JP2005159599A - 調時システム - Google Patents

Abstract

【課題】 このように送信機と受信機との間で通信エラーが生じた場合であっても、受信機側で正確な時刻データを保有できようにする調時システムを提供する。
【解決手段】 受信機Ａは、送信機からの前記通信データを受信する受信部２、調時を行うすなわち制御部によって処理された通信データに基づいて前記調時データを入手し該調時データに基づいて時刻を設定する時計３を備えており、送信機Ｂはさらに、制御部において処理された前記通信データを送信する送信部５、通信データに対して前記所定の処理を行うように指示する送信ボタン６を備えている。送信機Ｂにはあらかじめ設定したい時刻がユーザーにより設定されており、送信ボタン６が押されることによって送信部５から通信データが送信される。受信機Ａにおいては受信部２により該送信機Ｂからの複数のパケットからなる調時データが受信され、制御部１により該調時データに所定の処理が行われ、時計３において時刻が設定される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、送信側からの調時データに基づき受信側の各種機器の内部時計の時刻を設定するシステムすなわち調時システムに関するものである。

従来の技術では、送信機は設定したい時刻データを送信しその後正秒データ（同期用のデータ）を送信するようになっており、受信機は送信機からの時刻データを受信し、その後正秒データを受信したタイミングでその都度調時を行うようになっていた。（例えば、特許文献１参照。）

特開平１１−２２５３５２号公報

このような従来の調時システムにおいては、時刻データを受信しその後正秒データを受信した場合に限って、調時を行うことが可能となる構成である。このため、正秒データの受信が適正にできないと調時が行うことができない。この場合とくにこの従来の調時システムで問題となるのは、送信機から受信機に対して送信される正秒データは単一のパケットでしか送信されないということである。すなわち、受信器が送信機から送られてきた正秒データを適正に受信することに失敗した場合には、受信器はその旨を送信機に連絡し、新たに送ってもらうか、次に時刻データが送信されるタイミングまで待たなければならないという事態が生じる。このため、受信機では、一度、送信機からの正秒データの適正な受信に失敗すると、次の所定の時刻データ送信のタイミングまであるいは、再送信の要求によって送信機から正秒データが送られてくるまで、受信機内では正確な時刻データを持たない時間が生じることとなる。このように送信機と受信機との間で通信エラーが生じた場合には、受信機側で正確な時刻データを保有できなくなる可能性が高いという問題があった。

本発明は上記問題を解決するために提供されるものであって、送信機から受信機に対して送信する調時データを複数パケットで構成するとともに、各パケットにデータ番号を付加するように構成している。

本発明の上記課題は、調時データを含む通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部において処理された前記通信データを送信する送信部とを備え、前記調時データが同一の時刻データを含む複数のパケットからなることを特徴とする送信機、及び、送信機からの通信データを受信する受信部と、該通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部によって処理された通信データに基づいて前記調時データを入手し該調時データに基づいて時刻を設定する時計とを備え、前記調時データが同一の時刻データを含む複数のパケットからなることを特徴とする受信機を提供することによって解消することができる。

また本発明の別の特徴によれば、調時データを含む通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部において処理された前記通信データを送信する送信部とを有する送信機と、前記送信機からの前記通信データを受信する受信部と、該通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部によって処理された通信データに基づいて前記調時データを入手し該調時データに基づいて時刻を設定する時計とを有する受信機とを備え、前記調時データが同一の時刻データを含む複数のパケットからなることを特徴とする調時システムが提供される。

この場合好ましくは、前記通信データに含まれる前記調時データの前記複数のパケットにはパケット毎に送信順序を特定する順序データが付与されており、前記受信機において前記順序データに基づいて受信したパケットの送信順序を特定し、これによって前記時計が時刻を設定するようになっている。

本発明によれば、調時データは複数のパケットからなるため通信の失敗により調時ができなくなる確率が減り、どのパケットを受信しても正確な時刻設定が可能となる。

以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図１を参照すると本発明に従う調時システムの１実施例が示されている。

本例の実施例にかかる調時システムＣは、受信機Ａ及び送信機Ｂを備えている。受信機Ａ及び送信機Ｂは、調時データを含む通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部１及び４をそれぞれ備えており、さらに、受信機Ａは、送信機からの前記通信データを受信する受信部２、調時を行うすなわち制御部によって処理された通信データに基づいて前記調時データを入手し該調時データに基づいて時刻を設定する時計３を備えており、送信機Ｂはさらに、制御部において処理された前記通信データを送信する送信部５、通信データに対して前記所定の処理を行うように指示する送信ボタン６を備えている。送信機Ｂにはあらかじめ設定したい時刻がユーザーにより設定されており、送信ボタン６が押されることによって送信部５から通信データが送信される。この通信データの中には本発明が着目する調時データが含まれている。この場合、調時データは所定の時間間隔で他の通信データと一緒に送信されるようになっている。受信機Ａにおいては受信部２により該送信機Ｂからの調時データが受信され、制御部１により該調時データに所定の処理が行われ、時計３において時刻が設定される、すなわち調時が行われる。

図２は上記通信データに含まれる調時データのデータフォーマットであり、それぞれの調時データはプリアンブル１１、スタートビット１２、パケットの順序を示すデータ番号１３、時刻データ１４及びパリティ１５部分を備えており、全体として１パケット長１６を有する。プリアンブル１１は同期をとるための信号であり、図２に示す例では、各パケット間にプリアンブル１１が付加されているが、必ずしもパケット間にプリアンブル１１を付加する必要はない。受信機Ａはプリアンブル１１で同期をとりスタートビット１２を受信することによって、次に続くデータがデータ番号１３、時刻データ１４、パリティ１５ということを認識することができるようになっている。

データ番号１３はパケットごとに例えばインクリメントされるように付されている。要するに、各パケットが特定できるように付されていればよい。受信機Ａはデータ番号１３で受信したデータが何番目あるいはどのパケットかを知ることができる。パリティ１５はスタートビット１２から時刻データ１４までの例えばＸＯＲをとった値であり、受信機Ａはパリティ１５により受信したパケットが正しいものかどうかの判断をする。

したがって、本例によれば、送信機Ｂは１回の調時データの送信で複数のパケットを送信するので、受信機は例えば１回目のパケットの受信に失敗しても２番目のパケットをパリティによってチェックした結果、適正に受信されていると判断した場合には、受信機Ａはその２番目のパケットのデータを時刻データとして採用する。さらに、２番目のパケットの受信が適正でないとされた場合には、さらに３番目のパケットをチェックするようになっており、適正なデータ受信が確認できるまでデータの確認を頒布受信のリトライが複数回可能になり、通信の失敗により時計への時刻設定ができなくなる可能性が減る。また、受信したパケットにはデータ番号が付加されているため、受信機は何番目のパケットを受信したかを知ることができ、時計への時刻設定で受信できたパケット以前に生ずる時間的誤差を補正することができ、正確な時計への時刻設定が可能となる。図３は調時データの送信時間の図である。送信機Ｂから送信が開始される時刻をＴ、プリアンブルの送信にかかる時間をｔ１、１パケットの送信にかかる時間をｔ２とし、受信機Ａが正しく受信できたパケットのデータ番号をｍとすると、制御部１はＴ＋（ｔ１＋ｔ２）×ｍの時刻を時計３に設定することで、時計３はユーザーが設定したい正確な時刻に設定されることになる。

他の実施例
上記の例では、電波による調時データ送受信について示したが、赤外線による送受信でも可能である。赤外線に上記説明した手順にしたがって上記調時データにかかる情報を乗せればよい。また、本発明は、通信形態が無線か有線かにかかわらず良好といえない通信環境でのデータ取得の失敗による再送要求を抑えて通信効率を上げることができる。

上記の例においては、特定の時刻データを含む調時データの送受信に基づいて、受信機側で正確な時刻を設定するものについて説明したが、必ずしも上記の形式の調時データによる必要はない。たとえば、時刻情報以外のデータを含んだパケットの送受信を行う送信機と受信機とからなるシステムであっても良い。具体的には、時系列に処理される音声や動画データ、株やオークション等の取引データ等を、時刻データを添えたパケットのかたちで送信し、受信側で時刻データに基づき時刻同期をとりつつリアルタイムで処理するシステムが挙げられる。上記実施例にて述べたように本発明はデータ取得の失敗による再送要求を抑えて通信効率を上げることができるので、本例では時系列データの処理効率を上げることが可能である。

さらにこれら送信機と受信機との間に中継機（送信機から受信したデータを受信機に送信する装置）を備えているシステムであっても良い。例えば、受信機が携帯電話等の小型機器をなすとすれば、アンテナ等の受信部に割くスペースも限られてその受信能力に限りがあり、それを補う中継機を設けることが適当で、また、送信機がネットワーク上にあり、受信機が携帯電話等のように利便性から無線通信が期待される小型機器をなすときにもそれ向けの中継機を設けることが適当である。このようなシステムにおいては、以下のようにして受信機側で正確な時刻を設定することができる。この場合、上記システムにおいては、１回の通信に同一のデータを含む複数パケットを送受信する。この方式のデータ通信においては、例えば、中継機は正しく受信したデータの順番を特定しその順序に基づいて、送信機から送られてくる残りのデータの通信時間を知ることができる。中継機において残りのパケットにかかるデータの長さに対応する時間が経過したとき、中継機が受信機にデータを送信するようにすれば、常に、最後のパケットのタイミングで受信機は当該データを受信することになるので、事実上当該データの受信タイミングに基づいて送信機側との同期タイミングを特定して時刻データを得るのと同じ効果となる。しかも、この場合には、中継器に十分な送受信能力をもたせることができ、受信機が受信ミスをする可能性が低くなるため通信の信頼性の低下も防止できる。さらに、上述のように本発明は通信効率を上げることができるので、送信機（または中継機）が複数の受信機からのデータ送信要求を時分割に処理する際の処理効率が向上する。特に送信機（または中継機）と複数の受信機との間で共通の周波数帯及び変調方式の通信により送受信を行う場合には、通信衝突が起こらないようにそれぞれの受信機との通信期間を割り当てる必要があり、また、所定回数の再送信要求を許容する場合では再送信要求を考慮して余裕をもって通信期間を割り当てる必要もあったが、本発明では再送信要求の頻度を抑えることができるのでその分それぞれの通信期間を短くできる点で有効である。

本発明に従う受信機及び送信機を備えた調時システムの概略図。 本発明に従う調時データのフォーマットの１例を示す説明図。 調時データとその送信時間との関係を示す説明図である。

符号の説明

Ｃ：調時システム
Ａ：受信機
Ｂ：送信機
１：制御部
２：受信部
３：時計
４：制御部
５：送信部
６：送信ボタン
１１：プリアンブル
１２：スタートビット
１３：データ番号
１４：時刻データ
１５：パリティ
１６：１パケット長

Claims (4)

1. 調時データを含む通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部において処理された前記通信データを送信する送信部とを備え、
   前記調時データが同一の時刻データを含む複数のパケットからなることを特徴とする送信機。
2. 送信機からの通信データを受信する受信部と、該通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部によって処理された通信データに基づいて前記調時データを入手し該調時データに基づいて時刻を設定する時計とを備え、前記調時データが同一の時刻データを含む複数のパケットからなることを特徴とする受信機。
3. 調時データを含む通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部において処理された前記通信データを送信する送信部とを有する送信機と、
   前記送信機からの前記通信データを受信する受信部と、該通信データに対して所定の処理を行うように制御される制御部と、該制御部によって処理された通信データに基づいて前記調時データを入手し該調時データに基づいて時刻を設定する時計とを有する受信機とを備え、
   前記調時データが同一の時刻データを含む複数のパケットからなることを特徴とする調時システム。
4. 前記通信データに含まれる前記調時データの前記複数のパケットにはパケット毎に送信順序を特定する順序データが付与されており、前記受信機において前記順序データに基づいて受信したパケットの送信順序を特定し、これによって前記時計が時刻を設定することを特徴とする請求項３に記載の調時システム。

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