JP2005134381A - ナビゲーション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ナビゲーション装置が、目的地への到着時刻と希望到着時刻とが少なくなるような経路案内を行うナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 カーナビゲーション装置1が、設定された目的地までの複数の案内候補経路のうち、目的地への到着予測時刻が設定された到着希望時刻より早く、かつ到着予測時刻と到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内する。また、到着予測時刻は、進行遅延を用心すべき余裕時間を加味して決定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置に関するものである。
従来、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置として、ユーザ等が目的地の設定を行うと、この設定された目的地への最適な経路を検索し、この検索した最適な経路をユーザに案内するものがある。
最適な経路表示として、渋滞の幹線道路を回避して、目的地までに到達する時間がより短い抜け道を通る経路を案内するようなナビゲーション装置も提案されている(特許文献1参照)。
特許第3337708号公報
しかし、発明者の考察によれば、ナビゲーション装置が、このように目的地に到達する時間がより短い経路を案内する場合、幹線道路を通ればユーザが目的地に到着したい時間内に当該目的地に到着できるにもかかわらず、交通上危険度が増す可能性が高い抜け道を、到着時間がより短いという理由で案内してしまうことがある。すなわち、現状においては、ユーザの到着希望時刻に応じて経路を選択することができない。
本発明は、上記点に鑑み、ナビゲーション装置が、目的地への到着時刻と希望到着時刻とが少なくなるような経路案内を行うナビゲーション装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション装置であって、前記目的地への到着希望時刻を取得する取得手段(220、225)と、前記目的地までの複数の案内候補経路のうち、前記目的地への到着予測時刻と前記取得手段が取得した到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内する案内手段(235〜260)と、を備えたナビゲーション装置である。
これによって、ナビゲーション装置は、取得した到着希望時刻と到着予測時刻との誤差が少なくなるような経路を案内することができる。
なお、到着希望時刻および到着予測時刻とは、何時何分といった絶対表現による時刻、および現在から何分後といった相対表現による時刻の両方を含む概念である。
また、案内手段は、目的地への到着予測時刻を算出する到着予測時刻算出手段(245)を備えていてもよい。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記目的地までの複数の案内候補経路のうち、前記目的地への到着予測時刻が前記取得手段が取得した到着希望時刻より早く、かつ前記到着予測時刻と前記到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、前記目的地への到着予測時刻には、当該経路における進行遅延を用心すべき余裕時間が加算されていることを特徴とする。
これによって、経路における進行遅延を用心すべき余裕時間、すなわち、経路において通常想定される進行度合いから遅れうる時間の代表的な値が、到着予測時刻に加算されているので、経路の余裕時間に応じた経路案内ができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の経路長および道路種別に基づいて特定することを特徴とする。
これは、経路長が長いほどその経路の余裕時間が長くなり、また例えば高速道路、幹線道路、生活道路等の違いによって、余裕時間に違いが出ることに基づくものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の混雑度に基づいて特定することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の走行時間帯に基づいて特定することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の信号機数に基づいて特定することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の対向車線を横断する右折回数に基づいて特定することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の休憩施設数に基づいて特定することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の気象条件に基づいて特定することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、経路の案内中に、現在位置から前記目的地までの複数の案内候補経路のうち、前記目的地への到着予測時刻と前記取得手段が取得した到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内するよう、案内経路を変更することを特徴とする。
これによって、案内中においても、状況の変化に応じて案内経路を変更することが可能になる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、変更前の案内経路における前記到着予測時刻が前記到着希望時刻よりも遅い場合に、前記案内経路の変更を行うことを特徴とする。 また、請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載のナビゲーション装置において、前記案内手段は、案内経路の一部を、単位経路長当たりの進行遅延を用心すべき余裕時間がその一部の経路よりも少ない新経路に置き換えることで、案内経路を変更する場合、前記新経路に置き換えられる前記一部の経路が、変更前の案内経路中の後尾にあるような変更ほど優先的に採用することを特徴とする。
このようにすることで、単位経路長あたりの余裕時間のより短い経路は、案内経路のより後尾の方に配置されることになる。従って、このようにしない場合に比べ、案内経路を走行するときに、その経路の後尾に近いところで到着時刻からの遅れうる時間、すなわち残りの経路の余裕時間が少なくなり、ナビゲーション装置のユーザに安心感を与えることができる。
また、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、前記案内手段が、前記到着希望時刻以前に前記目的地に到達できる経路を案内できない場合、前記到着希望時刻は満たされない旨を報知装置(20)に報知させることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、当該ナビゲーション装置は、車載用のナビゲーション装置であり、前記案内手段が、前記到着希望時刻以前に前記目的地に到達できる経路を案内できない場合、前記到着希望時刻は満たされない旨を自車両外の相手に通知することを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項1ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、当該ナビゲーション装置は、車載用のナビゲーション装置であり、前記案内手段が、前記到着希望時刻以前に前記目的地に到達できる経路を案内できない場合、自車両の前方の車両に、道を譲って欲しい旨を通知することを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載のナビゲーション装置において、更に、前記通知に、自車両の前記到着希望時刻に対する遅れの情報を含めることを特徴とする。 なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段、または具体的手段として下記制御回路18のCPUを機能させるためのソフトウェアの処理との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態に係るカーナビゲーション装置1の構成を示す。カーナビゲーション装置1は、位置検出器11、内部メモリ制御装置16、操作スイッチ群17、外部メモリ制御装置19、表示装置20、リモコンセンサ21、通信モジュール28、およびこれらに接続された制御回路18を備えている。
通信モジュール28は、路側に設置された光ビーコン等から送信された、道路の渋滞度等の情報を含むVICS(Vehicle Information and Communication System)情報の信号を受信し、受信した情報をデータとして制御回路18に出力する。また、通信モジュール28は、車車間通信および無線によるインターネット接続のための図示しないアンテナおよび送受信装置を備えており、制御回路18からこれら車車間通信あるいはインターネット接続を行うための制御信号が入力されることで、それぞれの装置を作動させ、車車間通信あるいはインターネット接続を介した通信を行う。
表示装置20は、液晶ディスプレイ等の表示面およびスピーカを有し、制御回路18からの映像信号の入力に応じて液晶ディスプレイ等の表示面に当該映像を表示し、また制御回路18からの音声信号の入力に応じてスピーカに当該音声を出力させる。
操作スイッチ群17は、表示装置20の表示面の周囲に設けられた複数のメカニカルスイッチ、当該表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下(例えば押しボタンの押下)、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路18に出力する。
リモコンセンサ21は、ユーザの操作に基づいて赤外線等による無線信号を送信するリモコン22から受信した信号を制御回路18に出力する。
位置検出器11は、いずれも周知の地磁気センサ12、ジャイロスコープ13、車速センサ14、および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機15を有している。これらのセンサ等12〜15は、各々の性質に基づいた現在位置を特定するための情報を制御回路18に出力する。また位置検出器11は、更に図示しないステアリングの回転センサ、各駆動輪の車輪センサ等を有していてもよい。
内部メモリ制御装置16は、HDD(ハードディスクドライブ)等の不揮発性記憶媒体を備え、制御回路18からの制御命令等に基づいて、この不揮発性記憶媒体に対してデータの読み出しおよび可能であればデータの書き込みの制御を行う。この不揮発性記憶媒体が記憶している情報としては、上記した位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データおよび目印データを含む各種データ、カーナビゲーション装置1の動作のためのプログラム等がある。地図データは、大通りの渋滞を回避するための抜け道道路データ、各リンク(道路片)の道路幅、リンク係数、車線数、一般道か抜け道かの区別、制限速度、信号の位置、サービスエリアの位置、パーキングエリアの位置等の情報を含んでいる。
外部メモリ制御装置19は、DVD−ROM、メモリカード等の外部記憶媒体に対して、データの読み出しおよび可能であればデータの書き込みの制御を行う。上記外部記憶媒体が記憶している情報としては、マップマッチング用データ、地図データおよび目印データ等に対する追加データ等がある。
制御回路18は、通常のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。制御回路18は、ROM、内部メモリ制御装置16、外部メモリ制御装置19から読み出したカーナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはROM、RAM、フラッシュメモリから情報を読み出し、RAM、フラッシュメモリに対して情報の書き込みを行い、I/Oを介して位置検出器11、操作スイッチ群17、外部メモリ制御装置19、表示装置20、リモコンセンサ21等と信号の授受を行う。
この制御回路18のCPUは、カーナビゲーション装置1が起動するとき、ROMからブートプログラム、オペレーティングシステム(以下OSと記す)等を読み出して実行し、このOSに基づいたハードウェア制御およびプロセス管理を行う。OS上で動作するプロセスとしては、メニュープログラム、経路検索プログラム、およびその他のプログラムがある。
なお制御回路18のCPUは、これらプログラムの実行において、現在位置を特定する必要があれば、位置検出器11が有するセンサ等12〜15から出力される現在位置を特定するための信号に基づいて、現在位置を算出する。その際、各種センサ12〜15からの出力は、それぞれ性質が異なる誤差を持っているため、制御回路18のCPUにおける現在位置の特定は、複数のセンサを相補的に使用するようになっている。
以下では、当該CPUがプログラムを読み込んで実行する動作を、当該実行されるプログラム自体の動作であると表現して説明する。
メニュープログラムは、OS上で動作する各種プログラムを、そのプログラムの機能や目的別に階層的にメニュー表示し、そのメニュー表示されたものの中からユーザが選択したプログラムの実行を開始させる。なお、メニュー表示は表示装置20に当該メニューの画像データを出力することで行い、また、ユーザの選択は、リモコンセンサ21を介した下リモコン22または操作スイッチ群17に対する選択操作(カーソル移動、確定ボタン押下等)によって制御回路18に入力された信号に基づいて検出する。
経路検索プログラムは、メニュープログラムにおいてユーザに選択されることによって開始し、リモコン22、あるいは操作スイッチ群17の操作に基づく目的地の入力を受け付け、現在位置からその受け付けた目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路を形成し表示装置20に表示させる。自動的に最適な経路を設定する手法としては、ダイクストラ法等が知られている。
図2に、この経路検索プログラムのフローチャートを示す。なお、経路検索プログラムは、抜け道道路データ、各リンク(道路片)の道路幅、リンク係数、等車線数、一般道か抜け道かの区別、制限速度、信号の位置、サービスエリアの位置、パーキングエリアの位置の情報が必要となった場合、内部メモリ制御装置16の地図データから当該情報を読み出す様になっている。
経路検索プログラムは、まずステップ205で、目的地の設定を行う。具体的には、ユーザに対して、座標、施設名称等の目的地の入力を促す表示を表示装置20に行わせ、上記したように入力された目的地を制御回路18のRAMの所定の領域に記録する。
次にステップ210では、この目的地までの案内経路を検索する。案内経路の検索条件としては、例えば「一般道優先」、「道路幅優先」等がある。
「一般道優先」とは、可能な限り一般道を案内経路とするという条件をいう。すなわち、「一般道優先」とは、案内経路として選び得る経路の候補が複数ある場合、抜け道や高速道路を通る経路よりも、一般道を通る経路の方を優先的に検索するという条件をいう。また、「道路幅優先」とは、可能な限り道路幅の広い、または車線数の多い道路を経路とするという条件をいう。すなわち、「道路幅優先」とは、案内経路として選び得る経路の候補が複数ある場合、道路幅の多い経路を含む経路の方を優先的に検索するという条件をいう。
ステップ210で用いる検索条件は、あらかじユーザによって設定され、内部メモリ制御装置16のHDDに記憶されたものであってもよい。また、このステップ210においてユーザに条件入力を促す表示を表示装置20に行わせ、その結果操作スイッチ群17またはリモコン22の操作によって制御回路18に入力された条件を検索条件としてもよい。
次にステップ215では、検索された経路における到着予測時刻を算出する。到着予測時刻Tとは、最速到着可能時刻T0に余裕時間αを加算したものをいう。最速到着可能時刻とは、現在時刻に案内経路を制限速度いっぱいで停止せずに走行した場合の経過時間である。
すなわち、最速到着可能時刻T0は、等式
T0=Σ(経路長/制限速度)
によって表される。ここでΣは、案内経路中のリンク全てについての丸括弧内の値の総和を表し、経路長/制限速度は、各リンクにおけるそのリンクの経路長をそのリンクの制限速度で除算したものである。なお、制限速度の代わりに、平均速度を用いてもよい。また、平均速度を実測に基づく値にすると、最速到着可能時刻T0の正確性が向上する。
また、経路の余裕時間αとは、その経路における進行遅延を用心すべき時間、すなわち経路において通常想定される進行度合いから遅れうる時間の代表的な値をいう。本実施形態においては、余裕時間αは等式
α=Σ(道路係数×経路長)+β
によって表される。ここで、道路係数は、上記リンク係数より算出される。道路係数×経路長は、各リンクにおけるそのリンクの道路係数にその経路長を乗算したものである。またβは、付加値である。
道路係数は、[時間/距離]の単位を有し、リンクが表す道路の種別、状況等によって変化する、そのリンクの単位距離当たりの余裕時間を示す値である。具体的には、渋滞していない一般道のリンクの道路係数をK0とすると、渋滞していない高速道路のリンクの道路係数はK0/10、渋滞している高速道路のリンクの道路係数は10×K0、渋滞している一般道のリンクの道路係数は50×K0、抜け道のリンクの道路係数は1.2×K0となる。すなわち、道路係数は、そのリンクの通過時間の不確定度が大きいほど大きい。このように、道路係数は、リンクの混雑度および道路種別に基づいている。なお、あるリンクが渋滞状態にあるか否かは、通信モジュール28から入力された渋滞情報に基づいて特定する。
また、付加値βは、案内経路中の休憩施設(パーキングエリア、サービスエリア等)の数、経路中の信号機の数、対向車線を横断する右折の回数、走行時間帯、気象条件、高速道路の使用距離等、案内経路の付加的状態に基づく。具体的には、βは、案内経路中にある全てのパーキングエリアの数が1つ増える毎に所定量の1分増加する。またβは、案内経路中にある全てのサービスエリアの数が1つ増える毎に所定量の3分増加する。またβは、案内経路中にある対向車線を横断する信号機の数が3つ増える毎に所定量の1分増加する。またβは、案内経路中にある右折の数が1つ増える毎に所定量の30秒増加する。またβは、その走行時間帯が食事時間帯(例えば正午から午後1時まで)を含んでいれば所定量の30分増加する。またβは、案内経路が高速道路を所定距離の200km以上含んでいれば15分増加する。
以上のようにして決められる余裕時間αの計算の一例を以下に示す。案内経路が一般道を30km、抜け道を2km、高速道路を253km含んでおり、その高速道路中で渋滞している部分が3kmあり、またその案内経路中にパーキングエリアが8ヶ所あり、サービスエリアが2ヶ所あり、信号機が30ヶ所あり、右折が10回ある場合、K0を0.015h/km(hは時間(hour)を示す)とすると、
α=一般道項+抜け道項+高速道路項+渋滞高速道路項+高速道200km以上項+サービスエリア項+パーキングエリア項+信号機項+右折項
=(0.015×30)+(1.2×0.015×2)+(0.015/10×250)+(50×0.015×3)+15/60+1/60×8+3/60×2+1/60×30/3+1/120×10≒1.820時間
ステップ215でこのように到着予測時刻を算出した後に、ステップ220では、この案内経路および到着予測時刻を表示装置20に表示させる。更に、この表示と共に、カーナビゲーション装置1のユーザがこの到着予測時刻よりもっと早く到着したい場合等のために、到着希望時刻の入力画面を表示装置20に表示させる。この到着希望時刻の入力画面には、入力フィールドおよび決定ボタンが設けられている。ユーザが操作スイッチ群17またはリモコン22を操作して、この入力フィールドに到着希望時刻を入力し、更に決定ボタンを押下すると、経路検索プログラムは、入力フィールド中の時刻を到着希望時刻として制御回路18のRAMの所定の領域に記録する。このような操作により、ユーザは到着希望時刻を設定することができる。
次にステップ225では、到着希望時刻が設定されたか否かを判定する。具体的には、制御回路18のRAM中の上記した所定領域に、到着希望時刻が記録されているか否かを判定する。到着希望時刻が設定されていれば処理はステップ235に進み、設定されていなければ処理はステップ230に進む。
ステップ230では、経路案内を行う。すなわち、位置検出器11からの入力に基づいて特定した現在位置を示す車両現在位置マークと、内部メモリ制御装置16または外部メモリ制御装置19より読み出した地図データと、ステップ210で検索した案内経路等のデータとを重ねて表示装置20に表示させる。そして処理はステップ210に戻る。なお、ステップ210では、現在の案内経路よりも経路検索条件に合った経路があれば、当該より経路検索条件に合った経路を新たな案内経路とするようになっている。
到着希望時刻が設定された場合のステップ235では、この設定された到着希望時刻が到着予測時刻より早いか否か、すなわち現在の到着予測時刻ではユーザの到着希望時刻に間に合わないか否かを判定する。
現在の到着希望時刻が到着予測時刻より早ければ処理はステップ240に進み、早くなければ、図には示されてないが、現在のステップ210での検索条件(例えば一般道優先)で、到着予測時刻が到着希望時刻より早いものを検索する。早いものがあれば、処理はステップ240に進むが、無ければ、処理はステップ255に進む。なお、早いものの中では、到着希望時刻と到着予測時刻の差の最小のものを選択する。
次に、続く、ステップ240、245、247で、上記到着希望時刻に基づいて、経路検索を行う。これは、新たに案内経路をステップ210での検索条件と異なる所定検索条件の、少なくとも一つの優先順設定を使うことで実施する。この所定条件の詳細は、後に説明する。
ここで、先ず、最初に、所定条件の第一の優先順設定を使って、第一レベルのルートを優先的に、新案内ルートとして、検索する。この第一レベルのルートとは、到着希望時刻より遅くなく、また、その差が少ない到着予測時刻を持つものである。
もし、この候補が無い場合は、(step 247:NO)ステップ240に帰り、第二優先順設定を使って、第一レベルのルートを検索する。この第一レベルのルートが全ての優先順設定(第2、第3....)を使っても、候補が無ければ、第二レベルのルートを第一の優先順設定から検索する。この第二レベルのルートとは、少なくとも最速到着時刻が到着希望時刻より遅く無く、また、到着予測時刻と到着希望時刻の差が最小のものである。
さらに、第二レベルのルートが全ての優先順設定(第2、第3....)を使っても、候補が無ければ、第三レベルのルートを、全ての優先順設定を使って検索する。
この第三レベルのルートとは、即ち、到着予測時刻と到着希望時刻の差が最小のものである。なお、上記の処理で、各時刻の演算は、ステップ245で各候補に対して実施される。
ステップ247で、第一、第二、第三のいずれかのレベルのルートが新案内ルートとして選択されたことが判定されると、処理は、ステップ250に進む。ステップ250では、新案内ルートの最速時刻が希望より早いかを判定する。即ち、第三レベルのルートが選択されるとこの判断は否定され、ステップ265へ進む。 一方、第一、第二レベルが選択される場合には、肯定され、ステップ250へ進む。
ここで、上記の、第一、第二、第三のいずれかのレベルのルートを選択するときに、到着希望時刻との差が最小のものを選択した。 しかし、複数の候補がほぼ同等な予測到着時刻(例えば、10分の幅の差の範囲に入る)ならば、このうちの、最も余裕時間の少ない候補を選択するようにしてもよい。
上記の所定検索条件を以下に説明する。
例えば、ステップ210で検索条件が一般道優先モードであった場合、選択しうる案内経路の候補が、高速道路を案内経路の一部に加えたものとなる。
このように、案内経路の一部を置き換えることで、新しい案内経路を決定する場合、その置き換えられる一部が置き換えられる前の経路中のどこに位置するかによって優先付けを行う。
詳細には、新案内経路では、各種の候補の置き換え部分のうち、置き換え部分が目的地に最も近い(あるいは、現在地から最も遠い)ものを含む候補が優先的に選ばれる。
上記の第一優先順設定とは、目的地に最も近い部分を入替えることで候補を検索することである。
例えば、第二優先順設定とは、目的地に次に近い部分を入替えることで候補を検索することである。 当然ながら、以下のより低い優先順設定(e.g., 3rd)はより高い優先順設定(e.g., 2nd)に比べ、より目的地から遠い(より現在地に近い)部分を入替える検索である。
この結果として、一般道優先モードでの設定を極力、変化させず、なるべく後尾まで初期の優先設定を維持可能となる。なお、この時、置き換え後の部分の道路係数が置き換え前の部分より低くなる場合(あるいは、余裕時間が減少する場合)が実質的に多い。これにより、余裕時間は、相対的に、目的地側に比べ現在地側に設定されることとなる。
余裕時間自体が余裕を見た時間であり、進行に伴い、実質的に、進捗状況が早まる可能性がある。早期に、進路変更をするよりは、しばらくは、現状のルートを走行するうちに、自然と到着までの時間が短縮され、結果として、高速道路等への変更の必要性が無くなることもある。
相対的に現在地側にある余裕時間の中、例えば、休憩設備での休憩を享受しながらドライブを楽しむことも可能である。結果として、このように配慮された新ルートは、他の選択に比べ、初期計画(一般道優先モード)を極力変動させず、よって、ユーザに利便性を提供する。
ステップ255では、ステップ220と同様に、変更後の案内経路および当該案内経路における目的地への到着予測時刻を表示する。
そしてステップ260では、当該案内経路について、ステップ230と同様な方法で経路案内を行う。そしてステップ235の後、処理はステップ235に戻る。
また、ステップ265では、全く遅延無く走行した場合であっても着希望時刻に間に合わない旨の画像、音声等による表示を表示装置20に行わせ、その後、処理はステップ240に戻ると共にステップ270および275から成る子プロセスを並列的に実行する。
ステップ270、275から成る子プロセスは、まずステップ270で、登録先に遅延連絡の旨の情報を送信する。具体的には、通信モジュール28に、目的地に予定時刻に間に合わない旨の情報を含む信号を出力し、また通信モジュール28にこの信号をインターネット等を介して予め登録された送信先(メールアドレス等)に送信するよう制御信号を出力する。
またステップ275では、周囲の車両に対して道を譲って欲しい旨の情報を送信する。また、この情報には、自らの急ぎ度合いとして、到着希望時刻に対する遅れ時間の情報を含める。具体的には、このような情報を含む信号を通信モジュール28に出力し、また、通信モジュール28にこの信号を車車間通信を用いて周囲、特に前方の車両に送信するよう制御信号を出力する。これによって、上記情報を含む信号が車車間通信で送信され、車車間通信の機能を有する周囲の他の車両のユーザは、急いでいる車両があることを認識することができる。またこの際、図示しない車外向け音声出力装置、ランプ等の車外表示器を制御し、これら車外表示器の作動を通じて周囲、特に前方の車両に急いでいる旨、および上記した急ぎ度合いを通知してもよい。
ステップ270の処理は、走行中、重複した通知を防止するために、ただ一度だけ実施されてもよい。また、希望時刻より早い最速時刻あるいは、予測時刻が検索された場合は、前の通知を否定する通知を実施しても良い。例えば、これは、ステップ255で行う。
以上の様な経路検索プログラムによって、ステップ220、225により到着希望時刻を取得すると、到着希望時刻が到着予測時刻よりも早い場合に限り(ステップ235)、目的地までの複数の案内候補経路のうち、目的地への到着予測時刻が到着希望時刻より早く、かつ到着予測時刻と到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内するために、案内経路を変更する(ステップ240〜260)。
これによって、カーナビゲーション装置1は、取得した到着希望時刻と到着予測時刻との誤差が少なくなるような経路を案内することができる。また、到着希望時刻が到着予測時刻よりも早い場合にだけ、このような案内経路の変更を行うので、到着予測時刻が到着希望時刻を満たす限り、より到着予測時刻を遅らせるような案内経路の変更は行わない。例えば高速道路を走行中に、予定よりもスムースに走行できて、到着予測時刻が到着希望時刻よりも非常に早くなってしまった場合であっても、高速道路の代わりに一般道路を用いるような案内経路の変更を行うことはない。
また、この到着予測時刻は、経路における進行遅延を用心すべき余裕時間が、最速到着可能時刻に加算されたものである。これによって、経路における進行遅延を用心すべき余裕時間、すなわち、経路において通常想定される進行度合いから遅れうる時間の代表的な値が、到着予測時刻に加味されているので、経路の余裕時間に応じた経路案内ができる。
またステップ270、275によって、到着希望時刻以前に目的地に到達できる経路を案内できない場合、到着希望時刻は満たされない旨を表示装置20に報知させ、更に自車両外の相手に通知し、また自車両の前方の車両に搭載された通信装置に道を譲って欲しい旨を通知し、更にその通知に急ぎ度合いの情報を含める。
このようにすることで、車両が予定より遅れても、その旨をあらかじめ登録した相手に通知することで、ユーザの運転の焦りを低減できる。また、周囲の車両が他車の急ぎ度合いを考慮して道を譲る可能性もあり、無理な追い越しなどによる交通事故の低減にもつながる。
本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置1の構成図である。 経路検索プログラムのフローチャートである。
符号の説明
1…カーナビゲーション装置、11…位置検出器、12…地磁気センサ、
13…ジャイロスコープ、14…車速センサ、15…GPS受信機、
16…内部メモリ制御装置、17…操作スイッチ群、18…制御回路、
19…外部メモリ制御装置、20…表示装置、21…リモコンセンサ、
22…リモコン、23…アンテナ、28…通信モジュール。

Claims (17)

  1. 設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション装置であって、
    前記目的地への到着希望時刻を取得する取得手段(220、225)と、
    前記目的地までの複数の案内候補経路のうち、前記目的地への到着予測時刻と前記取得手段が取得した到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内する案内手段(235〜260)とを備えたナビゲーション装置。
  2. 前記案内手段は、前記目的地までの複数の案内候補経路のうち、前記目的地への到着予測時刻が前記取得手段が取得した到着希望時刻より早く、かつ前記到着予測時刻と前記到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
  3. 前記目的地への到着予測時刻には、当該経路における進行遅延を用心すべき余裕時間が加算されていることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
  4. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の経路長および道路種別に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  5. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の混雑度に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  6. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の走行時間帯に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  7. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の信号機数に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  8. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の対向車線を横断する右折回数に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  9. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の休憩施設数に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  10. 前記案内手段は、前記案内候補経路の前記余裕時間を、当該経路の気象条件に基づいて特定することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  11. 前記案内手段は、経路の案内中に、現在位置から前記目的地までの複数の案内候補経路のうち、前記目的地への到着予測時刻と前記取得手段が取得した到着希望時刻との誤差が少ない経路を優先的に案内するよう、案内経路を変更することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  12. 前記案内手段は、変更前の案内経路における前記到着予測時刻が前記到着希望時刻よりも遅い場合に、前記案内経路の変更を行うことを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
  13. 前記案内手段は、案内経路の一部を、単位経路長当たりの進行遅延を用心すべき余裕時間がその一部の経路よりも少ない新経路に置き換えることで、案内経路を変更する場合、前記新経路に置き換えられる前記一部の経路が、変更前の案内経路中の後尾にあるような変更ほど優先的に採用することを特徴とする請求項11または12に記載のナビゲーション装置。
  14. 前記案内手段が、前記到着希望時刻以前に前記目的地に到達できる経路を案内できない場合、前記到着希望時刻は満たされない旨を報知装置(20)に報知させることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  15. 当該ナビゲーション装置は、車載用のナビゲーション装置であり、
    前記案内手段が、前記到着希望時刻以前に前記目的地に到達できる経路を案内できない場合、前記到着希望時刻は満たされない旨を自車両外の相手に通知することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  16. 当該ナビゲーション装置は、車載用のナビゲーション装置であり、
    前記案内手段が、前記到着希望時刻以前に前記目的地に到達できる経路を案内できない場合、自車両の前方の車両に、道を譲って欲しい旨を通知することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
  17. 更に、前記通知に、自車両の前記到着希望時刻に対する遅れの情報を含めることを特徴とする請求項16に記載のナビゲーション装置。
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