JP2005142318A - レーザーによる銅張板への孔形成方法 - Google Patents

レーザーによる銅張板への孔形成方法 Download PDF

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信之 池口
Hiroki Aoto
弘紀 青砥
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Abstract

【課題】 加工屑の飛散による表層銅箔の汚染を防止し、形状が良好で、孔径バラツキが少ないレーザーによる銅張板の孔形成方法を得る。
【解決手段】 表層銅箔の厚さが 3〜12μmで、少なくとも2層以上の銅の層を有する両面銅張板の表層銅箔を薬液にて厚さ方向に部分溶解除去し、銅箔厚さを 1〜10μmとした処理銅張板の表面に、孔あけ用補助材料を配置して、この表面からレーザーを直接照射して処理銅張板に孔を形成する銅張板の孔形成方法。
【効果】 表層銅箔の汚染が防止され、孔形状が良好で、孔径バラツキが少ない銅張板の孔形成方法が提供される。

Description

本発明は、プリント配線板を製造する際、その基板となる銅張板に、レーザーを直接照射して、小径の貫通孔やブラインドビア孔を形成する方法に関するものである。本発明によって形成された貫通孔やブラインドビア孔を有するプリント配線板は、細密なパターンが形成された高密度のプリント配線板として、半導体プラスチックパッケージやマザーボードなどに好適に使用される。
従来、半導体プラスチックパッケージなどに用いられる高密度のプリント配線板は、スルーホール用などの孔あけ加工を、金属ドリル使用して行っていた。近年、プリント配線板の高密度化の要求に伴い、孔径はますます小径化が進み、150μm以下の孔径が使用されるケースが増加している。このような小径の孔あけ加工に金属ドリルを使用すると、ドリル径が細いため、孔あけ時にドリルが曲がる、折れが多い、加工速度が遅くなるなどの欠点があり、作業性、生産性などに問題があった。これらの問題点を改善するため、金属ドリルに替えてレーザーの使用が検討されているが、プリント配線板に使用される銅箔は、反射率が高いため、炭酸ガスレーザーでは、レーザー光に対する加工性が悪い問題があった。これに対応するため、銅箔の所定の位置をエッチングで除去した箇所にレーザーを照射して孔あけ加工する方法(例えば特許文献1参照)や、銅箔厚さを薄くした銅張板の上からレーザーを直接照射して貫通孔あけ加工する方法が提案(例えば特許文献2参照)されているが、レーザー加工中に加工屑が上側に飛散し、銅箔表面を汚染するため、その後の細密回路形成において、歩留まりが低下する問題や、得られる孔径や形状についても、細密なパターンが形成された高密度のプリント配線板用としては、更なる改善が望まれていた。
特公平4-47999号公報 特開平2000-91750号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決する、加工屑の飛散による表層銅箔の汚染を防止し、孔形状が良好で、孔径バラツキが少ないレーザーによる銅張板の孔形成方法に関するものである。
本発明者らは、銅張板にレーザーを直接照射して貫通孔やブラインドビア孔を形成する際、特定の銅箔厚さから銅箔を薄くした処理銅張板の銅箔表面に特定のシートからなる孔あけ用補助材料を配置することで、表層銅箔の汚染が防止され、孔形状が良好になること、貫通孔の場合は、更に銅張板の裏面に前記と異なる特定のシートを孔あけ用補助材料として配置することで、孔径バラツキが少なくなることを見いだし本発明に到達した。 即ち、本発明は、表層銅箔の厚さが 3〜12μmで、少なくとも2層以上の銅の層を有する両面銅張板の表層銅箔を薬液にて厚さ方向に部分溶解除去し、銅箔厚さを 1〜10μmとした処理銅張板の表面に、熱可塑性フィルムに室温で粘着性を有する樹脂組成物層を形成させたシート(a)を配置して、シート(a)表面にレーザーを直接照射して、処理銅張板に孔を形成させることを特徴とする銅張板の孔形成方法であり、好ましくは該処理銅張板の表面に、該シート(a)を配置し、処理銅張板の裏面に、金属箔もしくは有機板に室温で粘着性を有する樹脂組成物層を形成させたシート(b)を配置して、シート(a)表面にレーザーを直接照射して、該処理銅張板に貫通孔を形成させることを特徴とする銅張板の孔形成方法である。なお、本願では、表層銅箔を薬液にて厚さ方向に部分溶解除去し、所定の厚みとした銅張板を『処理銅張板』と表記する。
表層銅箔の厚さが 3〜12μmで、少なくとも2層以上の銅の層を有する両面銅張板の表層銅箔を薬液にて厚さ方向に部分溶解除去し、銅箔厚さを 1〜10μmとした処理銅張板の表面に、孔あけ用補助材料を配置して、この表面からレーザーを直接照射して、処理銅張板に孔を形成するか、好ましくは裏面にも前記と異なる孔あけ用補助材料を配置して、上記と同様、レーザーを直接照射して貫通孔を形成することにより、表層銅箔の汚染が防止され、孔形状が良好で、孔径バラツキが少ない銅張板の孔形成方法が提供される。
本発明に使用される両面銅張板とは、表層銅箔の厚さが 3〜12μmで、少なくとも2層以上の銅の層を有する両面銅張板であれば、特に限定されない。これらの両面銅張板は、プリント配線板用の絶縁層と銅層を有する両面銅張積層板や銅張多層板であり、その絶縁層には、通常熱硬化性樹脂が使用され、基材を使用したもの、基材の無い樹脂ベースのもの等が使用可能であるが、寸法安定性等の点からは基材を使用したものが好適である。両面銅張板の厚さには、特に制約はないが、通常 0.05〜3.2mmのものが好適に使用される。
本発明で使用される両面銅張板に使用する熱硬化性樹脂としては、公知の熱硬化性樹脂が使用可能である。具体的には、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、 マレイミドーシアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられ、1種もしくは2種類以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。レーザー照射による孔あけ加工での孔形状の点からは、ガラス転移温度が、150℃以上の熱硬化性樹脂が好ましくい。
本発明に使用される両面銅張板に使用する熱硬化性樹脂には、無機充填剤の併用が好適である。特に炭酸ガスレーザー孔あけ用としては、孔の形状を均質にするために 10〜80重量%、好ましくは、20〜70重量%添加する。無機充填剤の種類は特に限定されないが、例えば、タルク、焼成タルク、シリカ、球状シリカ、水酸化アルミニウム、カオリン、アルミナ、ウオラストナイト、合成雲母、ガラス粉等が挙げられ、形状は針状、球状、不定形いずれでも良く、これらは1種或いは2種以上を適宜配合して使用する。
本発明で使用される両面銅張板に好適に使用する基材としては、公知の、無機、有機の織布、不織布などが使用可能である。具体的には、無機繊維としては、E、S、D、NEガラス等の繊維など、有機繊維としては、全芳香族ポリアミド、液晶ポリエステル、及びこれらの混抄物などの繊維が挙げられる。また、ポリイミドフィルム、液晶ポリエステルフィルム、全芳香族ポリアミドフィルムなどものフィルム基材も使用可能である。
本発明で使用される両面銅張板に使用する銅箔としては、公知のものが使用可能であるが、電解銅箔が好適に使用される。表層銅箔の厚みは、3〜12μmであり、銅箔表面は公知の合金処理、例えば、コバルト、ニッケル、亜鉛などの合金処理が施されていても使用可能である。内層銅箔の場合の厚みは、9〜35μmが好適である。
本発明で使用される両面銅張板の製造方法は、特に限定されないが、例えば、基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸、乾燥させてBステージとしたプリプレグを作成し、このプリプレグを所定枚数重ね、その外側に銅箔を配置して、加熱、加圧下に積層成形し、両面銅張板とする方法などが挙げられる。
本発明に使用される処理銅張板とは、上記両面銅張板を、薬液にて厚さ方向に部分溶解除去し、銅箔厚さを 1〜10μmとした処理銅張板であれば、特に限定されない。両面銅張板を、薬液にて厚さ方向に部分溶解除去する方法としては、特に限定されないが、例えば、特開平02-22887、同02-22896、同02-25089、同02-25090、同02-59337、同02-60189、同02-166789、同03-25995、同03-60183、同03-94491、同04-199592、同04-263488で開示された薬品で銅箔表面を部分溶解除去する方法(以下SUEP法と記す)などによる。この際のエッチングの速度は、通常 0.02〜1.0μm/秒で行う。
レーザーで孔形成する銅張板の表層銅箔厚さを、例えば 3μmにする場合は、キャリア金属箔付きの 3μm銅箔を使用する方法もあるが、この銅箔のマット面は凹凸が小さく、細密回路にした場合に接着力が弱く、銅箔剥離不良が多くなる。このために、5〜12μm銅箔を使用して両面銅張板とし、薬液で溶解して 3μmとした処理銅張板を使用する。この場合、厚さ 12μmの銅箔を使用すると薬液で溶解する場合に銅張板の中央部と端部の銅箔厚さのバラツキが大きくなるために、好適には 5〜7μm銅箔を最外層に用いて積層した両面銅張板を使用する。処理銅張板の銅箔の厚さを 1μmにする場合は、キャリア金属箔付き 3〜5μm銅箔を使用するが、接着力の点からは好適には 5μm銅箔を使用する。この厚みは目的とする回路幅により、適宜選択をする。例えば、ライン/スペース=15/15μmとする場合は、溶解処理後の銅箔厚さを 1〜1.5μmとする。ライン/スペース=25/25μmとする場合は、溶解処理後の銅箔厚さを 1〜2.0μmとする等の選択を行う。この場合は、従来のサブトラクティブ法だと回路形成ができないため、パターン銅メッキ法を行い、フラッシュエッチングで回路を形成する。
本発明で処理銅張板の表面に孔あけ用補助材料として配置されるシート(a)とは、熱可塑性フィルムの少なくとも片面に室温で粘着性を有する樹脂組成物層を形成させたシートであれば、特に限定されない。シート(a)に使用する熱可塑性フィルムは、公知のものが使用され、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン等が挙げられ、これらの混合物等も使用される。厚みは特に限定はないが、好適には20〜500μm、更に好適には30〜200μmのものが使用される。
本発明で処理銅張板の裏面に孔あけ用補助材料として好適に配置されるシート(b)とは、金属箔又は有機板の少なくとも片面に室温で粘着性を有する樹脂組成物層を形成させたシートであれば、特に限定されない。シート(b)に使用する金属箔は、シート状に加工できる公知の金属からなる金属箔であれば、特に限定されない。 具体的にはアルミニウム、銅、スズ、鉄、ニッケル等;及びこれらの合金等が挙げられるが、価格、作業性等の点から、アルミニウムが好適に使用される。この金属箔の厚さは特に限定はないが、作業性、価格等の点から、20〜300μm、好適には 30〜200μm、更に好適には 50〜100μmの厚さのものを使用する。金属箔の表面状態は、特に限定されないが、プライマー処理や、薬液で表面に凹凸を付けたものなどが好適に使用される。
シート(b)に使用する有機板は、シート状に成型される公知のプラスチック板であれば、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂板、熱硬化性樹脂板、コルク板等が挙げられるが、自己消火性の有機板が好ましく、具体的には、UL94-V-0のエポキシ樹脂積層板やシアン酸エステル樹脂系積層板、耐燃性付与ポリカ−ボネート板やポリフェニレンエーテル板等が使用される。有機板の厚さは特に限定されないが、貫通したレーザーが突き抜けない厚さとする。一般には厚さ0.3〜20mm、好適には厚さ0.5〜2mmの有機板を使用する。
本発明で使用される熱可塑性フィルム又は金属箔又は有機板に形成する樹脂組成物層とは、シート状の形成が可能な公知の高分子物質を主成分とした樹脂組成物層で、かつ室温で粘着性を有するものであれば、特に限定されない。シート状の形成が可能な高分子物質としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、水溶性樹脂組成物、及びこれらの混合物などが挙げられ、公知の各種添加剤や有機、無機粉体などを併用することも可能である。 好適には、レーザー孔あけ加工後に、シート(a)やシート(b)と処理銅張板を剥離する際、処理銅張板に付着した樹脂組成物の除去のし易さから、水溶性樹脂組成物の使用が好ましい。シート(a)の樹脂組成物とシート(b)の樹脂組成物の種類は、同じものでも、異なるものでも使用可能である。シートの厚さは特に制限はないが、一般には 5μm〜1mmの厚さのものが使用され、特に 25〜200μmの厚さのものが好適に使用される。
本発明で使用される室温で粘着性を有する樹脂組成物とは、粘着剤そのもの、又は粘着剤を含有する上記樹脂組成物であれば、特に限定されない。粘着剤の具体例としては、ゴム、架橋型アクリル、非架橋型アクリル、水溶性アクリル、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、カルボキシセルロース、ポリビニルアルコール、ポリグリコール、ポリオレフィン、シリコンなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。特に前記の付着した樹脂組成物の除去のし易さから、水溶性の粘着剤、例えば水溶性アクリル、カルボキシセルロース、ポリビニルアルコール、ポリグリコールなどや水溶性樹脂と併用することで粘着効果を付与する物質の使用が好適である。これらの物質としては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールなどが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
本発明で使用される粘着剤の使用方法は、粘着剤そのものを上記樹脂組成物として使用するか、または粘着剤を樹脂組成物に併用する方法がある。これら粘着剤単独または併用樹脂組成物は、熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板に形成させる樹脂組成物層の全てでも、表層のみでも、使用可能である。具体的には、熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板の樹脂組成物層が、全て粘着剤層または粘着剤併用樹脂組成物層であるもの、先ず熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板に粘着剤を併用していない樹脂組成物層を形成させた後、その表層に粘着剤層または粘着剤併用樹脂組成物層を形成させたものなど、いずれも使用可能である。粘着剤を樹脂組成物に併用する場合、粘着剤の配合量は、特に限定されないが、処理銅張板とのラミネート接着が室温で可能であり、且つレーザー孔あけ加工後に、処理銅張板との剥離が、手で可能である程度の粘着性を示すように配合する。熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板に樹脂組成物層を形成し、更にその表層に粘着剤層または粘着剤併用樹脂組成物層を形成する場合、最初に熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板に形成させる樹脂組成物層の厚さは特に限定されないが、好適には 5〜200μmであり、この上に形成する粘着剤層または粘着剤併用樹脂組成物層の厚さは特に限定されないが、1 〜50μmが好適に使用される。
本発明で好適に使用される水溶性樹脂としては、常温、常圧において、水 100gに対し、1g以上溶解する高分子物質であれば、特に限定されるものでないが、熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板の表面に塗布、乾燥し、シート状とする場合に、剥離欠落しにくいものを選択する。水溶性樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラメチレングリコール、澱粉など、公知のものが使用可能であり、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
炭酸ガスレーザー使用の場合は、シート(a)の樹脂組成物として、上記樹脂組成物に、融点 900℃以上で且つ結合エネルギーが 300kJ/mol 以上の金属化合物粉、カーボン粉、又は金属粉の1種或いは2種以上を適宜組み合わせ、 3〜97vol%含有させた樹脂組成物を使用することが好適である。融点 900℃以上で且つ結合エネルギーが 300kJ/mol 以上の金属化合物粉とは、公知のものが使用できる。例えば、酸化物としてのチタニア類;マグネシア類;鉄酸化物;亜鉛酸化物;コバルト酸化物;スズ酸化物類等が挙げられ、非酸化物としては、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化硼素、窒化ケイ素、窒化チタン、硫酸バリウム等の粉が挙げられる。その他、カーボン粉や、公知の金属粉が使用される。しかしながら、水、溶剤に溶解した場合、発熱、発火するようなものは使用しない。これらの粒径は、平均粒子径 5μm以下、好ましくは 1μm以下である。
上記熱可塑性フィルムの片面、もしくは両面に、上記樹脂組成物で構成された樹脂組成物層を形成させることにより、本発明で使用されるシート(a)が、上記金属箔又は有機板の片面、もしくは両面に、上記樹脂組成物で構成された樹脂組成物層を形成させることにより、本発明で使用されるシート(b)が得られる。熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板に樹脂組成物層を形成させる方法は、特に限定されないが、例えば樹脂組成物を水または有機溶剤などに溶解・分散させて、熱可塑性フィルム、又は金属箔、又は有機板に塗布、乾燥してシート(a)、又はシート(b)とする方法や、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどに所定の厚さの樹脂組成物層を形成させた後、これを金属箔、又は有機板と組み合わせ、ラミネートにより一体化して、シート(b)とする方法などが挙げられる。
本発明の銅張板の孔形成方法は、上記シート(a)の樹脂組成物層面を処理銅張板の表面に対向させて配置し、処理銅張板に貼り付けた後、シート(a)表面にレーザーを直接照射して、処理銅張板にブラインドビア孔や貫通孔を形成させるものであり、好ましくは、更に上記シート(b)の樹脂組成物層面を処理銅張板の裏面に対向させて配置し、処理銅張板に貼り付けた後、シート(a)表面にレーザーを直接照射して、処理銅張板に貫通孔を形成させるものである。処理銅張板を複数枚貫通孔あけする場合には、表層には熱可塑性フィルム片面に樹脂組成物を形成させたシート(a)を配置し、処理銅張板間には熱可塑性フィルム両面に樹脂組成物を形成させたシート(a)を配置し、裏面にシート(b)を配置し、これらを一度に室温で圧着して複数枚の銅張板を一体化し、これを用いて貫通孔あけを行う。
本発明で使用されるシート(a)、又はシート(b)を処理銅張板に貼り付ける方法は、特に限定されないが、例えば、ラミネーターを使用し、シート(a)、又はシート(b)の樹脂組成物層面を処理銅張板に対向させて配置し、室温で、貼り付けることが好適である。この貼り付け作業は、加熱下で行うことも可能であるが、処理銅張板が薄い場合、反りが大きくなる問題がある。シート(a)、又はシート(b)を貼り付けた処理銅張板の反りが大きくなると、レーザーマシンに設置する作業性が低下するとともに、得られる貫通孔形状が悪化するため、室温で貼り付けることが好適である。使用するラミネーターのロールの線圧は、 1〜30kg/cmであり、好ましくは 2〜20kg/cmである。
本発明で使用するレーザーは、特に限定されないが、例えば、炭酸ガスレーザー;エキシマレーザー、UV-YAGレーザー、UV-Vanadateレーザー等のUVレーザーが挙げられる。一般に孔径 15μm以上で 80μm未満はUVレーザー、孔径 80μm以上で 180μm以下は炭酸ガスレーザーを使用する。また、これらのレーザーの併用も可能である。
炭酸ガスレーザーの波長は、9.3〜10.6μmが使用される。エネルギーは、好適には 4〜60mJ/パルスで、所定パルス照射して孔あけする。銅箔を加工後は、貫通孔やブラインドビア孔を形成するにあたり、同一エネルギーを照射して孔あけする方法、エネルギーを途中で高くするか、低くして孔あけする方法、いずれの方法でも使用し得る。UVレーザーの波長は、種類により条件は異なるが、通常 200〜400nmが使用される。
炭酸ガスレーザーの出力は 2〜60mJ、好適には 4〜40mJから選ばれたエネルギーを、UV-Vanadateレーザーの出力は500〜4000mW、好適には800〜3500mWから選ばれたエネルギーを、処理銅張板上のシート(a)表面に直接照射して貫通孔やブラインドビア孔を形成する。処理銅張板に孔を形成後、ラミネート接着したシート(a)、シート(b)は、処理銅張板から剥離する。
UVレーザーで最初から最後まで加工した場合には、銅箔加工面には樹脂残渣は残らないので特にデスミア処理等は必要ないが、炭酸ガスレーザーで加工した場合には、加工された孔内部の表層や内層銅箔の加工面には 1μm程度の樹脂層が銅箔表面に残存する場合が殆どである。この樹脂層は、エッチング前にデスミア処理等の一般に公知の処理で事前に除去が可能であるが、液が小径の孔内部に到達しない場合、内層の銅箔表面に残存する樹脂層の除去残が発生し、銅メッキとの接続不良が起こる場合があり、好適には、まず気相で孔内部を処理して樹脂の残存層を完全に除去し、次いで孔内部及び必要に応じて表裏の銅箔バリをエッチング除去する。
炭酸ガスレーザーを照射して孔を形成する場合、処理銅張板の銅箔厚さが一般に 7μm以上であると、形成された表裏の孔周辺はバリが発生することが多くなるため、処理銅張板を再度厚さ方向に薬液で若干エッチングすることでバリを除去することが好適である。
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、『部』は重量部を表す。
実施例1
2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン 900部、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン 100部を 150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させ、モノマーとプレポリマーの混合物を得た。これをメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤に溶解し、ワニスAとした。このワニスAに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001、ジャパンエポキシレジン<株>製) 400部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN-220F、住友化学工業<株>製) 600部、黒色顔料(カヤセットブラック、日本化薬<株>製) 8部、オクチル酸亜鉛 0.4部を加え、混合し、これにタルク(ミクロエースP-3、日本タルク<株>製) 500部を加え、混合してワニスBを得た。このワニスBを厚さ 100μmのガラス織布に含浸し 150℃で乾燥して、ゲル化時間(at170℃) 120秒、樹脂組成物含有量が 49重量%のプリプレグCを作製した。このプリプレグC1枚の上下に、厚さ35μmのキャリア銅箔付きの厚さ5μmの電解銅箔を配置し、200℃、20kgf/cm2、30mmHg以下の真空下で2時間積層成形し、厚み 100μmの両面銅張積層板Dを得た。これの表裏のキャリア銅箔を剥離し、両面銅張積層板Dの両面の銅箔をSUEP溶液(過酸化水素2〜4w/v%、硫酸3〜7w/v%を主剤とし、助剤としてアルコールを0.1〜5w/v%を配合してなる水溶液)で厚さ方向に銅箔を溶解し、表裏の銅箔の厚さ 1.3μmの処理銅張板Eを作製した。一方、ポリビニルアルコール 200部を水に溶解後、ポリグリセリン(#750:阪本薬品工業<株>製)200部を配合した樹脂組成物を、厚さ 50μmのPETフィルムの片面に厚さ 40μmとなるように塗布、乾燥して、シートFを作製した。また、カルボキシメチルセルロース(セロゲン7A:第一工業薬品<株>製)200部を水に溶解後、ポリグリセリン(#750)200部とタルク(ミクロエースP-3) 600部を配合した樹脂組成物を、厚さ 100μmのアルミニウム箔の片面上に厚さ 50μmとなるように塗布、乾燥して、シートGを作製した。このシートの樹脂組成物層面を、上記処理銅張板Eに対向させて、表面にシートF、裏面にシートGを配置し、室温でラミネート線圧 6kgf/cmにて処理銅張板Eに貼り付け、シートF上から直接UV-Vanadateレーザーを照射して孔径 35μmの貫通孔をあけた。孔あけ終了後、シートF,シートGを手で剥離し、孔あけされた処理銅張板を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート5045、ジャパンエポキシレジン<株>製)900部、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN220F)100部、ジシアンジアミド30部、2-エチル-4-メチルイミダゾール1部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解し、タルク(ミクロエースP-3) 800部加え、混合して、ワニスHとした。このワニスHを、厚さ 100μmのガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル化時間 150秒、樹脂組成物含有量 47重量%のプリプレグIと、厚さ 80μmのガラス織布に含浸、乾燥して、ゲル化時間 163秒、樹脂組成物含有量 60重量%のプリプレグJを作製した。このプリプレグIを2枚使用し、両面に厚さ 18μmの電解銅箔を配置し、170℃、20kgf/cm2、10mmHgの真空下で2時間積層成形して両面銅張積層板Kを作製し、この両面に回路を形成し、黒色酸化銅処理を施して内層板Lとした。次いで、プリプレグJを内層板Lの両面に各々1枚づつ配置し、その外側に厚さ 7μmの電解銅箔を配置し、上記と同様に積層成形して両面銅張板Mを得た。これをSUEP溶液(過酸化水素2〜4w/v%、硫酸3〜7w/v%を主剤とし、助剤としてアルコールを0.1〜5w/v%を配合してなる水溶液)で銅箔厚さ4μmまで溶解して処理銅張板Nを作製した。一方、ポリビニルアルコール 200部を水に溶解し、これにポリグリセリン(#750)200部と酸化銅(ET:日本化学産業<株>製)600部を配合した金属粉分散液を、厚さ 50μmのPETフィルムの片面に厚さ 40μmとなるように塗布、乾燥して、シートOを作製した。各シートの樹脂組成物層面を、上記処理銅張板Nに対向させて、表面にシートO、裏面に実施例1で使用したシートGを配置し、室温でラミネート線圧 7kgf/cmにて処理銅張板Nに貼り付け、このシートO上から直接炭酸ガスレーザーエネルギーを 20mJで1ショット、更に 5mJで1ショット照射し照射して孔径 100μmのブラインドビア孔、及び 25mJにて7ショット照射して孔径 100μmの貫通孔をあけた。孔あけ終了後、シートO,シートGを手で剥離し、孔あけされた処理銅張板を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、処理銅張板Eではなく、両面銅張積層板Dのままで、シートF,Gを使用せずに、両面銅張積層板Dの裏面に厚さ 2mmのベーク板をテープで貼り付けた以外は、実施例1と同様に行い、孔あけされた両面銅張銅張板を得た。この際、銅箔表面に加工屑の付着が確認された。評価結果を表1に示す。
表1
実 施 例 比 較 例
項 目 1 2 1
加工屑の付着 無し 無し 有り
貫通孔径(μm) 入側 40 105 46
出側 33 87 25
バラツキ 2.9 4.4 7.1
孔形状(個) 円形 100 100 79
非円形 0 0 21
熱衝撃試験 (%) 2.6 5.0 11.0
<測定方法>
1)貫通孔径:サイズ 250mm×250mm銅張板に、900孔/ブロックで、10ブロック貫通孔あけ加工を行った後、100孔のレーザー入側、出側の直径をマイクロスコープで測定した平均値、及び出側のバラツキ(σ値)。

2)孔形状:サイズ 250mm×250mm銅張板に、900孔/ブロックで、10ブロック貫通孔あけ加工を行った後、出側 100孔の孔形状をマイクロスコープで測定し、一つの孔の最大、最小値の差が 10%以内を円形とし、それ以外を非円形としてカウントした個数。

3)熱衝撃試験:貫通孔あけ加工後の銅張板を使用し、各々900孔を表裏交互に連結したプリント配線板を作成し、各ブロック毎に切り出し、テストピースとした。このテストピースを使用し、1サイクル:260℃/ハンダ・浸せき/30秒 → 室温/空気/5分 で、200サイクル、熱衝撃試験を実施した後の導通抵抗値の変化率の最大値。

Claims (3)

  1. 表層銅箔の厚さが 3〜12μmで、少なくとも2層以上の銅の層を有する両面銅張板の表層銅箔を薬液にて厚さ方向に部分溶解除去し、銅箔厚さを 1〜10μmとした処理銅張板の表面に、熱可塑性フィルムに室温で粘着性を有する樹脂組成物層を形成させたシート(a)を配置して、シート(a)表面にレーザーを直接照射して、処理銅張板に孔を形成させることを特徴とする銅張板の孔形成方法。
  2. 該処理銅張板の表面に、該シート(a)を配置し、処理銅張板の裏面に、金属箔又は有機板に室温で粘着性を有する樹脂組成物層を形成させたシート(b)を配置して、シート(a)表面にレーザーを直接照射して、処理銅張板に貫通孔を形成させることを特徴とする銅張板の孔形成方法。
  3. 該樹脂組成物層の樹脂が水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅張板の孔形成方法。
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