JP2005134261A - ワイヤーロープ管理システム、寿命判定方法及び寿命判定プログラム - Google Patents

ワイヤーロープ管理システム、寿命判定方法及び寿命判定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易にワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定することができるワイヤーロープ管理システムを提供する。
【解決手段】 ワイヤーロープを使用するクレーンを制御するクレーン制御装置500と、入力されたワイヤーロープの伸張率データ及び残存強度データを用いてワイヤーロープの寿命を算出したり、算出されたワイヤーロープの寿命を用いて使用されているワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定したり、算出されたワイヤーロープの寿命を用いて使用されているワイヤーロープの残寿命を算出したりする寿命判定装置510と、電気通信回線520とからなるワイヤーロープ管理システム。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定するワイヤーロープ管理システム、寿命判定方法及び寿命判定プログラムに関する。
従来から、クレーン等に使用されるワイヤーロープは、繰り返し使用されるうちにロープ内で素線の破断が起きるため、定期的に交換する必要がある。
このワイヤーロープの交換の目安とされる使用期間は、一般的に十分な安全性を見込んで短い期間に設定されており、実際には寿命に達していないものまで廃棄されているおそれがある。したがって、ワイヤーロープの交換期日を正確に見極める技術を確保できれば、ワイヤーロープに要するコストを低減できることになる。
このような課題を解決する先行技術として、「クレーン用ワイヤーロープの寿命判定方法」(特許文献1参照)がある。これは、ニーマン式による寿命計算と実曲げ回数との比を寿命比率データとし、シーブを通過していないワイヤーのねじり試験結果とシーブを通過したワイヤーのねじり試験結果との比を劣化比率として、その関係に基づきワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する技術である。この技術により、適切な期間でのワイヤーロープの交換を可能にし、ワイヤーロープに要するコストを低減できると説明されている。
特開平9−178611号公報
上記特許文献1に記載された従来技術の方法は、クレーン毎の巻き上げ距離や負荷の調査を必要とする。また、この方法は、素線の取り扱いによっては試験データにばらつきを生じ易く、データ採取に熟練を要する。さらに、ワイヤーロープは多くの素線を有するため、この方法ではデータの採取に多大な労力を要することになり、簡易にワイヤーロープの寿命を判定することができないという問題があると思われる。
そこで、本発明は、新たに、簡易で精度良くワイヤーロープの寿命を判定できるワイヤーロープ管理システム、寿命判定方法及び寿命判定プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のワイヤーロープ管理システムは、過去のクレーンの操業の程度を示す操業指標データと、当該操業時におけるワイヤーロープの伸長率及び残存強度のデータの組み合わせを取得し、これらのデータに基づいてワイヤーロープの寿命を算出する寿命算出手段と、操業中のクレーンの操業指標データと、前記寿命算出手段により算出されたワイヤーロープの寿命とを取得し、当該操業指標データ及びワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する寿命判定手段と、そのワイヤーロープの寿命判定結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。ここで、前記寿命算出手段は、前記取得したデータの組み合わせから算出した操業指標と伸長率の関係を表す近似線と、前記残存強度データとを用いてワイヤーロープの寿命を算出し、前記寿命判定手段は、前記取得した操業中のクレーンの操業指標データが前記寿命算出手段により算出された寿命を超えているかどうかで前記ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定してもよい。また、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、前記ワイヤーロープの寿命判定結果を音声で出力する音声出力手段を備えてもよい。
これによって、クレーンの操業指標データと、ワイヤーロープの伸長率及び残存強度という採取に熟練を要しないデータとによりワイヤーロープの寿命が算出され寿命に達しているか否が判定されるので、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを簡易に判定できるワイヤーロープ管理システムを実現するという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープの寿命とは、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの伸長率に達する第1の操業指標と、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの残存強度に達する第2の操業指標のうち、小さい方の操業指標としてもよい。
ここで、本発明においてワイヤーロープの寿命を評価するためのパラメータである伸長率と残存強度について略述する。伸長率は操業指標との相関が比較的強く現れるが、ある時点から急激に変化するという特徴を有する。一方、残存強度は操業指標との相関があまり強く現れないが、ワイヤーロープの寿命と密接に関係する。したがい、残存強度データも監視することにより、伸長率データが急激に変化することを考慮に入れてワイヤーロープの寿命を算出することができるので、高い精度でのワイヤーロープの寿命の算出できるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープの寿命について、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの伸長率が伸長率データのばらつきの範囲に入る第1の操業指標と、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの残存強度に達する第2の操業指標のうち、小さい方の操業指標としてもよい。これにより、伸長率データのばらつきを考慮に入れてワイヤーロープの寿命を算出することができるので、より安全性を重視してワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定できるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。また、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、前記ばらつきを任意に設定するばらつき設定手段を備えてもよい。
これによって、人災に直結する、もしくは設備的な損害が大きい場合等、ワイヤーロープの破断による被害が大きい場合と、そうでない場合とでワイヤーロープの寿命の設定を自在に変更できるので、使用状況に応じたワイヤーロープの寿命判定を可能にするワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープは、異なる使用条件を有する複数のクレーンに使用されており、前記寿命算出手段は、前記ワイヤーロープの寿命をクレーン毎に算出し、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、前記複数のクレーンからクレーンを特定するクレーンデータと、当該クレーンデータにより特定されるクレーンにおける前記ワイヤーロープの寿命とを含むデータベースファイルを作成するデータベースファイル作成手段と、前記データベースファイルを記憶する記憶手段とを備え、前記寿命判定手段は、前記クレーンデータに基づいてデータベースファイルを検索し、該当するデータベースファイルに含まれる前記ワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定してもよい。
これによって、ワイヤーロープの寿命をクレーン毎に算出し、また、複数のクレーンからクレーンを特定した上でワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定をおこなうので、クレーンの数によらずワイヤーロープが寿命に達しているか否かを簡易に判定できるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープは、複数種類あり、前記複数種類のワイヤーロープは、異なる使用条件を有する複数のクレーンに使用されており、前記寿命算出手段は、前記ワイヤーロープの寿命をクレーン及びワイヤーロープの組合せ毎に算出し、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、前記複数のクレーンからクレーンを特定するクレーンデータと、前記複数種類のワイヤーロープからワイヤーロープを特定するワイヤーロープデータと、当該クレーンデータ及びワイヤーロープデータの組合せにおけるワイヤーロープの寿命とを含むデータベースファイルを作成するデータベースファイル作成手段と、前記データベースファイルを記憶する記憶手段とを備え、前記寿命判定手段は、前記クレーンデータ及びワイヤーロープデータに基づいてデータベースファイルを検索し、該当するデータベースファイルに含まれるワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定してもよい。
これによって、クレーン及びワイヤーロープの組合せ毎に算出し、また、複数のクレーンからクレーンを特定し、かつ複数種類のワイヤーロープからワイヤーロープを特定した上でワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定をおこなうので、クレーンの数及びワイヤーロープの種類によらずワイヤーロープが寿命に達しているか否かを簡易に判定できるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープ及び操業指標は、複数種類あり、前記複数種類のワイヤーロープは、異なる使用条件を有する複数のクレーンに使用されており、前記寿命算出手段は、前記ワイヤーロープの寿命をクレーン、ワイヤーロープ及び操業指標の組合せ毎に算出し、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、前記複数のクレーンからクレーンを特定するクレーンデータと、前記複数種類のワイヤーロープからワイヤーロープを特定するワイヤーロープデータと、前記複数種類の操業指標から操業指標を特定する操業指標種類データと、当該クレーンデータ、ワイヤーロープデータ及び操業指標の組合せにおけるワイヤーロープの寿命とを含むデータベースファイルを作成するデータベースファイル作成手段と、前記データベースファイルを記憶する記憶手段とを備え、前記寿命判定手段は、前記クレーンデータ、ワイヤーロープデータ及び操業指標種類データに基づいてデータベースファイルを検索し、該当するデータベースファイルに含まれる前記ワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定してもよい。ここで、前記操業指標は、吊り回数、吊り荷重あるいは使用時間であってもよい。
これによって、クレーン、ワイヤーロープ及び操業指標の組合せ毎に算出し、また、複数のクレーンからクレーンを特定し、かつ複数種類のワイヤーロープからワイヤーロープを特定し、かつ複数種類の操業指標から操業指標を特定した上でワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定をおこなうので、クレーンの数、ワイヤーロープの種類及び操業指標の種類によらずワイヤーロープが寿命に達しているか否かを簡易に判定できるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、ワイヤーロープの残寿命を計算するために入力されたクレーンの操業指標データ及び前記ワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープの残寿命を計算する残寿命算出手段を備え、前記表示手段は、前記ワイヤーロープの残寿命を表示する残寿命表示手段を備えてもよい。
これによって、操業指標データの入力に応じ、そのワイヤーロープの残寿命を算出するので、ワイヤーロープの寿命到達時期の簡易な予測を可能にするワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
また、前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、前記クレーンの操業指標を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された操業指標から操業指標データを生成するデータ生成手段とを備えてもよい。
これによって、操業指標データは検出手段により採取されるので、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを正確かつ簡易に判定することができるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果が発揮される。
なお、本発明は、上述のようなワイヤーロープ管理システムとして実現できるのみではなく、このワイヤーロープ管理システムが備える手段をステップとする寿命判定方法、また、このワイヤーロープ管理システムにおける手段としてコンピュータ等を機能させる寿命判定プログラムとして実現させることができるのは言うまでもない。
本発明に係るワイヤーロープ管理システムによれば、操業指標データ、さらに引張り試験により得られる伸長率データ及び残存強度データに基づいて決められるので、容易でかつ高精度な寿命判定を実現できるという効果を奏する。
本発明に係るワイヤーロープ管理システムによれば、伸長率データだけでなく残存強度も考慮に入れてワイヤーロープの寿命判定の基準を決めるので、高精度にワイヤーロープの寿命を算出できるワイヤーロープ管理システムを実現するという効果を奏する。さらに、データのばらつきを考慮に入れたワイヤーロープの寿命判定の基準を用いることにより、特に安全性を重視したワイヤーロープの寿命判定ができるワイヤーロープ管理システムを実現するという効果を奏する。
本発明に係るワイヤーロープ管理システムによれば、使用されているワイヤーロープの操業指標データの入力に応じ、そのワイヤーロープの残寿命を算出するので、簡易にワイヤーロープの寿命到達時期を予測できるワイヤーロープ管理システムを実現できるという効果を奏する。
よって、本発明により、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを、高精度にかつ簡易に判定できるワイヤーロープ管理システムを提供することが可能となり、実用的価値は極めて高い。
以下、本発明の実施の形態おけるワイヤーロープ管理システムについて、図面を参照しながら説明する。まず大まかにワイヤーロープの寿命判定手順を説明した後で、ワイヤーロープ管理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるワイヤーロープの寿命判定手順の大まかな流れを示すフローチャートである。
まず、ワイヤーロープの加速試験をおこない、クレーン等安全則及びクレーン構造規格に基づき、使用が禁止されるときのワイヤーロープの伸張率データ及び残存強度データを採取し、それらを伸張率基準、残存強度基準とする(ステップS100)。加速試験は、同種類のワイヤーロープについて複数本を対象におこない、データを採取する。この結果を統計的に処理することにより、データのばらつきを考慮した伸張率基準及び残存強度基準を求めることができる。
ここで、図2(a)のワイヤーロープの外観図に示されるように、ワイヤーロープは、芯鋼200と、芯鋼200を中心とし撚られた6つのストランド210とから構成され、素線220とは、心線230を中心として撚られたストランド210を構成するものである。また、クレーン等安全則及びクレーン構造規格とは、次の1〜3のワイヤーロープの使用を禁止するものである。
1.図2(b)に示されるワイヤーロープの側面図及び断面図の間隔d内のワイヤーロープ部分、つまり、ストランド210a、ストランド210b、ストランド210c、ストランド210d、ストランド210e及びストランド210fからなるワイヤーロープ部分における総素線の10%以上の素線が断線したもの。
2.直径の減少率が公称径の7%を越えるもの。
3.キンクしたもの、あるいは著しい形くずれ、腐食のあるもの。
次に、使用前のワイヤーロープの引っ張り試験を行い、伸張率データ及び残存強度データを採取する(ステップS110)。そして、データを採取したワイヤーロープと同種類のワイヤーロープをクレーンで使用した後、このワイヤーロープに係わるクレーンの操業指標データと、再度の引っ張り試験による伸張率データ及び残存強度データを採取する(ステップS120)。クレーンに使用する前のワイヤーロープの伸張率データ及び残存強度データについて、引っ張り試験を行い採取するとしたが、引っ張り試験をおこなわずに、メーカがワイヤーロープの製造時に採取した品質検査記録の伸張率データ及び残存強度データを用いてもよい。さらに、使用後のワイヤーロープの捨て巻き部分、つまり、シーブ(滑車)を通過せず、曲げ疲労を受けなかった部分について引っ張り試験をおこない、伸張率データ及び残存強度データを採取して用いてもよい。ここで、操業指標とはクレーンの吊り回数、吊り荷重あるいは使用時間等のことをいい、操業指標データとは一定期間内におけるクレーンの総吊り回数、総吊り荷重あるいは総使用時間等の実績データである。使用後のワイヤーロープの引っ張り試験におけるサンプルの採取位置として、ロープ長手方向で最もシーブを通過し曲げ疲労を受けている範囲を選択する。なお、ワイヤーロープの使用前、使用後における伸張率データ及び残存強度データの採取は、それぞれ複数回おこなわれる。
つづいて、伸張率を縦軸とし、操業指標を横軸として、採取した伸張率データをプロットし、伸張率データのばらつき3σを算出した後、プロットした伸張率データから近似線を求め、その近似線を縦軸のマイナス方向に3σだけ平行移動して、伸張率規格線とする(ステップS130)。また同様に、残存強度を縦軸に、操業指標を横軸として、採取した残存強度データをプロットして残存強度基準を満たしているかどうか確認する。(ステップS140)。なお、伸張率データのばらつきとして3σを算出し、近似線を3σ平行移動させて伸張率規格線とするとしたが、ばらつきとしてσあるいは2σを算出し、近似線をσあるいは2σ平行移動させて伸張率規格線としてもよい。ここで、伸張率データのばらつき3σは、ワイヤーロープの使用前、使用後においてそれぞれ求められるが、いずれか大きい方の値を近似線の平行移動に用いれば、より安全性を重視することができる。図3(a)〜(e)は、伸張率規格線が引かれた一例を示す図である。この図は、同一種類のワイヤーロープを異なる種類のクレーンに使用して得られたデータを示している。図中には、それぞれ同図左側に伸張率、同図右側に残存強度のグラフを掲げる。伸張率のグラフには伸張率を縦軸、吊り回数を横軸として、伸張率データをプロットして伸張率基準(10%断線伸長率)を示す線が引かれている。また、残存強度のグラフには残存強度を縦軸、吊り回数を横軸として、残存強度データをプロットして残存強度基準(10%断線残存強度)を示す線が引かれている。ここで、伸張率規格線として近似線を3σ平行移動させた線が用いられている。
つづいて、伸張率基準と伸張率規格線の交わる位置での操業指標値を算出する。一方、残存強度データが残存強度基準を下回っていないかどうかを確認する。そして、伸長率規格線が伸長率基準と交わる位置の操業指標を寿命とするが、先に残存強度データが残存強度基準を下回っているときには、その位置を寿命とする(ステップS150)。たとえば、図3(a)において、残存強度データが残存強度基準を下回っていないので、ワイヤーロープの寿命は、約11000chとなる。このように、伸長率については操業指標データとの相関を表す近似線を用いながら、残存強度についてはデータそのものを用いる理由として、伸長率は操業指標との相関が比較的強く現れるものの、ある時点から急激に変化するという特徴を有するが、残存強度は操業指標との相関があまり強く現れないものの、ワイヤーロープの寿命と密接に関係しているためである。
つづいて、クレーンに使用されているワイヤーロープの操業指標データを採取する(ステップS160)。
最後に、採取した操業指標データと既に求められているワイヤーロープの寿命とに基づき、使用されているワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する(ステップS170)。
次に、ワイヤーロープ管理システムについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの使用状況を示すシステム構成図である。
本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを簡易に判定することを目的とするものであって、電気通信回線420を介して寿命判定装置410と接続されたクレーン制御装置400a、400b、400cと、寿命判定装置410とから構成される。
図5は、本発明の実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの機能ブロック図である。
図5に示されるように、本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、ワイヤーロープを使用するクレーンを制御するクレーン制御装置500と、入力されたワイヤーロープの伸張率データ及び残存強度データを用いてワイヤーロープの寿命を算出したり、算出されたワイヤーロープの寿命を用いて使用されているワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定したり、算出されたワイヤーロープの寿命を用いて使用されているワイヤーロープの残寿命を算出したりするコンピュータ装置である寿命判定装置510と、電気通信回線520とからなる。
クレーン制御装置500は、データ入力等、ユーザからの操作入力を受け付けるキーボードやマウス等の入力装置である操作部501と、積算部505からの情報の送信を受けてユーザインタフェース画面を表示するCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等である表示部502と、クレーンの操業指標を検出する検出部503と、操業指標テーブル504aを記憶する記憶部504と、検出部503により操業指標が検出される毎に操業指標を積算して操業指標データを生成し、記憶部504の操業指標テーブル504aを一定期間毎に送受信部506に送信する積算部505と、積算部505から送信された操業指標テーブル504aを寿命判定装置510に送信する送信部506とから構成され、積算部505はテーブル作成部505aを備える。
テーブル作成部505aは、積算部505で生成された操業指標データ、操作部501により入力されたクレーンに関するクレーンデータ、ワイヤーロープに関するワイヤーロープデータ及び操業指標種類データに基づいて操業指標テーブル504aを作成し、既に記憶部504に記憶されている操業指標テーブル504aと置き換える。ここで、クレーンデータとは、揚程等の使用条件により複数のクレーンを分類して付されたクレーンの管理番号であり、ワイヤーロープデータとは、形状あるいは素材等により複数のワイヤーロープを分類して付されたワイヤーロープの型番あるいはワイヤーロープ名である。また、操業指標種類データとは、吊り回数、吊り荷重あるいは使用時間等の操業指標の種類である。
図6は、操業指標テーブル504aの一例を示す模式図である。
図6に示されるように、操業指標テーブル504aは、操業指標種類データ(吊り回数、使用時間)毎に登録された操業指標データ(たとえば、総吊り回数である8000ch、総使用時間600h)、クレーンデータ(たとえば、クレーンの管理番号HM350T)、ワイヤーロープデータ(たとえば、ワイヤーロープの型番W400)からなる。
寿命判定装置510は、データ入力等、ユーザからの操作入力を受け付けるキーボードやマウス等の入力装置である操作部511と、計算部514からの情報の送信を受けてユーザインタフェース画面や画像を表示するCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等である表示部512と、ワイヤーロープの寿命に関するデータベースファイル513aを複数記憶するハードディスク等の記録媒体である記憶部513と、ワイヤーロープの寿命の算出、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定及びワイヤーロープの残寿命の算出をおこなう計算部514と、クレーン制御装置500から操業指標テーブル505aを受信する受信部515とから構成され、計算部514は、寿命判定基準作成部514aを備える。
寿命判定基準作成部514aは、操作部511により入力された伸張率データ、残存強度データ及び操業指標種類データと、計算部514により算出されたワイヤーロープの寿命とに基づいてデータベースファイル513aを作成する。
図7は、データベースファイル513aの一例を示す模式図である。
図7に示されるように、データベースファイル514aは、ファイルヘッダと、「伸張率」のフィールドと、「残存強度」のフィールドとからなる。ファイルヘッダには、「クレーンの種類」(たとえば、クレーンの型番HM350T)、「ワイヤーロープの種類」(たとえば、ワイヤーロープの型番W400)、「操業指標の種類」(吊り回数)のレコードを含む。また、「伸張率」のフィールドには、「伸張率基準」(たとえば、0.7%)、「伸張率データ」(たとえば、総吊り回数及び伸張率値を含むテーブル)、「伸張率規格線」(たとえば、y=aX+b)のレコードを含む。また、「残存強度」のフィールドには、「残存強度基準」(たとえば、82%)、「残存強度データ」(たとえば、総吊り回数及び残存強度値を含むテーブル)のレコードを含む。
以上のように構成された本発明の実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの動作(データベースファイル513a作成の動作)について、図8に示されるフローチャートに沿って順に説明する。
計算部514は、ユーザによるデータベースファイル513a作成開始の操作を受けて、表示部512に伸張率基準、残存強度基準、操業指標種類データ、クレーンに使用する前、使用した後のワイヤーロープの伸張率データ及び残存強度データ、ワイヤーロープデータ、クレーンデータ及び操業指標種類データ、3σ等の伸張率データのばらつきの入力を求めるデータ入力画面を表示させる(ステップS800)。
計算部514は、操作部511により入力された伸張率基準、残存強度基準、クレーンに使用する前、使用した後のワイヤーロープの伸張率データ及び残存強度データ、伸張率データのばらつきからワイヤーロープの寿命を算出する(ステップS810)。
寿命判定基準作成部514aは、計算部514により算出されたワイヤーロープの寿命、操作部511により既に入力されたデータからデータベースファイル513aを作成し、記憶部513に送信する(ステップS820)。
次に、ワイヤーロープ管理システムの動作(ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定の動作)について、図9に示されるフローチャートに沿って順に説明する。
積算部505は、ユーザによる新たなワイヤーロープの使用開始の操作を受けて、表示部502にクレーンデータ、ワイヤーロープデータ及び操業指標種類データの入力を求めるデータ入力画面を表示させる(ステップS900)。
積算部は、操作部501により入力されたデータをテーブル作成部505aに送信し、操作部501により入力された操業指標種類データで指示された操業指標について、検出部503に検出を開始させる。検出部503は、操業指標の検出を開始する(ステップS910)。
積算部505は、検出部503により操業指標が検出される毎に操業指標を積算し、操業指標データを生成する(ステップS920)。
テーブル作成部505aは、積算部505から送信されたデータと、積算部505により生成された操業指標データとに基づき、操業指標テーブル504aを作成し、記憶部504に記憶されている操業指標テーブル504aと置き換える(ステップS930)。
積算部505は、一定期間毎に記憶部504に記憶されている操業指標テーブル504aを送信部506に送信する。送信部506は、操業指標テーブル504aを寿命判定装置510に送信する(ステップS940)。
受信部515は、電気通信回線520を介して操業指標テーブル504aを受信し、計算部514に送信する。計算部514は、操業指標テーブル504aを受信する度に、記憶部513を検索して、操業指標テーブル504aに登録されているクレーンデータ、ワイヤーロープデータ及び操業指標種類データをファイルヘッダに含むデータベースファイル513aを探す(ステップS950)。なお、検索の結果、該当するデータベースファイル513aが記憶部513に記憶されていない場合(ステップS960でNo)、特にそれ以上の動作はおこなわれず、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定の動作は終了する。
該当するデータベースファイル513aが記憶部513に記憶されていた場合(ステップS960でYes)、計算部514は、操業指標テーブル504aに登録されている操業指標データと、データベースファイル513aとに基づき、操業指標テーブル504aを送信したクレーン制御装置500において、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する(ステップS970)。ワイヤーロープが寿命に達していなかったと判定した場合(ステップS980でNo)、特にそれ以上の動作はおこなわれず、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定の動作は終了する。なお、該当するデータベースファイル513aが複数ある場合は、いずれか1つのデータベースファイル513aにおいて、ワイヤーロープが寿命に達していると判定されれば、計算部514は、ワイヤーロープが寿命に達していると判定する。
ワイヤーロープが寿命に達していると判定した場合(ステップS980でYes)、計算部514は、操業指標テーブル504aを送信したクレーン制御装置500において、ワイヤーロープが寿命に達していることを知らせる警告画面を表示部512に表示させる(ステップS990)。
次に、ワイヤーロープ管理システムの動作(ワイヤーロープの残寿命の確認の動作)について、図10に示されるフローチャートに沿って順に説明する。
計算部514は、ユーザによるワイヤーロープの残寿命の確認開始の操作を受けて、表示部512にクレーンデータ、ワイヤーロープデータの入力及び操業指標種類データを求めるデータ入力画面を表示する(ステップS1000)。
計算部514は、記憶部513を検索して、操作部511により入力されたデータをファイルヘッダに含むデータベースファイル513aを探す(ステップS1010)。なお、検索の結果、該当するデータベースファイル513aが記憶部513に記憶されていない場合、クレーンデータ及びワイヤーロープデータの入力を求めるデータ入力画面を再度表示する。
計算部514は、データベースファイル513aの内容と、操業指標データの入力を求めるデータ入力画面を表示部512に表示させる(ステップS1020)。
図11は、該当するデータベースファイル513aが記憶部513に記憶されていた場合に表示部512に表示される画面の一例を示す図である。
図11に示されるように、表示内容は、ワイヤーロープの種類(たとえば、クレーンの型番HM350T)、クレーンの種類(たとえば、ワイヤーロープの型番W400)及び操業指標の種類(たとえば、吊り回数)、伸張率の近似線及び伸張率規格直線が引かれたグラフ(たとえば、横軸に吊り回数、縦軸に伸長率をとったグラフ)、残存強度のデータをプロットしたグラフ(たとえば、横軸に吊り回数、縦軸に残存強度データをとったグラフ)、伸張率規格直線式(たとえば、y=aX+b)、操業指標データの入力を求める空欄、残寿命の算出を指示するアイコン(たとえば、「計算」というアイコン)とから構成される。
計算部514は、入力された操業指標データと、該当するデータベースファイル513aとに基づいてワイヤーロープの残寿命を算出し、算出したワイヤーロープの残寿命を表示部512に表示させる(ステップS1030)。ここで、残寿命とは、残吊り回数、残吊り荷重あるいは残時間等である。
以上のように本実施の形態によれば、ワイヤーロープの寿命判定の基準とするデータベースファイル320aは、操業指標データと、引張り試験により得られる伸長率データ及び残存強度データとに基づいて作成され、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定は、クレーン制御装置500により採取される操業指標データと、既に寿命判定装置に記憶されているデータベースファイル513aとに基づいておこなわれる。よって、伸長率データ及び残存強度データというデータ採取に熟練を要しないデータによりワイヤーロープの寿命が算出され、また、操業指標データという簡易に採取できるデータにより、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定がおこなわれるので、本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを簡易に判定することができるワイヤーロープ管理システムを実現することができる。
また、本実施の形態によれば、伸長率データが伸長率基準に達するか、もしくは残存強度データが残存強度基準に達するかしたときの操業指標データをワイヤーロープの寿命とする。よって、残存強度データを監視することにより、伸長率データが急激に変化し始める時期を予測することができるので、本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、ワイヤーロープの寿命を高い精度で算出することができるワイヤーロープ管理システムを実現することができる。つまり、残存強度は、残存強度の変化率を縦軸に、曲げサイクル数を横軸にとった図12のグラフに示されるような漸減した後、急激に低下するという曲線を描き、伸長率は、この残存強度の急激な低下の後に急激に低下し始めるため、伸長率だけでなく残存強度も考慮に入れてワイヤーロープの寿命を算出することは、高い精度でのワイヤーロープの寿命の判定につながるのである。
また、本実施の形態によれば、近似線を3σ平行移動させてなる伸長率規格線を用いるため、データのばらつきを考慮に入れてワイヤーロープの寿命を決定することとなり、本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを確実に判定することができるワイヤーロープ管理システムを実現することができる。
また、本実施の形態によれば、ワイヤーロープの寿命判定の基準とするデータベースファイル513aを作成する際に、データのばらつきを入力し、データのばらつきはワイヤーロープの寿命の決定に影響する。よって、人災に直結する、もしくは設備的な損害が大きい場合等、ワイヤーロープの破断による被害が大きい場合と、そうでない場合とでワイヤーロープの寿命を変化させることができるので、本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、使用状況に応じたワイヤーロープの寿命判定を可能にするワイヤーロープ管理システムを実現することができる。
また、本実施の形態によれば、使用されているワイヤーロープの操業指標データの入力に応じ、そのワイヤーロープの残寿命を算出する。よって、本実施の形態のワイヤーロープ管理システムは、ワイヤーロープの寿命到達時期を簡易に予測することができるワイヤーロープ管理システムを実現することができる。
なお、本実施の形態において、クレーン制御装置500がクレーンに使用されているワイヤーロープの操業指標データを採取し、寿命判定装置は、その採取された操業指標データに基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定するとした。しかし、クレーン制御装置500ではなく、クレーンのユーザがそのクレーンに使用されているワイヤーロープの操業指標データを採取し、その操業指標データを寿命判定装置に入力し、寿命判定装置は、クレーンのユーザにより入力された操業指標データに基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定してもよい。
また、本実施の形態において、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定結果あるいはワイヤーロープの残寿命を表示部に表示するとした。しかし、寿命判定装置はマイク等の音声出力部を備え、寿命判定装置は、ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定結果あるいはワイヤーロープの残寿命を音声により出力してもよい。
また、本実施の形態において、ワイヤーロープの寿命判定の基準とするデータベースファイル320aは、データベースファイル320aを作成するために採取した伸長率データ及び残存強度データに基づいて作成されるとした。しかし、寿命判定装置により寿命に達していると判定されたワイヤーロープを引張り試験して、伸長率データ及び残存強度データを採取し、そのデータをデータベースファイル320aの作成のために採取したデータに加えてデータベースファイル320aを作成してもよい。これにより、更に正確なワイヤーロープの寿命を求めることが可能になる。
本発明は、ワイヤーロープ管理システムに利用でき、特にクレーンに使用されるワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定するワイヤーロープ管理システムに利用することができる。
本発明の実施の形態におけるワイヤーロープの寿命判定の概括的な流れを示すフローチャートである。 (a)ワイヤーロープの外観図である。(b)ワイヤーロープの側面図及び断面図である。 伸張率規格線が引かれたグラフの一例を示す図である。 同実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの使用状況を示すシステム構成図である。 同実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの機能ブロック図である。 操業指標テーブル504aの一例を示す模式図である。 データベースファイル513aの一例を示す模式図である。 同実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの動作(データベースファイル513a作成の動作)を示すフローチャートである。 同実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの動作(ワイヤーロープが寿命に達しているか否かの判定の動作)を示すフローチャートである。 同実施の形態におけるワイヤーロープ管理システムの動作(ワイヤーロープの残寿命の確認の動作)を示すフローチャートである。 計算部514による検索の結果、データベースファイル513aが記憶部513に記憶されていた場合に表示部512に表示される画面の一例を示す図である。 曲げサイクル数の変化に対する残存強度の変化を示すグラフである。
符号の説明
200 芯線
210、210a、210b、210c、210d、210e、210f ストランド
220 素線
230 心線
400a、400b、400c、500 クレーン制御装置
410、510 寿命判定装置
420、520 電気通信回線
501、511 操作部
502、512 表示部
503 検出部
504、513 記憶部
504a 操業指標テーブル
505 積算部
505a テーブル作成部
506 送信部
513a データベースファイル
514 計算部
514a 寿命判定基準作成部
515 受信部

Claims (14)

  1. クレーンにおいて使用されるワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定するワイヤーロープ管理システムであって、
    過去のクレーンの操業の程度を示す操業指標データと当該操業時におけるワイヤーロープの伸長率データ及び残存強度データとの組み合わせを取得し、当該組み合わせに基づいてワイヤーロープの寿命を算出する寿命算出手段と、
    操業中のクレーンの操業指標データと、前記寿命算出手段により算出されたワイヤーロープの寿命とを取得し、当該操業指標データ及びワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する寿命判定手段と、
    前記ワイヤーロープの寿命の判定結果を表示する表示手段とを備える
    ことを特徴とするワイヤーロープ管理システム。
  2. 前記寿命算出手段は、前記取得したデータの組み合わせから算出した操業指標と伸長率の関係を表す近似線と、前記残存強度データとを用いてワイヤーロープの寿命を算出し、
    前記寿命判定手段は、前記取得した操業中のクレーンの操業指標データが前記寿命算出手段により算出された寿命を超えているかどうかで前記ワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーロープ管理システム。
  3. 前記ワイヤーロープの寿命とは、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの伸長率に達する第1の操業指標と、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの残存強度に達する第2の操業指標のうち、小さい方の操業指標とする
    ことを特徴とする請求項2に記載のワイヤーロープ管理システム。
  4. 前記ワイヤーロープの寿命とは、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの伸長率が伸長率データのばらつきの範囲に入る第1の操業指標と、クレーン等安全則、クレーン構造規格により使用が禁止されるワイヤーロープの残存強度に達する第2の操業指標のうち、小さい方の操業指標とする
    ことを特徴とする請求項2に記載のワイヤーロープ管理システム。
  5. 前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    前記ばらつきを設定するばらつき設定手段を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のワイヤーロープ管理システム。
  6. 前記ワイヤーロープは、異なる使用条件を有する複数のクレーンに使用されており、
    前記寿命算出手段は、前記ワイヤーロープの寿命をクレーン毎に算出し、
    前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    前記複数のクレーンからクレーンを特定するクレーンデータと、当該クレーンデータにより特定されるクレーンにおける前記ワイヤーロープの寿命とを含むデータベースファイルを作成するデータベースファイル作成手段と、
    前記データベースファイルを記憶する記憶手段とを備え、
    前記寿命判定手段は、前記クレーンデータに基づいてデータベースファイルを検索し、該当するデータベースファイルに含まれる前記ワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーロープ管理システム。
  7. 前記ワイヤーロープは、複数種類あり、
    前記複数種類のワイヤーロープは、異なる使用条件を有する複数のクレーンに使用されており、
    前記寿命算出手段は、前記ワイヤーロープの寿命をクレーン及びワイヤーロープの組合せ毎に算出し、
    前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    前記複数のクレーンからクレーンを特定するクレーンデータと、前記複数種類のワイヤーロープからワイヤーロープを特定するワイヤーロープデータと、当該クレーンデータ及びワイヤーロープデータの組合せにおけるワイヤーロープの寿命とを含むデータベースファイルを作成するデータベースファイル作成手段と、
    前記データベースファイルを記憶する記憶手段とを備え、
    前記寿命判定手段は、前記クレーンデータ及びワイヤーロープデータに基づいてデータベースファイルを検索し、該当するデータベースファイルに含まれるワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーロープ管理システム。
  8. 前記ワイヤーロープ及び操業指標は、複数種類あり、
    前記複数種類のワイヤーロープは、異なる使用条件を有する複数のクレーンに使用されており、
    前記寿命算出手段は、前記ワイヤーロープの寿命をクレーン、ワイヤーロープ及び操業指標の組合せ毎に算出し、
    前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    前記複数のクレーンからクレーンを特定するクレーンデータと、前記複数種類のワイヤーロープからワイヤーロープを特定するワイヤーロープデータと、前記複数種類の操業指標から操業指標を特定する操業指標種類データと、当該クレーンデータ、ワイヤーロープデータ及び操業指標の組合せにおけるワイヤーロープの寿命とを含むデータベースファイルを作成するデータベースファイル作成手段と、
    前記データベースファイルを記憶する記憶手段とを備え、
    前記寿命判定手段は、前記クレーンデータ、ワイヤーロープデータ及び操業指標種類データに基づいてデータベースファイルを検索し、該当するデータベースファイルに含まれる前記ワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイヤーロープ管理システム。
  9. 前記操業指標は、吊り回数、吊り荷重あるいは使用時間である
    ことを特徴とする請求項8に記載のワイヤーロープ管理システム。
  10. 前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    ワイヤーロープの残寿命を計算するために入力されたクレーンの操業指標データ及び前記ワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープの残寿命を計算する残寿命算出手段を備え、
    前記表示手段は、前記ワイヤーロープの残寿命を表示する残寿命表示手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のワイヤーロープ管理システム。
  11. 前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    前記ワイヤーロープの寿命判定結果を音声で出力する音声出力手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のワイヤーロープ管理システム。
  12. 前記ワイヤーロープ管理システムは、さらに、
    前記クレーンの操業指標を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された操業指標から操業指標データを生成するデータ生成手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のワイヤーロープ管理システム。
  13. クレーンにおいて使用されるワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する寿命判定方法であって、
    過去のクレーンの操業の程度を示す操業指標データと当該操業時におけるワイヤーロープの伸長率データ及び残存強度データとの組み合わせを取得し、当該組み合わせに基づいてワイヤーロープの寿命を算出する寿命算出ステップと、
    操業中のクレーンの操業指標データと、前記寿命算出ステップにおいて算出されたワイヤーロープの寿命とを取得し、当該操業指標データ及びワイヤーロープの寿命に基づいてワイヤーロープが寿命に達しているか否かを判定する寿命判定ステップと、
    前記ワイヤーロープの寿命の判定結果を表示する表示ステップとを含む
    ことを特徴とする寿命判定方法。
  14. ワイヤーロープ管理システムのためのプログラムであって、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステムにおける手段としてコンピュータを機能させる寿命判定プログラム。

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