JP2005158980A - Cvd装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高周波電力の送電ロスが少なく、且つ大径の同軸ケーブルを要しないCVD装置を開発する。
【解決手段】 一つの成膜室301に複数のRF電極302が内蔵され、成膜室301内の各RF電極302に対応する数の高周波電源303とマッチング回路305を備えている。高周波電源303とマッチング回路305はユニット化され、一つの筐体内に収納されている。RF電極302とユニット311は、一体化されており、これらを一体化したままの状態で、他の部材とは独立して成膜室301から抜き出すことができる。各ユニットに対する給電は、直流によって行われる。本発明のCVD装置は、高周波電力の送電距離が短いので、送電ロスが少なく、エネルギー効率が高い。また同軸ケーブルを要しないので、設備の製作コストも低い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition) 装置に関するものである。本発明のCVD装置は、太陽電池等の光電変換装置を製造する場合に好適である。
無尽蔵に降り注ぐ太陽エネルギーを使用して発電することができ、且つ排気ガスを排出することなくクリーンであり、さらに放射能を放出するといった危険がなく安全であることから、太陽電池が注目を集めている。
太陽電池は、ガラス基板(基体)の上に半導体層を積層したものであり、具体例としてガラス基板上にシリコン系のp層、i層及びn層を成膜して積層したものが知られている。
またこれらのシリコン系半導体層の成膜には、プラズマCVD法が活用されることが多い。
ここでプラズマCVD法とは、成膜室を高真空に減圧し、原料ガスを成膜室に供給した後、グロー放電等によって原料ガスを分解し、成膜室内に設置された基板上に薄膜を形成させる技術である。
プラズマCVD装置(以下 単にCVD装置)は、下記の特許文献に開示がある。
CVD装置は、基体を収納して成膜する成膜室を備え、この成膜室の中にグロー放電を発生させるためのRF電極(Radio Frequency 電極 高周波電極) や、基体を加熱するヒータが内蔵されている。
CVD装置では、前記した様に電極によってグロー放電を発生させるので、電極に対して高周波電力を供給する必要がある。そのためCVD装置には、高周波電源(RF電源)が付属する。また高周波電源が発生させる高周波電力を効率良く電極側に伝えるため、電源側と電極側の整合を図るマッチング回路が必要である。
前記した特許文献1の図1,2には、複数の独立した成膜室を備えたCVD装置が開示されており、各成膜室にはそれぞれ1基づつRF電極が内蔵されている。
また特許文献1の図1,2に開示されたCVD装置では、各成膜室に対応してそれぞれ1台ずつ、高周波電源とマッチング回路が設けられている。そして特許文献1の図1に開示されたCVD装置では、高周波電源は成膜室から離れた位置にあり、マッチング回路は成膜室に固定されている。
一方、特許文献2の図2,4には、一つの成膜室に複数のRF電極が内蔵されたCVD装置が開示されている。
特許文献2の図2,4に開示されたCVD装置では、成膜室内の各RF電極に対応する数の高周波電源とマッチング回路を備えている。そして特許文献2に開示されたCVD装置では、高周波電源及びマッチング回路は、いずれも成膜室から離れた位置にある。
特開昭60−63376号公報 特開昭60−202929号公報
特許文献1に開示されたCVD装置を概念図で表すと図22の通りである。
すなわち特許文献1に開示されたCVD装置100は、前記した様に、独立した複数の成膜室101を備え、各成膜室101にはそれぞれ1基づつRF電極102が内蔵され、各成膜室101に対応してそれぞれ1台ずつ、高周波電源103とマッチング回路105が設けられている。そして高周波電源103は成膜室101から離れた位置にあり、マッチング回路105は成膜室101に固定されている。
また特許文献2に開示されたCVD装置を概念図で表すと図23の通りである。
すなわち特許文献2に開示されたCVD装置200では、一つの成膜室201に複数のRF電極202が内蔵され、成膜室201内の各RF電極202に対応する数の高周波電源203とマッチング回路205を備えている。そして特許文献2に開示されたCVD装置200では、高周波電源203及びマッチング回路205は、いずれも成膜室201から離れた位置にある。
ところで直流や、商用電力の様な低周波の交流は、通常の電線や導板等によって送電される。しかし、CVD装置等で使用する様な高周波電力は、送電経路における浮遊容量(Stray Capacity) や配線のインダクタンス成分の影響が大きい。すなわち送電線の敷設状況や送電線の種類によって、負荷側へ供給される電力が大きく変動する。そのため、CVD装置で使用する高周波電力は、インピーダンス変動の少ない同軸ケーブルによって送電される。
すなわち通常の電線等で送電すると送電ロスが大きく、必要とする電力を負荷側に供給することができないので、CVD装置で使用する高周波電力は、同軸ケーブルによって送電される。また更に、送電経路を含む負荷側との整合をとるマッチング回路(整合回路)が必須となる。
従来技術のCVD装置100,200の説明に戻ると、特許文献1に開示されたCVD装置100では、高周波電源103からRF電極102に至る間(図22の矢印の範囲)が高周波電力が送電される領域である。また特許文献2に開示されたCVD装置200についても、高周波電源203からRF電極202に至る間(図23の矢印の範囲)が高周波電力が送電される領域である。したがってこれらの領域の送電には、同軸ケーブルを使用しなければならない。
しかしながら特許文献1に開示されたCVD装置100では、高周波電源103はマッチング回路105から離れた位置にあり、高周波電源103とマッチング回路105との距離が長い。そのため特許文献1に開示されたCVD装置100では、同軸ケーブルを使用してもこの間の送電ロスが大きい。
逆に送電ロスを少なくするためには大径の同軸ケーブルを使用する必要があり、送電ロスを更に減少させるためには、芯線と被覆線の間を真空に保った真空同軸ケーブルなどを使用しなければならないこともある。そのため設備コストが嵩む他、同軸ケーブルの敷設も困難である。
また特許文献2に開示されたCVD装置200では、マッチング回路205と成膜室201との距離が長く、この間の送電ロスが大きい。そして送電ロスを少なくするためには大径の同軸ケーブルを使用する必要があり、設備の製作費が高いものとなる。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、高周波電力の送電ロスが少なく、且つ大径の同軸ケーブルを要しないCVD装置を開発するものである。
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数の電極を内蔵する成膜室を備えた本体部と、前記電極に高周波電力を供給する高周波電源と、前記高周波電源側と前記電極側とのマッチングを図るマッチング回路を有し、成膜室内に複数の基体を配して前記基体に薄膜を成膜するCVD装置において、前記高周波電源とマッチング回路が本体部に対して一体的に取り付けられていることを特徴とするCVD装置である。
本発明のCVD装置では、高周波電源とマッチング回路が本体部に対して一体的に取り付けられている。そのため本発明のCVD装置では、高周波電力の送電の起点となる高周波電源から、終端たる電極に至るまでの距離が短い。したがって本発明のCVD装置は、高周波電力の送電ロスが小さい。
また請求項2に記載の発明は、複数の高周波電源及び複数のマッチング回路を備え、1台の高周波電源と1のマッチング回路が一つの組となり、複数の電極の中の各1基の電極、又は複数の電極が複数にグループ分けされた1グループの電極に対し、高周波電源及びマッチング回路の組が1対1の関係にあり、一組の高周波電源とマッチング回路から1基の電極又は1グループの電極に対して高周波電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載のCVD装置である。
本発明のCVD装置では、複数の高周波電源を備え、これらの高周波電源によって発生された高周波電力が各電極に供給される。本発明のCVD装置では、複数の高周波電源によって高周波電力を発生させるので、各高周波電力の大きさは小さい。そのため高周波電源の本体部への取付けが容易である。
また請求項3に記載の発明は、1台の高周波電源と1又は2以上のマッチング回路の組がユニット化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のCVD装置である。
本発明のCVD装置では、1台の高周波電源と1又は2以上のマッチング回路の組がユニット化されている。そのため部品の互換性が高く、例えば高周波電源が故障した際やメンテナンスの際の対応が容易である。また装置の量産性も高い。
また請求項4に記載の発明は、ユニットは電極と一体化可能であることを特徴とする請求項3に記載のCVD装置である。
また請求項5に記載の発明は、ユニットは電極と一体化可能であり、本体部からこれらだけを独立して取り外し可能であることを特徴とする請求項3に記載のCVD装置である。
請求項4,5に記載の発明では、高周波電源とマッチング回路のユニットを電極と一体化することができる。そのため本発明のCVD装置はメンテナンスが容易である。
すなわち従来技術においては、電極を取り替える際には、電極に接続された電線等を外したり接続したりしなければならず、これらの作業を、狭い成膜室内で行わなければならなかった。これに対して本発明のCVD装置では、高周波電源やマッチング回路と電極を一体的に取り出すことができるので、これらの作業を、十分に広い作業場で行うことができる。
また各部材の規格化が容易であり、装置の量産に適する。
上記した各発明において、1台の高周波電源と1又は2以上のマッチング回路の組は、一つの筐体内に収納されていることが望ましい(請求項6)。
また請求項7に記載の発明は、本体部以外の場所に直流電源が設けられ、当該直流電源から複数の本体部に設けられた高周波電源に対して給電されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のCVD装置である。
本発明では、複数のCVD装置が共通の直流電源から給電されるので、設備コストが低い。
本発明のCVD装置は、高周波電力の送電距離が短いので、送電ロスが少ない。そのため本発明のCVD装置は、エネルギー効率が高い。また本発明のCVD装置は、大径の同軸ケーブルを要しないので、設備の製作コストが低いという効果もある。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を示すプラズマCVD装置の概念図である。図2は、図1のプラズマCVD装置のユニット化された高周波電源及びマッチング回路と、RF電極を示す概念図である。
本実施形態のCVD装置300では、一つの成膜室301に、複数のRF電極302が内蔵されている。また本実施形態のCVD装置300では、成膜室301内の各RF電極302に対応する数の高周波電源303とマッチング回路305を備えている。ここで本実施形態では、高周波電源303は公知の発振回路と増幅回路を有し、直流の入力を受けて高周波電力を出力するものである。またマッチング回路305は、高周波電源303側とRF電極302側のマッチングを図るものである。
本実施形態のCVD装置では、図2の様に高周波電源303とマッチング回路305はユニット化され、一つの筐体310内に収納されている。ユニット311内における高周波電源303とマッチング回路305間の送電は、送電距離が極めて短いので、通常の被覆電線や、裸電線、銅板(導板)等を使用することが可能であり、同軸ケーブルは必要ではない。
また本実施形態では、ユニット311は、CVD装置300の本体に取り付けられている。より詳細には、ユニット311は、成膜室301の上部に取り付けられている。
また図2に示すようにRF電極302とユニット311は、一体化されており、これらを一体化したままの状態で、他の部材とは独立して成膜室301から抜き出すことができる。
各ユニット311に対する給電は、直流によって行われる。
すなわち本実施形態のCVD装置300は、本体(図では成膜室301)とは離れた位置に直流電源320が設けられている。直流電源320は、商用電源321から電力供給を受けて商用電源321の交流を直流に変換するものである。
そして本実施形態では、直流電源320から各ユニット311に並列に送電線322が配され、当該送電線322によって各ユニット311に直流電力が供給される。本実施形態では、送電線322は、通常の被覆電線や、銅板(導板)等が使用され、同軸ケーブルは必要ではない。
本実施形態のCVD装置300は、高周波電力の送電距離が短いので、送電ロスが少なく、エネルギー効率が高い。また同軸ケーブルを要しないので、設備の製作コストも低い。
上記した実施形態では、成膜室301内のRF電極302の基数と、高周波電源303の台数及びマッチング回路305の回路数が一致するものを例示したが、これらは必ずしも一致しなくてもよい。
図3、図4は本発明の他の実施形態を示し、図3は、本発明の他の実施形態のプラズマCVD装置の概念図であり、図4は、図3のプラズマCVD装置のユニット化された高周波電源及びマッチング回路の概念図である。
図3に示すCVD装置400についても、一つの成膜室401に複数のRF電極402が内蔵されているが、電気的に各RF電極402は2基づつが一組となっており、3つの組にグループ分けされている。
そして各グループに対して1台のユニット411が取り付けられている。すなわち本実施形態では、2基のRF電極402に対して1台のユニット411から給電を行う。
各ユニット411は、前記した実施形態のユニット311と同様に高周波電源403及びマッチング回路405を内蔵するものであるが、本実施形態では、マッチング回路405の下流側に分配回路421が設けられている。マッチング回路405は可変コンデンサーが並列に並べられたものであり、ユニット411が担当するRF電極402と同じ数だけ出力線がある。すなわち本実施形態では、各ユニット411は、一台の高周波電源403と一つマッチング回路405と分配回路421を内蔵する。
本実施形態においても、各ユニット411に対する給電は、直流によって行われ、直流電源420から送電線422によって各ユニット411に直流電力が供給される。本実施形態においても、送電線422は、通常の被覆電線や、銅板(導板)等が使用され、同軸ケーブルは必要ではない。
本実施形態では、RF電極402を2基づづ一つのグループとしたが、もちろんもっと多数のRF電極402を一つのグループとしてもよい。
次に、本発明のより実態に則した実施例について説明する。
図5は、本発明の実施例のブラズマCVD装置の外観図である。図6は、図5のブラズマCVD装置の成膜室の天面を示す成膜室の平面図である。図7は、図5のブラズマCVD装置で使用するRF電極およびこれと一体のフランジの斜視図である。図8は、RF電極単体の断面図である。図9は、RF電極と一体のフランジを底側から見た斜視図である。図10は、本発明の実施例のブラズマCVD装置で使用する電気・ガス供給ユニットの概念図である。図11は、図5に示すブラズマCVD装置からRF電極を抜き出す際の状態を示す要部の断面斜視図である。図12は、図5に示すブラズマCVD装置の側面断面図である。図13は、フランジとCVD装置の天面との接合部分の要部拡大断面斜視図である。図14は、図5のブラズマCVD装置で使用するヒータおよびこれと一体のフランジの斜視図であり、ヒータを抜き出す際の状態を示す。図15は、図5に示すブラズマCVD装置の平面断面図である。
図5において、1は本発明の実施例のプラズマCVD装置(以下 単にCVD装置)を示す。本実施例のCVD装置1は、本体部4を有し、本体部4は、外形が大型の箱状であり、その内部に成膜室2が設けられている。そして成膜室2の内部にRF電極3及びヒータ5が内蔵されたものである。
すなわちCVD装置1の本体部4の外観形状は、図5に示すように天面10、底面11、左右側面12,13、裏面15の5面が囲まれた箱状であり、正面には長方形の成膜室出入口16が設けられている。
成膜室出入口16には、気密性を備えたシャッター18が設けられている。
シャッター18は、スライド型ゲートバルブと称されるものが採用されており、図5の矢印に示すように扉状の部材20が矢印の方向にスライドする。
シャッター18の構造は限定されるものではなく、仕切り弁型のシャッターの他、バタフライ弁型のシャッター等が採用可能である。
またCVD装置1の天面10(成膜室2の天面でもある)には、図6の様に幅の広い長孔状の開口部21と、幅の狭い長孔状の開口部22がそれぞれ多数設けられている。すなわちCVD装置1の天面10には、図6に示すように9列の長孔状開口部21,22が設けられている。また開口部は、各列、それぞれ二本の長孔状開口部21又は22が長手方向に直列に配されている。
このなかで幅が広い開口部21はRF電極3を出し入れするための開口部であり、幅の狭い開口部22は、ヒータを出し入れするための開口部である。以下、幅が広い開口部21を電極用開口部21と称し、幅が狭い開口部22をヒータ用開口部22と称する。
幅の広い電極用開口部21の開口端の一方には、図11、図13に示すように小孔25が設けられている。そして同図に示すように、成膜室2の天井壁の内部で前記小孔25は横方向に延長され、さらに上部側に延長されて外部に開放されている。言い換えると電極用開口部21の開口端の一方には、「U」字状の導通孔26が設けられており、電極用開口部21の開口端の小孔25と、これに近接する小孔27は連通している。小孔27には配管継手28が取り付けられている。
本実施例では、5列の電極用開口部21と4列のヒータ用開口部22が設けられているが、この配置は図6の通りである。すなわちCVD装置1の左右の側面12,13に近接した部位に幅の広い電極用開口部21があり、これに隣接して幅の狭いヒータ用開口部22があり、以下、幅の広い電極用開口部21と幅の狭いヒータ用開口部22が互い違いに設けられている。
成膜室2の内部においては、図11、図12に示すように、電極用開口部21の下部にガイド部材24が2個設けられている。ガイド部材24は、成膜室2の内部の天面23から垂下されたものであり、末端部分に「コ」の字状のガイド部29が設けられている。そして前記した「コ」の字状の部分が互いに対向する様に設置されている。
成膜室2の内部は、図15に示すようにプラズマCVD法によって基体70に成膜するキャビティとなっている。そしてその内部には、図15に示すように6列12基のヒータ5と、5列10基のRF電極3が設けられている。すなわち図15で細長方形として図示されているのがヒータ5であり、太い長方形として図示されているのがRF電極3である。
RF電極3そのものは、図7、図8に示すように正面側から見て正方形の枠体33を有し、その両面にシャワープレート35が取り付けられたものである。RF電極3そのものは全体として板状であり、面状であるとも言える。
枠体33にはガスパイプ36が接続されており、後記する電気・ガス供給ユニット45に接続されている。
本実施例に特有の構成として、RF電極3は、図7,図11に示すようにフランジ30に一体的に取り付けられている。
フランジ30は、前記した成膜室2の電極用開口部21を覆う蓋体として機能するものであり、長方形の板体である。
フランジ30の底面には、図9に示すように2個の環状溝31,32が設けられている。すなわち一つの環状溝31は、フランジ30の大部分の面積を囲うものである。これに対してもう一つの環状溝32は、フランジ30の一方の端部よりにあり、前記した環状溝31に囲まれる空間内にあってその囲う面積は小さい。
そして前記した大小の環状溝31,32内には、それぞれオーリング34,37が設けられている。
フランジ30の中央部には孔38が設けられ、小さい方の環状溝32に囲まれる領域内にも孔40が設けられている。中央部に設けられた孔38は、RF電極3にガス及び高周波電力を供給するための孔であり、前記したガスパイプ36が挿通される。一方、小さい環状溝32に囲まれた孔40は、後記する電気・ガス供給ユニット45に対してガスを供給するための孔である。
またフランジ30の周端近傍には複数のバカ孔41が設けられている。当該バカ孔41は、フランジ30を成膜室2に取り付けるための孔である。
そして本実施例に特有の構成として、前記したRF電極3は、図7、図11の様に二つの吊り金具43によってフランジ30の下部に垂下され、RF電極3と、フランジ30は二つの吊り金具43によって一体化されている。
またフランジ30の上部には、電気・ガス供給ユニット45が載置されている。
電気・ガス供給ユニット45は、図10に示すように電力供給部46とガス供給部47が一つのユニットとなったものであり、これらが単一の筐体内に収納されている。ここで本実施例では、電気・ガス供給ユニット45は、電力供給部46に高周波電源(RF電源)48を内蔵している。すなわち本実施例では、各RF電極3と一体のフランジ30にぞれぞれ個別に高周波電源48が搭載されている。
ここで高周波電源48とは、交流の商用電源あるいは直流電源から電力の供給を受けて高周波電流を発生させるものであり、公知の高周波発振回路を含むものである。本実施例では、高周波電源48は、外部に設けられた直流電源50から電力が供給される。また直流電源50は整流回路であり、商用電源51から電力の供給を受けて直流にするものである。
直流電源50と高周波電源48の間は、通常の被覆電線によって結ばれており、通常の被覆電線によって直流電源50から高周波電源48に電力が供給される。
さらに電気・ガス供給ユニット45には、マッチング回路52も内蔵されている。マッチング回路は、公知のそれと変わるものではなく、固定コンデンサーと可変コンデンサーが並列に組み合わされたものが一組となり、その回路がさらに二組並列接続された回路を含む。そして一方の組がRF電極3に接続され、他方の組はアースされている。
高周波電源48とマッチング回路52は、共に単一の筐体内に収納されており、両者の間の距離が短いので、通常の電線によって結ばれている。
また電気・ガス供給ユニット45のガス供給部47は、ガス流量を制御するガスコントロール弁55を内蔵するものである。
ガス供給部47の上流側は、図7、図9、図11に示すようにフランジ30の小さい方の環状溝32に囲まれる領域に設けられた孔40に配管56によって接続されている。
本実施例では、電気・ガス供給ユニット45とRF電極3の間は、図7、図11に示すようにガスパイプ36及び図示しない電気ケーブルによって接続されており、電気・ガス供給ユニット45からRF電極3に対してガスパイプ36を介してガス(原料ガス及びクリーニングガス)が供給される。また電気ガス供給ユニット45から枠体33に高周波交流が印加される。
RF電極3は、これと一体となったフランジ30を電極用開口部21に装着することによって成膜室2の内部に設置される。
より具体的には、RF電極3は、成膜室2の天面23(箱体の天面10)に設けられた電極用開口部21から成膜室2内に挿入され、成膜室2の内部ではRF電極3の左右側面部分がガイド部材24の「コ」の字状のガイド部29と係合する。そのためRF電極3は、フランジ30から垂下されて縦置きされた状態となっており、RF電極3の左右側面部分がガイド部材24に支持されて触れ止めされている。
またフランジ30の下面側の周端近傍は、電極用開口部21の開口周部に密接する。ここで本実施例では、フランジ30にオーリング34が設けられているので、フランジ30を装着することによって電極用開口部21は気密的に封鎖される。
さらにフランジ30が電極用開口部21に装着された状態においては、フランジ30の小さい環状溝32に囲まれた孔40が、成膜室2の天井壁に設けられた小孔25に合致する。
小孔25からは原料ガス等が供給されるが、小孔25は前記した様に小さい環状溝32に囲まれ、さらに当該環状溝32はオーリング37が装着されているから、孔40及び小孔25の部位は気密性を有している。そのため孔40及び小孔25の周辺部から原料ガス等が洩れることはない。
なおフランジ30は、多数のバカ孔41に図示しないネジが挿通されてCVD装置1の天面10に取り付けられる。
RF電極3は前記した様に正方形の板状であるが、RF電極3が成膜室2に取り付けられた状態におけるRF電極3と電極用開口部21との関係は次の通りである。すなわち成膜室2を構成する6面の中で天面23(箱体の天面10)に相当する位置に電極用開口部21が存在し、さらに電極用開口部21はRF電極3の上部側周端44と対向する位置にある。
ヒータ5は、いずれも板状の面ヒータであるが、その内部構造は、公知のプラズマCVD装置に使用されるものと同一であり、たとえば板体の内部にシーズヒータが埋め込まれたものや、板面状のセラミックヒータ、或いはハロゲンランプが面状に配置されたもの等を採用することができる。
12基のヒータ5の内、両端部の2列4基のヒータ(5a列、5f列の4基)は、成膜室2の側面の内壁57,58に取り付けられている。他のヒータ5(5b列、5c列、5d列、5eの4列8基)は、図14に示すようにフランジ60に吊り金具61によって一体的に固定され、フランジ60を成膜室2のヒータ用開口部22に取付けることによって成膜室2内に垂下されている。フランジ60の形状等は前記したRF電極3のそれと略同様であり、下面には図示しないオーリングが装着されている。
フランジ60にも多数のバカ孔(図示せず)が設けられ、図示しないネジが挿通されてCVD装置1の天面10に取り付けられる。
ヒータ5とヒータ用開口部22との関係についても前記したRF電極3と電極用開口部21との関係と同様であり、成膜室2を構成する6面の中で天面23(箱体の天面10)に相当する位置にヒータ用開口部22が存在し、さらにヒータ用開口部22はヒータ5の上部側周端62と対向する位置にある。
またヒータ用開口部22の下部にガイド部材63が2個設けられ、ヒータ5の姿勢を保持している。
成膜室2の内部においては、5列10基のRF電極3a,b,c,d,eは前記した6列12基のヒータ5a,b,c,d,e,fの間に平行に縦置きされている。なお本実施例では、各RF電極3a,b,c,d,eは、いずれも成膜室2の天面23から垂下されて縦置きされており、成膜室2の底面と各RF電極3a,b,c,d,eの間には隙間がある。
前記したように、5列10基のRF電極3a,b,c,d,eが6列12基のヒータ5a,b,c,d,e,fの間に縦設された結果、成膜室2の内部は、図15に示す様に、側面のヒータ5a、RF電極3a、ヒータ5b,RF電極3b,ヒータ5c,RF電極3c,ヒータ5d,RF電極3d,ヒータ5e,RF電極3e及び対向側面のヒータ5fが順に平行に立設された状態となっている。
その他、成膜室2の内部には、基体移動装置65が設けられている。図16は、基体移動装置65の一例を示す斜視図である。基体移動装置65は、高さの低いリブ66が平行に2本延びており、その間にガイド溝67が形成されている。またガイド溝67の中にはピニオンギア68が一定間隔をあけて複数設けられている。ピニオンギア68は、図示しない動力によって回転する。
成膜室2の内部では、各基体移動装置65のガイド溝67内にRF電極3a〜3eが位置する。
成膜室2には図示しない真空ポンプが接続されている。
また成膜室2の外部には、原料ガスやクリーニングガスのボンベ64(図8、図13)が設置され、CVD装置1の天面10に設けられた小孔27(配管継手28)にはこれら原料ガスやクリーニングガスのボンベ64が接続される。さらに成膜室2の外部には、直流電源50(図10)が設置され、電気・ガス供給ユニット45に、直流電源50が接続される。
なお前記した様に、直流電源50と電気・ガス供給ユニット45の間は、通常の被覆電線によって結合され、この間に同軸ケーブルは使われない。
次に、基体70を運搬する基体キャリア72について説明する。図17は、本発明の実施例で使用する基体キャリア72の斜視図である。図18は、図17の基体キャリア72の分解斜視図である。図19は、成膜室2に基体キャリア72を挿入する際の様子を示す概念図である。
基体キャリア72は、細長い台車に二枚の枠体77を対向して立設した様な形状をしている。すなわち基体キャリア72は、直方体のキャリアベース73を有し、その両側に合計8個の車輪75が設けられている。またキャリアベース73の底面には、ラック76が取り付けられている。
キャリアベース73の上面側の長辺部には、二枚の枠体77が平行に対向して設けられている。枠体77どうしの間は空隙74となっている。すなわちキャリアベース73と二枚の枠体77によって上向きの「コ」の字形状をなしている。
枠体77は、図17,18の様に、正方形の開口78が2個設けられたものであり、当該開口78の周囲にクリップ80が多数設けられている。
基体キャリア72の枠体77には、図18に示すように基体70たるガラス基板と背板82が取り付けられ、この二者をクリップ80が押さえている。
したがって、基体70たるガラス基板82の露出面は、対向する枠体77の内側を向いている。
次に本実施例のCVD装置1の機能について説明する。
本実施例のCVD装置1を使用して成膜作業を行う場合の手順は、次の通りである。すなわち最初の工程としてCVD装置1内に基体70を挿入する。基体70の挿入は、CVD装置1の成膜室出入口16に設けられたシャッター18を開き、基体キャリア72によって基体70を搬入することによって行われる。
より好ましくは、真空機能と加熱機能を備えた移動用チャンバー(図示せず)を装備し、予め移動用チャンバー内を真空にした状態で基体70を加熱しておき、昇温状態の基体70をCVD装置1の成膜室2に搬入する。
この様な移動用チャンバーを使用する場合には成膜室2内を予め真空状態としておき、この状態で、真空状態の移動用チャンバーから真空状態の成膜室2に基体キャリアー72を移す。
成膜室2内に基体キャリアー72を搬入する際には、基体キャリア72のラック76を、成膜室内のピニオンギア68と係合させ、ピニオンギア68を回転して基体キャリア72を成膜室2内に引き込む。
成膜室2内は、図15に示すようにプラズマCVD法によって基体70に成膜する成膜室2となっており、前記した様に6列12基のヒータ5a,b,c,d,e,fと、5列10基のRF電極3a,b,c,d,eが設けられている。成膜室2の内部では、各基体移動装置65のガイド溝67内にRF電極3が位置する。そして前記した様にRF電極3a,b,c,d,eは成膜室2の天面23から垂下されて縦置きされており、成膜室2の底面と各RF電極3a,b,c,d,eの間には隙間がある。
基体キャリア72のラック76は、基体移動装置65のピニオンギア68と係合するから、基体キャリア72は成膜室2内に引き込まれ、基体キャリア72の車輪は、ガイド溝67内を走行して成膜室2に進入するが、このとき基体キャリア72の長方形のキャリアベース73は、各RF電極3a,b,c,d,eの下部に設けられた隙間に入り込み、基体キャリア72の枠体77は、図19の様に各RF電極3a,b,c,d,eの両脇に入り込む。
また成膜室2の内部には6基のヒータ5a,b,c,d,e,fがあり、各RF電極3a,b,c,d,eとヒータ5a,b,c,d,e,fは互い違いに配されているから、各基体70は、いずれもヒータ5とRF電極3の間に挿入される。
その後、成膜室出入口16に設けられたシャッター18を閉じ、成膜室2内において、基体キャリア72の基体70にシリコン半導体を成膜する。
すなわちRF電極3a,b,c,d,eの枠体33内に原料ガスを供給すると共にRF電極3a,b,c,d,eに高周波交流を印加し、RF電極3a,b,c,d,eと基体キャリア72の間にグロー放電を発生させて原料ガスを分解し、縦置きされた基体70の表面上に薄膜を形成させる。
具体的に説明すると、図13の様に原料ガスボンベ64はCVD装置1の天面10に設けられた小孔27に接続されており、さらに小孔25は、「U」字状の導通孔26を介してフランジ30の下部に位置する小孔25に連通し、小孔25はこれと接するフランジ30の孔40に合致している。さらにフランジ30の孔40は配管56によって電気・ガス供給ユニット45のガス供給部47の上流側と接続されている。
したがって原料ガスボンベ64は小孔27、導通孔26、小孔、フランジ30の小孔25及び配管56を経由して電気・ガス供給ユニット45のガス供給部47に供給され、ガスコントロール弁55によって流量制御され、さらにガスパイプ36を経てRF電極3の枠体33内に供給される。そして枠体33の両面に設けられたシャワープレート35から基体70側に向かって放出される。
一方、前記した様に、成膜室2の外部に設けられた直流電源50から電気・ガス供給ユニット45に、直流電力が供給され、電気・ガス供給ユニット45に内蔵された高周波電源48によって高周波電力を発生させ、電気・ガス供給ユニット45内のマッチング回路52を経てRF電極3に高周波電力が供給される。
ここで本実施例のCVD装置1では、本体部4の外部からの直流による電力供給を受け、CVD装置1の本体部4に固定された電気・ガス供給ユニット45内で高周波電力を作る。そして電気・ガス供給ユニット45から本体部4内のRF電極3に高周波電力を供給する。そのため本実施例のCVD装置1では、高周波電力を伝導する距離が短く、高周波電力の送電ロスが少ない。したがって本実施例のCVD装置1は電力効率が高い。
そしてRF電極3の両脇に配置された基体キャリア72の間にグロー放電を発生させ、原料ガスを分解し、成膜室2内に設置された基板70上に薄膜を形成させる。すなわち本実施例では、各RF電極3は板状であり、各電極3にはそれぞれ個別の一つの高周波電源48から個別のマッチング回路52を介して高周波電力が供給される。また各RF電極3の両面が放電面として機能し、各電極3の両側に放電領域が形成され、各放電領域に基体70が設置される。
そして成膜が完了すると成膜室出入口16に設けられたシャッター18を開いて成膜後の基体70を取り出し、代わって成膜前の基体70を成膜室2に挿入して新たに成膜を行う。
こうして基体70に対する成膜を繰り返す内に、RF電極3やヒータ5に生成物が付着し、この生成物5が次第に成長する。
そしてこれらの生成物がある限度を越えたとき、あるいは所定回数成膜を行い、経験則上、生成物の除去が必要となった時、本実施例のCVD装置1では、RF電極3等を取り出してRF電極3もしくはシャワープレート35を取り替える。
すなわち本実施例のCVD装置1をメンテナンスする場合は、成膜室2の天面側にネジ止めされたフランジ30,60を取り外し、このフランジ30,60に一体化されたRF電極3又はヒータ5を成膜室2の外部に抜き出す。
例えばRF電極3を抜き出す場合であれば、フランジ30のネジを外し、図示しないクレーン等によってフランジ部分を引き上げる。その結果、成膜室2の内部では、RF電極3はその面に沿ってスライド移動し、フランジ30の上昇に伴ってRF電極3が電極用開口部21から取り出される。
前記した様に、成膜室2内では、多数のRF電極3とヒータ5が平行に配置されているが、本実施例では、RF電極3を面方向に移動させて抜き出すので、RF電極3を抜き出す際に抜き出されるRF電極3が隣接するヒータ5やRF電極3と干渉することがない。すなわち図20は、成膜室2からRF電極3を抜き出す際の様子を図5のA方向から見た概念図であり、図21は、成膜室2からRF電極3を抜き出す際の様子を図5のB方向から見た概念図であるが、いずれの方向から見てもRF電極3を抜き出す際に抜き出されるRF電極3は、他の部材と干渉しない。
そのため本実施例のCVD装置1は、中間部に設けられたRF電極3だけを抜き出すことが容易である。
抜き出されたRF電極3は、抜き出されたRF電極3は、シャワープレート35が取り替えられて成膜室2内に収める。また年単位で行われるフルメンテナンスでは、新たなRF電極3をフランジ30に装着して成膜室2内に収める。
ここで本実施例のCVD装置1の利点として、RF電極3を取り出す際にRF電極3に供給されるガスの配管を外す必要がない点が挙げられる。すなわちCVD装置では、RF電極3から原料ガスやクリーニングガスが放出されるので、RF電極3に対してガスを供給する配管が必須である。そのため従来技術においては、RF電極3を取り出す際にガスの配管を取り外す必要があった。また新たなRF電極3を成膜室2内に設置する場合には、これらの配管を取り付けなければならない。この様な配管の付け外し作業は、相当に面倒であり、時間のかかるものであった。
また原料ガスは、一般に毒性があり、爆発性を有するものもある。そのため原料ガスの洩れは重大事故に繋がる。そのため配管の取付け作業は、慎重を要し、取り付け後の点検にも時間がかかる。
これに対して本実施例のCVD装置1では、フランジ30上に電気・ガス供給ユニット45が載置され、フランジ30の小孔40から電気・ガス供給ユニット45に至る配管についてもユニット45の一部となり、RF電極3の取り出しに際してこれらを外す必要はない。
すなわち本実施例では、フランジ30を外すだけの作業で、RF電極3に対する管路が縁切りされる。RF電極3を成膜室2に装着する際も同様であり、フランジ30を取り付けるだけでRF電極3に対するガス流路が接続される。
また本実施例では、フランジ30の孔40と装置天面10の小孔25を合致させることによって、成膜室2側の流路とRF電極3側の流路を接続するが、両者の孔40,25は、二つのオーリング34,37によって二重に気密保持されている。そのため両者の合わせ面からガスが洩れる心配はない。
通常のメンテナンスでは、RF電極3のシャワープレート35だけを取り替えるが、年単位のフルメンテナンスでは、RF電極3をフランジ30から取り外してRF電極3の全部を取り替える。あるいはRF電極3を取り外して洗浄する。
RF電極3をフランジ30から取り外してRF電極3を取り替える場合は、フランジ30とRF電極3間のガスパイプ36を付け外しする必要があるが、これらの作業は、十分に広い作業場で行うことができ、困難性は少ない。またこれらの部位から万が一原料ガスが洩れても、洩れたガスは成膜室2内に広がるだけであって外部に漏出する危険はない。
また本実施例のCVD装置1は、電気的な接続についても、同様の利点がある。すなわち従来技術においては、RF電極3を取り替える際には、RF電極3に接続された電線等を外したり接続したりしなければならず、これらの作業を、狭い成膜室2内で行わなければならなかった。これに対して本実施例のCVD装置1では、高周波電源48やマッチング回路52とRF電極3を一体的に取り出すことができるので、これらの作業を、十分に広い作業場で行うことができ、困難性が少ない。
以上は、RF電極3を取り出す場合について説明したが、ヒータ5を取り出す場合も同様であり、フランジ60を図示しないクレーン等で吊り上げ、ヒータ5を面方向にスライド移動させてヒータ用開口部22からヒータ5を取り出す。この場合においても、抜き出されるヒータ5が隣接するRF電極3やヒータ5と干渉することはない。
本実施例では、CVD装置1の本体部4の上部側にフランジ30を設け、当該フランジ30に電気・ガス供給ユニット45を載置したが、電気・ガス供給ユニット45を他の部位に取り付けてもよい。
また上記した実施例では、電気・ガス供給ユニット45をRF電極3と共に本体部4から取り外す場合を説明したが、電気・ガス供給ユニット45だけを取り外すこともできる。
本発明の実施形態のプラズマCVD装置の概念図である。 図1のプラズマCVD装置のユニット化された高周波電源及びマッチング回路と、RF電極を示す概念図である。 本発明の他の実施形態のプラズマCVD装置の概念図である。 図3のプラズマCVD装置のユニット化された高周波電源及びマッチング回路の概念図である。 本発明の実施例のブラズマCVD装置の外観図である。 図5のブラズマCVD装置の成膜室の天面を示す成膜室の平面図である。 図5のブラズマCVD装置で使用するRF電極およびこれと一体のフランジの斜視図である。 RF電極単体の断面図である。 RF電極と一体のフランジを底側から見た斜視図である。 本発明の実施例のブラズマCVD装置で使用する電気・ガス供給ユニットの概念図である。 図5に示すブラズマCVD装置からRF電極を抜き出す際の状態を示す要部の断面斜視図である。 図5に示すブラズマCVD装置の側面断面図である。 フランジとCVD装置の天面との接合部分の要部拡大断面斜視図である。 図5のブラズマCVD装置で使用するヒータおよびこれと一体のフランジの斜視図であり、ヒータを抜き出す際の状態を示す。 図5に示すブラズマCVD装置の平面断面図である。 基体移動装置の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例で使用する基体キャリアの斜視図である。 図17の基体キャリアの分解斜視図である。 成膜室に基体キャリアを挿入する際の様子を示す概念図である。 成膜室からRF電極を抜き出す際の様子を図5のA方向から見た概念図である。 成膜室からRF電極を抜き出す際の様子を図5のB方向から見た概念図である。 従来技術のブラズマCVD装置の概念図である。 他の従来技術のブラズマCVD装置の概念図である。
符号の説明
1,300,400 プラズマCVD装置
2,301,401 成膜室
3,302,402 RF電極
5 ヒータ
21 電極用開口部
22 ヒータ用開口部
24 ガイド部材
30 フランジ
43 吊り金具
45 電気・ガス供給ユニット
46 電力供給部
47 ガス供給部
48,305,405 高周波電源(RF電源)
50,320,420 直流電源
52,305,405 マッチング回路
310 筐体
311,411 ユニット

Claims (7)

  1. 複数の電極を内蔵する成膜室を備えた本体部と、前記電極に高周波電力を供給する高周波電源と、前記高周波電源側と前記電極側とのマッチングを図るマッチング回路を有し、成膜室内に複数の基体を配して前記基体に薄膜を成膜するCVD装置において、前記高周波電源とマッチング回路が本体部に対して一体的に取り付けられていることを特徴とするCVD装置。
  2. 複数の高周波電源及び複数のマッチング回路を備え、1台の高周波電源と1のマッチング回路が一つの組となり、複数の電極の中の各1基の電極、又は複数の電極が複数にグループ分けされた1グループの電極に対し、高周波電源及びマッチング回路の組が1対1の関係にあり、一組の高周波電源とマッチング回路から1基の電極又は1グループの電極に対して高周波電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載のCVD装置。
  3. 1台の高周波電源と1又は2以上のマッチング回路の組がユニット化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のCVD装置。
  4. ユニットは電極と一体化可能であることを特徴とする請求項3に記載のCVD装置。
  5. ユニットは電極と一体化可能であり、本体部からこれらだけを独立して取り外し可能であることを特徴とする請求項3に記載のCVD装置。
  6. 1台の高周波電源と1のマッチング回路の組が一つの筐体内に収納されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のCVD装置。
  7. 本体部以外の場所に直流電源が設けられ、当該直流電源から複数の本体部に設けられた高周波電源に対して給電されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のCVD装置。



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