JP2005141260A - 駆動装置及び駆動回路及び画像表示装置 - Google Patents

駆動装置及び駆動回路及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小さなチップで電圧降下の影響を補償可能な駆動装置及び駆動装置を備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】 行配線と複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点に変調素子が配されたマトリクスパネルの駆動装置であって、前記行配線に行信号を供給するための行駆動回路と、前記複数の列配線に、階調情報に応じて変調された変調信号を供給するための列駆動回路と、を備え、前記行駆動回路の出力端子の電位情報を帰還させて前記行信号の電圧を補正するための第1の補正回路と、前記出力端子と前記マトリクスパネルとの間の接続部材の抵抗とそこに流れる電流による電圧降下を補正するための第2の補正回路と、を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テレビジョン受像機やコンピュータなどのモニタに利用される、マトリクスパネルの駆動装置及び画像表示装置に関し、特にマトリクスの交点に半導体発光素子や電子放出素子などの変調素子が配されたマトリクスパネルの駆動装置及び駆動回路及び画像表示装置に関するものである。
以下、変調素子として、電子放出素子を例に挙げて説明する。図31は表示装置等に用いられるマトリクスパネルを模式的に示している。
図31において、1は変調素子としての電子放出素子を模式的に示したもの、2は列配線、3は行配線である。列配線2及び行配線3は、その構成材料の比抵抗や寸法に応じた配線抵抗4、5を有するものである。なお、図示の便宜上、4×4のマトリクスで示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに限ったわけではなく、例えば画像表示装置用のマルチ電子ビーム源の場合には、所望の画像表示を行うのに足りるだけの素子を配列し配線するものである。
電子放出素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源においては、所望の電子ビームを出力させるため、行配線及び列配線に適宜の電気信号を印加する。
図32にマトリクスパネルに供給される列配線駆動波形と行配線駆動波形を示す。例えば、マトリクス中にある任意の1行の電子放出素子を駆動するには、選択する行の行配線に選択電圧Vsを有する行選択信号を印加すると共に、非選択の行の行配線には非選択電圧Vnsを印加する。これと同期して列配線に電子ビームを出力するための駆動電圧Veを所定の期間中印加する。
この方法によれば、選択する行の電子放出素子には、Ve−Vsの電圧が印加され、また非選択行の電子放出素子にはVe−Vnsの電圧が印加される。電子放出素子の電子放出閾値に応じて、Ve、Vs、Vnsを適宜の大きさの電圧にすれば選択する行の電子放出素子だけから所望の強度の電子ビームが出力される。また、冷陰極素子の応答速度は高速であるため、駆動電圧Veを印加する時間の長さ、つまり、図32中の矢印で示すように電圧Veのパルス幅を変えれば、電子ビームが出力される時間の長さも変えることができる。
また、列配線に印加する電圧振幅や電流値を変化させて輝度を制御する変調方式によっても電子ビームを制御することが可能である。
上述の例では4×4のマトリクスについて述べたが、実際にテレビ画像を表示する画像表示装置は、例えばVGA(Video Graphics Array)では水平640×垂直480のマトリクスを必要としており、カラー表示となると、更に3倍の水平1920×垂直480のマトリクスを必要とする。
例えば、電子源へ流れ込む電流が1mAであったとすると、列配線を駆動するのに必要な電流は1mAであるが、行配線を駆動するのに必要な電流は、すべての列配線から電流が流れ込むことから1mA×1920=1.92Aとなる。したがって行配線を駆動する
行配線ドライバーは数Aの電流駆動能力を要求される。
行配線ドライバーは上述のVGAを例にとっても、480出力と出力数が多いため、ディスクリートデバイスで構成するとコストがかかることからIC化されることが多いが、数アンペアの電流を駆動することを考えると、出力バッファには低いオン抵抗が要求される。
ICの出力バッファのオン抵抗を下げる方法としては、ICのチップ面積を増やす方法がある。チップ面積を増やす場合、例えば高耐圧MOSの場合は2重拡散構造にする必要があるため、チップの占有面積が大きくなり、仮に100mΩの出力オン抵抗(Ron)を得ようとすると、約1mmを占有する。
したがって、仮に80チャンネルの出力を持つICの場合、出力バッファのみで80mmを占有してしまう。更に、出力バッファを駆動するにはプリバッファが必要となるため、実際には出力バッファだけで100mm近いチップ面積が必要となる。
上述のように、ICの出力バッファ部の抵抗を下げるためには、チップ面積を大きくする必要があり、その結果、チップ面積が増えると、1ウエハーからのチップの取り数が減り、チップあたりの単価が大きくなる。特に多出力のICにおいてはその影響が大きかった。
本発明者は、このような課題に対応するために、行駆動回路のオン抵抗による電圧の変動を抑制するために、それを補正する補正回路を検討した。しかしながら、この補正回路を用いるだけでは、不十分であることが判明した。
例えば、補正回路とともに、列配線を単純なパルス幅変調(PWM)により駆動すると、一行の画素に表示すべき階調情報によっては、一水平走査期間中に行配線への電流が急激に変化するため、補正回路の応答特性による影響が顕在化することがあった。
また、変調素子と駆動回路とを電気的に接続する接続部の抵抗によっても、変調素子に実際に印加される実効駆動電圧が許容範囲を越えて低くなることがある。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、行駆動回路のオン抵抗による電圧の変動を抑制することにある。
本発明の別の目的は、補正回路の応答特性による影響を抑制することにある。
本発明の更に別の目的は、電圧降下の影響を補正可能な行駆動回路と、それに適した列駆動回路とを組み合わせることにより、ローコストで信頼性の高い駆動装置及びそれを備えた画像表示装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、接続部の構造を複雑にすることなく、駆動回路より外の抵抗における電圧降下分を補正することにある。
上記目的を達成するために本発明の駆動装置にあっては、
行配線と複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点に変調素子が配されたマトリクスパネルの駆動装置であって、
前記行配線に行信号を供給するための行駆動回路と、
前記複数の列配線に、階調情報に応じて変調された変調信号を供給するための列駆動回路と、を備え、
前記行駆動回路の出力端子の電位情報を帰還させて前記行信号の電圧を補正するための第1の補正回路と、
前記出力端子と前記マトリクスパネルとの間の接続部材の抵抗とそこに流れる電流による電圧降下を補正するための第2の補正回路と、
を具備することを特徴とする。
発光素子又は電子放出素子に接続部材を介して接続される駆動用出力端子を有する駆動回路において、
前記駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタから出力される出力電圧を制御するための制御回路と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタと、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、
前記補正回路は、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路に帰還させる帰還ループを有することを特徴とする。
発光素子又は電子放出素子に接続部材を介して接続される駆動用出力端子を有する駆動回路において、
前記駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタから出力される出力電圧を制御するための制御回路と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタと、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、
前記補正回路は、前記駆動用出力端子の出力電圧を検出して前記制御回路に帰還させる第1の帰還ループと、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路に帰還させる第2の帰還ループとを有することを特徴とする。
複数の行配線及び複数の列配線と、前記複数の行配線と前記複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点にそれぞれ配された複数の変調素子と、を有するマトリックスパネルと、
前記マトリックスパネルを駆動する駆動手段と、
前記マトリクスパネルと前記駆動手段とを電気的に接続し、前記変調素子を駆動するための信号を供給するための接続部材と、
を具備する画像表示装置において、
前記駆動手段が、
前記信号を供給する駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタから出力される出力電圧を制御するための制御回路と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタと、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、
前記補正回路は、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路に帰還させる帰還ループを有することを特徴とする。
本発明によれば、出力段のオン抵抗による電圧降下を補正する補正回路に組み合わせる変調信号を選択することにより、補正によるエラーが大幅に減少する。その結果、補正回路を含む行駆動回路に要求される性能を緩和でき、更なるコストダウンを図ることが可能となる。
また、別の本発明によれば、駆動用出力端子より先に接続される抵抗とそこを流れる電流により生じる電圧降下分を補正した出力電圧を得ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。但し、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本願第1発明によるマトリクスパネルの駆動装置を示している。
11はマトリクスパネル、12は列配線に変調信号を供給するための列駆動回路、13は選択された行配線に行選択信号を供給するための行駆動回路、14はシフトレジスタ等の行選択回路、15は行駆動回路の出力段としての出力バッファ、16は少なくとも出力バッファ15のオン抵抗による電圧降下を補正するための補正回路である。
出力バッファ15が、例えば、CMOSインバータの場合、オン抵抗はnMOS又はpMOSトランジスタ自身のオン時の抵抗となるが、ここでは、便宜上、出力バッファのオン抵抗を図1中に符号17で示している。
補正回路16は、少なくとも行駆動回路13の出力バッファ15のオン抵抗と選択された行配線に階調情報に応じて流れる電流とにより生ずる電圧降下による行選択信号の電圧変動を抑制する回路であり、これにより行選択信号の電圧を補正する。例えば、出力バッファ15の出力端子の電圧(電位情報)を検知して、その電位情報を帰還させれば、出力バッファ15の出力変動を抑制するように、出力バッファ15を制御することができる。
ここで、列駆動回路12から列配線に供給される変調信号としては、図2(A)に示すように、4つの列配線すべてに供給される変調信号において、パルス幅変調の基準時刻をt0に揃えると、例えば、時刻t1において、行配線に流れる電流が急激に変動してしまう。これは、時刻t1において同じ階調レベルに対応した3つの変調信号のパルスの立下りが一致してしまうためである。行配線に流れる電流が急激に変動すると、そこに接続される出力バッファ15に流れる電流も急激に変動する。よって、補正回路16があるとはいえ、出力バッファ15の応答特性がそれに追いつかずに、マトリクスパネルの誤動作を生じてしまうことがある。
そこで、本発明の一実施形態では、図2(B)に示すように、いくつかの変調信号におけるパルス幅変調の基準時刻を変更することにより、同時にパルス電圧が立ち下がる確率を低減して、行配線及びそこに接続される出力バッファに流れる電流の急激に変動を抑制して、誤動作を防止する。
このように、本発明においては、一水平走査期間に選択された行配線に流れる電流の急激な変化を抑制するように、階調情報に応じて変調された変調信号を用いる。
本発明に用いられる補正回路16としては、上述したような負帰還回路である必要はなく、図3に示すような、一行上の画素(表示素子)に表示すべき表示情報(階調情報)DATAに応じて、出力段の出力電圧を制御するフィードフォワード回路であってもよい。
本発明の補正回路として、帰還型の補正回路を用いる場合、電位情報の検知点としては、例えば、半導体集積回路チップの出力端子、半導体集積回路チップを実装したパッケージの出力端子、フレキシブル配線の端子やマトリクスパネルの入力端子などであってもよい。検知点が出力バッファの出力端子から遠く、そこまでの配線抵抗成分が無視できない場合には、当該抵抗成分を加味して、供給される行選択信号の電圧設定値を決めればよく
、より精度の高い補正が行える。
検知点の電位情報と基準値とを比較する比較手段を共通にして、検知点と比較手段とを選択的に接続するスイッチを設けることも好ましいものである。
また、補正回路は、常に動作させる必要はなく、一水平走査期間内の所定の期間のみ補正を行うようにして、誤動作をより一層抑制してもよい。
そして、補正回路は、行駆動回路の出力段を構成するトランジスタのソース電圧又はエミッタ電圧を制御すること、或いは、当該トランジスタのゲート電圧又はゲート電圧を制御することにより簡単に補正を行うことができる。前者の場合には、行選択を行うスイッチングトランジスタの主電極に直列に駆動用トランジスタを設け、その制御電極の電位を制御すればよい。後者は、スイッチングトランジスタと駆動用トランジスタとが1つのトランジスタで兼用されているとみなすことができる。
また、後述するように、検知点よりマトリクスパネル側の接続部における電圧降下を補正するための補正回路を設けることも好ましいものである。
本発明に用いられる変調信号としては、図2(B)に示した形態のように、一水平走査期間内において開始基準時刻が異なる変調信号に限定されることはなく、後述するようにパルス幅変調と電圧振幅変調とを組み合わせた変調信号であってもよい。換言すれば、列駆動回路は、選択された行配線に流れる電流の一水平走査期間内での変化を抑制すべく、変調信号を構成する単位パルス成分を分配させることが好ましいものである。
例えば、開始基準時刻を異ならしめるほかに、低階調レベルの範囲内では所定の振幅でパルス幅変調を行い、高階調レベルの範囲内ではより大きな振幅でパルス幅変調を行う変調方式を採用するとよい。つまり、低階調レベルの範囲では、一水平走査期間中の所定の期間内において電圧振幅を一定にしてパルス幅変調を行い、次の中階調レベルの範囲では、電圧振幅を一段階大きくしてパルス幅変調を行い、更に次の高階調レベルの範囲では、電圧振幅を更に一段階大きくしてパルス幅変調を行うといった変調方式を採用することも好ましいものである。そして、この方法と前述した開始基準時刻を異ならしめる方法とを併用することも好ましいものである。
更には、変調信号の電圧パルスの立ち上がり及び/又は立ち下がりの際の誤動作を抑制するために、階段状に電圧パルスを立ち上げたり、立ち下げたりすることも好ましいものである。
具体的には、変調信号は、スロット幅Δt単位でパルス幅制御されかつ各スロットにおける振幅がA1〜Anのn段階(但し、nは2以上の整数で、0<A1<A2<‥‥<An)で振幅制御され、所定振幅Ak(但し、kは2以上n以下の整数)まで立ち上がる部分を有する駆動波形のすべてが、基準レベルから、振幅A1から振幅Ak−1までの各波高値を順番に少なくとも1スロットずつ経て前記所定振幅Akまで立ち上がる波形である。
或いは、変調信号は、スロット幅Δt単位でパルス幅制御されかつ各スロットにおける振幅がA1〜Anのn段階(但し、nは2以上の整数で、0<A1<A2<‥‥<An)で振幅制御され、所定振幅Ak(但し、kは2以上n以下の整数)から立ち下がる部分を有する駆動波形のすべてが、前記所定振幅Akから、振幅Ak−1から振幅A1までの各振幅を順番に少なくとも1スロットずつ経て基準レベルまで立ち下がる波形である。
本発明に用いられるマトリクスパネルとしては、有機EL、無機ELなどの半導体発光素子を変調素子として用いた表示パネル、変調素子としての電子放出素子と蛍光体とを用いた蛍光表示パネルなどに代表される自発光型の表示パネル、或いは、蛍光体を用いない電子放出素子アレイからなる電子放出用のパネルなどが好ましく用いられる。特に大画面、高精細になるにつれて、行配線に流れる電流が多くなり易い、半導体発光素子や表面伝導型の電子放出素子のような変調素子において、本発明は顕著な効果を奏する。
そして、本発明に用いられる電子放出素子としては、熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素子としては、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下MIM型と記す)等が知られている。表面伝導型放出素子は、例えば、M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290(1965)などに開示されているものであり、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。
これらの表面伝導型放出素子の素子構成の典型的な例を図4に示す。図4において、3001は基板であり、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のようにH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成される。図中の間隔Lは0.5〜1(mm)、Wは0.1(mm)で設定されている。なお、図示の便宜から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
M.Hartwellらによる素子をはじめとして、上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するのが一般的である。
すなわち、通電フォーミングとは、導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成することである。なお、局所的に破壊、変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電子放出が行われる。
FE型の例を図5に示す。図5において、3010は基板であり、3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン3012の先端部より電界放出を起させるものである。また、FE型の他の素子構成として、図5のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
また、エミッタコーン3012の先端にCNT(カーボンナノチューブ)、GNF(グラファイトナノファイバー)と呼ばれる炭素繊維を付与してもよい。或いは、エミッタコーン3012を炭素繊維で置換したものであってもよい。
MIM型の例を図6に示す。図6において、3020は基板、3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80
〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極である。MIM型においては、上電極3023と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面より電子放出を起させる。
(第1の実施の形態)
図7〜図22を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る駆動装置及び駆動装置を備えた画像表示装置について説明する。
本実施の形態では冷陰極ディスプレイの列駆動回路に電圧振幅変調とパルス幅変調とを組み合わせた波形を出力する回路を用い、行駆動回路の出力トランジスタのオン抵抗(Ron)によって起こる行選択信号電圧の電圧降下を、フィードバック制御により行駆動回路の電源電圧を制御することにより補正する例を示す。
まず、本発明の実施の形態に係る駆動装置及び駆動方法が適用される画像表示装置について図7を参照して説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態に係るマルチ電子源の駆動回路のブロック図を示した図である。
図7において、101は変調素子が配置されたマトリクスパネルとしてのマルチ電子源、102は列駆動回路としての列配線ドライバー(変調回路)、103は補正回路16を備えた行駆動回路としての行配線ドライバー(走査回路)、104はクロック信号やロード信号或いは水平同期信号や垂直同期信号などの各種タイミング信号を発生するタイミング発生回路、105はデータ変換回路、106は複数の基準電圧を供給するためのマルチ電源回路である。
本構成により、マルチ電子源101を駆動する。マルチ電子源101は、図31に示すように列配線2と行配線3の交点に電子源(電子放出素子:表示素子)1が構成されたものである。電子源としては、前述のようにSCE型、FE型及びMIM型の電子放出素子が知られているが、本実施の形態では、SCE型の電子放出素子を用いた。
データ変換回路105は、外部からマルチ電子源101を駆動する駆動データを変調回路102に適したフォーマットに変換する回路であり、例えば、ハードウエア演算回路を用い、図8で示すように、入力される10ビットの駆動データより、パルス幅変調の時の基準電圧として、4つの基準電圧V1、V2、V3、V4から選択するためのV1PWMSW〜V4PWMSWの出力と、PWMデータの出力と、V1〜V3のPWMのPWMデータとして内蔵の固定データの使用のオン/オフを決定するフラグV1PWM固定SW〜V3PWM固定SWの各出力を持つ。
図9のフローチャートを基にデータ変換回路の動作を更に詳しく説明する。データ変換回路105は、入力された駆動データの値によって出力動作を場合分けしている。
例えば、0〜259の駆動データDATAが入力された場合は(S401)、基準電圧V1でPWMを行うように出力V1PWMSWのみオンにし、出力V2PWMSW、V3PWMSW、V4PWMSW、V1PWM固定SW、V2PWM固定SW、V3PWM固定SWはオフにし(S402)、入力された駆動データDATAの値を用いて、PWMデータを算出し(S403)、列配線ドライバーに対し出力する。
また、260〜516の駆動データDATAが入力された場合は(S404)、基準電圧V1での出力は、0で立ち上がって259で立ち下がる固定のパルス幅となるようにV1PWM固定SWをオンにし、基準電圧V2でPWMを行うように出力V2PWMSWをオンにし、出力V3PWMSW、V4PWMSW、V2PWM固定SW、V3PWM固定
SWはオフにする(S405)。そして、入力された駆動データから259を引いた値を用いて、PWMデータを算出し(S406)、列配線ドライバーに対し出力する。
また、517〜771の駆動データが入力された場合は(S407)、基準電圧V1での出力は、0で立ち上がって259で立ち下がる固定のパルス幅となるように出力V1PWM固定SWをオンにし、基準電圧V2での出力は、1で立ち上がって258で立ち下がる固定のパルス幅となるように出力V2PWM固定SWをオンにし、基準電圧V3でPWMを行うように出力V3PWMSWをオンにし、出力V4PWMSW、V3PWM固定SWはオフにする(S408)。そして、入力された駆動データから516を引いた値を用いて、PWMデータを算出し(S409)、列配線ドライバーに対し出力する。
また、772〜1023の駆動データが入力された場合は、基準電圧V1での出力は、0で立ち上がって259で立ち下がる固定のパルス幅となるように出力V1PWM固定SWをオンにし、基準電圧V2での出力は、1で立ち上がって258で立ち下がる固定のパルス幅となるように出力V2PWM固定SWをオンにし、基準電圧V3での出力は、3で立ち上がって257で立ち下がる固定のパルス幅となるように出力V3PWM固定SWをオンにし、基準電圧V4でPWMを行うように出力V4PWMSWをオンにする(S410)。入力された駆動データから771を引いた値を用いて、PWMデータを算出し(S411)、列配線ドライバーに対し出力する。
列配線ドライバー102は、マルチ電子源101の列配線に接続されており、データ変換回路105からのデータ変換された駆動データに応じてマルチ電子源101に変調信号を入力する。
列配線ドライバー102について図10を用いて詳しく説明する。
列配線ドライバー102は、シフトレジスタ107とパルス幅変調(PWM)回路108と出力段回路109とから構成される。
シフトレジスタ107は、データ変換回路105からの変調データをマルチ電子源の対応する位置までシフトする。
PWM回路108及び出力段回路109は、データ変換回路105からの変調データを基に、以下に述べる電圧振幅変調とパルス幅変調とを組み合わせた駆動波形を出力する。
この駆動波形は、更に、表示素子を輝度データに対応する輝度で発光させるために、スロット幅Δt単位でパルス幅制御されかつ各スロットにおける振幅がA1〜Anのn段階(但し、nは2以上の整数で、0<A1<A2<‥‥<An)で振幅制御される駆動波形であって、この駆動波形は、前記表示素子が実質的に駆動されない振幅から、振幅A1から振幅Ak−1までの各振幅を順番に少なくとも1スロットずつ経て所定振幅Ak(但し、kは2以上n以下の整数)まで立ち上がる部分と、前記所定振幅Akから、前記振幅Ak−1から振幅A1までの各振幅を順番に少なくとも1スロットずつ経て前記素子が実質的に駆動されない振幅まで立ち下がる部分とを有することを、特徴としている。
なお、スロット幅Δtは、一水平期間を最大スロット数Sで除した単位時間をいい、振幅が一定ならば、スロット幅に階調情報に応じた係数をかけることで変調信号のパルス幅が決定される。
更に、振幅差An−An−1、・・・、A2−A1もしくは振幅A1と表示素子の駆動しきい値となる振幅との振幅差及びスロット幅Δtとで定まる単位駆動波形ブロックを、k=1を含む最大振幅Akがより低くかつ最大振幅が連続する位置に優先的に付加することによって、前記駆動波形を形成し、一水平期間内の最大スロット数をSとして最大振幅Akとなっているスロット数がS−2(k−1)になった駆動波形に対し、前記階調情報を更に1階調分増加させる場合、第k+1〜第S−kスロットのうち任意のスロットの振幅をAkからAk+1に変更することを特徴としている。
図11は、上記駆動波形と駆動データとの関係をより具体的に説明するための図である。
この駆動波形を生成する回路は、図11で示すように10ビットの駆動データの場合、低階調レベルの範囲1〜259の駆動データまでは電圧V1でパルス幅変調を行う。その上の階調レベルの範囲260〜516までの駆動データでは、立ち上がり時に階段状になるように電圧V1のPWM開始時刻より少なくとも1スロットずれた時刻から電圧V2でパルス幅変調を行う。更に、上の階調レベルの範囲517〜771の駆動データまでは、電圧V2のPWM開始時刻より少なくとも1スロットずれた時刻から電圧V3でパルス幅変調を行う。そして、高階調レベルの範囲772〜1023の駆動データの場合には、電圧V4で電圧V3のPWM開始時刻より少なくとも1スロットずれた時刻からパルス幅変調を行う。このようにして、最大1023個の単位パルス成分を一水平走査期間内において分配しながらピラミッド状に積み重ねてゆく。
次に、PWM回路108、出力段回路109に関して図12を用いて詳しく説明する。図12は、PWM回路108の内部構成を現したブロック図である。
データ変換回路105の出力は、シフトレジスタ107によって所定の列までシフトされ、タイミング発生回路104の出力するロード信号のタイミングでPWM回路内のラッチ110に取り込まれる。例えば、駆動データが260〜516の間である500の場合、変調データの中のPWMデータはデータ変換回路105で500−259=241となって出力される。
ラッチ110へ取り込まれたデータのうち、出力V1PWMSW、V3PWMSW、V4PWMSWはオフしているので、V4Start回路114、V4End回路118、V3Start回路113、V3End回路117はオフし、出力V1PWM固定SWがオンしているので、V1Start回路111にはラッチ110内にある不図示のテーブルより0を、V1End回路115にはラッチ110内にある不図示のテーブルより259の固定値が入力される。
また、出力V2PWMSWはオンしているので、V2Start回路112に1、V2End回路116にPWMデータの241が入力される。V4PWM発生回路122、V3PWM発生回路121は0が入力されるので出力が0となり、V1PWM発生回路119はカウンタ値が0で立ち上がり259までカウントした後、立ち下がる。V2PWM発生回路120はカウンタ値が1で立ち上がり、241で立ち下がる。V1PWM発生回路119、V2PWM発生回路120、V3PWM発生回路121、V4PWM発生回路122の各出力TV1,TV2,TV3,TV4は出力段回路109へ入力される。
出力段回路109の一例を図13に示す。図13に示すように、出力段回路109は、論理ゲートとインバータとFETスイッチから構成されており、出力TV4がHiになると出力端子OUTPUTとV4の入力端子が接続され、出力TV3がHiになると出力端子OUTPUTとV3の入力端子が接続され、出力TV2がHiになるとの出力端子OU
TPUTとV2の入力端子が接続され、TV1がHiになると出力端子OUTPUTとV1の入力端子が接続される。
4つの入力端子(V1、V2、V3、V4)にはマルチ電源回路106によって発生された4つの基準電圧V1、V2、V3、V4が供給されている。各電圧はV4>V3>V2>V1の関係に調整されている。このようにして図11に示したような駆動波形を得る。
次に、駆動波形の相違による選択された行配線に流れる電流の一水平期間内での変化を図14〜図16を参照して比較する。
図14は、パルス幅変調の開始基準時刻を揃えた(前揃え駆動)における列駆動波形(X1〜X6)及び選択された行配線に流れる電流波形(Yq)を示す図である。
図15は、パルス幅変調と電圧振幅変調とを組み合わせた変調駆動(以下、便宜上、新Vn駆動と呼ぶ)における列駆動波形(X1〜X6)及び選択された行配線に流れる電流波形(Yq)を示す図である。
図16は、新Vn駆動のパルス幅変調の開始基準時刻を、列毎に、水平走査期間(1H)の開始時刻又は終了時刻とした(前揃え駆動及び後ろ揃え駆動併用)列駆動波形(X1〜X6)及び選択された行配線に流れる電流波形(Yq)を示す図である。
一水平走査期間内における行配線へ流れ込む電流の時間変化を比較した場合、図14のパルス幅変調の場合、例えばX1〜X6までの列配線ドライブにより行配線には急激な電流変化を持つYqの電流が流れ込むが、新Vn駆動を採用することにより、図15の場合は、X1〜X6までの列配線ドライブの電圧変化が少ないことから行配線ドライバーに流れ込むピーク電流Yqが減り、電流変化が抑制される。
更に、図16のようにX1〜X6までのパルス幅変調の開始基準時刻を、一水平走査期間の始めに持ち、階調レベルが増大するにつれて図中左からパルス幅を伸ばす前揃え駆動と、一水平走査期間の後ろに持ち、階調レベルが増大するにつれて図中右からパルス幅を伸ばす後ろ揃え駆動と、を併用した駆動(前後駆動)を行うことにより、行配線電流Yqの電流変化は更に抑制される。
また、不図示ではあるが、図14のパルス幅変調と前後駆動を組み合わせるだけでも、電流集中は分散されて、行配線電流Yqの電流変化は抑制される。
すなわち、列配線に加える変調信号の電圧振幅を一水平走査期間内で平均化することで、一水平走査期間内に列配線に流れる電流の変化を抑制することができるため、複数の列配線から、選択された一つの行配線へ流れる(又は、選択された行配線から複数の列配線に流れる)電流の変化をも抑制することができる。
このように、一水平走査期間内において、連続的に単位パルス成分を分配させたり、列配線毎に一水平走査期間内における単位パルス成分の位置を異ならしめるように分配すると、行配線に流れる急激電流の変化が抑えられる。このように、本発明における「単位パルス成分の分配」とは、前後駆動であったり、電圧振幅変調とパルス幅変調を組み合わせたりした場合においては、電圧振幅を増加させるよりも、優先的にパルス幅を伸ばすように駆動波形を決定することであり、一水平走査期間内に単位パルス成分を離散させて分配する意味に限定されない、広義の意味である。
このように選択された行配線に流れる電流変化を抑制した上で、以下に説明する行配線ドライバーの出力電圧補正、換言すればオン抵抗補正(Ron補正)を行う。
行選択ドライバー103は、マルチ電子源101の行配線に接続される。行選択ドライバー103について図17を用いて説明する。図17は、本実施の形態に係る行配線ドライバーのRon補正回路16を示すブロック図である。
シフトレジスタ201は、入力された行選択信号をシフトクロックのタイミングで上から順にシフトする。シフトレジスタ201の出力は、出力バッファ203で出力電圧補正回路202の出力電圧で規定される電圧に電圧変換されると共に電流変換され、行配線ドライバーの出力端子207を通ってマトリクス電子源の行配線に供給される。
204は、出力バッファ203のドライバーのオン抵抗(Ron)を示したもので、オン抵抗による電圧降下を無視するためには、数百mΩ以下の低い値にする必要がある。
出力バッファ203には出力端子207、列配線2、電子源1、行配線3を介してすべての列配線ドライバーから電流が流れ込む。
したがって、例えば1チャンネル(1ドット)あたり1mAの電流としても、例えばVGAでは1mA×640ドット×3(RGB)=1920mAの電流が流れ込むこととなる。
従来は、出力バッファ203として、ディスクリートのパワーMOSFETを用いるか、シフトレジスタ等とともに集積化する場合には出力オン抵抗の低い大きな出力バッファを採用する必要があった。したがって、行駆動回路が、ハイブリッドICやチップ面積の大きいICの形をとる結果となり、高コストになっていた。
本実施の形態では、出力バッファの帰還制御を行うことにより、出力電圧の変動が抑制できる低コストICを提供できる。以下、VGA対応の表示素子をもつマトリクスパネル場合を例に説明する。
始めに、480行を6モジュールに分け、それぞれのモジュールに1つの帰還回路を設けて80行の出力バッファ203に対し帰還制御を行う。
図17で1行目を出力する場合、出力バッファ203はオン抵抗204により電圧降下を生じる。
オン抵抗は、例えば高耐圧MOSプロセスのICの場合は、多数の2重拡散構造のトランジスタ(DMOSトランジスタ)を並列接続にする必要があるため、ある程度のチップサイズを必要とする。また、チップサイズをできるだけ抑えようとすると、オン抵抗は約0.5Ω〜数Ωの値となる。したがって、例えば列配線ドライバーが1出力あたり1mAの電流を流した場合、全体では640ドット×3(RGB)=1920出力あるため、2A相当の電流が流れることとなり、オン抵抗が0.5Ωであっても、約1Vの電圧降下を生ずる。
スイッチとしてのマルチプレクサ206は、モニタ出力セレクト信号の行情報(行選択情報)を基に、スイッチングを行い1行目の出力端子207の電位情報を制御回路としての演算増幅器205に出力する。マルチプレクサ206は、出力端子207の検出電位を取得することが目的のため、抵抗値を低くする必要がなく数十キロΩの抵抗値でも十分であることからマルチプレクサ206のスイッチのIC全体に占める割合はごくわずかであ
る。
マルチプレクサ206は、例えばCMOSプロセスで製造できる。図18にCMOSプロセスによるマルチプレクサの回路図を示す。
PチャンネルFET211とNチャンネルFET213からなるCMOSスイッチを用いる。各入力210に対し、CMOSスイッチ(211,213)が接続されており、どのCMOSスイッチのゲートをオンするかによって入力を選択し、出力端子212へ電位情報を出力する。
マルチプレクサ206からの出力は、演算増幅器205により増幅され、出力電圧補正回路202により補正信号としてすべての出力バッファへ入力される。しかしながら、マトリクスを駆動しているのは1行目のみとなるので1行目以外の出力ドライバーはオフしている。このようにして、選択された1行目には帰還がかかり、上述した電圧降下は補正信号により電圧を上げるように補正され出力電流による電圧降下を見かけ上低く抑えることができる。
次に、出力バッファ203と出力電圧補正回路202について図19、図20を用いて説明する。図19はCMOSプロセスによる回路構成、図20はバイポーラプロセスによる回路構成である。
図19に示すCMOS回路の場合、入力端子220に入力された駆動信号波形は出力バッファのゲート容量が大きいことから、PチャンネルFET221とNチャンネルFET223とによって構成されるCMOSプリバッファにより電流増幅される。電流増幅された駆動信号波形はPチャンネルFET222とNチャンネルFET226とによって構成されるCMOSの出力バッファのゲートに加えられ、出力端子228を駆動する。このときの行選択時の出力電圧は、出力バッファのFET226のソース電圧、つまり、出力電圧補正回路としての、基準電圧源VssとFET227のゲート電位によって決まる。
ここでは、FET227のVgs(ゲートソース間電圧)はあまり安定ではないため、演算増幅器225を設け、これによって電圧帰還をかけている。したがって、演算増幅器205からの補正信号を演算増幅器225の入力端子224へ加えることにより出力電圧の補正が可能となる。
図20のバイポーラ回路の場合、入力端子230へ入力された駆動波形は、PNPトランジスタ231とNPNトランジスタ232とによって構成される出力バッファのベースに入力される。
出力端235の行選択時の出力電圧は、NPNトランジスタ232のエミッタ電圧、すなわち出力電圧補正回路としてのPNPトランジスタ234のベース電位によって決まるため、PNPトランジスタ234のベース(入力端子233)に演算増幅器205からの補正信号を加えることによって出力電圧の補正が可能となる。
以上のようにパルスが分配される変調方式による列駆動波形、例えば、新Vn駆動とRon補正回路を組み合わせると、Ron補正によるエラーを更に大幅に減少させることができる。
図21は、図14に示した列駆動波形による行駆動回路の出力端子の電圧の変化を示している。一方、図22は、図16に示した列駆動波形による行駆動回路の出力端子の電圧の変化を示している。オン抵抗と行配線を流れる電流により、出力電圧に生じるエラーが
、パルスの時間方向への分配により抑制されていることがわかる。
一水平走査期間前後で、パルスの立ち上がり、立ち下がりによる、不可避の大きな電圧振幅の変化があるが、この時間はきわめて短いために、輝度変化を感じるほどではないので、表示される画像としては問題にならない。
この結果、回路に要求される性能を緩和でき、更なるコストダウンを図ることが可能となる。
(第2の実施の形態)
また、更に別の実施の形態について以下に説明する。基本的な構成は第1の実施の形態と同様である。
図22のBの範囲での行配線駆動電圧出力のエラーが少ないのに対して、A、Cの範囲では補正エラーが多い。
図23に示すように、前述した新Vn駆動は、入力される駆動データによって240の波形から241,242,243と順に列配線の駆動電圧を振幅方向に上げてゆく方法を採用しているが、図23のBの期間では電圧振幅の変化が小さいため、行配線での一水平走査期間内の電流変化はきわめて少ない。
ウィンドウマスクは、図24に示すように、補正のオン/オフを行うスイッチ300を設けることにより実現できる。スイッチ300は、図23のBの期間のみ補正がかかるように、Bの期間のみオフさせる。このようにしてウィンドウマスクを用いて図25の行配線駆動電圧出力を得られる。
(第3の実施の形態)
以上の各実施の形態では、多出力の行選択ドライバーを共通の比較手段である1つの演算増幅器205でRon補正する例を述べた。本実施の形態は、図26のように各行配線駆動出力毎に演算増幅器503を設け、制御入力端子504に出力バッファの出力端子の電位情報を入力する。こうすれば、出力501が一定になるように直接FET502のゲート電圧を演算増幅器503で駆動することができ、出力に補正がかかる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、マトリクスパネルとしての冷陰極ディスプレイの列配線駆動に新Vn駆動を用い、行選択ドライバーの出力トランジスタのオン抵抗によって起こる行選択電圧の電圧降下を、フィードフォワード制御により行選択ドライバーの電源電圧を制御することにより補正する例を示す。
先の実施の形態では、行選択ドライバーの出力のオン抵抗204による電圧降下をフィードバックにより補正したが、駆動データは予め決まっているので、演算によりオン抵抗による電圧降下量を予測することが可能であり、応答遅れも無いことから補正エラーも少ない結果となる。
図27に示すように、列配線ドライバーに入力する映像信号のような階調情報としての駆動データを、電流変換器600で電流データに変換する。変換された電流データは加算器601で1行分(VGAの場合640×3(RGB)=1920列)加算し、全列配線に流れる電流を計算する。
電圧降下量演算器603は、オン抵抗204の値に応じて電圧降下量を算出し、D/A
コンバータ602へ出力する。このとき出力端子207の先の引き出し配線による電圧降下がある場合は、その分の抵抗も電圧降下演算器で演算することにより、引き出し配線での電圧降下の影響も補正できる。
D/Aコンバータ602の出力は、通常0〜2V程度の電圧出力で、電流駆動能力も無いことから、出力電圧補正回路202で電圧変換及び、電流増幅を行う。電流増幅された出力電圧補正回路202の出力は、出力バッファ203の電源を制御し、オン抵抗204による電圧降下、更には出力端の先の、引き出し配線の抵抗による電圧降下の補正もできる。
(第5の実施の形態)
図28に、本発明の第5の実施の形態を示す。上記第1の実施の形態では、主としてオン抵抗による電圧降下分の補正を行う構成を示したが、本実施の形態では、他の配線抵抗成分による電圧降下に対しても補正ができる。
その他の構成及び作用については第1の実施の形態他と同一なので、同一の構成部分については、その説明は省略する。
より具体的には、本実施の形態では、集積回路となるシリコン基板上のボンディングパッドと、集積回路のパッケージのICリードを繋ぐボンディングワイヤの抵抗によって起こる電圧降下分も含めて出力電圧を補償する冷陰極ディスプレイのドライバーを実現する構成となっている。
冷陰極パネルの駆動回路全体に関しては、上記第1の実施の形態と同様であり、ここでは説明を省略し、行駆動回路に関してのみ図28を用いて説明する。
シフトレジスタ700の出力は、出力バッファ704に接続され、ICパッケージの出力端であるICリード709を通ってIC外部のマトリクス配線を駆動する。
702は、出力バッファ704のドライバーのオン抵抗(Ron)を示したものである。これは、上述のように出力電流が大きいことから電圧降下の影響を避ける必要がある。
本実施の形態ではマトリックス駆動が1行毎に行われ、同時に2行駆動することが無いことを利用して、1つの外部帰還回路によってIC内の80行の出力バッファに対し帰還制御を行う構成となっている。
例えば1行目を出力する場合、出力バッファ704はオン抵抗(Ron)702により電圧降下を生じる。
更に出力バッファ704の出力は不図示のアルミ配線によりシリコン基板上のボンディングパッド703に接続され、ボンディングパッド703からはボンディングワイヤ708を介してパッケージのICリード709へ接続される。
本実施の形態ではICリード709における電圧降下、すなわち、出力バッファと、不図示のアルミ配線と、ボンディングワイヤによる電圧降下の総和を検出するために、検出用ボンディングパッド705によりICリード709からボンディングワイヤ708を介して検出した電位をスイッチ706に取り込んでいる。
ICリード709からボンディングワイヤ708、検出用ボンディングパッド705を介してスイッチに入る配線にはほとんど電流が流れないため、ボンディングワイヤ及びア
ルミ配線等は低抵抗である必要が無く、したがってチップ上のサイズは小さくて良い。
スイッチ706へ入力した信号はパラレル信号線701を介して得られたシフトレジスタ700からの行情報を基に、検出電位の中から現在駆動している行の検出電位を選択するようにスイッチ706を切り替える。
スイッチ706によって選択された検出信号は演算増幅器707によって増幅され、出力電圧補正回路710に入力され、出力電圧補正回路710は出力バッファ704に対して補償信号を出力する。
このようにしてICリードからの電圧帰還用の検出用ボンディングパッド705並びにボンディングワイヤ708、スイッチ706、帰還回路707、出力電圧補正回路710を設けることにより、出力バッファ704のオン抵抗、アルミ配線抵抗、ボンディングワイヤ抵抗のすべての抵抗によって起こる電圧降下を検出することが可能となる。そして、この電圧降下を補正することによって見かけ上の抵抗値を0Ωに近づけることが可能となるため、チップ面積を小さくでき、ローコストな半導体集積回路を構成できる。
(第6の実施の形態)
図29に、本発明の第6の実施の形態を示す。
マトリクスパネルの行配線とICとの接続にしばしばフレキシブル配線を用いる。ここでの抵抗による電圧降下の影響も無視できない。
そこで、図29のように接続することによってフレキシブル配線の抵抗の補償も可能となる。
図29で717は行駆動回路の出力バッファに接続されるボンディングパッドであり、ボンディングワイヤ711によって対応する出力用ICリード712に接続される。
716は電位情報検出用のボンディングパッドであり、同じくボンディングワイヤ711によってIC外部の電位情報を入力するためのICリード715に接続される。ボンディングパッド716は図28の回路と同様に、ICチップ内でスイッチ手段706に接続される。
出力用ICリード712からの出力電圧はフレキシブル配線713をとおってマトリクスパネルの行配線714に接続される。フレキシブル配線の抵抗は、表示パネルの高解像度化に伴い配線ピッチが狭まるため、ある程度の電圧降下を引き起こす。
テープキャリアパッケージ(TCP)のように、フレキシブル配線に行駆動回路チップを実装する場合には、図29のうち、ボンディングワイヤ711、リード715を省略し、フレキシブル配線のインナーリードに直接、パッド716、717をボンディングすればよい。また、COGのように、マトリクスパネルを構成する基板に、直接、行駆動回路チップをフリップチップ実装してもよく、この場合には、出力バッファの出力端子の電位情報をモニタすれば、実質的にマトリクスパネルの入力端子の電位情報をモニタしたものと同じである。
(第7の実施の形態)
本実施形態の骨子は、行配線と複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点に変調素子が配されたマトリクスパネルの駆動装置であって、前記行配線に行信号を供給するための行駆動回路(図30)と、前記複数の列配線に、階調情報に応じて変調された変調
信号を供給するための列駆動回路と、を備え、前記行駆動回路の出力端子207の電位情報を帰還させて前記行信号の電圧を補正するための第1の補正回路(206,205,214,203)と、前記出力端子と前記マトリクスパネルとの間の接続部材の抵抗とそこに流れる電流による電圧降下を補正するための第2の補正回路(216,215,205,214,203と、を具備することを特徴とする。ここで、前記第2の補正回路としては、前記接続部材に流れる電流を検出して、前記接続部材の抵抗値に応じて予め設定された抵抗値を有する調整用素子218を用いて検出された電流を基に電圧に変換し、それを基に前記行信号の電圧を補正するとよい。
以下に詳しく述べる。
図30には、本発明の第7の実施の形態が示されている。上記第5の実施の形態では、ボンディングパッドとICリードを繋ぐボンディングワイヤの抵抗によって起こる電圧降下分も含めて出力電圧を補償するために、電位検知用ボンディングパッド705を介して行駆動回路チップ内に戻す構成を採用した。
本実施の形態では、行駆動回路チップの出力バッファに流れ込む電流を検出することによってチップ外部の抵抗分による電圧降下の補償を行う構成を示す。
その他の構成及び作用については第1の実施の形態と同一である。
図30は行駆動回路チップの回路図である。
図30に示す回路構成においては、シフトレジスタ201によって行選択信号を上から順にシフトすることにより1行毎に各行を選択するようになっている。シフトレジスタ201の出力は、出力バッファ203に入力される。出力バッファ203からの行選択信号は、行駆動回路チップの出力端子207を通ってそこに接続されたマトリクスパネルの行配線に供給され、その行配線に接続された表示素子を駆動する。
このとき、本実施の形態では、出力バッファ203のオン抵抗204による電圧降下をフィードバックにより補正し、行駆動回路チップとマトリクスパネルとを接続する配線部材の抵抗による電圧降下をフィードフォアードにより補正する。
出力バッファ203のオン抵抗204とそこに流れる電流による電圧降下分をフィードバックにより補正する方法は、上述した実施形態と同じである。つまり、電位情報を検知すべき行をマルチプレクサ206で選択し、制御回路としての演算増幅器205に入力する。演算増幅器205は出力電圧補正回路を構成するトランジスタ214を制御するので、出力バッファ203に供給される電源電圧を変えることができる。こうして、出力バッファ203のトランジスタに流れる電流とそのオン抵抗により、電圧降下が大きくなると、帰還がかかり、行選択信号の電圧(行非選択電圧との差)が大きくなり、オン抵抗による電圧降下分の補正がなされる。
一方、行駆動回路とマトリクスパネルを接続する接続部材の抵抗とそこに流れる電流による電圧降下分は、図30の抵抗217、216、218の値を、接続部材の抵抗値に応じて定めておくこと、すなわち、フィードフォワードにより、補正する。
演算増幅器205は、pチャンネルの電源制御用トランジスタ214の制御電極(ゲート電極)を制御して、電源制御用トランジスタ214の出力電圧を制御する。電源制御用トランジスタ214の出力電圧が出力バッファ203の電源電圧となっている。
電源制御用FET214は、基準電圧VEEと出力電流検出用抵抗217を介して接続されており、抵抗217とFET214と出力バッファのトランジスタとを通って電流が流れるので、レファレンス電圧制御トランジスタ(電流検出用トランジスタ)215の制御電極(ベース電極)の電圧は、行駆動回路チップの選択された各出力バッファ203が流す出力電流に比例して変化する。
出力バッファ203への流入電流が増えると、抵抗217によってレファレンス電圧制御トランジスタ215のベース電圧が上昇する。ベース電圧が上昇するのでNPN型のレファレンス電圧制御トランジスタ215のコレクタ電流が増える。コレクタ電流は、電流制限抵抗216により制限され、抵抗217へ流れる電流のおおよそ(抵抗217の抵抗値)/(制限抵抗216の抵抗値)倍の電流となる。この電流と、レファレンス電圧制限抵抗218により演算増幅器205に入力される参照電圧refを下げる。演算増幅器205の参照電圧refが下がれば、演算増幅器205の出力電圧が下がり、よって出力バッファ203の出力電圧も変化する。
行駆動回路チップとマトリクスパネルを接続する接続部材の抵抗値は予めわかっているので、その抵抗値に応じて出力電流検出抵抗217、電流制限抵抗216、レファレンス電圧制限抵抗218の値を定めておけば、接続部材の抵抗による電圧降下分を加えた電圧を行駆動回路チップの出力端子207に出力することができる。つまり、選択された出力端子207を通して接続部材に流れる電流を検出して、それに対応したトランジスタ214を通して流れる電流を電圧変換して演算増幅器205にフィードバックすることになる。
換言すれば、接続部材に流れる電流値をフィードバックして、接続部材の抵抗値をフィードフォワードすることにより、接続部材の抵抗による電圧降下分を補正しているとみなすことできる。したがって、出力端子より先であって、分岐していない1つの電流通路における電圧降下は、レファレンス電圧制限抵抗218などの設定により、任意に補正することができる。つまり、補正できる接続部材の定義は、一義的に決まるものではなく、任意に決定できるのである。よって、出力端子207からマトリクスパネルの最も出力端子207に近い素子の電極までを接続部材として定義し、その部分の抵抗値を事前に測定乃至計算しておいて、それに応じてレファレンス電圧制限抵抗218などの設定をすれば、当該部分における電圧降下分を補正することができる。こうして、本実施形態によれば、オン抵抗と配線部材の抵抗と、そこに流れる電流による電圧降下分を補正することができる。
(第8の実施の形態)
上述した、補正回路を含む駆動回路の主要部を図33に示す。本実施の形態は、発光素子又は電子放出素子に接続部材を介して接続される駆動用出力端子を有する駆動回路において、前記駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタ(電源制御用トランジスタ)から出力される出力電圧を制御するための制御回路としての演算増幅器と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタ(レファレンス電圧制御トランジスタ)と、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、前記補正回路は、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路としての演算増幅器に帰還させる帰還ループを有する。
図33において、発光素子(レーザーダイオード、発光ダイオード、EL素子)又は電子放出素子のような変調素子800に接続部材801を介して接続される駆動用出力端子207を有する駆動回路は、前記駆動用出力端子207側と基準電圧源804側とに一対の主電極(ソース、ドレイン)が接続された駆動用トランジスタ214と、前記駆動用ト
ランジスタ214から出力される出力電圧を制御するための制御回路としての演算増幅器205と、前記駆動用トランジスタ214に流れる電流を検出するための検出用トランジスタ215と、を有し、前記駆動用出力端子207の出力電圧を検出して前記演算増幅器205に帰還させる第1の帰還ループ802と、前記検出用トランジスタ215に流れる電流を検出して前記演算増幅器205に帰還させる第2の帰還ループ803と、を備え、前記駆動用出力端子207からの出力電圧を補正するための補正回路を具備している。
正確に云えば、出力電圧としては、駆動用出力端子207の電圧ではなく、検出ノード207’の電圧を検出しているが、これは、設計上、端子207とノード207’との間の抵抗を無視しているためであり、無視できない場合には、検出ノード207’を駆動用出力端子207として考えればよいことは、当業者にとって自明である。
ここで、簡略化して考えるために、検出用トランジスタ215のベース電流とベース・エミッタ間電圧Vbe電圧を無視して、駆動用トランジスタ214のオン抵抗値をRo,抵抗217の抵抗値をR1、抵抗216の抵抗値をR2、調整用素子としての抵抗218の抵抗値をR3とし、駆動用トランジスタ214に流れる電流をi1,検出用トランジスタ215に流れる電流をi2とし、i1をi2の数百倍程度となるように、R1とR2を
設定する。
第1の帰還ループ802を用いた補正に関しては、先に述べた通りであるので、説明を省略する。
駆動電流としてi1が流れると、抵抗217によって、トランジスタ215のベース・エミッタ間に順方向バイアスがかかり、トランジスタ215のコレクタ・エミッタ間に電流i2が流れる。この電流i2は、駆動用トランジスタ214を通して流れる駆動電流に比例した小さな電流であるために、補正用の基準電圧Refと演算増幅器205の非反転入力端子に接続された抵抗218において電圧降下が生じ、非反転入力端子の電位が電流i2と抵抗R3に基づいて変化する。この変化に応じて、演算増幅器205の出力値が変化するために、駆動用トランジスタ214の制御電極(ゲート)の電圧が変化して、より電流を流す方向にトランジスタ214を制御する。
つまり、出力端子207に流れる電流をIo、出力端子207の電位をVo、基準電圧Refの電位をVrefとすると、Vo=Vref−Io・R1/R2・R3となる。こうして、Ioが変化すると、調整用素子としての各抵抗(216,217,218)で決まる電圧に応じて、出力端子207の電位も変化するので、調整用素子の抵抗値を接続部材の抵抗値に応じた値に設定しておけば、出力端子の電位をより下げて、接続部材における電圧降下分を補正することができる。
なお、ノード207’と演算増幅器205との間にマルチプレクサ206のスイッチが、ノード207’とトランジスタ214との間に出力バッファ203のスイッチングトランジスタが、挿入されると、図30の構成の1行分となる。
(第9の実施の形態)
本実施の形態は、行配線と複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点に変調素子が配されたマトリクスパネルの駆動装置であって、前記行配線に行信号を供給するための行駆動回路と、前記複数の列配線に、階調情報に応じて変調された変調信号を供給するための列駆動回路と、を備え、前記行駆動回路の出力端子の電位情報を帰還させて前記行信号の電圧を補正するための第1の補正回路と、前記出力端子と前記マトリクスパネルとの間の接続部材の抵抗とそこに流れる電流による電圧降下を補正するための第2の補正回
路として、前記階調情報に応じて、前記行信号を補正するためのフィードフォワード回路を備えていることを特徴とする。
即ち、図30の実施の形態のうち、前記第2の補正回路として、列駆動回路側で画像データから前記階調情報を検出して、駆動時に行配線に流れるであろう電流値を求め、それに応じて前記行信号を補正する。このようなフィードフォワード回路は、図27に示した実施の形態と同様の構成を採用し、Ronは第1の補正回路により補正できるので、接続部材の抵抗値を考慮して計算すればよい。
本発明のマトリクスパネルの駆動装置の基本構成を説明するためのブロック図である。 比較例による変調信号波形と本発明に用いられる変調信号波形とを示す図である。 本発明の別のマトリクスパネルの駆動装置の基本構成を説明するためのブロック図である。 本発明に用いられる表面伝導型放出素子の素子構成の一例を示す平面図である。 本発明に用いられるFE型の素子構成の一例を示す断面図である。 本発明に用いられるMIM型の素子構成の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマルチ電子源駆動回路のブロック図である。 データ変換回路の動作を説明するための模式図である。 データ変換回路の動作フローチャートを示した図である。 列駆動回路のブロック図である。 本発明に用いられる変調信号波形と駆動データとの関係を説明するための図である。 PWM回路の内部構成を現したブロック図である。 列駆動回路における出力段回路の内部構成を現したブロック図である。 PWM変調信号波形及び選択された行配線に流れる電流波形を示す図である。 本発明に用いられるPWM変調信号波形及び選択された行配線に流れる電流波形を示す図である。 本発明に用いられる別のPWM変調信号波形及び選択された行配線に流れる電流波形を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る行駆動回路のブロック図である。 マルチプレクサの回路図である。 出力バッファと出力電圧補正回路の一例を示す回路図である。 出力バッファと出力電圧補正回路の別の例を示す回路図である。 比較例による行駆動回路の電圧出力を示す図である。 本発明の一実施形態による行駆動回路の電圧出力を示す図である。 本発明に用いられる変調信号波形を示す図である。 本発明の別の実施形態に用いられる行駆動回路のブロック図である。 行駆動回路の電圧出力を示す図である。 本発明の更に別の実施形態に用いられる行駆動回路における出力バッファと補正回路を示す回路図である。 本発明の他の実施形態によるマトリクスパネルの駆動装置のブロック図である。 本発明の更に他の実施形態に用いられる行駆動回路のブロック図である。 本発明の更に別の実施形態に用いられるマトリクスパネルと行駆動回路の接続構造を示す図である。 本発明の実施形態によるマトリクスパネルの駆動装置のブロック図である。 マトリクスパネルの電気的構成を示す図である。 従来の列駆動回路及び行駆動回路の出力波形を示す図である。 本発明の一実施形態によるマトリクスパネルの駆動装置の回路構成図である。
符号の説明
1 電子源(電子放出素子)
2 列配線
3 行配線
4、5 配線抵抗
101 マルチ電子源
102 変調回路(列配線ドライバー)
103 走査回路(行配線ドライバー)
104 タイミング発生回路
105 データ変換回路
106 マルチ電源回路
107 シフトレジスタ
108 PWM回路
109 出力段回路
110 ラッチ
111 V1スタート回路
112 V2スタート回路
113 V3スタート回路
114 V4スタート回路
115 V1エンド回路
116 V2エンド回路
117 V3エンド回路
118 V4エンド回路
119 V1PWM発生回路
120 V2PWM発生回路
121 V3PWM発生回路
122 V4PWM発生回路
201 シフトレジスタ
202 出力電圧補正回路
203 出力バッファ
204 オン抵抗(Ron)
205 制御回路(演算増幅器)
206 マルチプレクサ
207 出力端子
210 マルチプレクサの入力端子
211 PチェンネルFET
212 マルチプレクサの出力端子
213 NチェンネルFET
214 電源制御用FET
215 レファレンス電圧制御トランジスタ
216 電流制限抵抗
217 出力電流検出抵抗
218 レファレンス電圧制限抵抗
220 入力端子
221 プリバッファのPチェンネルFET
222 最終バッファのPチェンネルFET
223 プリバッファのNチェンネルFET
224 レファレンス入力
225 演算増幅器
226 最終バッファのNチェンネルFET
227 電源電圧制御用PチェンネルFET
228 出力端子
230 行選択信号入力子
231 PNPトランジスタ
232 NPNトランジスタ
233 入力端子
234 PNPトランジスタ
235 出力端子
240 低階調の場合の変調信号波形
241 中階調の場合の変調信号波形
242 中階調の場合の変調信号波形
243 高階調の場合の変調信号波形
300 フィードバックオン/オフスイッチ
500 PチャンネルFET
501 行選択信号出力端子
502 NチャンネルFET
503 演算増幅器
504 NチャンネルFET
505 行選択信号入力端子
600 電流変換器
601 加算器
602 D/Aコンバータ
603 電圧降下演算器
700 シフトレジスタ
701 信号線
703 ボンディングパッド
704 出力バッファ
705 検出用ボンディングパッド
706 スイッチ
707 演算増幅器
708 ボンディングワイヤ
709 リード
710 出力電圧補正回路
711 ボンディングワイヤ
712 リード
713 フレキシブル配線
714 行配線
715 リード
716 ボンディングパッド
717 ボンディングパッド
800 変調素子
801 接続部材
802 第一の帰還ループ
803 第二の帰還ループ
804 基準電圧源
3001 基板
3004 導電性薄膜
3005 電子放出部
3010 基板
3011 エミッタ配線
3012 エミッタコーン
3013 絶縁層
3014 ゲート電極
3020 基板
3021 下電極
3022 絶縁層
3023 上電極

Claims (5)

  1. 行配線と複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点に変調素子が配されたマトリクスパネルの駆動装置であって、
    前記行配線に行信号を供給するための行駆動回路と、
    前記複数の列配線に、階調情報に応じて変調された変調信号を供給するための列駆動回路と、を備え、
    前記行駆動回路の出力端子の電位情報を帰還させて前記行信号の電圧を補正するための第1の補正回路と、
    前記出力端子と前記マトリクスパネルとの間の接続部材の抵抗とそこに流れる電流による電圧降下を補正するための第2の補正回路と、
    を具備することを特徴とする駆動装置。
  2. 発光素子又は電子放出素子に接続部材を介して接続される駆動用出力端子を有する駆動回路において、
    前記駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタから出力される出力電圧を制御するための制御回路と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタと、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、
    前記補正回路は、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路に帰還させる帰還ループを有することを特徴とする駆動回路。
  3. 発光素子又は電子放出素子に接続部材を介して接続される駆動用出力端子を有する駆動回路において、
    前記駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタから出力される出力電圧を制御するための制御回路と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタと、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、
    前記補正回路は、前記駆動用出力端子の出力電圧を検出して前記制御回路に帰還させる第1の帰還ループと、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路に帰還させる第2の帰還ループとを有することを特徴とする駆動回路。
  4. 複数の行配線及び複数の列配線と、前記複数の行配線と前記複数の列配線とにより形成されたマトリクスの交点にそれぞれ配された複数の変調素子と、を有するマトリックスパネルと、
    前記マトリックスパネルを駆動する駆動手段と、
    前記マトリクスパネルと前記駆動手段とを電気的に接続し、前記変調素子を駆動するための信号を供給するための接続部材と、
    を具備する画像表示装置において、
    前記駆動手段が、
    前記信号を供給する駆動用出力端子側と基準電圧源側とに一対の主電極が接続された駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタから出力される出力電圧を制御するための制御回路と、前記駆動用トランジスタに流れる電流を検出するための検出用トランジスタと、を備え、前記駆動用出力端子からの出力電圧を補正するための補正回路を具備し、
    前記補正回路は、前記検出用トランジスタに流れる電流を検出して前記制御回路に帰還させる帰還ループを有することを特徴とする画像表示装置。
  5. 前記接続部材の抵抗値に応じて予め設定された抵抗値を有する調整用素子を用いて、検出された前記検出用トランジスタに流れる電流を電圧に変換し、それを基に出力電圧を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
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