JP2005154706A - 澱粉と生分解性樹脂の複合材料 - Google Patents

澱粉と生分解性樹脂の複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 澱粉と生分解性樹脂を複合する際に界面接着性を改善し、優れた機械的特性を発現する複合材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 澱粉と生分解性樹脂の加熱混練反応中に、少量のイソシアネート基含有物を添加することにより、澱粉と生分解性樹脂の界面接着性を改善し、機械的特性の向上した複合材料を調製することができる。さらに、本方法により、機械的特性に優れた澱粉と生分解性樹脂の複合材料を、大量に効率良く、低コストに製造できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物性が改善された澱粉−生分解性樹脂複合材料およびその製造方法に関する。詳しくは、イソシアネート基含有物を用いて、複合材料のマトリックス樹脂と充填剤である澱粉の一部を架橋反応させることにより、物性を改善した複合材料およびその製造方法に関する。使用後廃棄に問題が生じる分野や生分解性が要求される分野で、成形加工品、建築素材、家電製品、OA用品などに有効利用できる複合材料に関する。
これまで、合成プラスチックをマトリックス樹脂に用い、澱粉を充填材として用いる研究は広い範囲で行われてきた。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂に、澱粉を充填させる複合化研究が代表的である。しかし、これらの合成樹脂は再生産不可能な石油資源由来のものが主であり、また、自然環境中で分解しにくく生分解性を持たない。従って、これらの樹脂の使用は、石油資源の枯渇の懸念とともに、環境中に排出した時の環境負荷が非常に大きく、深刻な環境問題を引き起こしている。
一方、最近これらの環境問題を生分解性樹脂の開発により解決しようとする試みがあり、注目され、研究が活発に行われている。生分解性樹脂は主に脂肪族ポリエステル類、天然高分子、それらのブレンドなどがあるが、その中でも、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)などは既に工業的に大量生産が可能であり、市販されている。
しかし、これらの生分解性樹脂と澱粉をそのまま複合化すると、機械的特性が低下する。これは、澱粉は多量の水酸基を含んでおり、強い親水性の材料であり、それに比べて、生分解性ポリエステルは疎水性の強い材料であることに原因がある。すなわち、性質の異なる二つの材料はそのまま複合すると物性が劣ることが一般的である。そこで、複合材料の界面を制御する必要があるが、生分解性樹脂と澱粉との複合材料の界面制御についての研究は数少ない。
そこで、本発明は実用性のある生分解性樹脂と澱粉の複合材料化を行うにあたって、コストがかからず、大量生産可能で、大幅な機械的特性の改善が期待できる方法を提供する。すなわち、イソシアネート基含有物の添加による架橋反応による複合材料の界面接着性の制御である。本方法により、優れた機械的特性を持つ複合材料を開発することを目的にした。
一般に、澱粉(親水性)と生分解性樹脂(疎水性)を複合する際には、親水性と疎水性の性質の違いにより、界面接着性が悪く、機械的特性の低下を引き起こすという問題がある。本発明では、イソシアネート基含有物を界面接着剤として用いることで界面接着性を改善し、澱粉と生分解性樹脂を複合する際に、優れた機械的特性を発現する複合材料を提供すると同時に、大量に効率良く、低コストに製造できる製造方法を提供することを目的とする。
澱粉と生分解性樹脂の加熱混練反応中に、少量のイソシアネート基含有物を添加することで、澱粉及び生分解性樹脂の界面接着性を制御することが可能で、機械的特性を改善した複合材料を得ることができ、かつ、混練機を用いることで大量に効率良く、低コストに製造できる方法に関する。
本発明の複合材料は一般合成プラスチックと同じように、加圧成形、フィルム成形、真空成形、押出成形、射出成形等の各種成形方法で人工木材、容器、フィル厶、シート、トレイ、発泡体を含む種々の成形加工品に成形可能である。また、本発明は、イソシアネート基含有物を相溶化剤として用いることで、物性に優れた複合材料を提供できる。従って、得られる成形加工品は一般合成プラスチックと同様に非常に広い範囲の用途があり、特に、生分解性に優れた樹脂と再生産可能である澱粉を主原料としたので、環境に非常にやさしい材料としての用途は付加価値の高い分野である。例えば、使用後の廃棄問題を抱える分野があり、これらの問題を本発明の複合材料を用いることで解決できる。例えば、土に埋め立てする際には微生物により分解され土壌に蓄積されないため、土壌環境を悪化させない。また,焼却の際にはダイオキシンなどの有害物質を排出しないし、焼却熱が低いことから焼却炉を傷めない。
澱粉と生分解性樹脂との加熱混練中に、イソシアネート基含有物を少量添加することで、図1に示すように、イソシアネート基が澱粉の水酸基と生分解性樹脂の水酸基あるいはカルボキシル基とそれぞれ反応してウレタン結合を形成し、澱粉と生分解性樹脂とを架橋することにより、澱粉と生分解性樹脂との界面接着性を向上させることができる。
本発明において用いる澱粉には、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉など広く各種の通常の澱粉が使用される。さらには、上記澱粉の加工されたもの、たとえばエステル化、エーテル化、酸化、酵素分解したものなども使用される。エステル化、エーテル化澱粉の置換度は0.01〜0.5が好ましく、その他架橋澱粉も使用できる。ここでいう置換度とは、澱粉誘導体のグルコース残基1個あたりの置換水酸基の平均値である。架橋程度は通常、置換度0.0003〜0.01である。使用されるエステル化剤、エーテル化剤、架橋剤としては従来から使用されて来たものが使用出来、たとえばエステル化剤としてはギ酸、無水ギ酸、酢酸、無水酢酸、酢酸ビニル、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、塩化アセチル、ケテン、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなど、エーテル化剤としては塩化メチル、酸化エチレン、エチレンクロルヒドリン、モノクロル酢酸、ジエチルアミノエチルクロリド、2.3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなど、架橋剤としてはオキシ塩化リン、トリメタリン酸、アクロレイン、エピクロルヒドリンなどがある。酸化澱粉としてはカルボキシル基の置換度が0.00001〜0.02程度生成したものが好ましく、また澱粉の酵素分解物とは、澱粉をα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、プルラナーゼなどの酵素により分解したものをいう。
本発明においてマトリックス樹脂として用いる生分解性樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ乳酸又はポリ−ε−カプロラクトンなどの脂肪族ヒドロキシカルボン酸ホモポリマー、ポリ乳酸とポリ−ε−カプロラクトンのブロックコポリマー、乳酸とグリコール酸のランダムコポリマーなどの脂肪族ヒドロキシカルボン酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸のコポリマー、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネーとのブロックコポリマー、乳酸、こはく酸及びエチレングリコールのランダムコポリマーなどの脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価カルボン酸又はその無水物とのコポリマー、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又はエチルセルロースを核としてポリ乳酸を側鎖とするスターポリマー及び該スターポリマーを、ペンタエリスリトール又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸で連結したポリマーなどの脂肪族ヒドロキシカルボン酸と脂肪族多価アルコール、脂肪族多価カルボン酸又は多糖類を核としたスターポリマー及び該スターポリマーを脂肪族多価アルコール又は脂肪族多価カルボン酸で連結したポリマーである。
本発明において使用するイソシアネート基含有物は、脂肪族イソシアネートとしては、例えばリジンジイソシアネート(LDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエート(LTI)等が挙げられ、また芳香族イソシアネートとしては、例えばジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられ、またイソシアネート変性体としては、例えばウレタンプレポリマー等が挙げられる。もちろん、これらを混合して用いても良い。
本発明に係る複合材料により、引張強度、引張破断伸長率、引張弾性率等の機械的強度に優れた、成形加工品、人工木材、容器、フィルム、シート、トレイ、発泡体を提供することができる。本発明に係る複合材料組成物は、各種のフィルム・シート材料、ディスポーザブル成形加工品(例えば、容器、パイプ、角材、棒材、人工木材、トレイ、コンクリート・パネル、発泡体等)、家具、建材、自動車用内装材・外装材、家電製品の筐体・ハウジング、土木建築資材、農業・酪農業・水産業用資材、リクリエーション用資材、スポーツ用資材等の素材として有効に用いることができる。このように、強度特性に優れ、しかも、生分解性を備えた複合材料を、工業的に容易、かつ、相対的に安価に提供することができる。
次に、この発明の実施例について説明するが、これら実施例のものに限定されるものではない。
澱粉としてコーンスターチ12g、生分解性樹脂としてPLA12gを予め混合した後に、ラボプラストミルを用いて、70rpmの回転数で、180℃で混練し、5分間経過した時に、リジンジイソシアネート(LDI)0.229mlを添加し、さらに10分間混練を続け、複合材料を得た。
次に、得られた複合材料約10gから、(株)テスター産業製10トン卓上ホットプレスを用いて、シートを調製した。ホットプレスの条件は次の通りである。185℃で、0〜50kgf/cmまで2分間かけて加圧し、50kgf/cmで60秒間保持した後、一気に200kgf/cmまで加圧し、さらに60秒間保持した。除圧後、すぐに冷却した。
シートから、長さ80mm、幅5mmのDog Born状試験片を切り出し、幅と厚さを測定し、(株)島津製作所製オートグラフ(AG−I 5kN)を用いて引張特性を測定した。スパン長は50mmで、クロスヘッドスピードは5mm/minであった。引張強度、引張伸度、引張弾性率を内蔵計算プログラム(トラペジウム)を用いて計算した。なお、加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表1に示した。
実施例2〜4
ラボプラストミルを用いて加熱混練する際の、リジンジイソシアネート(LDI)の量を、0.057ml、0.115ml、0.458mlとした以外は、実施例1と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例1と同様に表1に示した。
ラボプラストミルを用いて加熱混練する際の、コーンスターチの量を7.2g、生分解性樹脂PLAの量を16.8g、リジンジイソシアネート(LDI)の量を0.137mlとした以外は、実施例1と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例1と同様に表1に示した。
澱粉としてワキシーコーンスターチを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例1と同様に表1に示した。
澱粉としてハイアミロースコーンスターチを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例1と同様に表1に示した。
Figure 2005154706
澱粉としてコーンスターチ12g、生分解性樹脂としてPBS12gを予め混合した後に、ラボプラストミルを用いて、70rpmの回転数で、140℃で混練し、5分間経過した時に、リジンジイソシアネート(LDI)0.229mlを添加し、さらに10分間混練を続け、複合材料を得た。
次に、得られた複合材料約10gから、(株)テスター産業製10トン卓上ホットプレスを用いて、シートを調製した。ホットプレスの条件は次の通りである。140℃で、0〜50kgf/cmまで2分間かけて加圧し、50kgf/cmで60秒間保持した後、一気に150kgf/cmまで加圧し、さらに60秒間保持した。除圧後、すぐに冷却した。
ついで、調製したシートを用いて、実施例1と同様に引張強度、引張伸度、引張弾性率を測定した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表2に示した。
実施例9〜11
ラボプラストミルを用いて加熱混練する際の、リジンジイソシアネート(LDI)の量を、0.057ml、0.115ml、0.458mlとした以外は、実施例8と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例8と同様に表2に示した。
ラボプラストミルを用いて加熱混練する際の、コーンスターチの量を7.2g、生分解性樹脂PBSの量を16.8g、リジンジイソシアネート(LDI)の量を0.137mlとした以外は、実施例8と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例8と同様に表2に示した。
澱粉としてワキシーコーンスターチを用いた以外は、実施例8と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例8と同様に表2に示した。
澱粉としてハイアミロースコーンスターチを用いた以外は、実施例8と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例8と同様に表2に示した。
Figure 2005154706
澱粉としてコーンスターチ12g、生分解性樹脂としてPBS12gを予め混合した後に、ラボプラストミルを用いて、70rpmの回転数で、140℃で混練し、5分間経過した時に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)0.2mlを添加し、さらに10分間混練を続け、複合材料を得た。
ついで、得られた複合材料約10gから、実施例8と同様にして、シートを調製した。また、調製したシートを用いて、実施例1と同様に引張強度、引張伸度、引張弾性率を測定した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表3に示した。
実施例16〜18
ラボプラストミルを用いて加熱混練する際の、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の量を、0.05ml、0.1ml、0.4mlとした以外は、実施例15と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を実施例15と同様に表3に示した。
Figure 2005154706
比較例1
澱粉としてコーンスターチ12g、生分解性樹脂としてPLA12gを予め混合した後に、ラボプラストミルを用いて、70rpmの回転数で、180℃で15分間混練し、複合材料を得た。
その後、実施例1と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
比較例2
ラボプラストミルを用いて加熱混練する際の、コーンスターチの量を7.2g、生分解性樹脂PLAの量を16.8gと変えた以外は、比較例1と同様に実施した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を比較例1と同様に表4に示す。
比較例3
澱粉としてワキシーコーンスターチを用いた以外は、比較例1と同様に複合材料を調製した。その後、実施例1と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
比較例4
澱粉としてハイアミロースコーンスターチを用いた以外は、比較例1と同様に複合材料を調製した。その後、実施例1と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
比較例5
生分解性樹脂としてPBSを用いた以外は、比較例1と同様に複合材料を調製した。その後、実施例8と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
比較例6
生分解性樹脂としてPBSを用いた以外は、比較例2と同様の配合で複合材料を調製した。その後、実施例8と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
比較例7
澱粉としてワキシーコーンスターチを用いた以外は、比較例5と同様に複合材料を調製した。その後、実施例8と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
比較例8
澱粉としてハイアミロースコーンスターチを用いた以外は、比較例5と同様に複合材料を調製した。その後、実施例8と同様にシートを調製し、引張特性を評価した。加熱混練の際の配合処方とシートの引張特性評価結果を表4に示す。
Figure 2005154706
実施例1〜4と比較例1を比較してみると、澱粉を重量比で半分加えても、イソシアネート(LDI)を添加することにより、PLA/澱粉複合材料の引張強度が大幅に向上し、実施例では、PLA自体の引張強度と同等の値になっていることが分かる。この強度の向上はPLAの水酸基と澱粉の水酸基の架橋反応による界面接着性の向上によるものである。また、その添加量も複合材料との重量比で約1%でも効果が認められ、簡単で大量生産が可能であるメカノケミカル的な複合方法であることから非常に意義が高いといえよう。
実施例5と比較例2を比較してみると、イソシアネート(LDI)を添加することにより、引張強度が向上し、実施例1〜4と同様の効果が現れていることがわかる。
実施例6と比較例3を比較してみると、澱粉としてワキシコーンスターチを用いた場合も、コーンスターチの場合同様に、イソシアネート(LDI)を添加することにより、引張強度が向上していることがわかる。
実施例7と比較例4を比較してみると、澱粉としてハイアミロースコーンスターチを用いた場合も、コーンスターチの場合同様に、イソシアネート(LDI)を添加することにより、引張強度が向上していることがわかる。
実施例8〜11と比較例5を比較してみると、澱粉を重量比で半分加えても、イソシアネート(LDI)を添加することにより、PBS/澱粉複合材料の引張強度が大幅に向上し、実施例では、PBS自体の引張強度と同等の値になっていることが分かる。この強度の向上はPBSの水酸基と澱粉の水酸基の架橋反応による界面接着性の向上によるものである。また、その添加量も複合材料との重量比で約1%でも効果が認められ、簡単で大量生産が可能であるメカノケミカル的な複合方法であることから非常に意義が高いといえよう。
実施例12と比較例6を比較してみると、イソシアネート(LDI)を添加することにより、引張強度が向上し、実施例8〜11と同様の効果が現れていることがわかる。
実施例13と比較例7を比較してみると、澱粉としてワキシコーンスターチを用いた場合も、コーンスターチの場合と同様に、イソシアネート(LDI)を添加することにより、引張強度が向上していることがわかる。
実施例14と比較例8を比較してみると、澱粉としてハイアミロースコーンスターチを用いた場合も、コーンスターチの場合と同様に、イソシアネート(LDI)を添加することにより、引張強度が向上していることがわかる。
実施例15〜18と比較例5を比較してみると、添加するイソシアネートとしてHDIを使用した場合も、実施例8〜11で使用したLDIと同様の効果が現れ、PBS/澱粉複合材料の引張強度が大幅に向上していることが分かる。
イソシアネートの添加による界面接着性の向上の証明のために、PBS/澱粉/イソシアネート添加複合材料とPBS/澱粉の複合材料の破断面の電子顕微鏡の写真をそれぞれ図2と図3に示した。PBSと澱粉だけの複合材料において、澱粉とマトリックス樹脂との界面は図3に示すように接着性が認められない。すなわち、接着性が悪いために、澱粉と樹脂の界面に隙間が開いたり、澱粉が樹脂から抜けたりする現象が見られる。一方、イソシアネートを添加した図2では、澱粉とマトリックス樹脂との界面の隙間は無くなっており、界面の接着性が向上していることが明確に分かる。従って、上で述べた引張強度の向上は、イソシアネートの添加によるPBSおよびPLAと澱粉の界面接着性の向上によるよるものである。
澱粉とポリ乳酸(PLA)あるいはポリブチレンサクシネート(PBS)の複合材料の加熱混練中に、イソシアネートを添加した場合の架橋反応機構を示した図面である。 PBS/澱粉にイソシアネートを添加した複合材料の破断面の電子顕微鏡写真を示した図である。 PBS/澱粉複合材料の破断面の電子顕微鏡写真を示した図である。

Claims (3)

  1. 澱粉あるいは加工澱粉(5〜95%)と、生分解性樹脂(95〜5%)と、イソシアネート基含有物(0.1〜50%)を加熱混練することから得られる複合材料。
  2. 澱粉あるいは加工澱粉(5〜95%)と生分解性樹脂(95〜5%)とをあらかじめ加熱混練し、その後加熱混練中にイソシアネート基含有物(0.1〜50%)を添加することを特徴とする請求項1記載の複合材料の製造方法。
  3. 請求項1の複合材料からなる成形加工品、人工木材、フィルム、シート、トレイ。
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