JP2005155783A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アイドリング状態から非アイドリング状態への変更時においてISC制御の学習制御が未完了であってもショックの発生を抑制する。
【解決手段】 ECUは、エンジン100がアイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するステップ(S100)と、エンジンのアイドル回転数を空気流量を調節して学習制御するステップ(S200)と、学習完了であると判断されると(S300にてYES)ロックアップクラッチを係合制御するステップ(S400)と、学習未完了であると判断されると(S300にてNO)ロックアップクラッチを解放制御するステップ(S500)とを含むプログラムを実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ECUは、エンジン100がアイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するステップ(S100)と、エンジンのアイドル回転数を空気流量を調節して学習制御するステップ(S200)と、学習完了であると判断されると(S300にてYES)ロックアップクラッチを係合制御するステップ(S400)と、学習未完了であると判断されると(S300にてNO)ロックアップクラッチを解放制御するステップ(S500)とを含むプログラムを実行する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、エンジンとロックアップクラッチを備えた自動変速機とを搭載した車両の制御に関し、特に、アイドリング状態から非アイドリング状態への切換わり時におけるショックの発生を抑制する制御に関する。
車両用の自動変速機は、エンジンの出力軸に接続された流体継手と、その出力軸に接続された歯車式の有段変速機構またはベルト式やトラクション式の無段変速機構とから構成される。この流体継手としては、トルクコンバータがあり、このトルクコンバータには、ロックアップクラッチを備えるものが多い。ロックアップクラッチはトルクコンバータの駆動側の部材(エンジン側のポンプインペラー)と従動側の部材(変速機構側のタービンライナ)とを機械的に直接連結するものである。そのため、燃費の向上と乗心地とを両立させることができる。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ領域を、たとえば車速とスロットル開度とに基づいて設定している。
また、ロックアップクラッチはエンジントルクを変速機構に対して直接伝達するものであるから、車両の走行状態がロックアップ領域に属しているか否かによる制御以外に、エンジンの駆動状態に応じた制御が従来から行なわれている。たとえば、エンジンがアイドリング状態にあるときには、アクセルペダルを踏み込んでアイドルONからアイドルOFFに切換わる際のチップインショックを防止するなどのために、ロックアップクラッチを解放状態に維持している。
そして、アイドルONからアイドルOFFに切換わる際には、急激な係合によるショックを防止するために、リニアソレノイドバルブなどによって油圧を制御することにより、ロックアップクラッチの係合力を次第に高め、最終的にはロックアップクラッチを完全に係合(ロックアップON)させるような制御も行なわれている。
このようなロックアップクラッチの制御とは別に、エンジンのISC(Idle Speed Control))制御が行なわれている。この制御は、エンジンのアイドリング回転数を一定回転数に維持する制御である。具体的には、エンジンのスロットルバルブをバイパスする空気通路を設け、その通路の絞り量をアクチュエータにより駆動して、空気(混合気)流量を調節することによりアイドル回転数を制御するものである。このISC制御装置では、アイドリング時の回転数を目標値に近づけるために、フィードバック制御が行なわれている。これにより、回転数をほぼ一定に保つことができる。
自動変速機との組み合わせにおいて、車両走行レンジ(たとえば、後退「R」、ドライブ「D」、2速「2」および1速「L」)と車両停止レンジ(「P」および「N」)とでは、エンジン負荷が異なる。これは、車両走行レンジの場合には、エンジンから自動変速機にトルクが伝達され、さらにこの自動変速機から車両の駆動輪にトルクが伝達されるからである。従って、車両走行レンジと車両停止レンジとでは、その切換え時に駆動負荷が急激に変化する。このとき、フィードバック制御のみでは、アイドル回転数の維持のために必要とされる空気流量を算出して実際に供給するには一定の時間を要する。このため、フィードバック制御が間に合わず、エンジン回転数の大きな変動やエンジンストールが発生する場合がある。
このような急激なアイドル回転数変化やエンジンストールを防止すべく、車両走行レンジと車両停止レンジとでそれぞれ異なる空気流量を設定している。そして、車両走行レンジと車両停止レンジの切換え時には、この空気流量の設定値に基づいてフィードバック制御を開始している。また、それぞれ車両走行レンジと車両停止レンジとで必要な空気流量は個体差、経時変化等の要因により変化するので、フィードバックの結果を反映して記憶するいわゆる学習制御が行なわれている。
通常、アイドル空気流量の学習値の初期値は、エンジンストールを回避するために大きめの値が設定されている。そして、未学習の場合にはこの初期値でISC制御が行なわれる。この学習が完了するまでは、初期値による制御が行なわれ、エンジンのアイドル回転数が高めの設定となる。
さらに、上述した制御とは別に、ドライブレンジ(Dレンジ)において、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキが作動されるとともにアクセルがほぼ全閉となって車両が停止している状態では、ドライブレンジのまま変速機構をニュートラルに近いニュートラル状態として、燃費の向上を図る、いわゆるニュートラル制御が行なわれる車両もある。
特開2000−205393号公報(特許文献1)は、燃費の向上を実現するとともに、アイドルスピードを安定させることができるニュートラル制御装置を開示する。このニュートラル制御装置は、エンジンからの駆動力を駆動輪へ伝達する自動変速機と、エンジンおよび自動変速機の動作を制御する主制御部とを備え、主制御部内に、所定の条件の下に自動変速機をニュートラル制御するニュートラル制御手段と、エンジンのアイドル回転数を空気流量を調節して学習制御するISC制御手段と、ISC制御手段による学習が完了したか否かを判定する学習完了判定手段と、この学習完了判定手段からの情報に基づいて学習未完了の場合にニュートラル制御の禁止情報を出力するニュートラル制御禁止手段とを備える。
このニュートラル制御装置によると、まず、各車両状態に応じてISC制御手段によってアイドル状態の回転数が目標値に追従するように制御される。ISC制御手段は、エンジンへ供給される空気流量(混合気)の量を調整することにより、アイドル回転数を調整する。このとき、シフト位置が走行レンジであった場合は、通常所定条件を満たすことによりニュートラル制御が開始されてしまう場合がある。学習を完了するまでには一定の時間が必要であるので、学習が未完了のままニュートラル制御になってしまうことも考えられる。しかし、このニュートラル制御装置では、走行レンジでの学習が完了するまでニュートラル制御が禁止される。したがって、確実に学習が行なわれ以後のISC制御が適切に行なわれる。
特開平8−28680号公報(特許文献2)アイドルONからアイドルOFFに切換わった後であっても、エンジン回転数が低回転数であることによってロックアップクラッチが急激に係合することを防止するロックアップクラッチの制御装置を開示する。このロックアップクラッチの制御装置は、エンジンがアイドリング状態から非アイドリング状態に切換わった場合に、流体継手における駆動部材と従動部材との間でトルク伝達するロックアップクラッチを解放状態から次第に係合させるロックアップクラッチの制御装置において、エンジンがアイドリング状態から非アイドリング状態に切換わったことを検出するアイドルOFF検出手段と、エンジン回転数と従動部材の回転数(いわゆるタービン回転数)とを比較する比較手段と、エンジン回転数が従動部材回転数以下の場合にこれらの回転数の差が零を含む所定の設定値以下になるまでロックアップクラッチが完全に係合することを禁止する禁止手段とを備える。
このロックアップクラッチの制御装置によると、ロックアップクラッチは、エンジンがアイドリング状態にあれば解放状態に設定される。そして、エンジンがアイドリング状態から非アイドリング状態に切換わると、これをアイドルOFF検出手段が検出して、また比較手段がエンジン回転数と従動部材の回転数とを比較する。この比較手段による回転数の比較の結果、エンジン回転数が従動部材回転数以下であることが検出されると、ロックアップクラッチは禁止手段によって完全に係合することが禁止される。このロックアップクラッチの係合の禁止制御は、エンジン回転数と従動部材回転数との差が零を含む所定の設定値以下になるまで、すなわち両者の回転数がほぼ等しくなるまで継続され、その後、ロックアップクラッチの完全係合が許可される。したがって、ロックアップクラッチが係合する時点においては、エンジン回転数と流体継手における従動部材の回転数との差がほとんどなくなっているので、ロックアップクラッチが係合することによるエンジン回転数の急変が生じることがなく、したがってショックを防止することができる。
特開2000−205393号公報
特開平8−28680号公報
特許文献1に開示されたように、車両走行レンジにおけるISC制御手段による学習制御には時間を要する場合があり、この学習が完了するまではエンジンのアイドル回転数が高めの設定となる。すなわち、アイドリング時における空気(混合気)流量が多い状態になっている。このような状態で、アイドリング状態から非アイドリング状態に車両の状態が変更されると(たとえば降坂路をDレンジにてコースト走行中にアクセルペダルが踏まれると)、空気(混合気)流量が多い状態から、さらにアクセルペダル開度に応じて電子スロットルバルブが開かれる。このため、空気(混合気)流量が多くエンジン回転数が高くエンジンから発生しているトルクが大きいアイドリング状態から、車両がアクセルペダル開度に対応する加速を開始することになる。すなわち、アイドリング状態としては多めの空気(混合気)流量である状態から、さらに空気(混合気)流量が増えることになる。この場合においてロックアップクラッチが係合状態であると、エンジン側と駆動輪側とが直結されていることにより、大きな加速ショックが発生するという問題点を有する。
しかしながら、このような問題点は、特許文献1は、ISC学習完了前のエンジン回転数が高めである場合のニュートラル制御に言及しているもののロックアップクラッチの制御については言及がない。特許文献2は、アイドリング状態から非アイドリング状態への切換わり時に「エンジン回転数<タービン回転数」であるとエンジン回転数がタービン回転数付近まで上昇するまでロックアップクラッチの係合を待機させるロックアップ制御に言及しているもののISC学習制御についての言及がない。特に、特許文献2においては、エンジン回転数が低い場合を問題点としていることに対して、本発明においては、ISC学習制御が完了する前のエンジン回転数が高い場合を問題点としている点で大きく相違する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、アイドリング状態から非アイドリング状態への切換わり時においてISC制御の学習制御が未完了であってもショックの発生を抑制することができる、車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、エンジンと、ロックアップクラッチを備えた流体継手を含む自動変速機とを搭載した車両を制御する。この制御装置は、エンジンがアイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するための検知手段と、エンジンのアイドル回転数を空気流量を調節して学習制御する学習制御手段と、学習制御手段による学習が完了したか否かを判断するための判断手段と、判断手段が学習未完了であると判断した場合に、アイドリング状態から非アイドリングへ変更されることが検知されるまでに、ロックアップクラッチが係合することを禁止するための禁止手段とを含む。
第1の発明によると、エンジンのアイドリング時におけるISC学習制御は、フィードバック制御により低いエンジン回転数に収束するまでに(特に走行中は)時間がかかることがある。このようなISC学習制御が完了するまではエンジンストールを防止するために空気(混合気)流量が多くなるように維持される。禁止手段は、このようなアイドリング状態におけるISCの学習制御が未完了であるときには、ロックアップクラッチが係合されることを禁止する。これにより、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたときに、ロックアップクラッチによってはエンジン側と駆動側とが直結状態になっていない。このため、空気(混合気)流量が多くエンジン回転数が高くエンジンから発生しているトルクが大きいアイドリング状態から非アイドリング状態になっても、ロックアップクラッチが係合していないので、大きな加速ショックが発生することを回避できる。その結果、アイドリング状態から非アイドリング状態への切換わり時においてISC制御の学習制御が未完了であってもショックの発生を抑制することができる、車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、判断手段が学習完了であると判断した場合に、ロックアップクラッチが係合することを許可するための許可手段をさらに含む。
第2の発明によると、ISC学習制御が完了している場合には、エンジン回転数は低い回転数に収束しており、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたときにロックアップクラッチが係合していても大きなショックが生じにくいので、ロックアップクラッチを係合状態にすることを許可しておく。これにより、流体継手(たとえば、トルクコンバータ)における伝達損失なくエンジントルクが駆動輪に伝達され、速やかに加速することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、検知手段は、アクセルペダルの開度に基づいて、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するための手段を含む。
第3の発明によると、アクセル開度センサによりアクセルペダルの開度を検知して、これに基づいて、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置は、第1または2の発明の構成に加えて、車両の走行状態を検知するための手段をさらに含む。検知手段は、車両の走行中に、アクセルペダルの開度に基づいて、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するための手段を含む。
第4の発明によると、車両の走行状態を検知する車速センサにより検知された車速と、アクセル開度センサにより検知されたアクセルペダルの開度とに基づいて、車両走行中におけるアイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知することができる。車両走行中には、特にISC学習制御に時間がかかることがあり、このような学習制御が未完了の場合におけるアイドリング状態から非アイドリング状態へ変更されたときのショックを抑制できる。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、自動変速機は、トルクコンバータと自動変速機構とを含む。自動変速機構は、有段変速機構または無段変速機構である。
第5の発明によると、流体継手としてトルクコンバータを搭載して、自動変速機構として、歯車式の有段変速機構や、ベルト式やトラクション式の無段変速機構を搭載した車両における、アイドリング時のISC学習制御が未完了であっても、非アイドリング時に変更された場合のショックを抑制できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000により実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。なお、本発明は、歯車式変速機構を有する自動変速機に限定されるものではなく、たとえばベルト式やトラクション式などの無段変速機であってもよい。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、詳しくは、図1に示すエンジンECU1010およびECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020により実現される。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサにより検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチと、入力軸側のポンプ羽根車と、出力軸側のタービン羽根車と、ワンウェイクラッチを有しトルク増幅機能を発現するステータとから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検知される。
このような自動変速機300は、その内部に複数の摩擦要素であるクラッチやブレーキを備える。予め定められた作動表に基づいて、摩擦要素であるクラッチ要素(たとえばクラッチC1〜C4)や、ブレーキ要素(たとえばブレーキB1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(たとえばワンウェイクラッチF0〜F3)が、要求された各ギヤ段に対応して、係合および解放されるように油圧回路が制御される。自動変速機300の変速ポジション(シフトレンジ)には、パーキング(P)レンジ、後進走行(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、前進走行(D)レンジなどがある。
これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT_ECU1020とを含む。
ECT_ECU1020には、出力軸回転数センサにて検知された出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。この出力軸回転数NOUTと最終ギヤ比とに基づいて、車両の車速を算出することができる。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサにて検知されたエンジン回転数NEを表わすエンジン回転数信号が入力される。
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
さらに、ECT_ECU1020は、エンジンECU1010にエンジン制御信号(たとえば電子スロットル制御信号)を出力し、エンジンECU1010は、そのエンジン制御信号やISC制御信号などに基づいてエンジン100を制御する。
ECT_ECU1020は、トルクコンバータ200のロックアップクラッチ制御信号を出力する。このロックアップクラッチ制御信号に基づいて、ロックアップクラッチの係合圧が制御される。また、ECT_ECU1020は、自動変速機300にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、自動変速機300の油圧回路のリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速ギヤ段(たとえば第1速〜第5速)を構成するように、摩擦係合要素が係合および解放されるように制御される。
また、ECT_ECU1020には、アクセル開度センサ2000から運転者により踏まれたアクセルペダルの開度を表わす信号が入力される。このアクセル開度信号に基づいて、電子スロットルバルブの開度が決定される。なお、このアクセル開度信号はエンジンECU1010に入力されるものであってもよい。また、ECU1000は、各種データやプログラムが記憶されたメモリを有する。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略して記載する)100にて、ECU1000は、エンジン100がアイドリング状態であるか否かを判断する。この判断は、たとえば、車両が走行状態であって、アクセル開度センサ2000によりアクセルペダルが全閉状態であることが検知されたか否かに基づいて行なわれる。エンジン100がアイドリング状態であると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS600へ移される。
S200にて、ECU1000は、ISC学習制御ルーチンを実行する。このISC学習制御ルーチンはエンジンECU1010により行なわれる。この処理の詳細については後述する。
S300にて、ECU1000は、ロックアップクラッチの係合処理の許可フラグがセットされているか否かを判断する。許可フラグがセットされていると(S300にてYES)、処理はS400へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS500へ移される。
S400にて、ECU1000は、ロックアップクラッチの係合制御を実行する。詳しくは、ECT_ECU1020がロックアップクラッチの制御ソレノイドバルブに係合側信号を出力する。なお、ロックアップクラッチがすでに係合状態である場合には、ロックアップクラッチの状態に変化はない。
S500にて、ECU1000は、ロックアップクラッチの解放制御を実行する。詳しくは、ECT_ECU1020がロックアップクラッチの制御ソレノイドバルブに解放側信号を出力する。なお、ロックアップクラッチが解放状態である場合には、ロックアップクラッチの状態に変化はない。
S600にて、ECU1000は、アクセル開度に基づいて、エンジン100の電子スロットルバルブを開く制御信号をエンジン100に出力することなどを実行して、車両を制御する。
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU1010で実行されるISC学習制御プログラムの制御構造について説明する。
S202にて、エンジンECU1010は、ISC学習制御を開始する。このとき、アイドル空気流量の初期値は、車両の自動変速機300が走行レンジであるのか、ニュートラルレンジやパーキングレンジであるのかによって異なる。空気流量の学習値は、エンジン100の回転数が目標値(目標回転数)近傍の状態が所定時間以上継続している場合に、その時の空気流量値(ISC制御値)を新たな学習値として更新する。
S204にて、エンジンECU1010は、ISC学習制御が完了したか否かを判断する。アイドル空気流量の学習値が更新されたかどうかを判断することにより、ISC学習制御が完了したか否かが判断できる。すなわち、予め定められた時間以上学習値が更新されないとISC学習制御が完了したと判断できる。ISC学習制御が完了していると(S204にてYES)、処理はS206へ移される。もしそうでないと(S204にてNO)、処理はS208へ移される。
S206にて、エンジンECU1010は、ロックアップクラッチの係合を許可する許可フラグをセットする。S206にて、エンジンECU1010は、ロックアップクラッチの係合を許可する許可フラグをリセットする。これらS206およびS208の処理の後、処理は図2のS300へ戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000を搭載した車両の動作について説明する。
車両が,たとえば降坂路をアクセルペダルを全閉の状態で走行中には、アイドリング状態であると判断され(S100にてYES)、ISC学習ルーチンが実行される(S200)。
ISC学習制御が実行され(S202)、学習値が更新されている間は、ISC学習が完了していないので(S204にてNO)、ロックアップクラッチの係合を許可する許可フラグはリセット状態である(S208)。この状態では、ロックアップクラッチが解放制御され、ロックアップクラッチが解放されている(S500)。
運転者がアクセルペダルを踏むとアイドリング状態でなくなり(S100にてNO)、ロックアップクラッチが解放状態のまま、アクセル開度に基づいて電子スロットルバルブが開かれて車両が加速する。このとき、ロックアップクラッチによりエンジン100側と自動変速機300側とが直結状態にされていない。ISC学習制御が完了していないので、空気(混合気)流量が多くエンジン回転数が高くエンジンから発生しているトルクが大きいアイドリング状態である。この状態からアクセルペダルが踏まれても、ロックアップクラッチが係合していないので、大きな加速ショックが発生することを回避できる。
ISC学習制御が実行され(S202)、学習値が更新されることがなくなると(予め定められた時間の間において学習値が更新されなくなると)、ISC学習が完了したので(S204にてYES)、ロックアップクラッチの係合を許可する許可フラグはリセット状態からセット状態に変更される(S206)。この状態になると(許可フラグの状態がリセット状態からセット状態になると)、ロックアップクラッチが係合制御され、ロックアップクラッチが係合される(S400)。
運転者がアクセルペダルを踏むとアイドリング状態でなくなり(S100にてNO)、ロックアップクラッチが係合状態のまま、アクセル開度に基づいて電子スロットルバルブが開かれて車両が加速する。このとき、ロックアップクラッチによりエンジン100側と自動変速機300側とが直結状態にされている。このときの状態を図4に示す。
図4に示すように、アイドリング中にISC学習制御が完了したので、ロックアップクラッチの係合を許可する許可フラグがリセット状態からセット状態に変更される。この許可フラグがセットされたので、ロックアップクラッチが係合される。このロックアップクラッチが解放状態から係合状態に変更された後に、運転者がアクセルペダルを踏んでアイドリング状態から非アイドリング状態になっても、エンジン100のISC学習制御が完了していて、高目の空気量になっていないので、ロックアップクラッチが係合状態であってもショックが生じることはない。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるECUによると、ISC学習制御に時間がかかることがあって学習制御が完了するまでは空気(混合気)流量が多くなるように維持されていても、学習制御が未完了であるときには、ロックアップクラッチが係合されることを禁止する。学習制御が未完了であって空気(混合気)流量が多めの時に、非アイドリング状態に変更されても、そのときにはロックアップクラッチによってはエンジン側と駆動側とが直結状態になっていない。このため、空気(混合気)流量が多い状態で非アイドリング状態に変更されても、ロックアップクラッチが係合していないので、大きな加速ショックが発生することを回避できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、200 トルクコンバータ、300 自動変速機、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、2000 アクセル開度センサ。
Claims (5)
- エンジンと、ロックアップクラッチを備えた流体継手を含む自動変速機とを搭載した車両の制御装置であって、
前記エンジンがアイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するための検知手段と、
前記エンジンのアイドル回転数を空気流量を調節して学習制御する学習制御手段と、
前記学習制御手段による学習が完了したか否かを判断するための判断手段と、
前記判断手段が学習未完了であると判断した場合に、前記アイドリング状態から非アイドリングへ変更されることが検知されるまでに、前記ロックアップクラッチが係合することを禁止するための禁止手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記車両の制御装置は、前記判断手段が学習完了であると判断した場合に、前記ロックアップクラッチが係合することを許可するための許可手段をさらに含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記検知手段は、アクセルペダルの開度に基づいて、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
- 前記車両の制御装置は、前記車両の走行状態を検知するための手段をさらに含み、
前記検知手段は、前記車両の走行中に、アクセルペダルの開度に基づいて、アイドリング状態から非アイドリング状態に変更されたことを検知するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。 - 前記自動変速機は、トルクコンバータと自動変速機構とを含み、前記自動変速機構は、有段変速機構または無段変速機構である、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070206 |