユニットを着脱可能に支持する内枠と、前記遊技領域ユニットの前記一面側を開閉可能に構成された前面側部材とを備え、前記内枠に支持される遊技領域ユニットを交換して前記遊技領域にて行われる遊技内容を変更可能な遊技機において、前記前面側部材は、前記遊技領域ユニットの前記一面側に貫通して形成された貫通口を有するものであり、前記前面側部材に対して前記貫通口の配置位置に着脱可能に取り付けられると共に遊技者の接触操作を検出するものであって前記制御手段に電気的に接続される操作部材を備え、前記遊技領域ユニットは、前記遊技領域が形成される前記一面側に設けられると共に前記制御手段と電気的に接続されるコネクタを備え、そのコネクタを介して前記操作部材と前記制御手段とが電気的に接続されていることを特徴とすることを特徴とする遊技機1。
なお、請求項1記載の遊技機、遊技機1および後述する各遊技機における「遊技領域」とは、遊技球が自重により流下して遊技が行われる遊技機において、遊技球が複数の経路を経由しつつ一定範囲内で流下するように区画された領域であって複数の経路を形成するために釘や風車等に代表される障害部材が配設された領域をいう。また、「役物部材」とは、遊技領域ユニットに一体化されて遊技を構成する各種の部材をいうものであり、遊技領域に配設される各種部材(遊技球の流路を形成する釘、風車および入賞口、図柄等の識別情報や抽選結果等を表示する表示装置、電飾等の装飾用の装置)はもちろん、表示装置の表示内容や各種抽選等の遊技の制御を行う制御装置をも含む。更に、「別の遊技内容」としては、釘や風車、表示装置等の役物部材の配置が全く異なることにより行われる遊技内容であっても、表示装置に表示される内容のみが異なるように制御装置だけが異なり他の部分は完全に共通のものであっても良い。また、「前面側部材に対して貫通口の配置位置に着脱可能に取り付けられる」とは、前面側部材の貫通口の少なくとも一部を覆うようにして着脱可能に取り付けられることをいう。また、遊技領域ユニットは、上記実施形態における遊技盤16が該当するが、必ずしも板状の部材の一面側に役物部材としての表示装置等を取り付けて構成する必要はなく、遊技球が流下する形状に樹脂成形された起伏のある部材に表示装置等を取り付けて構成しても良い。
遊技機1において、前記前面側部材の貫通口は、前記遊技領域ユニットの前記一面側に重なる位置に貫通して形成されていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、貫通口は、遊技領域ユニットの一面側に重なる位置に貫通して形成されている。このため、遊技領域ユニットと貫通口とを近づけて配置することができ、貫通口の配置位置に取り付けられる操作部材と遊技領域ユニット側のコネクタとの電気的な接続をより簡易にすることができる。
遊技機1または2において、前記操作部材は、その少なくとも一部が前記遊技領域ユニットに重なって配置されていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、操作部材は、その少なくとも一部が遊技領域ユニットに重なって配置されているので、遊技者によって遊技中に注目される遊技領域に近づけて操作部材を配置することができる。よって、機種変更に伴う操作部材の変更を遊技者に判り易く示すことができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記遊技領域ユニットのコネクタと前記前面側部材の貫通口とは、共に前記前面側部材の開閉軸に近い側に設けられていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、遊技領域ユニットのコネクタと前面側部材の貫通口とが前面側部材の開閉軸に近い側に設けられているので、前面側部材の開閉時に貫通口とコネクタの距離が大きくは変化せず、遊技領域ユニットのコネクタと操作部材との配線を短く構成することができる。よって、配線の接続を簡易にすると共に、前面側部材の開閉に伴う配線のたるみを少なくして配線が部材間に挟まれて断線することを抑制することができる。
なお、遊技機4における開閉軸に近い側とは、前面側部材の中心より開閉軸に近い側を意味している。また、遊技機4において、遊技領域ユニットのコネクタと前面側部材の貫通口とは、共に前面側部材の開閉軸に近接して設けられる、または、他の構成部品が間に介在しないで前面側部材の開閉軸に隣接して設けられることが好適である。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記遊技領域ユニットは、前記一面側に前記遊技領域以外の非遊技領域が形成されるものであり、前記操作部材は、前記前面側部材に対して前記非遊技領域に重なる位置であって前記遊技領域の上下方向の中心より下側に取り付けられていることを特徴とする遊技機5。遊技機は、遊技領域の中心を遊技者の目線に近づけて配置されるものであり、遊技領域内に操作部材が配設されると手を視線の前まで上げてこなければならず、頻繁な入力操作は動作が大きく面倒である。また、遊技領域内に遊技者が手を伸ばすと、流下中の遊技球が視認しづらくなって好ましくない。更に遊技領域内に貫通口が形成され、そこに操作部材が配設されると、その分遊技領域内に配置する部材を少なくしたり、小さくしたりしなければならず、遊技領域のレイアウトが操作部材に制限される。
遊技機5によれば、操作部材は、前面側部材に対して非遊技領域における遊技領域の上下方向の中心より下側に取り付けられているので、遊技領域の上方まで手を持ち上げて操作部材を操作するより移動動作が少なくなって簡易なものとなる。よって、頻繁な入力操作であっても簡単に行うことができる。また、操作部材が非遊技領域に重なって取り付けられるため、遊技領域内を流下中の遊技球が入力操作により視認しづらくなることもなく遊技領域の視認性を良好に保つことができる。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記遊技領域ユニットの前記一面側に重なると共に、設置状態における下側左右の少なくとも一方側が中央側に近づくように弧状に切り欠いて形成された透明又は半透明な透明部材を備え、前記貫通口は、前記透明部材が切り欠かれた部位に重なる位置に貫通して形成されていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、貫通口は、透明部材が切り欠かれた部位に重なる位置に貫通して形成されているので、透明部材に重ならない位置に貫通口が配置される。このため、貫通口を形成しても透明部材には穴を設ける必要がなく、破損しやすかったり穴の加工コストが高価なガラス等の材料で透明部材を形成しても、その強度を高く維持したり低コストで透明部材を製造することができる。
また、透明部材が切り欠かれた部位に重なる位置に貫通口が形成されているので、透明部材の最大幅および上下幅を広く設定しつつ、左右いずれかの端より内側であって透明部材の下端より上側に貫通口を配置することができる。このため、遊技領域ユニット側のコネクタと操作部材との配線経路を短くするために、わざわざ透明部材の下側に大きく突出するように遊技領域ユニットを拡張する必要は無く、透明部材を介して視認可能とされる下端位置に遊技領域ユニットの下端を近づけつつ、遊技領域ユニットのコネクタと貫通口とを近づけて配置することができる。よって、遊技領域ユニットと操作部材との距離を近づけて配線を短くしつつ、遊技領域ユニットを小型に形成することができ、遊技領域ユニットの下側に配置される部品のレイアウト自由度を高めることができる。
なお、遊技機6における透明部材が少なくとも2枚の板ガラスで構成される場合に、その板ガラスの間に介在して2枚の板ガラスを平行に支持しつつ一体化するフレーム部材を備えることが好ましい。板ガラスを弧状に切り欠いた場合、矩形状の板ガラスより方向性が生じて板ガラスの取り付けが困難となり易く、複数の板ガラスを別々に取り付けるのは面倒なものとなってしまう。2枚の板ガラスをフレーム部材で一体化される場合には、予め一体化された板ガラスのユニットを1回だけ方向を合わせて取り付ければ良いので、板ガラスの取り付け作業が単純になる。このため、遊技機6のように、一部分が弧状に切り欠かれた透明部材で矩形状より位置あわせが困難な場合にも取り付け作業を簡易にすることができる。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技領域は、その下側における左右両側を弧状に切り欠いた形状に形成され、前記遊技領域ユニットは、前記遊技領域の下側における左右の一方側に証紙やシールを貼着する貼着スペースが形成されるものであり、前記貫通口は、前記遊技領域の下側における前記貼着スペースの反対側に形成されていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技領域の下側における左右両側に貼着スペースと、貫通口とがそれぞれ設けられる。よって、遊技領域の下側における左右両側を弧状に形成した場合にその左右両側のスペースを有効に活用して他の部品のレイアウト自由度を高めることができる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記前面側部材は、前記遊技領域ユニットの前記一面側に重なりつつ前記遊技領域の少なくとも一部を視認可能に構成された前面枠であることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、前面側部材は、遊技領域ユニットの一面側に重なりつつ遊技領域の少なくとも一部を視認可能に構成された前面枠であるので、遊技領域ユニットのコネクタと、貫通口の配置位置に取り付けられる操作部材とを近づけて配置することができる。よって、遊技領域ユニットと操作部材との間の配線を短くして配線の接続を簡易にしたり、配線のたるみによる断線を抑制することができる。
遊技機8において、前記前面枠は、前記貫通口を囲いつつ前記遊技領域ユニット側に突出する筒形の第1仕切部を備えていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、貫通して形成された貫通口は、遊技領域ユニット側にて第1仕切部に囲われるので、貫通口内へ薄板状の工具(いわゆるセル)等を差し込んでも第1仕切部でその進行を妨害することができ、不正行為に対する防犯性を高めることができる。
遊技機9において、前記前面枠は、前記第1仕切部の前記遊技領域ユニット側端部が当該遊技領域ユニットの重なる方向に沿って移動するように弾性変形可能な第1弾性部を備え、前記第1仕切部は、前記前面枠が前記遊技領域ユニットに対して閉鎖された状態で少なくとも前記遊技領域ユニットに当接する長さに突出して形成されていることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、前面枠に設けられる第1仕切部は、前面枠が遊技領域ユニットに対して閉鎖された状態で少なくとも遊技領域ユニットの一面に当接する長さに突出して形成されている。よって、第1仕切部と遊技領域ユニットとが密着した状態となり、貫通口内へセル等を差し込んでも第1仕切部でその進行を妨害することができ、不正行為に対する防犯性を一層高めることができる。
また、第1弾性部は、第1仕切部の遊技領域ユニット側端部が当該遊技領域ユニットの重なる方向に沿って移動するように弾性変形するので、第1仕切部と遊技領域ユニットとが密着した状態となると、第1弾性部が弾性変形して第1仕切部の遊技領域ユニット側端部が遊技領域ユニットによって押し戻される。よって、第1仕切部や第1仕切部に当接する遊技領域ユニットなどに無理に負荷がかかって破損することを防止することができ、第1仕切部と遊技領域ユニットとの密着状態を安全にかつ確実に形成して防犯性を高めることができる。
なお、遊技機10における第1弾性部は、第1仕切部を含めて少なくとも前面枠を形成する部材(前面枠ベース)より弾性が低く可撓性の高い材料で形成しても良く、第1仕切部と前面枠との間を繋ぐ部位を蛇腹状に屈曲させて弾性変形が生じ易いように形成しても良く、第1仕切部と前面枠とを別部材で形成すると共にそれらの間に介在して第1仕切部を遊技領域ユニット側へ付勢する弾性体であっても良い。ここで、「弾性体」とは、当接する相手部品に対して弾性変形による付勢力を付与する周知の種々のものを意味しており、例えば、コイルバネに代表される弾性を有する形状に形成されたものであっても、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材料で形成されたものであっても良い。
遊技機8から10のいずれかにおいて、前記遊技領域ユニットには、前記貫通口を囲いつつ前記前面枠側に突出する筒形の第2仕切部を備えていることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、貫通して形成された貫通口は、遊技領域ユニット側にて第2仕切部に囲われるので、貫通口内へセル等を差し込んでも第2仕切部でその進行を妨害することができ、不正行為に対する防犯性を高めることができる。
遊技機11において、前記遊技領域ユニットは、前記第2仕切部の前記前面枠側端部が当該前面枠の重なる方向に沿って移動するように弾性変形可能な第2弾性部を備え、前記第2仕切部は、前記前面枠が前記遊技領域ユニットに対して閉鎖された状態で少なくとも前記前面枠に当接する長さに突出して形成されていることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、第2仕切部は、前面枠が遊技領域ユニットに対して閉鎖された状態で少なくとも前面枠に当接する長さに突出して形成されている。よって、第2仕切部と前面枠とが密着した状態となり、貫通口内へセル等を差し込んでも第2仕切部でその進行を妨害することができ、不正行為に対する防犯性を一層高めることができる。
また、第2弾性部は、第2仕切部の前面枠側端部が当該前面枠の重なる方向に沿って移動するように弾性変形するので、第2仕切部と前面枠とが密着した状態となると、第2弾性部が変形して第2仕切部の前面枠側端部が前面枠によって遊技領域ユニット側に押し戻される。よって、第2仕切部や第2仕切部に当接する前面枠などに無理に負荷がかかって破損することを防止することができ、第2仕切部と前面枠との密着状態を安全にかつ確実に形成して防犯性を高めることができる。
遊技機8から12のいずれかにおいて、前記前面枠と前記遊技領域ユニットとの少なくとも一方は、互いに当接または近接するように突出して前記貫通口を囲う筒状の領域を形成するものであり、前記前面枠と前記遊技領域ユニットとが当接または近接する連結部の一方は、前記貫通口を囲いつつ前記遊技領域ユニット側に突出する凸状に形成され、前記連結部の他方は、前記凸状の先端部分が間に介在する凹状に形成されていることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、前面枠と遊技領域ユニットとが当接または近接する連結部は、一方側の凸状の先端部分が凹状に形成された部位の間に介在するので、連結部の隙間はクランク状に屈曲して形成される。よって、貫通口を使って遊技領域ユニットと前面枠との連結部の隙間へセル等を差し込んでも、屈曲した隙間を挿通させることは困難であり、セル等の進行を妨害して不正行為に対する防犯性を高めることができる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機14。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、所定の遊技価値が付与される時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。 遊技盤の正面図である。 (a)は、外枠の斜視図であり、(b)は外枠の受け金具周辺を拡大して示した斜視図である。 前面枠および下皿セットを取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。 球発射ユニットの正面図である。 球発射ユニットの斜視図である。 球発射ユニットの分解斜視図である。 開閉部材を開放した状態における球発射ユニットの斜視図である。 球送り機構の内部構成を示した球発射ユニットの斜視図である。 (a)は前面枠の背面図であり、(b)は図11(a)のR−R線における断面図である。 球発射ユニットへ遊技球を送出する上皿の出口部を断面視して示した図である。 図1のSz−Sz線におけるスイッチユニット周辺の断面図である。 貫通口用内蓋を有する遊技盤の取付状態を示す断面図である。 (a)はキャップの前面側斜視図、(b)はその背面側斜視図であり、(c)はキャップの取付状態を示す断面図である。 第2の実施形態のパチンコ機における前面枠の貫通口周辺を断面視して示した図である。 (a)は第3の実施形態のパチンコ機における前面枠の貫通口周辺を断面視して示した図であり、(b)第3の実施形態におけるパチンコ機のスイッチユニット周辺の断面図である。 ガラスユニット17の正面図である。 図18のSa−Sa線における断面図である。 図18のSb−Sb線における断面図である。 図18のSc−Sc線における断面図である。 図21の矢印V方向から見たガラスユニットの部分拡大図である。 下皿ユニットの正面図である。 下皿ユニットの背面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機背面の制御基板ユニットと裏パックユニットの構成を模式的に示した図である。 内枠に遊技盤を組み付けた状態を示す背面図である。 内枠を後方より見た斜視図である。 遊技盤を後方より見た斜視図である。 支持金具の斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの正面図である。 第2制御基板ユニットの斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 施錠ユニットの正面図である。 施錠ユニットの前面斜視図である。 施錠ユニットの背面斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 第1図柄を個々に示した図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 遊技者によりキャラクタの選択操作が行われる際の表示画面を例示した図である。 各種カウンタの概要を示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。 図50の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 図50の通常処理の中で実行される第1図柄変動処理を示したフローチャートである。 図52の第1図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図54のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 払出発射制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 払出発射制御装置内のMPUにより実行される払出発射制御処理を示したフローチャートである。 払出発射制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。 払出発射制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
符号の説明
10 パチンコ機(遊技機)
13 内枠
14 前面枠(前面側部材)
14d 貫通口
16 遊技盤(遊技領域ユニット)
120 スイッチユニット(操作部材)
131,132 コネクタ
561 主制御装置(制御手段の一部)
505 表示制御装置(制御手段の一部)

Claims (1)

  1. 遊技球が流下する遊技領域が一面側に形成されると共に遊技を構成する役物部材を有する遊技領域ユニットと、その遊技領域ユニットにおける前記遊技領域の反対面側に配設されて遊技の制御を行う制御手段と、前記遊技領域ユニットを着脱可能に支持する内枠と、前記遊技領域ユニットの前記一面側を開閉可能に構成された前面側部材とを備え、前記内枠に支持される遊技領域ユニットを交換して前記遊技領域にて行われる遊技内容を変更可能な遊技機において、
    前記前面側部材は、前記遊技領域ユニットの前記一面側に貫通して形成された貫通口を有するものであり、
    前記前面側部材に対して前記貫通口の配置位置に着脱可能に取り付けられると共に遊技者の接触操作を検出するものであって前記制御手段に電気的に接続される操作部材を備え、
    前記遊技領域ユニットは、前記遊技領域が形成される前記一面側に設けられると共に前記制御手段と電気的に接続されるコネクタを備え、そのコネクタを介して前記操作部材と前記制御手段とが電気的に接続されていることを特徴とする遊技機。
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