JP2005134499A - 誘電体結晶光回路の特性調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 局所的な屈折率の制御を可能として、KTN(またはKLTN)光回路の作製上の微小な変動等を修正する。
【解決手段】 非対称型のMZ干渉計10は、KTN基板13上に形成した方向性結合器11a,11bと光導波路12a,12bにより構成されており、光ファイバ14a〜14dが接続されている。MZ干渉計10の一方のアームには、位相調整用電極15を備え、この位相調整用電極15に電圧を印加して、一方のアーム(光導波路12a)に電界を印加して屈折率の調整をする。この場合、光導波路を伝搬する光のTM方向に平行な電界と、TE方向に平行な電界を印加することにより、偏光に依存しないで位相調整量を行うことができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 非対称型のMZ干渉計10は、KTN基板13上に形成した方向性結合器11a,11bと光導波路12a,12bにより構成されており、光ファイバ14a〜14dが接続されている。MZ干渉計10の一方のアームには、位相調整用電極15を備え、この位相調整用電極15に電圧を印加して、一方のアーム(光導波路12a)に電界を印加して屈折率の調整をする。この場合、光導波路を伝搬する光のTM方向に平行な電界と、TE方向に平行な電界を印加することにより、偏光に依存しないで位相調整量を行うことができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電気光学効果を有する誘電体結晶材料を用いて形成した光回路の特性を調整する方法に関するものである。
導波路型光スイッチには、位相変調を利用した干渉型スイッチとモード分布を制御するデジタル型光スイッチが知られている。干渉型スイッチの代表であるMZスイッチは、駆動電圧及びクロストークが低いことや作製トレランスに優れるため現在、導波路型光スイッチによく採用されている。
また、両スイッチとも外部刺激によって屈折率を変調し動作させるが、その物理的効果として、熱光学(TO)効果,音響光学(AO)効果,電気光学(EO)効果等が知られている。
このうち、TOスイッチはms,AOスイッチはμs,EOスイッチはns〜数百psの応答速度を有する。
このうち、TOスイッチはms,AOスイッチはμs,EOスイッチはns〜数百psの応答速度を有する。
これらのスイッチを通信システムに用いる場合、応答速度や光学特性に応じて使いわけられており、例えば石英PLCを用いたTOスイッチは基幹系システムの光路切り替えとして用いられている。
一方、EOスイッチは、応答速度が非常に高速であるため光パケット用の光路切り替えスイッチとして期待されている。
EO効果が大きい材料としては、無機材料ではニオブ酸リチウム(LN)、また有機材料では色素系のポリマ、高分子材料が知られているが、有機材料は動作の安定性や信頼性に問題があり、現在では主にLNがEOスイッチ用材料として使われている。
EO効果が大きい材料としては、無機材料ではニオブ酸リチウム(LN)、また有機材料では色素系のポリマ、高分子材料が知られているが、有機材料は動作の安定性や信頼性に問題があり、現在では主にLNがEOスイッチ用材料として使われている。
しかし、LNは三方晶の結晶であり、最も大きい電気光学定数であるr33を用いるためには、複屈折性のある方位に光を導波させる必要がある。このため、光スイッチは光の偏光に対し動作が異なる偏波依存性を有することになる。偏波依存性は光の伝送においてエラーを起こす原因となるため、光スイッチには偏波無依存であることが重要である。そこでLNにおいても偏波無依存動作する光スイッチの作製が検討されているが、複屈折性のない結晶方位を持った場合、電気光学定数の小さいr13を利用することとなり、駆動電圧が40V以上になるという問題があった。
この駆動電圧は、主にLNの電気光学定数(31pm/V)で決められておりより大きな電気光学定数を有する材料を用いたEOスイッチが強く求められていた。
この駆動電圧は、主にLNの電気光学定数(31pm/V)で決められておりより大きな電気光学定数を有する材料を用いたEOスイッチが強く求められていた。
さらにLNの導波路はTi拡散やプロトン交換によって作製されているため、コア・クラッド間の屈折率差を大きくとることが難しいため小型化には限界がある。また、埋め込み導波路のような明確な屈折率分布を有していないため、方向性結合器のような導波路コアを近接させ、それらの相互作用を利用したデバイスの作製が困難であった。
KxLi1-xTayNb1-yO3(0<x<1,0<y<1)(KLTN)、KTayNb1-yO3(0<y<1)(KTN)結晶は立方晶の領域で光学的に等方であり、また立方晶から正方晶へ移行する相転移温度付近において、強いカー効果、すなわち2次の電気光学効果を示す結晶として知られている。そのため前述した特徴を生かして、より高機能化高集積化した平面型光回路の作製が可能である。その中で、光の位相を利用した光回路は、電子回路では実現しにくい回路を可能にするため、重要度が高い。
KTNあるいはKTLN結晶導波路では、KTNなどの基板上にアンダークラッド層をLPE法等により成膜→コア層成膜→コアエッチング→オーバークラッド層成膜という作製プロセスを施すことにより、コア・クラッドの埋め込み構造を形成することが可能であるため、LN結晶を用いた光回路に比べ設計の自由度が高いという特徴を有する。
しかし、KTNあるいはKTLN結晶導波路は作製時の数回にわたる加熱・冷却による温度変化の影響から、その内部に屈折率の揺らぎ、応力等が残存すること、または作製誤差などにより光回路の特性が劣化するという問題があった。
光の位相を利用した高機能高集積化光回路において、光の位相は導波路の屈折率と伝搬長(光路長)に依存するので、作製上の微小な屈折率や導波路形状の変動および導波路にかかる応力が素子特性に大きく影響する。従って、高機能化高集積化KTN(KLTN)光回路において、生産性を向上させるためには、作製上の微小な変動等を修正する必要があり、局所的な屈折率の制御を可能とするKTN(KLTN)光回路の特性調整方法の実現が望まれていた。
前述した平面型光回路を構成する重要な要素である。マッハツェンダ(Mach-Zehnder:MZ)干渉計を一例として挙げ、以下に局部的な屈折率制御の重要性について述べる。MZ干渉計は光スイッチや光分波器を構成する上で欠かすことのできない部品であり、図1にその一例を示す。
図1において、1a,1bは2つの方向性結合器、2a,2bは該方向性結合器1a,1bを結ぶ2本の光導波路であり、これらはKTN基板3上に形成されている。また、4a,4b,4c,4dは2本の光導波路2a,2bの両端に接続された光ファイバである。
MZ干渉計では、KTN結晶導波路に限らず、微小な屈折率や導波路形状の変動及び導波路にかかる応力が素子特性に大きく影響する。前述した2本の光導波路2a,2bの光路長差がnf・L1であるとすると、出力光強度は、入射光の周波数f(又は波長λ)に関して、fsr=c/nf・L1(但し、cは光の速度)を周期とする特性を有することが知られており、この出力光強度の周期特性を利用して、光スイッチ、光周波数合分波器等として動作する光デバイスが実現されている。
しかしながら、導波路の屈折率,幅等の作製誤差は、光干渉計の周期特性の位相によるずれをもたらし、光スイッチ,光周波数合分波器としての動作特性に著しい劣化を生じさせることになる。従って、MZ干渉計を用いた光回路において生産性を向上させるためには、作製上の微小な変動を補償する必要性があり、効果的な調節法が望まれていた。
石英系光回路の中で、光干渉計において位相誤差を補償する方法の一つとして、可視光もしくは紫外レーザ光を照射することによって生じる屈折率変化(光誘起屈折率変化)を利用する方法が報告されている(例えば、PTL,(3),1991,Hibino, et al.,
pp640-642 参照)。
pp640-642 参照)。
IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL.3,NO.7,JULY,1991,Hibino, et al.,pp640-642
本発明は前記従来の問題点に鑑み、光回路を構成するKTNあるいはKLTN結晶導波路の局部的な屈折率もしくは光路長の制御を効率良く行うことを可能とする光回路の特性調整方法を提供することを目的とする。
本発明では前記目的を達成するため、基板上に形成された、KTNあるいはKLTN結晶のコア及びクラッドからなる光導波路で構成される光回路の特性調整方法であって、前記光導波路部に位相調整用電極を備えて光導波路に電界を印加する工程を備えるか、あるいは前記光導波路に局部的に可視光又は紫外光を照射する工程を備えた光回路の特性調整方法を提案する。
本発明は、KTN結晶導波路およびKLTN結晶導波路においても、可視光もしくは紫外レーザ光を照射することにより屈折率変化を見出した。さらに可視光もしくは紫外レーザ光の照射強度、および時間により屈折率変化を制御可能であり、長期間に渡り、屈折率変化が安定であることを見出した。すなわちKTN結晶導波路およびKLTN結晶導波路で光誘起屈折率変化現象を利用した位相調整が可能であることを見出し、本発明に至った。
また、KTNあるいはKLTN結晶は、前述のように、大きい2次の電気光学効果を有しているため、導波路に電界を印加することにより光の位相調整が可能である。
本発明の特性調整方法によれば、KTN光回路またはKLTN光回路の光導波路に対して、局部的に、電界印加や可視光(紫外光)照射をすることにより位相調整ができるので、作製上の微小な変動等を容易・確実に修正することができる。
以下に、本発明の最良の実施の形態を実施例を用いて説明する。
図2は本発明の第1の実施例を示すもので、ここでは、KLTN光導波路において光導波路部の位相調整用電極に電界を印加することによりMZ干渉計の特性を調節した例を示す。
図2において、10はMZ干渉計であり、KTN基板13上に形成された2つの方向性結合器11a,11b及びこれらを結ぶ2本の光導波路12a,12bからなっている。また、14a,14b,14c,14dは2本の光導波路12a,12bの両端に接続された光ファイバである。
前記MZ干渉計10は非対称型であり、光導波路12aが光導波路12bより長くなっている。このタイプのMZ干渉計10は周波数又は波長分波器として動作する。ここでは、2つの光導波路12a,12bの光路長差ΔL2を約0.8cmとし、周波数10GHz間隔で入射光を分波できるように設計した。
以下、本発明方法を説明する。
まず、通常の方法でKTN基板13上にKLTN結晶導波路型のMZ干渉計10を作製した。ここで、光導波路12a,12bのコアは矩形とし、サイズは6μm×6μmとした。また、コアとクラッドとの屈折率差は0.5%とした。方向性結合器11a,11bでは結合率が波長1.55μmでほぼ50%になるようにした。
まず、通常の方法でKTN基板13上にKLTN結晶導波路型のMZ干渉計10を作製した。ここで、光導波路12a,12bのコアは矩形とし、サイズは6μm×6μmとした。また、コアとクラッドとの屈折率差は0.5%とした。方向性結合器11a,11bでは結合率が波長1.55μmでほぼ50%になるようにした。
作製したKLTN結晶導波路型のMZ干渉計10の一方のアームに位相調整用電極15をフォトリソグラフィーとリフトオフ法により形成した。図3は位相調整用電極15の構成例の1つである。
図3、図4(a),(b)に示すように、位相調整部分(位相調整用電極)15は、位相調整部24,位相調整部25の2つの位相調整部から構成され、2種類の、各々異なる電極構造を有する。具体的には、位相調整部24では光導波路12aのコアの直上に電極26があり、その両側にグランド電極27が配置されている。この電極構造では、図4(a)に示すように、光導波路12aのコアから基板に向かう方向(伝搬する光のTM方向に平行な方向)に電界が印加される。一方、位相調整部25では、光導波路12aのコアをはさむように電極26,グランド電極27が配置されており、図4(b)に示すように、基板に平行な方向(伝搬する光のTE方向に平行な方向)に電界が印加される。このような電極構造により、光の伝搬方向に対して直交し、かつ、互いに直交する2方向に電界を印加することが可能である。
ここで、KLTN結晶の2次の電気光学効果は、その対称性から下記のように表すことができる。
ΔnH=−0.5no 3εo 2ε2g11E2 (1)
ΔnV=−0.5no 3εo 2ε2g12E2 (2)
ΔnH=−0.5no 3εo 2ε2g11E2 (1)
ΔnV=−0.5no 3εo 2ε2g12E2 (2)
上式において、ΔnHは印加電界に平行な方向の屈折率変化、ΔnVは印加電界に垂直な方向の屈折率変化、n0は電界印加前の屈折率、ε0は真空の誘電率、εは結晶の比誘電率、g11は加電界に平行な方向の電気光学定数、g12は電界に垂直な方向の電気光学定数、Eは印加電界である。
KLTN結晶の電気光学定数は、それぞれg11=0.136m4/C2、g12=−0.038m4/C2である。このため、電界に平行な屈折率は電界の印加により小さくなり、電界に垂直な屈折率は電界の印加により大きくなる。さらに、電界に平行な屈折率変化量が、電界に垂直な方向の屈折率の変化率の変化量の3から4倍程度大きいことがわかる。
式(1)−式(2)より、図3に示した位相調整部分15では互いに直交する2つの電界が等しい場合には式(1)と式(2)の加算分の屈折率変化がTE方向、TM方向の両偏光に等しく生じる。そのため、位相調整部分15では位相変調量は偏光に依存しないことになり本発明の位相調整が偏光無依存で動作することがわかる。
図3に示した2種類の電極の長さはそれぞれ4mmであり、両電極で約8mmとした。
前述したMZ干渉計10の特性を調べるため、中心波長1.55μmの電流掃引型半導体レーザを光ファイバ14bから導入した。
本実施例では、電界印加時にMZ干渉計10の特性変化をモニターすることができた。
前述したMZ干渉計10の特性を調べるため、中心波長1.55μmの電流掃引型半導体レーザを光ファイバ14bから導入した。
本実施例では、電界印加時にMZ干渉計10の特性変化をモニターすることができた。
図5は光ファイバ14cからの出力の波長依存性を、電界の印加前と比較して示すものである。図5に示すように、印加前は光周波数fiで消光していたMZ干渉計10の特性を、印加後、所望の光周波数foで消光するように調整することができた。このときの印加電圧は0.12Vであった。この光周波数fiからfoへの調整は位相調整用電極により誘起されたKLTN結晶の屈折率変化によるものである。
図6は本発明の第2の実施例を示すもので、ここでは、KLTN光導波路においてエキシマレーザによりMZ干渉計の特性を調節した例を示す。
図6において、110はMZ干渉計であり、KTN基板113上に形成された2つの方向性結合器111a,111b及びこれらを結ぶ2本の光導波路112a,112bからなっている。また、114a,114b,114c,114dは2本の光導波路112a,112bの両端に接続された光ファイバ、120は遮蔽用の金属膜、120aは金属膜120に形成した窓、130はKrFエキシマレーザ、131はミラー、132はレンズ、133はシリンドリカルレンズである。
前記MZ干渉計110は非対称型であり、光導波路112aが光導波路112bより長くなっている。このタイプのMZ干渉計110は周波数又は波長分波器として動作する。ここでは、2つの光導波路112a,112bの光路長差ΔL2を約0.6cmとし、周波数10GHz間隔で入射光を分波できるように設計した。
以下、本発明方法を説明する。
まず、通常の方法でKTN基板113上にKLTN結晶導波路型のMZ干渉計110を作製した。ここで、光導波路112a,112bのコアは矩形とし、サイズは7μm×7μmとした。また、コアとクラッドとの屈折率差は0.55%とした。方向性結合器111a,111bでは結合率が波長1.3μmでほぼ50%になるようにした。
まず、通常の方法でKTN基板113上にKLTN結晶導波路型のMZ干渉計110を作製した。ここで、光導波路112a,112bのコアは矩形とし、サイズは7μm×7μmとした。また、コアとクラッドとの屈折率差は0.55%とした。方向性結合器111a,111bでは結合率が波長1.3μmでほぼ50%になるようにした。
作製した導波路型MZ干渉計110に、KrFエキシマレーザ130よりミラー131,レンズ132,シリンドリカルレンズ133及び窓120aを介して、波長248nmの紫外レーザ光を照射し、照射前後の特性変化を調べた。レーザ光はMZ干渉計110の上部より、金属膜120で覆われていない部分(窓120aから露出した部分)を照射した。従って、該レーザ光は光導波路112aの一部分だけに屈折率変化を誘起することになる。
この際、KrFエキシマレーザ130の照射パワーは100mJ/cm2・pulse 、パルス繰り返し周波数5Hz、照射時間は2分間とした。
前述したMZ干渉計110の特性を調べるため、中心波長1.3μmの電流掃引型半導体レーザを光ファイバ114aから導入した。
本実施例では、レーザ光の照射中にMZ干渉計10の特性変化をモニターすることができた。
前述したMZ干渉計110の特性を調べるため、中心波長1.3μmの電流掃引型半導体レーザを光ファイバ114aから導入した。
本実施例では、レーザ光の照射中にMZ干渉計10の特性変化をモニターすることができた。
図7は2分間照射後における光ファイバ114cからの出力の波長依存性を、照射前と比較して示すものである。図7に示すように、照射前は光周波数fiで消光していたMZ干渉計110の特性を、照射後、所望の光周波数foで消光するように調整することができた。この光周波数fiからfoへの調整はKrFエキシマレーザ光照射による光誘起屈折率変化Δnによるものである。
KTNあるいはKLTN結晶導波路を複数用意し、使用するレーザを変え、屈折率変化に必要なレーザの種類を検討した。その結果、本発明で使用するレーザは、He−Cdレーザ,N2レーザ,各種エキシマレーザ,Arイオンレーザ,Nd3+:YAGレーザ,アレキサンドライト(Cr3+:BeAl2O4)レーザの第2次,3次,4次高調波等、紫外・可視領域の波長を有するものであれば良いことがわかった。
また、本発明は、光ファイバ114a〜114dに偏波保持性を有する光ファイバを用いることを妨げるものではない。
また、本発明は、光ファイバ114a〜114dに偏波保持性を有する光ファイバを用いることを妨げるものではない。
図8は本発明の第3の実施例を示すもので、ここでは、KLTN光導波路においてエキシマレーザによりMZ干渉型光スイッチの特性を調節した例を示す。
図8において、210はMZ干渉計であり、KTN基板213上に形成された2つの方向性結合器211a,211b及びこれらを結ぶ2本の光導波路212a,212bからなっている。また、214a,214b,214c,214dは2本の光導波路212a,212bの両端に接続された光ファイバ、220は遮蔽用の金属膜、220aは金属膜220に形成した窓である。また本光スイッチ内のMZ干渉計210は対称型である。更に、230a,230bはMZ干渉計210をスイッチング動作させるための作動用電極である。
図8において、210はMZ干渉計であり、KTN基板213上に形成された2つの方向性結合器211a,211b及びこれらを結ぶ2本の光導波路212a,212bからなっている。また、214a,214b,214c,214dは2本の光導波路212a,212bの両端に接続された光ファイバ、220は遮蔽用の金属膜、220aは金属膜220に形成した窓である。また本光スイッチ内のMZ干渉計210は対称型である。更に、230a,230bはMZ干渉計210をスイッチング動作させるための作動用電極である。
以下、本発明方法を説明する。
まず、通常の方法でKTN基板213上にKLTN結晶導波路型のMZ干渉計210を作製した。ここで、光導波路212a,212bのコアは矩形とし、サイズは7μm×7μmとした。また、コアとクラッドとの屈折率差は0.55%とした。方向性結合器211a,211bでは結合率が波長1.3μmでほぼ50%になるようにした。
まず、通常の方法でKTN基板213上にKLTN結晶導波路型のMZ干渉計210を作製した。ここで、光導波路212a,212bのコアは矩形とし、サイズは7μm×7μmとした。また、コアとクラッドとの屈折率差は0.55%とした。方向性結合器211a,211bでは結合率が波長1.3μmでほぼ50%になるようにした。
作製した導波路型MZ干渉計210に、図6のKrFエキシマレーザ130より、ミラー131,レンズ132,シリンドリカルレンズ133及び窓220aを介して、波長248nmの紫外レーザ光を照射し、照射前後の特性変化を調べた。レーザ光はMZ干渉計210の上部より、金属膜220で覆われていない部分(窓220aから露出した部分)を照射した。従って、該レーザ光は光導波路212bの一部分だけに屈折率変化を誘起することになる。この際、KrFエキシマレーザ130の照射パワーは100mJ/cm2・pulse、パルス繰り返し周波数は5Hz、照射時間は2分間とした。
前述したMZ干渉型光スイッチの特性を調べるため、中心波長1.3μmの半導体レーザを光ファイバ214aから導入した。本実施例では、レーザ光の照射中にMZ干渉型光スイッチの特性変化をモニターすることができた。
図9は2分間照射後における光ファイバ214cと光ファイバ214dからの出力の印加電圧依存性を、照射前と比較して示すものである。図9(a)に示すように、照射前は印加電圧が0Vにおいて位相誤差あるいは作製誤差により光ファイバ214cの出力(ポート1)と光ファイバ214dの出力(ポート2)で十分な消光比が得られていなかったMZ干渉型スイッチの特性を、照射後は図9(b)に示すように、印加電圧が0Vにおいて最大の消光比が得られるように調整することができた。このスイッチの動作点の移動はレーザの照射による光誘起屈折率変化によるものである。
上記実施例では、光導波路がKLTNの例であるが、光導波路がKTNの誘電体結晶光回路に対しても、光導波路部に、電界印加や、可視光または紫外光照射をすることにより、光の位相調整をすることができる。
1a,1b,11a,11b,111a,111b,211a,211b 方向性結合器
2a,2b,12a,12b,112a,112b,212a,212b 光導波路
3,13,113,213 KTN基板
4a〜4d,14a〜14d,114a〜114d,214a〜214d 光ファイバ
10,110,210 MZ干渉計
24,25 位相調整部
120,220 金属膜
120a,220a 窓
2a,2b,12a,12b,112a,112b,212a,212b 光導波路
3,13,113,213 KTN基板
4a〜4d,14a〜14d,114a〜114d,214a〜214d 光ファイバ
10,110,210 MZ干渉計
24,25 位相調整部
120,220 金属膜
120a,220a 窓
Claims (5)
- コア及びクラッドのいずれか若しくは両方がKxLi1-xTayNb1-yO3(0<x<1,0<y<1)なる組成の誘電体結晶材料により形成される光回路の特性調整方法であって、
前記光回路内のマッハツェンダ干渉計のアームのうち、少なくとも1本以上の光導波路部に位相調整用電極を備え、この位相調整用電極により前記光導波路に電界を印加する工程を備えたことを特徴とする誘電体結晶光回路の特性調整方法。 - コア及びクラッドのいずれか若しくは両方がKTayNb1-yO3(0<y<1)なる組成の誘電体結晶材料により形成される光回路の特性調整方法であって、
前記光回路内のマッハツェンダ干渉計のアームのうち、少なくとも1本以上の光導波路部に位相調整用電極を備え、この位相調整用電極により前記光導波路に電界を印加する工程を備えたことを特徴とする誘電体結晶光回路の特性調整方法。 - 前記位相調整用電極は、前記光導波路を伝搬する光のTM方向に平行な方向の電界を印加する第1の位相調整部と、前記光導波路を伝搬する光のTE方向に平行な方向の電界を印加する第2の位相調整部を有することを特徴とする請求項1または請求項2の誘電体結晶光回路の特性調整方法。
- コア及びクラッドのいずれか若しくは両方がKxLi1-xTayNb1-yO3(0<x<1,0<y<1)なる組成の誘電体結晶材料により形成される光回路の特性調整方法であって、
前記光回路内のマッハツェンダ干渉計のアームのうち、少なくとも1本以上の光導波路部に局所的に可視光または紫外光を照射する工程を備えたことを特徴とする誘電体結晶光回路の特性調整方法。 - コア及びクラッドのいずれか若しくは両方がKTayNb1-yO3(0<y<1)なる組成の誘電体結晶材料により形成される光回路の特性調整方法であって、
前記光回路内のマッハツェンダ干渉計のアームのうち、少なくとも1本以上の光導波路部に局所的に可視光または紫外光を照射する工程を備えたことを特徴とする誘電体結晶光回路の特性調整方法。
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---|---|---|---|
JP2003368286A JP2005134499A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 誘電体結晶光回路の特性調整方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003368286A JP2005134499A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 誘電体結晶光回路の特性調整方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005134499A true JP2005134499A (ja) | 2005-05-26 |
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ID=34645998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003368286A Pending JP2005134499A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 誘電体結晶光回路の特性調整方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005134499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103645592A (zh) * | 2013-12-13 | 2014-03-19 | 中国电子科技集团公司第四十一研究所 | 一种新型光纤陀螺用集成光波导器件 |
-
2003
- 2003-10-29 JP JP2003368286A patent/JP2005134499A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103645592A (zh) * | 2013-12-13 | 2014-03-19 | 中国电子科技集团公司第四十一研究所 | 一种新型光纤陀螺用集成光波导器件 |
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