JP2005141334A - 災害リスク評価システム、災害リスク評価サービス提供システム、災害リスク評価方法、災害リスク評価支援方法及び災害リスク評価サービス提供方法 - Google Patents

災害リスク評価システム、災害リスク評価サービス提供システム、災害リスク評価方法、災害リスク評価支援方法及び災害リスク評価サービス提供方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もれるようにする。
【解決手段】 この災害リスク評価システムでは、損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価し、また経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提示する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、個人又は法人等の事業者が災害や事故等によって被る設備損害や営業損害等の直接損害、及び休業せざるを得なくなった場合の事業損害を評価する災害リスク評価システム、災害リスク評価サービス提供システム、災害リスク評価方法、災害リスク評価支援方法及び災害リスク評価サービス提供方法に関する。
従来の個人又は法人等の事業者のリスク管理における災害リスク評価の一つである確率論的手法に基づく評価では、設備や資産の安全性や重要性を系統的、定量的に総合評価していた。そのため、災害事象や2次災害事象の発生確率や影響度の大きさ等によって、災害発生に関わる損失(被害)を評価でき、また、災害対策を安全性の観点から見て適切に策定することが行われていた。さらに、経済性の観点から見て、設備や資産の安全性や重要性を、施設損害額や営業損害額等の直接損害額及び復旧費用等の災害リスクに関わるコストに直して、系統的、定量的に確率論的手法によって総合評価することも行われていた。
また、従来の災害リスク評価で、災害による休業による事業価値損失額の評価も可能となりつつあった。金融業界や新聞業界等のサービス業界では、一度事業が停止すると事業休止期間中に競合他社に得意顧客を奪われ、市場シェアの一部を永続的に失うリスクを有する。そのため、災害リスク評価において、経済性の観点から見れば、災害による休業による事業価値損失額の評価を行って、トータルコストを評価することも行われつつあった。
しかしながら、上述の従来の災害リスク評価においては、施設損害額や営業損害額等の直接損害額を評価する際に、損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が災害時に負担する直接損害額を評価していなかったので、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適正な災害対策計画の策定及びその費用の適正値の見積もりが不十分で過大評価や過小評価する問題点があった。
また、上述の従来の災害リスク評価においては、将来起こり得る災害による営業損害額や事業価値損失額を評価する際にその時点での事業収益やキャッシュフローが不確実であるため営業損害額や事業価値損失額にも不確実性が生じ、災害対策の意思決定に支障があった。特に、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した営業損害額や事業価値損失の期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した営業損害額や事業価値損失額の期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた災害対策効果が負である場合には、災害対策を施さないという意思決定がなされることになるが、将来の事業収益やキャッシュフローが現在よりも増大する可能性を考慮すると災害対策を行う価値が生まれ、誤った判断を下す危険性があった。また個人又は法人等の事業者の所有する一事業所内には複数の事業単位が存在する場合、個々の事業単位に対する災害発生の影響度が異なるため、個別に評価する必要があった。
すなわち、上述の従来の災害リスク評価においては、災害対策の意思決定における指標となる災害計画、対策費用等の評価の面で不十分であり、十分な災害対策の意思決定ができないという問題点があった。
本発明はこのような従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、事業者の経済的観点より、より確実な評価に基づく災害対策の意思決定を可能とする災害リスク評価技術を提供することを目的とする。
詳細には、施設損害額や営業損害額等の直接損害額を評価する際に、損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が災害時に負担する直接損害額を評価することによって、災害による休業による事業価値損失額も含めたトータルコストの評価において、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害リスク評価技術を提供することを目的とする。
また、将来の事業収益やキャッシュフローの不確実さを考慮して災害発生時の営損害額や事業価値損失額の期待値を評価し、災害対策実行の意思決定を支援することのできる災害リスク評価技術を提供することを目的とする。
請求項1の発明の災害リスク評価システムは、想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力するデータ入力部と、対象地域の災害ハザード曲線を求めるハザード曲線推定部と、前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価する発生頻度評価部と、対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価する対象部位応答評価部と、前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出する対象施設故障率推定部と、イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価する災害損失額評価部と、損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出する直接損害額期待値算出部と、損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出する事業価値損失額期待値推定部と、現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示する情報提示部とを備え、前記災害損失額評価部は、前記直接損害額として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額として用い、前記直接損害額期待値算出部は、前記直接損害額期待値として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額期待値として用いることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の災害リスク評価システムにおいて、前記直接損害額は営業損害額を含み、当該営業損害額は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額とし、営業損害額期待値は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額期待値とすることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の災害リスク評価システムにおいて、前記直接損害額は設備損害額を含み、当該設備損害額は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額とし、設備損害額期待値は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額期待値とすることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3の災害リスク評価システムにおいて、前記損害保険の免責額と上限額によって決められる前記損害保険の保険料を評価することを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4の災害リスク評価システムにおいて、前記事業価値損失額として、休業による市場シェアの時間的な減衰と再操業の立ち上がりとの損益を含めたものを事業価値損失額とすることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5の災害リスク評価システムにおいて、休業が発生した場合に事業から得られる将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値と、休業が発生しない場合に期待される将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値との差より前記事業価値損失額を評価することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項5又は6の災害リスク評価システムにおいて、災害に対して作成された損害事象のイベントツリー情報から割り出した複数個の損害事象の発生確率と前記イベントツリー情報と前記複数個の損害事象に対応して発生する休業による事業価値損失額とより、前記災害に対する事業価値損失額の期待値を評価することを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項7の災害リスク評価システムにおいて、前記複数個の損害事象をそれらの発生確率の大きい値の順番に並び替え、並び替えられた損害事象の特定の損害事象に着目して、着目した損害事象に対する事業価値損失額と着目した損害事象の1段前の損害事象に対する事業価値損失額との差と0を比較し、0以上の値に着目した損害事象の発生確率を乗じた量と、発生確率最大の損害事象については事業価値損失額に当該損害事象の発生確率を乗じた量との全て加算したものを前記災害に対する事業価値損失額期待値とすることを特徴とするもので、ここで述べた操作は数1式で表すことができる。
Figure 2005141334
請求項9の発明の災害リスク評価支援方法は、コンピュータにより、想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力し、対象地域の災害ハザード曲線を求め、前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価し、対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価し、前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出し、イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価し、損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出し、損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出し、現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示し、前記災害損失額評価には、前記直接損害額として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額として用い、前記直接損害額期待値の算出には、前記直接損害額期待値として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額期待値として用いるものである。
請求項10の発明は、請求項9の災害リスク評価支援方法において、前記直接損害額は営業損害額を含み、当該営業損害額は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額とし、営業損害額期待値は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額期待値とすることを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項9又は10の災害リスク評価支援方法において、前記直接損害額は設備損害額を含み、当該設備損害額は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額とし、設備損害額期待値は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額期待値とすることを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項9〜11の災害リスク評価支援方法において、コンピュータにより、前記損害保険の免責額と上限額によって決められる前記損害保険の保険料を評価することを特徴とするものである。
請求項13の発明は、請求項9〜12の災害リスク評価支援方法において、前記事業価値損失額は、休業による市場シェアの時間的な減衰と再操業の立ち上がりとの損益を含めた事業価値損失額とすることを特徴とするものである。
請求項14の発明は、請求項13の災害リスク評価支援方法において、コンピュータにより、休業が発生した場合に事業から得られる将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値と、休業が発生しない場合に期待される将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値との差より前記事業価値損失額を評価することを特徴とするものである。
請求項15の発明は、請求項13又は14の災害リスク評価支援方法において、コンピュータにより、災害に対して作成された損害事象のイベントツリー情報に基づいて複数個の損害事象の発生確率と前記イベントツリー情報と前記複数個の損害事象に対応して発生する休業による事業価値損失額とより、前記災害に対する事業価値損失額の期待値を評価することを特徴とするものである。
請求項16の発明は、請求項15の災害リスク評価支援方法において、コンピュータにより、前記複数個の損害事象をそれらの発生確率の大きい値の順番に並び替え、並び替えられた損害事象の特定の損害事象に着目して、着目した損害事象に対する事業価値損失額と着目した損害事象の1段前の損害事象に対する事業価値損失額との差と0を比較し、0以上の値に着目した損害事象の発生確率を乗じた量と、発生確率最大の損害事象については事業価値損失額に当該損害事象の発生確率を乗じた量との全て加算したものを前記災害に対する事業価値損失額の期待値とすることを特徴とするもので、ここで述べた操作は数2式で表すことができる。
Figure 2005141334
請求項17の発明の災害リスク評価システムは、想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力するデータ入力部と、対象地域の災害ハザード曲線を求めるハザード曲線推定部と、前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価する発生頻度評価部と、対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価する対象部位応答評価部と、前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出する対象施設故障率推定部と、イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価する災害損失額評価部と、損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出する直接損害額期待値算出部と、損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出する事業価値損失額期待値推定部と、現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示する情報提示部とを備え、前記事業価値損失額期待値推定部は、前記事業価値損失額の期待値を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて算出することを特徴とするものである。
請求項18の発明は、請求項17の災害リスク評価システムにおいて、前記事業価値損失額期待値推定部は、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した事業価値損失額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した事業価値損失額期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた値を災害対策効果とし、該災害対策効果を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価して前記情報提示部に提示させることを特徴とするものである。
請求項19の発明は、請求項17又は18の災害リスク支援システムにおいて、前記事業価値損失額期待値推定部は、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した事業価値損失額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した事業価値損失額期待値を差し引いた値を資産価値とし、単位期間の事業収益又はキャッシュフローの標準偏差をボラティリティとし、災害対策を施すことに費やされた全費用を行使価格とし、現在より災害対策を施すまでの期間を満期として、リアルオプション価値を評価して前記情報提示部に提示させることを特徴とするものである。
請求項20の発明の災害リスク評価支援システムは、想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力するデータ入力部と、対象地域の災害ハザード曲線を求めるハザード曲線推定部と、前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価する発生頻度評価部と、対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価する対象部位応答評価部と、前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出する対象施設故障率推定部と、イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価する災害損失額評価部と、損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出する直接損害額期待値算出部と、損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出する事業価値損失額期待値推定部と、現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示する情報提示部とを備え、前記事業価値損失額期待値推定部は、前記営業損害額の期待値を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価することを特徴とするものである。
請求項21の発明は、請求項20の災害リスク評価システムにおいて、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した営業損害額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した営業損害額期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた値を災害対策効果とし、該災害対策効果を将来の事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価することを特徴とするものである。
請求項22の発明は、請求項20又は21の災害リスク支援システムにおいて、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した営業損害額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した営業損害額期待値を差し引いた値を資産価値とし、単位期間の事業収益又はキャッシュフローの変動の標準偏差をボラティリティとし、災害対策を施すことに費やされた全費用を行使価格とし、現在より災害対策を施すまでの期間を満期として、リアルオプション価値の評価することを特徴とするものである。
請求項23の発明は、請求項17〜22の災害リスク支援システムにおいて、営業損害額及び事業価値損失額を、災害リスクを評価する事業所内の事業単位毎に評価し、該評価値を事業単位毎及びそれらの総和を提示する機能を備えたことを特徴とするものである。
請求項24の発明の災害リスク評価サービス提供システムは、ネットワークを通じて利用者端末から送信されてきた利用者の希望する計算条件を受信して当該システムに入力する入力手段と、前記入力手段から入力された利用者の希望する計算条件に基づき、少なくとも1つの災害リスク評価値を算出する請求項17〜23のいずれかの災害リスク評価システムと、当該災害リスク評価システムによって算出された災害リスク評価値を前記利用者の端末に送信する出力手段とを備えたものである。
請求項25の発明の災害リスク評価方法は、想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力し、対象地域の災害ハザード曲線を求め、前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価し、対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価し、前記対象部位の応答加速度の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出し、イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価し、損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出し、損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出し、現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示し、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した事業価値損失額又は営業損害額の期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した事業価値損失額又は営業損害額の期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた値を災害対策効果とし、該災害対策効果を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価するものである。
請求項26の発明の災害リスク評価サービス提供方法は、ネットワークを通じて利用者端末から送信されてきた利用者の希望する計算条件を受信して入力し、入力された利用者の希望する計算条件に基づき、請求項17〜24のいずれかの災害リスク評価システムを用いて少なくとも1つの災害リスク評価値を算出し、算出された災害リスク評価値を前記利用者の端末に送信することを特徴とするものである。
本発明によれば、災害リスク評価において、施設損害額や営業損害額等の直接損害額を評価する際に、損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が災害時に負担する直接損害額を評価することによって、災害による休業による事業価値損失額も含めたトータルコストの評価において、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用の見積もりができる。
また本発明によれば、災害リスク評価において、将来の事業収益やキャッシュフローの不確実を考慮して、将来起こり得る災害による営業損害額や事業価値損失額を評価しさらに、災害対策計画のリアルオプション価値を評価することができるため、より適正な災害リスク評価や災害対策行使の意思決定の支援ができる災害リスク評価システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1に本発明の第1の実施の形態の災害リスク評価システムの構成を示している。この第1の実施の形態の災害リスク評価システムにおける災害時の対策費用及びその効果、あるいは直接損害額及び休業による事業価値損失額を評価するための機能構成は図1の通りであり、想定災害・地域情報、設備情報、対策のための代替設備情報、設備費用情報、代替設備費用情報にかかわるデータベース1、想定災害・地域情報、設備情報、対策のための代替設備情報、設備費用情報、代替設備費用情報にかかわるデータを入力処理するデータ入力部2、処理・演算を行うデータ処理・演算部3及び処理されたデータを出力するデータ出力部4から構成される。
本実施の形態の災害リスク評価システムでは、データ入力部2に入力される入力データのリストに関して災害対象を地震と想定した場合については図2、図3のようになる。入力データは、想定災害・地域情報入力データ5、設備情報入力(1)6、設備情報入力(2)7、代替設備情報入力(1)8及び代替設備情報入力(2)9から構成される。
想定災害・地域情報入力データ5は想定災害事象の選択、図5に示すような想定災害発生頻度・災害の大きさの関係(ハザード曲線)情報を含む。設備情報入力(1)6はイベントツリー分岐項目(対象施設の設備)データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備のフラジリティ(損傷度)情報、対象施設の設備の使命時間データ、対象施設の設備の条件付故障確率、対象施設の設備の修復率を含み、設備情報入力(2)7は対象施設の設備の費用(設備再建費)、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険データ(免責額、上限額、保険料)を含む。
また、代替設備情報入力(1)8はイベントツリー分岐項目(対象施設の代替設備)データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備のフラジリティ(損傷度)情報、対象施設の代替設備の使命時間データ、対象施設の代替設備の条件付故障確率、対象施設の代替設備の修復率を含み、代替設備情報入力(2)9は対象施設の代替設備の費用(設備再建費)、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険データ(免責額、上限額、保険料)を含む。
図4は本実施の形態の災害リスク評価システムにおけるデータ処理・演算部3の災害対象を地震と想定した場合の処理機能構成を示している。このデータ処理・演算部3では、災害(地震)ハザード曲線推定部10で災害(地震)ハザード曲線を推定し、発生頻度評価部11で災害事象の発生頻度を評価する。その後、加速度増幅係数(対象部位応答加速度)推定部12で対象施設の加速度増幅係数(対象部位応答加速度)を推定し、対象部位応答評価部13で対象部位応答加速度を評価する。その結果をもとに、イベントツリー構築部14でイベントツリーを構築し、対象施設故障率(フラジリティ)推定部15でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する。対象施設故障率(フラジリティ)の推定にあたっては、フォルトツリーの評価手法を用いる場合もある。次に、事象推移評価部16で事象推移を評価し、災害が発生した後の損傷モードを分類する。
データ処理・演算部3ではさらに、直接損害額推定部19で設備費用情報、代替設備費用情報から経済的損失、例えば、建屋・システムの設備損害額、営業損害額、人的損失、等の直接損害額の推定を行う。この際、経済的補償として、損害保険の免責額や上限額等の条件で決められる損害保険による補償額を考慮した上で、その補償額を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額の推定を行う。また諸費用推定部20で初期費用、設備メンテナンス費用、保険料等の諸費用の推定を行い、さらに休業による事業価値損失額評価部30で休業による事業価値損失額の評価計算を行う。
そして、損失対費用効果評価部21で損失対費用効果を評価し、この結果として得られた直接損害額及び災害対策費用及び休業による事業価値損失額が事業者の想定範囲内か否かを判定する。この判定で損失対費用効果評価が想定範囲内でなければ、パラメータを調整し評価を再度繰り返し、最終的に事業者、あるいは意思決定者の条件を満たした時点で評価を終了する。そして評価を終了すれば、これらの評価結果をデータ出力部4で総合評価レポートとして出力する。
図5は、災害(地震)ハザード曲線推定部10で推定された、対象地域を東京とした場合の地震ハザード曲線の例である。このデータは、建築物荷重指針・同解説(日本建築学会、1993)等の文献データに基づくものである。このような地震ハザード曲線に基づいて、発生頻度評価部11で、該当する地表最大加速度の地震の年超過発生確率(発生頻度)を評価する。このハザード曲線では、例えば、対象地域の東京で200Gal以上の地震が1年間に発生する確率は約1.5E−02(=1.5%)であることを示している。
図6(A)、(B)は、加速度増幅係数(対象部位応答加速度)推定部12の処理において、想定した建物概要及び建物内の設置設備構成及び推定された加速度増幅係数の例である。例として、延べ床面積4000m2 の14階建てのRC構造のビルでは、250Gal以下の地震に対して、1階の設備は同じ強度(=1.0)の影響を受けるが、9階では増幅されて3.2倍に増幅された影響を受けることを示している。地震の発生によって、この加速度増幅係数から、対象部位応答評価部13で対象部位応答加速度を評価する。
図7は、対象施設故障率(フラジリティ)推定部15でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する際に用いる、建物と各設備・機器のフラジリティ(損傷度)曲線のパラメータの例である。ここでは、対数正規分布を仮定して、中央値と対数標準偏差の2つのパラメータを与えている。図8は、図7のパラメータの場合の建物(上側の曲線)と各設備・機器(下側の曲線)のフラジリティ(損傷度)曲線をグラフにしたものである。例えば、設置階の床最大加速度が1500Galであれば、建物の損傷確率は80%であり、各設備・機器の損傷確率は約53%である。
図9は、直接損害額推定部19の処理において、設備費用情報や代替設備費用情報として用いられる設備再建費・休業日数(復旧日数)・営業損害額のデータの例である。この例では、年間粗利を200億円と仮定し、休業1日当たりの営業損害額を8000万円としている。
図10は、イベントツリー構築部14でユーザによって構築された、営業損害に関するイベントツリーの例である。この例では、損傷モードは8つに分類されている。(1)は建物大破・倒壊して、設備全損し、取引サービス停止する損傷モード、(2)サーバラック転倒し、収容されたサーバ大破による計算機能停止し、取引サービス停止する損傷モード、(3)は電力設備が大破し、計算機設備・空調設備・LAN設備が緊急停止し、取引サービス停止する損傷モード、(4)は計算機設備が一部大破し、計算機能停止し、取引サービス停止する損傷モード、(5)は空調設備が転倒により大破し、計算機動作上限温度を維持不能になり、計算機設備緊急停止し、取引サービス停止する損傷モード、(6)は外部回線設備大破し、外部との通信停止し、取引サービス停止する損傷モード、(7)はLAN設備大破し、施設内の通信停止し、取引サービス停止する損傷モード、(8)は最低限の取引サービス維持する損傷モードである。
損害保険による補償を考慮した営業損害額期待値は次のようにして算出する。営業損害保険の条件として、免責額をD、上限額をLとすると、1事故に対して、営業損害額がDを超えた場合にのみ、上限額Lまで、その超過分が損害保険によって補償される。この場合、損傷モードiの損害保険による補償を考慮した営業損害額yi は、損害保険無しの営業損害額をsi とすると、数3式によって算出される。
Figure 2005141334
このとき、損害保険による補償を考慮した営業損害額期待値Yは、損傷モードiの損傷確率をQi、損傷モードの総数をMとすると、数4式によって算出される。
Figure 2005141334
図11は、対象施設故障率(フラジリティ)推定部15でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する際のフォルトツリーの例である。具体的には、計算機設備の対象施設故障率(機能喪失確率)を評価するフォルトツリーである。ここで、OR事象は、その下位事象の何れか一つが機能喪失するとその上位事象も機能喪失する事象であり、その機能喪失確率qはブール代数によって、数5式によって算出される。
Figure 2005141334
ここで、qjは下位事象jの機能喪失確率、Nは下位事象の総数である。また、AND事象は、その下位事象のすべてが機能喪失するとその上位事象も機能喪失する事象であり、その機能喪失確率qはブール代数によって、数6式によって算出される。
Figure 2005141334
図11に示すようなフォルトツリーに対して、図7と図8で与えられる最下位事象(建物と各設備・機器)の機能喪失確率(対象施設故障率)を用いて、ブール代数による演算を行うことによって、フォルトツリーの頂上事象(イベントツリー分岐事象項目)の機能喪失確率(対象施設故障率)が算出される。
図12は、イベントツリー構築部14で構築された設備損害に関するイベントツリーの例である。この例では、建物大破・倒壊した場合は対象施設の設備が全損するとし、サーバラックが転倒して損傷した場合は収容されたサーバも大破するとしている。
損害保険による補償を考慮した設備損害額期待値は次のようにして算出する。設備損害保険の条件として、免責額をD、上限額をLとすると、1事故に対して、設備損害額がDを超えた場合にのみ、上限額Lまでその超過分が損害保険によって補償される。この場合、損傷モードiの損害保険による補償を考慮した設備損害額yiは、損害保険無しの設備損害額をsiとすると数7式によって算出される。
Figure 2005141334
このとき、損害保険による補償を考慮した設備損害額期待値Yは、損傷モードiの損傷確率をQi、損傷モードの総数をMとすると、数8式によって算出される。
Figure 2005141334
設備損害のイベントツリー分岐事象項目である設備jに関する対象施設故障率(フラジリティ)qUjは、例えば、設備jの構成機器kの損傷確率qkをその再建費Ckの比率で重み付けした平均損傷確率は、
Figure 2005141334
によって算出される。ここで、設備jの構成機器の総数をmとした。
次に、本実施の形態の災害リスク評価システムで、災害時の休業による事業価値損失額を評価する方法を説明する。図13は、災害が発生し事業が停止した場合の事業から得られる粗利の変化の一例を示したものである。災害が発生して設備、資産、人材等に損害が生じた場合、事業活動に支障が出て、粗利がその平常値×災害直後比率まで減少又は喪失する。商品や製品等に在庫がある場合は、ある時間の関数で災害発生時点より遅れて低下させてもよい。損害を受けた設備や資産等が復旧するまでの期間は営業活動や生産活動が停止し、粗利が災害直後の値で推移するものとする。損害を受けた設備や資産等が復旧すると、その復旧期間の後に事業、営業、生産活動が徐々に立ち上がり、粗利がある値(粗利の平常値×最終到達比率)まで回復する。粗利の最終到達比率は復旧期間に依存するものとし、ある時定数で指数関数的な市場喪失曲線に従って減少していくものとする。
このように、災害発生によって事業活動が一時停止したことにより、復旧期間のみならず市場シェアが低下することにより、永続的に損害が生じるリスクのあることが判る。将来時点の損害額を資本コストで割り引き、それらの現在価値の合計が、災害発生による休業リスクの大きさであると評価する。図13では斜線部の面積(考察期間×各期の粗利低下分)で表される額の現在価値が休業による事業価値損失額となる。すなわち、与えられた休業日数に対し、例えば数10式で災害発生時点での休業による事業価値損失額の現在価値が与えられる。
Figure 2005141334
ここで、vは休業による事業価値損失額の災害発生時点での現在価値、nは考察期間年数、W0は粗利の災害直前の値、Rは資本コスト、γkは災害発生からk年後に予想される粗利値とその災害直前の値との比(k=0,1,2,…,n)である。
災害は将来の如何なる時点においても発生し得るので、地震災害等将来の各年の災害発生確率が与えられると、与えられた休業日数に対し、考察期間内の休業による事業価値損失額を例えば数11式によって計算できる。
Figure 2005141334
ここで、vは休業による事業価値損失額の期待値、nは考察期間年数、Pjはj年後の災害発生確率(j=0,1,2,…,n)、Wk はk年後の粗利の災害直前の値(k=0,1,2,…,n)、Rは資本コスト、γkjはj年後に災害発生した場合のk年後に予想される粗利値とその災害直前の値との比である。
ここでは経営指標として粗利=売上高−原価を用いて事業価値損失額の評価を考えたが、期待されるキャッシュフローや営業利益、経常利益等、如何なる経営指標値を用いてもよい。またこれら粗利等経営指標の値が成長又は下降することを想定してもよい。さらに市場喪失曲線や災害復旧後の粗利の立ち上がり方等、如何なる関数を与えてもよいし、将来の毎年の経営指標の値を想定して事業価値損失額を計算してもよい。広域災害の場合、同業他社よりもいち早く事業活動を復旧することによって他社のシェアを奪うことができる場合には、前述の市場減衰曲線の代わりに市場が拡大することで利益等の経営指標値が増大することを模擬した曲線を用いてもよい。これらの利益等の経営指標の将来値には不確かさがあるため、その確率密度分布を与え、数11式より休業による事業価値損失額の確率密度分布を計算し表示するシステムを構築してもよい。
数11式は与えられた休業日数に対して、休業による事業価値損失額を計算するものである。しかしながら、休業日数は災害発生によって引き起こされる損害事象によって異なるため、災害が発生した場合の休業日数とその発生確率が必要となる。休業日数とその発生確率は災害発生を起因とする設備や資産損害の図14に示すようなイベントツリーを構築して計算される。休業日数は損害を受けた設備や資産の復旧期間等に依存する。また休業日数の発生する確率は、事業活動に必要な設備や資産の損害の程度に応じた損害確率で与えられる。このようにして求められる損害事象を、発生確率をそれらの発生確率の大きい値の順番に並び替え、損害事象に対応して発生する休業による事業価値損失額から、例えば、数12式により事業価値損失額の期待値を評価する。ここでk番目に大きい発生確率を有する損害事象が与える事業価値損失額vkは、予想される休業日数より数11式を用いて計算されるものである。
Figure 2005141334
図14に本実施の形態の特徴要素をなす休業による事業価値損失額評価部30の詳細を示してある。休業による事業価値損失額評価部30は、イベントツリー構築データ入力部31と、イベントツリー構築部32と、イベントツリー評価結果出力部33と、休業による事業価値損失額評価計算部34と、事業データ入力部35と休業による事業価値損失額評価結果出力部36とを備えている。
イベントツリー構築データ入力部31は、イベントツリー構築のための損害事象や設備・資産データ(修復費、現在価値、修復期間、配置、損傷確率等)、災害起因事象データ、要因発生確率等を入力する。これらのデータをもとにイベントツリー構築部32でイベントツリーを構築し解析を行うことによって出力されるデータをイベントツリー評価結果出力部33で、各設備の損害額、損害発生確率、復旧期間、総損害額期待値、事業復旧費あるいは想定される損害事象の発生確率等を出力し表示する。必要であればイベントツリーに入力された事象に関わる物理現象を解析する手段を休業による事業価値損失額評価部30に付加し、各設備の損害額、損害発生確率、復旧期間、総損害額期待値、事業復旧費あるいは想定される損害事象の発生確率等の評価を行ってもよい。
休業による事業価値損失額評価計算部34はイベントツリー評価結果出力部33で出力されるデータ及び予想利益、市場喪失曲線、事業立ち上がり時間、資本コスト、考察期間等を入力する事業データ入力部35からのデータを受けて、数11式及び数12式等を用いて休業による事業価値損失額の評価計算を行い、その結果を休業による事業価値損失額評価結果出力部36が休業による事業価値損失額期待値等を出力し表示する。この結果は損失対費用効果評価部21に送られる。
なお、地震災害の場合は、休業による事業価値損失額評価部30の休業リスク評価計算部34において、考察地点毎に定められた最大加速度等に対するハザード曲線及び想定される損害事象発生確率と応答加速度の関係を表すフラジリティ曲線を用いて、数12式中の確率pkを与え、休業リスク評価計算を行ってもよい。
図15及び図16は本実施の形態の災害リスク評価システムの処理におけるデータ出力部4から得られる、災害対策の費用対効果の比較の例を示したものである。ここでは、直接損害額期待値(設備損害額と営業損害額の和の期待値)として、損害保険の免責額や上限額等の条件で決められる損害保険による補償額を除いた直接損害額期待値を評価している。図15は、災害が発生した場合の対策前、対策後の直接損害額期待値と当該損害額を発生する機能喪失事象の発生頻度の関係を表したものである。対策前がA1、対策後がA2である。図16は災害が発生した場合の対策前、対策後において災害対策費用、年間当たりの損害保険の保険料、年間当たりの直接損害額期待値、事業価値損失額期待値の関係を表したものである。事業者及び意思決定者はこれらの関係から、想定した災害事象に対して事前に対策を講ずる際に、予め費用対効果を把握することができる。
以上の機能構成による一連の処理によって、第1の実施の形態の災害リスク評価システムでは、損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提供することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態の災害リスク評価システムについて説明する。本実施の形態のシステムは、本発明の第1の実施の形態の変形例であり、営業損害保険に加入しているが、設備損害保険に加入していない場合に適用されることを特徴とする。
設備損害額期待値の算出方法が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の機能構成は第1の実施の形態と同じである。その他の機能構成については、既に詳細に説明しているので、ここでは再度説明を繰り返さず、設備損害額期待値の算出方法のみを説明する。
第2の実施の形態の災害リスク評価システムにおける設備損害額期待値は次のようにして算出する。損傷モードiの設備損害額をsi とすると、設備損害額期待値Sは、損傷モードiの損傷確率をQi、損傷モードの総数をMとすると、数13式によって算出される。
Figure 2005141334
以上によって、第2の実施の形態の災害リスク評価システムでは、営業損害保険に加入しているが、設備損害保険に加入していない場合に、営業損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、営業損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提供することが可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態の災害リスク評価システムについて説明する。本実施の形態のシステムは、本発明の第1の実施の形態の変形例であり、設備損害保険に加入しているが、営業損害保険に加入していない場合に適用されることを特徴とする。
営業損害額期待値の算出方法が第1の実施の形態と異なるだけで、その他の機能構成は第1の実施の形態と同じである。その他の機能構成については、既に詳細に説明しているので、ここでは再度説明を繰り返さず、営業損害額期待値の算出方法のみ説明する。
第3の実施の形態の災害リスク評価システムにおける営業損害額期待値は次のようにして算出する。損傷モードiの営業損害額をsiとすると、営業損害額期待値Sは、損傷モードiの損傷確率をQi、損傷モードの総数をMとすると、数14式によって算出される。
Figure 2005141334
以上によって、第3の実施の形態の災害リスク評価システムでは、設備損害保険に加入しているが、営業損害保険に加入していない場合に、設備損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、設備損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提供することが可能である。
次に、本発明の第4の実施の形態の災害リスク評価システムについて説明する。本実施の形態のシステムは、本発明の第1の実施の形態に、さらに損害保険の免責額若しくは上限額を変更した場合の損害保険の保険料を評価する機能を付加したことを特徴とする。
本実施の形態の災害リスク評価システムにおける災害時の対策費用及びその効果、あるいは直接損害額及び休業による事業価値損失額及び損害保険の保険料を評価するための処理をする機能構成は、第1の実施の形態と同じで図1のものであり、想定災害・地域情報、設備情報、対策のための代替設備情報、設備費用情報、代替設備費用情報にかかわるデータベース1、想定災害・地域情報、設備情報、対策のための代替設備情報、設備費用情報、代替設備費用情報にかかわるデータを入力処理するデータ入力部2、処理・演算を行うデータ処理・演算部3、処理されたデータを出力するデータ出力部4から構成されている。
また、本実施の形態の災害リスク評価システムで、データ入力部3に入力される入力データのリストに関して災害対象を地震と想定した場合については、図2、図3に示した第1の実施の形態のものと同じであり、この入力データには、想定災害・地域情報入力データ5、設備情報入力(1)6、設備情報入力(2)7、代替設備情報入力(1)8、代替設備情報入力(2)9を含む。
想定災害・地域情報入力データ5は想定災害事象の選択、想定災害発生頻度・災害の大きさ関係(ハザード曲線)情報を含む。設備情報入力(1)6はイベントツリー分岐項目(対象施設の設備)データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備のフラジリティ(損傷度)情報、対象施設の設備の使命時間データ、対象施設の設備の条件付故障確率、対象施設の設備の修復率を含み、設備情報入力(2)7は対象施設の設備の費用(設備再建費)、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険データ(免責額、上限額、保険料)を含む。また、代替設備情報入力(1)8はイベントツリー分岐項目(対象施設の代替設備)データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備のフラジリティ(損傷度)情報、対象施設の代替設備の使命時間データ、対象施設の代替設備の条件付故障確率、対象施設の代替設備の修復率を含み、代替設備情報入力(2)9は対象施設の代替設備の費用(設備再建費)、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険データ(免責額、上限額、保険料)を含む。
図18は本実施の形態の災害リスク評価システムにおけるデータ処理・演算部3の災害対象を地震と想定した場合の処理機能構成を示している。このデータ処理・演算部3では、災害(地震)ハザード曲線推定部10で災害(地震)ハザード曲線を推定し、発生頻度評価部11で災害事象の発生頻度を評価する。その後、加速度増幅係数(対象部位応答加速度)推定部12で対象施設の加速度増幅係数(対象部位応答加速度)を推定し、対象部位応答評価部13で対象部位応答加速度を評価する。その結果をもとに、イベントツリー構築部14でイベントツリーを構築し、対象施設故障率(フラジリティ)推定部15でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する。対象施設故障率(フラジリティ)の推定にあたっては、フォルトツリーの評価手法を用いる場合もある。次に、事象推移評価部16で事象推移を評価し、災害が発生した後の損傷モードを分類する。
データ処理・演算部3ではさらに、直接損害額推定部19で設備費用情報、代替設備費用情報から経済的損失、例えば、建屋・システムの設備損害額、営業損害額、人的損失、等の直接損害額の推定を行う。この際、経済的補償として、損害保険の免責額や上限額等の条件で決められる損害保険による補償額を考慮した上で、その補償額を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額の推定を行う。また諸費用推定部25で初期費用、設備メンテナンス費用等の諸費用の推定を行い、さらに休業による事業価値損失額評価部30で休業による事業価値損失額の評価計算を行う。さらに、本実施の形態の特徴要素である損害保険料評価部40で、設定された損害保険の免責額や上限額等の条件における損害保険の保険料を評価する。
さらにデータ処理・演算部3では、損失対費用効果評価部21で損失対費用効果を評価し、この結果として得られた直接損害額及び災害対策費用及び休業による事業価値損失額及び損害保険の保険料が事業者の想定範囲内か否かを判定し、想定範囲内でなければ評価を再度繰り返し、最終的に事業者あるいは意思決定者の条件を満たした時点で評価を終了する。これらの評価結果を以下のデータ出力部4で総合評価レポートとして出力する。
ここで、災害(地震)ハザード曲線推定部10、加速度増幅係数(対象部位応答加速度)推定部12、対象施設故障率(フラジリティ)推定部15、直接損害額推定部19、イベントツリー構築部14、損害保険による補償を考慮した営業損害額の算出方法、対象施設故障率(フラジリティ)推定部15でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する際のフォルトツリー、損害保険による補償を考慮した設備損害額の算出方法の詳細は、第1の実施の形態と同じである。また、災害時の休業による事業価値損失額を評価する方法の詳細も、第1の実施の形態と同じである。これらについては、既に詳細に説明しているので、ここでは再度説明を繰り返さない。
図18に損害保険料評価部40の処理機能の詳細を示す。損害保険料評価部40は損害保険料評価条件入力部41、損害保険料評価計算部42、損害額データベース43を備えている。損害保険料評価条件入力部41は、損害保険料評価のための免責額と上限額、災害の種類等を入力する。損害保険料評価計算部42は、これらの入力データと損害額データベース43の損害額データをもとに損害保険料の評価計算を行い、損害保険料の評価結果を出力し、損失対費用効果評価部21に送る。
図19は、本実施の形態の災害リスク評価システムにおいて、データ出力部4から得られる災害対策の費用対効果の比較の例を示したものである。ここでは、直接損害額期待値(設備損害額と営業損害額の和の期待値)として、損害保険の免責額や上限額等の条件で決められる損害保険による補償額を除いた直接損害額期待値を評価している。また、設定された損害保険の免責額と上限額における損害保険の保険料も評価している。図19は災害が発生した場合の対策前、対策後において災害対策費用、年間当たりの損害保険の保険料、年間当たりの直接損害額期待値、事業価値損失額期待値の関係を表したものである。事業者及び意思決定者はこれらの関係から、想定した災害事象に対して事前に対策を講ずる際に、予め費用対効果を把握することができる。
以上のように、第4の実施の形態の災害リスク評価システムでは、損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、さらに損害保険の免責額若しくは上限額を変更した場合の損害保険の保険料を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提供することが可能である。
次に、本発明の第5の実施の形態の災害リスク評価システムについて説明する。本実施の形態のシステムは、本発明の第4の実施の形態の変形例であり、営業損害保険に加入しているが、設備損害保険に加入していない場合に適用されることを特徴とする。
設備損害額の算出方法が第4の実施の形態と異なるだけで、その他の機能構成は第4の実施の形態と同じである。その他の機能構成については、既に詳細に説明しているので、ここでは再度説明を繰り返さず、設備損害額の算出方法のみ説明する。
第5の実施の形態の災害リスク評価システムにおける設備損害額は次のようにして算出する。損傷モードiの設備損害額をsiとすると、設備損害額期待値Sは、損傷モードiの損傷確率をQi、損傷モードの総数をMとすると、数15式によって算出される。
Figure 2005141334
以上によって、第5の実施の形態の災害リスク評価システムでは、営業損害保険に加入しているが、設備損害保険に加入していない場合に、営業損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して、営業損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提供することが可能である。
次に、本発明の第6の実施の形態の災害リスク評価システムについて説明する。本実施の形態のシステムは、本発明の第4の実施の形態の変形例であり、設備損害保険に加入しているが、営業損害保険に加入していない場合に適用されることを特徴とする。
営業損害額の算出方法が第4の実施の形態と異なるだけで、その他の機能構成は第4の実施の形態と同じである。その他の機能構成については、既に詳細に説明しているので、ここでは再度説明を繰り返さず、営業損害額の算出方法のみ説明する。
第6の実施の形態の災害リスク評価システムにおける営業損害額は次のようにして算出する。損傷モードiの営業損害額をsiとすると、営業損害額期待値Sは、損傷モードiの損傷確率をQi、損傷モードの総数をMとすると、数16式によって算出される。
Figure 2005141334
以上によって、第6の実施の形態の災害リスク評価システムでは、設備損害保険に加入しているが営業損害保険に加入していない場合に、設備損害保険の免責額や上限額等の条件を考慮して設備損害保険で補償される分を除いた直接損害額、つまり事業者が負担する直接損害額を評価した上で、事業者が経済的な観点から見て災害発生に関わる災害リスクを適正に評価でき、また、事業者が経済的な観点から見ても実行可能である適切な災害対策計画の策定及び対策費用を見積もることができる災害対策の意思決定情報を提供することが可能である。
なお、第1〜第6の実施の形態の災害リスク評価システムそれぞれは、スタンドアロンのコンピュータあるいはネットワークで接続された複数台のコンピュータに災害リスク評価プログラムを実行させることにより実現されるものである。そしてコンピュータに災害リスク評価支援機能を実行させるための災害リスク評価プログラムは、記憶媒体にしてソフトウェア商品として流通させることができるが、またこのプログラムをインターネットその他の電気通信回線を通じて提供することもできる。
次に、本発明の第7の実施の形態の災害リスク評価システムについて説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示す本発明の第1の実施の形態のデータ入力部2に、事業及び経営情報にかかわるデータを入力処理する機能を付加したことを特徴とする。したがって、本実施の形態の災害リスク評価システムでは、データ入力部2に入力される入力データのリストに関して災害対象を地震と想定した場合、想定災害・地域情報入力データ5、設備情報入力(1)6、設備情報入力(2)7、代替設備情報入力(1)8、代替設備情報入力(2)9、財務経営情報入力91から構成される。つまり、図2、図3に示す第1の実施の形態における入力データに財務経営情報入力91が追加された構成である。
財務経営情報入力91は現在の財務状況を表すところの損益計算書データ、キャッシュフロー計算書データ、及びそれらの次年度以降の推計値とそれらの不確実性を表す変動性推定データ、また災害発生時の事業価値損失を評価する為に、後述する計算パラメータを含む。この時、災害リスクを評価する事業所に事業単位が複数ある場合には事業単位ごとに財務情報をデータとして入力する。
図13は、災害が発生し事業が停止した場合の事業から得られる粗利の変化の一例を示したものである。災害が発生して設備、資産、人材等に損害が生じた場合、事業活動に支障が出て、粗利がその平常値×災害直後比率まで減少又は喪失する。商品や製品等に在庫がある場合は、ある時間の関数で災害発生時点より遅れて低下させてもよい。損害を受けた設備や資産等が復旧するまでの期間は営業活動や生産活動が停止し、粗利が災害直後の値で推移するものとする。損害を受けた設備や資産等が復旧すると、事業、営業、生産活動が徐々に立ち上がり、粗利がある値(粗利の平常値×最終到達比率)まで回復する。粗利の最終到達比率は復旧期間に依存するものとし、想定される猶予期間を経て、想定される時定数で指数関数的な市場喪失曲線に従って減少していくものとする。ここで猶予期間は、例えば地震災害のような広域災害の場合には、事業に必要な電気、通信回線などの公共インフラや商品や証券などの取引所などの想定復旧期間で定められる。また市場喪失曲線の時定数は競合他社の復旧期間と自社の復旧期間の大小で推定される。すなわち、自社の復旧期間が競合他社の復旧期間より大幅に長くなれば他社に市場を奪われ、市場喪失曲線の時定数は小さくなり、粗利の最終到達比率が減少する。
このように、災害発生によって事業活動が一時停止したことにより、復旧期間のみならず、市場シェアが低下することによって永続的に損害が生じるリスクのあることが判る。将来時点の損失額を資本コストで割り引き、それらの現在価値の合計が、災害発生による休業リスクの大きさであると評価する。図13では斜線部の面積(考察期間×各期の粗利低下分)で表される額の現在価値が休業による事業価値損失額となる。ここで計算に必要なパラメータは現在の年間粗利又はキャッシュフローなどの収益指標、猶予期間、復旧期間、市場又は事業の再立上期間、市場減衰曲線に時定数で、これらの一部又は全部は図3における財務経営情報入力91のデータに含まれる。
次に、上記実施の形態の災害リスク評価システムによる災害リスク評価方法について説明する。図4の直接損害額推定部19における営業損害額及び事業価値損失額評価部30の休業による事業価値損失額の期待値は、単位期間あたりの事業収益に概ね比例すると考えられる。例えば図13の事業価値損失評価では年間粗利に比例するとしている。粗利の代わりにキャッシュフローを用いて計算してもよい。これらは、図1のデータ入力部2の財務経営情報入力、図3の財務経営情報入力91のデータに基づいて計算される。しかしながら、営業損害額や事業価値損失評価額は将来の事業収益であるため、その評価には経営環境に依存する不確実性が伴う。図3の財務情報入力91の損益計画データ、キャッシュフロー計画データと損益/キャッシュフロー変動性推定データを用いて、災害が発生すると想定される時期の事業収益とその変動幅を推定し、図20に示す年間事業収益の確率密度分布を求める。年間事業収益の確率密度分布の標準偏差は例えば現在から評価時点の間の時間の平方根に比例するとしてもよい。この年間事業収益の確率密度分布に基づいて、営業損害額や事業価値損失評価額の確率密度分布を計算し、データ出力部4で図20に示す確率密度分布又は確率分布を表示する。また営業損害額や事業価値損失評価額の確率密度分布を、横軸の値を変数として積分した累積確率分布を求めデータ出力部4で表示してもよい。
図4に示す災害対策効果評価部21においては、災害対策を行っていない現状のままの場合と災害対策を行った場合との災害時の損害額の差から災害対策に必要な諸費用を除いた災害対策効果を評価する。この場合にも将来の事業収益の不確実性に伴う営業損害額や事業価値損失評価額に不確実性があるため、営業損害額や事業価値損失評価額から災害対策費用を除した値の確率密度分布又は累積確率分布を計算し、データ出力部4で図20に示すような確率密度分布又は累積確率分布を表示する。災害リスク評価システムの利用者はこのような災害対策効果の確率分布又は確率密度分布を参考することによって災害対策の意思決定を行うことができる。このとき、災害対策費用が将来発生する場合には、資本コストで割引き、現在価値に直して評価してもよい。
図21の災害対策効果の確率分布又は確率密度分布では災害対策効果が負である場合も示されている。これは、災害対策を施しても災害対策費用以上に営業損害額や事業損失額の低減がなされない場合である。通常、このような場合には災害対策を行使しないと判断されるが、将来事業環境が改善され事業収益が大幅に伸びる可能性があれば災害対策計画を保持し策定する価値が生まれる。すなわち、将来事業収益が改善したら災害対策を実行することを考える。この災害対策計画の価値を評価するためにリアルオプション法を適用することができる。災害対策に関わるリアルオプション価値評価Fは、資産価格Sを災害対策を行っていない現状のままの場合と災害対策を行った場合との災害時の損害額の差とし、行使価格Kを災害対策全費用とし、単位期間の事業収益又はキャッシュフローの変動の標準偏差をボラティリティσとし、満期Tを災害対策を行うまでの期間(待機年数)とし、金融工学でよく知られたブラック・ショールズのコールオプション価格式を用いて、数17式の計算することができる。ただし、rは無リスク金利である。
Figure 2005141334
図22に災害対策のリアルオプション価値の評価結果例を示す。このような評価結果を図4中のデータ出力部4で表示する。災害リスク評価システムの利用者はリアルオプション価値の大きさを見て、災害対策計画を破棄又は推進する判断を行うことができる。通常、図22において、災害対策を行っていない現状のままの場合と災害対策を行った場合との、災害時の損害額の差から災害対策に必要な諸費用を除いた災害対策効果(S=K)と、リアルオプション価値(F)がほぼ等しくなる事業状況下(最適行使点)で災害対策を行使することが望ましいと判断される。
このような災害発生時の営業損害額や事業価値損失額を評価する上で、災害リスクを評価する事業所において複数の事業単位がある場合には、事業単位毎に災害発生の影響度が異なるため事業単位毎に、図4の直接損害額推定部19で営業損害額を評価し、休業による事業損失額評価部30で事業価値損失額を評価し、災害対策効果評価部21で合算し、同様の効果評価を行いデータ出力部で、これらの評価値を事業単位毎及びそれらの総和を提示する機能を与えてもよい。
次に、本発明の第8の実施の形態の災害リスク評価システムについて、図23を用いて説明する。図23の災害リスク評価システムは、保険会社や事業者のリスク評価等のコンサルティング業務を行う企業等が顧客から依頼された災害に対するリスク管理、評価及び対策手段評価・立案を行うためのネットワーク構成のシステムである。この災害リスク評価システムは、災害リスク評価に必要なデータベース106及び第1〜第7の実施の形態の少なくとも1つの災害リスク評価システムの機能を実行するプログラム100が格納された記憶媒体101を具備したコンピュータシステム102と、利用者端末103とを直接又は図示しないインターネット等のネットワークで接続させ、顧客から提示された情報をもとに利用者が入力手段104によって指示された災害リスク評価や災害対策評価に必要なデータを入力し、出力表示手段105によって計算された結果の出力表示を見ることができる構成である。
この実施の形態のシステムによって、保険会社や、事業者のリスク評価等のコンサルティング業務を行う企業等は災害リスク評価及び災害対策評価等の支援を行う業務ができる。なお、利用者は上記システムを保有する企業等から利用ライセンスを受けた企業の顧客であってもよい。
本発明の第1の実施の形態の災害リスク評価システムの機能構成を示すブロック図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける入力情報である想定災害・地域情報、設備情報入力(1)、設備情報入力(2)の説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける入力情報である代替設備情報入力(1)、代替設備情報入力(2)、財務経営情報入力の説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおけるデータ処理・演算部の機能構成を示すブロック図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける災害(地震)ハザード曲線推定部10で推定された地震ハザード曲線の例を示す説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける加速度増幅係数(対象部位応答加速度)推定部の処理において、想定した建物概要及び建物内の設置設備構成及び推定された加速度増幅係数の例を示す図表。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける対象施設故障率(フラジリティ)推定部でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する際に用いる、建物と各設備・機器のフラジリティ(損傷度)曲線のパラメータの例を示す図表。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける対象施設故障率(フラジリティ)推定部でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する際に用いる、建物と各設備・機器のフラジリティ(損傷度)曲線の例を示すグラフ。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける直接損害額推定部の処理において、設備費用情報や代替設備費用情報として用いられる設備再建費・休業日数(復旧日数)・営業損害額のデータの例を示す図表。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおけるイベントツリー構築部で構築された、営業損害に関するイベントツリーの例を示す説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける対象施設故障率(フラジリティ)推定部でイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率(フラジリティ)を推定する際のフォルトツリーの例を示す説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおけるイベントツリー構築部で構築された、設備損害に関するイベントツリーの例を示す説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムが使用する災害発生に伴う休業による事業価値損失額の推計モデルの説明図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける休業による事業価値損失額評価部の機能構成を示すブロック図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムが提示する災害が発生した場合の対策前、対策後の直接損害額期待値と当該損害額を発生する機能喪失事象の発生頻度の関係を示すグラフ。 上記実施の形態の災害リスク評価システムが提示する災害が発生した場合の対策前、対策後において災害対策費用、年間当たりの損害保険の保険料、年間当たりの直接損害額期待値、事業価値損失額期待値の関係を示す図表。 本発明の第4の実施の形態の災害リスク評価システムにおけるデータ処理・演算部の機能構成を示すブロック図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムにおける損害保険料評価部の機能構成を示すブロック図。 上記実施の形態の災害リスク評価システムが提示する災害が発生した場合の対策前、対策後において災害対策費用、年間当たりの損害保険の保険料、年間当たりの直接損害額期待値、事業価値損失額期待値の関係を示す図表。 上記実施の形態の災害リスク評価システムによる事業収益、営業損害額、事業価値損失額に対する確率密度分布及び累積確率分布の説明図。 上記実施の形態で用いる事業収益及び営業損害額、事業価値損失額に関わる災害対策効果の確率密度分布及び累積確率分布の説明図。 上記実施の形態で用いる災害対策行使の意思決定支援の為のリアルオプション価値評価結果の一例を示す説明図。 本発明の第8の実施の形態の災害リスク評価システムのブロック図。
符号の説明
1…データベース
2…データ入力部
3…データ処理・演算部
4…データ出力部
5…想定災害・地域情報入力データ
6…設備情報入力(1)
7…設備情報入力(2)
8…代替設備情報入力(1)
9…代替設備情報入力(2)
10…災害(地震)ハザード曲線推定部
11…発生頻度評価部
12…加速度増幅係数(対象部位応答加速度)推定部
13…対象部位応答評価部
14…イベントツリー構築部
15…対象施設故障率(フラジリティ)推定部
16…事象推移評価部
19…直接損害額推定部
20…諸費用推定部
21…損失対費用効果評価部
25…諸費用推定部
30…休業による事業価値損失額評価部
31…イベントツリー構築データ入力部
32…イベントツリー構築部
33…イベントツリー評価結果出力部
34…休業による事業価値損失額評価計算部
35…事業データ入力部
36…休業による事業価値損失額評価結果出力部
40…損害保険料評価部
41…損害保険料評価条件入力部
42…損害保険料評価計算部
43…損害額データベース
91…財務経営情報入力
100…災害リスク評価システムの機能を実行するプログラム
101…記憶媒体
102…コンピュータシステム
103…利用者端末
104…入力手段
105…出力表示手段
106…データベース

Claims (26)

  1. 想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力するデータ入力部と、
    対象地域の災害ハザード曲線を求めるハザード曲線推定部と、
    前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価する発生頻度評価部と、
    対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価する対象部位応答評価部と、
    前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出する対象施設故障率推定部と、
    イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価する災害損失額評価部と、
    損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出する直接損害額期待値算出部と、
    損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出する事業価値損失額期待値推定部と、
    現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示する情報提示部とを備え、
    前記災害損失額評価部は、前記直接損害額として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額として用い、
    前記直接損害額期待値算出部は、前記直接損害額期待値として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額期待値として用いることを特徴とする災害リスク評価システム。
  2. 前記直接損害額は営業損害額を含み、当該営業損害額は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額とし、営業損害額期待値は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額期待値とすることを特徴とする請求項1記載の災害リスク評価システム。
  3. 前記直接損害額は設備損害額を含み、当該設備損害額は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額とし、設備損害額期待値は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額期待値とすることを特徴とする請求項1又は2記載の災害リスク評価システム。
  4. 前記損害保険の免責額と上限額によって決められる前記損害保険の保険料を評価することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の災害リスク評価システム。
  5. 前記事業価値損失額として、休業による市場シェアの時間的な減衰と再操業の立ち上がりとの損益を含めたものを事業価値損失額とすることを特徴とする請求項1〜4記載の災害リスク評価システム。
  6. 休業が発生した場合に事業から得られる将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値と、休業が発生しない場合に期待される将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値との差より前記事業価値損失額を評価することを特徴とする請求項5記載の災害リスク評価システム。
  7. 災害に対して作成された損害事象のイベントツリー情報から割り出した複数個の損害事象の発生確率と前記イベントツリー情報と前記複数個の損害事象に対応して発生する休業による事業価値損失額とより、前記災害に対する事業価値損失額の期待値を評価することを特徴とする請求項5又は6記載の災害リスク評価システム。
  8. 前記複数個の損害事象をそれらの発生確率の大きい値の順番に並び替え、並び替えられた損害事象の特定の損害事象に着目して、着目した損害事象に対する事業価値損失額と着目した損害事象の1段前の損害事象に対する事業価値損失額との差と0を比較し、0以上の値に着目した損害事象の発生確率を乗じた量と、発生確率最大の損害事象については事業価値損失額に当該損害事象の発生確率を乗じた量との全て加算したものを前記災害に対する事業価値損失額期待値とすることを特徴とする請求項7記載の災害リスク評価システム。
  9. コンピュータにより、想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力し、
    対象地域の災害ハザード曲線を求め、
    前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価し、
    対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価し、
    前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出し、
    イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価し、
    損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出し、
    損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出し、
    現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示し、
    前記災害損失額評価には、前記直接損害額として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額として用い、
    前記直接損害額期待値の算出には、前記直接損害額期待値として損害保険の免責額と上限額によって決められる損害保険による補償額を除いたものを直接損害額期待値として用いることを特徴とする災害リスク評価支援方法。
  10. 前記直接損害額は営業損害額を含み、当該営業損害額は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額とし、営業損害額期待値は、営業損害保険の免責額と上限額によって決められる営業損害保険による補償額を除いた営業損害額期待値とすることを特徴とする請求項9記載の災害リスク評価支援方法。
  11. 前記直接損害額は設備損害額を含み、当該設備損害額は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額とし、設備損害額期待値は、設備損害保険の免責額と上限額によって決められる設備損害保険による補償額を除いた設備損害額期待値とすることを特徴とする請求項9又は10記載の災害リスク評価支援方法。
  12. コンピュータにより、前記損害保険の免責額と上限額によって決められる前記損害保険の保険料を評価することを特徴とする請求項9〜11のいずれか記載の災害リスク評価支援方法。
  13. 前記事業価値損失額は、休業による市場シェアの時間的な減衰と再操業の立ち上がりとの損益を含めた事業価値損失額とすることを特徴とする請求項9〜12記載の災害リスク評価支援方法。
  14. コンピュータにより、休業が発生した場合に事業から得られる将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値と、休業が発生しない場合に期待される将来の全利益又は全キャッシュフロー等の現在価値との差より前記事業価値損失額を評価することを特徴とする請求項13記載の災害リスク評価支援方法。
  15. コンピュータにより、災害に対して作成された損害事象のイベントツリー情報に基づいて複数個の損害事象の発生確率と前記イベントツリー情報と前記複数個の損害事象に対応して発生する休業による事業価値損失額とより、前記災害に対する事業価値損失額の期待値を評価することを特徴とする請求項13又は14記載の災害リスク評価支援方法。
  16. コンピュータにより、前記複数個の損害事象をそれらの発生確率の大きい値の順番に並び替え、並び替えられた損害事象の特定の損害事象に着目して、着目した損害事象に対する事業価値損失額と着目した損害事象の1段前の損害事象に対する事業価値損失額との差と0を比較し、0以上の値に着目した損害事象の発生確率を乗じた量と、発生確率最大の損害事象については事業価値損失額に当該損害事象の発生確率を乗じた量との全て加算したものを前記災害に対する事業価値損失額の期待値とすることを特徴とする請求項15記載の災害リスク評価支援方法。
  17. 想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力するデータ入力部と、
    対象地域の災害ハザード曲線を求めるハザード曲線推定部と、
    前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価する発生頻度評価部と、
    対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価する対象部位応答評価部と、
    前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出する対象施設故障率推定部と、
    イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価する災害損失額評価部と、
    損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出する直接損害額期待値算出部と、
    損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出する事業価値損失額期待値推定部と、
    現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示する情報提示部とを備え、
    前記事業価値損失額期待値推定部は、前記事業価値損失額の期待値を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて算出することを特徴とする災害リスク評価システム。
  18. 前記事業価値損失額期待値推定部は、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した事業価値損失額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した事業価値損失額期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた値を災害対策効果とし、該災害対策効果を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価して前記情報提示部に提示させることを特徴とする請求項17記載の災害リスク評価システム。
  19. 前記事業価値損失額期待値推定部は、災害対策を施していない現状の事業環境で評価した事業価値損失額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した事業価値損失額期待値を差し引いた値を資産価値とし、単位期間の事業収益又はキャッシュフローの標準偏差をボラティリティとし、災害対策を施すことに費やされた全費用を行使価格とし、現在より災害対策を施すまでの期間を満期として、リアルオプション価値を評価して前記情報提示部に提示させることを特徴とする請求項17又は18記載の災害リスク評価システム。
  20. 想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力するデータ入力部と、
    対象地域の災害ハザード曲線を求めるハザード曲線推定部と、
    前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価する発生頻度評価部と、
    対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価する対象部位応答評価部と、
    前記対象部位応答評価部の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出する対象施設故障率推定部と、
    イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価する災害損失額評価部と、
    損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出する直接損害額期待値算出部と、
    損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出する事業価値損失額期待値推定部と、
    現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示する情報提示部とを備え、
    前記事業価値損失額期待値推定部は、前記営業損害額の期待値を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価することを特徴とする災害リスク評価システム。
  21. 災害対策を施していない現状の事業環境で評価した営業損害額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した営業損害額期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた値を災害対策効果とし、該災害対策効果を将来の事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価し提示することを特徴とする請求項20記載の災害リスク評価システム。
  22. 災害対策を施していない現状の事業環境で評価した営業損害額期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した営業損害額期待値を差し引いた値を資産価値とし、単位期間の事業収益又はキャッシュフローの変動の標準偏差をボラティリティとし、災害対策を施すことに費やされた全費用を行使価格とし、現在より災害対策を施すまでの期間を満期として、リアルオプション価値の評価することを特徴とする請求項20又は21記載の災害リスク評価システム。
  23. 営業損害額及び事業価値損失額を、災害リスクを評価する事業所内の事業単位毎に評価し、該評価値を事業単位毎及びそれらの総和を提示する機能を備えたことを特徴とする請求項17〜22のいずれか記載の災害リスク評価システム。
  24. ネットワークを通じて利用者端末から送信されてきた利用者の希望する計算条件を受信して当該システムに入力する入力手段と、前記入力手段から入力された利用者の希望する計算条件に基づき、少なくとも1つの災害リスク評価値を算出する請求項17〜23のいずれかの災害リスク評価システムと、当該災害リスク評価システムによって算出された災害リスク評価値を前記利用者の端末に送信する出力手段とを備えたことを特徴とする災害リスク評価サービス提供システム。
  25. 想定災害事象、想定災害発生頻度と災害の大きさの関係、イベントツリー情報、イベントツリー分岐項目である対象施設の設備データ、災害事象に対する対象施設の設備の応答解析情報、対象施設の設備の損傷度情報、対象施設の設備再建費、復旧日数、営業損害額、対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータ、イベントツリー分岐項目である対象施設の代替設備データ、災害事象に対する対象施設の代替設備の応答解析情報、対象施設の代替設備の損傷度情報、対象施設の代替設備の設備再建費、復旧日数、営業損害額、代替設備設置時の対象施設の損害保険の免責額若しくは上限額若しくは保険料のデータを入力し、
    対象地域の災害ハザード曲線を求め、
    前記災害ハザード曲線に基づいて災害事象の発生頻度を評価し、
    対象建物の対象部位ごとの加速度増幅係数を用いて対象部位の応答加速度を評価し、
    前記対象部位の応答加速度の評価結果に基づいてイベントツリー分岐事象項目に関する対象施設故障率を算出し、
    イベントツリー情報に基づいて災害が発生した後の損傷モードを分類して、該当する損傷モードの損傷確率と直接損害額と休業による事業価値損失額とを評価し、
    損傷モード毎の損傷確率と直接損害額との積の総和をとることによって直接損害額期待値を算出し、
    損傷モード毎の損傷確率と事業価値損失額との積の総和をとることによって事業価値損失額期待値を算出し、
    現状設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料と、災害対策を施した後の対策設備における機能喪失発生頻度、直接損害額期待値、災害対策費用、事業価値損失額期待値及び損害保険の保険料とを比較し、災害対策の意思決定情報として提示し、
    災害対策を施していない現状の事業環境で評価した事業価値損失額又は営業損害額の期待値より、災害対策を施すことを想定して評価した事業価値損失額又は営業損害額の期待値と災害対策を施すことに費やされた全費用との和を差し引いた値を災害対策効果とし、該災害対策効果を事業収益又はキャッシュフローの確率分布に基づいて評価することを特徴とする災害リスク評価方法。
  26. ネットワークを通じて利用者端末から送信されてきた利用者の希望する計算条件を受信して入力し、入力された利用者の希望する計算条件に基づき、請求項17〜24のいずれかの災害リスク評価システムを用いて少なくとも1つの災害リスク評価値を算出し、算出された災害リスク評価値を前記利用者の端末に送信することを特徴とする災害リスク評価サービス提供方法。

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