JP2005160425A - ソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 畜糞等の高濃度汚泥を処理するための高濃度汚泥処理装置を安価に建設しながら、耐久性を確保する。
【解決手段】 少なくとも周辺地盤との境界に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより下に位置する下部壁体1(1、2)と、下部壁体1(1、2)に囲まれた領域の、下部壁体1(1、2)の下端の深度より浅い深度に構築される底盤3と、下部壁体1(1、2)の頂部上に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより上に位置する上部壁体4から高濃度汚泥処理装置5を構成し、下部壁体1(1、2)を、原地盤を掘削しながら掘削土とセメント、もしくはセメントを含むセメント系材料又はセメント系固化材を攪拌混合して構築したソイルセメント壁体で形成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は畜産施設から排出される畜糞等の高濃度汚泥を処理するために使用される、ソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置に関するものである。
豚舎や牛舎等の畜産施設から排出される畜糞等の高濃度汚泥は現在、環境に負荷を与える存在として広く認知されており、その対策が喫緊の課題となっている。畜糞が肥料等の有用物としてリサイクル使用される量は僅かであり、大半は汚泥処理による減量化を必要としている。
畜糞等の高濃度汚泥の処理は一般に、図11に示すような微生物を繁殖させた複数の処理槽を通過させる活性汚泥法により汚泥体積の縮減を図る形で行われている(特許文献1参照)。残滓はコンポスト化され、再利用されることもあるが、汚泥が残存することもある。
図11に示す従来の畜糞処理システムでは豚舎や牛舎等から排出される汚泥を一旦集積タンクに集積した後、それから一次汚泥処理槽へ移送し、上記活性汚泥法により第1次処理槽から数次の処理槽を経ることにより高濃度汚泥の処理が行われる。この汚泥処理装置は従来、鉄筋コンクリート造で地下に構築される(特許文献2参照)。
特開平7-327535号公報 特開平7-8991号公報
前記鉄筋コンクリート造の汚泥処理装置の建設には高額のコストが掛かる上、運転とメインテナンスにも多大な経費を要するが、実際に畜糞等を排出する畜産農家は零細であることが多いため、個々の畜産農家が汚泥処理装置の建設費を捻出することは困難な状況にある。
図12−(a)〜(f)に鉄筋コンクリート造で汚泥処理装置を建設する場合の一般的な工程を示す。
浄化槽建設地においてはまず掘削が行われる。この際、地下水位が低く、掘削面が自立するような良好な地盤の場合には(a)に示すように掘削面に法(傾斜)を付けてオープンで掘削することで、山留めを要することなく掘削することができるため、掘削工事費が比較的安価で済むが、地下水位が高いか、軟弱な地盤の場合には山留め工が不可欠になるため、高額となる。
掘削後、掘削底面において(b)に示すように敷き砂利を施して捨てコンクリートを打設し、(c)に示すように鉄筋の配筋、型枠の組み立てを行い、(d)に示すように型枠を補強した状態で生コンクリートを打設し、(e)に示すようにコンクリートが所定の強度を発現した後に型枠を脱型し、(f)に示すように掘削面と汚泥処理槽との間に土砂を埋め戻して汚泥処理装置の建設が終了する。
このように汚泥処理装置を鉄筋コンクリート造で建設する場合には、山留めを伴う掘削工事を必要とする場合が多く、掘削工事費が高額となることに加え、浄化槽の壁体を鉄筋コンクリートで形成するために配筋工、型枠工、コンクリート打設等の多数の工程を必要とするため、汚泥処理装置本体の建設費も高額となる。
この発明は上記背景より、鉄筋コンクリート造より安価に建設できる汚泥処理装置を提案するものである。
本発明では汚泥処理装置の多くの部分を占める壁体を、山留め壁を兼ね得るソイルセメントで構築することにより、鉄筋コンクリート造で構築する場合の山留め壁の施工を不要にすると共に、材料費を低減し、汚泥処理装置を安価に建設することを可能にする。
ここで、ソイルセメントを汚泥処理装置の壁体に使用する上では、ソイルセメントが大気中においてひび割れを発生し易いことと、風化作用により短期間に劣化し易い性質を有していることの弱点を克服する必要がある。
ソイルセメントは原地盤の土壌を材料とするため、硬化後はモルタルやコンクリートに比べて含水比が高く、コンクリートに比べて組織がポーラスになり易い。従って大気中に曝されると水分が蒸発し易く、乾燥収縮量が大きくなるため、大気中に構造物を曝すとひび割れが発生し易い。また乾燥収縮と雨水による乾湿を繰り返すことによるひび割れの成長、亀甲亀裂の進行等の劣化が生じ易く、組織がポーラスであることに起因して炭酸化現象も進行し易く、劣化の進行が早まる傾向が強い。
そこで、本発明では少なくとも周辺地盤との境界に構築され、ソイルセメントからなる下部壁体の頂部を周辺地盤のレベルよりに下に位置させることによりソイルセメントを大気中と雨水に曝すことを回避し、ソイルセメントの劣化の進行を抑制して耐久性を向上させ、長期に亘ってソイルセメントの強度を維持することを可能にする。
下部壁体は高濃度汚泥処理装置自体を周辺地盤から区画し、周辺地盤との境界に構築される外周壁のみからなる場合と、請求項2に記載のように外周壁と、その外周壁で囲まれた領域を複数の領域に区画する隔壁から構成される場合がある。請求項2の場合は外周壁と隔壁が共に、頂部が周辺地盤のレベルより下に位置する下部壁体となる。
下部壁体の頂部を周辺地盤のレベルよりに下に位置させることに伴い、下部壁体の頂部上に、頂部が周辺地盤のレベルより上に位置する上部壁体をソイルセメント以外の、例えば鉄筋コンクリートやコンクリートブロック等のひび割れと劣化が問題にならない材料で構築することにより、周辺地盤から下部壁体天端へ直接雨水が流入することを阻止し、下部壁体頂部の耐久性を向上させ、下部壁体頂部が大気や雨水に触れることによるひび割れの成長と劣化の進行を抑制する。
特に請求項3に記載のように下部壁体の頂部と上部壁体との間に均しコンクリート、もしくは笠コンクリートを打設すれば、ソイルセメント壁体である下部壁体天端への大気や雨水の接触をほぼ完全に防止することができるため、下部壁体頂部の耐久性を一層向上させることが可能になる。
また請求項4に記載のように例えば汚泥処理装置に対して汚水や汚泥の漏出を防止する処理を施す等により汚泥処理装置自体を、汚泥処理装置中の汚泥水位が下部壁体頂部のレベルより上に位置する状態を保ち得る構造にすれば、汚泥処理装置の使用状態で下部壁体頂部に大気や雨水が接触することが防止され、下部壁体頂部の耐久性がより向上する。
下部壁体を構成するソイルセメント壁体は図3に示すように掘削翼16と攪拌翼17を持つ掘削ロッド15の回転を伴う掘進と引き上げにより構築されるソイルセメント柱を互いに重複させて形成する深層混合処理工法(請求項7)により、または図6に示すようにカッターポスト18の回りに循環自在に装着された、切削刃20を有する無端チェーン19の循環を伴うカッターポスト18の横行により構築されるソイルセメントから連続的に形成する方法(請求項8)により構築されるが、材料として原地盤の土壌を用いることで、鉄筋コンクリート造との対比で材料費の削減が図られる上、少なくとも下部壁体構築時の配筋工事と型枠工事が不要になることで、建設費の大幅な低減も図られる。
上記した深層混合処理工法(請求項7)により構築されるソイルセメント柱と、カッターポスト18の横行(請求項8)により構築されるソイルセメントはいずれも原地盤を掘削しながら、掘削土とセメント、もしくはセメントを含むセメント系材料又はセメント系固化材を攪拌混合して構築される。
汚泥処理装置は、少なくとも周辺地盤との境界に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより下に位置する下部壁体と、下部壁体に囲まれた領域の、下部壁体の下端の深度より浅い深度に構築される底盤と、下部壁体の頂部上に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより上に位置する上部壁体から構成され、下部壁体は原地盤を掘削しながら掘削土とセメント、もしくはセメントを含むセメント系材料又はセメント系固化材を攪拌混合して構築されたソイルセメント壁体として構築される。セメントや固化材はスラリー状態で使用されるのが一般的であるが、粉体のままでも使用される。
下部壁体は汚泥処理装置を周辺地盤から区画するように少なくとも汚泥処理装置の外周部に構築されるが、汚泥処理装置の内部を複数の槽に区分するための隔壁としても同様に構築されることがある。
底盤には汚泥や汚水が汚泥処理装置の外部へ漏出することを防止し、上記のように汚泥処理装置自体を、汚泥水位が下部壁体頂部のレベルより上に位置する状態を保ち得る構造にするために、請求項5に記載のようにジオメンブレンが配置される。この場合、通常ならば、掘削底面上に打設される捨てコンクリート上にジオメンブレンを敷設し、その上に底盤としての無筋コンクリートや鉄筋コンクリートを打設することが行われるが、コストを抑制する上では掘削底面上に直接ゴムシートのような地盤変形に追従できるジオメンブレンを敷設し、その上にセメントミルクを流し込み、セルフレベリング法で打設することが好ましい。
底盤の下には底盤下の地盤の支持力が不足する場合に備え、請求項6に記載のように必要により底盤を支持するソイルセメント柱が構築され、底盤の沈下や変形に起因する汚泥の漏出が回避される。
ソイルセメントの壁体中には曲げ強度及びせん断強度を増すために、ソイルセメント壁体の施工後、その硬化前に鉄筋、鉄筋籠、形鋼、鋼矢板等の芯材が必要により挿入される(請求項9、請求項10)。
少なくとも周辺地盤との境界に構築され、汚泥処理装置の多くの部分を占める下部壁体を、山留め壁を兼ね得るソイルセメントで構築するため、鉄筋コンクリート造で構築する場合より材料費の削減が図られる上、鉄筋コンクリート造で構築する場合の山留め壁の施工と配筋工事及び型枠工事が不要になるため、建設費の大幅な低減も図られ、汚泥処理装置を安価に建設することができる。
また下部壁体の頂部を周辺地盤のレベルよりに下に位置させることで、ソイルセメントを大気中と雨水に曝すことを回避するため、ソイルセメントの劣化の進行を抑制して耐久性を向上させ、長期に亘ってソイルセメントの強度を維持することができる。
その上、ソイルセメント壁体である下部壁体の頂部上に、頂部が周辺地盤のレベルより上に位置する上部壁体を構築することで、周辺地盤から下部壁体天端へ直接雨水が流入することを阻止するため、下部壁体頂部の耐久性を向上させ、下部壁体頂部が大気や雨水に触れることによるひび割れの成長と劣化の進行を抑制することができる。
請求項3では下部壁体の頂部と上部壁体との間に均しコンクリート、もしくは笠コンクリートを打設することで、下部壁体天端への大気や雨水の接触を完全に防止することができるため、下部壁体頂部の耐久性を一層向上させることができる。
請求項4では汚泥処理装置自体を汚泥処理装置中の汚泥水位が下部壁体頂部のレベルより上に位置する状態を保ち得る構造にするため、汚泥処理装置の使用状態で下部壁体頂部に大気や雨水が接触することが防止され、下部壁体頂部の耐久性がより向上する。
請求項5では底盤にジオメンブレンを配置するため、汚水や汚泥が汚泥処理装置の外部へ漏出することを防止できる。
請求項6では底盤の下に底盤を支持するソイルセメント柱を構築するため、底盤下の地盤の支持力不足を補うことができ、底盤の沈下や変形に起因する汚水や汚泥の漏出を回避できる。
請求項9、請求項10ではソイルセメント壁体である下部壁体中に芯材を挿入するため、ソイルセメント壁体の曲げ強度及びせん断強度を増すことができる。
この発明は図1、図2に示すように少なくとも周辺地盤との境界に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより下に位置する下部壁体1(1、2)と、下部壁体1(1、2)に囲まれた領域の、下部壁体1(1、2)の下端の深度より浅い深度に構築される底盤3と、下部壁体1(1、2)の頂部上に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより上に位置する上部壁体4から構成され、下部壁体1(1、2)が原地盤を掘削しながら掘削土とセメント、もしくはセメントを含むセメント系材料又はセメント系固化材を攪拌混合して構築されたソイルセメント壁体であるソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置である。
高濃度汚泥処理装置5を構成する下部壁体1(1、2)はその内部が単一の汚泥処理槽のみの場合には下部壁体1は外周に位置する外周壁のみとなり、図1、図2に示すように複数の汚泥処理槽に区分される場合には外周に位置する外周壁と、その外周壁で囲まれた領域を複数の領域(汚泥処理槽)に区画する隔壁とがある。以下では外周壁を下部壁体1、隔壁を下部壁体2と言う。
図3に示すような掘削翼16と攪拌翼17を持つ掘削ロッド15の回転を伴う掘進と引き上げにより構築されるソイルセメント柱1a、2aを互いに重複させる方法(深層混合処理工法)により下部壁体1、2を形成する方法を説明する。掘削ロッド15を含めた掘削攪拌装置には図示するような単軸機や多軸機が使用される。
初めに図4−(a),(b)に示すように1方向に付き、所定深度のソイルセメント柱1a、2aを互いに重複させた状態に構築し、ソイルセメント柱列壁、すなわち下部壁体(外周壁)1、及び下部壁体(隔壁)2を構築する。
ソイルセメント柱1a、2aの外径は60〜120cmが一般的であるが、下部壁体1、2の壁厚はその遮水性を考慮してソイルセメント柱1a、2aの重複部分の幅で決まるため、外径はこの重複部分の幅から決められる。下部壁体1、2の長さ方向の、重複部分の長さは5〜30cmが適当であるが、下部壁体1、2の内部に貯留する汚泥の遮水性の面からは10cm以上がよく、経済性の面からは20cm程度以下が好ましい。
高濃度汚泥処理装置5の深さは通常、2〜3m程度であるため、ソイルセメント柱1a、2aはそれより深い深度まで構築される。建設地の地盤条件によって異なるが、下部壁体(外周壁)1は山留め壁を兼ねることから、その深さは図5−(a)に示す側圧に十分に耐えるように決められるが、図2に二点鎖線で示すように高濃度汚泥処理装置5の深さより1〜3m程度深くまで構築される場合が多い。図2の実線は下部壁体1の下端の深度が高濃度汚泥処理装置5の下端に位置する、後述のソイルセメント柱6の下端の深度に一致した場合を示している。
外周壁となるソイルセメント柱列壁(下部壁体1)は図5−(a)に示すように自立山留め壁となるため、側圧による曲げモーメントを負担する必要があるが、無筋のソイルセメント柱列壁ではその曲げモーメントに抵抗することができない場合には(b)に示すようにソイルセメント柱1aの内部にH形鋼1b等の形鋼、あるいは(c)に示すように鉄筋や鉄筋籠1c等の鋼材製の芯材が挿入される。芯材としてのシートパイルを互いに係合させながら挿入すれば、下部壁体1での遮水性を高める効果がある。コストの大幅な削減を図るためには鉄筋に代えて竹を使用することも可能である。
図5−(b)、(c)では芯材としてのH形鋼1bと鉄筋籠1cの図心をソイルセメント柱1aの中心に合致させているが、使用状態では下部壁体1の片面側の引張応力が大きくなるため、その引張応力側に芯材の図心を寄せて配置することが合理的である。図5−(b) 、(c)ではまた、各ソイルセメント柱1a内に芯材を挿入しているが、1本の、または2本のソイルセメント柱1aを飛ばして挿入することもある。
隔壁となるソイルセメント柱列壁(下部壁体2)も外周壁となるソイルセメント柱列壁(下部壁体1)と同様に施工されるが、隔壁には外周壁が受けるような曲げモーメントは実質的に問題にならないため、芯材の挿入を省略することも可能であり、外周壁より簡略化された形で構築される。
上記の外周壁(下部壁体1)と隔壁(下部壁体2)とで囲まれた領域は下部壁体1、2の構築後に掘削され、底盤3が構築されることにより汚泥処理槽となるが、底盤3下の地盤の支持力が不足する場合には支持力の増大を図るために、底盤3の構築に先立ち、図1、図2に示すように底盤3の下にそれを支持するソイルセメント柱6が構築される。図1、図2ではソイルセメント柱6を重複させてソイルセメント柱列壁を形成しているが、支持力の増大が目的であるため、必ずしもその必要はなく、部分的にソイルセメント柱6を構築することもある。但し、図5−(a)に示す受働土圧を増大させる目的があるときは、図2に示すソイルセメント柱6のように重複させた方がよい。
以上の外周壁の下部壁体1と隔壁の下部壁体2の構築後、ソイルセメントが強度を発現するまでこれを養生させた後、下部壁体1と下部壁体2に囲まれた領域の地盤をバックホウ等の掘削機を利用して、または人力で掘削し、汚泥処理槽となる空間を形成する。このとき、外周壁の下部壁体1は山留め壁を兼ねているため、格別な山留め対策を講ずることなく、掘削を遂行することができる。
底盤3からの、または底盤3と下部壁体1、2との間からの汚水や汚泥の滲出は環境破壊につながるため、図7−(a)、(b)に示すように底盤3においては汚水や汚泥の滲出防止対策が施される。ここでは底盤3を無筋コンクリート、または鉄筋コンクリート造で構築しているが、底盤3の下にゴムシートやビニルシートのような伸縮自在で、地盤の変形に追従できるジオメンブレン7を敷設すると共に、図8に示すようにジオメンブレン7と下部壁体1、2との境界の目地にコーキング8等の遮水処理を施した上で、底盤3のコンクリートを打設することによりジオメンブレン7の保護を図りながら、底盤3部分の遮水を図っている。
底盤3部分の遮水性を優先させれば、図7−(a)に示すように割栗石9上に打設された捨てコンクリート10の上にジオメンブレン7を敷設し、その上にコンクリートや鉄筋コンクリートを打設する、という要領で底盤3の施工を行うことが好ましいが、コストを抑える上では(b)に示すように掘削した根切り底の上に直接地盤の変形に追従できるジオメンブレン7を敷設し、その上にセメントミルクを流し込むセルフレベリング法が適当である。その場合もジオメンブレン7と下部壁体1、2との境界の目地にコーキング8等の遮水処理が施されれば、遮水性がより確実に向上する。
下部壁体1、2の汚泥処理槽側の面は汚泥に浸されることで、大気に触れることがなく、また汚泥はアルカリ性であることで、中性化による耐久性低下の問題は生じないが、定期点検等で一時的に汚泥を排出することがあるときに備え、または耐久性向上のために下部壁体1、2の表面にモルタルを吹き付ける、あるいは樹脂被覆等の保護材を塗布することが有効である。
下部壁体(外周壁)1と下部壁体(隔壁)2は図2、図9、図10に示すように大気への曝露を避けるために頂部が周辺地盤のレベルよりに下に位置するように構築され、下部壁体1の頂部上には周辺地盤からの汚泥処理槽への雨水の流入を阻止するための上部壁体4が、下部壁体2の頂部上には隣接する汚泥処理槽からの汚泥の流入を阻止するための上部壁体4がそれぞれ構築される。上部壁体4の頂部は周辺地盤のレベルより上に位置する。
下部壁体2上の上部壁体4は隣接する汚泥処理槽内の汚泥の隔離を確実にする役目を持ち、下部壁体2上の上部壁体4の頂部のレベルは図2に示すように汚泥処理槽内の汚泥水位が常時、下部壁体2の天端のレベルより高くなることと、隣接する各汚泥処理槽内の汚泥水位が相違することがあることを考慮して決められる。
上部壁体4は主に鉄筋コンクリートやコンクリートブロックで構築される。コンクリートブロックの場合は図9に示すように下部壁体1、2の天端を成形し、均しコンクリート11を敷設した後に構築される。鉄筋コンクリートの場合も同様に均しコンクリート11を敷設した後に構築されるが、省略することもできる。下部壁体1上の上部壁体4の天端のレベルは周辺地盤のレベルより20〜30cm程度上にあれば十分であるが、大雨時の安全性の面から、または落下防止のためにそれより高くすることもある。
下部壁体1、2の頂部は汚泥水位の変化により大気に曝されることがあることから、下部壁体1、2の天端を保護することにより頂部の耐久性を高め、風化による劣化を回避するために、下部壁体1、2の天端には図10−(a)、(b)に示すように下部壁体1、2の天端を完全に覆う笠コンクリート12を打設することがある。図10−(b)は特に下部壁体1、2中に挿入された芯材としての鉄筋籠1cを笠コンクリート12まで延長させ、下部壁体1、2と笠コンクリート12との一体性を高めた場合を示す。
下部壁体1、2頂部の施工後、汚泥処理槽内の汚泥に空気を送り込むエアレーション配管13と隣接する汚泥処理槽間の汚泥を移動させる堰14を設置し、高濃度汚泥処理装置5が完成する。
図1、図2は6槽の汚泥処理槽を持つ高濃度汚泥処理装置5の稼動時の様子を示す。高濃度汚泥処理装置5では第1槽に畜糞が投入され、畜糞はエアレーションされることにより汚泥処理槽内に予め投入されている、畜糞分解性能を有するバクテリア(微生物)により分解されながら、堰14を通じて順次、次の汚泥処理槽へ移動し、最終槽においてほとんど分解される。分解されずに残った残滓は沈殿させられて処分される。
高濃度汚泥処理装置の構成例を示した平面図である。 図1の縦断面図である。 掘削攪拌翼を持つ掘削ロッドによるソイルセメント柱の構築の様子を示した立面図である。 (a)はソイルセメント柱列壁を示した平面図、(b)は(a)の立面図である。 (a)は外周壁(下部壁体1)となるソイルセメント柱列壁を示した断面図、(b)は(a)の平面図である。 切削刃を有する無端チェーンの循環を伴う横行により構築されるソイルセメントから壁体を形成する様子を示した立面図である。 (a) 、(b)は下部壁体と底盤の取り合い部分の詳細例を示した断面図である。 図7− (a)の一部拡大図である。 下部壁体の天端上に均しコンクリートを敷設して上部壁体を構築した場合を示した立面図である。 下部壁体の天端上に笠コンクリートを打設して上部壁体を構築した場合を示した立面図である。 従来の畜糞等の高濃度汚泥の処理方法を示した立面図である。 (a)〜(f)は鉄筋コンクリートで汚泥処理槽を建設する場合の工程を示した立面図である。
符号の説明
1……下部壁体(外周壁)、1a……ソイルセメント柱、1b……H形鋼、1c……鉄筋籠、
2……下部壁体(隔壁)、2a……ソイルセメント柱、
3……底盤、4……上部壁体、5……高濃度汚泥処理装置、
6……ソイルセメント柱、7……ジオメンブレン、8……コーキング、
9……割栗石、10……捨てコンクリート、
11……均しコンクリート、12……笠コンクリート、
13……エアレーション配管、14……堰、
15……掘削ロッド、16……掘削翼、17……攪拌翼、
18……カッターポスト、19……無端チェーン、20……切削刃。

Claims (10)

  1. 少なくとも周辺地盤との境界に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより下に位置する下部壁体と、前記下部壁体に囲まれた領域の、前記下部壁体の下端の深度より浅い深度に構築される底盤と、前記下部壁体の頂部上に構築され、頂部が周辺地盤のレベルより上に位置する上部壁体から構成され、前記下部壁体は原地盤を掘削しながら掘削土とセメント、もしくはセメントを含むセメント系材料又はセメント系固化材を攪拌混合して構築されたソイルセメント壁体であるソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  2. 下部壁体は周辺地盤との境界に構築される外周壁と、その外周壁で囲まれた領域を複数の領域に区画する隔壁から構成される請求項1記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  3. 下部壁体の頂部と上部壁体との間に均しコンクリート、もしくは笠コンクリートが打設されている請求項1、もしくは請求項2記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  4. 汚泥処理槽中の汚泥水位が下部壁体の頂部のレベルより上に位置する状態を保ち得る構造とされている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  5. 底盤にジオメンブレンが敷設されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  6. 底盤の下に底盤を支持するソイルセメント柱が構築されている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  7. 下部壁体は掘削翼と攪拌翼を持つ掘削ロッドの回転を伴う掘進と引き上げにより構築されるソイルセメント柱を互いに重複させて形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  8. 下部壁体は切削刃を有する無端チェーンの循環を伴うカッターポストの横行により構築されるソイルセメントから連続的に形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  9. 下部壁体の内部に芯材が挿入されている請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
  10. 芯材は鋼材である請求項9記載のソイルセメント壁体を用いた高濃度汚泥処理装置。
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JP2012246730A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Toda Constr Co Ltd 山留め壁の構築方法
JP2016186172A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 株式会社大林組 安定液プラント設備

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