JP2005133007A - 無鉛ガソリン - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の運転性を後退させることなく、低温時のプラグのくすぶり性に優れ、CO、THC等の排出ガスが少ない無鉛ガソリンを提供する。
【解決手段】(A)ETBEを1〜25容量%、(B)特定性状の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜20容量%、又は特定性状の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜10容量%、特定性状の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜15容量%、(C)特定性状の軽質接触分解ガソリンを30〜70容量%、および(D)特定性状の脱硫軽質ナフサを5〜30容量%含み、RONが89〜95、MONが79〜84、芳香族分含有量が40容量%以下、オレフィン分含有量が30容量%以下、ベンゼン含有量が1容量%以下、硫黄分含有量が10質量ppm以下、T50が75〜110℃、E70が20〜40容量%、RVPが44〜93kPa、かつ60℃におけるV/Lが30〜70である無鉛ガソリン。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無鉛ガソリンに関し、詳しくは特定された蒸留性状および特定された成分組成を有する低温時のプラグのくすぶり性、運転性、排出ガス特性に優れた無鉛ガソリンに関する。
近年、ガソリンエンジン用燃料油としては、高オクタン価で運転性能に優れるとともに、環境性能にも優れるものが要望されるようになってきた。
従来、特許文献1に記載される軽質で高オクタン価の含酸素基材であるメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)を配合することにより、一酸化炭素(CO)、全炭化水素(THC)が低減でき、低温運転性にも優れたガソリンの生産・販売が最近まで行われていた。
しかし、MTBEの環境面への影響が懸念され、現在はMTBEを配合したガソリンの生産・販売が自粛され、そのオクタン価低下を補うために、重質で芳香族分含有量の多い高オクタン価基材を配合したガソリンが生産されるようになってきた。
この場合、特定の蒸留性状および成分組成を有するガソリンが知られているように(例えば特許文献2参照)、重質で芳香族分含有量が多い高オクタン価基材を配合するため、高沸点留分のオクタン価は向上するが、低沸点留分のオクタン価の低下、ガソリンの重質化、プラグの対くすぶり性の低下、および運転性への影響等が懸念される。
このようなプラグの対くすぶり性や運転性の向上を図るには、低沸点留分のオクタン価を高めることが重要であり、その要求を満たすものとしては低沸点・高オクタン価でプラグの対くすぶり性にも有効な性質を有する含酸素化合物が挙げられる。この含酸素化合物としては、例えば、上述のメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)以外に、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)やターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)(SAE 912313)が知られている。
また、アルコールやエーテル類等の含酸素化合物を混合したガソリン(SAE902132)も知られているが、これらのガソリンは始動性、運転性などの点において、未だ満足できない場合もあり、一層の改良が望まれている。
特公平5−53197号公報 特開平7−207286号公報
本発明は、自動車の運転性を後退させることなく、低温時のプラグのくすぶり性に優れ、かつCO、THC等の排出ガスが少ないガソリンエンジン用無鉛ガソリンを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、軽質な高オクタン価基材であるエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)を選定し、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)の特定量と他の特定の基材を用いることにより、燃料油中の芳香族分含有量を抑えつつ、プラグのくすぶり性を改善し、さらに細かく蒸留性状、組成を規定することにより、優れた性能を有するガソリンが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記構成の無鉛ガソリンであり、これにより上記本発明の目的が達成される。
1.(A)エチルターシャリーブチルエーテルを1〜25容量%、
(B)(b−1)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価が83以上、リード蒸気圧が30kPa以上、および沸点範囲が28〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜20容量%、又は
(b−2)リサーチ法オクタン価が78以上、モーター法オクタン価が70以上、リード蒸気圧が85kPa以上、沸点範囲が26〜80℃の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜10容量%、リサーチ法オクタン価が101以上、モーター法オクタン価が89以上、リード蒸気圧が3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜15容量%、
(C)リサーチ法オクタン価が88以上、モーター法オクタン価が77以上、リード蒸気圧が40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃の接触分解ガソリンを30〜70容量%、および
(D)リサーチ法オクタン価が65以上、モーター法オクタン価が62以上、リード蒸気圧が75kPa以上、沸点範囲が25〜100℃の脱硫軽質ナフサを5〜30容量%
含み、リサーチ法オクタン価が89〜95、モーター法オクタン価が79〜84、芳香族分含有量が40容量%以下、オレフィン分含有量が30容量%以下、ベンゼン含有量が1容量%以下、硫黄分含有量が10質量ppm以下、50%留出温度が75〜110℃、70℃留出量が20〜40容量%、リード蒸気圧が44〜93kPa、かつ60℃における気液比(V/L)が30〜70である無鉛ガソリン。
2.さらに、(E)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価が90以上、リード蒸気圧が40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃、C8留分が65容量%以上のアルキレートを3〜20容量%含むことを特徴とする上記1に記載の無鉛ガソリン。
本発明の無鉛ガソリンは、自動車のガソリンエンジン用に用いられ、低温時のプラグのくすぶり性を改善し、CO、THC等の排出ガス中の有害成分の含有量を低減し得るとともに、優れた低温始動性、運転性および高温再始動性を有する。
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の無鉛ガソリンIは、成分(A)、(B)、(C)および(D)を必須成分として含む。無鉛ガソリンIIは、上記成分(A)〜(D)に加えて成分(E)を必須成分として含む。
本発明の無鉛ガソリンIに用いられる成分(A)のエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)は、エタノールとイソブチレンの反応生成物として得られるもので、純度95.0%以上のものが好ましい。
成分(B)の成分(b−1)脱ベンゼン接触改質ガソリンは、重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して得られた改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留により取り除いたものである。本発明では、RONが93以上、好ましくは93〜99、MONが83以上、好ましくは83〜89、RVPが30kPa以上、好ましくは35〜55kPa、沸点範囲が28〜200℃の性状を有する。
また、成分(B)の成分(b−2)は、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンと脱ベンゼン重質接触改質ガソリンとからなる。
脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンは、重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して得られた改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の軽質留分である。該軽質留分は、RONが78以上、好ましくは78〜90、MONが70以上、好ましくは70〜83、RVPが85kPa以上、好ましくは85〜105kPa、沸点範囲が26〜80℃の性状を有する。
脱ベンゼン重質接触改質ガソリンは、改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の重質留分である。該重質留分は、RONが101以上、好ましくは101〜110、MONが89以上、好ましくは89〜98、RVPが3kPa以上、好ましくは3〜15kPa、沸点範囲90〜200℃の性状を有する。
成分(C)の接触分解ガソリンは、灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)で分解して得られた接触分解ガソリンを脱硫処理して得られたものである。本発明で用いる接触分解ガソリンは、RONが88以上、好ましくは88〜92、MONが77以上、好ましくは77〜81、RVPが40kPa以上、好ましくは45〜65kPa、沸点範囲が30〜210℃の性状を有するものである。
さらに、成分(D)の脱硫軽質ナフサは、原油を常圧蒸留した直留ナフサを脱硫処理して得られた脱硫直留ナフサを蒸留により、軽質留分と重質留分に分けた内の軽質留分であり、本発明で用いられる軽質ナフサは、RONが65以上、好ましくは65〜70、MONが62以上、好ましくは62〜67、RVPが75kPa以上、好ましくは75〜105kPa以上、沸点範囲が25〜100℃の性状を有するものである。
また、無鉛ガソリンIIに用いられる成分(E)のアルキレートは、イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるものである。
本発明では、C8留分が65容量%以上、好ましくは70容量%以上の各種のアルキレートが用いられる。用いられるアルキレートは、イソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)を28容量%以上、好ましくは30容量%以上含む。また、該アルキレートは、RONが93以上、好ましくは94〜96、MONが90以上、好ましくは91〜94、RVPが40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃の性状を有する。このようなアルキレート、即ち成分(E)を含有する無鉛ガソリンIIは、RONとMONの差が縮まりセンシティビティー(RON−MON)が改善されている。
本発明の無鉛ガソリンIは成分(A)、(B)、(C)および(D)を、無鉛ガソリンIIは成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E)を必須成分とし、その配合量は前述した燃料油の要求性状を満たすように、各成分の性状等により適宜選択すれば良い。
無鉛ガソリンIは、通常、成分(A)であるETBEを1〜25容量%、好ましくは3〜20容量%、成分(B)の成分(b−1)である脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜20容量%、好ましくは2〜15容量%、又は成分(B)の成分(b−2)を構成する脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜10容量%、好ましくは2〜8容量%、脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜15容量%、好ましくは2〜10容量%、(C)成分の接触分解ガソリンを30〜70容量%、好ましくは30〜60容量%、そして、(D)成分の脱硫軽質ナフサを5〜30容量%、好ましくは5〜25容量%の範囲で適宜配合すれば良い。
燃料油IIは、上記無鉛ガソリンIの成分(A)、(B)、(C)、(D)に加えて成分(E)であるアルキレートを3〜20容量%、好ましくは5〜15容量%の範囲で適宜配合すれば良い。
(A)成分のETBEが25容量%を超えるものでは、発熱量の低下による燃費への影響が懸念される。
上記成分を含有してなる無鉛ガソリンIおよびIIは、RONが89〜95、好ましくは90〜93、MONが79〜84、好ましくは80〜84、芳香族分含有量が40容量%以下、好ましくは35容量%以下、オレフィン分含有量が30容量%以下、好ましくは25容量%以下、T50(50%留出温度)が75〜110℃、好ましくは75〜105℃、E70(70℃留出量)が20〜40容量%、好ましくは20〜38容量%、RVPが44〜93kPa、かつ60℃における気液比(V/L)が30〜70、好ましくは35〜60、ベンゼン含有量が1容量%以下、そして硫黄分含有量が10質量ppm以下の性状を有する。
無鉛ガソリンIおよびIIの芳香族分が上記範囲以上になると、プラグのくすぶりが発生する可能性、あるいは排気ガス中の有害成分が増加する場合があり、オレフィン分が上記範囲を超えると、酸化安定性が劣る場合、排出ガス中のNOxが増加する場合があるため好ましくない。
また、T50、E70、RVP、あるいは60℃におけるV/Lが上記範囲外では、始動性、加速性、運転性に不具合を生じる場合があり好ましくない。
また、ベンゼン含有量が1容量%を超えると排出ガス中のベンゼン濃度が高くなる場合があり、硫黄分が10質量ppmを超えると排出ガス浄化性能に影響する可能性があるため好ましくない。
なお、上記RONは、JIS K 2280に準拠して、芳香族分、オレフィン分およびベンゼンは石油学会法JPI−5S−33−90(ガスクロマトグラフィー法)に準拠して、T50、E70等の蒸留性状はJIS K 2254に準拠して、RVPはJIS K 2258に準拠して、60℃におけるV/LはASTM D 2533−93aに準拠して、そして硫黄分はJIS K 2541に準拠して、各々測定した値である。
本発明の無鉛ガソリンI、IIには、さらに必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することが出来る。このような添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミン、ポリイソブチレンアミン等の清浄分散剤、多価アルコールおよびそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、およびアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種または数種組み合わせて添加することが出来る。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
またさらに、本発明の無鉛ガソリンに、必要に応じて、原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、あるいは分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分、直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、軽質ナフサ好ましくは脱硫軽質ナフサ、改質ガソリン等から得られるもの、あるいはアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン、芳香族製造設備から得られるトルエン、キシレン、あるいは炭素数9以上の芳香族等を配合することも可能である。
以下に本発明の内容を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1、2および4)
接触分解装置、接触改質装置又は常圧蒸留装置から生成するC4留分(ブタン、ブテン類)、下記性状の脱ベンゼン接触改質ガソリン、接触分解ガソリン、脱硫軽質ナフサ、アルキレート、およびETBEを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
・脱ベンゼン接触改質ガソリン
芳香族分が49.7容量%、オレフィン分が0.7容量%、T50が104.5℃、E70が23.0容量%、RVPが52.0kPa、RONが95.7、MONが85.9
・接触分解ガソリン
芳香族分が1.2容量%、オレフィン分が44.3容量%、T50が99.0℃、E70が27.0容量%、RVPが51.0kPa、RONが91.1、MONが79.8
・脱硫軽質ナフサ
芳香族分が1.9容量%、オレフィン分が0.0容量%、T50が51.5℃、E70が92.5容量%、RVPが89.5kPa、RONが69.8
・アルキレート
芳香族分が0.2容量%、オレフィン分が0.0容量%、T50が106.0℃、E70が8.5容量%、RVPが48.0kPa、RONが94.6、MONが91.9
(実施例3)
実施例1、2および4に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、接触分解ガソリン、アルキレート、脱硫軽質ナフサ、ETBE、下記性状の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンおよび脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
・脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン
芳香族分が1.1容量%、オレフィン分が1.7容量%、T50が45.0℃、E70が100容量%、RVPが102.5kPa、RONが86.3、MONが79.2
・脱ベンゼン重質接触改質ガソリン
芳香族分が88.2容量%、オレフィン分が0.4容量%、T50が123.0℃、E70が0.0容量%、RVPが7.0kPa、RONが103.9、MONが91.5
(実施例5)
実施例1、2および4に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、脱ベンゼン接触改質ガソリン、接触分解ガソリン、脱硫軽質ナフサ、およびETBEを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
(比較例1)
実施例1、2および4に記載のC4留分(ブタン、ブテン類)、脱ベンゼン接触改質ガソリン、接触分解ガソリン、脱硫軽質ナフサおよびアルキレートを表1記載の配合により、表1に記載する性状のガソリンを得た。
(比較例2)
実施例1、2および4に記載の脱ベンゼン接触改質ガソリン、接触分解ガソリン、および脱硫軽質ナフサを表1記載の配合により、表1に記載する性状のガソリンを得た。
(比較例3)
実施例1、2および4に記載の脱ベンゼン接触改質ガソリン、接触分解ガソリン、脱硫軽質ナフサ、アルキレート、および実施例3に記載の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを表1に示す配合比で配合することにより、表1に記載する性状のガソリンを得た。
上記、実施例1〜5と比較例1〜3のガソリンを用いて、以下に述べる各種の性能評価試験を行った。その方法を以下に記し、結果を表1に示す。
(プラグのくすぶり性試験)
総排気量2L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT)の車両を用い、−10℃の試験温度条件で、1サイクル約30分(エンジン始動⇒10−20km/hの加減速を10回繰り返し⇒28分間冷却)の繰返し試験を行い、そのプラグの絶縁抵抗を測定することによりプラグの汚損度を測定した。なお、プラグのくすぶりは、プラグの絶縁抵抗値が100MΩ以下で発生したと判定した。
(低温始動性試験)
国産乗用車(総排気量1.8L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT))を用いて、環境温度(室温、油温)−10℃にてエンジンを始動し、完爆時間(クランキング後、エンジンが自力で回転を続けられるようになるまでの時間)を測定した。
(加速性試験および高温再始動性試験)
国産乗用車(総排気量1.8L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT))を用いて、CRC Report No.490に準拠して行った。
ここで、加速性試験は、40km/hから120km/hになるまでの時間(加速時間)を測定し、下記数式(1)を用いて加速時間増加率を求めた。
加速時間増加率(%)=[(キーオフソーク後加速時間(sec)−基準加速時間(sec))/基準加速時間(sec)]×100・・・・・数式(1)
また、高温再始動性試験は、キーオフソーク後の始動時間を測定した。
(排出ガス試験)
国産乗用車(総排気量2.5L、MPI方式、オートマチックトランスミッション(AT)、三元触媒装着)を用いて、10・15モードでの排出ガス試験を行い、一酸化炭素(CO)、全炭化水素(THC)、窒素酸化物(NOx)を測定した。
Figure 2005133007
表1に示される結果より、本発明の無鉛ガソリン(実施例1〜4)は、低温時のプラグのくすぶり性が改善され、CO、THC、NOxの排出ガス中の有害成分の含有量が低減され、しかも優れた低温始動性、加速性及び高温再始動性を有することが分かる。

Claims (2)

  1. (A)エチルターシャリーブチルエーテルを1〜25容量%、
    (B)(b−1)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価が83以上、リード蒸気圧が30kPa以上、および沸点範囲が28〜200℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜20容量%、又は
    (b−2)リサーチ法オクタン価が78以上、モーター法オクタン価が70以上、リード蒸気圧が85kPa以上、沸点範囲が26〜80℃の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを2〜10容量%、リサーチ法オクタン価が101以上、モーター法オクタン価が89以上、リード蒸気圧が3kPa以上、沸点範囲が90〜200℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜15容量%、
    (C)リサーチ法オクタン価が88以上、モーター法オクタン価が77以上、リード蒸気圧が40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃の接触分解ガソリンを30〜70容量%、および
    (D)リサーチ法オクタン価が65以上、モーター法オクタン価が62以上、リード蒸気圧が75kPa以上、沸点範囲が25〜100℃の脱硫軽質ナフサを5〜30容量%含み、リサーチ法オクタン価が89〜95、モーター法オクタン価が79〜84、芳香族分含有量が40容量%以下、オレフィン分含有量が30容量%以下、ベンゼン含有量が1容量%以下、硫黄分含有量が10質量ppm以下、50%留出温度が75〜110℃、70℃留出量が20〜40容量%、リード蒸気圧が44〜93kPa、かつ60℃における気液比(V/L)が30〜70である無鉛ガソリン。
  2. さらに、(E)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価が90以上、リード蒸気圧が40kPa以上、沸点範囲が30〜210℃、C8留分が65容量%以上のアルキレートを3〜20容量%含むことを特徴とする請求項1に記載の無鉛ガソリン。
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