JP2005143414A - 観察用窓部材、および観察窓を有する実験動物 - Google Patents

観察用窓部材、および観察窓を有する実験動物 Download PDF

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Abstract

【課題】 実験動物に負担をかけることなく、健全な状態を維持したまま長期間にわたって観察を行うことを可能とする。
【解決手段】 光学的に透明な生体親和性の材料からなり、実験動物2の表皮6を除去した領域において、内部組織3に密着させられる板状または膜状に形成された観察用窓部材1を提供する。また、表皮6を除去した領域に上記観察用窓部材1を取り付けた観察窓7を有する実験動物2を提供する。観察用窓部材1としては可撓性を有し、実験動物2への取付部4を有することが好ましい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、観察用窓部材および観察窓を有する実験動物に関するものである。
近年、遺伝子組み換え技術の発達により、種々の実験動物が製造されている。特に、遺伝子組み換えにより、体内に疾患を備えた疾病モデルマウス等が製造され、医薬品等の研究における効果確認等に利用されている。
実験動物の細胞内部の状態を検出する方法としては、例えば、共焦点顕微鏡のような検出装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、細胞内における現象を詳細に観察するための方法として、緑色蛍光タンパク質(GFP:Green Fluorescent Protein)のような蛍光タンパク質を細胞内に導入しておき、細胞内の特定の構造体、例えば、癌細胞に蛍光ラベルを施すことにより、体外から癌細胞の挙動を観察することができるようになってきている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開平11−133306号公報(図1等) 宮脇 敦史 外3名、"PressRelease 生きた細胞を詳細に観察できる新しい蛍光タンパク質を開発−捉えられなかった細胞内現象を可視化−"、平成13年12月29日、理化学研究所[平成15年10月30日検索]、インターネット<URL:http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2001/011229/>
しかしながら、疾病モデルマウスのような実験動物において、体内に有する癌細胞を観察しようとすると、表皮によって蛍光光が散乱して高解像度の像として観察することができないという不都合がある。一方、表皮を剥いだ内部組織に顕微鏡を近接させて観察することは可能であるが、観察が長期間に及ぶ場合には、実験動物に加わる負担が大きく、実験動物を健全な状態に維持したまま長期間の観察を行うことは困難であるという問題があった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、実験動物に負担をかけることなく、健全な状態を維持したまま長期間にわたって観察を行うことを可能とする観察用窓部材およびこれを備えた実験動物を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、光学的に透明な生体親和性の材料からなり、実験動物の表皮を除去した領域において、内部組織に密着させられる板状または膜状に形成された観察用窓部材を提供する。
この発明によれば、透明な板状または膜状の観察用窓部材を内部組織に密着させることにより、観察用窓部材を通して外部から内部組織を観察することが可能となる。この場合において、観察用窓部材が生体親和性のある材料により構成されているので、内部組織の健全性を維持することができる。したがって、実験動物の内部組織の長期にわたる安定的な観察を可能にすることができる。
上記発明においては、観察用窓部材が可撓性を有する材料からなることが好ましい。
この発明によれば、その可撓性により内部組織に沿わせるように湾曲させ、内部組織への密着性を高めた観察窓を形成することができる。内部組織との密着性を高めることで、異物の侵入による内部組織の変質を防止するとともに、外部からの内部組織の視認性を高めることができる。
また、上記発明においては、観察用窓部材が、実験動物への取付部を備えることが好ましい。
この発明によれば、取付部を利用して実験動物に容易に取り付けることができる。また、実験動物が動いても取付状態に保持されるので、長期にわたる観察を可能にすることができる。
また、上記発明においては、前記取付部が、周縁に間隔をあけて複数設けられ、実験動物の表皮に縫合する糸を通す貫通穴であることが好ましい。
貫通穴を利用して糸を通し、表皮に縫いつけることにより、より簡易かつ確実に実験動物に取り付けることができる。
また、上記発明においては、前記取付部が、片面に塗布された接着剤からなることとしてもよい。
接着剤が塗布された面を内部組織に密着させることにより、内部組織に接着することができる。接着剤として光学的に透明な接着剤を採用することにより、外部からの視認性を損なうことなく、より簡易に、実験動物に取り付けることができる。また、接着剤としては、観察用窓部材を構成する材質の屈折率と水の屈折率の中間の屈折率を有する材料を採用することが好ましい。これにより、屈折率整合を図ることができ、内部組織との界面における光の反射を低減させ、観察性能を高めることができる。
また、接着剤が塗布された面を実験動物の表皮に密着させることにより、容易に観察用窓部材を表皮に隙間なく取り付けることができ、外部から内部組織への菌の侵入、および菌の侵入に起因した内部組織の炎症を防ぐことができる。
上記発明においては、観察用窓部材が、酸素透過性を有する材料からなることが好ましい。
この発明によれば、実験動物の内部組織に密着状態に配されても、観察用窓部材を介して酸素を透過させることにより、内部組織表面への酸素の供給が行われるので、内部組織を、より長期にわたり健全な状態に維持することができる。
また、上記発明においては、観察用窓部材が、水と同等の屈折率を有する材料からなることが好ましい。
この発明によれば、内部組織に含まれている体液が水と同等の屈折率を有しているので、観察用窓部材の屈折率もそれと同等に設定することにより、光学的に観察を行う際に、光の予期しない方向への屈折、あるいは観察用窓部材との内部組織との界面における反射を抑え、精度の高い観察を行うことが可能となる。
また、上記発明においては、観察用窓部材が、共重合体材料を有する材料からなることとしてもよい。
この発明によれば、複数の材料の特性をバランスさせ、適切な観察用窓部材を構成することができる。
さらに、上記発明においては、観察用窓部材が、屈折率1.5以上の部材の表面にヒドロキシアクリレートをコーティングした材料からなることが好ましい。
アクリレートは、化合させる元素を選ぶことにより、1.45〜1.59の範囲で屈折率を調整可能である。ヒドロキシアクリレートは屈折率1.45なので、窓部材と内部組織との間の界面における光の反射が低減される。また、ヒドロキシアクリレートの親水性により、界面における血液凝固も発生し難いという利点がある。その結果、観察性能を向上し、かつ、長期にわたる観察においても血液凝固を防止して高い視認性を維持することが可能となる。
また、本発明は、上記発明において、屈折率nが、1.45<n<1.5を満たすシリコーンラバーまたはアクリル類を含有する材料の表面に、フッ素系高分子をコーティングした材料からなる観察用窓部材を提供する。
フッ素系高分子の屈折率は1.4以下なので、これを重合等の任意の方法でコーティングすることにより、内部組織との界面における光の反射が低減されることになる。また、フッ素系高分子は疎水性を有するので、その疎水性によって窓部材の表面へのタンパク質の付着やカルシウムの沈着を防止することが可能となる。
また、上記発明においては、目盛りを有する観察用窓部材とすれば効果的である。
内部組織を観察する際に、観察用窓部材に付されている目盛りを指標として、観察することができる。したがって、内部組織における観察対象の大きさを、観察中に簡易に確認することができる。
また、上記発明においては、観察に必要な波長の光を透過させ、他の波長の光を遮断するフィルタ機能を有することが好ましい。
この発明によれば、観察に必要な波長の光のみを抽出することが可能となり、ノイズを低減して、観察精度を高めることができる。
また、本発明は、表皮を除去した領域に、上記観察用窓部材を取り付けた観察窓を有する実験動物を提供する。
この発明によれば、長期にわたり、一定の観察条件を維持したまま行うことが必要とされる観察に適用することにより、高い精度の観察結果を得ることができる。
本発明によれば、長期にわたって実験動物を健全な状態に維持したまま、内部組織の観察を簡易に行うことができるという効果を奏する。その結果、長期にわたり継続的な観察を必要とする医薬品投与後や処置後の経過確認を行うことができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る観察用窓部材およびこれを備えた実験動物の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る観察用窓部材1は、実験動物2として想定された疾病モデルマウスに適用される場合について説明する。
本実施形態に係る観察用窓部材1は、図1に示されるように、光学的に透明な材料から成る板状部材である。
観察用窓部材1の材質としては、例えば、合成樹脂、シリコーン類、アクリル類を含有するものが挙げられ、より具体的には、絹フィブロインを含有するもの、芳香族ビニル化合物を含有するもの、ブチルアクリレートを用いたもの、グリセロールメタアクリレートやヒドロキシエチルメタアクリレートや、FMAやSMA等のメタアクリレートを含有するもの、シリコーンラバーやメチルシロキサンを用いたもの、フッ素系高分子やパーフルオロを用いたもの、N―ビニルピロリドンやジメチルアクリアミドを用いたもの、コラーゲンを含有するものが挙げられる。
また、観察用窓部材1の材質は、上記材質を用いた重合体材料でもよく、例えば、シリコーンとヒドロキシエチルメタアクリレートまたはN−ビニルピロリドンのグラフト重合物や、高分子多糖類とアクリル誘導体との重合体を含有するものが挙げられる。
これらの材質を採用した場合、例えば、芳香族ビニル化合物は、優れた透明性、柔軟性、および適度な弾力性を有するので、これを含有するものを観察用窓部材として用いることにより、内部組織との密着性と外部からの内部組織の視認性とを高めることができる。
絹フィブロインは透明性に優れているので、視認性の高い観察用窓部材を構成することができる。
ブチルアクリレートを含むものは適度な強度と耐久性とを有するため、観察中における窓部材の破損を防ぐことができる。
FMA、SMAは、ガス透過性に優れているので、内部組織を長期にわたり健全な状態に維持することができる。
コラーゲンのような生体接着性の高い材料は、観察用窓部材表面を被覆させておくことにより、窓部材と内部組織との接着性を向上することができる。
シリコーンラバー、フッ素系高分子およびパーフルオロは、疎水性もしくは非含水性材料であることから、観察用窓部材にこれらの含有物を用いると、観察用窓部材表面にタンパク質等の体内物質が付着しにくいため、透明性の維持が容易である。また、これらは疎水性を有することから、カルシウム沈着が生じ難く、観察用窓部材の硬化や血小板の破壊等を防ぐことができる。さらにこれらの非晶質材料は透明性が高く、視認性を向上することができる。シリコーンラバーはガス透過性に優れているため、内部組織を健全な状態に維持することができ、特に、シリコーンラバーの一種であるポリジメチルシロキサンは生体適合性に優れている。
シリコーンとヒドロキシエチルメタアクリレートまたはN−ビニルピロリドンのグラフト重合物、ジメチルアクリアミド、グリセロールメタアクリレートは、親水性もしくは含水性材料であり、観察用窓部材にこれらの含有物を用いると、観察用窓部材表面での血液凝固が生じ難く、内部組織との親和性が良好であるため、透明性の維持が容易である。特に、グリセロールメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートは、柔軟性に富んでいるため、実験動物が動いた場合でも内部組織との密着性を維持することができる。
高分子多糖類としては、寒天、アラビアゴム、ペクチン、トラガントゴム、ガラクトマンナン、セルロース、キシリトールがある。これら高分子多糖類とアクリル誘導体とを重合させることにより、生体親和性に優れた観察用窓部材を構成することができる。またこれに限られず、前記複数の材料を用いた共重合体材料を観察用窓部材として用いることにより、上記複数の特性を適度にバランスさせることができる。具体的には、強度とガス透過性とをバランスさせ、または、柔軟性と透明性とをバランスさせること等が可能となり、観察用窓部材として、より適切な材料を得ることができる。
その他、生体親和性材料として、ポリウレタンエラエストマーを採用することにしてもよい。
これらの材料は、いずれも生体親和性を備えており、接触する内部組織3がダウングロース等の拒絶反応を生じることがなく、内部組織3と密着することができる。したがって、内部組織3と密着することにより、皮膚の一部となって内部組織3を保護することができるようになっている。
本実施形態に係る観察用窓部材1は、その周縁に沿って、間隔をあけて複数の貫通穴(取付部)4を有している。観察穴4は、実験動物2に縫合するための糸5を通過させることができる程度の口径を有し、適当な間隔、例えば、1mm〜3mm程度の間隔をあけて設けられている。
観察用窓部材1の厚さ寸法は、例えば、0.1mm〜2mm程度でよい。可撓性を有する材質を使用することにより、装着する部位の曲率に合わせて湾曲させ、その部位に密着させることができるようになっている。
次に、このように構成された本実施形態に係る観察用窓部材1を装着する場合について説明する。
本実施形態に係る観察用窓部材1を実験動物2、例えば、疾病モデルマウスに装着するには、図2に示されるように、装着すべき部位、例えば、腹部の表皮6を1カ所、手術により剥離させる。
表皮6を剥離させることにより、内部組織3が露出するので、その露出した内部組織3の表面に、本実施形態に係る観察用窓部材1を密着させる。上記のように可撓性を有する材質により構成することで、内部組織3との間に隙間をあけることなく、観察用窓部材1を装着することができる。
その後、図3に示されるように、表皮6を剥離させた疾病モデルマウス2の内部組織3に密着させた観察用窓部材1を内部組織3の露出部位の周囲に配されている表皮6と縫合する。観察用窓部材1にはその周縁に複数の貫通穴4が設けられているので、この貫通穴4に針を貫通させることで、糸5の通過を容易にし、縫合作業を容易に行うことが可能となる。
これにより、内部組織3を露出させ、かつ、その露出した内部組織3の表面を透明な観察用窓部材1で被覆して観察窓7を構成した実験動物2が構成されることになる。
このようにして構成された実験動物2は、例えば、図4に示される観察装置8により観察される。
すなわち、この観察装置8は、実験動物2を載置する載置台9と、該載置台9に固定された上下軸10と、上下軸に昇降可能に取り付けられたアーム11と、アーム11の先端に取り付けられた装置本体12と、装置本体12に可視光、あるいは赤外光を供給する光源13と、光源13から出射された光から観察に必要な波長の光のみを抽出するフィルタ14と、光源13、フィルタ14および装置本体12を制御するコンピュータPCと、コンピュータPCに接続されたモニター15とを備えている。
前記載置台9には、実験動物2を固定するための図示しない固定具が設けられている。
前記アーム11は、載置台9に搭載する実験動物2の大きさに合わせて、上下軸10に沿って昇降させることができるようになっている。また、アーム11先端の装置本体12は、図7に示されるように、実験動物2の観察箇所の傾斜角度に合わせて、その角度を調節することができるようになっている。
前記装置本体12は、前記光源13から出射され、フィルタ14を通過させられた光を実験動物2の観察窓7を通して内部組織3に入射させ、内部組織3からの反射光を検出するように構成されている。検出された反射光はコンピュータPCに送られ、接続されているモニター15を介して表示することができるとともに、適宜画像処理を施したり、電子情報として記録したりすることができるようになっている。なお、装置本体12内の光学系については、共焦点光学系の他、他の任意の光学系を採用することができる。
実験動物の内部組織を観察する方法には、具体的には明視野観察、蛍光観察または2光子吸収観察等がある。蛍光観察では、実験動物2の内部組織における自家蛍光や、生体内のタンパク質に結合させた発光タンパク質または蛍光色素を観察する。このとき、観察用窓部材にも自家蛍光が存在すると、生体内のGFPやDsRed、RFP等の発光タンパク質の蛍光と重なった場合に、発光タンパク質の観察が困難になる。したがって、観察用窓部材に用いる材料の自家蛍光は小さいか、または発光タンパク質の蛍光と重ならない波長であることが好ましい。
本実施形態に係る観察用窓部材1および観察窓7を備えた実験動物2によれば、観察のために表皮6を剥いで露出させた内部組織3を観察用窓部材1によって覆うことにより、内部組織3を保護しながら、内部組織3の観察を行うことができる。したがって、露出した内部組織3の表面を介した細菌の感染や、炎症の発生等を防止して、長期にわたり実験動物2を健全な状態に維持することができる。
すなわち、本実施形態にかかる観察用窓部材1および観察窓7を備えた実験動物2によれば、長期に及ぶ継続的な観察が必要な場合においても、他の要因による実験動物2の衰弱等を防止して、精度よく観察することができるという効果がある。また、観察回数にも制限がなく、いつでも何度でも観察できるので、より詳細な観察を行うことができるという効果もある。
また、観察窓7が光学的に透明性の高い材質により構成されているので、外部から内部組織3を直接観察することができる。したがって、GFPを用いた疾病モデルマウス2等の場合においても、より鮮明に蛍光光を外部から検出することが可能となり、観察の精度を向上させることができる。
なお、本発明に係る観察用窓部材1を適用する実験動物2として、疾病モデルマウスを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、マウス以外の他の実験動物2に適用してもよいことは言うまでもない。
また、腹部の表皮6を1カ所剥離させて観察窓7を設けることとしたが、これに代えて、図5に示されるように、観察部位に応じて複数箇所の観察窓7を設けることにしてもよい。このようにすることで、広範な表皮6の剥離を防止して、実験動物2に与えるダメージを抑制することができる。
また、図6に示されるように腹部に代えて、背中の表皮6を剥離させて、観察窓7を設けることにしてもよい。
なお、本実施形態においては、観察用窓部材1の周縁に縫合用の貫通穴4を設けることとしたが、これに代えて、図8に示されるように、表皮6を剥離して露出させた内部組織3に、観察用窓部材1を接着剤16により接着することにしてもよい。この場合、接着剤16としては、生体親和性を有し、かつ、光学的に透明性の高い材質のもの、例えば、フィブリングルー系接着剤等が好ましい。
このように構成することで、容易に観察用窓部材1を内部組織3に隙間なく取り付けることができる。
あるいは、図9に示されるように、表皮6を剥離して露出させた領域より大きな観察用窓部材1を、接着剤16により実験動物2の表皮6に接着することとしてもよい。この場合、観察用窓部材1に対する接着剤16の塗布範囲は、表皮6と接する部分のみであってもよく、表皮6と接する部分および内部組織3と接する部分の両方であってもよい。このように構成することで、容易に観察用窓部材1を表皮6に隙間なく取り付けることができ、外部から内部組織3への菌の侵入、および菌の侵入に起因した内部組織3の炎症を防ぐことが可能となる。
また、観察用窓部材1としては、板状または膜状に形成されたものの片面に上記接着剤16を塗布した形態のもので、シールのように構成してもよい。このように構成することで、縫合する場合よりも簡易に観察窓7を有する実験動物2を製造することができる。
また、上記観察用窓部材1としては、酸素透過性を有するものを採用することが好ましい。酸素透過性を持たせるためには、シロキサンメタアクリレートまたはフルオロメタアクリレートを用いることが好ましい。
これにより、被覆した内部組織3に対して、観察用窓部材1を介して酸素を供給することができるので、さらに長期間にわたって内部組織3を健全な状態に維持することができる。
また、観察用窓部材1としては、水と同等の屈折率を有する物質、例えば、フッ素系高分子、具体的には、旭硝子製のサイトップ(登録商標)を採用してもよい。フッ素系高分子は屈折率が1.35以下と低いため、水との界面で生ずる反射を抑制することができるという特徴がある。
内部組織3は、水と同等の屈折率を有する体液によって満たされているので、観察用窓部材1としても同等か、それ以下の屈折率を有する物質により構成することによって、界面における光の反射に起因したノイズの発生を低減させて精度の高い観察を行うことが可能となる。
サイトップ(登録商標)はフッ素系高分子の一種であり、非晶質でパーフルオロのタイプのフッ素系高分子である。この材料は、フッ素系高分子であることから、上述したようにタンパク質等が付着し難いという性質があり、非晶質材料であることから高い透明性を有している。また、屈折率は1.34であり、水の屈折率とほぼ同じ値なので、水浸対物レンズを用いることができる。さらに、自家蛍光がないため、GFPやDsRed、RFP等の発光タンパク質が観察用窓部材1の自家蛍光と重なることによる観察精度の低下を防ぐことができるという利点がある。
また、観察用窓部材1を接着剤16により接着する場合においては、接着剤16としても水と同等かそれ以下の屈折率を有する材質により構成することが好ましい。
あるいは、接着剤16として、屈折率が水の屈折率よりも高いが、水の屈折率に近い値を有する材質のもの、例えば、フッ素を含有するものとシリコーンを含有するものとを用いた共重合体材料を用いてもよい。
また、接着剤16は、観察用窓部材1の全面にわたって塗布されていてもよく、周囲のみに塗布されていてもよい。接着剤16が観察用窓部材1の観察範囲内に塗布されている場合には、接着剤16としては観察用窓部材1の屈折率と水の屈折率との中間の屈折率を有するものを採用することが好ましい。また、接着剤16が観察用窓部材1の観察範囲内に塗布されていない場合には、観察用窓部材1の内部組織3と接触することとなる表面に上記中間の屈折率を有する材料をコーティングすることが好ましい。
このようにすることで、屈折率を急激に変化させることなく整合を図ることができるので、観察用窓部材1と内部組織3との間の界面における光の反射を低減させて、観察精度を向上することができるという効果がある。
また、観察用窓部材1として、屈折率が1.5以上の材料を使用し、その表面にヒドロキシアクリレートをコーティングしたものを採用してもよい。
アクリレートは、化合させる元素を選ぶことにより、屈折率nを1.45<n<1.59の範囲において調整することができる。例えば、表面にヒドロキシアクリレートを重合等の方法でコーティングした観察用窓部材1を採用してもよい。ヒドロキシアクリレートの屈折率は、n=1.45であるので、接触する内部組織3との界面における光の反射を低減することができる。しかも、ヒドロキシアクリレートは親水性を有するので、内部組織3と接触している表面において血液凝固を起こし難いという利点がある。これにより、観察用窓部材1を介した内部組織3の視認性低減を防止することができる。
また、観察用窓部材1として、屈折率nが、1.45<n<1.5のシリコーンラバーまたはアクリル類を含有する材料の表面に、フッ素系高分子をコーティングしたものを採用することにしてもよい。
フッ素系高分子の屈折率は1.4以下であるので、これを重合等の任意の方法でコーティングすることにより、接触する内部組織3との間の界面における光の反射を低減することができる。また、フッ素系高分子は疎水性を呈するので、内部組織3に密着する観察用窓部材1の表面にタンパク質が付着したり、カルシウムが沈着したりすることを防止することができ、上記と同様視認性を確保することができるという効果がある。
また、観察用窓部材1としては、上述したように単一材料により構成した部材の表面にコーティングを施したものの他、窓として機能する部分と接着部とを別個の材料で構成したものとしてもよい。
また、接着剤16が観察用窓部材1の観察範囲内に塗布されていない場合には、接着剤16として、透明性の低い材質を用いてもよい。
本実施形態に係る観察用窓部材は、可撓性を有する材料により構成したが、これに限られるものではなく、伸縮性を有する材料を用いてもよい。この場合に、実験動物が激しい運動や体の屈伸をしても、それに合わせて観察用窓部材が伸縮できるため、観察用窓部材周辺の表皮が急激に引っ張られることがなく、表皮の損傷を防ぎ、実験動物に与える負担を軽減することができる。
また、観察用窓部材1の全面または一部に目盛り(図示略)を付することにしてもよい。このようにすることで、観察画像、特に、モニターにより表示される画像に目盛りを併せて表示することができ、これを見る観察者が、観察対象の大きさを一目で把握することができるので便利である。
本発明の一実施形態に係る観察用窓部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図を示している。 図1の観察用窓部材を取り付ける際に、実験動物の表皮を剥離させている状態を示す図である。 図2において表皮を剥離された実験動物の腹部に観察用窓部材を取り付けた状態を示す図である。 図3の実験動物を観察する観察装置を示す模式図である。 実験動物の腹部に3カ所の観察用窓部材を取り付けた状態を示す図である。 実験動物の背中に2カ所の観察用窓部材を取り付けた状態を示す図である。 図4の観察装置の装置本体を傾斜させた状態を示す図である。 本発明の観察用窓部材の変形例であって、接着剤により内部組織に接着させた観察用窓部材を示す縦断面図である。 本発明の観察用窓部材の変形例であって、接着剤により内部組織に接着させた観察用窓部材を示す縦断面図である。
符号の説明
1 観察用窓部材
2 実験動物
3 内部組織
4 貫通穴(取付部)
5 糸
6 表皮
7 観察窓
16 接着剤(取付部)

Claims (13)

  1. 光学的に透明な生体親和性の材料からなり、実験動物の表皮を除去した領域において、内部組織に密着させられる板状または膜状に形成された観察用窓部材。
  2. 可撓性を有する材料からなる請求項1に記載の観察用窓部材。
  3. 実験動物への取付部を備える請求項1または請求項2に記載の観察用窓部材。
  4. 前記取付部が、周縁に間隔をあけて複数設けられ、実験動物の表皮に縫合する糸状部材を通す貫通穴である請求項3に記載の観察用窓部材。
  5. 前記取付部が、片面に塗布された接着剤からなる請求項3に記載の観察用窓部材。
  6. 酸素透過性を有する材料からなる請求項1から請求項5のいずれかに記載の観察用窓部材。
  7. 水と同等の屈折率を有する材料からなる請求項1から請求項6のいずれかに記載の観察用窓部材。
  8. 共重合体材料を有する材料からなる請求項1から請求項7のいずれかに記載の観察用窓部材。
  9. 屈折率が1.5以上の部材の表面にヒドロキシアクリレートをコーティングした材料からなる請求項1から請求項8のいずれかに記載の観察用窓部材。
  10. 屈折率nが以下の条件式を満たすシリコーンラバーまたはアクリル類を含有する材料の表面に、フッ素系高分子をコーティングした材料からなる請求項1から請求項8のいずれかに記載の観察用窓部材。
    1.45<n<1.5
  11. 目盛りを有する請求項1から請求項10のいずれかに記載の観察用窓部材。
  12. 観察に必要な波長の光を透過させ、他の波長の光を遮断するフィルタ機能を有する請求項1から請求項11のいずれかに記載の観察用窓部材。
  13. 表皮を除去した領域に、請求項1から請求項12のいずれかに記載の観察用窓部材を取り付けた観察窓を有する実験動物。
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