JP2005146504A - フルカラーゴブラン織物及びその製織方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表色系における均等色と並置混色とを応用することでゴブラン織にフルカラーの表現を実現し、従来にない写真風の描出を可能とすると共に、その製織データの作成等を効率化し、素人でも製織作業を可能とすると共にコンピュータ化による自動化の途を開く。
【解決手段】本発明ゴブラン織物は、表色系の中から一つの表色系を選択し、色相差が等間隔となるように選択した少なくとも6色を表す色糸と、白糸、黒糸との少なくとも8本を一単位として整経した経糸と、白糸、黒糸及び押え糸とを一単位として少なくとも3本の緯糸とを製織の一単位とした組織からなるゴブラン織物である。一単位組織の縦及び横の長さは0.4〜2mmの大きさであり、一単位の経糸及び緯糸のうち、所定の色を並置混色により表すのに必要な糸を、平織の変化組織で表面組織に、残りの糸を裏面組織に製織することにより、多種類の色を並置混色により表すようにする。
【選択図】図12

Description

本発明は、フルカラーで表現できるゴブラン織物及びその製織方法に関し、更に詳細には、Lab表色系等の表色系を用いて並置混色を起こし得る3色以上の色糸を組織し、ゴブラン織をフルカラーで製織できる技術に関する。
ゴブラン織物とは、風景、絵柄等を先染め糸で織って表現するもので、後染め織物と異なり、柄に合わせて表面に表われる糸の色、位置等を予め計算して製織するものであって、その概要は、風景、絵柄等を現した元絵をデザイナーが描き、それを専門の意匠師が豊富な経験と実績を基に製織データを設計し、その設計によって紋紙を起こし又は電子データに変換し、これをジャカード機に掛けて製織するものである。
しかし、上記従来の製織法では下記のような問題が残されている。
(1)従来のゴブラン織は、比較的多くの色彩を表現しようとしてジャカード機に仕掛た場合でも6重たて迄であり、機仕掛けの色彩表現能力に限界があり、例えば、たて糸で色相を表現する場合、たて糸が多くても6色程度でよこ糸が3色程度までであり、これにより表現できる色相は多くても10数色となるのが一般的であり、フルカラー表現が困難であった。又、主によこ糸で色相を表現する織物(よこ出し方式)では、疑似的な多色使いの織物を製織できるものの、一単位に使用できるよこ糸数に織物としての制限があり、つまり常時使用できるよこ糸数は3色程度でないと織物組織を形成できず、織機のよこ糸挿入機構的に12色まで使用できても、決して自由自在には使用できないため、織物の任意のブロックに自由に色を表現することができず、たて糸で表現する場合と同様フルカラー表現が困難であった。
(2)又、多色使いの絵画調の柄を作る場合には、たて糸の整径パターンを変えて柄に使用したい色の糸を特定の柄に整径する手法を取るが、この場合でも、できあがった元絵(原画像)をイメージし、使用する先染め糸の色を決め、更に混色される色を想定して組織を考えて製織データを作成するもので、これは高い設計技術と多くの経験を踏んだ意匠師にしか成し得ないもので、効率が悪かった。
(3)更に、上述の如く元絵から製織データの作成等に非常な手間と時間を要するため、注文を受けてから出荷するまでの時間が長く、納期の短縮化が要求される時代の中でクイックレスポンスに欠けていた。
本発明は上記問題点を解決しようとしてなされたもので、表色系における均等色と並置混色とを応用することでゴブラン織にフルカラーの表現を実現し、従来にない写真風の描出を可能とすると共に、その製織データの作成等を効率化し、素人でも製織作業を可能とすると共にコンピュータ化による自動化の途を開こうとするものである。
本発明で利用する表色系には、Lab表色系,Lch表色系,Luv表色系,Yxy表色系,マンセル表色系,オストワルド表色系等がある。色を定量的に表示することを表色といい、表色のため一連の規定と定義とからなる体系を表色系という。この表色系には、1知覚色空間と2均等知覚色空間とがあり、前者にマンセル表色系,オストワルド表色系が該当し、後者にLab表色系,Lch表色系,Luv表色系,Yxy表色系が該当する。該Lab表色系とは、緑から赤に変化していく色相の値をx軸にとり、黄から青方向に変化していく色相の値をy軸にとり、z軸に明度の値をとって座標化したものであり(図1参照)、Lch表色系は、該Lab表色系の座標を極座標に変換したものである。又、Yxy表色系は、X,Y,Zの三刺激値をもとに数式で変換することにより座標上にx,yを色度として表示したもので(図3参照)、Luv表色系は、更にこれをu,v軸に変換したものである。該マンセル表色系は、色度図のスペクトル色軌跡と純紫軌跡とをつないでできる色の環であって、赤,黄赤,黄,黄緑,緑,青緑,青,青紫,紫,赤紫に10分し、更に分割を加えたもので(図2参照)、オストワルド表色系は、黄,橙,赤,紫,藍,青,青緑,黄緑に8分し、更に分割を加えたものである。
上記表色系にあって、そのいずれか一つを選択し、その表色系において色相差が等間隔となるようたて糸及びよこ糸に3本以上の色糸を選んで一単位とする。色相差が等間隔になるとは、Lab表色系,Lch表色系,マンセル表色系,オストワルド表色系においては、色相が1点を中心とした円形で表現されるから、その中心点からの放射状線分r1,r2,r3,r4・・の成す角度θ1,θ2,θ3,θ4・・が、θ1=θ2=θ3=θ4・・となる関係をいう(図1,図2参照)。但し、この等号は厳格なものではなく、後述の混色に影響を与えない程度の範囲で幅をもたせることができる。一方、Yxy表色系、Luv表色系では、色相を現す環が円形ではなく、三角形に近似の形となるが、加法混色により白色となる点が生じるからそれを中心点とした場合に、その環上の点と中心を結ぶ線分をr1,r2,r3,r4・・とそした場合に、その成す角度がθ1=θ2=θ3=θ4・・となる関係をいう(図3参照)。そして、各点は必ずしも色環の外周上の点である必要はなく、彩度を違えてもr1,r2,r3,r4上でθ1=θ2=θ3=θ4・・となるなら、色相差が等間隔になる関係といえる。
又、上記表色系のうち、Lab表色系,Lch表色系,Luv表色系,Yxy表色系は、分光測色方法により高い精度が得られると共に任意の実在しない色刺激に対しても表色できる等の点から望ましいが、マンセル表色系及びオストワルド表色系も、現実の色票があるので分光測色計が必要なく、直感的に理解しやすい等の点で優れており、製織する目的、用途等に応じて選択するのが望ましい。このうち、Lab表色系は、測色計によって正確な値が得られると共に表色系のモデルが理解し易い等で点で優れている。更に、Lab表色系,Lch表色系,Luv表色系,Yxy表色系には、国際照明委員会(CIE)の定めた表色系が信頼性の高い点から望ましい。
次に、上記表色系にあって、色相差が等間隔となるようたて糸及びよこ糸に3本以上の色糸を選んで一単位とし、その一単位の糸のうち並置混色を起こし得る微少単位面積内に柄の表現に必要な糸を表面組織に不必要な糸を裏側組織に配設する。並置混色とは、観察者が一定距離以上離れて色を見た場合に、並置させた複数の色が個々に弁別されずに混じり合って見えることをいい、その複数の色が色相差が等間隔となる3色以上になると加法混色の理論により全ての色相の表現が可能となる。この並置混色を起こし得る微少単位面積とは、距離によって異なってくるものであって、例えば、通常の如くその織物を30cm程度離れて見る場合(手元レベル)と、壁掛け(壁レベル)や横断幕の如く、数メートル又は数十メートル離れて見る場合とでは、その単位面積は変化する。
そこで、具体的に微少単位面積の大きさを設定する手段を求めると、例えば、織物が、壁レベルの距離で使用される場合は、「1口の長さ:Ly」を0.7〜2mmを目安として設定し、手元レベルの場合は0.4〜0.9mm程度が望ましい。1単位における「1口の長さ:Ly」と「1越の長さ:Lt」の比:ρは、ρ=Lt/Ly=0.7〜1.5が適する範囲となる。因みに、よこ糸の打ち込み密度を95本/inchとした場合にρ=1とすると原画像の縦横の比が1対1にできる。
次に、該単位面積内に、たて糸及びよこ糸から3本以上の色糸を色相差が等間隔となるよう選んで一単位とする。3本以上の糸の構成は、たて糸単独で3本以上の色糸を構成する場合、よこ糸だけで構成する場合、或いは両者を混合させて構成する場合のいずれであっても良い。又、3本以上とした単位色糸の本数は、可及的に色糸の数が多い方が微妙な色彩の変化を表現できる等の点で望ましいが、しかし、例えば約0.8mm×0.8mmの正方形を単位面積とした場合には、そこに製織することのできるたて糸及びよこ糸の数は、物理的に及び織り方等の面から限界が生じ、現実には3〜16本程度が適切となる。その中でたて糸8本、よこ糸6本で製織した場合は物理的に問題なく、且つ、人物、風景等の描出に優れたものとなる。又、上記3本以上の単位色糸に白糸又は黒糸を加えることで、色相に明度を加えて表現できる。
この単位色糸の組合せを具体例を挙げて説明すると、例えば、架物の設計上たて糸の本数が8本のとき、6本の先染め糸はCIELAB表色系から6等分するように選定して2本は白と黒を選定し、よこ糸は3本として白と黒及び織り組織を押える目的で透明糸を選定すると、これを組み合せることで計算上、たて糸は1本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C1=8通りの色が混色される。同様に、たて糸は2本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C2=28通りの色が混色され、たて糸は3本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C3=56通りの色が混色され、たて糸は4本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C4=70通りの色が混色され、たて糸は5本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C5=56通りの色が混色され、たて糸は6本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C6=28通りの色が混色され、たて糸は7本だけ上げてよこ糸は白を上げて組織すると8C7=8通りの色が混色される。しかし、実際はたて糸を多く上げた場合に組織上の無理と混色の不具合が発生するので、たて糸は1本から3本を上げた場合でよこ糸は白と黒それぞれを上げた場合の合計で184色が現実的である。
次の例は、架物の設計上たて糸の本数が8本のとき、8本先染め糸はCIELAB表色系から8等分するように選定し、よこ糸は6本のうち3本はCIELAB表色系から3等分するように選定して2本は白と黒とし残り1本は織り組織を押える目的で透明糸を選定した。これを組み合せることで計算上、たて糸は1本上げてから3本上げで184通りで、よこ糸は色系5色のうち1本上げから3本上げのときに25通りとなり合計で4600色が混色される。この場合、混色の多いことから、微妙な色彩の変化も滑らかに表現できるものとなる。このように、たて糸とよこ糸の組合せ方により表現される色相数は様々であるが、基本的に均等色空間の表色系から色糸を均等に選定すれば、フルカラ−の表現が可能となり、別のバリエ−ションも可能となる。
次に、上記単位色糸のうち、その柄の特定部位の色表現に必要な糸を表面組織とし、不必要な糸を裏面組織とし、例えば、その表面組織は平織とし、裏面組織は綾織とする。即ち、柄の特定部位の色表現に対し、一単位の糸のうちで必要な色糸と不必要な色糸が存在することになり、その必要な糸を表面組織として織り込むことによって目的とする色表現が可能となり、且つ、それは全色に渡って可能となる。
この1単位の色糸の組合せと表面組織と裏面組織との製織方法を具体例で示すと例えば、図4の如き柄色を作る場合は、図5の如く、8×4の組織図が6つ縦に並んで、よこ糸が左側の順番で挿入され、24本で1完全となる。これを順を追って説明すると、図5の通り、1番で押さえ糸(たて糸を押さえるもの)の透明糸が挿入され、この時たて糸は青緑のみが上がり透明糸を押さえ、2番で白糸が挿入され、この時たて糸は赤と黄と黄緑が上がり柄色を構成し、1番2番を表面組織とする。次いで、3番で黒糸が挿入され、この時赤と黄と黄緑と青緑が上がるが赤と黄と黄緑は常に上がっているので、これらの下で青と組織する。4番、5番もこれと同様に裏面組織とする。6番の紫では、2番と同様に柄色を構成する表面組織とし、このサイクルが4回繰り返されて1完全となる。このようにして、図4に示す如く、たて糸は赤と黄と黄緑があがり、よこ糸は白と紫が上がり混色されて柄色を作る。上がる糸のパタ−ンを変えることで様々な柄色が混色される。1番〜7番までを製織したものを断面から見たのが図6(A)であり、8番〜13番までのものが図6(B)である。
次に、実際に特定部位の色を表現する場合に、たて糸とよこ糸の組織図と、そこから表現される色とを予め対応させておくと、必要なたて糸とよこ糸の組織と不必要な組み合わせが瞬時に決定できて便宜である。そこで、本発明では、一定の色と組織図の組合せとの間に対応関係を割り出して、それを升見本(織物組織の色見本)とした。これを具体例を基に詳述すると、例えば、たて糸8本でよこ糸6本の場合、組織図によこ糸の分の6個が必要となる。その一例を示したのが図7であり、1が8本のうち右端部の糸を上げる場合の組織図であり、以下同様に右端部から2番目,3番目,4番目,5番目を上げたのが2,3,4,5の組織図である。図8の41〜45は、順番にたて糸3本を上げる例の組織図である。一方、不必要な糸を裏面組織として綾織で組む為のパターンの一例を示したのが図9である。これら組織図は、一列のものに限らず、数列を組合せて一つの組織図とすることもでき、数百以上にのぼる各種のパターンを組むことができる。そして、この組織図を組み合わせて一定の色を表出したのが升見本である。即ち、該組織図の組合せ(集合体)である一定の色を表出し、それを織物組織の色見本(升見本)とするものである。その升見本作成の例を示したのが図10であり、組織図に番号(組織図番号)を付し、その組合せを一升に区画して表示し、最上段に升の番号(升番号)として表示したものである。該升見本を用いると、特定部位の柄の色と升見本の色とを対比させて升番号を特定すれば、該升番号からその色を構成する組織図の組合せ(組織図番号の組合せ)が割り出され、その組織図に従って製織データの作成が可能となるものである。試作的に2400色の升見本を作成し得た。
そして、この例で使用したたて糸の色を測色したところ、CIELAB表色系で、赤{L*35.23a*59.38,b*33.77}、橙{L*70.93,a*24.63,b*71.74}、黄緑{L*77.90,a*-36.16,b*57.11}、緑{L*43.65,a*-55.29,b*17.50}、青緑{L*47.85,a*-33.23,b*18.28}、青{L*63.45,a*-8.78,b*-32.98}、青紫{L*22.53,a*23.33,b*-44.44}、赤紫{L*31.58,a*56.62,b*-11.66}、また、よこ糸の色相は白{L*94.66,a*-0.74,b*4.38}、黒{L*15.23,a*0.92,b*-1.65}、黄{L*78.99,a*6.15,b*73.25}、青緑{L*45.46,a*-33.79,b*-16.15}、紫{L*25.89,a*37.90,b*-22.75}であった。これは均等色空間で均等に分割して選定してあり、並置混色により、満遍ない升見本となっている。特に、たて糸8色によこ糸6色を使用したものは大変良好な升見本となった。
更に、織物の元となるデザイン画の色を升見本から選定すると、組織対応表を用いることで自動的に製織データが導けるが、更に、ソフトウェア−を開発することで、使用糸を決定するだけでデザイン画に最適なフルカラーゴブラン織物の製織データ作成が可能となる。そのソフトウェア−使用による自動化手順を説明する次のようになる。
1)使用糸デ−タの入力たて糸・よこ糸使用糸の色情報、及び太さを入力する。この入力方法には、(a)CCDカメラ、デジタルカメラ、イメ−ジスキャナ−等を使用して糸の色デ−タを入力する方法、(b)糸のデ−タを測色機等で測色し、デザインシステムに入力する方法等がある。
2)フルカラ−ゴブラン織物単位図の設定単位図のレイアウトを設定し、システムに登録する。織物表面の単位図における、たて糸・よこ糸・押さえ糸・間隙それぞれの形状・面積を反映する。
3)ソフトウェア−による升見本デ−タの計算及び登録使用する糸のデ−タ及び単位図のレイアウトから並置混色による合成色(升見本デ−タ)を計算で導いて、システムに登録する。ここで、たて糸及びよこ糸で表現したもので、実際に織物にしようできるものすべてを、それぞれを組織で作成する場合の組織デ−タと対応させて登録する。
4)織物デザイン画の編集フルカラ−ゴブラン織物用のデザイン画に編集する。実際の織物にできるだけ近い色で表現し、色数をまとめる。
5)ソフトウェア−による色の選定デザイン画に使用している各色に、最も近い升見本デ−タを選定する。
6)製織デ−タの作成選定した升見本デ−タに付属の組織デ−タを利用して、製織デ−タを作成する。
ここで、1)〜3)は一度行えば以後は登録デ−タを利用できる。4)〜6)は新しい織物設計する度に行うが、設計者が行うのは4)のみの作業となる。
以上の構成に基づく本発明は、表色系における均等色と並置混色とを応用し、柄の色相を1単位ごとにコントロールすることができ、柄の色相表現の制限を受けることなく自由に先染め織物を製織できることから、ゴブラン織物をフルカラーで表現することを可能にするという画期的効果を奏する。この結果、先染め織物ならではの高級感に更に印刷物に匹敵する色彩表現を実現し、高付加価値を有する織物とすると共に、特に、写真に代表されるような微少単位で色相が変化し、しかも数十色以上の色相を必要とする柄の製織も可能とすることで、従来不可能であった写真風の先染め織物が製織できるという革新的効果をもたらす。
且つ、升見本の活用等により製織データの作成等を効率化し、設計の簡素化が実現され、ジャカード織物の豊富な知識や経験が無くても製織データを作ることが可能となり、更に、ソフトウエアを開発することでコンピュータ化による自動化の途を開くことができる等の優れた発明である。
本実施例のフルカラ−ゴブラン織物の製造方法は、図11の機仕掛けを行い、この時ビ−ムからドロッパ−、綜絖、筬と引きこ込む際、たて糸8本8色を基本単位の1目とし、架物の設計において、32目/inch(256本/inch)としてあり、1柄の幅は9inchとし、4釜の設定とした。使用糸繊度は、たてにシルク130Dで、よこを絹紡560Dとし、たて糸に赤,橙,黄緑,緑,青緑,水,青紫,赤紫の8色で、よこ糸に紫,黄,青緑,白,黒の5色に透明なナイロン50Dを用いた。密度は上記の通りたて256本/inch、よこ180本/inchで、これは壁レベルを想定したもので、並置混色を起こす単位面積としては、0.8mm×0.8mmとなった。柄サイズを口数を288口で、越数を368越(横取り)とし、2400の升見本の中から58色を用いた。使用柄を図12の足利学校の風景画を選び、これをパソコン画面上に色の対比を行い、特定部位の色と升見本の色とを対比させて、製織データを作成した。これをジャカード機に掛けてゴブラン織を実行した。その結果は、図12に示す通りであり、殆ど思い通りの色彩を織物に表現でき、先染め織物においてフルカラー表現ができるという高付加価値を実現した。
本発明は、フルカラーで表現できるゴブラン織物及びその製織方法を提供するものであって、ゴブラン織物が利用され得る分野で広く応用が可能である。
Lab表色系の色相、彩度の値を示す平面図。 マンセル表色系の色相環を示す平面図。 Yxy表色系の色相、彩度の値を示す平面図。 微少単位面積内に色糸を製織した例を示す一部拡大平面図。 たて糸とよこ糸を組織する順番及び状態の例を示す平面図。 (A)が図5の順番1〜6までを実行した場合の組織状態を示す縦断側面図、(B)が図5の順番7〜12までを実行した場合の組織状態を示す縦断側面図。 よこ糸挿入時にたて糸1本を上げる場合をパターン化した表面に用いる組織図。 よこ糸挿入時にたて糸3本を上げる場合をパターン化した表面に用いる組織図。 よこ糸挿入時に裏面に用いる組織図。 升見本を作成するために用いた組織の組合せを組織番号で表わした対応表。 機仕掛けを示す模式図。 作成されたゴブラン織物を示す正面図。
符号の説明
1 よこ糸押え糸
2 白のよこ糸
3 黒のよこ糸
4 黄のよこ糸
5 青緑のよこ糸
6 紫のよこ糸

Claims (6)

  1. 色を定量的に表示して体系化した表色系の中から一つの表色系を選択し、その表色系において色相差が等間隔となるように選択した少なくとも6色をそれぞれ表す色糸と、白糸、黒糸との少なくとも8本を一単位として整経した経糸と、白糸、黒糸及び押え糸とを一単位として所定の順番で緯入れされる少なくとも3本の緯糸とを製織の一単位とした組織からなるゴブラン織物であって、一単位組織の縦及び横の長さは0.4〜2mmの大きさであり、一単位の経糸及び緯糸のうち、所定の色を並置混色により表すのに必要な糸を、平織の変化組織で表面組織に、残りの糸を裏面組織に製織することにより、一単位組織において多種類の色を並置混色により表すようにするとともに、複数の色と、これらの色をそれぞれ並置混色により表す複数の組織図とを対応付けた升見本により、使用柄の特定部位の色に対応する色を表す組織図を割り出して製織データを作成し、該製織データに従って製織することにより、多色の柄を表現できるようにしたことを特徴とするゴブラン織物。
  2. 色を定量的に表示して体系化した表色系の中から一つの表色系を選択し、その表色系において色相差が等間隔となるように選択した3色から5色までをそれぞれ表す色糸と、白糸、黒糸との5本から7本までの色糸を一単位として整経した経糸と、同様に選択した少なくとも3色をそれぞれ表す色糸と、白糸、黒糸及び押え糸と含めて一単位として所定の順番で緯入れされる少なくとも6本の緯糸とを製織の一単位とした組織からなるゴブラン織物であって、一単位組織の縦及び横の長さは0.4〜2mmの大きさであり、一単位の経糸及び緯糸のうち、所定の色を並置混色により表すのに必要な糸を、平織の変化組織で表面組織に、残りの糸を裏面組織に製織することにより、一単位組織において多種類の色を並置混色により表すようにするとともに、複数の色と、これらの色をそれぞれ並置混色により表す複数の組織図とを対応付けた升見本により、使用柄の特定部位の色に対応する色を表す組織図を割り出して製織データを作成し、該製織データに従って製織することにより、多色の柄を表現できるようにしたことを特徴とするゴブラン織物。
  3. 表色系にLab表色系を用いた請求項1または2記載のゴブラン織物。
  4. 色を定量的に表示して体系化した表色系の中から一つの表色系を選択し、その表色系において色相差が等間隔となるように選択した少なくとも6色をそれぞれ表す色糸と、白糸、黒糸との少なくとも8本を一単位として整経した経糸と、白糸、黒糸及び押え糸とを一単位として所定の順番で緯入れされる少なくとも3本の緯糸とを製織の一単位として製織するゴブラン織物の製造方法であって、一単位組織の縦及び横の長さを0.4〜2mmの大きさとして、一単位の経糸及び緯糸のうち、所定の色を並置混色により表すのに必要な糸を、平織の変化組織で表面組織に、残りの糸を裏面組織に製織することにより、一単位組織において多種類の色を並置混色により表すようにするとともに、複数の色と、これらの色をそれぞれ並置混色により表す複数の組織図とを対応付けた升見本により、使用柄の特定部位の色に対応する色を表す組織図を割り出して製織データを作成し、該製織データに従って製織することにより、多色の柄を表現できるようにしたことを特徴とするゴブラン織物の製織方法。
  5. 色を定量的に表示して体系化した表色系の中から一つの表色系を選択し、その表色系において色相差が等間隔となるように選択した3色から5色までをそれぞれ表す色糸と、白糸、黒糸との5本から7本までの色糸を一単位として整経した経糸と、同様に選択した少なくとも3色をそれぞれ表す色糸と、白糸、黒糸及び押え糸とを含めて一単位として所定の順番で緯入れされる少なくとも6本の緯糸とを製織の一単位として製織するゴブラン織物の製織方法であって、一単位組織の縦及び横の長さは0.4〜2mmの大きさとして、一単位の経糸及び緯糸のうち、所定の色を並置混色により表すのに必要な糸を、平織の変化組織で表面組織に、残りの糸を裏面組織に製織することにより、一単位組織において多種類の色を並置混色により表すようにするとともに、複数の色と、これらの色をそれぞれ並置混色により表す複数の組織図とを対応付けた升見本により、使用柄の特定部位の色に対応する色を表す組織図を割り出して製織データを作成し、該製織データに従って製織することにより、多色の柄を表現できるようにしたことを特徴とするゴブラン織物の製織方法。
  6. 表色系にLab表色系を用いた請求項4または5記載のゴブラン織物の製織方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174065A (ja) * 2008-01-21 2009-08-06 Yamanashi Prefecture ジャカード織物の製造方法
CN103526387A (zh) * 2013-07-24 2014-01-22 临安盛昌织造有限公司 棉织工艺画的织造工艺
CN103526432A (zh) * 2013-07-24 2014-01-22 临安盛昌织造有限公司 仿十字绣织锦工艺画的织造工艺
CN103526429A (zh) * 2013-07-24 2014-01-22 临安盛昌织造有限公司 金银丝线工艺画的织造工艺

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