JP2005134377A - 軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体 - Google Patents

Abstract

【課題】 軸受ハウジングの脚部の外郭部そして中間補強壁の位置に係りなく、信頼でき確実な測定結果をもたらす、軸受ハウジングと荷重測定プレートの組合せ体を提供することを目的とする。
【解決手段】 荷重測定プレート（１３）は上面（１４）と下面（１９）とを有し、該上面（１４）には突出端部（１５，１６）が該上面の他部よりも突出して高く設けられ、下面（１９）には没入端部（２０，２１）が該下面の他部より低く形成され、荷重測定プレートの外端縁からの上記突出端部（１５，１６）の距離が対応せる下面の没入端部（２０，２１）の距離よりも短くなっていて、荷重測定プレート（１３）に傾斜測定面（Ａ）を形成している。
【選択図】 図２

Description

本発明は、軸受ハウジングと、該軸受ハウジングとその取付対象である取付ベースの間に配されるプレート状あるいはブロック状の荷重測定プレートとの組合せ体であって軸受ハウジングに作用する荷重を測定可能とする組合せ体に関する。

荷重測定プレートは、通常、平行六面体構造を有していて、磁界での変化の結果としての測定信号を発するトランスジューサを装備している。かかるトランスジューサは、例えば、作用する荷重を測定するためのホイートストーンブリッジをなす歪ゲージである。

この形式で良く知られている荷重測定ブロックはＡＢＢ ＡＢ社で製造販売されているプレスダクター（登録商標）というトランスジューサを備えており、磁気弾性効果、すなわち材料の磁気特性が、印加された機械的な力により影響を受けるということにもとづいた測定原理のもとに作動する。

このようなロードセルの形をなすものが多く存在しており、そしてその中には標準化されたものもある。これらは、主として、圧延機における圧延力の測定のために用いられ、例えば、圧延隙間調整用のねじ機構や油圧アクチュエータの下に配される円形状のもの、下バックアップロールチョークの下に配される矩形状のもの、あるいは、ミルスタンドとナットの間に配される環状のもの等がある。

従前、このようなロードセルは軸体を支持する軸受の運転時に作用する荷重の測定にも使われてきた。その際、軸受ハウジングの脚部の下にロードセルあるいはプレートを配しておくだけで十分であると考えられてきた。そしてロードセルは、好ましくは矩形で、該ロードセルの外郭形状内に軸受ハウジングの脚部が位置できるのに十分な大きさのものが選ばれてきた。

平坦面の外郭部をもつ脚部を備えた軸受ハウジングを用いることにより、取付ベースに対する平坦接触面が荷重測定プレートと軸受ハウジングとの間の接触面よりも大きい該荷重測定プレートの外郭部の外縁内に軸受ハウジングの脚部が十分に収まっていることにより、満足な測定結果が得られると考えられてきた。
発見できず。

しかしながら、最近の軸受技術においては、軸受ハウジングは、ハウジングの脚部の座面に、すなわち、下面に下方に向けて開口する多数の凹部や空所が設けられている。このような設計によると、軸受ハウジングの軽量化が図れる。軸受ハウジングの脚部の外壁をシェル状にしてしまうと強度が低下するので、高荷重のもとでは変形してしまう虞れがあり、この理由から、軸受ハウジングの脚部の外壁は横方向に延びる中間補強壁により剛性を高められている。

この設計では、標準荷重測定プレートの外郭部よりも小さい外郭部をもつ軸受ハウジングとこの荷重測定プレートとを用いた従前の組合せ体は、不確定なそして不満足な測定結果をもたらす。というのは、荷重測定プレートの面に接触している軸受ハウジングの脚部の部分（接触部分）が荷重測定プレートの上に不規則に分布してしまい、測定結果が不正確になるということである。

本発明の目的は、荷重測定プレートが上面と下面とを有し、該上面には突出端部が該上面の他部よりも突出して高く設けられ、下面には没入端部が該下面の他部より没入して低く形成され、荷重測定プレートの外端縁からの上記突出部の距離が対応せる下面の没入端部の距離よりも短くなっていて、荷重測定プレートに傾斜測定面を形成していることにより達成される。

このような本発明によれば、軸受ハウジングの脚部の外郭部そして中間補強壁の位置に係りなく、信頼でき確実な測定結果をもたらす、軸受ハウジングと荷重測定プレートの組合せ体が得られる。

以下、添付図面に示された非限定的な実施形態にもとづき、本発明をさらに詳述する。

図１は軸受ハウジング１をその脚部２の底面側からそして筒状主部３を視点から遠方に位置するように見たときの斜視図である。脚部の底面にはほぼ四角形の外郭部４が設けられ、その四隅には面取りの斜部が形成されている。図に見られるように、脚部２はシェル状をなし、二つの平行な薄い外長側壁５，６と、これらの外長側壁５，６を連結する二つの平行な薄い短側壁７，８とを有している。ハウジングの底部を補強するために、筒状主部３と外長側壁５，６との間で延びる横壁部９，１０，１１が設けられている。図示の実施形態では、これらのうちの一つの横壁部１１は筒状主部３の中心の下側に位置しており、他の二つの横壁部９，１０は隣接する短側壁７，８に近い位置にある。これらの横壁部９，１０，１１は、軸受ハウジングの重量を低減するように設けられている。軸受の外輪を収容するための内側円筒座面を有する筒状主部３は、脚部２の底面とは離れており、その間の部分に下方へ開口する空間が得られる。脚部の底面をこのような形にしたので、軸受ハウジングに作用する荷重は、ハウジングを平坦面上に置いたときには、比較的薄い長側壁５，６と短側壁７，８そして薄い横壁部９，１０，１１のみを経て、軸受ハウジングが置かれる面へ伝達され、これに対し、脚部の外郭部４の内方のこれらの壁の間の領域は荷重の伝達に寄与しない。補強用の上記横壁部９，１０よりも外側の部分には、アタッチメントボルトのための貫通孔１２が形成されており、このボルトにより軸受ハウジングは取付ベースに取付可能となる。

したがって、既述した荷重測定ブロック、例えばプレスダクタ（登録商標）トランスジューサ型のものを用いると、上記軸受ハウジングの脚部の接面面積が限られているという状態では、軸受ハウジングの荷重伝達域と既述の荷重測定ブロックの荷重受圧域では、不規則にしか一致せず、これは、測定結果がこれらの二つの部材が互いにどういう位置関係にあるかによって大いに変わってしまうということを意味する。

図２には図１に示し説明してきた形の軸受ハウジングの脚部に適用される荷重測定プレート１３が斜視図により示されており、図にも見られるように、この荷重測定プレート１３は、上記軸受ハウジング１の脚部２の外郭部４に近似した輪郭で、ほぼ平行四辺形をなしている。かくして、荷重測定プレート１３の大きさそして形状は軸受ハウジングの脚部のそれに近似する。

こうして、上記荷重測定プレート１３の上面１４は軸受ハウジングの脚部に近似した大きさそして形状となっており、該脚部２はこの荷重測定プレート１３の上面１４の上に配置される。図２から明らかになったように、荷重測定プレート１３は、軸受ハウジングの脚部と同様な斜部が四隅に有している。

上記荷重測定プレート１３の上面１４は一つの平坦面をなしているのではなく、両端側に段状に形成された突出端部１５，１６を有している。これは、軸受ハウジングの脚部２が荷重測定プレートのこれらの突出端部１５，１６においてのみ該荷重測定プレート１３の上に配され接触するということを意味する。荷重測定プレート１３はこれらの突出端部１５，１６間に位置する部分に複数の貫通孔１７が形成されていて、荷重測定プレートを取付ベースに固定するために、この貫通孔へ結合部材、例えば、ボルトが通される。突出端部１５，１６のそれぞれには、一つの貫通孔１８、例えばねじ孔が形成されていて、該貫通孔１８は軸受ハウジングの脚部に設けられた貫通孔１２に通されるボルトを受けるようになっており、これにより軸受ハウジング１を荷重測定プレート１３に取りつける。

荷重測定プレート１３の下面１９は、図４にも良く見られるように、一つの平坦面をなしているのではなく、両端側に段状に形成された没入端部２０，２１を有しており、これらの没入端部２０，２１の間における面よりも若干上方に位置する。没入端部２０，２１の長さは、上記突出端部１５，１６よりも大きく、軸受ハウジングが荷重測定プレート１３へ及ぼす荷重は、突出端部１５，１６を加圧する力として作用し、図４において矢印Ａの方向で応力を生ずるように伝達される。

各突出端部１５，１６とこれに対応する各没入端部２０，２１との間には、それぞれ、荷重測定プレートの長手方向に直角に延びる一つのチャンバー２２が設けられている。このチャンバーの形やその機能については図３を参照しつつ後述する。

荷重測定プレート１３は、少なくとも一つ、あるいは図示のように三つの追加チャンバーあるいは開口が設けられており、これについては図３と関連して後述する。

図３は荷重測定プレート１３を上方から見た図であり、見えない部分については破線で示してある。この図では、二つのチャンバー２２のそれぞれが中間壁２２ｃで仕切られた二つの有底孔２２ａ，２２ｂとなっていることが判る。これらの中間壁の各側には符号２５で示される荷重測定装置が取付けられており、これらは、例えば、ホイートストーンブリッジの形態として設けることができる。追加チャンバー２３，２４は有底孔として荷重測定プレート内に延びており、チャンネル２６を経てチャンバー２２と連通している。チャンネル２６は、荷重測定装置２５への電力供給そして電流測定の信号伝達のためのケーブル（図示せず）を通すのに用いられる。電力は、チャンバー２３に挿入されたプラグ２７から供給され、追加チャンバー２４内のケーブルが出力信号を外部の信号処理装置そして／又はレコーダー（図示せず）にもたらす。又、このような形態に代えて、電力供給と測定信号の伝達は一つのチャンバー２３内で行うようにしてもよい。

図４には荷重測定プレート１３の側面が示されており、この図によると、突出端部１５，１６と没入端部２０，２１が互いにどの位位置差があるのか、又、チャンバー２２に配置されている上記荷重測定装置が設けられている領域に合力として曲げ力が作用しているということ、それ故に、荷重測定プレート上の軸受ハウジングにより作用する瞬時の荷重により生ずる歪が荷重測定装置の位置に積極的に作用するように確実ならしめていることが明らかである。

本発明は図示され説明されてきた実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載の範囲で種々変更が可能である。

本発明の組合せ体に好適な軸受ハウジングをその底部である脚部の方からみた斜視図である。 図１の軸受ハウジングとの組合せに好適な荷重測定プレートの斜視図である。 荷重測定プレートを上方からみた図であり、見えない部分は破線で示されている。 荷重測定プレートの側面図であり、見えない部分は破線で示されている。

符号の説明

１ 軸受ハウジング
２ 脚部
４ 外郭部
５，６，７，８ 外側壁（５，６ 外長側壁、７，８ 短側壁）
９，１０ 横型部
１２ 取付孔
１３ 荷重測定プレート
１４ 上面
１５，１６ 突出端部
１９ 下面
２０，２１ 没入端部
２２ チャンバー
２２ａ，２２ｂ 有底孔
２２ｃ 仕切壁
２５ 荷重測定装置
Ａ 傾斜測定面

Claims (7)

1. 軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体であり、該軸受ハウジング（１）がほぼ矩形の外郭部（４）と外側壁（５，６，７，８）と中間の横壁部（９，１０）と有する脚部（２）を備え、該脚部（２）が荷重測定プレート（１３）上に接触配置される平坦面を有し、該荷重測定プレート（１３）が内部に荷重測定装置（２５）を備え、上記荷重測定プレート（１３）の外郭部が上記軸受ハウジングの脚部（２）の外郭部に近接配置されている組合せ体において、
   荷重測定プレート（１３）は上面（１４）と下面（１９）とを有し、該上面（１４）には突出端部（１５，１６）が該上面（１４）の他部よりも突出して高く設けられ、下面（１９）には没入端部（２０，２１）が該下面（１９）の他部より低く形成され、荷重測定プレートの外端縁からの上記突出部（１５，１６）の距離が対応せる下面の没入端部（２０，２１）の距離よりも短くなっていて、荷重測定プレート（１３）に傾斜測定面（Ａ）を形成していることを特徴とする軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。
2. 荷重測定装置（２５）は傾斜測定面(Ａ）に沿った歪を測定するように配設されていることとする請求項１に記載の軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。
3. 軸受ハウジングの脚部（２）は、荷重測定プレート（１３）の対応孔（１８）と協働してボルトのための取付孔（１２）が形成されており、このボルトにより軸受ハウジング（１）が荷重測定プレート（１３）に対して正規位置に設置可能となっていることとする請求項１又は請求項２に記載の軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。
4. 荷重測定プレート（１３）は、該荷重測定プレート（１３）の上面（１９）そして下面（１９）と平行でかつこれらの面の間で、荷重測定プレート（１３）の長手方向に対して直角な方向に延びるチャンバー（２２）を有し、該チャンバーは薄い中間仕切壁（２２ｃ）により区分された二つの有底孔（２２ａ，２２ｂ）として形成され、荷重測定装置（２５）が対向する有底孔（２２ａ，２２ｂ）内で仕切壁（２２ｃ）の両面に配設されていることとする請求項１ないし請求項３のうちの一つに記載の軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。
5. 仕切壁（２２ｃ）は傾斜測定面(Ａ）に位置していることとする請求項４に記載の軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。
6. 荷重測定装置（２５）は歪測定装置であることとする請求項１ないし請求項５のうちの一つに記載の軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。
7. 歪測定装置（２５）はホイートストーンブリッジをなす歪ゲージであることとする請求項６に記載の軸受ハウジングと荷重測定プレートとの組合せ体。

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