JP2005137180A - ステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビン - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な方法より、電動機のステータ巻線の電気的絶縁を従来よりも強化することのできる、ステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビンを提供すること。
【解決手段】 ステータ巻線構造は、コイル1が絶縁ボビン2に巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイル10と、該ボビン巻きコイル10に設けられた絶縁手段31とから、主として構成する。該絶縁手段31としては、コイル1に貼着することのできるよう接着剤層を一面に備えた絶縁シートを用いることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 ステータ巻線構造は、コイル1が絶縁ボビン2に巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイル10と、該ボビン巻きコイル10に設けられた絶縁手段31とから、主として構成する。該絶縁手段31としては、コイル1に貼着することのできるよう接着剤層を一面に備えた絶縁シートを用いることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビンに関し、特に、電動機のステータ巻線の電気的絶縁を従来よりも強化することのできる、ステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビンに関する。
従来、電動機のステータ巻線において、巻線と鉄心との間における電気的絶縁は、絶縁性の材料により構成された絶縁ボビンによりなされていた。また、コイル同士の電気的絶縁は、マグネットワイヤに被覆がなされていることによってなされていた。なお、絶縁ボビンにおける絶縁性能を高める取り組みとしては、後掲の特許文献に開示されているような提案もなされている。
図7は、従来のステータ巻線構造の構成を示す平面図等である。図において、絶縁ボビン52にはコイル51が巻かれてボビン巻きコイル53が形成され、これらが鉄心に装着されて、巻線構造が形成される。巻線−鉄心間、コイル間の絶縁は、上述のようにそれぞれ絶縁ボビン、マグネットワイヤ上の被覆材によってなされているに過ぎなかった。
しかし、従来の電動機の駆動には200V級のドライバが使用されていたところ、最近はこれより高電圧の、たとえば400V級のドライバを使用する場合も生じるようになってきた。従来の電動機を、たとえば400V級のドライバによって電圧印加すると、200V級のドライバで印加する場合と比べて電動機の巻線に高電圧が加わり、巻線の損傷または寿命低下を招くことになり、電動機性能上も、また安全な運転・保守管理上も、問題である。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、簡易な方法より、電動機のステータ巻線の電気的絶縁を従来よりも強化することのできる、ステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビンを提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明は、以下のとおりである。
(1) コイルが絶縁ボビンに巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイルと、該ボビン巻きコイルに設けられた絶縁手段とからなることにより、該ボビン巻きコイルと、コア、ヨークまたは隣接する別のボビン巻きコイルの少なくともいずれかとの間の絶縁が可能であることを特徴とする、ステータ巻線絶縁構造。
(1) コイルが絶縁ボビンに巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイルと、該ボビン巻きコイルに設けられた絶縁手段とからなることにより、該ボビン巻きコイルと、コア、ヨークまたは隣接する別のボビン巻きコイルの少なくともいずれかとの間の絶縁が可能であることを特徴とする、ステータ巻線絶縁構造。
(2) 前記絶縁手段は、前記ボビン巻きコイルの巻かれたコイルの表面部の少なくとも一部を被覆するように設けられたシート状形状の絶縁シートであることを特徴とする、(1)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(3) 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられていることを特徴とする、(2)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(4) 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられており、かつ、前記絶縁ボビンの少なくとも一方の笠状部のコイル側と前記コイルとの間にその端部が挟み込まれていることを特徴とする、(3)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(3) 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられていることを特徴とする、(2)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(4) 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられており、かつ、前記絶縁ボビンの少なくとも一方の笠状部のコイル側と前記コイルとの間にその端部が挟み込まれていることを特徴とする、(3)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(5) 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられており、かつ、前記絶縁ボビンの一方の笠状部と前記コイルとの間にその一端部が挟み込まれているとともに、他方の笠状部の非コイル側を該絶縁シートの他方端部が被覆するように折り曲げられていることを特徴とする、(3)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(6) 前記絶縁シートは、コイル等に貼着して用いることができることを特徴とする、(2)ないし(4)のいずれかに記載のステータ巻線絶縁構造。
(7) 前記絶縁手段は、前記ボビン巻きコイルの巻かれたコイルの表面部の少なくとも一部を被覆するように設けられた一または複数の絶縁用片状体であり、該絶縁用片状体は前記絶縁ボビンの一部として設けられ、かつ該絶縁用片状体はこれを該笠状部との境界において折り曲げることが可能なように形成されていることを特徴とする(1)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(8) 前記絶縁用片状体は、前記ボビンの一方の笠状部から一側方に延長した状態で設けられ、これをコイル方向に折り曲げた場合に他方の笠状部に届く長さに形成されていることを特徴とする、(7)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(9) 前記絶縁用片状体は、前記ボビンの一方の笠状部からは前記コイルの表面部を被覆し得るように予め折れ曲がった状態で設けられ、他方の笠状部からはその一側方に延長した状態で設けられ、後者をコイル方向に折り曲げた場合に、両者が合わさって巻かれたコイルの表面部を被覆できることを特徴とする、(7)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(10) 前記両絶縁用片状体は、それぞれの端部すなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部同士が合わさることによって巻かれたコイルの表面部を被覆できることを特徴とする、(9)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(10) 前記両絶縁用片状体は、それぞれの端部すなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部同士が合わさることによって巻かれたコイルの表面部を被覆できることを特徴とする、(9)に記載のステータ巻線絶縁構造。
(11) ステータコイルを形成するために用いることのできる絶縁ボビンであって、該絶縁ボビンはコイルを巻き付けるための軸部と、該軸部の両端にそれぞれ設けられた笠状部とからなり、少なくとも一方の該笠状部にはそこから延長した状態で絶縁用片状体が一または複数設けられ、該絶縁用片状体はそれが設けられた笠状部とは異なるもう一方の笠状部方向に折り曲げることが可能なように形成されていることを特徴とする、絶縁ボビン。
(12) 前記絶縁用片状体は、これが設けられた笠状部とは異なるもう一方の笠状部に届く長さで形成されていることを特徴とする、(11)に記載の絶縁ボビン。
(13) 前記絶縁ボビンは、前記笠状部のうち一方を含む部分と他方の笠状部を含む部分とを組み合わせて一体の絶縁ボビンとして用いることのできるものであって、それぞれの笠状部に前記絶縁用片状体が設けられ、その少なくとも一方を他方の笠状部方向に折り曲げた場合に、両者が合わさって巻かれたコイルの表面部を被覆できるように形成されていることを特徴とする、(11)に記載の絶縁ボビン。
(14) 前記両絶縁用片状体は、それぞれの端部すなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部同士が合わさることによって前記巻かれたコイルの表面部を被覆できるように形成されていることを特徴とする、(13)に記載の絶縁ボビン。
(14) 前記両絶縁用片状体は、それぞれの端部すなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部同士が合わさることによって前記巻かれたコイルの表面部を被覆できるように形成されていることを特徴とする、(13)に記載の絶縁ボビン。
本発明のステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビンは上述のように構成されるため、これによれば、簡易な方法より、電動機のステータ巻線の電気的絶縁を従来よりも強化することができる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明のステータ巻線構造の基本構成を示す説明図である。図において本構造は、コイル1が絶縁ボビン2に巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイル10と、該ボビン巻きコイル10に設けられた絶縁手段3とからなることを、主たる構成とする(上記(1)の発明)。かかる構成により、該ボビン巻きコイル10と、コア、ヨークまたは隣接する別のボビン巻きコイルの少なくともいずれかとの間が該絶縁手段3により電気的に遮断され、絶縁され得る(上記(1)の発明)。
図1は、本発明のステータ巻線構造の基本構成を示す説明図である。図において本構造は、コイル1が絶縁ボビン2に巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイル10と、該ボビン巻きコイル10に設けられた絶縁手段3とからなることを、主たる構成とする(上記(1)の発明)。かかる構成により、該ボビン巻きコイル10と、コア、ヨークまたは隣接する別のボビン巻きコイルの少なくともいずれかとの間が該絶縁手段3により電気的に遮断され、絶縁され得る(上記(1)の発明)。
図2は、本発明のより具体的な構成について示す平面図および対応する要部側面図である。図において本発明のステータ巻線絶縁構造は、前記絶縁手段として、前記ボビン巻きコイル10の巻かれたコイル1の表面部の少なくとも一部を被覆するように設けられたシート状形状の絶縁シート31を用いることができる(上記(2)の発明)。絶縁シートは、隣接するコイルとの間に挿設されてステータを特に無理なく構成できる限り、その厚さは限定されない。また、その形状およびサイズは、巻かれたコイル1が隣接するコイルとの間で必要な絶縁を得られるものである限り特に限定されず、また適用されるステータの規格に従って適宜のものを用いることができる。また、絶縁シートの材質は、電気的絶縁を提供できるものである限り特に限定されないが、適度の耐久性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐腐食性、物理的強度、可撓性を備えたものを、適宜選択して用いることができる。コイル1表面部での絶縁シート32による被覆は、後述するようなボビン笠状部とコイル1との間への該絶縁シート32の挟み込みによっても可能であるが、さらに後述するようにシートの一面に適宜の接着剤層を設けて、コイル1上にその面をもって貼着することとしてもよい。また、挟み込みと貼着の双方を用いてもよい。
図において前記絶縁シート31は、前記ボビン巻きコイル10に、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けることとすることができる(上記(3)の発明)。すなわち図示するように、該ボビン巻きコイル10の一方側面部のみに該絶縁シート31を設けて、該ボビン巻きコイル10の左方または右方のいずれか一方に隣接するコイルとの間でのみの絶縁手段とすることができる。かかる構成とすることにより、該ボビン巻きコイル10の両方側面部に該絶縁シート31を設ける場合と比べて、絶縁構造の形成工程にかかる時間と労力を軽減することができる。もっとも、かかる構成に関わらず、両側面部に絶縁シート31を設けて、絶縁効果の一層の向上を図ることも可能である。
図3は、絶縁シートを用いる本発明ステータ巻線構造の別の構成を示す平面図等である。図において前記絶縁シート32は、前記ボビン巻きコイル10に、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイル10bとの間の絶縁を可能とするように設けるとともに、前記絶縁ボビン2の少なくとも一方の笠状部28のコイル側と前記コイル1との間にその端部が挟み込んで用いることができる(上記(4)の発明)。かかる構成により、該絶縁シート32のボビン巻きコイル10への固定をより確実なものとすることができるとともに、巻かれたコイル1の端部における間隙を被覆できるため、絶縁性能をより確実なものとすることができる。絶縁性能をも図ではボビン2の外径側笠状部28とコイル1との間に該絶縁シート32が挟み込まれている構成が示されているが、ボビン2の内径側笠状部とコイル1との間に挟み込む構成でもよい。また、挟み込みをボビン2の両笠状部において形成してもよい。
図4は、絶縁シートを用いる本発明ステータ巻線構造のまた別の構成を示す平面図等である。図において前記絶縁シート33は、前記ボビン巻きコイル10に、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイル10bとの間の絶縁を可能とするように設けることとし、さらに、前記絶縁ボビン2の一方の笠状部28と前記コイル1との間にその一端部が挟み込まれているとともに、他方の笠状部29の非コイル側を該絶縁シート33の他方端部が被覆するように折り曲げられている構成とすることもできる(上記(5)の発明)。また、図2、3、4において該絶縁シート31、32、33は、コイル等に貼着して用いることができるよう、シートの一方面に接着剤層を設けた構成とすることもできる(上記(6)の発明)。かかる構成によれば、絶縁シートのボビン巻きコイルへの固定は容易かつ確実に行うことができる。
図2、3、4に示した絶縁シートを用いる本発明ステータ巻線構造を形成するには、たとえば、まず最初に鉄心に装着するボビン巻きコイルには絶縁シートを設けず、二番目に装着するボビン巻きコイルからは絶縁シートを設ける処理を施し、順次各ボビン巻きコイルを鉄心に装着していくことにより、全コイル間に絶縁シートが設けられた構成とすることができる。一方、上述したような絶縁シートの折り曲げや挟み込みを形成する場合は、最初のボビン巻きコイルには絶縁シートを設け、順次同様にして鉄心に装着することにより、最後のボビン巻きコイルのみには絶縁シートを設けなくとも、結局全コイル間に絶縁シートが設けられた構成とすることができる。
図5は、本発明ステータ巻線構造の別の構成とその構成方法を示した説明図である。図において本ステータ巻線構造は、前記絶縁手段を、前記ボビン巻きコイル102上の巻かれたコイル1の表面部の少なくとも一部を被覆するように設けられた一または複数の絶縁用片状体35であり、該絶縁用片状体35は前記絶縁ボビン22の一部として設けられたものであり、かつ該絶縁用片状体35はこれを該笠状部228との境界において折り曲げることが可能なように形成されているものとすることができる(上記(7)の発明)。
図において、かかる構成により、該絶縁用片状体35の設けられた絶縁ボビン22にはまずコイル1が巻かれてボビン巻きコイル102が形成され、ついで該絶縁用片状体35が笠状部228との境界においてボビン22の内径方向に折り曲げられて、コイル1の表面部を被覆し、これにより隣接するコイル等との電気的遮断がなされすなわち絶縁がなされる。
前記絶縁用片状体35の材質、サイズ、形状等は特に限定されるものではないが、ボビン22と同質の材料を用いてボビンの一部として一体に成型することが、絶縁性能上も、製造工程・コスト上も、またデザイン上も望ましい。また該絶縁用片状体35厚さは、前述した絶縁シートと同様、隣接するコイルとの間に挿設されてステータを特に無理なく構成できる限り、その厚さは限定されない。また、その形状およびサイズは、巻かれたコイル1が隣接するコイルとの間で必要な絶縁を得られるものである限り特に限定されず、また適用されるステータの規格に従って適宜のものを用いることができる。
絶縁用片状体35を含む絶縁ボビンの材質は、電気的絶縁を提供できるものである限り特に限定されず公知の適宜のものを用いることができるが、適度の耐久性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐腐食性、物理的強度を備えたものが望ましい。また、折り曲げ部分は、これを容易に折り曲げて折れ曲がった状態を形成することができ、かつ容易には破断されにくいサイズおよび形状にて形成される。
図示するように前記絶縁用片状体35は、前記ボビン22の一方の笠状部228から一側方に延長した状態で設けられ、これをコイル1方向に折り曲げた場合に他方の笠状部229に届く長さとすることができる(上記(8)の発明)。かかる構成により、コイル1の表面部における該絶縁用片状体35による被覆を間隙のないものとすることができ、絶縁効果をより確実にすることができる。
図6は、本発明ステータ巻線構造の別の構成とその構成方法を示した説明図である。図中の丸付き数字3において本ステータ巻線構造は、前記絶縁用片状体39、38が、前記ボビン23の一方の笠状部239からは前記コイル1の表面部を被覆し得るように予め折れ曲がった状態で設けられ、他方の笠状部238からはその一側方に延長した状態で設けられ、後者38をコイル1方向に折り曲げた場合に、両者38、39が合わさって巻かれたコイル1の表面部を被覆できる構成とすることができる(上記(9)の発明)。かかる構成により、該絶縁用片状体38をコイル1方向に折り曲げた場合に、両者38、39がその端部38T、39Tにおいて合わさって、巻かれたコイル1の表面部が被覆され、絶縁がなされる。
図示するように、前記両絶縁用片状体38、39は、それぞれの端部すなわち合わせ面38T、39Tがいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部38T、39T同士が合わさることによって巻かれたコイルの表面部を被覆できるように構成することができる(上記(10)の発明)。かかる構成により、隣接するコイルの方向から矢視Aのように合わさった部分すなわち接合部を見た場合、矢視方向上には間隙が存在せず、該コイル1に至る間には必ず絶縁物が存在することとなり、絶縁をより確実にすることができる。これに対し、接合部に間隙が存在すると、隣接するコイルとの絶縁は不充分となる可能性があるため、上記構成とすることがより望ましい。
図5には、本発明の絶縁ボビンの構成例が示されている。図において本絶縁ボビン22は、ステータコイルを形成するために用いることのできる絶縁ボビンであって、該絶縁ボビン22はコイル1を巻き付けるための軸部と、該軸部の両端にそれぞれ設けられた笠状部228等とからなり、少なくとも一方の該笠状部(図では228)にはそこから延長した状態で絶縁用片状体35が一または複数設けられ、該絶縁用片状体はそれが設けられた笠状部とは異なるもう一方の笠状部方向に折り曲げることが可能なように形成されていることを特徴とする、絶縁ボビン(上記(11)の発明)。図では外径側の笠状部228のみに該絶縁用片状体が設けられているが、内径側に設けられていてもよい。また両者に設けられていて、該コイル1の表面部において両者を接合させる構成としてもよい。
図示するように前記絶縁用片状体35は、これが設けられた笠状部228とは異なるもう一方の笠状部に届く長さで形成することができる(上記(12)の発明)。かかる構成により、笠状部とコイルとの間隙をなくして、絶縁性をより確実にすることができる。
図6には、本発明の絶縁ボビンの別の構成例が示されている。図において本絶縁ボビン23は、前記笠状部のうち一方238を含む部分と他方の笠状部239を含む部分とを組み合わせて一体の絶縁ボビンとして用いることのできるものであって、それぞれの笠状部238、239に前記絶縁用片状体38、39がそれぞれ設けられ、このうち絶縁用片状体38を他方の笠状部239方向に折り曲げた場合に、両者38、39が合わさって巻かれたコイル1の表面部を被覆できるように形成された構成とすることができる(上記(13)の発明)。かかる構成に関わらず、両絶縁用片状体38、39双方を折り曲げて両者を接合させる構成とすることもできる。
図において、かかる構成の本絶縁ボビン23を用いて絶縁構造を構成するには、コイル1をまず適宜の巻枠等を用いて形成しておき(丸付き数字1)、ついで、絶縁ボビンの両部分238、239をこれに装着させ(丸付き数字2、2’)、ついで、一方の絶縁用片状体38をコイル1方向に折り曲げて、両絶縁用片状体38、39の端部38T、39Tを接合させる。接合は、単に両端部38T、39Tを当接させるだけでも、あるいは適宜の接着剤を使用して接着させてもよい。
図において前記両絶縁用片状体38、39は、それぞれの端部38T、39Tすなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部38T、39T同士が合わさることによって前記巻かれたコイル1の表面部を被覆できるように形成することができる(上記(14)の発明)。かかる構成により、絶縁効果をより確実なものとすることができる。
本発明のステータ巻線絶縁構造および絶縁ボビンは上述のように構成されているため、簡易な方法より、電動機のステータ巻線の電気的絶縁を従来よりも強化することができる。電動機を400V級のドライバによって駆動するような場合等、電動機に高電圧が印加される状況下における使用において特に効果が発揮され、産業上利用価値が高い発明である。
1…コイル1、 2、23…絶縁ボビン、 3…絶縁手段、
10、10b、102…ボビン巻きコイル、
28、29、228、238、239…笠状部、
31、32、33…絶縁シート、
35、38、39…絶縁用片状体、
38T、39T…絶縁用片状体の端部
A…隣接するコイルからの観察方向
52…絶縁ボビン、 51…コイル、 53…ボビン巻きコイル
10、10b、102…ボビン巻きコイル、
28、29、228、238、239…笠状部、
31、32、33…絶縁シート、
35、38、39…絶縁用片状体、
38T、39T…絶縁用片状体の端部
A…隣接するコイルからの観察方向
52…絶縁ボビン、 51…コイル、 53…ボビン巻きコイル
Claims (14)
- コイルが絶縁ボビンに巻き付けられてなる、ステータコイルを形成するためのボビン巻きコイルと、該ボビン巻きコイルに設けられた絶縁手段とからなることにより、該ボビン巻きコイルと、コア、ヨークまたは隣接する別のボビン巻きコイルの少なくともいずれかとの間の絶縁が可能であることを特徴とする、ステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁手段は、前記ボビン巻きコイルの巻かれたコイルの表面部の少なくとも一部を被覆するように設けられたシート状形状の絶縁シートであることを特徴とする、請求項1に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられており、かつ、前記絶縁ボビンの少なくとも一方の笠状部のコイル側と前記コイルとの間にその端部が挟み込まれていることを特徴とする、請求項3に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁シートは、前記ボビン巻きコイルに、少なくともその一方の隣接するボビン巻きコイルとの間の絶縁を可能とするように設けられており、かつ、前記絶縁ボビンの一方の笠状部と前記コイルとの間にその一端部が挟み込まれているとともに、他方の笠状部の非コイル側を該絶縁シートの他方端部が被覆するように折り曲げられていることを特徴とする、請求項3に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁シートは、コイル等に貼着して用いることができることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁手段は、前記ボビン巻きコイルの巻かれたコイルの表面部の少なくとも一部を被覆するように設けられた一または複数の絶縁用片状体であり、該絶縁用片状体は前記絶縁ボビンの一部として設けられ、かつ該絶縁用片状体はこれを該笠状部との境界において折り曲げることが可能なように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁用片状体は、前記ボビンの一方の笠状部から一側方に延長した状態で設けられ、これをコイル方向に折り曲げた場合に他方の笠状部に届く長さに形成されていることを特徴とする、請求項7に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記絶縁用片状体は、前記ボビンの一方の笠状部からは前記コイルの表面部を被覆し得るように予め折れ曲がった状態で設けられ、他方の笠状部からはその一側方に延長した状態で設けられ、後者をコイル方向に折り曲げた場合に、両者が合わさって巻かれたコイルの表面部を被覆できることを特徴とする、請求項7に記載のステータ巻線絶縁構造。
- 前記両絶縁用片状体は、それぞれの端部すなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部同士が合わさることによって巻かれたコイルの表面部を被覆できることを特徴とする、請求項9に記載のステータ巻線絶縁構造。
- ステータコイルを形成するために用いることのできる絶縁ボビンであって、該絶縁ボビンはコイルを巻き付けるための軸部と、該軸部の両端にそれぞれ設けられた笠状部とからなり、少なくとも一方の該笠状部にはそこから延長した状態で絶縁用片状体が一または複数設けられ、該絶縁用片状体はそれが設けられた笠状部とは異なるもう一方の笠状部方向に折り曲げることが可能なように形成されていることを特徴とする、絶縁ボビン。
- 前記絶縁用片状体は、これが設けられた笠状部とは異なるもう一方の笠状部に届く長さで形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の絶縁ボビン。
- 前記絶縁ボビンは、前記笠状部のうち一方を含む部分と他方の笠状部を含む部分とを組み合わせて一体の絶縁ボビンとして用いることのできるものであって、それぞれの笠状部に前記絶縁用片状体が設けられ、その少なくとも一方を他方の笠状部方向に折り曲げた場合に、両者が合わさって巻かれたコイルの表面部を被覆できるように形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の絶縁ボビン。
- 前記両絶縁用片状体は、それぞれの端部すなわち合わせ面がいずれも勾配のある斜面状に形成されており、該端部同士が合わさることによって前記巻かれたコイルの表面部を被覆できるように形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の絶縁ボビン。
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