JP2005151960A - 赤色系色相の野外用軟質農業シート - Google Patents
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Abstract
【課題】農業土壌覆いマルチシート、畝間作業路シートなどの野外用軟質農業シートにおいて、使用面積が広いことを利用して、直接の目的の機能に加えて、防虫剤、鳥類などの小動物忌避剤などを余分に付加することなしに、簡単な手段で、害虫類や鳥類などの小動物忌避機能をプラス付加すること。
【解決手段】農業土壌覆いマルチシート使用部3、畝間作業路用シート使用部4などで使用する野外用軟質農業シートにおいて、使用するときの外側の露出面を、JIS色相環において時計回りで色相5RP〜5YRの範囲の赤色系色相に彩色し、露出面を赤色系色相とすることで、害虫類や鳥類などの小動物忌避機能を付加することができた。
野外用軟質農業シートを、赤色系色相に彩色するだけであり、極めて安価である。
【選択図】図1
【解決手段】農業土壌覆いマルチシート使用部3、畝間作業路用シート使用部4などで使用する野外用軟質農業シートにおいて、使用するときの外側の露出面を、JIS色相環において時計回りで色相5RP〜5YRの範囲の赤色系色相に彩色し、露出面を赤色系色相とすることで、害虫類や鳥類などの小動物忌避機能を付加することができた。
野外用軟質農業シートを、赤色系色相に彩色するだけであり、極めて安価である。
【選択図】図1
Description
本発明は、農業土壌覆いマルチシート、あるいは畝間作業路シートなど、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートに、新たな機能を付加することに関する。
農土を覆って使用する野外用軟質農業シートの一つである農業土壌覆いマルチシートは、栽培する果樹、野菜、あるいは有用草木などの農土に敷設し、前記栽培する果樹などの周辺農土を覆って使用する。
前記農業土壌覆いマルチシートは、農土への雨水の流入を適度に抑制すること、太陽光線の上方反射によって作物の光合成を助けること、農土を太陽光から遮光することによってシート下の雑草の生育を阻止することなどを目的とするシートである。
また、畑間などに敷設する畝間作業路シートは、一種の簡易舗装用シートで、農作業者が畑に至り易くしたり、車付き農業機械などの進入を容易にする目的のためのものである。
前記農業土壌覆いマルチシートは、農土への雨水の流入を適度に抑制すること、太陽光線の上方反射によって作物の光合成を助けること、農土を太陽光から遮光することによってシート下の雑草の生育を阻止することなどを目的とするシートである。
また、畑間などに敷設する畝間作業路シートは、一種の簡易舗装用シートで、農作業者が畑に至り易くしたり、車付き農業機械などの進入を容易にする目的のためのものである。
一方、農業土壌覆いマルチシートの付加技術の例をあげれば、前記マルチシートである合成樹脂シートや不織布に、微小穿孔群を設けることが行われているが、これは農土への雨水の適度な通過性や通気性を与えるためで、前記マルチシートの本来の目的強化である。
また、前記マルチシートの層構造の露出面をアルミニウムなどの鏡面メタライジング・フィルムなどの表面層として反射性を上げることが行われているが、これは単なる不織布や不透明フィルムに替えて、太陽光線の反射性を増強するためで、前記マルチシートの目的強化である。
また、前記マルチシートを生分解性繊維や樹脂によるシートとするなどが行われているが、これは環境負荷の低減や、前記マルチシートの撤去の合理化が目的である。
また、前記マルチシートの層構造の露出面をアルミニウムなどの鏡面メタライジング・フィルムなどの表面層として反射性を上げることが行われているが、これは単なる不織布や不透明フィルムに替えて、太陽光線の反射性を増強するためで、前記マルチシートの目的強化である。
また、前記マルチシートを生分解性繊維や樹脂によるシートとするなどが行われているが、これは環境負荷の低減や、前記マルチシートの撤去の合理化が目的である。
前記農業土壌覆いマルチシート、あるいは前記畝間作業路シートなどの敷設には、前記シート自体のコストや、敷設のための多大なコストおよび労力を必要とする。
したがって、前記農業土壌覆いマルチシート、あるいは前記畝間作業路シートなどの直接の目的機能のみでは、あまりにも不経済で、その対価に対して見合わないと云わねばならない。
したがって、前記農業土壌覆いマルチシート、あるいは前記畝間作業路シートなどの直接の目的機能のみでは、あまりにも不経済で、その対価に対して見合わないと云わねばならない。
かようなことから、対価に見合うようにするためなどから、前記シート類の本来の直接機能に加えて、別な機能を付加して、多機能化することが行われている。
前記農業土壌覆いマルチシートなどにおいて、本来の直接目的に加えて、異なる機能を付加した場合の従来の技術をの例を掲げる。
特開2000−116251 特開平10−271919 実案登録3086688
前記農業土壌覆いマルチシートなどにおいて、本来の直接目的に加えて、異なる機能を付加した場合の従来の技術をの例を掲げる。
また、本発明を説明するために、従来の研究文献などを掲げる。
高木雅行;「感覚の整理学」、裳華房(1989.2.25、第1版) 鈴木光太郎;「動物は世界をどう見るか」、新曜社(1995.11.25、初版第1刷) Jillyn Smith;中村眞次訳;「五感の科学」、オーム社(1991.2.20、第1版第1刷) ジェラルドH.ジェイコブス;三星宗雄訳;「動物は色が見えるか=色覚の進化論的比較動物学=」、晃洋書房(1994.5.20、初版第1刷)
なお、引用文献からの引用文、およびその説明は、前記引用文の表現をそのまま用いるものとする。
高木雅行;「感覚の整理学」、裳華房(1989.2.25、第1版) 鈴木光太郎;「動物は世界をどう見るか」、新曜社(1995.11.25、初版第1刷) Jillyn Smith;中村眞次訳;「五感の科学」、オーム社(1991.2.20、第1版第1刷) ジェラルドH.ジェイコブス;三星宗雄訳;「動物は色が見えるか=色覚の進化論的比較動物学=」、晃洋書房(1994.5.20、初版第1刷)
なお、引用文献からの引用文、およびその説明は、前記引用文の表現をそのまま用いるものとする。
「特許文献1」は、農業用マルチシート及び農業用マルチシートの製造方法並びに農業用マルチシートの使用方法に関する開示で、「特許文献1」の段落番号「0012」に、「原材料として麻を用いるため、透水性、通気性、酸欠防止作用があり、シトロネラ等の植物精油も付加するため防虫、殺菌作用が顕著であり、しかも軽量、強靭性のため使用に便利とできる特徴を有するものである」と開示されている。
つまり、「特許文献1」には、農業用マルチシートの本来の機能に加えて、シトロネラなどのハーブ精油などを付加して防虫、殺菌作用を付加することが開示されている。
つまり、「特許文献1」には、農業用マルチシートの本来の機能に加えて、シトロネラなどのハーブ精油などを付加して防虫、殺菌作用を付加することが開示されている。
「特許文献2」は、パルプと固形粒子を主構成要素とする農業用マルチシートにおいて、地温上昇、防草効果及び防虫効果があり、固形粒子を肥料として使用し、生分解可能な農業マルチシートに関する開示である。
「特許文献2」の段落番号「0008」に、「固形粒子が、固体形態を有する肥料である農業用マルチシートの発明である」との開示がある。
また、段落番号「0009」に、「肥料が窒素成分を有する魚粉、大豆粕粉、コウモリの糞化石粉の全部又は一部にリン酸成分を有するエビ殻粉、骨粉の全部又は一部並びにカリウム成分を含む物質をそれぞれ窒素成分およびリン酸成分並びにカリウム成分の比が8:8:4〜6の所定の割合で混合し、粉砕した農業用マルチシート」との開示がある。
「特許文献2」の段落番号「0008」に、「固形粒子が、固体形態を有する肥料である農業用マルチシートの発明である」との開示がある。
また、段落番号「0009」に、「肥料が窒素成分を有する魚粉、大豆粕粉、コウモリの糞化石粉の全部又は一部にリン酸成分を有するエビ殻粉、骨粉の全部又は一部並びにカリウム成分を含む物質をそれぞれ窒素成分およびリン酸成分並びにカリウム成分の比が8:8:4〜6の所定の割合で混合し、粉砕した農業用マルチシート」との開示がある。
また、「特許文献2」の段落番号「0010」に、「肥料の構成要素である窒素成分、リン酸成分及びカリウム成分を8:8:4〜6の割合で混合するとき、又はその後の粉砕工程で、ゼラニウム又はシトロネラをも所定量混入するようにした農業用マルチシート」との開示がある。
さらに、段落番号「0049」に、「農業用マルチシートの成分中にゼラニウム又はシトロネラを混入したものでは、特に防虫効果(抗菌効果)が顕著である」との開示がある。
つまり、「特許文献2」には、農業用マルチシートの本来の機能に加えて、防虫機能や肥料機能の付加技術が開示されている。
さらに、段落番号「0049」に、「農業用マルチシートの成分中にゼラニウム又はシトロネラを混入したものでは、特に防虫効果(抗菌効果)が顕著である」との開示がある。
つまり、「特許文献2」には、農業用マルチシートの本来の機能に加えて、防虫機能や肥料機能の付加技術が開示されている。
「特許文献3」は、農業土壌覆い多層マルチシートにおける機能の一部であるところの、土壌を遮光して陽光を断ち、前記マルチシート下の雑草生育の阻止、および太陽光線を上部に反射させて樹木などの光合成の増強の面の機能を強化する開示である。
すなわち「特許文献3」は、「微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを表面層に配し、ぎらぎら光るグラリング欠陥を緩和するために、最外層の表層、および裏面露出の場合を考慮して、前記鏡面メタライジング・フィルム表裏両面を薄い布状繊維集合体層で覆った、表裏繊維面の農業土壌覆い多層マルチシート」に関する開示である。
すなわち「特許文献3」は、「微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを表面層に配し、ぎらぎら光るグラリング欠陥を緩和するために、最外層の表層、および裏面露出の場合を考慮して、前記鏡面メタライジング・フィルム表裏両面を薄い布状繊維集合体層で覆った、表裏繊維面の農業土壌覆い多層マルチシート」に関する開示である。
つまり、「特許文献3」の段落番号「0021」に、「図4に示す如く断面において、2、3からなる鏡面のメタライジング・フィルム層の表と裏の両面に各接合層5、9を介して各布状繊維集合体層4、8を有し、かつ平面において微小穿孔群を有することを特徴とする表裏繊維面の農業土壌覆い多層マルチシート」と開示されている。
ところで、「特許文献1」および「特許文献2」の開示には、農業土壌覆いマルチシートなどの農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、本来の使用目的に加えて、防虫機能、殺菌機能、ならびに肥料機能を付加することが開示されている。
しかしながら、かような従来技術は、農業土壌覆いマルチシートに殺菌剤、防虫剤、肥料などを余分にプラス付加することによって、殺菌機能、防虫機能および肥料機能などを付加した技術である。
また、「特許文献3」の開示は、微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを起用することによって、農業土壌覆い多層マルチシートにおける機能の一つであるところの、土壌を遮光して陽光を断つ機能、および太陽光線を上部に反射させる機能などを強化する開示である。
このように、薬剤、肥料、鏡面反射性材料などを余分にプラス付加することは、それぞれの機能は付加されるが、前記薬剤、肥料、鏡面反射性材料などのコストや、加工コストがかなりプラスされることになる。
しかしながら、かような従来技術は、農業土壌覆いマルチシートに殺菌剤、防虫剤、肥料などを余分にプラス付加することによって、殺菌機能、防虫機能および肥料機能などを付加した技術である。
また、「特許文献3」の開示は、微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを起用することによって、農業土壌覆い多層マルチシートにおける機能の一つであるところの、土壌を遮光して陽光を断つ機能、および太陽光線を上部に反射させる機能などを強化する開示である。
このように、薬剤、肥料、鏡面反射性材料などを余分にプラス付加することは、それぞれの機能は付加されるが、前記薬剤、肥料、鏡面反射性材料などのコストや、加工コストがかなりプラスされることになる。
農業土壌覆いマルチシートなどを利用する果樹などの農作物の栽培は、前記シート材料自体のコスト、および敷設のための多大な労力とコストを必要とする。
したがって、材料コストと加工コストおよび多大な労力に見合う、比較的高価な農作物の栽培への適用に限られていた。
発明者は、農業土壌覆いマルチシートあるいは畝間作業路シートなどの直接の目的機能に加えて、大幅なコストアップにつながる害虫忌避剤、鳥類などの小動物忌避剤などを余分に付加することなしに、害虫類忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能をプラス付加することができないかと考えたものである。
したがって、材料コストと加工コストおよび多大な労力に見合う、比較的高価な農作物の栽培への適用に限られていた。
発明者は、農業土壌覆いマルチシートあるいは畝間作業路シートなどの直接の目的機能に加えて、大幅なコストアップにつながる害虫忌避剤、鳥類などの小動物忌避剤などを余分に付加することなしに、害虫類忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能をプラス付加することができないかと考えたものである。
つまり、薬剤などを余分に付加せずに、農業土壌覆いマルチシートや畝間作業路シートなどの直接の目的機能に加えて、前記シートが広い面積で使用することを利用して、害虫類忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能を付加する方法がないものか考えた。
前記野外用軟質農業シートにおいて、薬剤や肥料の付加に頼らずに、広い面積であることを利用し、害虫類忌避作用、鳥類などの小動物忌避作用などを、僅かなコスト上昇のみで付加することができれば、対象栽培果樹や農作物の種類などが増え、農業土壌覆いマルチシートや畝間作業路シートなどを利用する農法が大きく普及し、農産物の品質向上や生産性向上に寄与する。
前記野外用軟質農業シートにおいて、薬剤や肥料の付加に頼らずに、広い面積であることを利用し、害虫類忌避作用、鳥類などの小動物忌避作用などを、僅かなコスト上昇のみで付加することができれば、対象栽培果樹や農作物の種類などが増え、農業土壌覆いマルチシートや畝間作業路シートなどを利用する農法が大きく普及し、農産物の品質向上や生産性向上に寄与する。
本発明は、上記課題を考慮して、農業土壌覆いマルチシートあるいは畝間作業路用シートなどの農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、使用面積が広いことを利用して、直接の目的の機能に加えて、防虫剤や鳥類などの小動物忌避剤などを余分に付加することなしに、害虫類忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能をプラス付加することを目的とする。
発明者が調査したところでは、農業用マルチシートは、殆どが色相については、オフホワイト、グレイ色、あるいは黒色などの無彩色(ニュートラル、neutral)であり、一部アルミ蒸着フィルムなどを表層とした鏡面光沢のものがある。
実際、「特許文献1」、「特許文献2」ならびに「特許文献3」にも、農業用マルチ−シートの色相についての開示はなく、色相は問題外であるとの認識が窺われる。
発明者は、鋭意検討の結果、農場で用いる地上に大面積で敷設するところの、農業土壌覆いマルチシート、畝間作業路シートや野積みシートなどの、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートの色相を赤色系に彩色することで、驚くべきことに防虫忌避作用や鳥類などの小動物忌避作用をおよぼすことを見いだした。
しかして、次の発明に至った。
実際、「特許文献1」、「特許文献2」ならびに「特許文献3」にも、農業用マルチ−シートの色相についての開示はなく、色相は問題外であるとの認識が窺われる。
発明者は、鋭意検討の結果、農場で用いる地上に大面積で敷設するところの、農業土壌覆いマルチシート、畝間作業路シートや野積みシートなどの、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートの色相を赤色系に彩色することで、驚くべきことに防虫忌避作用や鳥類などの小動物忌避作用をおよぼすことを見いだした。
しかして、次の発明に至った。
すなわち、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、使用するときの外側の露出面の色相が、図2に示す、JIS Z 8721−1993、3.に示される色相環(JIS色相環と称する)において、その境界は定かでないが、時計回りで色相5RP〜5YRの範囲の赤色系色相であることを特徴とする、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートの発明に至った。
また、前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、前記シートの材料が、紙類シート、繊維集合体シート、または軟質樹脂シートの三者のシートの何れかのシートか、あるいは前記三者のシートのうちの何れか二者の複合シートまたは前記三者のシートの複合シートを、断面層に含むシートであることを特徴とする、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートの発明である。
また、前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが、図1に示す農業土壌覆いマルチシート3であって、前記シートの材料が、紙類シート、繊維集合体シート、または軟質樹脂シートの三者のシートの何れかのシートか、あるいは前記三者のシートのうちの何れか二者の複合シートまたは前記三者のシートの複合シートを、断面層に含むシートでああって、かつ、前記シートの材料は、少なくとも防虫効能を有するハーブ精油、あるいは少なくとも防虫効能を有するハーブ精油と肥料成分を含んでいることを特徴とする、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートの発明である。
また、前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが、図1に示す農業土壌覆いマルチシート3であって、前記シートの材料は、鏡面メタライジングフィルムあるいは鏡面金属箔接合フィルムと、紙類シートあるいは繊維集合体シート、あるいは紙類シートおよび繊維集合体シートを、断面層に含むシートであることを特徴とする、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートの発明である。
また、前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが、図1に示す農業土壌覆いマルチシート3であって、前記シートの材料は、鏡面メタライジングフィルムあるいは鏡面金属箔接合フィルムと、紙類シートあるいは繊維集合体シート、あるいは紙類シートおよび繊維集合体シートを、断面層に含むシートであって、かつ、前記シートの材料は、少なくとも防虫効能を有するハーブ精油を含んでいることを特徴とする、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートの発明である。
(1) 農業土壌覆いマルチシート、畝間作業路用シート、あるいは農業用野積みシートなどの農土を覆って使用する野外用軟質農業シートを、赤色系に彩色するだけで、本来の目的に加えて、害虫忌避機能、ならびに鳥類などの小動物忌避機能などを与えることができる。
(2) 野外用軟質農業シートを、赤色系に彩色するだけであり、極めて安価である。
(3) 薬剤、肥料などの異物を用いないので、人体に対しては安全で、環境を汚染せず、環境負荷の増大なしに、害虫忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能の付加を可能にした。
(4) 野外用軟質農業シート自体の機能や、他の防虫、防鳥などの機能を付加した野外用軟質農業シートとの補完を目的とした本発明の利用の利用の仕方によって、本発明の害虫忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能は、単なる加算効果ばかりでなく、昼間の前記機能強化や、前記機能の昼夜の連続性など相乗効果が期待できる。
(2) 野外用軟質農業シートを、赤色系に彩色するだけであり、極めて安価である。
(3) 薬剤、肥料などの異物を用いないので、人体に対しては安全で、環境を汚染せず、環境負荷の増大なしに、害虫忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能の付加を可能にした。
(4) 野外用軟質農業シート自体の機能や、他の防虫、防鳥などの機能を付加した野外用軟質農業シートとの補完を目的とした本発明の利用の利用の仕方によって、本発明の害虫忌避機能、鳥類などの小動物忌避機能は、単なる加算効果ばかりでなく、昼間の前記機能強化や、前記機能の昼夜の連続性など相乗効果が期待できる。
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面などを参照して説明する。
図1は、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートを使用している果樹園および畑の俯瞰的略図で、農地における本発明の外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートを適用する場合の例示である。
図1の果樹園部分1の農土は、農業土壌覆いマルチシート3の使用部であり、蔬菜などの畑部分2との境の通路は、畝間作業路シート4の使用部である。
図1は、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートを使用している果樹園および畑の俯瞰的略図で、農地における本発明の外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートを適用する場合の例示である。
図1の果樹園部分1の農土は、農業土壌覆いマルチシート3の使用部であり、蔬菜などの畑部分2との境の通路は、畝間作業路シート4の使用部である。
本発明は、かような例示に示す如く使われ、昆虫や鳥類などの小動物の視覚に訴えて忌避効果を具現する、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートである。
図2は、JIS色相環(JIS Z 8721−1993、3.に示す色相環)である。
前記JIS色相環は、時計回りで基本となるR(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)、P(紫)の5色相を円周上に等間隔に配し、それぞれの中間にYR(黄赤)、YG(黄緑)、BG(青緑)、PB(青紫)、RP(赤紫)を配して10色相を主要色相とし、さらにこれを細分して並べた色相環である。
本発明に適用する赤色系の色相は、JIS色相環における色相において、その境界は定かでないが、時計回りで5RP〜5YRの範囲の赤色系であり、その明度については非パステル調で、彩度は高い方が忌避効果がよい。
図2は、JIS色相環(JIS Z 8721−1993、3.に示す色相環)である。
前記JIS色相環は、時計回りで基本となるR(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)、P(紫)の5色相を円周上に等間隔に配し、それぞれの中間にYR(黄赤)、YG(黄緑)、BG(青緑)、PB(青紫)、RP(赤紫)を配して10色相を主要色相とし、さらにこれを細分して並べた色相環である。
本発明に適用する赤色系の色相は、JIS色相環における色相において、その境界は定かでないが、時計回りで5RP〜5YRの範囲の赤色系であり、その明度については非パステル調で、彩度は高い方が忌避効果がよい。
次に、本発明において重要な事項である視覚に関する説明をする。
「非特許文献1」において、人の目の網膜の細胞構成に関する記載で、72頁10行に、「棒状の外節をもつ桿体は、超高感度光センサーで明暗(白黒)視感を形成する」との記載があり、同頁11行に、「色センサーであるところの錐体」と記載されていて、網膜細胞の桿体が視感センサーで、錐体が色センサーであるとの記載がある。
また、「非特許文献1」の、75頁9行に、「このヒダの細胞膜部分に色センサー分子(タンパク質)が多く含まれている。これを錐体物質という。
ヒトの錐体には3種類あり、赤錐体・緑錐体・紫錐体である。それぞれの錐体は、赤い光をよく吸収する錐体物質(波長に対する感度分布は山形であり、そのピーク波長は565nm(ナノメートル))、緑色の光をよく吸収する錐体物質(同530nm)、紫色の光をよく吸収する錐体物質(同450nm)をもっている」と記載されている。
「非特許文献1」において、人の目の網膜の細胞構成に関する記載で、72頁10行に、「棒状の外節をもつ桿体は、超高感度光センサーで明暗(白黒)視感を形成する」との記載があり、同頁11行に、「色センサーであるところの錐体」と記載されていて、網膜細胞の桿体が視感センサーで、錐体が色センサーであるとの記載がある。
また、「非特許文献1」の、75頁9行に、「このヒダの細胞膜部分に色センサー分子(タンパク質)が多く含まれている。これを錐体物質という。
ヒトの錐体には3種類あり、赤錐体・緑錐体・紫錐体である。それぞれの錐体は、赤い光をよく吸収する錐体物質(波長に対する感度分布は山形であり、そのピーク波長は565nm(ナノメートル))、緑色の光をよく吸収する錐体物質(同530nm)、紫色の光をよく吸収する錐体物質(同450nm)をもっている」と記載されている。
さらに、本発明において重要な役割を果たす昆虫などの虫類や鳥類などの小動物の視覚に関する説明をする。
「非特許文献2」の91頁3行には、「鳥は昼行性のものが多く、その網膜は主に錐体細胞で埋められていて、3色型の色覚を示す」との記載があり、鳥類に広帯域の色覚があるとしている。
また、「非特許文献2」の91頁18行に、「イヌやネコなど、これまで色覚を持たないとされてきた動物も、最近の研究によると、ある程度の色覚を持っている」と記載されている。
また「ウシも、闘牛では闘牛士のはためかせる布の赤い色に興奮しているように見えるが、実は赤色盲だと考えられてきた。しかし、最近の研究は色覚の存在を示しており、ウシにも赤い色は一応見えているようだ」との記載がある。
「非特許文献2」の91頁3行には、「鳥は昼行性のものが多く、その網膜は主に錐体細胞で埋められていて、3色型の色覚を示す」との記載があり、鳥類に広帯域の色覚があるとしている。
また、「非特許文献2」の91頁18行に、「イヌやネコなど、これまで色覚を持たないとされてきた動物も、最近の研究によると、ある程度の色覚を持っている」と記載されている。
また「ウシも、闘牛では闘牛士のはためかせる布の赤い色に興奮しているように見えるが、実は赤色盲だと考えられてきた。しかし、最近の研究は色覚の存在を示しており、ウシにも赤い色は一応見えているようだ」との記載がある。
また、「非特許文献2」の90頁の、表4.1「さまざまな動物の色覚」の表から、地上動物の一部を記載(括弧内数字は、錐体細胞の最大感度の波長nmを示す)すると、ヒト(445、535、570、あるいは420、534、562、あるいは430、540、575)、イヌ(430、555)、ネコ(450、556)、ラット(510)、リス(437、517)、ツバイ(444、556)、ハト(461、514、567)、カエル(432、502、575)、ミツバチ(340、450、530)、ハエ《クロバエ》(背側;490、腹側;340、507、630)、トンボ《アキアカネ》(340、410、490−540、620)、トンボ《ヤンマ、幼虫》(356、520)、コアゲハ(390、450、540、610)、モンシロチョウ(紫外、青、黄緑、橙−赤)、スズメガ(345、440、520)、ゴキブリ(365、507)、などと記載されている。
なお、これらは化学的研究、神経生理学や電気生理学的研究、行動的研究の何れかで検証された結果である。
かように、人が3色の色錐体をもち、昆虫類などや鳥類などの小動物が2色ないし3色の色錐体、虫類の種によっては4色以上の色錐体を持つていることが示されている。
また、人の錐体細胞の山形の視覚特性の最大感度の波長と、他の動物のそれとの比較でみると、多くの虫類ならびに鳥類などの小動物は、赤色系を含めて広い範囲の色覚を持っていることを示している。
また、昆虫類に紫外線の色覚を持つ種類の例もあることが示されている。
なお、これらは化学的研究、神経生理学や電気生理学的研究、行動的研究の何れかで検証された結果である。
かように、人が3色の色錐体をもち、昆虫類などや鳥類などの小動物が2色ないし3色の色錐体、虫類の種によっては4色以上の色錐体を持つていることが示されている。
また、人の錐体細胞の山形の視覚特性の最大感度の波長と、他の動物のそれとの比較でみると、多くの虫類ならびに鳥類などの小動物は、赤色系を含めて広い範囲の色覚を持っていることを示している。
また、昆虫類に紫外線の色覚を持つ種類の例もあることが示されている。
さらに、「非特許文献2」の93頁10行に、色覚の利点として、「色が見えることによって、探しているものが早く、そして遠くからでも見つけることができる」と。
また、「解像度に低い目を持つ動物では、輪郭がそれほどはっきりとは見えないから、色に頼って行動した方がよい場合も多いはず」との記載がある。
また、「解像度に低い目を持つ動物では、輪郭がそれほどはっきりとは見えないから、色に頼って行動した方がよい場合も多いはず」との記載がある。
「非特許文献3」の92頁14行に、「鳥類は非常に大きな目をしていて、脳より重量があり、昼行動する鳥は、錐体細胞が豊富な網膜を持ってまいす。雄クジャクの尾羽根や、赤羽根のブラックバードが春先に肩飾りをなびかせるように、鳥類は鮮やかな色でお互いに通信します」との記載がある。
「非特許文献4」は、比較動物学的研究の立場から動物の色覚について述べている文献であるが、177頁の表5.2「色覚の略分類」に、哺乳類動物などの色覚についての表があり、178頁2行に、「特に、しばしば色覚は哺乳類の間には広まっておらず、この群の中では霊長類になって初めて発達すると言われてきた。しかしながら、我々のレビューから、実際は色覚の存在は哺乳類に非常に広く分布していることが明らかになった」との記載がある。
ところで、人は目の網膜の錐体によって色を感じ、「本明細書」の段落番号「0025」に記載している「非特許文献1」の山形のピークを示す波長値の記載の如く、色を見分けるための、赤錐体(ピーク波長565nm)・緑錐体(530nm)・紫錐体(450nm)の分光感度を持つ性能があり、赤の波長域に大きな感度をもつX、緑の波長域に最大の感度を持つY、および青の波長域のみに感度をもつZと呼ばれる三つの性能を持つ。
これが物体から反射してくる光を受けて、XYZそれぞれが光を感じる刺激という割合から判断して色の区別をするわけである。
これが物体から反射してくる光を受けて、XYZそれぞれが光を感じる刺激という割合から判断して色の区別をするわけである。
その結果として、人の目が感じる電磁波の波長は、大凡380〜780nmの範囲の可視光線である。
照明する光や、物体から反射したり透過する光も波長別に構成されていて、前記光に含まれる波長や、その波長の強さによって、色として目に見える。
すなわち、分光したスペクトル光の波長と光の、人が感じる色の名称との関係は、400〜450nmが青紫色、450〜500nmが青色、500〜570nmが緑色、570〜590nmが黄色、590〜610nmが橙色、610〜700nmが赤色である。
照明する光や、物体から反射したり透過する光も波長別に構成されていて、前記光に含まれる波長や、その波長の強さによって、色として目に見える。
すなわち、分光したスペクトル光の波長と光の、人が感じる色の名称との関係は、400〜450nmが青紫色、450〜500nmが青色、500〜570nmが緑色、570〜590nmが黄色、590〜610nmが橙色、610〜700nmが赤色である。
一方、「非特許文献2」、「非特許文献3」および「非特許文献4」の記載から、昆虫などの虫類、小動物である鳥類や哺乳類に、色覚があることは明かで、赤色系を含めて、ときには人を越える紫外線をも含めた広い範囲の色覚を持っていることを示している。
植物が陽光に当たり、前記植物に赤色や橙色が吸収されて緑色になっている所は、動物の基本的な食料である植物が茂っている場所で、酸素も多く、動物にとって好ましい場所である。
これに対し、陽光に当たり、青紫色、青色、緑色が吸収されて、赤色や橙色になっている所は、植物が茂ってなく不毛な所で、動物にとって魅力がない場所である。
本発明の前記野外用軟質農業シートを赤色系に彩色する基本的原理はここにある。
植物が陽光に当たり、前記植物に赤色や橙色が吸収されて緑色になっている所は、動物の基本的な食料である植物が茂っている場所で、酸素も多く、動物にとって好ましい場所である。
これに対し、陽光に当たり、青紫色、青色、緑色が吸収されて、赤色や橙色になっている所は、植物が茂ってなく不毛な所で、動物にとって魅力がない場所である。
本発明の前記野外用軟質農業シートを赤色系に彩色する基本的原理はここにある。
本明細書の段落番号「0027」に記載しているように、多くの昆虫の色覚は波長400nm以下の紫外線を含み、紫外線おも光として認識できる色覚があり、人には見えない紫外線が見える。
実際に、蛍光灯や水銀灯など、300〜420nm程度の紫外線域を含む光に、飛翔性昆虫であるカ類、ユスリカ類、羽アリ、イエハエ類、シバムシ類などが寄ってくる現象があり、紫外線域の放射光の多い灯光を利用した飛来昆虫捕虫器がある。
逆に、紫外線カットフィルムなどを利用して、300〜420nm程度の紫外線域をカットし、飛来昆虫の飛来を阻止することも行われている。
実際に、蛍光灯や水銀灯など、300〜420nm程度の紫外線域を含む光に、飛翔性昆虫であるカ類、ユスリカ類、羽アリ、イエハエ類、シバムシ類などが寄ってくる現象があり、紫外線域の放射光の多い灯光を利用した飛来昆虫捕虫器がある。
逆に、紫外線カットフィルムなどを利用して、300〜420nm程度の紫外線域をカットし、飛来昆虫の飛来を阻止することも行われている。
長波長光である赤色、橙色系域は昆虫には魅力のない色相であり、むしろこの域の色相に危険を察知し、本能的に赤色、橙色域の反射体から忌避しようとする性質がある。
したがって、前記野外用軟質農業シートを赤色系に彩色することは、農作物を害する農業害虫を寄せ付けない作用があるものと思われる。
したがって、前記野外用軟質農業シートを赤色系に彩色することは、農作物を害する農業害虫を寄せ付けない作用があるものと思われる。
一方、昼行性の鳥類などの哺乳類小動物は、色覚分布としては人とほぼ同様であるが、解像度の低い目を持つかような小動物では、輪郭がそれほどはっきりとは見えないから、色に頼って行動する傾向がある。
鳥類や哺乳類小動物にとって好ましい場所である、植物が豊富に茂っている赤色や橙色が吸収され、緑色になっている所は、動物の基本的な食料があるところゆえ、かかる場所に近寄る本能がある。
これに対し、青紫色、青色、緑色が吸収されて、赤色や橙色になっている所は、植物がない不毛な所で、動物にとって魅力がない所であり、本能的に近寄らない。
以上が、本発明において重要な役割を果たす、虫類ならびに鳥類などの小動物の視覚に関する説明である。
鳥類や哺乳類小動物にとって好ましい場所である、植物が豊富に茂っている赤色や橙色が吸収され、緑色になっている所は、動物の基本的な食料があるところゆえ、かかる場所に近寄る本能がある。
これに対し、青紫色、青色、緑色が吸収されて、赤色や橙色になっている所は、植物がない不毛な所で、動物にとって魅力がない所であり、本能的に近寄らない。
以上が、本発明において重要な役割を果たす、虫類ならびに鳥類などの小動物の視覚に関する説明である。
ところで、害虫防除は、殺虫剤使用などによる化学的防除、捕殺、遮断、光による誘殺あるいは熱による死滅などの物理的防除、抵抗性品種の利用などの耕種的防除、天敵利用などの生物的防除などが行われているが、充分に効果的なものがないのが現状である。
また、鳥類などの小動物からの被害の防止や軽減には、古来さまざまな方法が試みられてきたが、なお決め手となるものはない。
鳴子は古くから利用されてきた方法であり、カーバイトによるアセチレンガス利用などの爆発音器など聴覚に訴える方法も使用されている。
また、人の姿を模した案山子、鏡面光沢のあるテープなどの揺れ動きで鳥を追う、猛禽類の目と錯視する如き模様で鳥を忌避するなど、視覚に訴える方法もある。
また、鳥類などの小動物からの被害の防止や軽減には、古来さまざまな方法が試みられてきたが、なお決め手となるものはない。
鳴子は古くから利用されてきた方法であり、カーバイトによるアセチレンガス利用などの爆発音器など聴覚に訴える方法も使用されている。
また、人の姿を模した案山子、鏡面光沢のあるテープなどの揺れ動きで鳥を追う、猛禽類の目と錯視する如き模様で鳥を忌避するなど、視覚に訴える方法もある。
農業土壌覆いマルチシート、畝間作業路用シート、あるいは農業用野積みシートなどの広義の農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、その露出面の色彩は、グレイ色、黒色、あるいはオフホワイトなどの無彩色系が一般的である。
本発明はこれらの野外用軟質農業シートを、赤色系に彩色するだけで、本来の前記シート使用の目的に加えて、視覚によるので昼間に限られる機能ではあるが、害虫忌避作用または鳥類などの小動物忌避作用を与えることができる。
本発明に適用する赤色系の色相は、JIS色相環においてその境界は定かでないが時計回りに色相5RP〜5YRの範囲の赤色系色相であり、その明度は非パステル調で、彩度は高い方が忌避効果がよいことが分かった。
本発明はこれらの野外用軟質農業シートを、赤色系に彩色するだけで、本来の前記シート使用の目的に加えて、視覚によるので昼間に限られる機能ではあるが、害虫忌避作用または鳥類などの小動物忌避作用を与えることができる。
本発明に適用する赤色系の色相は、JIS色相環においてその境界は定かでないが時計回りに色相5RP〜5YRの範囲の赤色系色相であり、その明度は非パステル調で、彩度は高い方が忌避効果がよいことが分かった。
本発明は、昆虫や鳥類などの小動物の視覚に訴える、忌避効果や恐怖的効果を期待するものであるから、昼間でなければ効果を発揮しない。
したがって、色弱や色盲であるといわれる夜行性の、ある種のガ類、フクロウ、あるいは視覚の退化したある種のネズミなどには効果が殆どない。
したがって、色弱や色盲であるといわれる夜行性の、ある種のガ類、フクロウ、あるいは視覚の退化したある種のネズミなどには効果が殆どない。
次に、本発明の外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートの材料と彩色について説明する。
前記シートの材料としては、紙類シート、編織布あるいは不織布の如き繊維集合体シート、あるいは軟質樹脂シートの三者のシートの何れかのシートか、あるいは前記三者のシートのうちの二者の複合シートあるいは三者のシートの複合シートを、その断面層に含むシートが適用できる。
前記シートの材料としては、紙類シート、編織布あるいは不織布の如き繊維集合体シート、あるいは軟質樹脂シートの三者のシートの何れかのシートか、あるいは前記三者のシートのうちの二者の複合シートあるいは三者のシートの複合シートを、その断面層に含むシートが適用できる。
紙は、パルプなどの微細繊維群同士が主として水素結合によってシート状物となっているものを云い、繊維群が自己繊維同士の溶融や絡み合い、あるいはバインダ樹脂による接合でシート状物となっている不織布とは異なるとされている。
紙類シートは、セルロースであり着色性がよく、染色法、印刷法、スプレー法など多岐な着色法が適用できるので、かかる面からは本発明の彩色した外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートに適合する材料である。
紙類のシートの例としては、パルプに湿潤強度の高い麻を10〜30%程度混用した複合紙、あるいは三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、麻類(大麻、亜麻、苧麻など)、雁皮などを用いた和紙は、降雨などの水濡れにある程度の耐久性があり使用可能という結果が得られた。
紙類シートは、セルロースであり着色性がよく、染色法、印刷法、スプレー法など多岐な着色法が適用できるので、かかる面からは本発明の彩色した外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートに適合する材料である。
紙類のシートの例としては、パルプに湿潤強度の高い麻を10〜30%程度混用した複合紙、あるいは三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、麻類(大麻、亜麻、苧麻など)、雁皮などを用いた和紙は、降雨などの水濡れにある程度の耐久性があり使用可能という結果が得られた。
また、紙は水素結合ゆえ耐水性が低いので、耐水性を上げるために、パルプ紙などの場合に尿素樹脂、メラミン樹脂、クロルヒドリン(ポリアミドポリアミン)樹脂などの耐湿樹脂を、抄紙のときにパルプに加えて耐水性を上げることが行われているが、かような耐水紙のシートも本発明の外側露出面が赤色系の野外用軟質農業シートに適用できる。
また、紙としてから前記耐湿樹脂を含浸、熱処理しても、本発明に適用できる程度に耐水性を向上することができることが分かった。
また、紙としてから前記耐湿樹脂を含浸、熱処理しても、本発明に適用できる程度に耐水性を向上することができることが分かった。
前記繊維集合体シートの場合の繊維素材は、綿や麻などの天然繊維、レーヨンやキュプラなどのセルロース系化学繊維、PP(ポリプロピレン)系、PE(ポリエチレン)系、PET(ポリエステル)系繊維などの合成繊維が適用できる。
また、PLA(ポリ乳酸)系、ポリサクシーネート系などの生分解性繊維も適用できる。
前記繊維集合体シートは、よこ編地、ラッセル編などのたて編地などの編物類、織機で作る織物類、ならびに合成繊維形成時に布化するスパンボンド不織布、乾式不織布、抄紙法不織布などの不織布類が適用できる。
また、PLA(ポリ乳酸)系、ポリサクシーネート系などの生分解性繊維も適用できる。
前記繊維集合体シートは、よこ編地、ラッセル編などのたて編地などの編物類、織機で作る織物類、ならびに合成繊維形成時に布化するスパンボンド不織布、乾式不織布、抄紙法不織布などの不織布類が適用できる。
前記軟質樹脂シートの軟質樹脂としては、PP系、PE系、PVC(塩化ビニル)系、PET系などの樹脂によるフィルム、シートが適用できる。
また、PLA系、ポリサクシーネート系などの生分解性樹脂によるフィルムやシートも適用できる。
農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが農業土壌覆いマルチシートの場合、その機能の一つである上方への反射性を高めるために、鏡面反射性のアルミなどのメタライジングフィルムを前記シートの外層に用いる場合があるが、かようなシートにも適用できる。
また、PLA系、ポリサクシーネート系などの生分解性樹脂によるフィルムやシートも適用できる。
農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが農業土壌覆いマルチシートの場合、その機能の一つである上方への反射性を高めるために、鏡面反射性のアルミなどのメタライジングフィルムを前記シートの外層に用いる場合があるが、かようなシートにも適用できる。
本発明に適用する前記シートの材料においては、紙類シート、繊維集合体シート、または軟質樹脂シートの三者のシートの何れかの単独のシートを、その断面層に含むシートであってもよい。
また、前記三者のシートのうちの何れか二者のシート、または前記三者のシートの複合シートを、断面層に含むシートであってもよい。
鏡面反射性のアルミなどのメタライジングフィルムを前記農業土壌覆いマルチシートの外層に用いる場合は、紙類シート、あるいは繊維集合体シートを併用するが、前記紙類シートおよび前記繊維集合体シートの複合シートの併用でもよい。
また、前記三者のシートのうちの何れか二者のシート、または前記三者のシートの複合シートを、断面層に含むシートであってもよい。
鏡面反射性のアルミなどのメタライジングフィルムを前記農業土壌覆いマルチシートの外層に用いる場合は、紙類シート、あるいは繊維集合体シートを併用するが、前記紙類シートおよび前記繊維集合体シートの複合シートの併用でもよい。
また、「特許文献1」および「特許文献2」に開示されている、農業土壌覆いマルチシートにおける本来の使用目的の機能強化に加えて、防虫機能や殺菌機能の付加、あるいは肥料機能の付加されている農業土壌覆いマルチシートにも、勿論本発明を適用できる。
また、「特許文献3」の開示は、微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを起用することによって、農業土壌覆い多層マルチシートにおける機能の一部であるところの、雑草生育防止のための土壌を遮光して陽光を断つ機能、および太陽光線を上部に反射させる機能を強化した農業土壌覆いマルチシートであるが、かかる前記シートにも本発明は適用できる。
むしろ、かような複合機能を備えた野外用軟質農業シートに、本発明を適用することによって、彩色による防虫機能や鳥類などの効果的な相乗効果が期待できる。
また、「特許文献3」の開示は、微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを起用することによって、農業土壌覆い多層マルチシートにおける機能の一部であるところの、雑草生育防止のための土壌を遮光して陽光を断つ機能、および太陽光線を上部に反射させる機能を強化した農業土壌覆いマルチシートであるが、かかる前記シートにも本発明は適用できる。
むしろ、かような複合機能を備えた野外用軟質農業シートに、本発明を適用することによって、彩色による防虫機能や鳥類などの効果的な相乗効果が期待できる。
農土を覆って使用する野外用軟質農業シートの彩色は、天然繊維、セルロース系化学繊維、可染性合成繊維など染色可能な繊維素材は、染色法によって赤色系色相に着色してもよい。
しかしながら、セルロース系化学繊維、合成繊維および合成樹脂フィルムやシートは、その製造時に顔料や染料を練込んで着色する原料着色でもよい。
また、小規模に野外用軟質農業シートを利用する場合には、ラッカーなどの塗料を塗工してもよい。
かような着色法にあっては、野外用軟質農業シートが農業土壌覆いマルチシートの場合など、適度な透水性や通気性を喪失させないようにしなければならず、ラッカー、ペイントなどの塗工の場合は、スプレー法など、塗工面が通気性のあるポーラスな構造となる着色法が望ましい。
しかしながら、セルロース系化学繊維、合成繊維および合成樹脂フィルムやシートは、その製造時に顔料や染料を練込んで着色する原料着色でもよい。
また、小規模に野外用軟質農業シートを利用する場合には、ラッカーなどの塗料を塗工してもよい。
かような着色法にあっては、野外用軟質農業シートが農業土壌覆いマルチシートの場合など、適度な透水性や通気性を喪失させないようにしなければならず、ラッカー、ペイントなどの塗工の場合は、スプレー法など、塗工面が通気性のあるポーラスな構造となる着色法が望ましい。
野外用軟質農業シートが農業土壌覆いマルチシートの場合など、鏡面反射性のアルミなどのメタライジング・フィルムを前記シートの外層に用いる場合がある。
かような場合は、PET樹脂によるアルミなどの鏡面メタライジング・フィルムなどにおいて、樹脂フィルムやシート成形時に、顔料や染料を練込んで着色したメタライジング・フィルムを利用してもよいし、鏡面反射性の農業土壌覆いマルチシートとしてから、透明性塗料などの塗工によっても彩色シートが得られる。
さらに彩色は、「本明細書」の段落番号「0010、0011」にある、「特許文献3」に開示の、鏡面のグラリング欠陥防止のための、露出面最外層の繊維集合体シートについては、前記繊維製造時の顔料などの練込みや、後工程での染色による着色によってもよい。
また、鏡面反射性のアルミなどの鏡面メタライジング・フィルムを前記シートの外層に用いた農業土壌覆いマルチシートにおいて、これに付加して少なくとも防虫効能を有するハーブ精油を含んでいる農業土壌覆いマルチシートについても本発明は適用できる。
以上が、本発明のシート材料、彩色などに関する説明である。
かような場合は、PET樹脂によるアルミなどの鏡面メタライジング・フィルムなどにおいて、樹脂フィルムやシート成形時に、顔料や染料を練込んで着色したメタライジング・フィルムを利用してもよいし、鏡面反射性の農業土壌覆いマルチシートとしてから、透明性塗料などの塗工によっても彩色シートが得られる。
さらに彩色は、「本明細書」の段落番号「0010、0011」にある、「特許文献3」に開示の、鏡面のグラリング欠陥防止のための、露出面最外層の繊維集合体シートについては、前記繊維製造時の顔料などの練込みや、後工程での染色による着色によってもよい。
また、鏡面反射性のアルミなどの鏡面メタライジング・フィルムを前記シートの外層に用いた農業土壌覆いマルチシートにおいて、これに付加して少なくとも防虫効能を有するハーブ精油を含んでいる農業土壌覆いマルチシートについても本発明は適用できる。
以上が、本発明のシート材料、彩色などに関する説明である。
本発明の農土を覆って使用する野外用軟質農業シートは、赤色系色相に彩色するだけであるので、極めて安価である。
また、野外用軟質農業シートを赤色系色相に彩色するだけで、薬剤、肥料などの異物を用いないので、人体に対しては安全で、環境を汚染せず、環境負荷の増大なしに害虫忌避作用、鳥類などの小動物忌避作用の付加を可能にしたものである。
しかしながら、本発明の野外用軟質農業シートは、本発明の部分だけで完全に害虫を忌避し、また鳥類などの小動物を忌避するものではなく、むしろ他の方法との補完を目的とした利用の仕方が望ましい。
また、野外用軟質農業シートを赤色系色相に彩色するだけで、薬剤、肥料などの異物を用いないので、人体に対しては安全で、環境を汚染せず、環境負荷の増大なしに害虫忌避作用、鳥類などの小動物忌避作用の付加を可能にしたものである。
しかしながら、本発明の野外用軟質農業シートは、本発明の部分だけで完全に害虫を忌避し、また鳥類などの小動物を忌避するものではなく、むしろ他の方法との補完を目的とした利用の仕方が望ましい。
例えば、害虫防除については、化学的防除、物理的防除、耕種的防除、生物的防除などと、本発明の露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートとの補完的併用は、より効果的であると考えられる。
また、鳥類などの小動物からの被害の防止軽減としては、鳴子利用、爆発音器など聴覚に訴える方法、また案山子、猛禽類の目と錯視する如き模様で鳥を忌避するなど視覚に訴える方法と、本発明の外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートとの補完的利用も考えられる。
また、鳥類などの小動物からの被害の防止軽減としては、鳴子利用、爆発音器など聴覚に訴える方法、また案山子、猛禽類の目と錯視する如き模様で鳥を忌避するなど視覚に訴える方法と、本発明の外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シートとの補完的利用も考えられる。
野外用軟質農業シートについて、その外側露出面の色相と、飛翔虫類との関連を観察評価した。
図3は、前記シートの色相と、飛来昆虫などとの関連の観察評価に用いた前記施設棟であるビニルハウスの斜視略図である。
図3のビニルハウス10において、図3における前面を全面開口部とし、側壁11とその対向壁、奥壁12および天井13で囲いとし、前記三つの壁と天井は遮光性シートとし、前記三つの壁と天井の内側面は黒色とし、前記施設は平面において長方形とした。
前記施設の寸法は図3において、前面開口部の長さAを3.5m、高さBを2.5m、奥行きCを2mとした。
前記ビニルハウスの床部に、図3に描く評価用シート14の如く、任意の評価用シートを面積で7m2を敷詰め、簡単に敷替えできるようにした。
図3は、前記シートの色相と、飛来昆虫などとの関連の観察評価に用いた前記施設棟であるビニルハウスの斜視略図である。
図3のビニルハウス10において、図3における前面を全面開口部とし、側壁11とその対向壁、奥壁12および天井13で囲いとし、前記三つの壁と天井は遮光性シートとし、前記三つの壁と天井の内側面は黒色とし、前記施設は平面において長方形とした。
前記施設の寸法は図3において、前面開口部の長さAを3.5m、高さBを2.5m、奥行きCを2mとした。
前記ビニルハウスの床部に、図3に描く評価用シート14の如く、任意の評価用シートを面積で7m2を敷詰め、簡単に敷替えできるようにした。
評価用シート14の中央部には、飛来昆虫捕虫器15を設置した。
飛来昆虫捕虫器15は、オプトクリンV;OC−105(イカリ消毒株式会社製品)を用い、その仕様は、波長420nm以下の紫外線を含む光線を放射をする誘虫用蛍光灯20W1灯式で、前記誘虫用蛍光灯の下部に粘着性捕虫紙が取り付けられているものである。
前記粘着性捕虫紙は、前記飛来昆虫捕虫器に備えられていて、前記誘虫用蛍光灯まで飛来到達した虫類の大部分を粘着捕捉するようにしてある。
前記飛来昆虫捕虫器の外形寸法は、幅715mm、奥行き100mm、高さ136mmである。
また、天井13の中央部には、色温度6500Kの40Wの2灯からなる昼光色蛍光灯16を取り付けた。
前記施設棟であるビニルハウス10を互いに10m以上離して3つ設営し、各々施設棟(イ)、(ロ)、(ハ)とした。
飛来昆虫捕虫器15は、オプトクリンV;OC−105(イカリ消毒株式会社製品)を用い、その仕様は、波長420nm以下の紫外線を含む光線を放射をする誘虫用蛍光灯20W1灯式で、前記誘虫用蛍光灯の下部に粘着性捕虫紙が取り付けられているものである。
前記粘着性捕虫紙は、前記飛来昆虫捕虫器に備えられていて、前記誘虫用蛍光灯まで飛来到達した虫類の大部分を粘着捕捉するようにしてある。
前記飛来昆虫捕虫器の外形寸法は、幅715mm、奥行き100mm、高さ136mmである。
また、天井13の中央部には、色温度6500Kの40Wの2灯からなる昼光色蛍光灯16を取り付けた。
前記施設棟であるビニルハウス10を互いに10m以上離して3つ設営し、各々施設棟(イ)、(ロ)、(ハ)とした。
前記評価用シートとして、PE樹脂のテープ糸織物の表裏両面にPE樹脂をラミネートしたPEラミネート織物を用意した。
飛翔虫類の忌避効果の検討であるので、評価用シートの色相については、飛翔虫類が一般的に紫外線を含めて短波長の色相を好む性質があるところから、JIS色相環において、時計回りでG(緑)からB(青)の系統は本検討から除いた。
観察評価用のシートは、前記PEラミネート織物に、敷設するときに表となる露出面側をマット(艶消し)表面となるラッカーをスプレー塗工して試作した。
色相は、修正マンセル表色で、3PB 5/12(青紫、後の数字は、明度/彩度を示す)、5P 4/12(紫)、5RP 4/12(赤紫)、5R 4/14(赤)、5YR 6.5/15(黄赤)、5Y 7.5/14(黄)、5GY 7/12(黄緑)、N(オフホワイト、off−white;殆ど白に見える色)の8種の評価用シートを調製し、溶剤を完全に気散させるため約2ケ月戸外に放置した。
飛翔虫類の忌避効果の検討であるので、評価用シートの色相については、飛翔虫類が一般的に紫外線を含めて短波長の色相を好む性質があるところから、JIS色相環において、時計回りでG(緑)からB(青)の系統は本検討から除いた。
観察評価用のシートは、前記PEラミネート織物に、敷設するときに表となる露出面側をマット(艶消し)表面となるラッカーをスプレー塗工して試作した。
色相は、修正マンセル表色で、3PB 5/12(青紫、後の数字は、明度/彩度を示す)、5P 4/12(紫)、5RP 4/12(赤紫)、5R 4/14(赤)、5YR 6.5/15(黄赤)、5Y 7.5/14(黄)、5GY 7/12(黄緑)、N(オフホワイト、off−white;殆ど白に見える色)の8種の評価用シートを調製し、溶剤を完全に気散させるため約2ケ月戸外に放置した。
夏季の好天の夜間に観察検討を行い、前記施設棟が3棟であるので三回に分けて観察評価した。
観察評価方法は、図3に描く如き施設棟であるビニルハウス10において、天井13の中央部の昼光色蛍光灯16、および評価用シート14の中央部の飛来昆虫捕虫器15を各1.5時間点灯し、その間に飛来昆虫捕虫器15の、粘着性捕虫紙に捕捉された飛翔虫の数をかぞえ、その数の比較で、敷き詰めた前記評価用シート14の色相と、飛翔虫の忌避効果との関係を観察評価した。
具体的には、前記各試験によって飛来虫を捕捉した前記粘着性捕虫紙の、平均的な捕捉状態の部分について、任意形状で面積12cm2を3ケ所サンプリングし、その平均値をカウント数として評価した。この結果を表1に示す。
観察評価方法は、図3に描く如き施設棟であるビニルハウス10において、天井13の中央部の昼光色蛍光灯16、および評価用シート14の中央部の飛来昆虫捕虫器15を各1.5時間点灯し、その間に飛来昆虫捕虫器15の、粘着性捕虫紙に捕捉された飛翔虫の数をかぞえ、その数の比較で、敷き詰めた前記評価用シート14の色相と、飛翔虫の忌避効果との関係を観察評価した。
具体的には、前記各試験によって飛来虫を捕捉した前記粘着性捕虫紙の、平均的な捕捉状態の部分について、任意形状で面積12cm2を3ケ所サンプリングし、その平均値をカウント数として評価した。この結果を表1に示す。
表 1
表1において各行は順に、観察評価用シート種類の「試験番号」、前記観察評価用シートの「色相 明度/彩度」、飛翔虫の「捕捉カウント数」をおのおの示す。
観察検討は、一回目は、試験4を施設棟(イ)で、試験1を施設棟(ロ)で、試験2を施設棟(ハ)で各々実施、二回目は各々同様に施設棟(イ)〜(ハ)で試験3、5、6を実施、三回目は各々同様に施設棟(イ)〜(ハ)で試験7、8、9を実施した。
観察検討は、一回目は、試験4を施設棟(イ)で、試験1を施設棟(ロ)で、試験2を施設棟(ハ)で各々実施、二回目は各々同様に施設棟(イ)〜(ハ)で試験3、5、6を実施、三回目は各々同様に施設棟(イ)〜(ハ)で試験7、8、9を実施した。
観察評価結果は、表1の結果からJIS色相環の色相を示す位置と、前記粘着性捕虫紙に捕捉された飛来虫の捕捉カウント数とは、因果関係にあることが分かった。
すなわち、試験1の色相3PB、試験2の色相5P、および試験6の色相5Y、試験7の色相5GY、および試験8の無彩色Nについては、捕捉飛翔虫のカウント数は何れも40を越えていた。
これに対し、試験3の色相5RPはカウント数が10、試験4と試験9の色相5R、および試験5の色相5YRはこれ以下でカウント数は1桁であった。
また、一回目で施設棟(イ)での試験4の色相5Rと、三回目で施設棟(ハ)での試験9の色相5Rとは、前記捕捉カウント数が1桁でほぼ同様であったことから、一回目〜三回目の順番による差異、および施設棟(イ)〜(ハ)の施設棟による差異はないものと判断された。
すなわち、試験1の色相3PB、試験2の色相5P、および試験6の色相5Y、試験7の色相5GY、および試験8の無彩色Nについては、捕捉飛翔虫のカウント数は何れも40を越えていた。
これに対し、試験3の色相5RPはカウント数が10、試験4と試験9の色相5R、および試験5の色相5YRはこれ以下でカウント数は1桁であった。
また、一回目で施設棟(イ)での試験4の色相5Rと、三回目で施設棟(ハ)での試験9の色相5Rとは、前記捕捉カウント数が1桁でほぼ同様であったことから、一回目〜三回目の順番による差異、および施設棟(イ)〜(ハ)の施設棟による差異はないものと判断された。
また別に行った、表1の結果が得られた観察評価に凖拠して行った、明度および彩度の影響についての観察評価の結果では、修正マンセル表色において、中明度・高彩度;5R 5/11.5(赤)、低明度・高彩度;5R 4/10(赤)、および高明度・低彩度;5R 6/6.5(赤)について観察評価した。
結果は、中明度・高彩度の赤色の観察評価用のシートが、他二者に比較して捕捉カウント数が高かった。
したがって、明度については中間の5付近、彩度は高い方が飛翔虫忌避効果が高いことが分かった。
結果は、中明度・高彩度の赤色の観察評価用のシートが、他二者に比較して捕捉カウント数が高かった。
したがって、明度については中間の5付近、彩度は高い方が飛翔虫忌避効果が高いことが分かった。
以上のことから、色相5RP、色相5R、色相5YRに塗工彩色したシートに飛来虫の忌避効果が認められ、明度については非パステル調で明るい色相、彩度については冴えた色相がよいことが分かった。
また、前記粘着性捕虫紙に捕捉された飛翔虫で、虫の種類が確認できたものをあげれば、ハエ類、ガ類、羽アリ、ユスリカ類、甲虫類、コガネ虫、ウンカ、アブラ虫、ハチ、テントウ虫などであった。
また、前記粘着性捕虫紙に捕捉された飛翔虫で、虫の種類が確認できたものをあげれば、ハエ類、ガ類、羽アリ、ユスリカ類、甲虫類、コガネ虫、ウンカ、アブラ虫、ハチ、テントウ虫などであった。
トマト畑において収穫期の夏季に、結実した実を数年間順調に収穫してきたが、ある年に結実して登熟中のトマトが、カラス、ヒヨドリ、オナガなどの鳥類の食害を受けるに至り、全滅に近い被害を受けた。
以降、前記鳥類の学習によるためか、毎年同様の食害を受けるようになった。
そこで、約15m2の五面のトマト畑を各約7m以上間隔を空けて用意し、結実前に鳥害観察評価用として赤色系色相に彩色した農業土壌覆いマルチシートを各敷設した。
以降、前記鳥類の学習によるためか、毎年同様の食害を受けるようになった。
そこで、約15m2の五面のトマト畑を各約7m以上間隔を空けて用意し、結実前に鳥害観察評価用として赤色系色相に彩色した農業土壌覆いマルチシートを各敷設した。
前記農業土壌覆いマルチシートの材料は、PEのフラッシュ式スパンボンド不織布で、単位面積あたり質量55g/m2のシートを用いた。
前記不織布をコロナ放電処理して後、彩色はケトン樹脂インキを用い、グラビア印刷方式で前記インキを全面に塗工した。
色相は、修正マンセル表色、6RP 4/13(赤紫、色配合比;Cyan30、Magenta100、Yellow20)、4R 4/14(赤、M100、Y70)、4YR 7/14(黄赤、M60、Y50)の三色の赤色系色相の農業土壌覆いマルチシート試料とした。
五面の畑のうち三面の畑については、前記赤色系に彩色した農業土壌覆いマルチシート試料を用い、残りの二面の畑の一方の畑は生地色であり無彩色のオフホワイトの農業土壌覆いマルチシート試料を用い、他方の畑は従来通りの露出土壌の畑とした。
前記不織布をコロナ放電処理して後、彩色はケトン樹脂インキを用い、グラビア印刷方式で前記インキを全面に塗工した。
色相は、修正マンセル表色、6RP 4/13(赤紫、色配合比;Cyan30、Magenta100、Yellow20)、4R 4/14(赤、M100、Y70)、4YR 7/14(黄赤、M60、Y50)の三色の赤色系色相の農業土壌覆いマルチシート試料とした。
五面の畑のうち三面の畑については、前記赤色系に彩色した農業土壌覆いマルチシート試料を用い、残りの二面の畑の一方の畑は生地色であり無彩色のオフホワイトの農業土壌覆いマルチシート試料を用い、他方の畑は従来通りの露出土壌の畑とした。
収穫期における観察結果では、オフホワイトの農業土壌覆いマルチシート試料を用いた畑と、露出土壌の畑の二者については、前者が登熟中の実の食害がやや少いことが認められたが、後者は例年通りの鳥類の食害を受けたことが観察された。
しかしながら、6RP、4R、および4YRの赤色系の彩色農業土壌覆いマルチシート試料を用いた三者畑については、前記二者に比較して実の食害は明らかに少なかった。
トマト以外の果実類の収穫期が秋であるものが多いことに対し、夏季初旬から夏季中旬にかけて登熟して赤く成熟するトマトは、他に果実のない時期であるので鳥類の絶好の獲物である。
赤系統に彩色された農業土壌覆いマルチシートを使用することによって、赤系統の色相を鳥類が忌避する性質があることと共に、赤系統の彩色によって果実の色相が隠れて、狙え難くなったものと思われる。
しかしながら、6RP、4R、および4YRの赤色系の彩色農業土壌覆いマルチシート試料を用いた三者畑については、前記二者に比較して実の食害は明らかに少なかった。
トマト以外の果実類の収穫期が秋であるものが多いことに対し、夏季初旬から夏季中旬にかけて登熟して赤く成熟するトマトは、他に果実のない時期であるので鳥類の絶好の獲物である。
赤系統に彩色された農業土壌覆いマルチシートを使用することによって、赤系統の色相を鳥類が忌避する性質があることと共に、赤系統の彩色によって果実の色相が隠れて、狙え難くなったものと思われる。
実施例2と同様なトマト畑において、前記農業土壌覆いマルチシートの材料として、紙類のシートの場合の検討を行った。
麻20%、パルプ80%の坪量90g/m2の複合紙シート(試料D)、前記複合紙シートにクロルヒドリン樹脂を含浸させて熱処理して耐水性を上げた複合紙シート(試料E)、パルプ使用のクラフト紙に耐湿樹脂であるクロルヒドリン樹脂を含浸させて熱処理して耐水性を上げた坪量100g/m2加工クラフト紙シート(試料F)の3種類の紙を用意した。
これにグラビア印刷方式でケトン樹脂インキを用い、おのおの前記インキを全面に塗工し、色相としては修正マンセル表色、6R 5/15(赤)とし、赤色系に彩色した農業土壌覆いマルチシート試料D〜Fを得た。
麻20%、パルプ80%の坪量90g/m2の複合紙シート(試料D)、前記複合紙シートにクロルヒドリン樹脂を含浸させて熱処理して耐水性を上げた複合紙シート(試料E)、パルプ使用のクラフト紙に耐湿樹脂であるクロルヒドリン樹脂を含浸させて熱処理して耐水性を上げた坪量100g/m2加工クラフト紙シート(試料F)の3種類の紙を用意した。
これにグラビア印刷方式でケトン樹脂インキを用い、おのおの前記インキを全面に塗工し、色相としては修正マンセル表色、6R 5/15(赤)とし、赤色系に彩色した農業土壌覆いマルチシート試料D〜Fを得た。
実施例2に準拠して四面の畑を用意し、うち三面の畑については、前記赤色系に彩色した農業土壌覆いマルチシート試料D〜Fを用い、残り一面は従来通りの露出土壌の畑とした。
収穫期における結果は、赤色系の彩色農業土壌覆いマルチシート試料D〜Fを用いた畑については、露出土壌の畑に比較してトマトの実の登熟中の食害は明らかに少なかった。
一方、前記農業土壌覆いマルチシートの損傷具合に関しては、試料Eおよび試料Fについては大きな損傷は認められなかったのに対し、試料Dはやや損傷程度が大きかった。
しかしながら、シーズン中において使用できない程度ではなく、一シーズン用としては使えることが分かった。
また、降雨などを含めた耐水性については、紙類のシートに対して前記耐湿樹脂加工の効果があることも分かった。
収穫期における結果は、赤色系の彩色農業土壌覆いマルチシート試料D〜Fを用いた畑については、露出土壌の畑に比較してトマトの実の登熟中の食害は明らかに少なかった。
一方、前記農業土壌覆いマルチシートの損傷具合に関しては、試料Eおよび試料Fについては大きな損傷は認められなかったのに対し、試料Dはやや損傷程度が大きかった。
しかしながら、シーズン中において使用できない程度ではなく、一シーズン用としては使えることが分かった。
また、降雨などを含めた耐水性については、紙類のシートに対して前記耐湿樹脂加工の効果があることも分かった。
「特許文献1」に開示され、その開示内容の一部を「本明細書」の段落番号「0007」に記載しているところの、「原材料として麻を用い、ハーブ精油であるシトロネラ等の植物精油も付加するため防虫、殺菌作用が顕著である農業用マルチシート」として開示のうち、付加ハーブ精油として、シトロネラ精油を含浸させた場合の農業用マルチシートを、使用のときの外側露出面を赤色に彩色して使用し観察評価した。
彩色は、予め前記農業用マルチシートの外側露出表面にラッカーをスプレーして、修正マンセル表色で、7.5R 5/13に塗工して、外側露出面が赤色の農業用マルチシートとした。
彩色は、予め前記農業用マルチシートの外側露出表面にラッカーをスプレーして、修正マンセル表色で、7.5R 5/13に塗工して、外側露出面が赤色の農業用マルチシートとした。
前記外側露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合と、外側露出面が無彩色である以外は同様の仕様の、N7(淡グレイ)農業用マルチシートを使用した場合との比較観察を行った。
結果は、前記外側露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合は、昼間における害虫忌避作用が明らかに増大し、加えて鳥害が減少し、イヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いが減少したことが観察された。
また、防虫効能を有するハーブ精油の作用で夜間も防虫機能が維持され、外側露出面の赤色化による昼間の害虫忌避作用のプラス付加、鳥類などの小動物忌避作用のプラス付加など、全体として効率のよい相乗効果が得られることが分かった。
結果は、前記外側露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合は、昼間における害虫忌避作用が明らかに増大し、加えて鳥害が減少し、イヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いが減少したことが観察された。
また、防虫効能を有するハーブ精油の作用で夜間も防虫機能が維持され、外側露出面の赤色化による昼間の害虫忌避作用のプラス付加、鳥類などの小動物忌避作用のプラス付加など、全体として効率のよい相乗効果が得られることが分かった。
「特許文献2」に開示され、その開示内容の一部を「本明細書」の段落番号「0008、0009」に記載しているところの、「肥料、および防虫効果や抗菌効果を目的とするゼラニウムやシトロネラなどのハーブ精油とを含有する、農業用マルチシート」として開示の、農業用マルチシートについて、使用のときの外側の露出面を赤色に彩色して使用し、その効果を観察した。
具体的には、「特許文献2」の段落番号「0010」に開示するところのうち、「窒素成分、リン酸成分及びカリウム成分を8:8:4の割合で混合し、これにゼラニウムおよびシトロネラを混入した農業用マルチシート」について、露出表面にペイントをスプレーして、修正マンセル表色で、5R 5/12(赤)に塗工彩色して外側露出面が赤色の農業用マルチシートとした。
具体的には、「特許文献2」の段落番号「0010」に開示するところのうち、「窒素成分、リン酸成分及びカリウム成分を8:8:4の割合で混合し、これにゼラニウムおよびシトロネラを混入した農業用マルチシート」について、露出表面にペイントをスプレーして、修正マンセル表色で、5R 5/12(赤)に塗工彩色して外側露出面が赤色の農業用マルチシートとした。
前記外側露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合と、外側露出面の色相が無彩色のN7(淡グレイ)である以外は同様の仕様の、無彩色農業用マルチシートを使用した場合との比較観察を行った。
結果は、前記露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合は、昼間における害虫忌避作用の増大が観察され、鳥類やイヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いの減少が観察された。
さらに、前記露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合は、前記無彩色の農業用マルチシートを使用した場合よりも、間接的効果として肥料作用も増長され、作物の生育が良好になったことが窺われた。
かように、防虫効能を有するハーブ精油と肥料成分を含有する農業用マルチシートにおいて、防虫効能を有するハーブ精油の効能で夜間も防虫機能が維持され、外側露出面の赤色化によって、昼間の害虫忌避作用、鳥類などの小動物忌避作用が付加され、前記マルチシートに含まれる肥料成分も効果的に作用し、全体として効率のよい相乗効果が得られることが観察された。
結果は、前記露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合は、昼間における害虫忌避作用の増大が観察され、鳥類やイヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いの減少が観察された。
さらに、前記露出面が赤色の農業用マルチシートを使用した場合は、前記無彩色の農業用マルチシートを使用した場合よりも、間接的効果として肥料作用も増長され、作物の生育が良好になったことが窺われた。
かように、防虫効能を有するハーブ精油と肥料成分を含有する農業用マルチシートにおいて、防虫効能を有するハーブ精油の効能で夜間も防虫機能が維持され、外側露出面の赤色化によって、昼間の害虫忌避作用、鳥類などの小動物忌避作用が付加され、前記マルチシートに含まれる肥料成分も効果的に作用し、全体として効率のよい相乗効果が得られることが観察された。
「特許文献3」に開示され、その開示内容の一部を「本明細書」の段落番号「0010、0011」に記載しているところの、「微小穿孔群を有する鏡面メタライジング・フィルムを起用することによって、農業土壌覆い多層マルチシートにおける機能の一部であるところの、土壌を遮光して陽光を断つ機能、および太陽光線を上部に反射させる機能を強化した農業土壌覆い多層マルチシート」として開示の、農業土壌覆い多層マルチシートの外側の露出面を赤色に彩色して使用し、観察評価した。
具体的には、試作評価した前記農業土壌覆い多層マルチシートの構造は、断面において外側の露出側上部から、単位面積あたり質量30g/m2のPET繊維の布状繊維集合体、微細穿孔群を有する鏡面アルミ・メタライジングPETフィルム、単位面積あたり質量25g/m2のPET繊維の布状繊維集合体を、互いに透明接着剤を介して接合した構造とした。
一種類は、外側上部を構成する前記布状繊維集合体を、分散染料を用いて色相7.5R 6/10(赤)に染色して、使用のときの外側の露出面を赤色に彩色した農業土壌覆い多層マルチシートとした。
他の一種類は、使用のときの外側の露出面を無彩色(オフホワイト)とした以外は同様の仕様とした。
一種類は、外側上部を構成する前記布状繊維集合体を、分散染料を用いて色相7.5R 6/10(赤)に染色して、使用のときの外側の露出面を赤色に彩色した農業土壌覆い多層マルチシートとした。
他の一種類は、使用のときの外側の露出面を無彩色(オフホワイト)とした以外は同様の仕様とした。
露出農土、および前記二種類の農業土壌覆い多層マルチシートを柑橘類の果樹園に各々敷設したが、前記果樹園の各一部分に、使用のときの外側の露出面を赤色に彩色した場合の効果の観察用に、葉部が害虫類による食害を受けやすいナスの苗を植え付けた。
つまり、露出農土の場合、前記露出面が赤色相の農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合、ならびに外側露出面の色相が無彩色である以外は同様の仕様の無彩色農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合の、三種類のについての比較観察を行った。
つまり、露出農土の場合、前記露出面が赤色相の農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合、ならびに外側露出面の色相が無彩色である以外は同様の仕様の無彩色農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合の、三種類のについての比較観察を行った。
結果は、前記露出農土の場合は葉が虫喰い状態になったのに対し、前記外側露出面が赤色相の農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合は、昼間における害虫忌避作用がみられ、前記葉部の食害が少ないことが観察され、前記評価用のナスの苗は順調に生育し、収穫期には良質のナスの実の収穫ができた。
また、同様の仕様の無彩色農業用マルチシートを使用した場合の方は、マルチシートの使用の本来の効果で丈夫に生育したので、前記露出農土の場合よりは葉部の食害は少なかったが、前記外側露出面が赤色相の農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合よりは、葉部の食害が多いことが観察された。
また鳥害が減少し、イヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いの減少が観察された。
また、同様の仕様の無彩色農業用マルチシートを使用した場合の方は、マルチシートの使用の本来の効果で丈夫に生育したので、前記露出農土の場合よりは葉部の食害は少なかったが、前記外側露出面が赤色相の農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合よりは、葉部の食害が多いことが観察された。
また鳥害が減少し、イヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いの減少が観察された。
微小穿孔群を有するアルミなどの鏡面メタライジング・フィルムを上層部に設けることは、農土への浸透雨量の適度な抑制、反射性を上げて葉の炭酸同化作用を促進し、且つ栽培果物などの糖度を上げ、遮光による雑草生育阻止作用で収穫量などを上げる機能など、農業土壌覆いマルチシートの本来の機能の強化である。
さらに、これらの本来の機能に付加して外側露出面の赤色化によって、前記農業土壌覆いマルチシートの本来の機能に、昼間の害虫忌避作用や鳥類などの小動物忌避作用がプラス付加され、前記多層マルチシート有用性が一段と強化されるところとなった。
さらに、これらの本来の機能に付加して外側露出面の赤色化によって、前記農業土壌覆いマルチシートの本来の機能に、昼間の害虫忌避作用や鳥類などの小動物忌避作用がプラス付加され、前記多層マルチシート有用性が一段と強化されるところとなった。
「実施例6」で使用した、露出面が赤色の農業土壌覆い多層マルチシートの外側露出面を構成する赤色に染色したPET繊維による布状繊維集合体に、防虫効能を有するハーブ精油であるシトロネラ精油とニーム精油の1:1の混合比の混合精油を含浸させ、これを、赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシート試料とした。
一方、外側露出面を構成する布状繊維集合体が無彩色(オフホワイト)である以外は、前記赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートと同様な仕様で、別に無彩色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシート試料を作成した。
一方、外側露出面を構成する布状繊維集合体が無彩色(オフホワイト)である以外は、前記赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートと同様な仕様で、別に無彩色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシート試料を作成した。
これを実施例6と同様に、ナスの葉部の食害で効果を観察した。
すなわち、前記赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合と、前記無彩色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合との比較し、観察評価を行った。
結果は、前記外側露出面が赤色の前記赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合は、無彩色の前記マルチシート使用の場合に比較して、昼間における高い害虫忌避作用が観察られ、前記葉部の食害を殆ど受けなかった。
加えて鳥害が減少し、イヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いの減少が観察された。
また、夜間は防虫効能を有するハーブ精油の作用で、防虫機能が維持され、昼間の防虫作用のプラス付加、鳥類などの小動物忌避機能のプラス付加と相まって、全体としてこれらの防除効果について相乗効果が得られることが分かった。
すなわち、前記赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合と、前記無彩色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合との比較し、観察評価を行った。
結果は、前記外側露出面が赤色の前記赤色ハーブ精油含有農業土壌覆い多層マルチシートを使用した場合は、無彩色の前記マルチシート使用の場合に比較して、昼間における高い害虫忌避作用が観察られ、前記葉部の食害を殆ど受けなかった。
加えて鳥害が減少し、イヌ、ネコなどの小動物による近傍の耕作物の損傷を受ける度合いの減少が観察された。
また、夜間は防虫効能を有するハーブ精油の作用で、防虫機能が維持され、昼間の防虫作用のプラス付加、鳥類などの小動物忌避機能のプラス付加と相まって、全体としてこれらの防除効果について相乗効果が得られることが分かった。
微小穿孔群を有するアルミなどの鏡面メタライジング・フィルムの表面層とすることは、農土への浸透雨量の適度な抑制、反射性を上げて葉の炭酸同化作用を促進し、且つ栽培果物などの糖度を上げ、遮光による雑草生育阻止作用で収穫量などを上げる作用などの本来の強化である。
農業土壌覆い多層マルチシートに防虫忌避効能のあるハーブ精油を併用することは、本来の機能とは別な機能のプラス付加である。
さらに、外側露出面の赤色化で、前記多層マルチシートの本来の機能に加えて、昼間の害虫忌避機能や鳥類などの小動物忌避作用がさらにプラス付加され、前記多層マルチシートの機能が一段と強化されるところとなった。
農業土壌覆い多層マルチシートに防虫忌避効能のあるハーブ精油を併用することは、本来の機能とは別な機能のプラス付加である。
さらに、外側露出面の赤色化で、前記多層マルチシートの本来の機能に加えて、昼間の害虫忌避機能や鳥類などの小動物忌避作用がさらにプラス付加され、前記多層マルチシートの機能が一段と強化されるところとなった。
本発明は、農業土壌覆いマルチシートあるいは畝間作業路用シートなど、農土を覆って使用する野外用軟質農業シートを赤色系色相に彩色することによって、害虫忌避機能や、鳥類などの小動物忌避機能をその本来の機能に付加する発明であり、赤色系色相に彩色するだけであるので、実施のコストはきわめて安価である。
また、農業土壌覆いマルチシートなどを利用する農作物の栽培は、前記シート材料自体のコスト、および敷設のための多大な労力とコストを必要とする。
したがって、多大な労力とコストに見合う、果物、果樹などの中でも比較的高価な農作物の栽培への適用に限られていた。
また、農業土壌覆いマルチシートなどを利用する農作物の栽培は、前記シート材料自体のコスト、および敷設のための多大な労力とコストを必要とする。
したがって、多大な労力とコストに見合う、果物、果樹などの中でも比較的高価な農作物の栽培への適用に限られていた。
本発明によって、農業用マルチシートあるいは畝間作業路用シートなどの直接の目的機能に加えて、コストアップを殆ど伴わずに、害虫忌避機能や、鳥類などの小動物忌避機能をプラス付加することができるので、低価格の量産型農産物の栽培にもこれらシートの適用が可能になり、農業土壌覆いマルチシートや畝間作業路用シートなどの野外用軟質農業シートの普及、需要増につながる。
また、薬剤、肥料などの異物を用いないので、人体に対しては安全で、環境を汚染せず、環境負荷の増大なしに害虫忌避機能、小動物忌避機能のプラス付加が可能になる。
また、薬剤、肥料などの異物を用いないので、人体に対しては安全で、環境を汚染せず、環境負荷の増大なしに害虫忌避機能、小動物忌避機能のプラス付加が可能になる。
Claims (5)
- 農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、
使用するときの外側の露出面の色相が、JIS色相環において時計回りで色相5RP〜5YRの範囲の赤色系色相であることを特徴とする、
外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シート。 - 前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートにおいて、
前記シートの材料が、紙類シート、繊維集合体シート、または軟質樹脂シートの三者のシートの何れかのシートか、あるいは前記三者のシートのうちの何れか二者の複合シートまたは前記三者のシートの複合シートを、断面層に含むシートであることを特徴とする、
請求項1に記載する、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シート。 - 前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが、
農業土壌覆いマルチシートであって、
前記シートの材料が、紙類シート、繊維集合体シート、または軟質樹脂シートの三者のシートの何れかのシートか、あるいは前記三者のシートのうちの何れか二者の複合シートまたは前記三者のシートの複合シートを、断面層に含むシートであって、
かつ、前記シートの材料は、少なくとも防虫効能を有するハーブ精油、あるいは少なくとも防虫効能を有するハーブ精油と肥料成分を含んでいることを特徴とする、
請求項1に記載する、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シート。 - 前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが、
農業土壌覆いマルチシートであって、
前記シートの材料が、鏡面メタライジングフィルムあるいは鏡面金属箔接合フィルムと、紙類シートあるいは繊維集合体シート、あるいは紙類シートおよび繊維集合体シートを、断面層に含むシートであることを特徴とする、
請求項1に記載する、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シート。 - 前記農土を覆って使用する野外用軟質農業シートが、
農業土壌覆いマルチシートであって、
前記シートの材料が、鏡面メタライジングフィルムあるいは鏡面金属箔接合フィルムと、紙類シートあるいは繊維集合体シート、あるいは紙類シートおよび繊維集合体シートを、断面層に含むシートであって、
かつ、前記シートの材料は、少なくとも防虫効能を有するハーブ精油を含んでいることを特徴とする、
請求項1に記載する、外側露出面が赤色系色相の野外用軟質農業シート。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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NL2001850C2 (nl) * | 2008-07-23 | 2010-01-26 | Nedap Nv | Anti-vraat plastic. |
JP2016074162A (ja) * | 2014-10-08 | 2016-05-12 | 平岡織染株式会社 | 和紙調複合シート |
JP2020531034A (ja) * | 2017-08-30 | 2020-11-05 | ブランデンバーグ・イノベーション・リミテッド | オビトラップおよび昆虫媒介疾病を抑制する方法 |
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2003
- 2003-11-25 JP JP2003435340A patent/JP2005151960A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL2001850C2 (nl) * | 2008-07-23 | 2010-01-26 | Nedap Nv | Anti-vraat plastic. |
WO2010011139A1 (en) * | 2008-07-23 | 2010-01-28 | N.V. Nederlandsche Apparatenfabriek Nedap | Anti-eating plastic |
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