JP2005136195A - シート型電磁波吸収材料とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電磁波吸収特性が面内で等方性を有するシート型電磁波吸収材料を提供する。
【解決手段】 誘電体中に粉末材料を分散させたシート型電磁波吸収材料において、当該シート型電磁波吸収材料は面内で複数のシート片1を組み合わせた構成となっており、各シート片1における誘電率が最大となる方向を主配向方向3としたとき、前記複数のシート片1の組み合わせが、一部のシート片1の主配向方向3を他のシート片1の主配向方向3とは向きが異なるように配列し組み合わされている。
【選択図】 図1
【解決手段】 誘電体中に粉末材料を分散させたシート型電磁波吸収材料において、当該シート型電磁波吸収材料は面内で複数のシート片1を組み合わせた構成となっており、各シート片1における誘電率が最大となる方向を主配向方向3としたとき、前記複数のシート片1の組み合わせが、一部のシート片1の主配向方向3を他のシート片1の主配向方向3とは向きが異なるように配列し組み合わされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、シート型電磁波吸収材料とその製造方法に関するものである。
電磁波を利用する携帯用通信機器、無線LAN、或いはETCなどのITS関連の普及に伴い、これら電子機器間での干渉による通信障害や機器の誤作動等の問題がクローズアップしている。これらの障害を回避するためには有効な電磁波シールド或いは電磁波吸収材の施工が必要である。これら通信手段に用いられている電磁波の周波数はGHz以上のマイクロ波領域に及んでいる。
従来の代表的な磁気損失型電磁波吸収材であるフェライトは、酸化鉄を主成分とし、鉄の一部をMn、Ni、Zn等で置き換えた強磁性酸化物の微粉末であり、特に金属と異なりある程度の電気的絶縁性を有していることから、GHz帯の高周波帯域でも活用可能な電磁波吸収材として広く利用されている。また代表的な誘電損失型電磁波吸収材であるカーボン粉末は大きな誘電損失を示しこれもGHz帯の高周波帯域で活用可能な電磁波吸収材として広く利用されている。
さらに、最近高周波通信機器、あるいは形態電話やノートパソコンのようなデジタル情報端末等の機器内ノイズ対策として薄型電磁波吸収体のニーズが高まっており、このような用途に対して電磁波吸収材として磁性合金の微細粉末、あるいは偏平加工を施した粉末が利用されている。
ところで、これらの電磁波吸収材を用いてシート型の電磁波吸収材料を形成する方法としては、これらの電波吸収材の粉末を、ゴム、各種樹脂材料、塗料などの誘電材に分散し、シート状に成形する手法が一般的に採用されている。その際、誘電材に分散する方法としてはロール混連やスクリューニーダーなどによる混練、あるいは塗料との攪拌などがある。また、シート状への加工手段としてはプレス成形、ロール圧延、押し出し、あるいは塗装などがある。
また一方、電磁波吸収特性としては反射減衰量(反射電磁波のエネルギ(I1)と入射電磁波のエネルギ(I2)の比、一般的にはdB表示で、反射減推量=−10×log(I2/I1))が20dB以上のものが一般的となっている。入射電磁波としては平面波、球面波、水平偏波、垂直偏波、円偏波など用途によって形態が大きく異なる。特に通信用途で用いられる電磁波では、通信チャネル確保の観点から水平偏波、垂直偏波、さらに円偏波とあらゆる方向の偏波が利用されるに至っており、対応する電磁波吸収体にも偏波によらない等方的な特性が求められている。
ところが、電磁波吸収材を誘電体に分散させたシート型電磁波吸収材料では、上記のように原料粉末をロール混連、あるいはロール圧延などにより成形する方法をとっているために、一般的に加工方向とその垂直方向で電磁波吸収特性が異なっている。すなわち、ロール混連あるいはロール圧延などの加工過程で、内部での粉末の方向に異方性が生じてしまい、方向によって成形体の誘電率および、透磁率が異なってしまい、電磁波吸収特性に異方性が生じてしまういわゆる列理と呼ばれる現象が起きてしまう。
このような異方性を有する電磁波吸収材料を用いた場合、入射電波の偏波方向が加工方向と平行の場合、垂直の場合で吸収周波数が異なってしまい、一方の偏波に対しては電磁波を吸収するが他方の偏波に対しては電磁波をまったく吸収しないなどの問題が生じる。入射電磁波の偏波の方向が水平偏波、あるいは垂直偏波などというふうに一方の偏波に固定されている場合はその方向に電磁波吸収体の方向を合わせることにより電磁波吸収体としての要求を満足させることが可能であるが、両方の偏波の電磁波が同時に入射する場合、大きな問題となる。
このような問題は、高性能吸収材として用いられている偏平加工粉末などで一層深刻となる。偏平加工粉末は粉末の最大サイズと厚みの比であるアスペクト比が大きく、圧延加工などによる列理が生じやすい。
特開2001−35711号公報
特開2002−76676号公報
本発明は、上述の現状に鑑みてなされたもので、その目的は、電磁波吸収特性が面内で等方性を有するシート型電磁波吸収材料とその製造方法を提供するものである。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明のシート型電磁波吸収材料は、誘電体中に粉末材料を分散させたシート型電磁波吸収材料において、当該シート型電磁波吸収材料は面内で複数のシート片を組み合わせた構成となっており、各シート片における誘電率が最大となる方向を主配向方向としたとき、前記複数のシート片の組み合わせが、一部のシート片の主配向方向を他のシート片の主配向方向とは向きが異なるように配列し組み合わされているものである。
誘電体中に粉末材料を分散させて成形されたシート型電磁波吸収材料は、通常、シート状に成形する加工過程で、配合した粉末材料が一方向に配向して異方性を示す、いわゆる列理と呼ばれる現象が起こり、電磁波吸収特性に異方性を生じる。そこで、本発明では、その電磁波吸収特性に異方性を有するシート型電磁波吸収材料を所望の大きさの複数のシート片とするとともに、各シート片における誘電率が最大となる方向を主配向方向としたとき、前記複数のシート片の組み合わせが、一部のシート片の主配向方向を他のシート片の主配向方向とは向きが異なるように面内で配列し組み合わせるようにしたもので、このように組み合わせることにより、電磁波吸収特性が面内で等方性を有するシート型電磁波吸収材料として形成することができる。この場合、本発明のシート型電磁波吸収材料は、シート片同士を隣り合わせに接合してシート型電磁波吸収材料として形成してもよいし、他のシート材の表面に隣り合わせに積層するように設け、積層部分は一定の厚みになるように成形した積層シート型電磁波吸収材料として形成してもよい。
そして、請求項2に係る発明のシート型電磁波吸収材料は、上記請求項1に記載のシート型電磁波吸収材料において、その誘電率が面内のどの方向に対しても略同一となるように前記シート片を配列してなるものである。
また、請求項3に係る発明のシート型電磁波吸収材料は、上記請求項1に記載のシート型電磁波吸収材料において、前記シート片の主配向方向を面内で互いに直交する2方向に分けて配列してなるものである。
また、請求項4に係る発明のシート型電磁波吸収材料は、上記請求項3に記載のシート型電磁波吸収材料において、前記互いに直交する2方向に分けて配列されたシート片の面積が、各方向で略同一となっているものである。
また、請求項5に係る発明のシート型電磁波吸収材料は、上記請求項1〜4のいずれかに記載のシート型電磁波吸収材料において、前記シート片の最短部長さを、吸収対象とする電磁波波長の10倍以下とするものである。なお、シート片の最短部長さとは、シー片が長方形の場合には短辺長さ、正方形の場合には辺の長さ、ひし形の場合には最短対角線長さを意味する。
また更に、請求項6に係る発明のシート型電磁波吸収材料の製造方法は、上記請求項1〜5のいずれかに記載のシート型電磁波吸収材料の製造方法であって、誘電体中に粉末材料を分散混合する工程、当該分散混合した誘電体をシート成形する工程、当該成形されたシート型誘電体を分断してシート片に分割する工程、当該分割されたシート片を再配列して改めてシート状に加工する工程からなるものである。
そして、請求項7に係る発明のシート型電磁波吸収材料の製造方法は、上記請求項6に記載のシート型電磁波吸収材料の製造方法において、前記分割されたシート片を再配列して改めてシート状に加工する工程が、金属あるいは誘電体の板にシート片を貼り付けする加工を含むものである。このような加工を採用することにより、分割されたシート片の再配列作業が容易になるとともに、電磁波吸収特性が面内で等方性を有する積層シート型電磁波吸収材料が製造できる。
また、請求項8に係る発明のシート型電磁波吸収材料の製造方法は、上記請求項6又は7に記載のシート型電磁波吸収材料の製造方法において、前記分割されたシート片を再配列して改めてシート状に加工する工程が、シート片を再配列した後にプレス成形あるいはロール圧延により一体化する加工を含むものである。
本発明に係るシート型電磁波吸収材料によれば、電磁波吸収特性が面内で等方性を有し、入射電磁波の偏波方向に関係なく全ての方向の偏波を吸収できる。また、本発明に係るシート型電磁波吸収材料の製造方法によれば、前記のような電磁波吸収特性を有するシート型電磁波吸収材料の製造が容易にできる。
以下、本発明の実施形態の説明と共に本発明の作用効果を詳細に説明する。
シート型電磁波吸収材料の電磁波吸収特性、すなわち電磁波の吸収周波数、吸収量は、シート型電磁波吸収材料に入射する電磁波の電場方向での誘電率、および、磁場方向での透磁率により決定される。従って、シート型電磁波吸収材料の誘電率および透磁率の材料特性に方向性があると、電磁波吸収特性に異方性が生じてしまう。
シート型電磁波吸収材料の電磁波吸収特性、すなわち電磁波の吸収周波数、吸収量は、シート型電磁波吸収材料に入射する電磁波の電場方向での誘電率、および、磁場方向での透磁率により決定される。従って、シート型電磁波吸収材料の誘電率および透磁率の材料特性に方向性があると、電磁波吸収特性に異方性が生じてしまう。
上記シート型電磁波吸収材料を作製する手法として、原料の混錬、シート形状への加工において、ロールによる混錬、圧延によるシート成形が生産性に優れ一般的に用いられているが、これらの手法を用いて電磁波吸収材である粉末を混入したコンパウンドを加工すると、加工方向に粉末の方向がそろう、いわゆる列理の発生は避けられず、作製した最終シートには電磁波吸収特性の異方性が生じてしまうことになる。
入射電磁波の偏波が一方向、たとえば水平偏波に限られている場合、船舶レーダー、空港航空機誘導用のビーコンなど、では、電磁波の偏波方向のみで吸収特性を最大化し偏波の方向にあわせて吸収体を施工することが可能である。この場合、偏波の方向に直交する方向の吸収特性は問われないため、方向性を有する電磁波吸収材料を用いることが可能で、従来はこのような手法で電磁波反射対策がなされていた。一方、前述のように、データ通信関連で利用されている電磁波は両偏波である場合が多く、この場合、面内等方性を有する電磁波吸収材料が不可欠となる。
一般的に、シート状に加工した場合、圧延方向に誘電率が高くなり、その結果、入射電磁波の電場方向が圧延方向に平行になった場合、電磁波の吸収周波数が低くなり、逆に垂直になった場合、吸収周波数が高くなる。このような異方性を解消する方法としては、もっとも単純には、シート状に成形した電磁波吸収材料を互いに直交する方向で電磁波吸収材料を施工する面に貼り付ける方法が考えられる。この場合、入射電磁波の偏波が水平、垂直いずれの場合にも、対称性から電磁波吸収特性は同等であり、したがって偏波の方向による電磁波吸収特性の差はなくなる。
この方法によると確かに偏波の方向による電磁波吸収特性の異方性が解消されるが、単純に直交する方向で電磁波吸収材料を貼り付けるだけでは電磁波吸収特性が大きく劣化してしまう。というのは、特定の偏波に対し、一方向の電磁波吸収材料がこれを完全に吸収できたとしても、それと垂直方向に配置された電磁波吸収材料では吸収が起こらずこの部分では電磁波が反射してしまい、結果として最悪の場合、50%の電波電力が反射、反射減衰量としては約3dB程度しか得られない事になり充分な吸収量は得られない。このような状況は入射電磁波が異なる方向(直交する方向)に配置された電磁波吸収材料シートからそれぞれ独立して反射することから生じる。
ところが、異なる方向に電磁波吸収材料を配置し、偏波の方向によらず等方的な電磁波吸収特性を示し、さらに、電磁波吸収特性を劣化させず維持することが可能である。すなわち、シート状の電磁波吸収材料を所望サイズのシート片に分割し、そのシート片の最短部長さを、吸収対象とする電磁波波長の10倍程度以下とすることにより、面内異方性を有するシート状の電磁波吸収材料を用い、等方的吸収特性を実現し、かつ、その吸収特性を維持することが可能となる。
これは、互いに異なる方向に配置したシート型電磁波吸収材料からの反射波がもはや独立したシート片からの反射波の足し合わせにはならず、それぞれが干渉しあいその結果大幅に反射強度が低下することによる。両方向のシート片からの反射波の干渉により電磁波反射強度を低下させるための設計としては、入射電磁波の電場がシート片の主配向方向(誘電率が最大となる方向、圧延方向)に対して平行と垂直での複素電磁波反射係数の各方向に配置されたシート片の面積率を用いた加重平均がちょうど対象とする電磁波周波数でゼロとなるようにするということとなる。特に、それぞれの方向に配置するシート片の面積比が1、すなわち互いに直交する2方向に等しい面積比で振り分けて配向させる場合には、入射電磁波の電場がシート片の主配向方向に平行方向のときの吸収周波数と垂直な場合の吸収周波数の中間付近でそれぞれのシート単体では電波吸収量が得られない周波数が反射波干渉の結果実際の吸収周波数となる。
このような電磁波吸収材料の作製方法としては、電磁波吸収材として用いる粉末原料を、ゴム、樹脂その他の誘電体原料とともにロール混錬し、混練後の電磁波吸収材料をシート片に一旦分断した後、主配向方向(ロール混練方向)を面内でランダムな方向に分散させて配置させるあるいは、面内で互いに直交する2方向に振り分けて配置させる、さらには面内で互いに直交する2方向に等しい面積比で振り分けて配置した後にプレス成形あるいはロール圧延により一体化することにより得られる。又は、電磁波吸収材として用いる粉末原料を、ゴム、樹脂その他の誘電体原料とともにロール混錬し、シート状に加工した後に、シート片に分断した後、金属性の裏板、あるいは誘電体板にシート片を貼り付けることによっても得ることができる。その際にシート片の面内最小部サイズを対象電磁波波長の10倍以下とすることにより、面内のすべての方向に対して一般的な電磁波吸収特性である20dBの反射減衰量を得ることができる。シート片の最小部サイズが波長の10倍をこえると、それぞれのシート片からの電磁波反射が独立して起こり対象周波数での吸収量は急速に低下する。
鉄鋼の線材からのデスケール粉末を吸収材粉末として用いたゴムシート型電磁波吸収材料を作製し、シート片に分割した後互いに直行する方向で再配置し、電磁波吸収特性を調べた。偏平状デスケール粉末の平均サイズは30μmで平均の厚みは4μmである。吸収材粉末の体積充填率は50%とし、ポリマーとしてCRゴムを用いた。
原料粉末をまずロール混錬により混合し、プレス加硫により500mm×500mm×3.5mmに成形した。加硫条件は160℃×40分である。成形後のシートを所定のサイズの正方形のシート片に切断し、図1に示すように、そのシート片1を2m×2mのアルミ板2の上に粘着性の両面テープを用いて主配向方向(圧延方向を矢印3で示す)を互いに直交して接する升目状に貼り付け(図1はその1部を示す)、電磁波吸収特性を測定した。電磁波吸収特性は吸収材料から5mの距離におかれたホーンアンテナを用い、周波数2〜4GHzでネットワークアナライザを用いたタイムドメイン法により測定を行った。
図2、図3に電磁波吸収材料のシート片1のサイズが2mの場合(全面同じ方向)と10cmの場合について吸収特性の測定結果を示す。シート片1のサイズが2mの場合には、入射電波の偏波が水平の場合と垂直の場合でまったく異なる電磁波吸収特性を示しており、どちらの偏波に対しても20dB以上の吸収量を示す周波数は存在しない。一方、シート片1のサイズが10cmの場合には、水平偏波、垂直偏波いずれに対してもほぼ同等の吸収特性を示し、約3GHzあたりで両偏波に対して20dB以上の吸収量を得ることができている。
図4にシート片のサイズと周波数が3GHzでの吸収量の関係を調べた結果を示す。シート片1のサイズが100cm以下の小さい正方形の場合には充分高い吸収量を示している。シート片1のサイズが1m程度になると3GHzでの吸収量は20dB程度まで落ち、さらにシート片1のサイズが大きくなるにつれ急速に吸収量が低下する。電磁波吸収材料としての性能として一般的に求められている20dBを得るためにはシート片1のサイズを3GHzでの波長、約10cmの10倍以下にする必要があることがわかる。
カーボンを吸収材粉末として用いたゴムシート型電磁波吸収材料を作製し、その吸収材料を混錬、シート片に加工した後、互いに直行する方向で金型中で再配置し、プレス成形によりシート状に加工した後、電波吸収特性を調べた。ポリマーとしてCRゴムを用い、吸収材粉末の充填率は54PHRとした。
原料粉末をまずロール混錬により混合しシーティングした後、そのシートを所定のサイズの正方形のシート片に切断し、そのシート片を図1同様に金型中に互いに直交して接する升目状に配置しプレス加硫により500mm×500mm×1.9mmに成形した。加硫条件は160℃×40分である。成形後、500mm×500mmのアルミ裏板を貼り付け電磁波吸収特性を測定した。電磁波吸収特性はホーンアンテナを用い、周波数8〜12GHzでネットワークアナライザを用いたタイムドメイン法により測定を行った。
図5、図6にシート片のサイズが50cmの場合(全面同じ方向)と5cmの場合について電磁波吸収特性の測定結果を示す。シート片のサイズが50cmの場合には、電磁波吸収特性の異方性が現れているがシート片のサイズが5cmの場合には、水平偏波、垂直偏波いずれに対してもほぼ同等の吸収特性を示し、約10GHzあたりで両偏波に対して20dB以上の吸収量を得ることができている。
図7にシート片のサイズと周波数が10GHzでの吸収量の関係を調べた結果を示す。シート片のサイズが小さい場合には充分高い吸収量を示している。シート片のサイズが250mmになると10GHzでの吸収量は20dB程度まで落ち、さらにシート片のサイズが大きくなると吸収量が大きく低下する。シート片のサイズが10GHzでの波長、約3cmの10倍以下の場合、電磁波吸収材料としての性能として一般的に求められている20dBを得ることができる。
実施例2と同様に、カーボンを吸収材粉末として用いたゴムシート型電磁波吸収材料を作製し、その吸収材料を混錬、シート片に加工した後、互いに直行する方向で金型中で再配置し、プレス成形によりシート状に加工した後、電磁波吸収特性を調べた。ポリマー、吸収材粉末の充填率、原料粉末のロール混錬、加硫の方法等はすべて実施例2と同じである。本例では、原料粉末をまずロール混錬により混合しシーティングした後、そのシートを互いに直行する方向で所定のサイズの短冊(500mm×Wmm)のシート片に切断し、図8に示すように、そのシート片4を金型中に配置し、プレス加硫により500mm×500mm×1.9mmに成形した。成形後、500mm×500mmのアルミ裏板を貼り付け電波吸収特性を測定した。なお、図8において矢印5は主配向方向を示す。
図9にシート片のサイズと周波数が10GHzでの吸収量の関係を調べた結果を示す。シート片4のサイズ(幅)が小さい場合には充分高い吸収量を示している。シート片4の幅すなわち最小部のサイズが250mmになると10GHzでの吸収量は20dB程度まで落ち、さらにシート片4のサイズが大きくなると吸収量が大きく低下する。シート片4のサイズが10GHzでの波長、約3cmの10倍以下の場合、電磁波吸収材料としての性能として一般的に求められている20dBを得ることができる。
1:シート片 2:アルミ板 3:矢印(主配向方向)
4:シート片 5:矢印(主配向方向)
4:シート片 5:矢印(主配向方向)
Claims (8)
- 誘電体中に粉末材料を分散させたシート型電磁波吸収材料において、当該シート型電磁波吸収材料は面内で複数のシート片を組み合わせた構成となっており、各シート片における誘電率が最大となる方向を主配向方向としたとき、前記複数のシート片の組み合わせが、一部のシート片の主配向方向を他のシート片の主配向方向とは向きが異なるように配列し組み合わされていることを特徴とするシート型電磁波吸収材料。
- 請求項1に記載のシート型電磁波吸収材料において、その誘電率が面内のどの方向に対しても略同一となるように前記シート片が配列されてなるシート型電磁波吸収材料。
- 前記シート片の主配向方向を面内で互いに直交する2方向に分けて配列してなる請求項1に記載のシート型電磁波吸収材料。
- 前記互いに直交する2方向に分けて配列されたシート片の面積が、各方向で略同一となっている請求項3に記載のシート型電磁波吸収材料。
- 前記シート片の最短部長さが、吸収対象とする電磁波波長の10倍以下である請求項1〜4のいずれかに記載のシート型電磁波吸収材料。
- 誘電体中に粉末材料を分散混合する工程、当該分散混合した誘電体をシート成形する工程、当該成形されたシート型誘電体を分断してシート片に分割する工程、当該分割されたシート片を再配列して改めてシート状に加工する工程からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート型電磁波吸収材料の製造方法。
- 前記分割されたシート片を再配列して改めてシート状に加工する工程が、金属あるいは誘電体の板にシート片を貼り付けする加工を含むものである請求項6に記載のシート型電磁波吸収材料の製造方法。
- 前記分割されたシート片を再配列して改めてシート状に加工する工程が、シート片を再配列した後にプレス成形あるいはロール圧延により一体化する加工を含むものである請求項6又は7に記載のシート型電磁波吸収材料の製造方法。
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