JP2005134706A - 芯出し加工方法及び微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法並びに転写母型製造装置 - Google Patents

芯出し加工方法及び微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法並びに転写母型製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ランダムな微細凹凸形状を、高効率で歩留まり良く製造することが可能な微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法を提供する。
【解決手段】 母型基材42と、母型基材42を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段45と、母型基材42の外周面42cを切削加工するための切削手段44と、母型基材42の外周面42cに圧痕を打刻するための打刻手段43と、制御手段54とを用いて、母型基材42の外周面42cを切削加工して母型基材42の芯出しを行い、次に母型基材42の外周面42cに圧痕を打刻することを特徴とする転写母型の製造方法を採用する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法及び転写母型製造装置に関するものである。
携帯電話や携帯用ゲーム機などの携帯電子機器では、そのバッテリ駆動時間が使い勝手に大きく影響するために、消費電力を抑えることができる反射型液晶表示装置を表示部として備えている。反射型液晶表示装置は、その前面から入射する外光を反射するための反射膜を備えており、その形態としては液晶パネルを構成する2枚の基板の間に反射膜を内蔵したものや、透過型の液晶パネルの背面側に前記反射膜を備えた反射体を配設したものが知られている。
例えば、特許文献1に記載の反射型液晶表示装置では、液晶層を透過した光を反射させるための反射体を、光を散乱させる際の指向性が異なる2種類以上の領域により構成し、かつ前記各領域の最大寸法が5mm角以下としている。すなわち、拡散指向性の異なる領域を1画素内、又は画素単位で混合し、必要な反射特性を得るようになっている。
このような拡散反射性を持たせる反射帯表面の凹凸構造の形成方法としては、特許文献1、あるいは特許文献2等に記載されているように、サンドブラスト、エッチャントによるエッチング、フォトリソグラフィ等が利用され、フィルム基材に対してはエンボス加工等が用いられている。
特許第3019058号公報 特開平9−54318号公報
しかしながら、上述の形成方法により形成した微細な凹凸形状を有する反射体では、その反射特性を所望の状態に制御することが極めて困難であるという問題があった。これは、反射体の反射、拡散特性に異方性や非対称性を付与するためには、前記凹凸形状を適切に制御する必要があるが、上述の方法では、凹凸部の分布にランダム性を付与するのは容易であるものの、凹凸部が等方的な形状にならざるを得ないためである。そこで、反射面の微細凹凸形状を高精度かつ高効率に製造することができる加工ツールの開発が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ランダムな微細凹凸形状を、高効率で歩留まり良く製造することが可能な微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の芯出し加工方法は、基準面上に回転自在に保持された略円柱状の基材と、該基材を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段と、前記基材の外周面を切削加工又は研磨加工するための切削研磨手段と、前記基材の外周面に所定の加工を行う外周面加工手段と、前記基材駆動手段及び前記切削研磨手段及び前記外周面加工手段を制御する制御手段とを用いて、前記基材に真円状の基準加工面を形成するとともに、該基準加工面に所定の加工を行うことを特徴とする。
また、前記所定の加工は、該基準加工面に微小圧痕を形成する加工であることが好ましい。
次に、本発明の微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法は、定盤上で回転自在に保持された略円柱状の母型基材と、該母型基材を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段と、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削手段と、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻するための打刻手段と、前記基材駆動手段及び前記切削手段及び前記打刻手段を制御する制御手段とを用いて、前記制御手段により前記基材駆動手段と前記切削手段とを作動させて、前記母型基材の外周面を切削加工して前記母型基材の芯出しを行い、次に前記制御手段により前記基材駆動手段と前記打刻手段とを作動させて、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻することを特徴とする。
上記の転写母型の製造方法によれば、定盤上で母型基材を回転自在に保持した状態で、母型基材の外周面を切削加工して芯出しされた状態で切削後の外周面に圧痕を打刻するので、母型基材の回転中芯に対する圧痕の形成位置及び圧痕の深さの精度を高めることができる。即ち、母型基材を定盤に対して回転自在に保持した状態で芯出しを行うことで、母型基材の回転中芯を正確に決めることができる。そして、この母型基材を定盤から分離させずに圧痕を打刻するので、回転中芯に対する圧痕の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
このようにして製造された転写母型を用いて反射体の凹凸形状を形成することで、反射特性を所望の状態に容易に制御することができる。
また、本発明の微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法は、先に記載の転写母型の製造方法であり、前記切削手段が、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削工具と、前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動させるための工具搬送部とからなり、前記母型基材を回転させつつ前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動して、前記母型基材の回転軸が前記定盤の定盤面に平行となるように芯出しを行うことを特徴とする。
上記の転写母型の製造方法によれば、母型基材の回転中芯の軸方向を定盤面と平行にすることができるので、回転中芯に対する圧痕の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
また、本発明の微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法は、先に記載の転写母型の製造方法であり、前記母型基材の両端を回転自在に支持した状態で芯出し及び圧痕の打刻を行うことを特徴とする。
上記の転写母型の製造方法によれば、前記母型基材の両端を回転自在に支持した状態で芯出し及び圧痕の打刻を行うので、加工中に母型基材の回転中芯がぶれることがなく、回転中芯に対する圧痕の形成位置及び及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
次に、本発明の転写母型製造装置は、定盤上で回転自在に保持された略円柱状の母型基材と、該母型基材を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段と、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削手段と、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻するための打刻手段と、前記基材駆動手段及び前記切削手段及び前記打刻手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記の転写母型製造装置によれば、切削手段と打刻手段が備えられているので、圧痕の形成を位置精度良く行うことができる。
また、本発明の転写母型製造装置は、先に記載の転写母型製造装置であって、前記定盤に対して着脱自在な保持部材が備えられ、前記母型基材の回転軸方向が前記定盤の定盤面に平行となるように前記母型基材が前記保持部材によって回転自在に支持されていることを特徴とする。
上記の転写母型製造装置によれば、母型基材を保持部材とともに定盤から取り外すことができるので、母型基材を加工して得られた転写母型を転写型の製造に用いることができる。
また、本発明の転写母型製造装置は、先に記載の転写母型製造装置であって、前記切削手段が、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削工具と、前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動させるための工具搬送部とからなることを特徴とする。
上記の転写母型製造装置によれば、前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動させることができ、前記母型基材の軸方向を前記定盤の定盤面に平行にすることができる。
また、本発明の転写母型製造装置は、先に記載の転写母型製造装置であって、前記打刻手段が、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻するための圧子と、該圧子を前記母型基材の径方向に駆動させるための圧子駆動部と、前記圧子を前記母型基材の軸方向に駆動させるための圧子搬送部とからなることを特徴とする。
上記の転写母型製造装置によれば、圧子の移動方向と母型基材の平行度をサブミクロンレベルで一致させることができ、圧子を前記母型基材の径方向及び軸方向に動かすことができるので、母型基材の軸方向に対する圧痕の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
また、本発明の転写母型製造装置は、先に記載の転写母型製造装置であって、前記制御手段は、前記基材駆動手段と前記切削手段を作動させることにより前記母型基材の外周面を切削加工させて前記母型基材の芯出しをした後に、前記基材駆動手段と前記打刻手段を作動させることにより前記母型基材の外周面に圧痕を打刻させるように構成されたことを特徴とする。
上記の転写母型製造装置によれば、母型基材の芯出しをした後に、母型基材を保持部材から取り外さずに圧痕を打刻させるので、回転中芯に対する圧痕の形成位置及び深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
また、本発明の転写母型製造装置は、先に記載の転写母型製造装置であって、前記保持部材は、前記定盤上に載置される保持本体部と該保持本体部から突出形成された一対の保持脚と該保持脚の先端に取り付けられた軸受とから構成され、前記母型基材は、略円柱状の母型本体部と該母型本体部の両端に設けられた一対の軸部とから構成され、各軸部に前記軸受が各々嵌め込まれて前記保持部材と前記母型基材とが一体化されていることを特徴とする。
上記の転写母型製造装置によれば、母型基材の両端の回転軸に軸受が嵌め込まれて一体化されているので、母型基材が片持ちで固定されている場合と比べて回転軸のぶれがほとんどなくなるので、芯出しによって回転中芯を正確に得ることができ、圧痕の形成位置及び深さの精度を高めることができる。
本発明の転写母型の製造方法によれば、定盤上で母型基材を回転自在に保持した状態で、母型基材の外周面を切削加工して芯出しをするとともに切削後の外周面に圧痕を打刻するので、母型基材の回転中芯に対する圧痕の形成位置及び圧痕の深さの精度を高めることができる。即ち、母型基材を定盤に対して回転自在に保持した状態で芯出しを行うことで、母型基材の回転中芯を正確に決めることができる。そして、この母型基材を定盤から分離させずに圧痕を打刻するので、回転中芯に対する圧痕の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
このようにして製造された転写母型を用いて反射体の凹凸形状を形成することで、反射特性を所望の状態に容易に制御することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(反射体の製造方法)
まず、本発明に係る転写母型により作製される反射体について説明する。図1は、反射体の構成の一例を示す部分斜視図であり、図2Aは、図1に示す反射体に形成された凹部の平面構成図であり、図2Bは、図2Aに示すG−G線に沿う断面構成図である。
図1に示す反射体10は、AlやAg等の高反射率の反射膜12と、この反射膜12に所定の表面形状を与えるためのアクリル樹脂材料などからなる有機膜11とを備えて構成されている。この有機膜12の表面に、複数の凹部13が設けられており、この凹部13上に形成された反射膜12により反射性を得ている。
図2A、図2Bに示す凹部13の内面は、本発明で好適に用いられる凹部の一例であり、各々半径が異なる2つの球面の一部である第1曲面13aと、第2曲面13bとを含んでおり、これらの曲面13a,13bの中芯O,Oは凹部13の最深点Oの法線上に配置されており、第1曲面13aはOを中芯とする半径R1の球面の一部とされ、第2曲面13bはOを中芯とする半径R2の球面の一部とされている。そして、図2Aに示す平面図において、凹部13の最深点Oを通過し、G−G線に直交する直線Hの近傍において第1曲面13aと第2曲面13bとが概ね区画されている。
図3は、上記構成を備えた反射体10に、図2における図示右側から入射角30°で光を照射し、受光角を反射面に対する正反射の方向である30°を中芯として±30°の範囲(0°〜60°;0°が液晶パネル20の法線方向に相当)で振って反射体10の反射率(%)を測定した結果を示すグラフである。
この図に示すように、上記構成を備えた反射体10によれば、半径の大きい第1曲面13a及び半径の比較的小さい球面からなる第2曲面13bによって決まる傾斜角の分布幅と頻度を反映することから、反射光が広角に散乱されて約15°〜50°の広い受光角範囲で高い反射率を得ることができる。特に、半径が比較的大きい球面からなる第1曲面13aにおける反射により、前記第2曲面13bよりも特定方向の狭い範囲に散乱される反射が生じるため、全体として反射率が正反射方向である30°よりも小さい角度で最大となり、そのピークの近傍における反射率も高くなる。その結果、反射体10に入射し反射された光のピークが正反射方向よりも反射体10の法線方向に近い側にシフトするので、反射体10正面方向の反射輝度を高めることができる。従って、例えば本実施形態の反射体10を液晶表示装置の反射層に適用するならば、液晶表示装置の正面方向における反射輝度を向上させることができ、もって液晶表示装置の観察者方向への輝度を高めることができる。
次に、上記構成の反射体を製造する方法について図面を参照して以下に説明する。
図4Aは、反射体の凹凸形状を形成するための微細凹凸面形成用の母型組立体の一例を示す分解斜視図であり、図4Bは母型組立体の平面模式図であり、図5は、図4に示す母型を用いてロール版を作製する工程を示す断面構成図、図6は、図5に示す工程により作製されたロール版の断面構造を示す図、図7は、図6に示すロール版を用いて反射体の凹凸形状を形成する工程を示す斜視構成図である。
図4A及び図4Bに示す母型組立体15は、転写母型16と保持部材17とから構成されている。転写母型(以下、母型と表記する)16は、母型本体部16aと軸部16bとからなり、鉛や銅、真ちゅう、はんだ、ステンレス鋼あるいはニッケルメッキされた超硬タングステンなどから構成されている。母型本体部16aの外周面16cには微細な凹部が多数形成されている。この外周面16aに形成される凹部の形状は、図1に示す凹部13とほぼ同様の形状であり、この外周面16aの形状が図1に示す有機膜11の表面形状に相当する。
また図4Aに示すように、母型本体部16aの長手方向両端に一対の軸部16b、16bが設けられている。各軸部16bには、母型本体部16aに近い順に基部16bと雄ネジ部16bと先端部16bとが形成されている。そして、図4A及び図4Bに示すように、各基部16bにベアリング17a(軸受)が各々嵌め込まれ、各雄ネジ部16bに固定ワッシャ17b及びナット17cが各々装着されている。
更に、図4A及び図4Bに示すように、保持部材17は、保持本体部17dと保持本体部17dから突出形成された一対の保持脚17e、17eと保持脚17e、17eの先端に取り付けられるベアリング17a、17aとから構成されている。保持脚17e、17eの先端にはU字状溝17f、17fが各々設けられており、このU字状溝17f、17fにベアリング17a、17aが嵌め込まれている。また、保持部材17には固定ボルト17g、17gが備えられており、この固定ボルト17gを締め付けることでU字状溝17f、17fからベアリング17a、17aが固定される。このようにして転写母型16と保持部材17とが一体化されている。
次に、図5Aに示すように、図4に示す母型16の表面形状を転写樹脂膜20に転写する。この工程において、母型組立体15は母型16がステージ19上に向けられて配置されている。また、母型16とステージ19との間に、被加工物である転写樹脂膜20を表面に塗布された基板18が通過できるようになっている。母型16と基板18との間には、母型16の滑りを防止するために回転/移動を同期するための手段を設けることもできる。母型16と基板18は、どちらか一方のみで駆動することもできる。また上記基板18の送り方向上流側に、基板18上に転写樹脂膜20を塗布形成する樹脂供給部22が設けることもできる。母型16よりも下流側の基板18上方に紫外線照射部24が配設されている。尚、転写加工時の材料の粘度制御のために、樹脂供給部22と母型16との間の基板18上方に、第2の紫外線照射部を設けても良い。
また、母型組立体15の近傍にモータ21が備えられ、母型16の軸部の先端部16bとモータ21との間には無端環状ベルト202が巻掛けられている。このようにして、モータ21の駆動力が無端環状ベルト202を介して母型16に伝達されるように構成されている。
基板18は、ガラス基板やプラスチック基板、樹脂フィルム基板などを用いることができる。また、樹脂供給部22により基板18上に塗布形成される転写樹脂膜20は、本実施形態では紫外線硬化樹脂を用いているが、熱硬化樹脂であっても良く、その場合には、紫外線照射部24に代えてヒートランプ等の熱源若しくは冷却装置を配設すればよい。
上記構成の図5Aに示す工程では、モータ21を回転駆動させることにより母型16を回転させた状態で、母型16とステージ19との間に基板18を挿入して基板18を図示右方向へ移動させながら、基板18上の転写樹脂膜20を母型16の表面に押し付けて母型16の表面形状を転写樹脂膜20に転写し、転写樹脂膜20表面に凹凸面25を形成する。転写樹脂膜20は、予めスピンコーター等で基板18に塗布しておくか、もしくは基板18を図示右方向へ移動させながら、樹脂供給部22により樹脂材料を順次塗布することにより形成し、母型16による加工後に紫外線照射部24による硬化を行ってその表面形状を保持するようになっている。以上の工程により、転写樹脂膜20表面に母型16と逆凹凸の凹凸面25が形成された樹脂版26を得る。
次に、図5Bに示すように、図5Aに示す工程により得られた樹脂版26の凹凸面25上に、金属膜27を成膜する。次いで、金属膜27を電極として用いた電解メッキによりNi膜28を形成する(Ni電鋳)。上記金属膜27は、金メッキ膜等とすることが好ましく、このような金属膜を形成することで、金属膜27とNi膜28との剥離をNi膜28に破損を生じることなく容易に行うことができる。
上記金属膜27及びNi膜28の膜厚は、特に限定されないが、金属膜27が10nm〜100nm程度、Ni膜28が10μm〜1mm程度とすればよい。
次に、図5Bに示すように金属膜27上にNi膜28を形成したならば、金属膜27と樹脂膜20との界面で両者を剥離し、次に金属膜27とNi膜28の界面で両者を剥離し、Ni膜28に離型膜29を形成する。このようにして一面側に母型16表面と略同一の凹凸形状が形成されたNi膜28と、Ni膜28の凹凸形状に沿う離型膜29とからなるNi版30を得る。尚、金属膜27と剥離膜29は同一(兼用)でも良い。
次に、図5Cに示すように、上記工程で得たNi版30の離型膜29上に、Ni電鋳によりNi膜31を形成する。このNi膜31の形成に際しては、図5Bに示すNi膜28と同様の形成方法を適用することができる。また、Ni膜31の膜厚は、特に限定されないが、10μm〜100μm程度とすればよい。次いで、上記にて形成したNi膜31を離型膜29から剥離して、母型16の表面と逆凹凸の表面形状を有するNi版を得る。
次に、図5Dに示すように、上記工程にて得られたNi版(Ni膜31)の凹凸面と反対側の面に、ゴムなどの弾性体からなる緩衝材32を貼着する。そして、図6に示すように、円柱状の基体34に、緩衝材32を内側にして巻き付けることで、母型15と逆凹凸の表面形状を有するロール版35(転写型)が得られる。尚、緩衝材32の接着/接合には、トリアジンチオールを用いた加硫接着法を用いることもできる。
そして、図7に示すように、ガラスやプラスチックなどからなる製品基板37の被加工領域38若しくは全面に、紫外線硬化樹脂や、熱硬化樹脂を塗布して有機膜を形成し、その後上述の工程により作製したロール版35を回転させながら被加工領域38に押圧することで前記被加工領域38の有機膜表面にロール版35のNi膜31の表面形状を転写する。次いで、加工された有機膜を紫外線照射や加熱により硬化し、有機膜表面にAlやAg等の高反射率の金属反射膜を形成することで、図1に示す本実施形態に係る反射体を得ることができる。なお、被加工領域38は製品基板37と同サイズでもよい。
また、有機膜の加工に用いられるロール版35と、被加工領域38とは、ロール版35の加工面(Ni膜31表面の凹凸形状が形成された領域)35aの幅W1が被加工領域38の幅W2よりも広く、ロール版35の円周が被加工領域38の長さLよりも長くなるように組み合わされる。これは、図6に示すロール版35の円周上に、図5Dに示すNi膜31を緩衝材32とともにロール状に巻回した継ぎ目が生じること、及びNi膜31の幅が有限であることによる。すなわち、図7に示す工程で、上記ロール版35の継ぎ目が被加工領域38上を通過しないようにする必要があり、また、加工領域35aの幅方向の端部も被加工領域38に掛からないようにする必要があるからである。
本実施形態の製造方法において、図7に示す被加工領域38は、1つの反射体の有機膜で構成されていても良く、複数の反射体の有機膜を含んで構成されていていてもよい。また、図8に示すように、ロール版35の幅W1よりも小さい幅W2を有する複数の被加工領域38Aが配列形成された製品基板37Aを用い、ロール版35を用いた加工を各被加工領域38Aに対して行うようにすることもできる。つまり、ロール版35を1周回転させて加工することができる領域の面積と、被加工領域38,38Aの面積とが上述の関係となっていれば、被加工領域38,38A内に形成される有機膜の区画や、製品基板37,37Aの寸法等に制限はない。
また、上述の説明では、母型16と逆凹凸のロール版35を作製し、製品基板37の有機膜上に母型16と略同一形状の凹凸を形成する場合について説明したが、本発明においては、製品基板37の加工に際して種々の形態を採用することができる。例えば、母型16を用いて直接製品基板37の有機膜の加工を行うこともでき、その場合には、図1及び図2に示す反射体10とは逆凹凸の表面形状を有する反射体を製造することができる。更には、Ni膜31をロール版35の形態とせずに、板状に保持したまま有機膜に押圧して製品基板37の加工を行っても良い。また、同様の加工にはNi膜28も適用することができる。
(母型の製造方法)
次に、図4に示す母型16の製造方法について説明する。図9は、図4に示す母型16を作製するための母型製造装置の一実施の形態を示す工程図である。この図に示す母型製造装置40は、定盤41と、円柱状の母型基材42と、母型基材42の上方に配置されて母型基材42の外周面に圧痕を打刻する打刻手段43と、母型基材42の下方に配置されて母型基材42の外周面を切削加工する切削手段44とをその要部として備えており、前記母型基材42は、その一側端面(図示左側側面)に無端環状ベルト45aを介して接続された基材駆動部45(基材駆動手段)によりその軸周りに回転自在とされている。また母型基材42には、鉛や真ちゅう、はんだ、ステンレス鋼、超硬鋼またはニッケルメッキされたタングステン等の塑性加工が比較的容易な金属材料の基材が用いられる。また、母型基材42には、図5に示す転写樹脂膜20の幅(図5では紙面垂直方向の長さ)よりも凹部60が形成される領域の基材軸方向の長さWが大きいものを選択する。また、母型基材42の径は、特に限定されないが、基材42の径が小さすぎると圧子47により打刻される被加工面の曲率が大きくなること、若しくは自重や荷重によるたわみによって加工精度が低下するおそれがあるため、実用上は少なくとも10mmφ程度以上とすることが好ましい。
また、母型製造装置40には、定盤41に対して着脱自在な保持部材17が備えられている。この保持部材17は、図4A及び図4Bで説明した保持部材17と同一構成のものであり、図示略のベアリングを介して母型基材42が回転自在に支持されている。母型基材42は、その回転軸方向が定盤41の定盤面41aと平行になるように保持部材17によって支持されている。
保持部材17は、定盤41上に載置される保持本体部17dと保持本体部17dから突出形成された一対の保持脚17e、17eと保持脚17e、17eの先端に取り付けられた図示略の軸受とから構成され、母型基材42は、略円柱状の母型本体部42aと母型本体部42aの両端に設けられた一対の軸部42b、42bとから構成され、各軸部42bに図示略の軸受が各々嵌め込まれて保持部材17と母型基材42とが一体化されている。また、保持部材17は定盤41に対して着脱自在とされている。
また、切削手段44は、母型基材42の外周面42cを切削加工するための切削工具44aと、切削工具44aを母型基材42の回転軸方向と平行な方向に移動させるための工具搬送部44bとから構成されている。工具搬送部44bは、定盤面41a上に備えられたレール部44cとレール部44cを走行するスライダ部44dとから構成され、スライダ部44dに切削工具44aが取り付けられている。
次に、打刻手段43は、母型基材42の外周面42cに圧痕を打刻するための圧子47と、圧子47を母型基材42の径方向に駆動させるための圧子駆動部48と、圧子47を母型基材42の軸方向に駆動させるための圧子搬送部49とから構成されている。
圧子47は、圧子駆動部48により母型基材42の径方向に移動自在とされており、先端部(図示下方側)に向かって先細りに形成されており、先端47aは母型基材42に打刻する圧痕の形状に加工されている。すなわち、図2に示す形状の凹部13を有する図1の反射体10を製造するための母型を作製する場合には、図2に示す凹部13と逆凹凸の形状を圧子47の先端部47aに形成する。図10は、図2に示す形状の凹部13を有する反射体を形成するための母型16の作製に好適な圧子の先端部47aの形状を示す断面構成図である。この図に示す圧子47は、その先端部47aが、各々半径が異なる外側に凸なる球面の一部を成す第1曲面47Aと、第2曲面47Bとを含んで構成された例を示している。すなわち、図2に示す凹部13の第1曲面13aの内面と図10に示す第1曲面47Aの外面とがほぼ一致する形状とされ、第2曲面13b内面と第2曲面47B外面とがほぼ一致する形状とされている。
尚、上記先端部の形状は、作製する反射体の凹部(又は凸部)の形状に応じて適宜変更することができる。圧子47は、例えばステンレス製の本体の先端に所定形状に加工されたダイヤモンドを設けたものを使用することができ、超硬鋼、セラミックス、タングステン等であっても良い。この圧子47の先端47aの材質は母型基材42の材質に応じて適宜選択することができる。
また圧子駆動部48は、スライダ56に支持されて母型基材42の長さ方向(図示左右方向)に移動自在とされ、圧子駆動部48とスライダ56とにより基材42を加工するための加工ヘッドを成している。圧子駆動部48としては、圧子47を上下方向にコンマ数μm〜数十μm程度駆動して母型基材42の加工を行うことができる駆動手段であれば問題なく用いることができ、例えばソレノイドやピエゾ素子(圧電素子)等を好適な例として挙げることができる。
図9中、加工ヘッド移動手段57(圧子搬送部)は、加工ヘッド(圧子駆動部48及びスライダ56)を母型基材42の軸方向に沿って移動可能に支持しており、さらに長手方向位置決め制御手段55と係合されて加工ヘッドの基材42長手方向の位置制御も可能にしている。そして、スライダには図示略の上下ステージが内蔵されており、圧子駆動部48と圧子47を0.数μm〜数100μmピッチで母型基材42の軸方向に移動できるようになっている。
また、基材駆動部45(基材駆動手段)は、無端環状ベルト45aを介して母型基材42の軸部42bの先端部に接続されており、この基材駆動部45により母型基材42を回転できるようになっている。また、基材駆動部45は0.数μm〜数mmのピッチで母型基材42の軸周りの位置を制御できるようになっている。そのため、基材駆動部45にはサーボモータやステッピングモータなどの微小回転量を制御できる駆動手段が用いられる。あるいは、無端環状ベルト45aを用いず、ダイレクトドライブモータを用いても良い。
更に母型製造装置40には制御手段54が備えられている。この図の例では、切削手段44を一体化した例を示しており、制御手段54は、基材駆動部45と切削手段44を作動させることにより母型基材42の外周面42cを切削加工させて母型基材42の芯出しをした後に、基材駆動手段45と打刻手段43を作動させることにより外周面42cに圧痕を打刻させる。
以上の構成を備えた母型製造装置40により母型基材42の加工を行うには、まず、図9に示すように、円柱状の母型基材42と保持部材17を一体化させた状態で定盤41上に設置するとともに母型基材42の軸部42bの先端部を基材駆動部45に接続する。また、スライダ56に支持された圧子駆動部48及び圧子47を、母型基材42の中芯軸上方の初期位置(例えば母型基材42の右端部)に移動させる。更に、切削工具44aを、母型基材42の中芯軸下方の初期位置(例えば母型基材42の左端部)に移動させる。
このようにして加工の準備が完了したならば、制御手段54によって基材駆動部45と切削手段44とを作動させる。まず、基材駆動部45によって母型基材42を軸周りに回転駆動する。次に図11に示すように、切削手段44に備えられた切削工具44aを母型基材42の軸方向に平行に移動させつつ、切削工具44aの先端を母型基材42の外周面42cに接触させて外周面42cを研磨加工する。このようにして母型基材42の芯出し加工を行う。この芯出し加工によって、母型基材42の回転軸が定盤41の定盤面41aと平行になる。
次に、芯出し加工が終了したならば、図12に示すように、圧子駆動部48を作動させて圧子47を図示下方へ移動させ、圧子の先端47aにより母型基材42表面に凹部60(圧痕)を形成する。その後圧子47を上方へ移動させて母型基材42と離間させ、次いで、基材駆動部45を動作させて所定ピッチだけ母型基材42を回転駆動する。また、加工ヘッド移動手段57に接続された径方向位置決め制御手段55とを動作させてスライダ56(及び圧子47)を所定ピッチだけ母型基材42の軸方向に移動させる。このようにして母型基材42及び圧子47の移動が完了したならば、上記と同様に圧子駆動部48を動作させて圧子47による母型基材42表面への凹部60の打刻を行う。
そして、上記工程を順次繰り返し行い、図12に示すように、多数の凹部60…を母型基材42の外周面42cに形成していく。この工程により母型基材42表面の領域に、所定範囲のピッチと深さを有する多数の凹部60が形成され、図4に示すような加工領域16を備えた母型16が得られる。
上記の転写母型の製造方法によれば、定盤41上で母型基材42を回転自在に保持した状態で、母型基材42の外周面42cを切削加工して芯出しをするとともに切削後の外周面42cに凹部60(圧痕)を打刻するので、母型基材42の回転中芯に対する凹部60の形成位置及び凹部60の深さの精度を高めることができる。即ち、母型基材42を定盤41に対して回転自在に保持した状態で芯出しを行うことで、母型基材42の回転中芯を正確に決めることができる。そして、この母型基材42を定盤41から分離させずに凹部60を打刻するので、回転中芯に対する凹部60の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。このようにして製造された転写母型を用いて反射体の凹凸形状を形成することで、反射特性を所望の状態に容易に制御することができる。
また、上記の転写母型の製造方法によれば、母型基材42の回転中芯の軸方向を定盤面41aと平行にすることができるので、回転中芯に対する凹部60の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
更に、上記の転写母型の製造方法によれば、母型基材42の両端を回転自在に支持した状態で芯出し及び凹部60の打刻を行うので、加工中に母型基材42の回転中芯がぶれることがなく、回転中芯に対する凹部60の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
また、上記の転写母型製造装置40によれば、切削手段44と打刻手段43が備えられているので、母型基材42の芯出し及び凹部60の形成を一度に行うことができる。
また、上記の転写母型製造装置40によれば、母型基材42を保持部材17とともに定盤41から取り外すことができるので、母型基材42を加工して得られた転写母型16を転写型の製造に用いることができる。
更に、上記の転写母型製造装置によれば、切削工具44aを母型基材42の軸方向と平行に移動させることができ、母型基材42の軸方向を定盤41の定盤面41aと平行することができる。更に、圧子47を母型基材42の径方向及び軸方向に動かすことができるので、母型基材42の軸方向に対する凹部60の形成位置及びその位置での深さの精度をサブミクロン(1μm未満)オーダーまで高めることができる。
また、母型基材42の両端の軸部42bに軸受が嵌め込まれて一体化されているので、母型基材42が片持ちで固定されている場合と比べて軸部42bのぶれがほとんどなくなるので、芯出しによって回転中芯を正確に得ることができ、圧痕の形成位置及び深さの精度を高めることができる。
具体的には、母型基材を片持ちで保持した状態で数μm程度の直径の凹部を形成した場合、凹部の形成位置の精度が数μm〜十数μmとなり、凹部の深さの精度が数μm程度になるが、本発明の転写母型製造装置40を用いた場合には、凹部の形成位置の精度が数μmまで向上し、凹部の深さの精度がコンマ数μm程度にまで向上する。
(液晶表示装置)
図13は、本発明に係る反射体を液晶表示装置の反射層に適用した例を示す斜視構成図であり、図14は、図13に示す液晶表示装置の部分断面構成図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図13及び図14に示すように、フロントライト(照明装置)110と、その背面側(図示下面側)に配置された反射型の液晶パネル120とを備えて構成されている。
フロントライト110は、図13に示すように、略平板状の透明の導光板112と、その側端面112aに沿って配設された中間導光体113と、この中間導光体113の片側の端面部に配設された発光素子115と、前記中間導光体113、発光素子115及び導光板112の側端部を覆うように中間導光体113側から被着された遮光性のケース体119とを備えて構成されている。すなわち、前記発光素子115と中間導光体113とがフロントライト110の光源とされ、導光板の側端面112aが導光板の入光面とされている。また、図13に示すように、導光板112の外面側(図示上面側)に、中間導光体113が配設された入光面112aに対して傾斜した向きに延在するように複数のプリズム溝114が配列形成されている。
液晶パネル120は、対向して配置された上基板121と下基板122とを備えて構成され、図13に点線で示す矩形状の領域120Dが液晶パネル120の表示領域とされ、表示領域120D内には実際には液晶パネルの画素がマトリクス状に配列形成されている。
上記構成の液晶表示装置は、液晶パネル120の表示領域120D上に導光板112が配置され、この導光板112を透過して液晶パネル120の表示を視認できるようになっている。また、外光が得られない暗所では、発光素子115を点灯させ、その光を中間導光体113を介して導光板112の入光面113から導光板内部へ導入し、導光板112の図示下面112bから液晶パネル120へ向けて出射させ、液晶パネル120を照明するようになっている。
フロントライト110の導光板112は、液晶パネル120の表示領域上に配置されて発光素子115から出射された光を液晶パネル120に落射する平板状の部材であり、透明なアクリル樹脂などから構成されている。図14の部分断面図に示すように、導光板112の図示上面(液晶パネル120と反対側の面)は、断面視くさび状のプリズム溝114が互いに平行に平面視ストライプ状に形成された反射面112cとされており、図示下面(液晶パネル120と対向する面)は、液晶パネル120を照明するための照明光が出射される出射面112bとされている。前記プリズム溝114は、反射面112cの基準面Nに対して傾斜して形成された一対の斜面部により構成され、これらの斜面部の一方が緩斜面部114aとされ、他方がこの緩斜面部114aよりも急な傾斜角度に形成された急斜面部114bとされている。この緩斜面部114aは、導光板112の光伝搬方向の長さが短いほど傾斜角度を大きく、また前記長さが長いほど傾斜角度を小さく形成することで、フロントライト110の輝度の均一性を高めることができる。そして、導光板112内部を図示右側から左側へ伝搬する光を、反射面面112cの急斜面部114bにより出射面112b側へ反射して導光板112の背面側に配置された液晶パネル120に向けて出射させるようになっている。
液晶パネル120は、カラー表示が可能な反射型のパッシブマトリクス型液晶パネルを示しているが、本発明は反射型又は半透過反射型のパッシブマトリクスあるいはアクティブマトリクス型パネルにも適用することができる。図14に示すように、対向して配置された上基板121と下基板122との間に、液晶層123を挟持して構成され、上基板121の内面側に、図示左右方向に延在する平面視短冊状の複数の透明電極126aとこの透明電極126a上に形成された配向膜126bとを備え、下基板122の内面側には、反射層125、カラーフィルタ層129、複数の平面視短冊状の透明電極128a、及び配向膜128bが順次形成されている。
上基板121の透明電極126aと、下基板122の透明電極128aは、いずれも短冊状の平面形状に形成されており、平面視ストライプ状に配列されている。そして、透明電極126aの延在方向と、透明電極128aの延在方向とは平面視において互いに直交するように配置されている。従って、一つの透明電極126aと一つの透明電極128aとが交差する位置に液晶パネル120の1ドットが形成され、それぞれのドットに対応して後述する3色(赤、緑、青)のカラーフィルタのうち1色のカラーフィルタが配置されるようになっている。そして、R(赤)、G(緑)、B(青)に発色する3ドットが、液晶パネル120の1画素を構成している。
カラーフィルタ層129は、赤、緑、青のそれぞれのカラーフィルタ129R,129G,129Bが、周期的に配列された構成とされており、各カラーフィルタは、それぞれ対応する透明電極128aの下側に形成され、各画素120c毎にカラーフィルタ129R,129G,129Bの組が配置されている。そして、それぞれのカラーフィルタ129R,129G,129Bと対応する電極を駆動制御することで、画素120cの表示色が制御されるようになっている。
次に、図14に示す下基板122の内面側に形成された反射層125は、図1の斜視構成図に示す構成を備えたものであり、図1に示すように、AlやAg等の高反射率の金属反射膜12と、この金属反射膜12に所定の表面形状を与えるためのアクリル樹脂材料などからなる有機膜11とを備えて構成されている。この有機膜11の表面に、複数の凹部13が設けられており、この凹部13上に形成された金属反射膜12により所定の反射性を得ている。従って、本実施形態に係る液晶表示装置の反射層125の凹部13は、図2に示す形状を有しており、図3に示す反射特性を有しているので、広い角度範囲で高輝度の反射表示が可能であるとともに、反射輝度のピークが、正反射方向よりもパネル法線方向へシフトしているため、通常液晶表示装置の観察者が配置されるパネル正面方向の輝度を高めることができ、実質的に明るい表示を得ることができる。
本実施形態に係る液晶パネル120に備えられた有機膜11は、本発明に係る反射体の製造方法により作製されるものであり、先に記載の反射体の製造方法により容易かつ再現性よく製造することができる。また、上記製造方法を適用することで、電極126a、128aや、カラーフィルタ層129のピッチに変更が生じた場合であっても、極めて容易に反射層125の凹凸の配列パターンを変更することができる。また、上記の反射層125に、微小開口を所定開口率で形成することによって、いわゆる半透過型液晶表示装置とすることもできる。
図1は、本発明に係る反射体の構成の一例を示す部分斜視図である。 図2Aは、図1に示す反射体に形成された凹部の平面構成図であり、図2Bは、図2Aに示すG−G線に沿う断面構成図である。 図3は、図1に示す反射体10に、図2における図示右側から入射角30°で光を照射し、受光角を反射面(反射層25表面)に対する正反射の方向である30°を中芯として±30°の範囲(0°〜60°;0°が液晶パネル20の法線方向に相当)で振って反射体10の反射率(%)を測定した結果を示すグラフである。 図4Aは、本実施形態の製造方法において、反射体の凹凸形状を形成するための転写母型を備えた母型組立体を示す分解斜視図であり、図4Bは母型組立体の平面図である。 図5は、図4に示す母型組立体を用いてロール版を作製する工程を示す断面構成図である。 図6は、図5に示す工程により作製されたロール版の断面構造を示す図である。 図7は、図6に示すロール版を用いて反射体の凹凸形状を形成する工程を示す斜視構成図である。 図8は、本実施形態の製造方法による有機膜の加工工程の他の例を示す斜視構成図である。 図9は、図4に示す転写母型を作製するための転写母型製造装置の一例を示す工程図である。 図10は、図9に示す転写母型製造装置に備えられた圧子の先端形状の一例を示す断面構成図である。 図11は、図4に示す転写母型を作製するための転写母型製造装置の一例を示す工程図である。 図12は、図4に示す転写母型を作製するための転写母型製造装置の一例を示す工程図である。 図13は、本発明に係る反射体を液晶表示装置の反射層に適用した例を示す斜視構成図である。 図14は、図13に示す液晶表示装置の部分断面構成図である。
符号の説明
17…保持部材、17a…軸受、17d…保持本体部、17e…保持脚、40…転写母型製造装置、41…定盤、41a…定盤面(基準面)、42…母型基材(基材)、42a…母型本体部、42b…軸部、42c…外周面(基準加工面)、43…打刻手段(外周面加工手段)、44…切削手段(切削研磨手段)、44a…切削工具、44b…工具搬送部、45…基材駆動部(基材駆動手段)、47…圧子、48…圧子駆動部、49…圧子搬送部、54…制御手段、60…凹部(圧痕)

Claims (11)

  1. 基準面上に回転自在に保持された略円柱状の基材と、該基材を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段と、前記基材の外周面を切削加工又は研磨加工するための切削研磨手段と、前記基材の外周面に所定の加工を行う外周面加工手段と、前記基材駆動手段及び前記切削研磨手段及び前記外周面加工手段を制御する制御手段とを用いて、
    前記基材に真円状の基準加工面を形成するとともに、該基準加工面に所定の加工を行うことを特徴とする芯出し加工方法。
  2. 前記所定の加工が、該基準加工面に微小圧痕を形成する加工であることを特徴とする請求項1に記載の芯出し加工方法。
  3. 定盤上で回転自在に保持された略円柱状の母型基材と、該母型基材を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段と、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削手段と、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻するための打刻手段と、前記基材駆動手段及び前記切削手段及び前記打刻手段を制御する制御手段とを用いて、
    前記制御手段により前記基材駆動手段と前記切削手段とを作動させて、前記母型基材の外周面を切削加工して前記母型基材の芯出しを行い、次に前記制御手段により前記基材駆動手段と前記打刻手段とを作動させて、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻することを特徴とする微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法。
  4. 前記切削手段が、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削工具と、前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動させるための工具搬送部とからなり、前記母型基材を回転させつつ前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動して、前記母型基材の回転軸が前記定盤の定盤面に平行となるように芯出しを行うことを特徴とする請求項3に記載の微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法。
  5. 前記母型基材の両端を回転自在に支持した状態で芯出し及び圧痕の打刻を行うことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の微細凹凸面形成用の転写母型の製造方法。
  6. 定盤上で回転自在に保持された略円柱状の母型基材と、該母型基材を軸周りに回転駆動するための基材駆動手段と、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削手段と、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻するための打刻手段と、前記基材駆動手段及び前記切削手段及び前記打刻手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする転写母型製造装置。
  7. 前記定盤に対して着脱自在な保持部材が備えられ、前記母型基材の回転軸方向が前記定盤の定盤面に平行となるように前記母型基材が前記保持部材によって回転自在に支持されていることを特徴とする請求項6に記載の転写母型製造装置。
  8. 前記切削手段が、前記母型基材の外周面を切削加工するための切削工具と、前記切削工具を前記母型基材の軸方向と平行に移動させるための工具搬送部とからなることを特徴とする請求項6に記載の転写母型製造装置。
  9. 前記打刻手段が、前記母型基材の外周面に圧痕を打刻するための圧子と、該圧子を前記母型基材の径方向に駆動させるための圧子駆動部と、前記圧子を前記母型基材の軸方向に駆動させるための圧子搬送部とからなることを特徴とする請求項6に記載の転写母型製造装置。
  10. 前記制御手段は、前記基材駆動手段と前記切削手段を作動させることにより前記母型基材の外周面を切削加工させて前記母型基材の芯出しをした後に、前記基材駆動手段と前記打刻手段を作動させることにより前記母型基材の外周面に圧痕を打刻させるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の転写母型製造装置。
  11. 前記保持部材は、前記定盤上に載置される保持本体部と該保持本体部から突出形成された一対の保持脚と該保持脚の先端に取り付けられた軸受とから構成され、前記母型基材は、略円柱状の母型本体部と該母型本体部の両端に設けられた一対の軸部とから構成され、各軸部に前記軸受が各々嵌め込まれて前記保持部材と前記母型基材とが一体化されていることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の転写母型製造装置。

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