JP2005134659A - ホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法ならびにホログラム再生方法 - Google Patents

ホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法ならびにホログラム再生方法 Download PDF

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淳 岡本
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Abstract

【課題】 光学系が簡易で小型化が可能で実用化に優れ、低クロストークでホログラム多重記録および再生を可能とする。
【解決手段】 二次元情報を有する情報光1をフォトリフラクティブ媒質13に入力すると共に、フォトリフラクティブ媒質13にビームファニング・スペックル6を発生させるスペックル発生光9を入力し、ビームファニング・スペックル6と情報光1とをフォトリフラクティブ媒質13内で交差させることによりフォトリフラクティブ媒質13に干渉縞を形成してホログラムを記録する。この動作を、動作ごとにスペックル発生光9の入射条件を可変して行うことにより、フォトリフラクティブ媒質13の同一箇所に各ホログラム記録動作時の入力情報光1に対応するホログラムを多重記録する。ホログラムの再生時には、個別のホログラム記録時のスペックル発生光照射条件と同じ条件でスペックル発生光9をフォトリフラクティブ媒質13に照射する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フォトリフラクティブ媒質にビームファニング・スペックルを発生させて記録するホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法ならびに、多重記録されたホログラムを個別再生するホログラム再生方法に関するものである。
ホログラム媒質の同一箇所にホログラムを多重記録して、二次元的な情報をホログラム媒質の同一箇所に多重記録することが提案されている。例えば、記録媒質へのホログラム記録時に、二次元情報を有する情報光と共に入射する参照光の入射角度や波長、位相等を変化させることによってホログラムを多重記録する方法が提案されている。この提案において、上記参照光としてランダム位相媒質を通過したスペックル状の強度分布を有する光波を用いるスペックル多重記録方式は、その光学系の簡易性や低クロストーク性から大きな注目を集めている(例えば、非特許文献1参照。)。
図7には、スペックル多重記録方式のホログラム多重記録方法が模式的な説明図により示されている。同図に示すように、例えば記録媒質としてのホログラム媒質3に、図示されていない光源から発せられて、二次元情報を有する情報光(ここでは、図7のEに示す情報を有する物体光)1を入射すると共に、ランダム位相媒質4を通過したスペックル状の強度分布を有する光波を参照光2として用いて、この参照光2を前記ホログラム媒質3に入射すると、情報光1と参照光2の干渉縞として、ホログラムをホログラム媒質3に記録することができる。
ホログラム媒質3は、例えばフォトリフラクティブ媒質やフォトポリマー等により形成される。ランダム位相媒質4は、すりガラスやマルチモード光ファイバにより形成され、参照光2はランダム位相媒質4を透過することにより、その光軸に垂直な光断面の空間位相がランダムに分布している。結果として、ホログラム媒質3中に記録されるホログラムも、参照光2の光軸に垂直な光断面の空間位相分布がランダムな空間位相分布となる。
上記ホログラムの記録ごとに、ランダム位相媒質4を機械的に移動あるいは回転させることによって、互いに相関の低いランダム波面を有する参照光2を生成して情報光1と共にホログラム媒質3に入射すると、ホログラム媒質3の同一箇所に複数のホログラムを多重記録し、二次元的な情報を媒質中の同一箇所に多重記録することができるので、高密度記録を実現することができる。
また、上記スペックル多重記録方式のホログラム多重記録方法によって多重記録されたホログラムから個別にホログラムを選択再生するときは、前記参照光2と同一光路を伝搬する読み出し光5をホログラム媒質3へ入射する。
この読み出し光5が、ホログラムが記録時の参照光2と同一の空間的位相分布を持つ場合、ホログラムによる読み出し光5の回折光同士が強め合うように干渉し、情報光が再生されて出力光11が得られる(図7のB参照)。これに対し、読み出し光5の空間位相分布が記録時の参照光2の空間位相分布と異なる場合は、ホログラムによる読み出し光5の回折光同士が打ち消し合うように干渉し、情報光は再生されない。
したがって、それぞれ異なる参照光のランダム空間位相分布をアドレス情報とした複数のホログラムを、ホログラム媒質3の同一箇所に多重記録し、かつ、多重記録したホログラムのうち必要なホログラムを選択的に個別再生できることになる。
ここで、ランダム位相媒質4としてすりガラスを用いた場合、参照光2および読み出し光5の空間位相分布はすりガラスを光軸方向あるいは光軸に対し垂直方向に変位させることにより変化させる。また、ランダム位相媒質4としてマルチモード光ファイバを用いた場合、参照光2および読み出し光5の空間位相分布は光ファイバに加えられる応力、熱、あるいは光ファイバの回転により変化させる。
上記のような、スペックル多重記録方式のホログラム多重記録方法およびホログラム再生方法は、参照光ミラーの複雑な機械的動作を必要とする角度多重記録方式や高価な波長可変レーザを必要とする波長多重方式に比べて、簡易な光学系で多重記録を実現することができる。
また、角度多重記録方式や波長多重記録方式においては、ホログラムからの高次の回折光が原理上必然的に発生し、クロストークの主原因となるが、スペックル多重記録方式のホログラム多重記録方法およびホログラム再生方法は、この高次の回折光が発生しないという特長があり、非常に低クロストークなホログラムの多重記録が可能となる。
Vladimir Markov, James Millerd,James Trolinge, and Mark Norrie: "Multilayer volume holographic optical memory",Opt,Lett.,24,4,pp.265-267,1999.
しかしながら、従来のスペックル多重記録方式においては、スペックル発生のために、ランダム位相媒質4として、すりガラスやマルチモード光ファイバ等を含む光学系を、参照光2および読み出し光5の光路上に設置する必要がある。また、ランダム位相媒質4の透過に伴って広角に散乱する参照光2をホログラム媒質3上に集光するための高NA(開口度)のレンズを、ランダム位相媒質4とホログラム媒質3との間に配設する必要がある。このレンズは大型であり、したがって、従来のスペックル多重記録方式を用いたホログラム多重記録装置は、小型化が難しいといった問題があった。
また、ランダム位相媒質4としてすりガラスを使用する光学系は、マルチモード光ファイバを使用する光学系と比べて小型ではあるものの、同一の粗面を有するすりガラスを複製することは非常に困難であり、この問題が実用化を阻害していた。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、光学系が簡易で小型化が可能であり、かつ、低クロストークでホログラムの多重記録と個別再生を行うことができる実用化に優れたホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法ならびにホログラム再生方法を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明のホログラム多重記録装置は、フォトリフラクティブ媒質と、該フォトリフラクティブ媒質にビームファニング・スペックルを発生させるスペックル発生光の入力部と、二次元情報を有する情報光を前記フォトリフラクティブ媒質に入力する情報光入力部と、前記スペックル発生光の入射条件を可変して前記ビームファニング・スペックルの波面を変化させるスペックル発生光入射条件可変部とを有し、前記ビームファニング・スペックルと前記情報光とがフォトリフラクティブ媒質内で交差するように前記スペックル発生光の入力部と前記情報光入力部とが配置されて、前記ビームファニング・スペックルと前記情報光との交差により前記フォトリフラクティブ媒質に干渉縞を形成して前記情報光に対応するホログラムを記録する構成とし、前記スペックル発生光入射条件可変部によって前記ホログラムの記録動作ごとに前記スペックル発生光の入射条件を可変しながら前記ホログラム記録動作を行うことにより前記フォトリフラクティブ媒質の同一箇所にそれぞれのホログラム記録動作時の入力情報光に対応するホログラムを多重記録する構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明のホログラム多重記録装置は、上記第1の発明の構成に加え、前記スペックル発生光のフォトリフラクティブ媒質への入射角度はフォトリフラクティブ媒質へのスペックル発生光の入射によって前記フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しやすい角度に形成され、情報光のフォトリフラクティブ媒質への入射角度はフォトリフラクティブ媒質に情報光が入射しても前記フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しにくい角度に形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第3の発明のホログラム多重記録装置は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記スペックル発生光入射条件可変部は、スペックル発生光のフォトリフラクティブ媒質への入射位置と入射角度の一方または両方を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変する構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第4の発明のホログラム多重記録装置は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記スペックル発生光入射条件可変部は、スペックル発生光の空間強度分布を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変するスペックル発生光空間強度分布可変部とした構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第5の発明のホログラム多重記録装置は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記スペックル発生光入射条件可変部は、スペックル発生光の空間位相分布を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変するスペックル発生光空間位相分布可変部とした構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第6の発明のホログラム多重記録装置は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記スペックル発生光入射条件可変部の代わりに、ビームファニング・スペックルの波面を可変する波面可変光をフォトリフラクティブ媒質に照射してビームファニング・スペックルの波面を変化させる波面可変光照射部を設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第7の発明のホログラム多重記録方法は、二次元情報を有する情報光をフォトリフラクティブ媒質に入力すると共に、該フォトリフラクティブ媒質にビームファニング・スペックルを発生させるスペックル発生光を入力し、前記ビームファニング・スペックルと前記情報光とをフォトリフラクティブ媒質内で交差させることにより前記フォトリフラクティブ媒質に干渉縞を形成してホログラムを記録する動作を、その記録動作ごとに前記スペックル発生光の入射条件を可変して行うことにより、前記フォトリフラクティブ媒質の同一箇所にそれぞれのホログラム記録動作時の入力情報光に対応するホログラムを多重記録する構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第8の発明のホログラム多重記録方法は、上記第7の発明の構成に加え、前記スペックル発生光のフォトリフラクティブ媒質への入射によってフォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しやすい角度からスペックル発生光を入力し、前記フォトリフラクティブ媒質に情報光が入射してもフォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しにくい角度から情報光を入力する構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第9の発明のホログラム多重記録方法は、上記第7または第8の発明の構成に加え、前記スペックル発生光の入射条件は、スペックル発生光の入射位置と入射角度と空間強度分布と空間位相分布の少なくとも一つとした構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第10の発明のホログラム多重記録方法は、上記第7または第8の発明の構成に加え、前記スペックル発生光の入射条件を可変する代わりに、ビームファニング・スペックルの波面を可変する波面可変光をフォトリフラクティブ媒質に照射してビームファニング・スペックルの波面を変化させる構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第11の発明のホログラム再生方法は、上記第7乃至第10のいずれか一つの発明のホログラム多重記録方法を用いて記録された複数のホログラムを個別に再生するホログラム再生方法であって、個別のホログラム記録時のスペックル発生光照射条件と同じ条件でスペックル発生光をフォトリフラクティブ媒質に照射することにより、フォトリフラクティブ媒質に多重記録されているホログラムのうちの対応する照射条件のホログラムを選択的に個別再生する構成をもって課題を解決する手段としている。
本発明のホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法によれば、フォトリフラクティブ媒質に、二次元情報を有する情報光を入力すると共に、前記フォトリフラクティブ媒質にビームファニング・スペックルを発生させるスペックル発生光を入力し、該ビームファニング・スペックルをフォトリフラクティブ媒質内で前記情報光と交差させることにより前記フォトリフラクティブ媒質に干渉縞を形成してホログラムを記録する動作を、その記録動作ごとに前記スペックル発生光の入射条件を可変して行うので、フォトリフラクティブ媒質の同一箇所に、それぞれのホログラム記録動作時の入力情報光に対応するホログラムを低クロストークで簡単に多重記録することができる。
なお、フォトリフラクティブ媒質は、書き換え可能なホログラム媒質であり、フォトリフラクティブ媒質に固有の現象としてビームファニング現象が存在する。このビームファニング現象は、フォトリフラクティブ媒質にコヒーレントな光波が入射した場合、その光波とc軸(結晶軸)との角度に応じて、入射ビーム(光波)がその伝播方向から媒質固有の方向に向けて扇型に広がり、その結果、ランダムな空間位相分布を有するスペックルパターンを形成する現象である。このスペックルを、本発明においては、ビームファニング・スペックルと呼ぶ。
なお、ビームファニング現象は、非常に複雑な現象であり、前記光波の広がる方向はフォトリフラクティブ媒質によって固有の方向であるが、フォトリフラクティブ媒質が一軸性のフォトリフラクティブ結晶である場合、ビームファニング現象により、結晶内の光波はc軸の方向へ扇型に広がる。
上記ビームファニング・スペックルと、コヒーレントな光により形成された情報光とが交差すると、干渉縞が形成されてフォトリフラクティブ媒質にホログラムが記録される。また、ビームファニング・スペックルの空間位相分布や空間強度分布は、スペックル発生光の入射条件(入射境界条件)を変化させることにより変化する。なお、ここで言う、スペックル発生光の入射条件は、スペックル発生光の光軸に垂直な断面の空間位相分布、スペックル発生光の光軸に垂直な断面の空間強度分布、スペックル発生光入射位置、入射角度等の条件である。
したがって、フォトリフラクティブ媒質内でのビームファニング・スペックルと情報光との交差によってホログラムを記録する動作を、その記録ごとにスペックル発生光の入射条件を変化させて行うことにより、簡単な装置構成で、フォトリフラクティブ媒質の同一箇所に記録動作ごとの入力情報光に対応するホログラムを低クロストークで多重記録することができる。
つまり、本発明のホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法においては、前記ランダム位相媒質を用いたスペックル多重記録方式と異なり、同一粗面の形成が困難なすりガラスや、大型化を招くマルチモード光ファイバを必要とせず、フォトリフラクティブ媒質へのスペックル発生光の入射条件をホログラム記録動作ごとに可変しながらスペックル発生光を入射して、フォトリフラクティブ媒質内部の非線形光学効果により、ホログラム記録動作ごとに波面の異なるビームファニング・スペックルを発生させてホログラムの多重記録を行うので、実用化に優れ、装置の小型化を実現できる。
また、前記ビームファニング現象の発生の程度および発生方向は、光波の入射角、媒質方位角に大きく依存するので、本発明のホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法において、フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しにくい角度から情報光を入力し、フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しやすい角度からスペックル発生光を入力する構成によって、スペックル発生光により確実にビームファニング・スペックルを発生し、情報光のフォトリフラクティブ媒質への入射側ではビームファニング現象の発生を抑制できるので、S/N比を向上できる。
さらに、本発明のホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法において、スペックル発生光の入射条件を、スペックル発生光の入射位置としたり、スペックル発生光の入射角度としたり、スペックル発生光の空間強度分布としたり、スペックル発生光の空間位相分布としたりすることにより、ビームファニング・スペックルの波面を容易に、かつ、的確に可変でき、的確にホログラム多重記録を行える装置やホログラム多重記録方法を実現できる。
さらに、本発明のホログラム多重記録装置およびホログラム多重記録方法において、スペックル発生光の入射条件を可変する代わりに、ビームファニング・スペックルの波面を可変する波面可変光をフォトリフラクティブ媒質に照射してビームファニング・スペックルの波面を変化させる構成においても、上記と同様に、ビームファニング・スペックルの波面を容易に、かつ、的確に可変でき、的確にホログラム多重記録を行える装置や方法を実現できる。
さらに、本発明のホログラム再生方法によれば、上記ホログラム多重記録方法を用いて記録された複数のホログラムを個別に再生する際に、ホログラム記録時のフォトリフラクティブ媒質へのスペックル発生光照射条件と同じ条件でスペックル発生光をフォトリフラクティブ媒質に照射することにより、容易に、かつ、的確に、フォトリフラクティブ媒質に多重記録されているホログラムのうちの前記スペックル発生光照射条件に対応するホログラムを選択的に個別再生することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
図1には、本発明に係るホログラム多重記録装置の一実施形態例の要部構成が模式的な説明図により示されている。同図に示すように、本実施形態例の装置は、フォトリフラクティブ媒質13を有している。このフォトリフラクティブ媒質13は、例えば5mm×5mm×5mmの立方体状に形成されたBaTiO3結晶のフォトリフラクティブ結晶により形成されている。
また、本実施形態例では、フォトリフラクティブ媒質13にビームファニング・スペックル6を発生させるスペックル発生光9の入力部8と、二次元情報を有する情報光(ここでは、図1に示す情報Eを有する物体光)1を前記フォトリフラクティブ媒質13に入力する情報光入力部7とを有している。
スペックル発生光の入力部8と情報光入力部7は互いに交差する位置に配置され、かつ、前記ビームファニング・スペックル6と前記情報光1とがフォトリフラクティブ媒質13内で交差するように、スペックル発生光の入力部8と情報光入力部7とが配置されている。そして、前記ビームファニング・スペックル6と前記情報光1との交差により干渉縞が形成されて、前記情報光1に対応するホログラムが前記フォトリフラクティブ媒質13に記録される構成としている。
また、スペックル発生光9のフォトリフラクティブ媒質13への入射角度が、スペックル発生光9をフォトリフラクティブ媒質13に入力したときに該フォトリフラクティブ媒質13にビームファニング現象が発生しやすい角度になるように、スペックル発生光の入力部8が配置されている。一方、情報光1のフォトリフラクティブ媒質13への入射角度が、情報光1をフォトリフラクティブ媒質13に入射しても該フォトリフラクティブ媒質13にビームファニング現象が発生しにくい角度になるように、情報光入力部7が配置されている。
ホログラムの多重記録を実行するにあたり、ビームファニング・スペックル6の波面は、ビームファニング現象により十分にランダム化されていることが望ましく、これに対し、情報光1が受けるビームファニング効果はできる限り抑制されていることが、出力光11のS/N比の観点から望ましいため、本実施形態例では、上記のような配置構成としている。
フォトリフラクティブ媒質13として適用されるフォトリフラクティブ結晶は、その光学軸に対してどの角度で面がカットされているかによって特性が変化するものであり、用いる結晶によって、スペックル発生光9と情報光1の最適な入射角度を設定する必要がある。
つまり、フォトリフラクティブ媒質13をフォトリフラクティブ結晶とした場合、BaTiO3結晶においては、光波の伝搬方向(光軸方向)と結晶のc軸とが結晶内部で同一方向を向いている場合、すなわち、結晶に入射する光波と結晶のc軸との成す角度θが0の時にビームファニング現象発生程度が最小値となり、この角度θが45度の場合に最大値、90度の場合に極小値(最小値よりは大きい値)、135度の場合に最大値、そして、180度の時に最小値(0の時と同じ値)となるように変化する。
本実施形態例では、スペックル発生光9のうち、スペックルとならずに結晶内を直進していく成分と、情報光1とがフォトリフラクティブ媒質13の結晶内で重ならないようにするために、前記角度θを、あえて0または180度に近い値とせず、図2(b)に示すように、情報光1とc軸とを略直交させて、前記角度θを90度に近い値とし、ビームファニング・スペックルが発生しにくい角度としている。
つまり、本実施形態例では、情報光1の光軸がフォトリフラクティブ媒質13の結晶端面法線に対して7°の角度を有するように、情報光入力部7を配置している。
これに対し、図2(b)に示すように、スペックル発生光9と結晶のc軸とが、結晶内部で45度程度の角度をなすようにスペックル発生光9を入射することにより、前記のようにビームファニング現象発生程度を最大値に近い値とし、最もビームファニング・スペックルが発生し易いようにしている。
つまり、本実施形態例では、スペックル発生光9の光軸が結晶端面法線に対して36°の角度を有するように、スペックル発生光の入力部8を配置している。
なお、これらのスペックル発生光9と情報光1の入射角度は、上記値に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
また、フォトリフラクティブ媒質13を90度カット結晶とした場合は、結晶外部での光波の伝搬方向と結晶端面法線との間の角度が90度に近いほうが、結晶内部では光波とc軸とのなす角度がより45度に近づくことになり、ビームファニング・スペックルも発生しやすくなる。一方、光波の伝搬方向と結晶端面法線との角度が0度に近い場合は、光波とc軸とが直交する(光波の伝搬方向とc軸との成す角度がほぼ90度となる)ことになり、ビームファニング・スペックルが発生しにくい角度となる。
情報光1とスペックル発生光9は、共にコヒーレントな異常光線により形成できる。例えば波長633nmのHe−Neレーザ光源を配置からの光を分岐して、一方の分岐光を偏光板と半波長板を介して情報光入力部7に導き、情報光1とすることができ、他方の光をスペックル発生光の入力部8に導いてスペックル発生光9とすることができる。
なお、フォトリフラクティブ媒質中で発生するビームファニング現象は、前記の如く、フォトリフラクティブ媒質に固有の現象であり、フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が生じることは公知であるが、ここで、この現象発生に大きく寄与するフォトリフラクティブ効果および二波混合について説明する。
フォトリフラクティブ効果とは、光の照射によりフォトリフラクティブ媒質内に空間電界が発生し、ポッケルス効果を介してフォトリフラクティブ媒質の屈折率が変化する現象である。例えばフォトリフラクティブ媒質の一つであるフォトリフラクティブ結晶は、非点対称な伝導体であり、光励起により結晶中を自由に移動できる電荷を含んでいる。これらの電荷は結晶格子中の不純物や欠損から生じている。
図5に示すように、結晶に照射されたビーム(1)及びビーム(2)からなる2光波の干渉により、干渉縞ができ、結晶内に周期的な光の強度分布I(x)が発生する。ここで、光が強めあう所(明の部分)と、光が打ち消しあう所(暗の部分)が存在し、明の部分では、光エネルギーにより電子が、ドナーから伝導体に励起される。
励起されたキャリアは、拡散によりキャリア密度の大きい明部から、励起がほとんど起こらずキャリア密度が小さい暗部へと移動する。明るい部分ほど多くのキャリアが励起されるので、明の部分では励起が再結合を上回り、次第にイオン化されたドナーの密度が増加する。
一方、暗の部分ではその逆のことが起きるため、干渉縞の明暗に応じた電荷密度分布ρ(x)が生じる。その結果、結晶内で電気的平衡が崩れ、空間電界ESC(x)が発生し、ポッケルス効果により、空間電界ESC(x)に伴い非線形分極PNLが生じ、空間屈折率変化Δn(x)が引き起こされる。この空間屈折率変化は、周期的構造をなしており、回折格子として機能する。
そこで、フォトリフラクティブ結晶中にコヒーレントな二光波が入射されたとき、上記のフォトリフラクティブ効果を介して結晶中に形成される屈折率格子により、その二光波自身が回折される。
図6は、この回折によるエネルギー移動を模式化して示しており、図6において、Λは周期的な屈折率格子の波長、n、n’はそれぞれΛ /2ごとの平均屈折率、r1、r2、t1、t2は光波A1、2の振幅反射率及び透過率である。光波の入射角及び回折角はθとする。
ここで、n>n’の場合、屈折率の大きな領域を透過して、屈折率の小さな領域との境界により回折されたr11と、回折格子を透過したt22の位相差は2mπである。よって、これらの振幅は、r11+ t22で表され、r11とt22の和となり、回折格子通過後のA1は増幅する。
一方、屈折率の小さな領域を透過して、屈折率の大きな領域との境界により回折されたr22と、回折格子を透過したt11の位相差は(2m+1)である。よって、これらの振幅はt11- r22で表され、t11とr22の差となり、格子通過後のA2は減衰する。
また、n<n’の場合は、光の増幅は上記と反対となる。そして、上記増幅及び減衰は、前記の如く、フォトリフラクティブ媒質の特性、結晶方位角、各光波の入射角度、相互作用長等の光学配置により決定されるものであり、上記増幅および減衰の現象を二波混合と呼ぶ。
上記のフォトリフラクティブ効果および二波混合により、ビームファニング現象を説明することができる。つまり、フォトリフラクティブ媒質へ光波を入射した際、結晶表面や不純物、結晶欠陥等により入射光が散乱し、さらに、この散乱光と入射光波との二波混合による光増幅を介して入射光が媒質固有の方向へ扇状(扇型)に広がり、ランダムな波面を形成する。
これがビームファニング現象であり、二波混合の光増幅が、フォトリフラクティブ媒質の方位角、フォトリフラクティブ媒質に入射する光波の入射角度ならびに光波の空間強度分布や空間位相分布に大きく依存することから、ビームファニング現象発生の程度もこれらに対する強い依存性を示す。また、光波の入射位置が変化すると、ビームファニング現象発生の種となる散乱光が変化するため、ビームファニング現象発生の程度は、光波の入射位置によっても変化する。なお、散乱光は、結晶表面や不純物、結晶欠陥等により発生するので、入射位置が変化すれば散乱光の状態も変化する。
そこで、本実施形態例では、図1に示すように、スペックル発生光入射条件可変部10を設け、前記ホログラムの記録動作ごとに、上記のようなスペックル発生光9の入射条件を可変して前記ビームファニング・スペックル6の波面を変化させる構成とし、それにより、前記フォトリフラクティブ媒質13の同一箇所に、それぞれのホログラム記録動作時の入力情報光1に対応するホログラムを多重記録する構成としている。
なお、本実施形態例において、スペックル発生光入射条件可変部10は、スペックル発生光9のフォトリフラクティブ媒質13への入射位置を可変することにより、ビームファニング・スペックル6の波面を可変する構成と成している。
また、図1の図中、#1、#2、#nは、情報光1の情報であり、互いに異なっている。そして、例えば1回目には#1の情報を有する情報光1をフォトリフラクティブ媒質13に入射し、2回目には#2の情報を有する情報光1をフォトリフラクティブ媒質13に入射するといったように、それぞれのホログラム記録動作時に、#1〜#nの情報を有する情報光1が一つずつフォトリフラクティブ媒質13に入射され、記録される。
さらに、本実施形態例において、上記ホログラム多重記録方法を用いて記録された複数のホログラムを個別に再生する際は、ホログラム記録時のフォトリフラクティブ媒質13へのスペックル発生光照射条件と同じ条件で、スペックル光入力部8から、スペックル発生光9を読み出し光5としてフォトリフラクティブ媒質13に照射する。そうすると、ホログラムによる読み出し光5の回折光同士が強め合うように干渉し、情報光が再生されて出力光11が得られ、ホログラムが再生される(図1のB参照)。
これに対し、スペックル発生光照射条件と違う条件で、スペックル発生光9を読み出し光5としてフォトリフラクティブ媒質13に照射した場合は、ホログラムによる読み出し光5の回折光同士が打ち消し合うように干渉し、情報光は再生されないので、本実施形態例では、フォトリフラクティブ媒質13に多重記録されているホログラムのうちの、スペックル発生光照射条件に対応するホログラムが選択的に再生できる。
本実施形態例は以上のように構成されており、上記のように、フォトリフラクティブ媒質13へのホログラム記録動作を、その記録動作ごとに前記スペックル発生光9の入射条件を可変して行うことにより、フォトリフラクティブ媒質13の同一箇所に、それぞれのホログラム記録動作時の入力情報光1に対応するホログラムを、低クロストークで簡単に多重記録することができる。
また、本実施形態例によれば、前記ランダム位相媒質4を用いた従来のスペックル多重記録方式と異なり、同一粗面の形成が困難なすりガラスや、大型化を招くマルチモード光ファイバや高NAレンズを必要とせず、スペックル発生光9を入力して、フォトリフラクティブ媒質13内部の非線形光学効果によりホログラム記録動作ごとに波面の異なるビームファニング・スペックル6を発生させてホログラムの多重記録を行うので、実用化に優れ、装置の小型化を実現できる。
また、本実施形態例によれば、フォトリフラクティブ媒質13にビームファニング現象が発生しにくい角度から情報光1を入力し、フォトリフラクティブ媒質13にビームファニング現象が発生しやすい角度からスペックル発生光9を入力するので、スペックル発生光9により確実にビームファニング・スペックル6を発生し、情報光1のフォトリフラクティブ媒質13への入射側ではビームファニング現象の発生を抑制できるので、S/N比を向上できる。
さらに、本実施形態例によれば、スペックル発生光9の入射条件をスペックル発生光9の入射位置としており、スペックル発生光9の入射位置を可変することによって、ビームファニング・スペックルの波面を容易に、かつ、的確に可変でき、的確にホログラム多重記録を行うことができる。
さらに、本実施形態例によれば、ホログラムを個別に再生する際は、ホログラム記録時のフォトリフラクティブ媒質13へのスペックル発生光照射条件と同じ条件で、スペックル光入力部8からスペックル発生光9をフォトリフラクティブ媒質13に照射することにより、フォトリフラクティブ媒質13に多重記録されているホログラムのうちのスペックル発生光照射条件に対応するホログラムを選択的に再生するので、ホログラムの個別再生動作においても、すりガラスやマルチモード光ファイバや高NAレンズを必要とせず、装置の大型化を招くことなく、低クロストークで簡単にホログラムを個別再生することができる。
本発明者は、上記実施形態例のホログラム多重記録動作およびホログラムの個別再生動作を確認するために、図3に示す実験系を形成し、以下の実験を行った。フォトリフラクティブ媒質13は、フォトリフラクティブ結晶である5mm×5mm×5mmのBaTiO3結晶を用い、レーザ光源40として波長633nmのHe−Neレーザ光源を用いた。この実験系においては、レーザ光源40から発振するレーザ光を分岐して、情報光1とスペックル発生光9を形成している。
つまり、この実験系においては、以下のような光学系を適用している。レーザ光源40の出力側に第1のミラー(M)24を設けてレーザ光を反射させ、この反射レーザ光を第1の半波長板(HWP)14に入射した後、偏光ビームスプリッタ(PBS)15に入射している。そして、偏光ビームスプリッタ15で反射した光を第2の半波長板(HWP)16に入射し、偏光板(P)17を通過させてレンズ(L、L)18,19に順に入射した後、第4のミラー(M)27に入射し、第4のミラー27で反射している。
この反射光を、マスク29を通すことで情報光1とし、レンズ(L)23を介してフォトリフラクティブ媒質13に入射する。情報光1がフォトリフラクティブ媒質13の結晶端面法線に対して7°の角度を有するように、情報光入力部7が配置されている。
一方、前記偏光ビームスプリッタ15を透過した光を第2のミラー(M)25で反射させた後、レンズ(L、L)20,21に順に入射し、スペックル発生光9としている。このスペックル発生光は、20.0mm×1.5mmの長方形の開口部30を通過した後、第3のミラー(M)26で反射し、レンズ(L)22により約2.0mm×0.5mmに縮小される。
この実験系において、開口移動手段31が開口部30をスペックル発生光9の伝播方向に対し垂直水平方向へ移動する構成と成しており、この開口移動手段31がスペックル発生光9の入射条件可変部10を形成している。スペックル発生光9がフォトリフラクティブ媒質13の結晶端面法線に対して36°の角度を有するように、スペックル発生光の入力部8が配置されている。
この実験系において、スペックル発生光9がフォトリフラクティブ媒質13に入射し、ビームファニング・スペックル6を生成し始めると、数秒で定常状態に達する。この定常状態のビームファニング・スペックル6と情報光1とが干渉縞を形成し、フォトリフラクティブ媒質13内にホログラムを記録する。
さらに、フォトリフラクティブ媒質13の同一箇所にホログラムを多重記録する際には、入射条件可変部10(ここでは開口移動手段31)により、開口部30を移動することにより、スペックル発生光9の入射位置を変化させ、異なるビームファニング・スペックル6を発生させて、新たなホログラムを記録する。この例では、4枚のホログラム(数字の1、2、3、4)をフォトリフラクティブ媒質13の同一箇所に多重記録した。
また、再生時には、上記ホログラム多重記録方法を用いて記録された複数のホログラムについて、ホログラム記録時のフォトリフラクティブ媒質13へのスペックル発生光照射条件と同じ条件でスペックル発生光の読み出し光5をフォトリフラクティブ媒質13に照射することにより、フォトリフラクティブ媒質13に多重記録されているホログラムのうちの、照射条件に対応するホログラムを選択的に個別再生する。
図4(a)〜(d)には、多重記録された4種のホログラムからそれぞれ個別に、選択的に再生された再生像がそれぞれ示されている。この図は、出力光11をCCDカメラ28で撮像したものであり、多重記録された4枚のホログラム(数字の1、2、3、4)が全て明瞭に再生されていることが分かる。ここで、読み出し光5の入射位置と、ホログラム記録時のスペックル発生光9の入射位置とが同一の場合のみホログラムが再生されることが確認された。
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることなく様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、フォトリフラクティブ媒質13はフォトリフラクティブ結晶としたが、フォトリフラクティブ媒質13はフォトリフラクティブ結晶に限定されるものではなく、フォトリフラクティブ効果を有する有機媒質や液晶等を用いる構成としてもよい。この場合も、スペックル発生光9と情報光1の入射角度やホログラム記録動作ごとのスペックル発生光9の入射条件の可変によって上記実施形態例と同様の効果を奏することができる。
また、スペックル発生光入射条件可変部10は、スペックル発生光9のフォトリフラクティブ媒質13への入射位置を可変することにより、ビームファニング・スペックル6の波面を可変するスペックル発生光入射位置可変部としたが、スペックル発生光入射条件可変部10は、スペックル発生光9の空間強度分布を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変するスペックル発生光空間強度分布可変部(空間振幅変調器)としてもよい。
さらに、スペックル発生光入射条件可変部10は、スペックル発生光9の空間位相分布を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変するスペックル発生光空間位相分布可変部(空間位相変調器)してもよい。また、スペックル発生光9の入射角度を可変する構成としてもよく、これらスペックル発生光9のフォトリフラクティブ媒質13への入射位置と入射角度ならびにスペックル発生光9の空間強度分布と空間位相分布の2つ以上を可変する構成としてもよい。
さらに、ビームファニング・スペックル6の波面は、インコヒーレント光の照射により変化させることが可能であるので、スペックル発生光入射条件可変部10の代わりに、ビームファニング・スペックル6の波面を可変するインコヒーレント光の波面可変光をフォトリフラクティブ媒質13に照射してビームファニング・スペックルの波面を変化させる波面可変光照射部を設けたりして、ビームファニング・スペックル6の波面を可変してもよい。
さらに、上記実施形態例では、情報光1やスペックル発生光9の光源として、He−Neレーザを適用したが、光源として、フォトリフラクティブ媒質13が感度を持つ波長で発振する他のレーザを適用することもできる。
本発明に係るホログラム多重記録装置の一実施形態例の要部構成図と動作を模式的に示す説明図である。 ビームファニング・スペックルの発生状況を撮影画像の図(a)および模式図(b)により示す説明図である。 上記実施形態例の実験系を模式的に示す説明図である。 上記実験系を用いて求めたホログラム再生画像の図である。 フォトリフラクティブ二波混合の説明図である。 フォトリフラクティブ二波混合のエネルギー移動の概念図である。 従来のスペックル多重記録方式のホログラム多重記録方法例を示す説明図である。
符号の説明
1 情報光
6 ビームファニング・スペックル
7 情報光入力部
8 スペックル発生光の入力部
9 スペックル発生光
10 スペックル発生光入射条件可変部
11 出力光
13 フォトリフラクティブ媒質

Claims (11)

  1. フォトリフラクティブ媒質と、該フォトリフラクティブ媒質にビームファニング・スペックルを発生させるスペックル発生光の入力部と、二次元情報を有する情報光を前記フォトリフラクティブ媒質に入力する情報光入力部と、前記スペックル発生光の入射条件を可変して前記ビームファニング・スペックルの波面を変化させるスペックル発生光入射条件可変部とを有し、前記ビームファニング・スペックルと前記情報光とがフォトリフラクティブ媒質内で交差するように前記スペックル発生光の入力部と前記情報光入力部とが配置されて、前記ビームファニング・スペックルと前記情報光との交差により前記フォトリフラクティブ媒質に干渉縞を形成して前記情報光に対応するホログラムを記録する構成とし、前記スペックル発生光入射条件可変部によって前記ホログラムの記録動作ごとに前記スペックル発生光の入射条件を可変しながら前記ホログラム記録動作を行うことにより前記フォトリフラクティブ媒質の同一箇所にそれぞれのホログラム記録動作時の入力情報光に対応するホログラムを多重記録することを特徴とするホログラム多重記録装置。
  2. スペックル発生光のフォトリフラクティブ媒質への入射角度はフォトリフラクティブ媒質へのスペックル発生光の入射によって前記フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しやすい角度に形成され、情報光のフォトリフラクティブ媒質への入射角度はフォトリフラクティブ媒質に情報光が入射しても前記フォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しにくい角度に形成されていることを特徴とする請求項1記載のホログラム多重記録装置。
  3. スペックル発生光入射条件可変部は、スペックル発生光のフォトリフラクティブ媒質への入射位置と入射角度の一方または両方を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変する構成と成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のホログラム多重記録装置。
  4. スペックル発生光入射条件可変部は、スペックル発生光の空間強度分布を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変するスペックル発生光空間強度分布可変部としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のホログラム多重記録装置。
  5. スペックル発生光入射条件可変部は、スペックル発生光の空間位相分布を可変することによりビームファニング・スペックルの波面を可変するスペックル発生光空間位相分布可変部としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のホログラム多重記録装置。
  6. スペックル発生光入射条件可変部の代わりに、ビームファニング・スペックルの波面を可変する波面可変光をフォトリフラクティブ媒質に照射してビームファニング・スペックルの波面を変化させる波面可変光照射部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のホログラム多重記録装置。
  7. 二次元情報を有する情報光をフォトリフラクティブ媒質に入力すると共に、該フォトリフラクティブ媒質にビームファニング・スペックルを発生させるスペックル発生光を入力し、前記ビームファニング・スペックルと前記情報光とをフォトリフラクティブ媒質内で交差させることにより前記フォトリフラクティブ媒質に干渉縞を形成してホログラムを記録する動作を、その記録動作ごとに前記スペックル発生光の入射条件を可変して行うことにより、前記フォトリフラクティブ媒質の同一箇所にそれぞれのホログラム記録動作時の入力情報光に対応するホログラムを多重記録することを特徴とするホログラム多重記録方法。
  8. スペックル発生光のフォトリフラクティブ媒質への入射によってフォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しやすい角度からスペックル発生光を入力し、前記フォトリフラクティブ媒質に情報光が入射してもフォトリフラクティブ媒質にビームファニング現象が発生しにくい角度から情報光を入力することを特徴とする請求項7記載のホログラム多重記録方法。
  9. スペックル発生光の入射条件は、スペックル発生光の入射位置と入射角度と空間強度分布と空間位相分布の少なくとも一つとしたことを特徴とする請求項7または請求項8記載のホログラム多重記録方法。
  10. スペックル発生光の入射条件を可変する代わりに、ビームファニング・スペックルの波面を可変する波面可変光をフォトリフラクティブ媒質に照射してビームファニング・スペックルの波面を変化させることを特徴とする請求項7または請求項8記載のホログラム多重記録方法。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか一つに記載のホログラム多重記録方法を用いて記録された複数のホログラムを個別に再生するホログラム再生方法であって、個別のホログラム記録時のスペックル発生光照射条件と同じ条件でスペックル発生光をフォトリフラクティブ媒質に照射することにより、フォトリフラクティブ媒質に多重記録されているホログラムのうちの前記スペックル発生光照射条件に対応するホログラムを選択的に個別再生することを特徴とするホログラム再生方法。
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