JP2005152182A - 木質感に優れたカーテンレール - Google Patents

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繁雄 石井
Naoki Shimura
直紀 志村
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英夫 雨宮
Koji Hayafune
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Abstract

【課題】
熱可塑性樹脂を主たる原料として、木材製に近い外観と触感を有する装飾性のあるカーテンレールを提供することである。
【解決手段】
熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、微細化した竹(B)20〜150重量部を含有する樹脂組成物を押出し成形及び射出成形して得られる、ポール部、エンドキャップ部、リングランナー部及びその他部品から構成されるカーテンレールであり、上記樹脂組成物の押出し成形及び射出成形で得られ、かつ各部品間で均質の木質感を有する、これらの部品を組合わせて、木質感に優れた装飾カーテンレールが得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂を原料とする木質感に優れたカーテンレールに関する。
詳しくは、ポール部、エンドキャップ部、リングランナー部、及び必要によりその他の付属部から構成される装飾カーテンレールであり、熱可塑性樹脂を原材料としながら、これらの樹脂に微細化した竹を含有させた組成物を成形して得られる、木質感に優れたカーテンレールに関する。
カーテンレールは、カーテンを住居の窓に掛けたり、部屋の仕切りや装飾として、カーテンや暖簾などの布帛を吊るして開閉するための用具として、実用的なものから装飾的なものまで、また素材としては、樹脂製、木材製からステンレス等の金属製まで、かつ各種の形状のものが開発され市販されている。
通常、実用性の面からアルミニウムやスチールなどの金属製のものが堅牢で機能的なカーテンレールとして用いられている。一方、素材やデザインなどで装飾性を施したカーテンレールは、そのデザインや木材または特定の金属などの外観や触感などから、高付加価値の製品として用いられている。
しかし、これらの装飾性のカーテンレールは、通常、高価で販売されているため、手軽に購入して取り付ける程には普及していない。又、カーテンレール等の材料として用いられるも天然の木は同じものを多く用意するのは困難であり、環境問題から木の伐採が制限されることもある。
これらの装飾性を有するカーテンレールが、より安価に、かつ安定に供給でき、一方、これらを購入して使用できれば、居住環境は豊かなものになり、生活も潤いのあるものになる。
本発明の課題は、樹脂を原料とする成形品であり、自然の木材に近い外観と、肌触りを有し、かつ視覚的にも木製に近い装飾性のあるカーテンレールを提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討し、驚くべきことに熱可塑性樹脂に、微細化した竹を含有する組成物を押出し成形して得られるカーテンレールが上記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)ポール部、エンドキャップ部、リングランナー部、及び必要によりその他付属部からなるカーテンレールであって、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、微細化した竹(B)20〜150重量部を含有する樹脂組成物の押出成形及び射出成形により得られる、これらの構成部分からなる木質感に優れたカーテンレール、
(2)熱可塑性樹脂(A)が、ポリプロピレン系樹脂である1項記載の木質感に優れたカーテンレール、
である。
本発明の木質感に優れたカーテンレールは、熱可塑性樹脂を原材料としながら、外観及び触感が木材に近く、これらが装飾性カーテンレールとして商品価値を有するものであり、安価に安定して供給できるので、住宅環境を一層豊かなものにするものとして有用である。一方、自然保護や木材資源保護の点で、極めて有益である。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂や、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の上記樹脂の低分子量物、また、エチレン−プロピレンゴム状共重合体、ポリブテン等のエラストマー、さらには、ポリ乳酸、ポリカプロラクタム、ポリヒドロキシブチレート等の生分解性樹脂等の一般に押出成形や射出成形に使用される熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリプロピレン系樹脂、例えば、結晶性または非晶性ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、α−オレフィンとエチレンあるいはプロピレンとの共重合体等が挙げられる。これらは1種または2種以上の併用系で使用しても良い。
また、本発明で使用する微細化した竹は、通常、竹の間伐材やそれらを用いて竹製品を製造する際に発生する竹の屑などを粉砕して得られる。微細化した竹の平均粒度は特に限定されないが、5〜500μmの範囲であることが好ましい。5μmより細かい場合は嵩密度が小さいために飛散しやすく取り扱いが困難であり、また、熱可塑性樹脂との混合時に分級しやすいので好ましくない。また、500μmより大きい場合は成形品の表面状態が悪くなり、成形品の製造目的によっては不都合を生じるので好ましくない。
上記の微細化した竹は、粉砕して微細化した竹を必要に応じて篩い分けしても良い。
微細化した竹の含有量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、微細化した竹20〜150重量部であり、20重量部未満では木質感が劣るので好ましくなく、150重量部を超えると衝撃強度や曲げ強度等の物性が劣るので好ましくない。
本発明に用いられる組成物には、必要により、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤のほか、着色染料、顔料などや、熱可塑性樹脂と微細化した竹との相容性を向上させるための相溶化剤、また、少量の他の樹脂を本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいても良い。
熱可塑性樹脂と微細化された竹とを含有してなる樹脂組成物を用いるカーテンレールの製造は、特に限定されるものではないが、通常、次の方法で可能である。
所定量の熱可塑性樹脂及び微細化した竹、並びに必要により添加するその他添加剤を、ヘンシルミキサーなどにより攪拌混合し、通常、これらを押出機により加熱溶融押出してペレット状に成形したものを得る。ペレット状にせずにそのまま押出成形したものでも良い。また、ヘンシルミキサーなどで混合時に溶融造粒しても良い。更に、両者を加熱したロールにより溶融混練し、シート状にしたものを裁断して造粒しても良い。
本発明に用いられる樹脂組成物は、成形収縮率が小さく、引け、反りなどが極めて小さいので、射出成形に好適であり、押出成形等の一般の成形加工も可能である。
一般に、射出成形に用いられるハイフローの熱可塑性樹脂は押出し成形への適用に難点があるが、微細化した竹を混入することにより押出し成形性が向上する。この場合、勿論、射出成形にも適用可能であり、同一の材料を用いて押出成形にも、射出成形にも適用できるので、カーテンレールのポール部、エンドキャップ部及びリングランナー部等の各部品において、木質感が同一のカーテンレールを製造できるので好ましい。
本発明のカーテンレールは、主たる構成部分がポール部、エンドキャップ部、リングランナー部であり、及び必要によりその他付属部からなるものであり、ポール部は、押出成形法により成形され、エンドキャップ部、リングランナー部及びその他部品は、射出成形法により成形される。
ポール部は、得られたペレットを押出成形機のホッパーを経て加熱筒部分に送り込み熔融してノズルから金型を通して押出して冷却し、中空のパイプを製造する。
木質感を更に高めるためにポール部や、その他エンドキャップ部、リングランナー部、及びその他付属部に木目加工を加えても良い。
木目調の外観を高める方法としては、例えば、押出成形時に1色以上の着色ペレットを少量加え、故意に不均質分散を生じさせて筋状の木目模様を出す方法、各部品の表面の所々に着色したペレットを熔融して筋状に押出して木目模様を出す方法、又は、出来上がった各部品の表面の所々に熱転写や切削加工により筋状の木目模様を出す方法等が挙げられ、これらの方法の中から、本発明の効果である木質感を阻害しない範囲で適切な方法を適用できる。
本発明のポール部では、得られた中空のパイプに鉄製のパイプを装入して補強される。
また、射出成形による上記部品の成形は、例えば、次の方法で行なわれる。
得られたペレットを射出成形機のホッパーを経て加熱筒部分に送り込み熔融してノズルからそれぞれの部品の金型内に射出し、冷却して成形品を得る。
エンドキャップ部は、特に装飾的にデザインされた形状の金型を用いて成形されるが、2以上の形状からなるものを嵌合させて構成されるものであっても良い。
リングランナー部やその他部品も、装飾的にデザインされた金型を用いて射出成形される。
得られた各部品の成形品は、組合わせてカーテンレールを得る。勿論、部品間に異種の質感を持たせるようなデザインの組み合わせでも良い。
本発明のカーテンレールは、その表面が、樹脂成形品のような平滑で滑らかさを有する光沢のあるものではない。
表面は、細かな凹凸のある粗面であって、艶消し表面であり、自然の木材に近い外観を呈する。また、その肌触りも木材に極めて近い感触である。このような艶消し表面は、成形機の金型の表面をシボ付け加工をしなくても得られる。
したがって、樹脂を主たる原料としながら、木質感に優れた装飾性の高いカーテンレールを得ることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例中、部とは重量部、%とは重量%を示す。
[実施例1]
a)ベース樹脂の調製
ポリプロピレン樹脂(J739、三井化学(株)製)100重量部、孟宗竹をグラインダーにより荒粉砕し、更にボールミルにより粉砕した後、篩い分けして得られる平均粒径150μmを有し、予備乾燥により水分含有量約0.1%とした微細化した竹70重量部及び酸変性ポリオレフィン(アドマーQE800、三井化学(株)製)10重量部、ポリプロピレン樹脂、竹粉、酸変性ポリオレフィンの総計100重量部に対して酸化防止剤イルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を0.5重量部と滑剤として脂肪酸アマイド(アマイドE;花王(株)製)2重量部をヘンシルミキサーで十分に混合した後、L/D=28、シリンダー内径50ミリメートルのベント押出し機を用い、設定温度200℃で熔融ペレット化した。得られたペレットは茶色であった。
得られたペレットを105℃で3時間、予備乾燥した後、設定温度170℃で押出し成形を行い。外径約25mm、肉厚約1.5mmのパイプを得た。
得られたパイプの外観は、艶消し状で、自然な感じの木質調の外観であった。
このパイプの内側に嵌合する肉厚約1mmの鉄製パイプを装入してカーテンポールを得た。
また、105℃で3時間予備乾燥した後、設定温度180℃で射出成形して、該カーテンレールと嵌合する開口部を有し、外部が約45mmの球状のエンドキャップ及び断面が約7mmの円状で外形が約45mmの輪の形状をしたリングランナーを得た。
いずれの成形品も押出し成形品と同一の外観であった。
得られたカーテンポールとエンドキャップ及びリングランナーを組合わせてカーテンレールを得た。
押出し成形品であるポールと射出成形品であるエンドキャップ、リングランナーの外観は同様であり、カーテンレールとして各部品を組合わせても、外観が一致しており良好なものであった。
リングランナーに2kgの荷重を下げ、1000回の摺動テストを実施したが、ポール及びリングに異常はなく、カーテンレールとして実用上問題がなかった。
本発明のカーテンレールは、熱可塑性樹脂を主たる原料としながら、自然の木材に近い外観と感触を有するので、木質感に優れた装飾性カーテンレールを安価に安定して提供することができる。

Claims (2)

  1. ポール部、エンドキャップ部、リングランナー部、及び必要によりその他付属部からなるカーテンレールであって、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、微細化した竹(B)20〜150重量部を含有する樹脂組成物の押出成形及び射出成形により得られる、これらの構成部分からなる木質感に優れたカーテンレール。
  2. 熱可塑性樹脂(A)が、ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の木質感に優れたカーテンレール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207364A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Hatsupoo Kagaku Kogyo Kk 艶消し木質調木口材及びその製造方法
JP2020000845A (ja) * 2018-06-20 2020-01-09 立川ブラインド工業株式会社 カーテンランナ、カーテンレール装置および装飾部材

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