JP2005156464A - α放射能測定装置およびα放射能測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 測定対象物が、配管やバルブ等の複雑形状のものであっても、その内部穴内まで測定ガスを行き渡らせ、正確な測定ができるα放射能測定装置およびα放射能測定方法、排気処理施設費用の削減を図るα放射能測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 測定ガスが流通する電離チャンバ2内に放射性廃棄物Hを収納し、前記電離チャンバ2より排出される測定ガスの電離電流を電離電流測定装置3により測ることで、前記放射性廃棄物Hのα放射能を測定するα放射能測定装置において、前記電離チャンバ2に前記放射性廃棄物Hを支持して回転する回転テーブル2aを設けたことを特徴とするα放射能測定装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 測定ガスが流通する電離チャンバ2内に放射性廃棄物Hを収納し、前記電離チャンバ2より排出される測定ガスの電離電流を電離電流測定装置3により測ることで、前記放射性廃棄物Hのα放射能を測定するα放射能測定装置において、前記電離チャンバ2に前記放射性廃棄物Hを支持して回転する回転テーブル2aを設けたことを特徴とするα放射能測定装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、放射性廃棄物のα放射能測定に係り、特に固化体処理した後の放射性廃棄物から放射されるα放射能を測定するα(アルファ)放射能測定装置およびα(アルファ)放射能測定方法に関する。
使用済燃料の再処理工場等の核燃料サイクル施設の運転に伴い、高レベル放射性廃棄物としてα放射性核種を含むTRU(超ウラン元素;ウランより質量が大きい人工の放射性元素)が発生する。例えば、再処理により発生したプルトニウムは、最終的にはガラス等の固化剤で固化し、容器に封入して長期間保管することが検討されている。
ところで、再処理工場をはじめとする放射性物質を取り扱う施設から発生するTRU廃棄物をすべて同じ取り扱いにすると、その処分費用が莫大なものとなる。このため、TRU廃棄物の放射能濃度を的確に測定することにより放射能レベルの低いものは簡素な処分形態で処理することができ、全体の処分費用を削減することができる。このように放射性廃棄物のα放射能を適時測定して評価することは、放射性廃棄物および放射能管理上重要な業務である。
従来から高レベル放射性廃棄液等をガラス固化した放射性廃棄物(ガラス固化体)のα放射能の評価については、放射性廃棄物を固化する以前に放射性廃液をサンプリングし、α線スペクトル測定や化学分析等により実施されていた。
しかしながら、これはガラス固化体の製作前に行われるα放射能の測定であり、高レベル放射性廃棄物をガラス固化体に製作した後や、保管中におけるα放射能を測定する場合には、ガラス固化体の一部を切断し、これの前処理を行った後に、前述のようなα線スペクトル測定や化学分析法により測定する、いわゆる破壊分析によりα放射能の評価を行わねばならない。
高レベル放射性廃棄物のガラス固化体製作後にα放射能を測定する場合には、放射性廃棄物固化体の破壊分析を行うことになるが、この破壊分析については、折角堅固にガラスにより固化体とした放射性物質の封じ込みを破り、サンプル抽出の作業が必要となる。
さらに、サンプル抽出後の固化体された放射性廃棄物、および分析に使用したサンプル等が新たな放射性廃棄物として発生し、これらの廃棄物処理等のために放射能汚染防止を含めた繁雑な作業が必要となる。
このように測定対象物を破壊して放射能を測定する方法は多くの問題を生じるので、非破壊でTRU廃棄物の放射能濃度を測定することができるα放射能測定装置が提案されている。
図4に示すように、従来のα放射能測定装置は、上流側ライン101から下流側ライン107までの間に電離チャンバ102、電離箱103、HEPAフィルタ105、ブロワ106がこの順に並んでいる。TRU廃棄物は電離チャンバ102に入れられる。電離チャンバ102内にはα線により電離する物質を含む測定ガス(電離ガス)がライン101を介して充填される。α線が電離チャンバ102に充填された電離性のある測定ガスと反応して電離イオンを発生する。測定ガスには、例えば、空気、ヘリウムHe、アルゴンArガスの単体またはこれらの混合体を用いる。これらのガスはα線による電離効率が高いので、精度良くα放射能を測定することが可能である。
測定ガスは、電離チャンバ102内でTRU廃棄物の放射能に曝された後に、電離箱103に送られる。高速の荷電粒子が測定ガス中を通過すると、その通路に沿って励起された分子と電離された分子とがそれぞれ生成される。中性分子が分離されて生成される陽イオンと自由電子はイオン対と呼ばれる。このイオン対を電離箱103で電離電流として検出する。電離箱103内の電極に検出された電気信号は、電離電流測定器104に入力される。電離電流測定器104では入力された電気信号をパルス信号に変換して計数し、その計数結果をデータ処理計算機に出力する。データ処理計算機は計数されたパルス数を表示装置に表示すると共に、そのパルス数に基づいてα放射能を算出する。この算出結果も必要に応じて表示装置に表示される。
また、上記電離チャンバ102は、測定対象である放射性廃棄物を収納し、その内部を測定ガスが流通する構造となっており、測定ガスは、その後、電離箱103に流入し、電離電流を測るように構成されている。
測定対象の放射性廃棄物は、プラント部材や装置、配管、バルブ、パッキン等の種々の形状、および金属、樹脂、布等、種々の材質のものがあり、例えば、配管のような両端が開放された測定対象物の場合、電離チャンバ内への対象物の置き方、即ち方向によっては配管内部への測定ガスの流れ方が異なる。このため、設置方向によっては配管内部の付着汚染物からのα線によるイオン化が十分できない場合が生じ、測定値にばらつきが生じる結果となっていた。
特許文献としては、例えば特許第2703409号公報があり、それは、γ線をGe検出器により測定するものである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、測定対象物が、配管やバルブ等の複雑形状のものであっても、その内部穴内まで測定ガスを行き渡らせ、正確な測定ができるα放射能測定装置およびα放射能測定方法、排気処理施設費用の削減を図るα放射能測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を提案する。
(1)測定ガスが流通する電離チャンバ内に放射性廃棄物を収納し、前記電離チャンバより排出される測定ガスの電離電流を、電離電流測定装置により測ることで、前記放射性廃棄物のα放射能を測定するα放射能測定装置において、前記電離チャンバに前記放射性廃棄物を支持して回転する回転テーブルを設けたことを特徴とするα放射能測定装置。
(2)上記回転テーブルが前記放射性廃棄物を載置して水平回転すると共に、測定ガスの吹出ノズルが前記放射性廃棄物に向けて、少なくともその回転周方向位置に設けられていることを特徴とする上記(1)に記載のα放射能測定装置。
(3)前記電離電流測定装置より排出される測定ガスの、少なくともその一部を前記電離チャンバに循環供給するガス循環流路を具えたことを特徴とする上記(1)に記載のα放射能測定装置。
(4)上記ガス循環流路に、測定ガスの湿度を調整するドライヤを設けたことを特徴とする上記(3)に記載のα放射能測定装置。
(5)放射性廃棄物を収納する電離チャンバと、前記放射性廃棄物に測定ガスを吹付ける吹出ノズルと、前記電離チャンバより排出される測定ガスの電離電流を測る電離電流測定装置とを有するα放射能測定装置において、前記吹出ノズルに、測定ガス吹出し方向を可変する可変手段を設けたことを特徴とするα放射能測定装置。
(6)回転する放射性廃棄物に向けて測定ガスを吹きつけ、同測定ガスを取り出し、その電離電流を測ることで、前記放射性廃棄物のα放射能を測定することを特徴とするα放射能測定方法。
(7)上記測定を、放射性廃棄物が少なくとも1回転する間に、連続的または一定回転角度毎に行い、複数のα放射能測定値を取得し、その平均値あるいは最高値を求めることにより、放射線廃棄物の汚染度評価を行うことを特徴とする上記(6)に記載のα放射能測定方法。
上述のα放射能の測定は、連続して変位測定してもよく、また、一定回転角度毎に測定してもよい。また、一定回転角度毎の測定は、放射性廃棄物を連続して一定速度で回し、一定時間毎に測定する、あるいは、放射性廃棄物の回転を一定回転角度毎に停止してその都度、測定しても良い。
請求項1に記載のα放射能測定装置に係る発明は、測定ガスが流通する電離チャンバ内に放射性廃棄物を収納し、前記電離チャンバより排出される測定ガスの電離電流を、電離電流測定装置により測ることで、前記放射性廃棄物のα放射能を測定するα放射能測定装置において、前記電離チャンバに前記放射性廃棄物を支持して回転する回転テーブルを設けたので、測定対象物の置き方を任意に決めることができ、流通する測定ガスが放射性廃棄物の多周囲方向からに接し、正確なα放射能測定が行える。また、放射性廃棄物が配管等であった場合、配管内部に測定ガスを流すことができ、効果的に電離イオンを引き出させることが可能となり、測定精度が改善される。
請求項2に記載の発明は、上記回転テーブルが前記放射性廃棄物を載置して水平回転すると共に、測定ガスの吹出ノズルが前記放射性廃棄物に向けて、少なくともその回転周方向位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のα放射能測定装置であり、回転周方向位置の吹出ノズルに対面する、放射性廃棄物が回転するので、測定ガスが放射性廃棄物の全周囲に吹付けられることになり、正確なα放射能測定が行える。また、放射性廃棄物に対して、その形状によるよどみが少なくなり、下流の電離電流測定装置へのイオン化されたガス流れが円滑となる効果がある。
請求項3に記載の発明は、前記電離電流測定装置より排出される測定ガスの、少なくともその一部を前記電離チャンバに循環供給するガス循環流路を具えたことを特徴とする請求項1に記載のα放射能測定装置であり、少なくとも、循環させたガス総量分だけは、施設系外に排出されないので系外への総排出ガス量を少なくでき、施設の排気処理系への負担が軽減する。
請求項4に記載の発明は、上記ガス循環流路に、測定ガスの湿度を調整するドライヤを設けたことを特徴とする請求項3に記載のα放射能測定装置であり、測定ガスの湿度は測定精度に影響することが判明しており、ドライヤにより湿度管理を行うことで測定精度を安定化させることができる。
請求項5に記載の発明は、放射性廃棄物を収納する電離チャンバと、前記放射性廃棄物に測定ガスを吹付ける吹出ノズルと、前記電離チャンバより排出される測定ガスの電離電流を測る電離電流測定装置とを有するα放射能測定装置において、前記吹出ノズルに、測定ガス吹出し方向を可変する可変手段を設けたことを特徴とするα放射能測定装置であり、測定ガスの吹出方向を変えることにより、測定ガスが放射性廃棄物の多方向に当たり、α放射能の正確な測定が行える。
請求項6に記載のα放射能測定方法に係る発明は、回転する放射性廃棄物に向けて測定ガスを吹きつけ、同測定ガスを取り出し、その電離電流を測ることで、前記放射性廃棄物のα放射能を測定するものであり、測定ガスが放射性廃棄物の多周囲方向から接し、正確なα放射能測定が行える。また、放射性廃棄物が配管等であった場合、配管内部に測定ガスを流すことができ、効果的に電離イオンを引き出させることが可能となり、測定精度が改善される。
請求項7に記載の発明は、上記測定を、放射性廃棄物が少なくとも1回転する間に、連続的または一定回転角度毎に行い、複数のα放射能測定値を取得し、その平均値あるいは最高値を求めることにより、放射線廃棄物の汚染度評価を行うことを特徴とする請求項6に記載のα放射能測定方法であり、信頼性の高い正確な測定評価が行い得る。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。
α放射能測定装置の実施例を図1〜図3に基づき説明する。
図1において、1はα放射能測定装置、2は測定ガスが流通する電離チャンバ、3は、電離チャンバ2より排出される測定ガスの電離電流を測る電離電流測定装置を示す。電離チャンバ2内には、垂直回転軸Aを中心に水平回転する回転テーブル2aが設けてあり、この回転テーブル2aは特にその下方より供給される測定ガスの流通通過を妨げないように金網状のもので円盤形に形成されている。回転テーブル2aは、複数の低摩擦部材2bにより支持されていて、駆動装置2cにより、駆動回転制御される。
α放射能測定装置の実施例を図1〜図3に基づき説明する。
図1において、1はα放射能測定装置、2は測定ガスが流通する電離チャンバ、3は、電離チャンバ2より排出される測定ガスの電離電流を測る電離電流測定装置を示す。電離チャンバ2内には、垂直回転軸Aを中心に水平回転する回転テーブル2aが設けてあり、この回転テーブル2aは特にその下方より供給される測定ガスの流通通過を妨げないように金網状のもので円盤形に形成されている。回転テーブル2aは、複数の低摩擦部材2bにより支持されていて、駆動装置2cにより、駆動回転制御される。
また、上記回転テーブル2aは、格子状や多孔板状のもので形成して、測定ガスが通過する構造としても良い。更に、回転テーブル2aを、ガス入口部21とガス出口部23との直線的ガス流路に対し、斜め又は垂直に設けても良いが、その場合には、放射性廃棄物Hを回転テーブル2に固定する必要がある。
電離電流測定装置3は、軸方向に測定ガスを通過させる管状の電離箱3aと、電離箱3a内の軸方向に延設する電極3bと、電極3bに集められた電離電流信号を測る電離電流測定器3cとで構成されている。この電離電流装置3は、電離箱3aの管状流路全域が電離作用を起こす有感容積部となり、多量の測定ガスを効率よく高精度で測定できる。また、電離箱3aおよび電極3cの長さに比例して有感容積を増減できる。
α放射能測定装置1は、ループ状のガス循環流路L2と、バイパス流路L4と、3つの系統の分散流路L21,L22,L23とからなる測定ガスの回路を備えている。ガス循環流路L2には、電離チャンバ2、HEPAフィルタ5、ブロワ6、バルブV5、露点計(湿度計)D1、バルブV7、流量計F3がこの順に設けられ、ブロワ6の吸引/吐出により測定ガスがガス循環流路L2を通流して電離チャンバ2に循環供給されるようになっている。
測定ガスは、α線と反応すると電離する性質をもつ空気、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)ガスの単体または混合体からなる気体であればよく、本実施例では環境配慮から空気を用いており、また、電離チャンバ2より排出される空気(測定ガス)の全量を電離箱3に供給して測定精度を高めている(但し、以下の記述では測定ガスと記載して説明する)。
測定ガスは、図1に示すガス供給源8から流路L1を通ってガス循環流路L2に導入され、ガス循環流路L2を所定期間にわたり循環された後に、流路L7を通ってガス循環流路L2から工場の建屋ダクトを通って集合排気処理装置(図示せず)に排出されるようになっている。
なお、ガス循環流路L2内で測定ガスを循環させる場合は、流路L1のバルブV6と流路L7のバルブV4とを共に閉じておく。
なお、ガス循環流路L2内で測定ガスを循環させる場合は、流路L1のバルブV6と流路L7のバルブV4とを共に閉じておく。
電離電流測定装置3は、電離箱3a、電極3b、電離電流測定器3c、データ処理計算機(図示せず)から構成されている。図2中、3dは信号線を示す。測定ガスが電離箱3aを通過する際に、電離作用により生じた電離電流は電極3bに集められ、その電気信号が電離電流測定器3cに入力される。電離電流測定器3cでは入力された電気信号をパルス信号に変換して計数し、その計数結果をデータ処理計算機に出力するようになっている。さらに、データ処理計算機は計数されたパルス数を表示装置(図示せず)の画面に表示すると共に、そのパルス数に基づいてα放射能を算出する。この算出結果も必要に応じて表示装置の画面に表示される。
電離箱3aはその全周囲が鉛遮蔽体4で覆われている。電離チャンバ2は、ガス入口部21、チャンバ本体22、ガス出口部23、開閉窓24、バルブV24、圧力計P1、温度計T1を備えている。チャンバ本体22の形状は矩形であり、このチャンバ本体22にガス入口部21およびガス出口部23がフランジ継手により着脱可能に取り付けられている。開閉窓24は、小サイズの被測定物を電離チャンバ2に容易に出し入れするために設けられ、電離チャンバ2の側面部にヒンジ継手で可動に支持されている。大サイズの被測定物を電離チャンバ2に装入する場合は、ガス入口部21およびガス出口部23のいずれか一方をチャンバ本体22から取り外す。
電離チャンバ2の上面部、側面部、下面部にガス循環流路L2から分岐した3つの系統の分散流路L21,L22,L23がそれぞれ連通し、電離チャンバ2内の被測定物に向けて上方、側方、下方から測定ガスが吹き付けられるようになっている。 第1の分散流路L21は、バルブV11および流量計F5を経由して、さらに3つに分岐している。各分岐路はバルブV12,V13,V14を介して電離チャンバ2の上面部、側面部、下面部にそれぞれ連通している。
第2の分散流路L22は、バルブV15および流量計F6を経由して、さらに3つに分岐している。各分岐路はバルブV16,V17,V18を介して電離チャンバ2の上面部、側面部、下面部にそれぞれ連通している。第3の分散流路L23は、バルブV19および流量計F7を経由して、さらに3つに分岐している。各分岐路はバルブV20,V21,V22を介して電離チャンバ2の上面部、側面部、下面部にそれぞれ連通している。
本実施形態での測定ガスの吹出ノズルは、上記第1、2、3の分散流路からの各吹出し口と、ガス入口部21から構成されていて、ガス入口部21が放射性廃棄物Hの回転周方向位置に設けられている。
第2のバイパス流路L4は、ブロワ6の下流側にてガス循環流路L2から分岐し、ドライヤユニット70のドライヤ7の内部を通流した後に、露点計D1の上流側にてガス循環流路L2に再び合流している。ドライヤ7内には吸着剤72が充填され、充填された吸着剤72の中央を貫通するように再生ヒータ7が設けられている。この再生ヒータ71により吸湿した吸着剤72を定期的に加熱して再生させるようになっている。本実施例の吸着剤72にはゼオライト系化合物を用いた。
第2のバイパス流路L4は、バルブV9および流量計F4を経由して、さらに2つに分岐している。一方の分岐路は四方弁V31を介してドライヤ7の本体上部に連通している。他方の分岐路は四方弁V32を介してドライヤ7の再生ヒータ71の上端に連通している。ガスは、ドライヤ7の本体上部に導入されて下降し、吸着剤72により湿分を吸収除去され、中央の再生ヒータ71の中空部を通って上昇し、ドライヤ7から出て行くようになっている。
露点計(湿度計)D1は、ガス循環流路L2を通流する測定ガス中の湿分を検出し、検出信号を制御盤41に送り、制御盤41によりバルブV5とV9とを自動的に開閉制御するようになっている。湿度の実測値が基準値を超えているときはバルブV5を閉じるとともにバルブV9を開け、ドライヤ7に吸湿ガスを導入する。露点計D1で計測される実測値が設定基準値を下回るようになるまでドライヤ7に吸湿ガスを送りつづける。さらに、ドライヤ制御盤73は、図示しない電源からタイマー動作により再生ヒータ71に給電させ、ドライヤ7内の吸着剤72を加熱して再生させる。なお、流路L9は吸着剤の加熱中にドライヤ7内を排気するためのラインである。
流量計F2は、HEPAフィルタ55とブロワ6との間に設けられ、チャンバ2を通過してくるガス流量を測定するものである。流路L5は、流量計F2とブロワ6との間においてガス循環流路L2に合流している。バルブV2を開けると、流路L5を通ってガス循環流路L2に外気が導入され、系内の圧力変動を吸収する働きがある。流路L6は、ブロワ6の下流側でガス循環流路L2から分岐し、流路L5の直ぐ下流側でガス循環流路L2に合流している。バルブV3を開けると、流路L6を通ってガス循環流路L2がブロワ6にバイパスされ、ガス循環流路L2の循環流量が調節される。
流路L7は、ブロワ6の下流側でガス循環流路L2から分岐し、工場の集合排気処理装置(図示せず)に連通している。バルブV4を開けると、流路L7を通ってガス循環流路L2内のガスが集合排気処理装置に排出される。流路L10は電離チャンバ2の上流側にてガス循環流路L2に連通している。バルブV7を閉じ、バルブV8とバルブV4とを開けると、流路L10とL7を通ってワンスルー流路が形成される。
次に、図2を参照して本実施形態のα放射能測定装置の具体的な構造について説明する。α放射能測定装置の全体は、骨格としてのフレーム11,15およびポスト14に取り付けられている。ベースフレーム11には複数の車輪13が取り付けられ、装置が搬送可能となっている。また、ベースフレーム11には複数のスクリュウ式のレベル調整部材12が取り付けられ、装置1の水平レベルが微調整されるようになっている。複数のポスト14は、ベースフレーム11から立ち上がり、上フレーム15を支持している。上フレーム15には電離チャンバ2、電離電流測定装置3、電離電流測定器3c、操作兼制御盤41および各種の配管と計器が搭載されている。
操作兼制御盤41は、装置1の全体を統括的に手動および自動制御するためのものであり、主電源、主スイッチ、複数の副スイッチ、配電盤、各種の表示メータ、各種の表示ランプを備えている。ドライヤ7は縦長円筒形状をなし、ベースフレーム11上に立てた複数の専用ポストにより支持されている。ドライヤ7には専用の操作盤73が設けられている。測定ガスを除湿するときや吸着剤72を再生加熱するときはドライヤ操作盤73を用いる。
次に、上記装置を用いて放射性廃棄物から放射されるα放射能を測定する場合について説明する。先ず電離チャンバ2の開閉窓24あるいは大型開閉窓(チャンバ前面が開閉する)を開け、電離チャンバ2内に測定対象物としての放射性廃棄物H(図示事例は配管)を装入する。開閉窓24あるいは大型開閉窓を閉じると電離チャンバ2内は気密に保たれる。回転テーブル2aにより放射性廃棄物Hを、1分間に3分の1回転程度の速度で回転させながら、電離チャンバ2の各周囲から測定ガスを連続的に吹き込む。次に、電離チャンバ2からの測定ガスは電離電流測定装置3の電離箱3aに連続して導入され、電極3bに集められた電気信号が電離電流測定器3cに入力される。電離電流測定器3cでは入力された電気信号をパルス信号に変換して計数し、その計数結果をデータ処理計算機(図示せず)に連続的に出力する。さらに、データ処理計算機は計数されたパルス数を表示装置(図示せず)の画面に表示すると共に、そのパルス数に基づいてα放射能値を連続的に算出する。この算出結果も必要に応じて表示装置の画面に表示される。
測定ガスのα放射能測定(電離電流測定)を、放射性廃棄物が少なくとも1回転から数回転する間に、連続的に行い、複数のα放射能測定値を取得し、その平均値あるいは最高値を求めることにより、放射線廃棄物の汚染度評価を行う。
また、上記測定を、放射性廃棄物が少なくとも1回転から数回転する間に、一定回転角度毎に行い、複数のα放射能測定値を取得し、その平均値あるいは最高値を求めることにより、放射線廃棄物の汚染度評価を行っても良い。上記測定を一定角度毎(45度毎)に行ったものを図3に示す。
図3(A)は、各形状のサンプルを、測定ガスが流通する電離チャンバ2内で回転させた場合の、測定ガスの電離電流を測定した感度比率表であり、(B)はそのグラフである。表の数値は最初に置いた方向を零度とし、これを360度回転(1回転)させた場合の電離電流を、零度の値を1とした比率(感度比という)で整理したものである。なお、図3中、中段との記載は、電離チャンバ2の中段(高さ方向の中位位置)に測定対象物を置いて測定したことを示す。電離チャンバ2の中段はガス入口部21から流入する測定ガスの主流位置であり、測定対象に測定ガスが最も当たる位置である。
測定対象が配管やホースのような中空円筒状のもの(閉空間に近いもの)は回転方向により感度比が大きく変化するのに対し、角型フランジやラック片、C型鋼等はその変化は少ない。これは後者の形状は比較的解放的な形状であるためサンプル表面に空気が良く接触し、イオン化が効率良く引き出ているものと考えられる。前者の中空のものでも、回転させることにより、内部に空気流れを生じさせれば回転方向の差異によるばらつきは減少させることが可能である。
また、上述の各実施形態のものは、回転テーブルにより測定対象を回転するものであるが、逆に、測定ガス側を可変移動させてもよく、その場合には、測定ガスの吹出ノズルに、測定ガス吹出し方向を可変する可変手段を設ければよい。可変手段としては、例えば、首振り自由な吹出ノズルの先端にリングをはめ込み、同リングを揺動または左右動する構造のものでよい。また、同吹出ノズルの設置位置は、ガス入口部21側に設置するのが最も効率が良い。もちろん、測定対象を回転させて、更に、上記可変手段により、測定ガス吹出し方向を可変移動させてもよい。
本実施形態のものは、測定ガスの全量を電離電流測定装置3の電離箱3aに流し、測定精度を高めているが、測定ガスの大部分を循環流路に流し、測定ガスのうち一部(ごく少量)を、バイパス流路を経て、電離箱に流すようにすれば、電離箱の小型軽量化を図ることができる。
また、本実施形態のものは、循環通流する測定ガスをドライヤで湿度調整管理しているので、測定精度が向上し、検出感度が安定化する。
また、本実施形態のものは、測定対象物である放射性廃棄物(TRU廃棄物)を回転させながら、複数の分散流路を介して電離チャンバ内にあらゆる方向から測定ガスを導入しているので、複雑形状のTRU廃棄物の各部(上面/背面/下面)の隅々にいたるまで測定ガスが万遍なく吹き付けられ、従来は正確な測定が困難であったバルブ等の複雑形状のTRU廃棄物を高精度に測定することが可能になる。
また、本実施形態のものは、測定ガスを循環させるガス循環流路を有しているので、少なくとも、循環させたガス総量分だけは、施設系外に排出されないので系外への総排出ガス量を少なくでき、施設の排気処理系への負担が減少する。
1 α放射能測定装置
2 電離チャンバ
2a 回転テーブル
3 電離電流測定装置
L2 ガス循環流路
7 ドライヤ
2 電離チャンバ
2a 回転テーブル
3 電離電流測定装置
L2 ガス循環流路
7 ドライヤ
Claims (7)
- 測定ガスが流通する電離チャンバ内に放射性廃棄物を収納し、前記電離チャンバより排出される測定ガスの電離電流を電離電流測定装置により測ることで、前記放射性廃棄物のα放射能を測定するα放射能測定装置において、前記電離チャンバに前記放射性廃棄物を支持して回転する回転テーブルを設けたことを特徴とするα放射能測定装置。
- 上記回転テーブルが前記放射性廃棄物を載置して水平回転すると共に、測定ガスの吹出ノズルが前記放射性廃棄物に向けて、少なくともその回転周方向位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のα放射能測定装置。
- 前記電離電流測定装置より排出される測定ガスの、少なくともその一部を前記電離チャンバに循環供給するガス循環流路を具えたことを特徴とする請求項1に記載のα放射能測定装置。
- 上記ガス循環流路に、測定ガスの湿度を調整するドライヤを設けたことを特徴とする請求項3に記載のα放射能測定装置。
- 放射性廃棄物を収納する電離チャンバと、前記放射性廃棄物に測定ガスを吹付ける吹出ノズルと、前記電離チャンバより排出される測定ガスの電離電流を測る電離電流測定装置とを有するα放射能測定装置において、前記吹出ノズルに、測定ガス吹出し方向を可変する可変手段を設けたことを特徴とするα放射能測定装置。
- 回転する放射性廃棄物に向けて測定ガスを吹きつけ、同測定ガスを取り出し、その電離電流を測ることで、前記放射性廃棄物のα放射能を測定することを特徴とするα放射能測定方法。
- 上記測定を、放射性廃棄物が少なくとも1回転する間に、連続的または一定回転角度毎に行い、複数のα放射能測定値を取得し、その平均値あるいは最高値を求めることにより、放射線廃棄物の汚染度評価を行うことを特徴とする請求項6に記載のα放射能測定方法。
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JP2003398005A JP2005156464A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | α放射能測定装置およびα放射能測定方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008046030A (ja) * | 2006-08-18 | 2008-02-28 | Toshiba Corp | 放射能測定装置および放射能測定方法 |
JP2008175619A (ja) * | 2007-01-17 | 2008-07-31 | Toshiba Corp | 放射能測定装置およびそのプログラム |
KR101096350B1 (ko) * | 2009-12-10 | 2011-12-20 | 한국원자력연구원 | 전신오염감시기의 비례계수기형 방사선검출기 및 구성 방법 |
JP2012127796A (ja) * | 2010-12-15 | 2012-07-05 | Toshiba Corp | 放射線測定装置 |
-
2003
- 2003-11-27 JP JP2003398005A patent/JP2005156464A/ja active Pending
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